JP3876581B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写方式を採用した電子写真複写機、プリンタ等をはじめその複写機能やプリント機能等を兼備する複合機に代表される画像形成装置に係り、特に、離型性を付与するための離型オイルを定着回転体に塗布する定着装置を備えた両面画像形成可能な画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー複写機やカラープリンタとして中間転写方式を採用したものが増えつつあり、この種の中間転写方式を採用した画像形成装置では基本的に以下のようにして(片面)画像形成が行われるようになっている。
【0003】
すなわち、図13に概念的に示すように、まず、回転するドラム状又はベルト状の感光体等からなる像担持体100の表面に、電子写真方式等を利用した作像プロセス機器(帯電装置、潜像書き込み装置、現像装置など)110により画像情報に応じたトナー像Tを形成し、この像担持体100の転写部で接触するように同期して回転するベルト状又はドラム状の誘電体等からなる中間転写体120に前記トナー像Tを一次転写させる。次いで、中間転写体120上のトナー像Tを、その中間転写体120の転写部に接触するように供給搬送する供給搬送機構130により供給される記録用紙、OHPシート等の記録媒体Pに二次転写させる。そして最後に、トナー像が転写された記録媒体Pを、定着器140における加熱ロール、加圧ロール等の定着回転体142により形成される圧接部(ニップ部)Nに通してトナー像Tを例えば加熱加圧処理して記録媒体P上に定着するようになっている。
【0004】
また、この中間転写方式を採用した画像形成装置は、フルカラー画像を形成する観点からすると、次のような2つのタイプのものに大別される。1つは、1つの像担持体100を用い、その像担持体100上にフルカラー画像を構成する各色のトナー像を順次形成した後、中間転写体120上に順次重ね合わせるように多重転写するタイプのものである。また、もう1つは、複数の像担持体100と作像プロセス機器110を用い、その各像担持体100上にフルカラー画像を構成する各色のトナー像のいずれか1つをそれぞれ配分して形成した後、中間転写体120に重ね合わせるように多重転写するタイプのものである。
【0005】
図13中の符号115は像担持体100上のトナー像を中間転写体120へ転写させる一次転写装置、125は中間転写体120上のトナー像を記録媒体Pへ転写させる二次転写装置、127は中間転写体120の表面を清掃するクリーニング装置である。また、145は定着時にトナーが定着回転体142に転移してしまう現象(トナーオフセット現象)を防止するため、その定着回転体142にアミンオイル、シリコーンオイル等の離型オイルを所定量塗布するオイル塗布装置である。
【0006】
そして、このような画像形成装置では、例えば以下のようにして両面画像形成が行われるようになっている。すなわち、両面画像形成時には、前述したように記録媒体Pの片面への画像形成動作(即ちトナー像の転写とその定着)が終了した記録媒体Pを、まず再送機構150に送りこんでから、その記録媒体Pの表裏面を反転してから供給搬送機構130に再送する。次いで、再送された記録媒体Pの裏面に中間転写体120上の裏面用トナー像を二次転写した後、再度、定着装置140によって裏面用のトナー像を定着するようになっている。図中の符号151は、記録媒体Pの表裏面を反転させるスイッチバック式の反転搬送路、152は反転搬送路151で反転させられた後の記録媒体Pを供給機構130まで搬送する再送循環路である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この中間転写方式を採用した両面画像形成可能な画像形成装置にあっては、特に定着器140として前述したような離型オイルを塗布するオイル塗布機器145を装備したものを使用している場合、そのオイルが中間転写体120に付着することに起因した次のようなゴースト現象が発生するという問題がある。
【0008】
