JP3876757B2 - 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化する技術に関し、特に、HC吸着浄化手段を有する排気ガス浄化装置及びHC吸着浄化手段を用いた排気ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関から排出される排気ガス中のHC(炭化水素)を浄化する装置及び方法として、三元触媒に加え、HC吸着浄化型触媒を内燃機関の排気ガス通路に配置するようにしたものが提案されている。
このHC吸着浄化型触媒は、ゼオライト、シリカ等のHC吸着剤に白金等の貴金属を担持したものであって、温度が低い時にはHCを吸着し、温度が高くなると吸着していたHCを脱離せしめると共に酸化反応により浄化する機能を有する。また、三元触媒はその温度が活性化温度以上となって活性状態になると排気ガス中のHCを浄化する機能を有する。このため、上記のような三元触媒とHC吸着浄化型触媒を用いた排気ガス浄化装置及び方法では、次のようにHCの吸着及び浄化が行われる。すなわち、機関始動直後等の排気系の温度の低い時には、内燃機関から排出される排気ガス中のHCはHC吸着浄化型触媒によって吸着される。そして、温度が上昇してくると、内燃機関から排出される排気ガス中のHCは活性状態となった三元触媒で浄化されるようになると共にHC吸着浄化型触媒においてはその温度が低い時に吸着されていたHCがHC吸着浄化型触媒から脱離せしめられ、浄化されるようになる。
【0003】
しかしながら、このHC吸着浄化型触媒のHC浄化能には限界があり、急に温度が上昇した場合等に吸着されていたHCが急速に多量に脱離した場合や排気ガス量が多く十分な浄化反応時間が確保できない場合等には、浄化しきれないHCが多量に(許容量を超えて)下流へ排出され、大気へ放出されてしまう恐れがある。
特に、上記のような三元触媒とHC吸着浄化型触媒を用いた排気ガス浄化装置及び方法においては、各触媒の温度によるHC吸着・脱離特性もしくはHC浄化特性を考慮すると、三元触媒が昇温されやすく、HC吸着浄化型触媒が昇温され難いように、三元触媒を上流に配置し、その下流にHC吸着浄化型触媒を配置する構成をとることが好ましいが、このような構成では、HC吸着浄化型触媒から脱離しそこで浄化しきれなかったHCを三元触媒で浄化することも不可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、HC吸着浄化手段(HC吸着浄化型触媒)から脱離したHCをそのHC吸着浄化手段によって目標とする所定の浄化率で浄化することができるようにした排気ガス浄化装置及び方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法を提供する。
【0006】
1番目の発明は、HC吸着浄化手段の温度が低い時には流通する排気ガス中のHCを吸着し、その温度が高くなると吸着していたHCを脱離せしめると共に浄化する機能を有するHC吸着浄化手段が内燃機関から排出される排気ガスが通る排気ガス通路に配置されている排気ガス浄化装置において、上記HC吸着浄化手段をバイパスするバイパス通路と、上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量と上記バイパス通路を流れる排気ガスの流量の割合を調整して上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量を制御する流量制御手段とを備えていて、上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量が、上記HC吸着浄化手段から脱離せしめられるHCを上記HC吸着浄化手段によって所定の浄化率で浄化することが可能な予め定めた上限流量以下になるように、上記流量制御手段によって制御される、排気ガス浄化装置であって、上記流量制御手段による上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御は、上記HC吸着浄化手段の温度が上記HC吸着浄化手段からHCが脱離し始める温度に基づいて予め定めた温度未満の時には行われず、上記HC吸着浄化手段の温度が上記予め定めた温度以上である時に行われる、排気ガス浄化装置を提供する。
【0007】
HC吸着浄化手段から脱離せしめられたHCは、通常はそのHC吸着浄化手段によって浄化されるが、HCが急速に多量に脱離した場合や排気ガス量が多く十分な浄化反応時間が確保できない場合等には、浄化しきれないHCが多量に下流へ排出され、大気へ放出されてしまう恐れがある。本発明によれば、HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量を予め定めた上限流量以下に制御することにより、十分な浄化反応時間が確保されるようになる等してHC吸着浄化手段から脱離せしめられるHCがそのHC吸着浄化手段によって所定の浄化率で浄化できるようにされるので、未浄化HCの大気への放出が抑制される。
また特に本発明では、上記流量制御手段による上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御は、上記HC吸着浄化手段の温度が上記HC吸着浄化手段からHCが脱離し始める温度に基づいて予め定めた温度未満の時には行われず、上記HC吸着浄化手段の温度が上記予め定めた温度以上である時に行われるようになっている。このようにすることによって、HC吸着浄化手段がHCを脱離し始める温度になるのに対応してHC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御を実施することができ、流量制御実施時期の適正化を図ることができる。
【0008】
2番目の発明では1番目の発明において、上記上限流量が上記HC吸着浄化手段のHC吸着性能または浄化性能の劣化に応じて低く設定される。
これにより、HC吸着浄化手段のHC吸着性能または浄化性能が劣化した場合においても、それに対応してHC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御が実施できるので、HC吸着浄化手段のHC吸着性能または浄化性能の劣化に起因して大気へ放出される未浄化HC量が増えてしまうことが防止される。
【0010】
3番目の発明では1番目または2番目の発明において、上記の予め定めた温度が上記HC吸着浄化手段のHC吸着性能または浄化性能の劣化に応じて低く設定される。
この発明によっても2番目の発明とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
4番目の発明では1番目から3番目の何れかの発明において、更に、上記HC吸着浄化手段の上流に、活性状態においてHCを浄化する機能を有するHC浄化手段を備えていて、上記流量制御手段による上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御は、上記HC浄化手段が活性状態にある場合にのみ行われる。
