JP3877255B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等で実施される画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの低コスト化に加え、メモリ容量の増加と処理速度の向上によりフルカラー画像処理が普及し、かつ、ネットワーク化が拡大しつつある。これにより、低コストであることの他、画質、記録速度において、一層性能の高いフルカラープリンタへの要求が高まっている。
電子写真方式の記録方法は、近年広く普及している熱記録方式、インクジェット方式などの記録方式に比べて、画質、記録速度にすぐれ、かつ種々の記録紙を使用できるなど、大きい長所を有するため、今後とも注目され発展性の大きい技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記電子写真方式の記録方法は、画像形成のための工程が多く、装置が大型、重い、大きい、低コスト化が困難という問題点があった。特に、帯電装置における高電圧使用とオゾンの発生という安全性、環境問題を有し、小型化、パーソナル化が困難であった。さらに、モノカラー記録に比して更に記録工程が増大するフルカラー記録においては、小型化、パーソナル化がより困難となってしまう。
【0004】
そこで、電子写真方式による画像形成装置において、作像工程の簡素化、小型化、低コスト化、保守性の向上を狙いとして、透光性基体、透光性電極層、感光層より構成される透光性感光体を使用し、該透光性感光体の背面側(透光性電極あるいは透光性基体側)から、LEDアレイ、LCDシャッタアレイ等よりの画像光により画像露光を行うと同時に、感光層表面の上記画像露光で光が照射された光像に対応する部分にトナーを付着させて現像を行う画像形成装置(以下、背面露光方式の画像形成装置という)が各種提案されている。
【0005】
例えば、特開昭58−98748号公報には、透光性導電性基体、キャリアを発生する感光層とキャリア移動層として機能する感光層とを積層して形成した感光体を使用し、該感光体の上記導電性基体と、導電性磁性トナーとの間に直流電圧を印加しつつ、該導電性基体を通して感光層に画像光を照射して、現像を行う方法が開示されている。
また、特開昭60−192967号公報には、導電性磁性トナー、あるいは、絶縁性トナーと導電性キャリアとからなる2成分現像剤を用い、感光化ロールから像形成部材である感光体に静電力によってトナーを一様に移動させ、次いで像形成源により感光体に光が照射されて該光照射領域に隣接したトナー粒子へ加わる静電力を増大せしめる。そして、該感光体上の上記光が照射されなかった領域のトナーが現像ロールによって除去することにより、現像を行う方法が開示されている。
また、特開昭60−101570号公報には、光導電体層に光像露光を行い、これと同時若しくは直後に、絶縁性トナーを電界の作用下で、光照射部にのみ選択的に付着させる方法が述べられている。
【0006】
上記特開昭58−98748号、特開昭60−192967号、特開昭60−101570号の方法においては、いずれも上記感光体表面を帯電しない状態で像露光を行い、該像露光で光を照射した部分の感光体表面にトナーと逆極性の電荷を発生させてこの電荷とトナーの有する電荷との静電的な力によって、トナーを感光体上に付着する方法が採用されている。ところが、この方法では、像露光で光を照射しない部分においてトナーとの反発力を積極的に生じさせるわけではないため、非画像部においてもトナーが付着して、画像汚れ、カブリなどが発生してしまうという問題点があった。特に、トナーの荷電制御が困難である絶縁性トナーを用いた場合には、このような画像汚れ、カブリなどが発生しやすい。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、大型の帯電装置を用いることなく感光体上の帯電を行うことにより、画像汚れ、カブリなどの発生を防止できる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、少なくとも透光性電極層と光導電体層とを有する感光体と、帯電トナーを層状に担持して、該感光体との間の記録領域に搬送するトナー担持体と、トナー担持体上にトナーの薄層を形成する薄層形成手段と、上記感光体の透光性電極層側から、上記記録領域に対応する感光体部分の少なくとも一部に像露光を行う露光装置とを有し、上記像露光に対応して感光体に選択的にトナーを付着させることで画像を形成する画像形成装置において、上記トナー担持体が、少なくとも上記トナー担持体と上記感光体との間の記録領域に電界を形成するために、上記感光体と対向して設けられた現像電極を有し、該現像電極と該感光体の透光性電極層との間に所定のバイアス電圧を形成するバイアス電圧印加手段と、上記記録領域において、該バイアス電圧印加手段によるバイアス電圧の印加によって上記感光体表面を帯電することが可能な程度の間隔を形成及び保持する間隔形成手段とを設け、上記間隔形成手段として、トナーとは異なる粒状体であって、その平均粒径が、上記トナーの平均粒径の1倍以上3倍以下であるものを用い、上記記録領域よりも感光体表面移動方向上流側の位置で該感光体表面に上記粒状体を供給する粒状体供給装置を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記粒状体の比抵抗が103Ωcm以上であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記粒状体を、高分子樹脂で形成したことを特徴とするものである。該高分子樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、含フッ素樹脂等を用いることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記粒状体が球状であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、記録領域における感光体表面とトナー担持体表面との平均距離が、ゼロより大きい値となることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、上記記録領域よりも感光体表面移動方向上流側の位置で該感光体表面に上記粒状体を供給する粒状体供給装置を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記粒状体供給装置として、上記粒状体を担持しかつ上記感光体に接触する回転可能なブラシ状部材を有するものを用いたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項8の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記粒状体供給装置として、上記粒状体を担持しかつ上記感光体に接触する回転可能な弾性多孔質部材を有するものを用いたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、上記粒状体が、トナーと混合されて上記トナー担持体表面へ供給されることを特徴とするものである。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の画像形成装置において、上記感光体及び上記トナー担持体の少なくとも一方の表面が弾性を有していることを特徴とするものである。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の画像形成装置において、上記感光体及び上記トナー担持体の少なくとも一方がベルト状であることを特徴とするものである。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の画像形成装置において、上記感光体の表面が非弾性であり、上記トナー担持体表面が弾性を有し、かつ、上記感光体と上記トナー担持体とが、上記粒状体を介し、幅を持って接触することを特徴とするものである。
【0020】
請求項13の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の画像形成装置において、上記トナー担持体として、軸上に弾性を有する材料で構成された層を積層したものを用いたことを特徴とするものである。
【0021】
請求項14の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13の画像形成装置において、上記トナー担持体として、軸上にソフト化層及び弾性薄膜層を積層したものを用いたことを特徴とするものである。
【0022】
請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、上記ソフト化層が弾性を有するゴム材、スポンジゴム、樹脂発泡体からなることを特徴とするものである。