すなわち、同一画像についての両面画像形成が連続して多数回行われた後、その同一画像とは異なる画像、特に全面ハーフトーン(中間調パターン)の画像を形成した場合に、定着器140において定着回転体142に塗布された離型オイルが記録媒体Pの裏面を介して中間転写体120に部分的(両面画像形成時の裏面用画像の非画像部に対応する部分)に付着し、これにより中間転写体120のオイル付着部分における転写効率だけが平常時よりも高まる結果、その直前の両面画像形成時に形成された裏面用画像が次に形成されるハーフトーン画像のなかに薄っすらとネガ画像となって現れる、いわゆる「オイルゴースト」なる現象が発生するのである。このようなゴースト現象は、近年になって資源保護の観点から両面画像形成を行う機会が増える状況下にあっては、早急に解決すべき課題になりつつある。
【0009】
このオイルゴーストは、以下のようにして発生するものと推察される。
【0010】
まず、オイル塗布装置145が配設された定着装置140を片面画像形成時に通過した記録媒体Pには、その表裏両面に対して離型オイルが付着することになる。これは、定着装置140における一対の定着回転体142の一方(記録媒体Pのトナー転写面と接する側の中間転写体)にオイル塗布装置145によってオイルが塗布されていても、定着前にはその一対の定着回転体142が互いに接触して回転しているため、その定着回転体142の双方にオイルが塗布された状態になっており、このような状態にある定着回転体142の圧接部Nを記録媒体Pが通過するからである。
【0011】
続いて、この定着後の記録媒体Pは、再送機構150により反転された姿勢で中間転写体120と対向する二次転写部に再送されると、図14aに示すように、そのオイル160が付着した裏面側が、裏面用のトナー像T2が形成された中間転写体120と接触することになる。この結果、同図bに示すように、二次転写後の中間転写体120のうち非画像部に相当する表面部分即ち裏面用トナー像T2のない部分には、記録媒体Pの裏面に付着していたオイル160aが転移する。一方、中間転写体120の画像部分に相当する表面部分即ち裏面用トナー像T2のある部分には、そのオイル160が転移しない。図中のT1は、定着後の表面用のトナー像を示す。
【0012】
そして、同一の画像の両面画像形成が多数回連続して行われると、中間転写体120の非画像部分には上記したようにオイル160aが多量に転移して蓄積された状態となり、このような状態になった後で記録媒体Pの全面にハーフトーン画像を形成する場合には、中間転写体120のオイル付着部分と非付着部分とで二次転写時のトナー像の転写効率に差が発生する。すなわち、オイル160aが付着した部分(裏面用画像の非画像部に相当する部分)の中間転写体120の表面は、多量の離型オイルが存在していることにより転写効率が平常時よりも上がる。これに対し、オイル160aが付着していない部分(同じく裏面用画像の画像部に相当する部分)の中間転写体120の表面は、オイルが殆ど存在しないため転写効率は平常時のままであって変化しない。
【0013】
したがって、中間転写体120のうち直前の両面画像形成時における裏面用画像T2の非画像部に相当するオイル付着部分にあるトナーが、他の部分(非付着部分)に比べて、平常時よりも効率よく記録媒体Pに二次転写されるようになり、この結果、その裏面用画像T2の非画像部が次のハーフトーン画像中に現れるのである。つまり、これは裏面用画像T2の画像部が外観上ネガ画像となって現れる結果となる。
【0014】
ちなみに、特開平7−92877号公報には、転写材(記録媒体)の両面画像形成を行う場合に、転写材担持体(転写材を保持する転写ドラムなど)や潜像担持体(感光ドラムなど)への定着オイルの転着を防止するため、少なくとも両面画像形成における裏面画像形成時に、転写材担持体の転写材が担持されない領域に対しても現像動作(好ましくは潜像を形成しない空現像)を行うようにした画像形成装置が示されている。
【0015】
しかし、この公報には、両面画像形成時に転写材担持体の転写材を担持していた領域に付着していた定着オイルが潜像担持体へ転着するのを防止する解決手段が開示されているにすぎず、中間転写体に定着オイルが付着すること、さらには定着オイルが転写材(記録媒体)の裏面側から中間転写体へ転移することを防止する技術的手段について何も示されていない。また、この公報に示される解決手段では、潜像を形成しない空現像により潜像担持体にトナーをかぶらせるように付着させているため、そのトナーの付着状態はトナーの帯電量が(温度や湿度の環境変動などによって)大きく左右されてしまい、最悪の場合には潜像担持体にトナーが付着されない部分が発生してオイルの転着も防止できない不安定さがある。さらに、転写材担持体に付着した定着オイルは、クリーナーで除去するだけであるため、完全には取り除かれることがなく、そればかりか次第に堆積してしまうおそれがある。