【0011】
この発明によれば、上記流量制御手段による流量制御の際に排気ガスの一部が下流のHC吸着浄化手段をバイパスする場合において、その排気ガス中のHCは上流のHC浄化手段によって先に浄化されているので、未浄化HCの大気への放出を確実に抑制することができる。
5番目の発明では1番目から4番目の何れかの発明において、上記流量制御手段による上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御において、上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量は徐々に変化せしめられる。
これにより、排気系の圧力損失変化(背圧変化)を緩やかにすることができ、内燃機関のトルク変動を軽減することができる。
【0012】
6番目の発明では1番目から5番目の何れかの発明において、上記バイパス通路の一部が共鳴室もしくは拡張室を構成し消音機能を具備している。
これにより、マフラ(消音器)と排気ガス浄化装置とを一体にして構成することが可能になり、搭載性の向上を図ることができる。
【0013】
7番目の発明は、HC吸着浄化手段の温度が低い時には流通する排気ガス中のHCを吸着し、その温度が高くなると吸着していたHCを脱離せしめると共に浄化する機能を有するHC吸着浄化手段を内燃機関から排出される排気ガスの通る排気ガス通路に配置して行う排気ガス浄化方法において、上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量が、上記HC吸着浄化手段から脱離せしめられるHCを上記HC吸着浄化手段によって所定の浄化率で浄化することが可能な予め定めた上限流量以下になるように制御される、排気ガス浄化方法であって上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御は、上記HC吸着浄化手段の温度が上記HC吸着浄化手段からHCが脱離し始める温度に基づいて予め定めた温度未満の時には行われず、上記HC吸着浄化手段の温度が上記予め定めた温度以上である時に行われる、排気ガス浄化方法を提供する
この発明によっても、1番目の発明とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面において、同一または類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
【0015】
図1は本発明をガソリンエンジンへ適用した場合を示している。なお、本発明は筒内噴射型の火花点火式内燃機関や、ディーゼルエンジン等その他のタイプの内燃機関にも適用することができる。
図1において、2は機関(エンジン)本体、4は吸気通路、6は排気ガス通路をそれぞれ示す。排気ガス通路6には排気ガス浄化装置10が設けられるが、この部分に設置される排気ガス浄化装置10については後に五つの異なる構成の排気ガス浄化装置20、20´、30、40、50を挙げて詳細に説明する。
【0016】
電子制御ユニット(ECU)8は、CPU(中央演算装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の形式のディジタルコンピュータからなり、機関本体2と信号をやり取りして燃料噴射量制御等の機関の基本制御を行う他、以下で述べるように本発明の各実施形態においては、排気ガス浄化装置の各構成要素とも信号のやり取りを行い、排気ガス浄化装置についての制御も行う。
【0017】
図2は、図1に示されている排気ガス浄化装置10の部分に設置されて排気ガス通路6の一部を構成する、排気ガス浄化装置20の構成を模式的に示した説明図であり、排気ガスは矢印で示されたように図の左側から右側に向かって流れる。
図2に示すように、排気ガス浄化装置20は、上流側に三元触媒12、下流側にHC吸着浄化型触媒(以下、「吸着浄化触媒」と称する)14を備えた基幹通路16と、三元触媒12と吸着浄化触媒14との間の部分において基幹通路16から分岐し吸着浄化触媒14の下流側で基幹通路16に合流するバイパス通路18とを備えている。吸着浄化触媒14は、ゼオライト、シリカ等のHC吸着剤に白金等の貴金属を担持したものであって、その温度が低い時にはHCを吸着し、温度が高くなると吸着したHCを脱離せしめると共に酸化反応により脱離したHCを浄化する機能を有する。一方、三元触媒12は温度が活性化温度以上となって活性状態になると排気ガス中のHCを浄化する機能を有する。なお、本排気ガス浄化装置20を含め本明細書で説明する排気ガス浄化装置20´、30、40、50の構成では三元触媒12を用いているが、HCを浄化する機能を有する触媒であれば他の種類の触媒(例えば、NOx触媒や酸化触媒)を三元触媒12の代わりに用いてもよい。
【0018】
バイパス通路18には、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量とバイパス通路18を流れ吸着浄化触媒14をバイパスする排気ガスの流量の割合を調整して吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量を制御する流量制御手段として調整弁22が設けられている。調整弁22はECU8に接続されている駆動部24を有しており、必要に応じて、この駆動部24によって、殆ど全ての排気ガスが吸着浄化触媒14を通る全閉状態と、大部分の排気ガス(例えば、全排気ガスの90パーセント)がバイパス通路18を通る全開状態との間で調整される。すなわち、ECU8からの信号によって調整弁22が制御され、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量が制御される。
【0019】
因みに、機関の始動時においては、通常、調整弁22は全閉状態にされている。これは、機関の始動時においては二つの触媒12、14の温度が共に低いため、排気ガス中のHCは吸着浄化触媒14に吸着させる必要があり、そのためには機関から排出される全排気ガスが吸着浄化触媒14を通過するようにする必要があるためである。
本排気ガス浄化装置20に限らず、排気通路の上流側に三元触媒12、下流側に吸着浄化触媒14が配置された排気ガス浄化装置においては、一般に以下のようにして排気ガス中のHCが除去され、HCの大気への放出が抑制される。
【0020】
すなわち、機関の始動後間もない時等、三元触媒12及び吸着浄化触媒14が共に温度の低い時には、排気ガスに含まれて上流から流れてくるHCは、その殆どが活性状態になっていない三元触媒12を通過し、吸着浄化触媒14において吸着される。そして、運転が継続される等して両触媒12、14の温度が上昇してくると、今度は、三元触媒12が活性状態になって上流から流れてくるHCの殆どを浄化するようになる。そしてこの時、吸着浄化触媒14においてはその温度の低い時に吸着したHCが脱離せしめられると共に酸化反応により浄化せしめられる。