【0023】
請求項16の発明は、請求項14又は15の画像形成装置において、上記軸及びソフト化層が導電性を有することを特徴とするものである。
【0024】
請求項17の発明は、請求項14、15又は16の画像形成装置において、上記弾性薄膜層が導電性を有することを特徴とするものである。
【0025】
請求項18の発明は、請求項14、15、16又は17の画像形成装置において、上記弾性薄膜層として弾性シリンダを用い、該弾性シリンダに前記軸及びソフト化層を挿入することで前記トナー担持体を形成したことを特徴とするものである。
【0026】
請求項19の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18の画像形成装置において、上記トナー担持体と上記感光体との対向部で、該感光体表面に対する該トナー担持体表面のトナー搬送方向の速度が正であることを特徴とするものである。
【0027】
請求項20の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、上記感光体表面の帯電極性と同じ極性に帯電するトナーを用い、かつ、上記像露光によって光を照射した感光体部分に該トナーを付着させることで上記画像を形成することを特徴とするものである。
【0028】
請求項21の発明は、上記感光体と上記トナー担持体とが上記粒状体を介し、接触幅を持って接触するように上記記録領域を構成した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、上記感光体と上記トナー担持体との接触領域における感光体表面移動方向下流側端部で上記像露光を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0029】
請求項22の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21の画像形成装置において、上記バイアス電圧印加手段が、上記現像電極と上記感光体の透光性電極層との間に直流バイアス電圧に交流バイアス電圧を重畳したバイアス電圧を印加するものであることを特徴とするものである。
【0030】
請求項1乃至22の画像形成装置においては、上記間隔形成手段により、上記記録領域において、該バイアス電圧印加手段によるバイアス電圧の印加によって上記感光体表面を帯電することが可能な程度の間隔を形成及び保持する。このように間隔が形成及び保持された状態で、上記バイアス電圧印加手段によって上記トナー担持体の上記現像電極と上記感光体の透光性電極層との間にバイアス電圧を印加することで、上記感光体表面が帯電可能な状態となる。よって、上記記録領域で、感光体表面が所望の極性に帯電されることとなる。そして、帯電された感光体に対して上記像露光及び上記感光体への選択的なトナー付着が行われる。具体的には、上記像露光により、露光量に応じて感光体表面の電荷分布が変化し、光の照射の有無に応じた電荷分布が形成される。そして、この電荷分布に応じて上記感光体への選択的なトナー付着が行われ、所望のトナー像が形成されることとなる。このように、感光体表面を予め帯電してから像露光を行うことで、像露光により光を照射する部分のみならず、像露光により光を照射しない部分においても、感光体表面の電荷量を制御することができる。すなわち、トナーを付着させる画像部とトナーを付着させない非画像部との双方の感光体表面の電荷量を制御することができる。よって、非画像部でトナーとの間に積極的に反発力を生じさせて、非画像部へのトナー付着を防止することができる。
また、上記間隔形成手段によって上記間隔が形成及び保持されていることで、感光体表面とトナー担持体表面との間隔を一定に保つことができるので、均一に帯電を行うことができる。また、感光体とトナー担持体とが接触状態になったり、感光体とトナー担持体との間に存在するトナーにバラツキがあって、特に、低抵抗あるいは導電性の領域が発生したりすると、この領域に集中放電が発生して帯電ムラや帯電不良が発生するおそれがあるが、上記感光体表面とトナー担持体表面との間隔を一定に保つことでこのような集中放電の発生を防止することができる。
【0031】
請求項4乃至22の画像形成装置においては、上記粒状体が球状であるので、不定形の粒子とは異なり、安定して上記記録領域の接触面積を確保することができる。
【0032】
請求項6、7、8、及び、10乃至22の画像形成装置においては、上記粒状体供給装置によって上記記録領域よりも感光体表面移動方向上流側の位置で該感光体表面に上記間隔形成手段としての粒状体を供給する。該感光体表面に供給された粒状体は、上記記録領域に進入して、該感光体と該トナー担持体との間隔を形成及び保持する。
【0033】
請求項7、及び、10乃至22の画像形成装置においては、上記粒状体を担持し且つ上記感光体に接触する回転可能なブラシ状部材により、上記感光体表面に上記間隔形成手段としての粒状体を供給する。該感光体表面に供給された粒状体は、上記記録領域に進入して、該感光体と該トナー担持体との間隔を形成及び保持する。
【0034】
請求項8、及び、10乃至22の画像形成装置においては、上記粒状体を担持しかつ上記感光体に接触する回転可能な弾性多孔質部材により、上記感光体表面に上記間隔形成手段としての粒状体を供給する。該感光体表面に供給された粒状体は、上記記録領域に進入して、該感光体と該トナー担持体との間隔を形成及び保持する。
【0035】
請求項9、及び、10乃至22の画像形成装置においては、上記粒状体が、トナーと混合されて上記トナー担持体表面へ供給されるので、該粒状体を供給するための供給装置を新たに設ける必要がない。
【0036】
請求項10乃至22の画像形成装置においては、上記感光体及び上記トナー担持体の少なくとも一方の表面が弾性を有しているので、該感光体と該トナー担持体とが上記粒状体を介して接触する幅を比較的広く確保することができる。これにより、上記帯電を行う期間を長くして、より均一な帯電を行うことができる。
【0037】
請求項11乃至22の画像形成装置においては、上記感光体及び上記トナー担持体の少なくとも一方がベルト状であるので、該感光体と該トナー担持体とが上記粒状体を介して接触する幅を比較的広く確保することができる。これにより、上記帯電を行う期間を長くして、より均一な帯電を行うことができる。
【0038】
請求項14乃至22の画像形成装置においては、上記トナー担持体として、軸状にソフト化層及び弾性薄膜層を積層したものを用いたので、感光体とトナー担持体とが上記粒状体を介して接触する幅を、上記ソフト化層によってより広く確保することが可能であると共に、上記弾性薄膜層として、トナー担持性に優れ、トナー帯電性に優れ、かつ、トナーフィルミングの防止に適した材料を選択することができる。
【0039】
請求項16乃至22の画像形成装置においては、上記軸及びソフト化層を上記現像電極として用い、上記感光体を帯電させるためのバイアス電位を印加することができる。
【0040】
請求項17乃至22の画像形成装置においては、上記弾性薄膜層を上記現像電極として用い、上記感光体を帯電させるためのバイアス電位を印加することができる。
【0041】
請求項19乃至22の画像形成装置においては、上記トナー担持体と上記感光体との対向部で、上記トナー担持体表面が、上記感光体表面に対してトナー搬送方向に正の速度で移動する。これにより、上記対向部で、上記感光体表面に対する該トナー担持体表面のトナー搬送方向の速度が0以下である場合、すなわち、上記対向部で、上記トナー担持体表面が上記感光体表面と等速で移動する場合に比して多くのトナー担持体上トナーに、上記対向部で該感光体表面の各部が対向することとなる。これにより、上記トナー担持体が、上記感光体表面に対する該トナー担持体表面のトナー搬送方向の速度が0以下である場合に比して多くのトナーを感光体との間の前記記録領域に供給し、高濃度の画像を形成することができる。
【0042】
ここで、上記感光体表面の帯電極性と異なる極性に帯電するトナーを用い、かつ、上記像露光によって光を照射しなかった感光体部分に該トナーを付着させることで上記画像を形成する、いわゆるポジ・ポジ現像を行う場合には、上記トナー担持体と感光体との間にトナーが介在する状態で上記感光体表面を帯電する荷電体により、トナーが有する電荷が減少したり、該トナーが該感光体表面と同極性に帯電されてしまったりすることが考えられる。そして、これにより、露光後に、トナーを付着させるべき上記光を照射しなかった感光体部分に該トナーが付着しにくくなり、画像濃度が減少してしまったり、トナーが画像部以外の部分に付着してしまう背景付着が生じてしまったりするおそれがある。
【0043】
請求項20乃至22の画像形成装置においては、上記トナーの帯電極性が、上記感光体表面の帯電極性と同極性であるので、上記感光体が再び帯電されることによって、トナーの帯電量が減少したり、極性が逆転したりすることがない。従って、露光後に、トナーを付着させるべき上記光を照射した感光体部分に該トナーが付着しにくくなることがない。