【0016】
したがって、本発明の目的は、上述したような中間転写体にオイルが部分的に付着することに起因して発生するオイルゴーストを簡便かつ的確に防止することができる中間転写方式の画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成し得る本発明の画像形成装置は、回転する像担持体と、この像担持体の表面にトナー像を形成する作像プロセス機器と、この作像プロセス機器により形成された前記像担持体上のトナー像が転写され、その像担持体の転写部に接触して通過するように回転する中間転写体と、この中間転写体に前記像担持体上のトナー像を転写させる一次転写装置と、この一次転写装置により転写された前記中間転写体上のトナー像が転写されるシート状の記録媒体をその中間転写体の転写部に接触して通過するように供給搬送する供給搬送機構と、この供給搬送機構により供給される記録媒体に前記中間転写体上のトナー像を転写する二次転写装置と、この二次転写装置により転写されたトナー像を有する記録媒体を一対の定着回転体で形成される圧接部に通してそのトナー像の定着を行い、前記定着回転体の少なくとも一方の表面に離型オイルを塗布するオイル塗布装置が配設された定着装置と、この定着装置による定着が終了した後の記録媒体を両面画像形成時にその表裏面を反転させて前記供給搬送機構に再送する再送機構とを備えた画像形成装置において、
同一画像の両面画像形成を連続して所定の回数以上行う場合、その両面画像形成における記録媒体の裏面への裏面画像形成時に、前記中間転写体の少なくとも裏面用画像の非画像部となる部分に対して微量のトナーを付着させるように前記作像プロセス機器の作像条件を変更するオイル付着防止動作を実行する制御手段を設けたものである。
【0018】
ここで、上記制御手段においてオイル付着防止動作を実行する基準となる同一画像の両面画像形成の回数は、その両面画像形成により中間転写体に離型オイルが部分的に大量に付着してオイルゴーストを誘発するおそれのある回数を想定して適宜設定されるものであり、例えば、その両面画像形成時に使用される記録媒体の枚数に換算して50〜200枚程度の範囲内で設定することができる。
【0019】
また、そのオイル付着防止動作において中間転写体に付着させる微量なトナーとは、中間転写体上のトナー画像部の画質に影響を与えることがなく、少なくともそのトナー画像部の非画像部にほぼ均等に点在して二次転写時には記録媒体へ二次転写されにくい程度の少ない量のトナーをいう。しかも、この微量のトナーは、二次転写時にその一部が記録媒体等に転写されることがあるが、その場合でも記録媒体上でほとんど視認されない程度の少ない量又は色のトナーをさす。このような微量のトナーは、中間転写体の少なくとも裏面用画像の非画像部となる部分に付着させれば十分であるが、中間転写体の転写可能領域全面であっても構わない。
【0020】
さらに、このような微量のトナーを中間転写体の少なくとも所定部分(裏面用画像の非画像部となる部分)に付着させるための作像プロセス機器における作像条件は、例えば、像担持体が感光体であって、作像プロセス機器が像担持体を一様に帯電させる帯電装置、一様に帯電された像担持体に静電潜像を書き込む潜像書き込み装置、その静電潜像を現像剤(トナー)により現像してトナー像とする現像装置であるとした場合、その帯電装置による像担持体の帯電電位や、潜像書き込み装置による像担持体上の潜像電位や、現像装置で印加する現像バイアス電位などを平常時よりも現像剤が像担持体に微量に付着しやすいような状況に設定変更することである。このうち、中間転写体の所定部分のみに微量のトナーを付着させる場合には、潜像書き込み装置により当該所定部分に対応する部分の電位を現像剤が微量に付着する程度の電位に変更するような潜像の書き込みを行うための作像条件を用いることになる。また、微量のトナーを温度や湿度の環境変動の影響を受けにくく確実に得ることが可能であるという観点からは、帯電電位を、その現像バイアス電位との差が平常時より小さくなるような作像条件に設定するとよい。
【0021】