【0021】
排気ガス中のHCは、通常、このようにして除去せしめられ、大気への放出が抑制されるのであるが、吸着浄化触媒14において吸着されていたHCが急速に脱離した場合や吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量が多く吸着浄化触媒14においてHCを浄化するための十分な反応時間が確保できない場合等には、目標とする所定の浄化率でHCを浄化することができず、未浄化のHCが多量に(例えば、許容量を超えて)下流へ流れ大気へ放出されてしまう恐れがある。
【0022】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、次に、本排気ガス浄化装置20で実施し得る、上記問題を解決した排気ガス中のHCを除去するための方法について説明する。
この方法は、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcが予め定めた流量Qm以下になるように調整弁22を制御することにより、吸着浄化触媒14から脱離せしめられたHCが浄化せしめられるのに十分な反応時間を確保し、脱離せしめられたHCが吸着浄化触媒14によって所定の浄化率で浄化せしめられるようにするというものである。
【0023】
吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量が増加すると吸着されていたHCの脱離が促進されると共に、脱離せしめられたHCの吸着浄化触媒14における滞在時間が短くなって浄化反応の時間を十分に確保することができなくなる。このため、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量が増加すると浄化しきれないHCが多量に下流へ流れ大気へ放出されてしまう恐れがある。上記予め定めた流量Qmは、このような不都合の生じない最大の流量であり、脱離せしめられたHCを浄化しきることができる、すなわち脱離せしめられたHCを目標とする所定の浄化率で浄化することが可能な上限流量であって、以下で説明するHCを除去するための方法を実施する場合には、この流量Qmを事前に実験等によって求め、予めECU8に記憶させておく必要がある。
【0024】
図3はこの方法を実施するための制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンはECU8により一定時間毎の割込みによって実施される。なお、上述したように機関の始動時には調整弁22は全閉状態にあり、したがって、本制御ルーチンが機関始動後、最初に実施される時には調整弁22は全閉状態にある。
本制御ルーチンがスタートすると、まずステップ100において吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcが推定される。この排気ガス流量Qcの推定方法には種々の方法があり、例えば以下のように推定することができる。
【0025】
すなわち、機関から排出される全排気ガス流量は、機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機関回転数N)が高くなればなるほど多くなり、機関回転数Nが高くなればなるほど多くなる。そこで、全排気ガス流量を機関負荷Q/N及び機関回転数Nの関数として予め実験により求め、これをECU8に記憶させておけば、機関負荷Q/N及び機関回転数Nで定まる各機関運転状態での全排気ガス流量は求めることができる。そして各機関運転状態における全排気ガス流量の場合において調整弁22の各開度状態の時に吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcについては実験または計算により求めることができる。
【0026】
したがって、これら機関負荷Q/N及び機関回転数Nの関数としての全排気ガス流量と、全排気ガス流量及び調整弁22の開度状態の関数としての排気ガス流量Qcとが求められるので、これらの関係をECU8に記憶させておくことによって、各機関運転状態及び調整弁22の各開度状態から排気ガス流量Qcを求めることができる。なお、ここで機関の始動後間もない時等で調整弁22が全閉状態である場合には、全排気ガス流量が吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcとなる。
【0027】
あるいは、吸着浄化触媒14の上流側直近部分の圧力Pを測定する圧力センサ(図示なし)を設ける、もしくは吸着浄化触媒14の上流側と下流側との圧力差ΔPを測定する差圧センサ(図示なし)を設ける等して、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcと相関関係のある圧力Pまたは圧力差ΔPを求め、これらに基づいて排気ガス流量Qcを推定するようにしてもよい。この場合には、排気ガス流量Qcと圧力Pまたは圧力差ΔPとの関係を予め実験等によって求め、ECU8に記憶させておく必要がある。
【0028】
上述のような方法の何れかによりステップ100において吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcが推定されると、続くステップ102においてはその排気ガス流量Qcが上述の予め定めた流量Qmと比較される。
ステップ102において排気ガス流量Qcが上述の予め定めた流量Qm以下であると判定された場合には本制御ルーチンは終了し、調整弁22の制御は行われない。一方、排気ガス流量Qcが上述の予め定めた流量Qmよりも多いと判定された場合にはステップ104に進み、調整弁22の制御が行われる。
【0029】
ステップ104に進む場合はすなわち、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcが多いために吸着されていたHCの脱離が促進され、且つ、脱離せしめられたHCの吸着浄化触媒14における滞在時間が短くなって浄化反応の時間を十分に確保することができなくなり、浄化しきれないHCが多量に下流へ流れて大気へ放出されてしまう恐れのある場合であるから、ここでの調整弁22の制御は調整弁22の開度を増し、バイパス通路18を流れる排気ガス流量Qbを増加して吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcを低減しようとするものである。
【0030】