【0044】
請求項21及び22の画像形成装置においては、上記光の照射の有無に応じた電荷分布を形成するような像露光を、上記接触領域の感光体表面移動方向下流側端部で行うことにより、該電荷分布が形成された状態を維持したまま該接触領域を抜け出ることとなる。これにより、感光体とトナー担持体とが上記接触領域で接触している間継続される帯電により、像露光で形成された上記電荷分布が、再度均一化されて消去されるのを防止することができる。
【0045】
請求項22の画像形成装置においては、上記バイアス電圧印加手段により、、上記現像電極と上記感光体の透光性電極層との間に直流バイアス電圧に交流バイアス電圧を重畳したバイアス電圧を印加する。交流バイアス電圧の印加は、前記粒状体の粒径が、トナー粒径に比して大きくトナーが感光体表面に対して、非接触状態にある時は、感光体へのトナー付着を高める他に、トナーの凝集を防止する、トナー担持体電極よりの電荷注入によるトナーの帯電が生じる。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示すものである。
この画像形成装置は、透光性感光体2を備えている。この透光性感光体(以下感光体という)2は、透光性基体上に透光性電極層が形成されて電極22が構成され、該電極22の該透光性電極層上に光導電層21が形成されて構成されている。図示の例の感光体2は、矢印A方向に回転駆動される。なお、図示の例の感光体2はドラム状構造となっているが、ベルト状構造であってもよい。
【0047】
上記透光性基体の材料としては、各種ガラス、あるいはアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリサルホンなど透光性を有する高分子化合物を広く使用することができる。また上記透光性電極層としては、銅、錫、銀、金、パラジウム、インジウムなど金属の蒸着薄膜、ITO(In、Snの化合物)蒸着膜あるいは導電性微粉末の樹脂バインダー分散体の塗布層などを用いることができる。
【0048】
また上記光導電層21としては、暗所で高抵抗で、光照射時には導電性となるものを用いるのが望ましい。
具体的には、真空蒸着により形成されるSe系材料の層、アモルファスシリコン系材料のスパッタリングによる膜、ZnO、CdS系などの光導電性微粉末を樹脂などのバインダーに分散した系からなる層、有機感光体層などで構成でき、特に例えばチタニルフタロシアニンのごとき電荷発生物質を含む層及びピラゾリン誘導体のごとき電荷輸送物質を含む層より構成されるいわゆる二層構成の有機感光体層で構成するのが好ましい。
【0049】
感光体2の内側(背面側)には、画像露光装置1が設けられている。この露光装置1は、図示されていない駆動装置により記録すべき画像信号に応じて発光素子を駆動して得た画像光を、結像光学系より記録領域D内の所定の露光位置に対応する感光体2の光導電層の好ましい画像を与える位置に結像照射するものである。例えば発光素子としてのLEDアレイ及び結像光学系としてのセルフォックレンズアレイなどを用いて構成できる。またレーザー光を用いた光書き込み装置やLCDシャッタアレイを用いた光書き込み装置などで構成することもできる。
【0050】
また、この画像形成装置においては、感光体2の表面に対向するように現像装置3が設けられている。この現像装置3においては、非磁性一成分現像剤としての非磁性トナー(以下、トナーという)10を担持するトナー担持体31、該トナー担持体31上にトナーの薄層を形成するトナー薄層形成部材32、トナー担持体31にトナーを供給するトナー供給部材33、トナー撹拌部材(アジテータ)34及び除電部材35が、現像容器36内に配設され、該現像容器内にトナー10を収容している。上記トナー担持体31は、図中矢印B方向に回転駆動される。
なお、この画像形成装置においては、非磁性トナーを用いて画像形成することで、ピュアなカラー画像の形成が可能となる。
【0051】
上記現像容器36内において、上記アジテータ34はトナー10を撹拌して、トナー10のブロック化による流動性の悪化や、画像ムラ発生の原因となる、現像容器36内におけるトナーの局在滞溜を防止しながら、トナー供給部材33へトナー10を安定して搬送するものである。このアジテータ34には、トナーをある程度所望の極性に帯電する作用もみとめられ、トナーの帯電の迅速な立上りや均一帯電に寄与するものである。
【0052】
上記トナー供給部材33は、トナー10をトナー担持体31へ供給するものであり、該トナー10をトナー担持体31へ搬送、保持せしめる働きをする。
このトナー供給部材33は、その表面状態にてトナーの搬送力を有することが望ましく、このためトナー供給部材33の表面は、凸凹を有するかあるいは多孔質であることが望ましい。
またトナー供給部材33は、トナー担持体31との接触部において、トナー10をトナー担持体31表面に圧接及び摺擦せしめることにより、トナー10とトナー担持体31表面との摩擦帯電を生じせしめ、トナー10をトナー担持体31表面に静電的に強く保持せしめる働きを有する。このためにもトナー供給部材33は、前記のごとく、凸凹あるいは多孔質であることが望ましい。
またトナー供給部材33は、トナー担持体31に対して過度に大きな機械的力を与えことによるトナー担持体31表面のキズやトナーフィルミングの発生を防止するため、ソフトな表面、弾性表面を有することが望ましい。このようなトナー担持体31表面の不均一なキズは、感光体2の表面に形成される薄層の均一性を損ない、最終画像上に前記キズに対応した模様を発生させることから画像欠陥の原因となる。またトナー担持体31上のトナーフィルミングは、トナー帯電劣化を発生させて、カブリや画像汚れの発生さらには現像容器36よりのトナー飛散の原因になる。
以上の観点からトナー供給部材33の表面材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、EPDMゴムなどのゴム材あるいは、これらゴム材のスポンジゴム、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの発泡樹脂などの弾性多孔質材料を用いることが望ましい。なお、トナー供給部材33を導電化せしめて、バイアス電圧印加によりトナー担持体31へトナー10をより効果的に付着せしめるようにしてもよい。
【0053】
トナー薄層形成部材32は、トナー担持体31上のトナー層厚をより均一に薄層化するものである。上記トナー供給部材33によりトナー担持体31に供給されたトナー担持体31上のトナー10は、層厚が不均一で、また、トナー同士の凝集が発生した状態で多層にトナー担持体31上に付着した状態となっている。そして、トナー担持体31表面に接しているトナー10以外のトナーの帯電は、トナー同士の相互摩擦によるものが支配的であり、荷電制御が達成されていない。そこで、確実に荷電制御されたトナー、すなわち、トナー担持体31表面に接しているトナーを主として、トナー担持体31上に残し、感光体2との対向部に搬送すべく、トナー層の表面部のトナー通過を規制してより均一に薄層化するのである。またこのトナー薄層形成部材32はトナー担持体31上に薄層に形成されるトナー層101のトナーをさらに摩擦帯電し得る。この摩擦帯電では、トナー担持体31上のトナーが、トナー薄層形成部材32により一個一個確実に摩擦帯電されることから、トナー薄層形成部材32通過後のトナー担持体31上のトナーは、均一な帯電量を有しかつトナー供給部材上に強く保持される。なお、このようにトナー薄層形成部材32によってトナーが摩擦帯電されることを考慮すれば、上記トナー担持体31上に残すトナーは、トナー担持体31表面に接しているトナーのみすなわち単層のみでなく、2層までは許容できる。
【0054】
このようにして、この現像装置においては、トナー担持体により、確実に帯電されたトナーのみを上記感光体2との対向部に搬送し、該トナーを用いて画像形成が行われることとなる。これにより、荷電制御が達成されていないトナーが用いられることに起因するカブリや画像汚れの発生を防止することができる。
【0055】
上記トナー薄層形成部材32の表面材質としては、ステンレス、リン青銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、含フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイドなどの樹脂、あるいはウレタンゴム、シリコーンゴム、EPDMゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどのゴム材などを使用できる。