このような制御手段を備えた画像形成装置によれば、同一画像の両面画像形成を連続して所定の回数以上行うような条件の画像形成要求(指示)がある場合、その両面画像形成における裏面画像形成時に、オイル付着防止動作として、作像プロセス機器の作像条件が変更されて中間転写体の少なくとも裏面用画像の非画像部となる部分に対して微量のトナーが付着される。これにより、両面画像形成における片面画像形成時に定着器を通過して離型オイルが付着した記録媒体が、そのトナーが付着された中間転写体の二次転写部に再送されて接触しても、かかる記録媒体の裏面に付着するオイル(薄膜)は、中間転写体の少なくとも裏面用画像の非画像部となる部分に付着するトナーの存在によって中間転写体表面に直接触れることがない(ブロッキングされる)ため、中間転写体側に転移されない。これに対し、中間転写体の裏面用画像の画像部となる部分には、その画像を構成するトナーがそもそも存在するため、この部分にも記録媒体の裏面に付着したオイルは転移しない。この結果、裏面画像形成時には、記録媒体の裏面に付着したオイルの中間転写体への付着が防止されるようになる。
【0022】
また、このような画像形成装置においては、前記記録媒体の平滑度の違いを選択する手段を設け、かつ、前記制御手段が、その選択手段により記録媒体の平滑度が低いものであると選択されたときのみ前記オイル付着防止動作を実行するように設定されていることが好ましい。
【0023】
上記記録媒体の平滑度の違い(高低)は、基本的に、その記録媒体の表面(裏面を含む)に付着する離型オイルが両面画像形成の裏面画像形成時に二次転写部まで再送されるまでの間に、その裏面に残留して保持されやすいものであるか否かを基準として適宜設定される。一般的には、その平滑度が低い場合には離型オイルを残留保持しやすい傾向にあり、その平滑度が高い場合には離型オイルを残留保持しにくい傾向にある。そして、その平滑度が低い記録媒体としては、普通紙、微塗工紙等が挙げられ、平滑度が高い記録媒体としては、塗工紙等が挙げられる。またより具体的には、その平滑度は、ベック平滑度(JIS P8119)で表した場合、例えばベック平滑度が300secの場合を「平滑度が低いもの」とし、ベック平滑度が300sec以上である場合を「平滑度が高いもの」と区分することなどが可能である。このような記録媒体の平滑度の違いを選択する手段は、使用する記録媒体の平滑度(又はこの平滑度に基づいて分類される記録媒体の種類)をユーザーが判別して選択設定することが可能なスイッチ類や、そのような平滑度を自動的に検出して識別できる識別センサ等である。
【0024】
このように構成した場合には、平滑度の低い記録媒体が使用されて両面画像形成が行われるときだけ、つまり記録媒体による中間転写体への離型オイルの付着が起こりやすいときに、前記したオイル付着防止動作が実行される。この結果、記録媒体の裏面に付着したオイルの中間転写体への付着が、より効果的にしかも的確に防止されるようになる。
【0025】
さらに、上述したようないずれかの画像形成装置においては、前記中間転写体を二次転写後にクリーニングブレードで清掃するクリーニング装置を設け、かつ、前記制御手段が、必要に応じて、前記オイル付着防止動作の対象となる両面画像形成動作が終了してから次の画像形成動作が開始されるまでの時期に、前記中間転写体の全面にトナーを付着させるとともに前記クリーニング装置をそのトナーの付着時からその付着後にわたり継続して作動させるオイル除去動作を実行するように設定されていることが好ましい。
【0026】
上記オイル除去動作は、予め定めた実行条件を満たした場合のみ実行されるものであり、例えば、オイル付着防止動作を実行しても中間転写体へのオイル付着が発生するおそれがある場合などに行うように設定すればよい。また、このオイル除去動作において中間転写体に付着させるトナーの量は、通常、その中間転写体の転写可能領域全面に付着する程度の量であるが、これよりも少ない量であってもよい。さらに、このときのトナーの付着は、中間転写体が少なくとも1回転する間だけ行うようにすれば十分である。
【0027】