したがって、例えば全閉状態であった調整弁22を全開状態にする等の制御が行われる。あるいは、排気ガス流量Qcが予め定めた流量Qm以下となるように、もしくは予め定めた流量Qmとなるように調整弁22をECU8からの信号によって制御してもよい。この場合、上述した排気ガス流量Qcの推定に利用した機関運転状態、調整弁22の開度状態及び排気ガス流量Qcの関係から排気ガス流量Qcが所望の流量(例えば予め定めた流量Qm)となる開度状態を求めることができるので、ECU8からの信号により駆動部24を制御することによって調整弁22をその開度状態にするようにして排気ガス流量Qcを所望の流量とすることができる。そして、このような調整弁22の制御は機関の停止まで行われ、機関が停止された時に本制御ルーチンが終了する。
【0031】
なお、ここでの調整弁22の制御を排気ガス流量Qcが徐々に変化するように行うことによって(例えば、調整弁22の開度状態を徐々に開側に調整することによって)、排気系の圧力損失変化(背圧変化)を緩やかにすることができ、機関のトルク変動を軽減することができる。このことは後述する他の排気ガス浄化装置についても同様である。
【0032】
図4及び図5は、排気ガス浄化装置20において、機関負荷が上昇して全排気ガス流量が増加した時に、上述したような図3の制御ルーチンで示された方法が実施された場合の全排気ガス流量、調整弁22の開度、吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qc、バイパス通路18の排気ガス流量Qb及び排気ガス中のHC量の経時変化を示したものである。図4は排気ガス流量Qcが予め定めた流量Qmより多くなった時に調整弁22の開度状態が一気に開側に調整された場合を示し、図5は調整弁22の開度状態が徐々に開側に調整された場合を示している。これらの図中、HC量を示す部分において線Aは機関から排出される全HC量を示し、線Bは吸着浄化触媒14の下流におけるHC量を示している。更に、一点鎖線で示された線B´は調整弁22の制御を行わなかった場合、すなわち調整弁22が全閉状態に維持された場合の吸着浄化触媒14の下流におけるHC量を示している。
【0033】
これらの図に示されているように、上述したような図3の制御ルーチンで示された方法が実施される場合には、排気ガス流量Qcが予め定めた流量Qmより多くなると調整弁22の開度状態が調整され、排気ガスの一部がバイパス通路18を流れるようにされて吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcが予め定めた流量Qm以下に維持される。そしてこの結果、機関負荷が上昇して全排気ガス流量が増加した時においても、吸着浄化触媒14から脱離せしめられたHCをその吸着浄化触媒14において所定の浄化率で浄化することができる状態が維持される。
【0034】
なおここで、機関負荷が上昇して排気ガス流量Qcが予め定めた流量Qmより多くなるような状態、すなわち高負荷の状態においては、通常、排気ガスの温度が高く、上流側の三元触媒12が排気ガスの熱で昇温されて活性状態になっており、排気ガス中に含まれて流れてくるHCは三元触媒12で浄化されるようになっている。このため、通常は排気ガスが吸着浄化触媒14をバイパスして流れるために下流側にHCが排出されるという問題は生じない。
【0035】
また、このような排気ガス温度の高い状態おいては、吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcを低減すること、すなわち予め定めた流量Qm以下に維持することには、吸着浄化触媒14の温度上昇を抑制し、吸着浄化触媒14からのHCの脱離を抑制する作用もある。したがってこの場合には、吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcを予め定めた流量Qm以下に維持することにより、HCの浄化反応時間が確保されること等の他に、吸着浄化触媒14の温度上昇の抑制による脱離HC量の低減によっても、脱離HCの吸着浄化触媒14における完全な浄化が図られることとなる。
【0036】
以上のようなことから、上述したような図3の制御ルーチンで示した方法を実施することにより、吸着浄化触媒14の下流におけるHC量はゼロもしくは相当に低いレベルに維持することができる。なお、上記説明からも明らかなように、図4及び図5中、線B´で示されたHC量の増加は、線Aで示される機関から排出される全HC量の増加に起因するものではなく、吸着浄化触媒14から脱離せしめられるHC量の増加に起因するものである。
【0037】
次に図6を参照して、上述した方法とほぼ同様の方法を実施でき、同様の作用及び効果を得ることができる別の構成の排気ガス浄化装置20´について説明する。
この排気ガス浄化装置20´の基本的な構成は、上述の排気ガス浄化装置20と同様であるが、本排気ガス浄化装置20´においては、ECU8からの信号によって開度状態が調整される調整弁22の代わりに別のタイプの調整弁26が設けられている。
【0038】
この調整弁26は、その弁体28に作用する排気ガスの圧力(より詳細には圧力差)によって自動的に開閉するタイプの弁である。このようなタイプの弁の一例としては、所定の付勢力を発生するバネにより弁体28を閉弁状態に保つようにした弁が挙げられる。
そしてこのようなタイプの調整弁26において、上記の所定の付勢力を、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcが上述の予め定めた流量Qmとなった時に弁体28に作用する排気ガスの力(開弁する向きへ作用する圧力による力と閉弁する向きへ作用する圧力による力との差)と一致させておけば、全排気ガス流量が増加して排気ガス流量Qcが予め定めた流量Qmとなった時に調整弁26が自動的に開弁され、排気ガスの一部がバイパス通路18を流れるようにされて排気ガス流量Qcが予め定めた流量Qm以下に維持される。
【0039】
以上の説明から明らかなように、本排気ガス浄化装置20´の構成においても排気ガス浄化装置20を用いて実施される上述の方法と同様の方法を実施でき、同様の作用及び効果を得ることができる。そしてこの場合、ECU8との信号のやり取りを省略でき、装置の構成を簡単化することができる。
次に図7を参照して、別の構成の排気ガス浄化装置30について説明する。この排気ガス浄化装置30の基本的な構成は、上述の排気ガス浄化装置20と同様であるが、本排気ガス浄化装置30においては、吸着浄化触媒14にその温度を測定する温度センサ32が設けられている。この温度センサ32はECU8に接続されていて、測定結果はECU8に与えられる。
【0040】
なお、本排気ガス浄化装置30においては、温度センサ32が、吸着浄化触媒14に直接設けられたが、温度センサを吸着浄化触媒14の下流に設置し、排気ガスの温度を測定することで吸着浄化触媒14の温度を推定する等、その他の手段によって吸着浄化触媒14の温度を求めるようにしてもよい。
次に、本排気ガス浄化装置30で実施し得る排気ガス中のHCを除去するための方法について説明する。
【0041】