なお、トナー薄層形成部材32表面へのトナー固着の防止のためには、含フッ素樹脂などの非粘着材の表面材料への混入あるいは表面への被着を行うことが好ましい。また、効果的にトナーの帯電を行うには、該トナー薄層形成部材が電極となり、トナーへ所望の極性の電荷を注入できるように、トナーと接する部分が導電性を有することが望ましい。このためには、例えばトナー薄層形成部材の表面材質として金属を用いてもよいが、金属を用いる場合にはトナー固着の発生防止のために十分放熱可能に設計する必要があることから、カーボンブラックなどの導電性微粉末を含有する樹脂を用いるのが好ましい。
【0056】
なお、図1に示すトナー薄層形成部材32は板状のものであり、そのエッジ部にてトナー担持体31上にトナー薄層101を形成せしめているが、他の構造、例えばローラー状構造にしてもよい。この場合、該ローラーの回転によりトナー層101を形成するようにしてもよい。
【0057】
上記構成の現像装置において、現像装置36内のトナー10はトナー供給部材33及びトナー薄層形成部材32により、トナー担持体31に対して圧接、摺擦せしめられて、均一に所望の極性、例えばマイナスに摩擦帯電しまた薄層化され、これによりトナー担持体31上に静電的に強く保持されてトナー薄層101を形成し、該トナー担持体31により感光体2との対向部である記録領域Dに向けて移動する。
【0058】
そして、この画像形成装置においては、感光体2とトナー担持体との対向部である記録領域Dにおいて、初期化工程、帯電工程、画像露光工程(潜像形成工程)、トナー現像工程(可視化工程)が順次あるいは同時(一部順次、一部同時を含む)に行われ、画像露光に対応して感光体2上にトナー10を選択的に付着せしめ、トナー像が形成される。
上記初期化工程は、後述する転写後に、感光体2に残留する不均一な電荷の除去、逆帯電あるいは低帯電量の残留トナーの除去、また、トナーの所望の極性への帯電を行うものである。この初期化工程の詳細については後述する。
【0059】
上記帯電工程においては、感光体2は均一に所望の極性に全面帯電され、感光化される。この帯電工程の詳細についても、後述する。
【0060】
前記画像露光工程においては、像露光がなされ、露光量に応じて感光体表面の電荷分布が変化し、光の照射の有無に応じた電荷分布が形成される。図示の装置においては、感光体2の光導電層21として、暗所で高抵抗で、光照射時には導電性となるものを用い、かつ、感光体の帯電極性とトナーの帯電極性とが同極性であるネガ・ポジ現像を採用している。この装置においては、トナーを付着させる部分である画像部に光が照射される。そして、この光が照射された部分では、上記光導電層21の抵抗が小さくなり、導電性となることから、上記帯電工程で付与された該光導電層21表面の電荷、例えばマイナスの電荷が、該光導電層21部分を介して上記電極22へと流れて放電される。一方、光が照射されない部分、すなわち、トナーを付着させない部分である非画像部では、上記帯電工程で付与された光導電層21表面の電荷は残留する。このように、光の照射の有無に応じて静電荷による潜像が形成されることとなる。
【0061】
前記現像工程においては、帯電したトナーが、前記画像露光工程において形成された静電荷像の静電荷量に対応して選択的に付着し、可視像であるトナー像が形成される。図示の装置においては、前述のようにトナーの帯電極性と感光体の帯電極性とが同じであるネガ・ポジ現像を採用しているので、上記光が照射され、感光体表面の帯電電荷、すなわち、トナーの帯電極性と同極性の電荷が放電された部分に、トナーが付着することとなる。具体的には、バイアス電圧印加手段としてのバイアス電源37からの電圧印加により、感光体2上の光が照射された部分ではトナー担持体31から感光体2表面に向けてトナーが移動し、かつ、感光体2上の光が照射されていない部分ではトナー担持体31にトナーが引き寄せられる電界が形成されるように、トナー担持体31表面電位が設定される。これにより、上記感光体上の光が照射された部分にトナーが付着して、所望のトナー像が形成される。
【0062】
次に、本画像形成装置における帯電行程について詳しく説明する。この画像形成装置においては、上記現像装置3が帯電装置としての機能を有する。具体的には、現像装置3が備えている上記トナー担持体31が帯電装置として機能する。これにより、特別な帯電装置を用いることなく、上記露光と同時あるいは直前に上記感光体2表面を一様に帯電することが可能となっている。
この画像形成装置において、上記トナー担持体31は、上記感光体2と対向して設けられた現像電極を有しており、前記バイアス電圧印加手段としてのバイアス電源37にって該現像電極にバイアス電圧が印加されることで、トナー担持体31表面と感光体2との間の記録領域Dに電界を形成することができるように構成されている。図示の装置においては、トナー担持体31として、図2(a)に示すように軸部31a上に現像電極としての導電性の電極層31bを設けたものを用いており、該電極層31bと前記感光体2の電極22との間に前記バイアス電源37によって上記現像用のバイアスが印加される。
【0063】
そして、本実施形態に係る画像形成装置においては、上記バイアス電源37によるバイアス電圧の印加によって、上記感光体表面を帯電することが可能な程度の間隔を上記記録領域において形成及び保持する間隔形成手段を設けた構成を採用している。本画像形成装置においては、該間隔形成手段として粒状体61を用いている。
図2は、上記画像形成装置の記録領域Dの説明図である。この記録領域Dにおいては、上記粒状体61はトナー担持体上のトナーと混合された状態となっている。そして、該粒状体61は該記録領域Dにおいて、トナー担持体31と感光体2との双方に接触することで、前記帯電が可能な所定の間隔を形成し、該間隔を保持している。このように該間隔が形成された状態で上記バイアス電圧が印加されることで、上記感光体2表面が帯電可能な状態となり、該記録領域Dで該感光体2表面が一様に所望の極性に帯電されることとなる。そして、帯電された感光体に対して上記画像露光工程及び上記現像工程が行われる。このように、大型の帯電装置を用いることなく、感光体1表面を全面帯電してから像露光を行うことができる。このため、像露光により光を照射する部分のみならず、像露光により光を照射しない部分においても、感光体表面の電荷量を制御することができる。すなわち、トナーを付着させる画像部とトナーを付着させない非画像部との双方において、電荷量を制御することができる。これにより、該非画像部においてはトナーとの間に積極的に反発力を生じさせて、非画像部へのトナー付着を防止することができる。よって、画像汚れ、カブリなどの発生を防止することができる。
【0064】
また、上記粒状体61によって上記間隔が形成及び保持されていることで、感光体2表面とトナー担持体31表面との間隔を一定に保つことができるので、均一に帯電を行うことができる。また、感光体2とトナー担持体31とが接触状態になったり、感光体2とトナー担持体31との間に存在するトナーにバラツキがあって、特に、低抵抗あるいは導電性の領域が発生したりすると、この領域に集中放電が発生して帯電ムラや帯電不良が発生するおそれがあるが、上記感光体表面とトナー担持体表面との間隔を一定に保つことでこのような集中放電の発生を防止することができる。
【0065】
また、本画像形成装置においては、感光体2表面とトナー担持体31表面との間に多数の粒状体61を介在させることで上記間隔を形成する。例えばトナー担持体31の長手方向両端部にコロなどのスペイサを設け、該スペイサを感光体2の非画像形成領域に当接させることで上記間隔を形成する方法では、該スペイサが当接する感光体2表面あるいはトナー担持体31の上記スペイサが設けられた部分が弾性を有している場合に均一な間隔を形成及び保持することは極めて困難である。しかし、上記粒状体61を用いて間隔を形成する場合には、均一かつ安定して該間隔を形成することができる。
【0066】
上記粒状体61を上記記録領域に供給するには、上記トナー10とあらかじめ混合したものを上記現像容器36に収容しておいて、トナーと共に上記トナー担持体31上に供給するようにしたり、上記記録領域Dよりも感光体2表面移動方向上流側の位置で該感光体2表面に上記粒状体61を供給する図示しない粒状体供給装置を設けたりすればよい。また、該粒状体供給装置としては、図示しない粒状体収容器内の粒状体61及び感光体2に接触しながら回転するブラシ状部材や、スポンジゴムやウレタンフォームなどの弾性多孔質部材を用いるのが好ましい。また、該粒状体供給装置は、現像容器36内に設けてもよい。
【0067】
上記粒状体61としては、高抵抗あるいは絶縁性を有するものを用いるのが望ましい。特に、比抵抗が103Ωcm以上のものを用いるのが望ましい。このような粒状体61を用いれば、トナー担持体31と感光体2との間に該粒状体61を介してリーク電流が流れにくくなり、上記集中放電の発生を防止して上記感光体の帯電を良好に行うことができる。
【0068】
該粒状体61の材質としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂、含フッ素樹脂などの高分子樹脂やSiO2、Al2O3、SiC、TiO2等の高抵抗無機化合物が好ましく使用される。