このように構成した場合には、前記したオイル付着防止動作に加えて、そのオイル付着防止動作の対象となる両面画像形成動作が終了してから次の画像形成動作が開始されるまでの時期にオイル除去動作が実行される。このオイル除去動作が実行されると、中間転写体上に所定の量のトナーが付着された状態でクリーニング装置のクリーニングブレードによる清掃が実施される。このクリーニングブレードによる中間転写体の清掃は前記トナーの付着後も継続して行われる。これにより、記録媒体によって中間転写体上に付着していたオイルは、クリーニングブレード先端部に中間転写体との間にたまるトナーが一種の研磨剤に似た働きをすることによって、中間転写体の表面から確実に取り除かれるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明を適用した中間転写方式のカラープリンタを示すものである。このカラープリンタは、主に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像を電子写真方式によりそれぞれ形成する4つの作像ユニット10Y、10M、10C、10Kと、この4つの作像ユニット10でそれぞれ形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト(中間転写体)20と、この中間転写ベルト20上のトナー像が転写された記録用紙(記録媒体)Pが送りこまれてそのトナー像の定着が行われる定着装置40と、記録用紙Pを画像形成装置内で搬送する用紙搬送系等を備えている。
【0029】
上記作像ユニット10Y、10M、10C、10Kは、水平方向にそって一定の間隔をあけた並列状態で配設されており、そのいずれも同様の構成からなるものである。すなわち、各作像ユニット10はいずれも、矢印方向に所定の速度で回転する感光ドラム(像担持体)12と、この感光ドラム12の表面を一様に帯電するスコロトロン(帯電装置)13、このスコロトロン13にて帯電された感光ドラム12の表面に画像情報に対応した光像を露光して静電潜像を形成するROS(Raster Output Scanner)(像書き込み装置)14、このROS14にて形成された感光ドラム12上の静電潜像を所定の色のトナーを供給して現像する現像装置15、転写後において感光ドラム12上に残留した未転写トナーを除去して清掃するドラム用クリーニング装置16等の作像プロセス機器とで構成されている。このうちROS14は、そのいずれも、パーソナルコンピュータ等の外部接続機器から入力される画像情報に応じて半導体レーザ14aから変調されたレーザ光が出射され、そのレーザ光が回転多面鏡14b、複数の光学系部品を介して偏向走査され、最終的にレーザビームBmとなって感光ドラム12上に露光されるようになっている。
【0030】
上記中間転写ベルト20は、駆動ロール21、従動ロール22a,22b、テンションロール23、バックアップロール(二次転写装置の一部)24等に全体が逆三角形をなすような形態で一定のテンションでもって掛け回されているとともに、その駆動ロール21と従動ロール22aとの間で前記各作像ユニット10における感光ドラム12(の一次転写部)と接するような状態で配置され、矢印方向に一定速度で回転するようになっている。図中の符号25は転写後において中間転写ベルト20上に残留した未転写トナー等を除去して清掃するベルト用クリーニング装置、26は中間転写ベルト20に形成される各種制御用マークを検出する検知センサである。
【0031】
この中間転写ベルト20と各作像ユニット10の感光ドラム12が対向する位置(一次転写部)には、ベルト20をドラム12側に当接させるように回転する一次転写ロール(一次転写装置の一部)27が設置されており、このロール27に対しては図示しないバイアス電源装置から前記トナーの帯電極性とは逆極性の一次転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この実施形態では、感光ドラム12をマイナス極性に一様帯電させるとともにトナーとしてマイナス帯電極性のものを使用するようになっており、このため一次転写バイアス電圧としてはプラス極性の電圧を印加している。
【0032】
また、この中間転写ベルト20のバックアップロール24とは反対側の位置(二次転写部)には、二次転写ロール(二次転写装置の一部)30がそのベルト20に圧接するように配設されている。この実施形態では、図2に示すように、バックアップロール24側に、中間転写ベルト20上に転写されるトナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアス電圧がバイアス電源装置31から給電ロール32を介して印加されるようになっている。また、この実施形態では中間転写ベルト20上のトナーの極性がマイナス極性であるため、二次転写バイアス電圧としてマイナス極性の電圧を印加するようにしている。図2中の符号33は二次転写ロール30に付着するトナー等を除去するためのクリーニングブレードであり、これにより二次転写部を通過する記録用紙Pの裏面汚れを防いでいる。