上述したように吸着浄化触媒14においては、その温度が低い時にHCが吸着され、温度が高くなると吸着したHCが脱離せしめられると共に酸化反応により浄化せしめられる。ここで説明する方法は、吸着浄化触媒14の温度Tcを監視しておき、その温度TcがHCを脱離し始める温度(脱離開始温度)またはその近傍の予め定めた温度Tmに達した時に吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcを制御して、吸着浄化触媒14から脱離せしめられたHCが浄化せしめられるのに十分な反応時間を確保し、脱離せしめられたHCが吸着浄化触媒14によって所定の浄化率で浄化せしめられるようにするというものである。
【0042】
図8はこの方法を実施するための制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンはECU8により一定時間毎の割込みによって実施される。なお、本排気ガス浄化装置30においても機関始動時には調整弁22は全閉状態にあり、したがって、本制御ルーチンが機関始動後、最初に実施される時には調整弁22は全閉状態にある。
【0043】
本制御ルーチンがスタートすると、まずステップ200において吸着浄化触媒14の温度Tcが推定される。本排気ガス浄化装置30においては、吸着浄化触媒14に温度センサ32が設けられているので、ここで推定される温度Tcは温度センサ32の測定値である。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、吸着浄化触媒14の温度Tcは、上述したように種々の方法で推定するようにすることができる。例えば、温度センサを吸着浄化触媒14の下流もしくは上流に設ける、あるいは上流と下流の両方に設ける等して流通する排気ガスの温度を測定し、それに基づいて温度Tcを推定するようにしてもよい。この場合、各温度センサにより測定される排気ガス温度と温度Tcとの関係を予め実験等によって求め、それをECU8に記憶させておく。
【0044】
または、機関冷却水温度を測定し、それに基づいて温度Tcを推定するようにしてもよい。この場合には、機関冷却水温度と温度Tcとの関係を予め実験等によって求め、それをECU8に記憶させておく必要がある。あるいは、機関運転状態に基づいて温度Tcを推定するようにしてもよい。すなわち、機関から排出される排気ガスの温度及び全排気ガス量は機関負荷Q/N及び機関回転数Nで定まる機関運転状態と相関があるため、吸着浄化触媒14の温度Tcについてもこの機関運転状態と相関がある。そこで温度Tcを機関負荷Q/N及び機関回転数Nの関数として予め実験により求め、これをECU8に記憶させておけば、機関負荷Q/N及び機関回転数Nで定まる各機関運転状態での温度Tcを求めることができる。更に別の方法として、機関始動からの経過時間で温度Tcを推定するようにしてもよい。この場合は、機関始動からの経過時間と温度Tcとの関係を予め実験により求め、これをECU8に記憶させておく。
【0045】
上述のような方法の何れかによりステップ200において吸着浄化触媒14の温度Tcが推定されると、続くステップ202において、その温度Tcが予め定めた温度Tmと比較される。この温度Tmは、吸着浄化触媒14からHCが脱離し始める温度(脱離開始温度)またはその近傍の温度であって、好ましくは脱離開始温度よりも僅かに低い温度である。
【0046】
ステップ202において温度Tcが予め定めた温度Tm未満であると判定された場合には本制御ルーチンは終了し、調整弁22の制御は行われない。すなわち、この場合には吸着浄化触媒14の温度が低いために吸着されたHCの脱離が起こらないので、脱離したHCを吸着浄化触媒14によって所定の浄化率で浄化できるようにするために、HCが浄化せしめられるのに十分な反応時間を確保すべく吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcを制御する必要はなく、したがって調整弁22の制御は行われない。
【0047】
一方、温度Tcが上述の予め定めた温度Tm以上であると判定された場合にはステップ204に進み、調整弁22の制御が行われる。
ステップ204における調整弁22の制御は、先に排気ガス浄化装置20に関連して図3のフローチャートを参照しつつ説明した方法のステップ104における調整弁22の制御と同様であり、例えば、全閉状態であった調整弁22を全開状態にする等の制御が行われる。または、排気ガス流量Qcが先に説明した予め定めた流量Qm以下となるように、もしくは予め定めた流量Qmとなるように調整弁22をECU8からの信号によって制御してもよい。そして、このような調整弁22の制御は機関の停止まで行われ、機関が停止された時に本制御ルーチンが終了する。
【0048】
図9は、排気ガス浄化装置30において、機関負荷が上昇して全排気ガス流量が増加した時に、図8の制御ルーチンで示された方法が実施された場合の全排気ガス流量、調整弁22の開度、吸着浄化触媒14の温度Tc、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qc及び排気ガス中のHC量の経時変化を示したものである。この図は吸着浄化触媒14の温度Tcが予め定めた温度Tmに達した時に調整弁22の開度状態が一気に開側に調整された場合を示している。
【0049】
図中、HC量を示す部分の表現は、図4及び図5の場合と同様であり、線Aは機関から排出される全HC量を示し、線Bは吸着浄化触媒14の下流におけるHC量を示している。更に、一点鎖線で示された線B´は調整弁22の制御を行わなかった場合、すなわち調整弁22が全閉状態に維持された場合の吸着浄化触媒14の下流におけるHC量を示している。なお、図4及び図5の場合と同様に、この線B´で示されたHC量の増加は、線Aで示される機関から排出される全HC量の増加に起因するものではなく、吸着浄化触媒14から脱離せしめられるHC量の増加に起因するものである。また、吸着浄化触媒14の温度Tcを示す部分に一点鎖線で示されているのは、調整弁22の制御を行わなかった場合、すなわち調整弁22が全閉状態に維持された場合の温度Tcである。
【0050】
この図に示されているように、図8の制御ルーチンで示された方法が実施される場合には、温度Tcが予め定めた温度Tmに達すると調整弁22の開度状態が調整され、排気ガスの一部がバイパス通路18を流れるようにされて排気ガス流量Qcが上述の予め定めた流量Qm以下に維持される。そしてこの結果、機関負荷が上昇して全排気ガス流量が増加した時においても、吸着浄化触媒14から脱離せしめられたHCをその吸着浄化触媒14において所定の浄化率で浄化することができる状態が維持される。
【0051】
なおここで、HC吸着浄化触媒14の温度Tcが上昇して予め定めた温度Tmに達するような状態においては、通常、排気ガスの温度が高く、上流側の三元触媒12が排気ガスの熱で昇温されて活性状態になっており、排気ガス中に含まれて流れてくるHCは三元触媒12で浄化されるようになっている。このため、通常は排気ガスが吸着浄化触媒14をバイパスして流れるために下流側にHCが排出されるという問題は生じない。