【0069】
また、懸濁重合技術などにより形成される球状粒子、例えば、積水化成品製真球状微粒子ポリマーのテクポリマー(商品名)は、粉砕法などにより形成される不定形粒子に比べて、粒径の制御が比較的容易であり、粒度分布がシャープな状態が得られ、更に、粒状体61製造時や使用時における機械的な力により発生しがちな小径粒子が発生しない長所がある。このため、本発明の間隔形成手段における材料として特に好都合である。
【0070】
更に、前記粒状体61は、前記記録領域Dにおいて、現像工程の終了後は、トナー担持体31側へ回収されることが望ましく、感光体2に対する付着力より、トナー担持体31への付着力の方が大きくなるように選択されることが望ましい。
前記粒状体61のトナー担持体31への付着力を得るためには、例えば、感光体2表面やトナー10表面に対する静電付着力よりも、トナー担持体31表面に対する静電付着力の方が大きくなるように該粒状体61を構成すればよい。具体的には、トナー担持体31への接触面積が確保できるように構成したり、トナー担持体31に対する摩擦帯電列が充分離れている材質で形成したりすればよい。前記球形粒子は、不定形粒子に比べて、安定して大きい接触面積を得ることができる点で好ましい。
【0071】
また、粒状体61の平均粒径は、トナ−担持体31の硬度によるが、該トナ一担持体31の硬度が高く、50°以上の場合には、トナーの平均粒径以上該トナーの平均粒径の2倍以下のものを用いるのが望ましい。なお、トナ−担持体の硬度が小さく、50°以下の場合はこの限りではなく、トナーの平均粒径に依存するが、トナーの平均粒径の3倍まで許容される。
【0072】
図3は、参考例として、粒状体61を被着させたトナー担持体31を用いた場合の記録領域Dの説明図である。この記録領域Dにおいては、トナー担持体上に被着させた粒状体61の表面が上記感光体2表面に当接することで、前記帯電が可能な所定の間隔を形成し、該間隔を保持している。このように該間隔が形成された状態で上記バイアス電圧が印加されることで、上記感光体2表面が帯電可能な状態となり、該記録領域Dで該感光体2表面が一様に所望の極性に帯電されることとなる。これにより、前述の記録領域Dに粒状体を供給するように構成した場合と同様の効果を得ることができる。
【0073】
上記粒状体61をトナー担持体表面へ被着させる方法としては、上記粒状体61を、該粒状体61のバインダー分散体を上記トナー担持体表面に塗設する方法や、上記粒状体61を、上記トナー担持体31表面にあらかじめ設けた接着層に接着する方法などを用いることができる。図3のトナー担持体31は、上記2つの方法のうちの後者の方法を採用して粒状体61を被着させたものである。すなわち、表面にあらかじめ設けた接着層62に粒状体61を接着させることで該粒状体61を被着させている。好ましい接着法としては、トナー担持体31表面に設けられた接着層62が前記粒状体61を含み得る程度に粘着を有する状態にある時に、前記粒状体61を、該接着層62上に設け、前記接着層62上に充分に前記粒状体61が含まれた状態で、前記接着層62の粘着を有する状態を変化せしめる、即ち、接着層62を固めることにより、前記粒状体61をトナー担持体31上に定着せしめる方法が挙げられる。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化型樹脂をトナー担持体31表面に設け、該樹脂が熱硬化する前に前記粒状体61を、吹き付け塗装、静電塗装などの方法にて、前記トナー担持体31表面に、好都合な状態に設け、その後、前記熱硬化樹脂を硬化せしめることにより、前記粒状体61をトナー担持体31表面へ定着せしめる。
【0074】
上記記録領域Dにおける感光体2表面とトナー担持体31表面との平均距離は、ゼロより大きい値となるように上記粒状体61を配設するのが望ましい。例えば、トナー担持体31表面における粒状体61の単位面積あたりの個数は、100〜200000個/cm2にすればよい。
【0075】
また、前記接着層62は、導電性であることが望ましく、接着層にカーボンブラックなどの導電性微粉末を含有せしめるなどにより導電化を行うことができる。
【0076】
この画像形成装置において、上記帯電は、上記トナー薄層が上記感光体と上記トナー担持体との間に介在した状態で、上記粒状体61によって前述の間隔が形成され、上記バイアス電圧印加によって感光体2の帯電が可能なトナー担持体31と感光体2との近接状態が形成されることにより行われる。そして、より高画像濃度を得るためにより密度の高い感光体の帯電を行うには、上記トナー担持体31と感光体2との間に介在するトナーの状態は、単層であることが望ましい。また、均一に感光体表面の帯電を行うためには、上記トナー薄層を均一に形成するのが望ましい。この画像形成装置においては、前述のトナー薄層形成部材32によって、トナー担持体31上に均一な薄層を形成することにより、上記均一な感光体表面の帯電を可能としている。
【0077】
また、図示の装置においては、前述の通り、ネガ・ポジ現像を採用しているが、感光体2の帯電極性とトナーの帯電極性とが異なり、かつ、上記画像露光工程において光照射を受けなかった領域に選択的にトナーが付着するポジ・ポジ現像を採用することも可能である。しかしながら、ポジ・ポジ現像を採用した場合、所望の極性、例えばプラスに帯電したトナーを感光体2とトナー担持体31との間に介在させた状態で、該感光体2表面をトナーの極性とは異なる極性、例えばマイナスに帯電することとなる。このとき、該感光体表面を帯電するためのマイナスの荷電体により、トナーが有するプラスの電荷が減少したり、該トナーの極性が逆転してマイナスに帯電してしまったりすることが考えられる。そして、これにより、、露光後に、トナーを付着させるべき上記光を照射しなかった感光体部分に該トナーが付着しにくくなり、画像濃度が減少してしまったり、トナーが画像部以外の部分に付着してしまう背景付着が生じてしまったりするおそれがある。
一方、図示の装置のように、ネガ・ポジ現像を採用した場合には、感光体表面を帯電するための荷電体が、トナーの帯電極性と同極性であるため、トナーの帯電量が減少したり、極性が逆転したりすることがない。従って、露光後に、トナーを付着させるべき上記光を照射した感光体部分に該トナーが付着しにくくなることがない。よって、画像濃度が減少してしまったり、トナーが画像部位外の部分に付着してしまう背景付着が生じてしまったりすることがなく、良好に画像形成を行うことができる。従って、ネガ・ポジ現像を採用するのが望ましい。
【0078】
また、本発明の画像形成装置においては、上記感光体2とトナー担持体31とが体移行する記録領域Dで初期化工程、帯電工程、画像露光工程、現像工程の全てが行われる間、上記トナー担持体31の電極層31bと感光体2の電極22との間にバイアス電圧が印加され、感光体2表面が帯電され得る状態を保っている。従って、上記画像露光前の感光体全面帯電時のみならず、画像露光時や現像時にも感光体上の帯電が進行している。
ここで、画像露光工程と現像工程とを行う時期が一致しておらず、画像露光後所定時間経過してから現像工程を行うようにした場合には、画像露光によって感光体2表面に形成された潜像が、感光体を帯電させる荷電体によって消去されてしまい、トナーが付着する前に感光体2上が再度一様に帯電してしまうおそれがある。
そこで、画像露光工程と現像工程は実質的に同時に遂行されることが望ましい。すなわち感光体2の画像露光位置と現像位置とは一致していることが望ましい。現像工程が遂行され、感光体2上にトナーが現像により強く付着した領域においては、該付着トナーが前記感光体2の帯電を妨げるため、感光体2上に形成された静電荷潜像が帯電工程により壊されることはない。
【0079】
また、上記画像露光工程や現像工程の進行中あるいは該工程が終了した後にも上記帯電が進行することにより、上記潜像が壊されてしまうことをより確実に防止するには、上記記録領域Dの感光体移動方向端部、すなわち、感光体2の表面とトナー担持体31の表面とが分離する位置において上記画像露光工程を実行するように構成するのが望ましい。これにより、該画像露光工程を実行した後に感光体表面が帯電される時間を短縮することができ、上記潜像が壊されてしまうのを防止することができる。
【0080】
前述のようにバイアス電源37には、上記記録領域Dにおいて感光体の帯電、潜像形成、現像を行うために、所定のバイアス電圧が印加される。該バイアス電圧としては、より効果的にトナー担持体31上のトナーを感光体に形成される潜像に対応して選択的に付着させるために、直流バイアス電圧に交流バイアス電圧が重畳されたものを用いるのが望ましい。このように、交流バイアス電圧を印加すれば、感光体2の均一帯電の向上やトナー担持体31上のトナーの感光体2への付着量の増大が実現できると共に、カブリの防止、階調性の向上、更に画質の安定性の向上を実現することができる。上記バイアス電圧としては、直流バイアス電圧成分が200〜1500V、交流バイアス電圧成分が200〜2000V、該交流バイアス電圧の周波数が50〜1500c/secのものを用いればよい。