【0033】
上記定着装置40は、図1や図3に示すように、加熱ロール(定着回転体)41と、この加熱ロール41の一部に所定の幅をもって当接するような状態で複数のロール43,44,45に掛け回されて自由回転するニップ用ベルト(定着回転体)42とが配設されたものであり、その加熱ロール41とニップ用ベルト42の間(ベルトニップ部:圧接部)に二次転写後の記録用紙Pを通過させるようになっている。加熱ロール41は、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属で形成された円筒状の心材41aに、シリコンーンゴム等からなる弾性下地層41bを積層し、その弾性下地層41bの上にさらにシリコーンゴム等からなる表面層41cを形成したロール構造からなるものであり、矢印方向に回転駆動する。また、その心材41aの内部には加熱源としてのハロゲンヒータ46が配置されている。そして、加熱ロール41は、このハロゲンヒータ46によって加熱されるとともに、そのロール表面に設置された温度センサ47によってロールの表面温度が計測されて図示しないハロゲンヒータ用の制御部にてフィードバック制御されることにより、所定の温度に保持されるようになっている。図中の符号48は、ニップ用ベルト42を加熱ロール41に押圧している加圧補助パッドである。
【0034】
また、この定着装置40は、図1や図3に示すように、その加熱ロール41にトナーオフセット防止用の離型オイル(アミンオイル、シリコーンオイル等)を塗布するオイル塗布装置50が配設されている。オイル塗布装置50は、加熱ロール41に接触するオイル塗布ロール51を介して離型オイルの塗布を行うロール塗布方式のものである。このオイル塗布ロール51には、塗布ロール51と、オイル供給パイプ52から離型オイル53が滴下含浸されるフェルト54とに接触するオイル供給ロール55によって離型オイル53が供給されるようになっている。また、オイル供給ロール55には、塗布量規制ブレード56が当接されており、その供給ロール55にフェルト54から供給されるオイル53が所定の膜厚となるように規制されている。図中の符号57は、余分な離型オイル53を回収するオイルパンである。
【0035】
上記用紙搬送系は、記録用紙Pが収容される用紙収容トレイ60からフィードロール60aにて送り出される記録用紙Pを中間転写ベルト20の二次転写部まで搬送する供給搬送路(供給搬送機構)61と、その二次転写部から転写後の記録用紙Pを定着装置40まで搬送する受渡し路62と、定着装置40を通過した後の記録用紙Pを排出する排出路63とから構成されている。このうち供給搬送路41と排出路63については、複数のロール対と各ロール対の間に介在するように上下に間隔をあけて対向配設される複数の搬送ガイド部材とで構成されている。供給搬送路61にある複数のロール対のうち二次転写部の直前にあるロール対61aは、記録用紙Pを所定のタイミングで二次転写部に送り出すためのレジストロールになっている。また、受渡し路62は、二次転写後の記録用紙Pを搬送ベルトの表面に吸引吸着させて搬送する2連の吸引式搬送ベルト装置62a、62bで構成されている。
【0036】
また、用紙搬送系としては、両面画像形成を行う際の記録用紙Pを反転させて前記供給搬送路61に再送するための両面用搬送路(再送機構)が設けられており、この両面用搬送路は、定着後の記録用紙Pを両面用搬送路側にむけて送り出す両面送出路64と、その送り出された記録用紙Pを一旦引き込んで逆方向に引き出してその用紙表裏面を反転させる反転路65と、反転された後の記録用紙Pを供給搬送路61側に再送する再送路66とで構成されている。前記排出路63の途上には、用紙搬送路の進路を切り替える切替爪67が配設されており、この搬送路切替爪67の切換え動作により、定着後の記録用紙Pが両面用送出路の送出路64側に搬送されるようになっている。また、この両面搬送路を構成する上記各搬送路64、65、66はいずれも、複数の搬送ロール対とその各搬送ロール対の間に介在するようにして上下又は左右に対向して配設されるシートガイド部材とで構成されている。