【0052】
また、図9の吸着浄化触媒14の温度Tcを示す部分にも示されているように、この方法を実施することによって吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcが低減されると、吸着浄化触媒14の温度上昇が抑制される。そしてその結果吸着浄化触媒14からのHCの脱離が抑制され、このことによっても脱離HCの吸着浄化触媒14における完全な浄化が図られることとなる。
【0053】
以上のようなことから、図8の制御ルーチンで示された方法を実施することによっても、吸着浄化触媒14の下流におけるHC量はゼロもしくは相当に低いレベルに維持することができる。また、この方法によれば吸着浄化触媒14がHCを脱離し始める温度になるのに対応して吸着浄化触媒を流通する排気ガスの流量Qcの上記制御を実施することができるので、流量制御実施時期の適正化を図ることができる。
【0054】
次に図10を参照して更に別の構成の排気ガス浄化装置40について説明する。この排気ガス浄化装置40の基本的な構成は、上述の排気ガス浄化装置20と同様であるが、本排気ガス浄化装置40においては、吸着浄化触媒14の上流側に設けられた三元触媒12にその温度を測定する温度センサ34が設けられている。この温度センサ34はECU8に接続されていて、測定結果はECU8に与えられる。
【0055】
なお、本排気ガス浄化装置40においては、温度センサ34が、三元触媒12に直接設けられたが、温度センサを三元触媒12の下流に設置し、排気ガスの温度を測定することで三元触媒12の温度を推定する等、その他の手段によって三元触媒12の温度を求めるようにしてもよい。
次に、本排気ガス浄化装置40で実施し得る排気ガス中のHCを除去するための方法について説明する。
【0056】
上述したように、本明細書で説明されているような排気ガス通路の上流側に三元触媒12が配置され、その下流側に吸着浄化触媒14が配置されている排気ガス浄化装置においては、機関の始動後間もない時等、三元触媒12及び吸着浄化触媒14が共に温度の低い時には、排気ガスに含まれて上流から流れてくるHCは、その殆どが活性状態になっていない三元触媒12を通過し、吸着浄化触媒14に吸着される。そして、機関の運転が継続される等して両触媒12、14の温度が上昇してくると、今度は、三元触媒12が活性状態になって上流から流れてくるHCの殆どを浄化するようになると共に、吸着浄化触媒14においてはその温度の低い時に吸着したHCが脱離せしめられ、且つ酸化反応により浄化せしめられる。以下で説明する方法は、上流側に配置された三元触媒12の活性状態を判定し、三元触媒12が活性状態にある場合にのみ排気ガスの一部が下流側に配置された吸着浄化触媒14をバイパスするようにして吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcを制御し、未浄化のHCが吸着浄化触媒14をバイパスして下流へ排出されるのを確実に防止すると共に、吸着浄化触媒14から脱離せしめられたHCが浄化せしめられるのに十分な反応時間を確保し、脱離せしめられたHCが吸着浄化触媒14によって所定の浄化率で浄化せしめられるようにするというものである。
【0057】
図11はこの方法を実施するための制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンはECU8により一定時間毎の割込みによって実施される。なお、本排気ガス浄化装置40においても機関始動時には調整弁22は全閉状態にあり、したがって、本制御ルーチンが機関始動後、最初に実施される時には調整弁22は全閉状態にある。
【0058】
本制御ルーチンがスタートすると、まずステップ302において三元触媒12が活性状態にあるか否かが判定される。本排気ガス浄化装置40においては、上述したように三元触媒12に温度センサ34が設けられているので、ここで測定される温度Tsが三元触媒12の活性化温度Ta以上であるか否かが判定される。この場合、当然のことながら温度Tsが活性化温度Ta以上であれば三元触媒12は活性状態にある。なお、この三元触媒12の温度Tsは、上述したように温度センサを三元触媒12の下流に設置し、排気ガスの温度を測定することで三元触媒12の温度を推定する等、その他の手段によって求めるようにしてもよい。すなわち、この三元触媒12の温度Tsは先に図8の制御ルーチンで示した方法に関連して説明した吸着浄化触媒14の温度Tcの各推定方法とほぼ同様な方法を用いても推定することができるので、そのようにして求めた三元触媒12の温度Tsと活性化温度Taとを比較するようにしてもよい。
【0059】
また、温度Tsを用いない方法で三元触媒12の活性状態を判定するようにしてもよい。すなわち、例えば排気ガス中のHC濃度またはNOx濃度、もしくはCO濃度等を測定できる排気ガスセンサを三元触媒12と吸着浄化触媒14との間に設け、この排気ガスセンサの測定値により三元触媒12が活性状態にあるか否かを判定するようにしてもよい。あるいは、三元触媒12が活性状態となる機関始動時からの時間を予め求めておき、機関始動時からその時間が経過した時には三元触媒12は活性状態になるものとしてもよい。
【0060】
ステップ302において、上述のような方法の何れかにより三元触媒12の活性状態が判定され、三元触媒12が活性状態ではないと判定された場合には本制御ルーチンは終了し、調整弁22の制御は行われない。すなわち、この場合には三元触媒12が活性状態ではないので三元触媒12を通過した排気ガスにはまだHCが含まれている。したがって、吸着浄化触媒14を流通する排気ガス流量Qcを制御すべく調整弁22を制御して排気ガスの一部が吸着浄化触媒14をバイパスするようにすると、そのバイパスした排気ガス中のHCは未浄化のまま大気中へ放出されてしまう恐れがある。このため調整弁22の制御は行われず全閉状態が維持される。
【0061】
一方、三元触媒が活性状態にあると判定された場合にはステップ304に進み、調整弁22の制御が行われる。
ステップ304における調整弁22の制御は、先に排気ガス浄化装置20に関連して図3のフローチャートを参照しつつ説明した方法のステップ104における調整弁22の制御と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。調整弁22の制御は機関の停止まで行われ、機関が停止された時に本制御ルーチンが終了する。
【0062】