【0081】
前述のように、現像工程が行われ、感光体2上にトナー像が形成された後、該トナー像は、感光体2表面の移動により感光体2の表面に転写装置としての転写ロール4が対向配置された転写位置Tへ移動する。この転写ロール4に転写バイアス電源41による所定の転写バイアス電圧が印加されることにより、感光体2と転写材11との間に転写電界が形成され、感光体上のトナー像が転写材11上に転写されて、転写材11上に転写トナー像103が形成される。
ここで、上記トナーとして導電性のものを使用した場合には、低抵抗の転写材を用いたときに該転写材にトナーの有する電荷がリークしてしまい、該トナーの電荷量が減少し、転写電界をかけても転写できなくなるおそれがあるので、転写材として特殊な加工紙を使用することが必要となり、使用される転写材が限定されてしまうという問題が生じる。一方、高抵抗あるいは絶縁性のトナーを用いれば、種々の転写材を用いることが可能となるので、高抵抗あるいは絶縁性のトナーを用いることが望ましい。
【0082】
上記転写ロール4により転写が行われて転写トナー像103を担持した転写材11は、図示されていない定着装置、例えば、熱ロール定着装置へ搬送され、永久定着画像とされる。
【0083】
転写位置Tにおける転写を終了した後の感光体2上に残留するトナー104は、記録領域Dに再び搬送される。そして、この記録領域Dにおけるトナー担持体31の感光体2に対する接触回転運動により、この残留トナー104のクリーニングと感光体2表面へのトナー供給が同時に行なわれる。これにより、逆帯電あるいは低帯電量の残留トナーの除去が達成される。また、前述の帯電行程は、転写終了後の感光体に残留する不均一な電荷の除去や、逆帯電あるいは低帯電量の残留トナーを所望の極性への帯電を行う作用もある。このようにして、前述の初期化工程が達成される。なお、感光体2に残留する不均一な電荷分布を消去するために、帯電工程、画像露光工程、現像工程の実行前に、感光体に全面露光を行うように構成してもよい。例えば、該残留電荷消去のための露光を行っている状態で感光体を一回転させてから、上記帯電工程、画像露光工程、現像工程を行うようにすればよい。
【0084】
通常、カールソン法を採用した電子写真方式の画像形成装置においては、感光体2上のトナー像の転写工程が終了した後に該感光体2のクリーニングを行うために、感光体2周辺にクリーニング装置が設けられる。そして、これにより、感光体2が再び画像形成工程を遂行するための初期化がなされる。しかしながら、本発明の画像形成装置においては、前記記録領域Dにおいて、帯電工程、トナー現像工程と同時に初期化工程がなされるため、クリーニング装置は必ずしも必要としない。よって、一層の装置の小型化、低コスト化に極めて有利であるとともに、廃トナーの発生がないことで、メンテナンスフリーを促進することができる。
【0085】
また、感光体2の内側(背面側)に、感光体2に残留する電荷を消去するイレーサー5を必要に応じて設けてもよい。これによれば、現像装置3による残留トナーのクリーニングを容易にすることができるとともに、感光体上の静電像が残ってしまうことを防止できる。
【0086】
以上の画像形成装置においては、感光体1表面を全面帯電してから像露光を行うことで、トナーを付着させる画像部とトナーを付着させない非画像部との双方において、電荷量を制御することができる。これにより、該非画像部においてはトナーとの間に積極的に反発力を生じさせて、非画像部へのトナー付着を防止することができる。よって、画像汚れ、カブリなどの発生を防止することができる。従って、導電性トナーに比して非画像部へのトナー付着が起こりやすい絶縁性トナーを用いた場合でも、良好な画像を得ることが可能となる。
【0087】
トナー担持体31は、感光体2上に均一で密なトナー薄層を形成せしめるために、該トナー担持体31と上記感光体2との対向部で、該感光体2表面に対する該トナー担持体31表面のトナー搬送方向の速度が正であるように回転させるのが望ましい。特に、図1の装置のように前記トナー担持体31と感光体2との接触部において前記トナー担持体31表面と感光体2表面と同じ方向に移動するように回転させ、しかも、感光体2の周速に対してトナー担持体31の周速を大きくするようにした場合には、該トナー担持体と感光体2との接触部において前記トナー担持体31表面と感光体2表面とを異なる方向に移動するように回転させた場合に比して、トナー担持体31と感光体2表面との相対速度が小さくなり、感光体表面が摩耗しにくくなるという点で望ましい。
【0088】
本実施形態にかかる画像形成装置において、初期化工程、帯電工程、画像露光工程、現像工程を確実に遂行するには、上記感光体表面と上記トナー担持体表面とが該感光体の帯電が可能な程度に近接する領域の幅、すなわち、上記感光体表面とトナー担持体表面とが上記粒状体を介して接触する幅(以下、接触幅という)をより広く確保した方が有利である。特に、トナー担持体上のトナー薄層によって感光体の帯電が遮蔽されたり、該帯電の不均一が生じたりしないようにして、均一でコントラストの大きい画像を得るためには、上記接触幅を十分に確保できることが望ましい。
【0089】
上記接触幅を比較的広く確保するには、上記感光体2及び上記トナー担持体31の少なくとも一方の表面が弾性を有するように構成したり、上記感光体2及び上記トナー担持体31の少なくとも一方をベルト状に形成したりする方法が挙げられる。
【0090】
上記感光体としては、ハードなドラム状のものがしばしば使用される。特に、本実施形態にかかる画像形成装置のように背面露光プロセスを採用した画像形成装置においては、ハードな透光性ドラムが使用されることが多い。このことから、上記接触幅を十分に得るためには、上記感光体2の表面は非弾性であるものを用い、トナー担持体として、ソフトな弾性表面を有するものを用いるのが望ましい。
図4(a)〜(d)はそれぞれトナー担持体31の好ましい構造を示すものである。図4(a)の構成例は、軸部31a上に前記現像電極としての電極層31bを設けたものである。図1の画像形成装置においては、この構造のトナー担持体31を採用している。電極層31bは導電性材料より成り、金属あるいは、金属粉末、カーボンブラックを含有する高分子材料あるいはゴム材を使用することができる。また、上記接触幅を得るための弾性を有する材料としてゴム材は特に好ましい。このようなゴム材としては、例えば、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなどを用いることができる。
【0091】
図4(b)の構成例は、軸部31a上に前記現像電極としての電極層31cを設け、更にその上にトナー担持層31dを設けたものである。該トナー担持層31dは、トナー担持性が良く、感光体の均一な帯電を実現するように構成される。トナー担持性を向上するには、トナーを担持するのに使用される静電力や機械力を高めるようにすればよい。
まず、静電力を高めるには、トナー担持層31dを構成する材料として、トナーの帯電極性とは逆極性の帯電列の材料を用いればよい。例えば、トナーの帯電極性がマイナスである場合には、ポリアミド、ポリイミドアミド、あるいは、アミン硬化型エポキシ樹脂などを用いればよい。また、トナーの帯電極性がプラスである場合には、塩化ビニル樹脂や含フッ素化合物などを用いればよい。
また、機械力を高めるには、トナー担持体31表面が、適度な粗面となるように形成するのが望ましい。但し、過度な粗面化は感光体の均一な帯電を阻害するものであるから、該均一な帯電を阻害しない程度に上記粗面を形成するのがよい。このことから、トナー担持体表面の粗面化は、表面粗さがトナーの平均粒径よりも小さくなる程度に行うのが好ましい。
【0092】
図4(c)の構成例は、軸部31a上にソフト化層31eと前記現像電極としての電極層31fとをこの順で積層したものである。該電極層31f上に更にトナー担持層31gを積層してもよい。このような構成により、トナー担持体のソフト化を大きく促進させて感光体2表面とトナー担持体表面とが上記粒状体を介して接触する幅を十分に確保し、感光体の更に均一な帯電を実現できる。このソフト化層31eは、弾性を有する材料で形成され、天然ゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等のゴム材、該ゴム材を発泡させて形成されるスポンジゴム、あるいは、ポリウレタン、ポリエチレン、塩化ビニルなどを発泡させて形成した弾性に富んだ樹脂発泡体が好都合に使用される。特に、スポンジゴムや樹脂発泡体は、望ましいソフト化層を与え、これにより、本実施形態の画像形成装置に好都合なトナー担持体を得ることができる。
【0093】