【0037】
ここで、上記中間転写ベルト20としては、ポリイミド、ポリアミド等の合成樹脂にカーボンブラック等の導電化剤を適用含有させたものを用いて、厚みが0.1mm程度の無端状ベルト形状に成形したものが使用される。また、この中間転写ベルト20はその体積抵抗率が106〜1014Ω・cmに調製される。
【0038】
また、上記一次転写ロール27としては、金属シャフトに、カーボンブラックを分散させた発泡ウレタンゴム層(体積抵抗106〜1010Ω、アスカC硬度35°)を形成したロール径28mmのものが使用される。
【0039】
さらに、バックアップロール24としては、金属シャフトに、EPDM(エチレンプロピレンジエン)ゴム層と、表面にカーボンを分散させたEPDMとNBRのブレンドゴムからなるチューブ層(表面抵抗率107〜1010Ω/□、アスカC硬度70°)とをこの順に積層形成したロール径28mmのものが使用される。二次転写ロール30としては、金属シャフトに、カーボンを分散させた発泡ウレタンゴム層と、表面にカーボンを分散させたウレタンゴムからなるチューブ層と、フッ素樹脂コート層(体積抵抗103〜1010Ω、アスカC硬度30°)とをこの順に積層形成したロール径28mmのものが使用される。
【0040】
また、このカラープリンタにおいては、フルカラー画像の形成(カラープリントモード)と単色画像の形成(単色プリントモード)とを選択して行うことができるようになっている。また、記録用紙Pの片面への画像形成(片面プリントモード)とその表裏裏面への画像形成(両面プリントモード)とを選択して行うこともできるようになっている。
【0041】
このようなカラープリンタによるフルカラー画像の片面プリントは、以下のようにして行われる。
【0042】
まず、このプリンタに接続された接続機器からプリント用の画像情報が、図示しない画像処理装置に入力されて所定の画像処理がなされ、その処理後の画像信号(4色Y、M、C、Bの階調データ)が4つの作像ユニット10Y、10M、10C、10Kにそれぞれ出力される。なお、このようなプリンタ(画像形成装置)を複写機として構成した場合には、原稿を読み取る原稿読取装置からの読取情報が上記画像処理装置に入力されることになる。
【0043】
続いて、作像ユニット10Y、10M、10C、10Kにおいて、前記4色の階調データに応じて各ROS14が動作することにより、スコロトロン13にて一様に帯電された各感光ドラム12の表面に静電潜像が形成された後、その各静電潜像が各現像器15により所定の色の現像剤(トナー)により現像され、もって各感光ドラム12に4色のトナー像が個別に形成される。この4色のトナー像は、各感光ドラム12の一次転写部を通過するように回転する中間転写ベルト20上に順次重ね合わせられるように一次転写された後、二次転写部まで搬送される。上記トナー像の一次転写は、一次転写ロール27に印加される一次転写バイアス電圧によりその転写ロール27と感光ドラム12との間に形成される転写電界により静電的に行われる。この一次転写後の感光ドラム12は、クリーニング装置16により未転写トナーが除去されて清掃される。
【0044】
一方、このトナー像の形成に合わせて所定のサイズ及び種類の記録用紙Pが用紙収容トレイ60から供給搬送路61を経由してレジストロール61aまで供給された後、レジストロール61aにより二次転写タイミング時に合わせて二次転写部である中間転写ベルト20と二次転写ロール30の間に送り込まれると、その記録用紙Pに対して中間転写ベルト20上の多重トナー像が一括して二次転写される。このトナー像の二次転写は、バイアス電源31から給電ロール32を介してバックアップロール24に印加される二次転写バイアス電圧により二次転写ロール30との間に形成される転写電界により静電的に行われる。
【0045】