以上のように、図11の制御ルーチンで示された方法が実施される場合には、上流側に配置された三元触媒12が活性状態になるまで調整弁22が全閉状態に保たれるので、HCを含んだ排気ガスがHC吸着浄化触媒14をバイパスすることによって排気ガス中に含まれたHCが下流へ排出されるのを確実に防止することができる。そして、三元触媒12が活性状態になると、調整弁22の開度状態が調整され、排気ガスの一部がバイパス通路18を流れるようにされて排気ガス流量Qcが上述の予め定めた流量Qm以下に維持されるので、機関負荷が上昇して全排気ガス流量が増加した時においても、吸着浄化触媒14から脱離せしめられたHCをその吸着浄化触媒14において所定の浄化率で浄化することのできる状態が維持される。
【0063】
このようにして、図11の制御ルーチンで示された方法を実施することによっても、吸着浄化触媒14の下流におけるHC量はゼロもしくは相当に低いレベルに維持することができる。
【0064】
なお、吸着浄化触媒14のHC吸着性能(すなわち、単位時間当たりに吸着できるHC量)または浄化性能(すなわち、単位時間当たりに浄化できるHC量)の劣化を考慮して、上述の各制御ルーチンに示した方法における調整弁22の制御方法を変更するようにしてもよい。すなわち、吸着浄化触媒14は、使用し続けることによって次第にそのHC吸着性能または浄化性能(以下、「HC浄化性能等」という)が劣化する。したがって、使用開始時には浄化できたHC量が劣化後には浄化できなくなる場合がある。このような場合、例えば図3の制御ルーチンで示された方法において、予め定めた流量Qmを吸着浄化触媒14の使用時間に応じて変更することによりHC浄化性能等の劣化に対応した調整弁制御が実施できる。つまり、吸着浄化触媒14の使用がある程度続けられてHC浄化性能等の劣化が進んだ時には、予め定めた流量Qmを吸着浄化触媒14の使用開始時に比べて低く設定するようにし、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcを使用開始時よりも小さく維持するようにしてHC浄化性能等が劣化した吸着浄化触媒14によっても脱離せしめられたHCが所定の浄化率で浄化せしめられるようにすることができる。
【0065】
また、図8の制御ルーチンで示された方法において、予め定めた温度Tmを同様に吸着浄化触媒14の使用時間に応じて変更することよっても吸着浄化触媒14のHC浄化性能等の劣化に対応した調整弁制御が実施できる。この場合、使用時間が長くなるほど予め定めた温度Tmが低く設定される。
なお、吸着浄化触媒14のHC浄化性能等の劣化の程度については、上述のような使用時間の他、吸着浄化触媒14の下流にHCセンサを設ける等その他の方法によって判定するようにしてもよい。
【0066】
また、上述の排気ガス浄化装置20、30、40の構成のうちの任意の二つもしくは三つ全ての構成を組合せ、図3、図8及び図11の各制御ルーチンで示された方法のうちの対応する任意の二つもしくは三つ全ての方法を組合せて実施するようにしてもよい。これら組合せた場合の各構成及び各方法については、上述の説明及び各図面から概ね明らかであると思われるので詳細な説明は省略するが、例えば、排気ガス浄化装置20の構成と排気ガス浄化装置40の構成を組合せ(この場合、図示される構成は図10の排気ガス浄化装置40と同じになる)、図3の制御ルーチンで示された方法と図11の制御ルーチンで示された方法とを組合せて実施する場合には、三元触媒12が活性状態にある時であって、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcが予め定めた流量Qmよりも多くなった時に調整弁22がステップ104(図3)またはステップ304(図11)のように制御される。
【0067】
また、排気ガス浄化装置20、30、40の三つ全ての構成を組合せ、上述の三つ全ての方法を組合せて実施する場合には、三元触媒12が活性状態にある時であって、吸着浄化触媒14の温度Tcが予め定めた温度Tm以上になり、更に吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcが予め定めた流量Qmよりも多くなった時に調整弁22が制御される。このように幾つかの方法を組合せることによって、調整弁22の不必要な制御を低減でき、また、図11の制御ルーチンで示された方法を含むようにすることにより、排気ガス中に含まれたHCの大気への放出を確実に抑制することができる。
【0068】
また、上述した排気ガス浄化装置20、20´、30、40は、マフラ(消音器)と一体にして構成することができる。図12は、図2に示された排気ガス浄化装置20をマフラと一体にして構成した場合(排気ガス浄化装置50)を示しており、ここでは、この排気ガス浄化装置50の場合を例にとって説明する。
排気ガス浄化装置50においては、以下で説明するようにして消音機能が発揮される。
【0069】
すなわち、調整弁22が閉じている場合には、排気ガスは図中の実線の矢印で示されるように、三元触媒12を通過した後、その全てが吸着浄化触媒14を通過し、排気ガス浄化装置50から排出される。この際、基幹通路16の一部である空間Iは拡張室として作用し、消音機能を発揮する。またバイパス通路18の一部である空間IIは調整弁22が閉じられているために共鳴室を構成し、消音機能が発揮される。
【0070】
一方、吸着浄化触媒14を流通する排気ガスの流量Qcを調整するために調整弁22が開かれている場合には、三元触媒12を通過した排気ガスは、その一部が吸着浄化触媒14を通過して、その残りが図中の点線の矢印で示されるようにバイパス通路18(空間II)を通過して、それぞれ基幹通路16の一部である空間Iへ到達し、その後排気ガス浄化装置50から排出される。この場合には、基幹通路16の一部である空間I及びバイパス通路18の一部である空間IIは共に拡張室として作用し、消音機能が発揮される。
【0071】
以上のように、図12で示されたような構成とすることによって、排気ガス浄化装置に消音機能を具備させることができる。そして、このようにマフラと排気ガス浄化装置を一体にして構成することにより搭載性の向上を図ることができる。
【0072】
【発明の効果】
1番目の発明によれば、HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量を制御することにより、HC吸着浄化手段から脱離せしめられるHCがそのHC吸着浄化手段によって所定の浄化率で浄化できるようにされるので、未浄化HCの大気への放出が抑制される。また、HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の制御を実施する時期の適正化を図ることができる。
【0073】
2番目の発明によれば、HC吸着浄化手段のHC吸着性能または浄化性能の劣化に起因して大気へ放出される未浄化HCが増えてしまうことが防止される。
3番目の発明によっても2番目の発明とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0074】