ソフト化層31eの表面に設ける電極層31fは、弾性を有する材料で構成された薄層すなわち弾性薄膜層である。この電極層31fは、前記現像電極として用いられるので、導電性を有する材料で形成される。該電極層31fは、ソフト化層31eがゴム材などの平滑な表面を有する材で構成される場合は、該ソフト化層上への導電材の塗布により形成することができる。塗布可能な導電材としては、カーボンブラックなどの導電性微粉末をウレタン樹脂、アクリル樹脂などの樹脂バインダーに分散した材が望ましい。また前記ゴム材にカーボンブラックなどの導電性微粉末を含有せしめてソフト化層を導電化することにより、ソフト化層31eと電極層31fを一体にすることもできる。
【0094】
ソフト化層31eが前記スポンジゴム、樹脂発泡体にて形成される場合は、表面が多孔質であるため、電極層を塗布にて設けることは困難であり、この場合は、弾性を有するシリンダ材を前記スポンジゴム、ウレタンフォームのごとき弾性樹脂発泡体に対して被覆あるいは、被着せしめることにより電極層31fを形成せしめることが望ましい。つまり、該弾性シリンダに前記軸部31a及びソフト化層31eを挿入することで前記トナー担持体31を形成すればよい。この場合、電極層31fは、前記シリンダ材上に塗布により設けても良いが、シリンダ材が導電性を有する材で構成される場合は、そのままシリンダ材を電極層31fとして用いることができる。シリンダ材として好都合な材料としては、シリンダ状で適度な弾性を発揮できるものが望ましく、例えば電鋳法(エレクトロフォーミング)により形成されるNiシリンダなど金属シリンダが挙げられる。この金属シリンダは上記弾性を発揮できるようするために、厚みを10〜100μm、より好ましくは、20〜80μmにて形成されることが望ましい。金属シリンダは、導電性を有するために、前述のようにそのまま電極層31fとして使用することができる。
【0095】
シリンダ材として、樹脂(高分子化合物)シリンダも好都合に使用することができる。樹脂シリンダ材としては、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの高分子材料が好都合である。これらの樹脂シリンダは、近年電線被覆材などを目的として熱収縮チューブとして市販されている材が多い。好都合なシリンダ材の製法としては、前記熱収縮チューブを型材に対して収縮せしめ、しかる後型材より離型せしめて形成せしめる製法を用いることができる。該樹脂シリンダ材を電極層として使用する場合、樹脂シリンダ材上に導電層を形成せしめるか、好ましくは前記シリンダ材料内に金属微粉末あるいはカーボンブラックのごとき導電性微粉末を含有せしめることにより形成せしめることにより可能である。このような樹脂シリンダの厚みは、樹脂の種類にもよるが0.01〜2mmであり、硬質の樹脂材が使用される場合は、好都合な弾性を得るべく厚を小さくする必要がある。
【0096】
また樹脂シリンダ材の他に、ウレタンゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、EPDMゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどのゴム材をシリンダ材として好都合に使用することができる。ゴム材を使用する場合も、前記樹脂材を使用する場合と同様な方法にて電極層を形成することができる。ゴム材の場合は、樹脂材に比して、厚みを大きくとることができる。本発明の画像形成装置においては、ゴム材をシリンダ材として使用することにより感光体へのトナー供給部材上のトナー密着性が向上し、現像の均一性が得られるためゴム材は特に好都合な材料である。
【0097】
ここで、この図4(c)の構成例では、バイアス電源37へ電極層31fを電気的に接続するのに、前記軸部31aは導電性で、該軸部より電気的接続を行うことが望ましい。軸部31aと電極層31fとを電気的に接続するためには前記ソフト化層31eを導電化し、該ソフト化層31eを介して両者を電気接続することが望ましい。ソフト化層を導電化するためには、ソフト化層がスポンジゴムあるいはウレタンフォームのごとき樹脂発泡体である場合、スポンジゴムあるいは樹脂発泡体を発泡させる前の原料にあらかじめ、金属微粉末、カーボンブラックなどの導電性微粉末を含有せしめることにより導電化したり、発泡終了後の前記スポンジゴム、樹脂発泡体を形成するセンイ状構造に導電材を被着せしめることにより導電化したりする。また、前記軸部31a上にスポンジゴム、樹脂発泡体をロール状に形成せしめた後、すなわち、前記シリンダ材を設ける状態に加工した後、前記のごとく導電材を被着せしめてソフト化層31eの導電化を行うこともできる。前記スポンジゴム、ウレタンフォームのごとき樹脂発泡体に導電材を被着せしめる方法としては、金属微粉末、カーボンブラックのごとき導電性微粉末を樹脂バインダー及び適当な有機溶媒に分散せしめた分散液を調整し、該分散液中に前記スポンジゴム、樹脂発泡体をディッピングし、乾燥(さらに必要に応じて熱処理)する方法や、前記導電性微粉末を乾式にて、機械的に前記スポンジゴム、樹脂発泡体に被着せしめる方法を用いることができる。
【0098】
そして、この図4(c)の構成例でも前記電極層31f上に必要に応じてトナー担持層31gを設けることができる。トナー担持層31gに好都合な材料としては、トナーの保持性、トナー帯電性、トナーフィルミングの防止を考慮した導電性あるいは高抵抗の有機高分子材料が好ましく使用される。また、前記弾性を有するシリンダの弾性による変形に対応できるすなわち該変形による割れや剥離が生じない柔軟性のある材料が望ましい。また、本発明の画像形成装置においては、前記感光体の全面帯電を行うことから、感光体の均一帯電の実現性を考慮した材料が使用される。
【0099】
トナー担持層31gに使用される樹脂材としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、含フッ素樹脂、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどあるいはこれらの樹脂複合体、2層以上の多層構造の樹脂類など広く選択することができる。またトナー担持層31gにおいて、耐摩耗性の向上、トナーのトナー担持体への付着性の向上、トナーを所望の極性及び所望の帯電量に帯電させる摩擦帯電性の向上、トナーフィルミングの防止などの特性改善のための添加剤、充填剤を含有せしめることができる。該添加剤、充填剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、ガラスファイバー、セラミックファイバー、TiO2、Fe2O3、SiO2などの無機顔料など広く選択することができる。トナー担持体上の均一なトナー薄層形成、トナー搬送性の向上のためには、トナー担持体表面が、好都合な粗さの粗な面を有することが望ましい。該トナー担持体表面の粗面化の加工法としては、サンドペーパー等による機械的な粗面か、無機あるいは有機化合物の微粉末をトナー担持体に含有せしめる、該微粉末をトナー担持体表面にまぶし固着せしめる、金属溶射によるなどの方法から好都合に選択することができる。
【0100】
なお、上記トナー担持体31として、導電性を有する軸上に導電性を有するソフト化層を積層し、さらに弾性薄膜層を積層したものを用い、該軸及びソフト化層を前記現像電極として用いるようにしてもよい。
【0101】
図4(d)の構成例は、図4(c)のトナー担持体31の表面に、接着層62を設け、該接着層62に前記間隔形成手段としての粒状体61を定着させたもので、参考例である。図4(d)の例においては、該粒状体61としては、粒径のそろった球状のものを使用している。該粒状体61の特に望ましい平均粒径は、前述のように、トナーの平均粒径乃至トナーの平均粒径の2倍である。
【0102】
図5は、本実施形態にかかる画像形成装置の他の一例を示すものである。
この画像形成装置においては、図4(c)に示した構造のトナー担持体31を用いた点以外は図1の画像形成装置と同様の構成を採用しているので、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0103】
図5の画像形成装置においては、トナー担持体31として、軸部31a上にソフト化層31eと電極層31fとをこの順で積層したものを用いているので、トナー担持体31と感光体2とが上記粒状体を介して接触する幅を比較的広く確保することができる。これにより、図1の画像形成装置に比して、初期化工程、帯電工程、画像露光工程、現像工程をより確実に遂行することができ、特に、より確実な初期化、より均一な帯電を行う上で有利である。
【0104】
【発明の効果】
請求項1乃至22の発明によれば、上記像露光及び上記感光体への選択的なトナー付着を行う前に、感光体表面を所望の極性に帯電することができる。よって、大型の帯電装置を用いることなく感光体上の帯電を行うことにより、画像汚れ、カブリなどの発生を防止することができるという優れた効果がある。
また、上記感光体の帯電を均一かつ安定して行うことができるので、高画質及び画質の安定化を実現することができるという優れた効果もある。
【0105】
また、請求項6、7、8、及び、10乃至22の発明によれば、感光体表面の帯電をより安定して行うことができるという優れた効果がある。
【0106】
また、請求項9、及び、10乃至22の発明によれば、装置構成を簡単にできるという優れた効果がある。
【0107】
また、請求項10乃至22の発明によれば、感光体表面のより均一な帯電を行うことができるという優れた効果がある。
【0108】
また、請求項11乃至22の発明によれば、感光体表面のより均一な帯電を行うことができるという優れた効果がある。
【0109】
また、請求項15乃至22の発明によれば、感光体表面のより均一な帯電を行うことができるとともに、トナー担持体表面をトナー担持性に優れ、トナー帯電性に優れ、かつ、トナーフィルミングの防止に適した材料で形成し、該トナー担持性の向上、トナー帯電性の向上、及び、トナーフィルミングの防止を行うことが可能となるという優れた効果がある。
【0110】
また、請求項19乃至22の発明によれば、画像濃度の高い画像を得ることができるという優れた効果がある。
【0111】
また、請求項20乃至22の発明によれば、トナーの帯電量が減少したり極性が逆転したりすることによる、画像濃度の低下や背景付着の発生を防止することができるという優れた効果がある。
【0112】
また、請求項21及び22の発明によれば、像露光によって形成された潜像が、再び感光体が一様帯電されることによって消去されるのを防止することができ、良好に画像を形成することができるという優れた効果がある。
【0113】
特に、請求項22の発明によれば、カブリの防止及び階調性の向上が可能であり、画質を向上することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る画像形成装置の一例の概略構成を示す正面図。
【図2】 同画像形成装置の記録領域の説明図。
【図3】 同画像形成装置の他の一例の記録領域の説明図。
【図4】 (a)〜(d)はそれぞれ同画像形成装置に使用されるトナー担持体の構成例の説明図。
【図5】 実施形態にかかる画像形成装置の更に他の一例の概略構成を示す正面図。
【符号の説明】
1 画像露光装置
10 トナー
11 転写材
101 トナー薄層
2 感光体
3 現像装置
4 転写装置
5 イレーサ
Claims (22)
- 少なくとも透光性電極層と光導電体層とを有する感光体と、
帯電トナーを層状に担持して、該感光体との間の記録領域に搬送するトナー担持体と、
トナー担持体上にトナーの薄層を形成する薄層形成手段と、
上記感光体の透光性電極層側から、上記記録領域に対応する感光体部分の少なくとも一部に像露光を行う露光装置とを有し、上記像露光に対応して感光体に選択的にトナーを付着させることで画像を形成する画像形成装置において、
上記トナー担持体が、少なくとも上記トナー担持体と上記感光体との間の記録領域に電界を形成するために、上記感光体と対向して設けられた現像電極を有し、
該現像電極と該感光体の透光性電極層との間に所定のバイアス電圧を形成するバイアス電圧印加手段と、
上記記録領域において、該バイアス電圧印加手段によるバイアス電圧の印加によって上記感光体表面を帯電することが可能な程度の間隔を形成及び保持する間隔形成手段とを設け、
上記間隔形成手段として、トナーとは異なる粒状体であって、その平均粒径が、上記トナーの平均粒径の1倍以上3倍以下であるものを用い、
上記記録領域よりも感光体表面移動方向上流側の位置で該感光体表面に上記粒状体を供給する粒状体供給装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記粒状体の比抵抗が103Ωcm以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記粒状体を、高分子樹脂で形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2又は3の画像形成装置において、
上記粒状体が球状であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
記録領域における感光体表面とトナー担持体表面との平均距離が、ゼロより大きい値となることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、
上記記録領域よりも感光体表面移動方向上流側の位置で該感光体表面に上記粒状体を供給する粒状体供給装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記粒状体供給装置として、上記粒状体を担持しかつ上記感光体に接触する回転可能なブラシ状部材を有するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記粒状体供給装置として、上記粒状体を担持しかつ上記感光体に接触する回転可能な弾性多孔質部材を有するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、
上記粒状体が、トナーと混合されて上記トナー担持体表面へ供給されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の画像形成装置において、
上記感光体及び上記トナー担持体の少なくとも一方の表面が弾性を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の画像形成装置において、
上記感光体及び上記トナー担持体の少なくとも一方がベルト状であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の画像形成装置において、
上記感光体の表面が非弾性であり、
上記トナー担持体表面が弾性を有し、
かつ、
上記感光体と上記トナー担持体とが、上記粒状体を介し、幅を持って接触することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の画像形成装置において、
上記トナー担持体として、軸上に弾性を有する材料で構成された層を積層したものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13の画像形成装置において、
上記トナー担持体として、軸上にソフト化層及び弾性薄膜層を積層したものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14の画像形成装置において、
上記ソフト化層が弾性を有するゴム材、スポンジゴム、樹脂発泡体からなることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14又は15の画像形成装置において、
上記軸及びソフト化層が導電性を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14、15又は16の画像形成装置において、
上記弾性薄膜層が導電性を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14、15、16又は17の画像形成装置において、
上記弾性薄膜層として弾性シリンダを用い、
該弾性シリンダに前記軸及びソフト化層を挿入することで前記トナー担持体を形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18の画像形成装置において、
上記トナー担持体と上記感光体との対向部で、該感光体表面に対する該トナー担持体表面のトナー搬送方向の速度が正であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、
上記感光体表面の帯電極性と同じ極性に帯電するトナーを用い、かつ、上記像露光によって光を照射した感光体部分に該トナーを付着させることで上記画像を形成することを特徴とする画像形成装置。 - 上記感光体と上記トナー担持体とが上記粒状体を介し、接触幅を持って接触するように上記記録領域を構成した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の画像形成装置において、
上記感光体と上記トナー担持体との接触領域における感光体表面移動方向下流側端部で上記像露光を行うように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21の画像形成装置において、
上記バイアス電圧印加手段が、上記現像電極と上記感光体の透光性電極層との間に直流バイアス電圧に交流バイアス電圧を重畳したバイアス電圧を印加するものであることを特徴とする画像形成装置。
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