4番目の発明によれば、未浄化HCの大気への放出を確実に抑制することができる。
5番目の発明によれば、排気系の圧力損失変化(背圧変化)を緩やかにすることができ、内燃機関のトルク変動を軽減することができる
【0075】
6番目の発明によれば、マフラ(消音器)と排気ガス浄化装置とを一体にして構成することが可能になり、搭載性の向上を図ることができる。
7番目の発明によっても1番目の発明とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の排気ガス浄化装置をガソリンエンジンに適用した場合を示す図である。
【図2】図2は、本発明の排気ガス浄化装置を示した説明図である。
【図3】図3は、図2に示した排気ガス浄化装置で実施される制御を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図3に示された制御が実施された場合の全排気ガス流量、調整弁開度、吸着浄化触媒を流通する排気ガス流量、バイパス通路の排気ガス流量及び排気ガス中のHC量の経時変化を示したものであり、調整弁の開度状態を一気に調整した場合のものである。
【図5】図5は、図4と同様の図であって、調整弁の開度状態を徐々に調整した場合のものである。
【図6】図6は、本発明の別の排気ガス浄化装置を示した説明図である。
【図7】図7は、本発明の更に別の排気ガス浄化装置を示した説明図である。
【図8】図8は、図7に示した排気ガス浄化装置で実施される制御を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8に示された制御が実施された場合の全排気ガス流量、調整弁開度、吸着浄化触媒の温度、吸着浄化触媒を流通する排気ガスの流量及び排気ガス中のHC量の経時変化を示したものであり、調整弁の開度状態を一気に調整した場合のものである。
【図10】図10は、本発明の別の排気ガス浄化装置を示した説明図である。
【図11】図11は、図10に示した排気ガス浄化装置で実施される制御を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図2に示された排気ガス浄化装置をマフラと一体にして構成した場合について説明するための図である。
【符号の説明】
2…機関(エンジン)本体
4…吸気通路
6…排気ガス通路
8…電子制御ユニット(ECU)
10、20、20´、30、40、50…排気ガス浄化装置
12…三元触媒
14…HC吸着浄化型触媒
16…基幹通路
18…バイパス通路
22、26…調整弁
24…駆動部
28…弁体
32、34…温度センサ

Claims (7)

  1. HC吸着浄化手段の温度が低い時には流通する排気ガス中のHCを吸着し、その温度が高くなると吸着していたHCを脱離せしめると共に浄化する機能を有するHC吸着浄化手段が内燃機関から排出される排気ガスが通る排気ガス通路に配置されている排気ガス浄化装置において、
    上記HC吸着浄化手段をバイパスするバイパス通路と、
    上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量と上記バイパス通路を流れる排気ガスの流量の割合を調整して上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量を制御する流量制御手段とを備えていて、
    上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量が、上記HC吸着浄化手段から脱離せしめられるHCを上記HC吸着浄化手段によって所定の浄化率で浄化することが可能な予め定めた上限流量以下になるように、上記流量制御手段によって制御される、排気ガス浄化装置であって、
    上記流量制御手段による上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御は、上記HC吸着浄化手段の温度が上記HC吸着浄化手段からHCが脱離し始める温度に基づいて予め定めた温度未満の時には行われず、上記HC吸着浄化手段の温度が上記予め定めた温度以上である時に行われる、排気ガス浄化装置。
  2. 上記上限流量が上記HC吸着浄化手段のHC吸着性能または浄化性能の劣化に応じて低く設定される、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
  3. 上記の予め定めた温度が上記HC吸着浄化手段のHC吸着性能または浄化性能の劣化に応じて低く設定される、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置。
  4. 更に、上記HC吸着浄化手段の上流に、活性状態においてHCを浄化する機能を有するHC浄化手段を備えていて、
    上記流量制御手段による上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御は、上記HC浄化手段が活性状態にある場合にのみ行われる請求項1から3の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  5. 上記流量制御手段による上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御において、上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量は徐々に変化せしめられる、請求項1から4の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  6. 上記バイパス通路の一部が共鳴室もしくは拡張室を構成し消音機能を具備している、請求項1から5の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  7. HC吸着浄化手段の温度が低い時には流通する排気ガス中のHCを吸着し、その温度が高くなると吸着していたHCを脱離せしめると共に浄化する機能を有するHC吸着浄化手段を内燃機関から排出される排気ガスの通る排気ガス通路に配置して行う排気ガス浄化方法において、
    上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量が、上記HC吸着浄化手段から脱離せしめられるHCを上記HC吸着浄化手段によって所定の浄化率で浄化することが可能な予め定めた上限流量以下になるように制御される、排気ガス浄化方法であって
    上記HC吸着浄化手段を流通する排気ガスの流量の上記制御は、上記HC吸着浄化手段の温度が上記HC吸着浄化手段からHCが脱離し始める温度に基づいて予め定めた温度未満の時には行われず、上記HC吸着浄化手段の温度が上記予め定めた温度以上である時に行われる、排気ガス浄化方法。
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