そして、この二次転写後の記録用紙Pは、中間転写ベルト20から剥離した後、受渡し路62を経由して定着装置40に送り込まれ、その加熱ロール41とニップ用ベルト42の間を通過することにより加熱加圧されてそのトナー像が定着される。この際、加熱ロール41にはオイル塗布装置50にて離型オイルが塗布されているため、記録用紙Pはトナーオフセットを発生することなく加熱ロール41から確実に剥離されるようになる。定着後の記録用紙Pは、片面画像形成(片面プリント)モードの場合には、定着装置40から送り出された後に排出路63を経由して装置外に排出される。二次転写後の中間転写ベルト20は、クリーニング装置25によって未転写トナー等が除去されて清掃される。以上のようにして、記録用紙P(の表面)には(表面用の)フルカラー画像が形成され、もって片面プリントが終了する。
【0046】
また、このプリンタによるフルカラー画像の両面プリントは、次のように行われる。まず、片面プリントの終了した記録用紙Pが、その定着後に搬送路切替爪67の切替え動作により両面用搬送路の送出路64側に送りこまれ、反転路65にて表裏面を反転された後、再送路66を経由して供給搬送路61に再送される。次いで、この再送された記録用紙Pは、二次転写タイミングに合わせてレジストロール61aにより二次転写部に送り込まれ、作像ユニット10で形成された裏面用のトナー像が中間転写ベルト20から転写された後、前記片面プリントの場合と同様にして定着される。これによって、記録用紙Pの裏面に対して裏面用のフルカラー画像が形成され、もって両面プリントが完了する。
【0047】
なお、単色画像を形成する場合(単色プリントモード選択時)には、いずれかの作像ユニット10で単色のトナー像が形成され、それ以後は前述したような片面又は両面プリントの各動作(一次転写、二次転写、定着など)が同様に繰り返される。
【0048】
そして、このカラープリンタにおいては、従来技術で説明したような記録用紙Pによる中間転写ベルト20への離型オイルの付着を防止するためのオイル付着防止動作を実行する制御手段70が設けられている。
【0049】
図4は、その制御手段の構成を示すブロック図である。図中の符号70はオイル付着防止動作実行用の制御手段としても機能する、演算処理部、記憶部などで構成される制御部であり、同一画像の両面プリントを連続して所定の回数(記録用紙の枚数)N以上行う場合、その両面プリントにおける裏面プリント時に、中間転写ベルト20に対して微量のトナーを付着させるための前記作像プロセス機器の作像条件を変更するようになっている。
【0050】
この実施形態では、上記オイル付着防止動作時における作像プロセス機器の作像条件として、図5に示すように、帯電装置13による感光ドラム12の帯電電位VHを通常のプリント時における帯電電位VHよりも低くして、現像装置15で印加される現像バイアス電位(DC成分)VDとの差分VC(=|VH−VD|)が小さくなるようにしている。この際、裏面プリント画像の画像部の電位(すなわち潜像書き込み装置14による潜像電位VL)については変更しない。これにより、裏面プリント時の非画像部を含むプリント画像全面において(現像時に)トナーがプリント画像の画像部及び非画像部であるかに係わりなく感光ドラム12側に転移しやすくなる結果、トナーかぶりが発生するようになる。
【0051】
また、この作像条件の変更時における帯電電位ひいては現像バイアス電位との差分の設定は、トナーかぶりによって発生するトナーが中間転写ベルト20に転写された後に記録用紙Pに二次転写され、その記録用紙P上でトナーかぶりとなって現れるようになるため、この用紙上でのかぶりが実用上問題とならない範囲で行われる(図9参照)。
【0052】
そして、この制御部70には、図4に示すように、プリンタに接続される外部接続機器とのインターフェイス(I/F)71が接続されており、これによりプリントモード(片面又は両面プリントモードや単色又はカラープリントモードなど)、プリント枚数(部数)等の情報が入力される。また、制御部70には、記録用紙Pの平滑度の違いで分類分けした「普通紙(非塗工紙)、微塗工紙」及び「塗工紙(コート紙)」という用紙の種類に関する選択設定が可能な選択切替スイッチ73が接続されており、これによりプリントに使用する記録用紙Pの種類(平滑度の違い)の情報が入力される。この選択切替スイッチ73は、普通紙(微塗工紙を含む)と塗工紙との選択設定ができる操作スイッチ(ボタン)が配されたものであり、例えば、記録用紙Pを収容する収容トレイ60の所定部位に配設されている(図1)。プリンタ内の温度及び湿度の測定に適した所定の位置に配置される。
【0053】
さらに、制御部70には作像プロセス機器(帯電装置12、潜像書き込み装置14、現像装置15など)が接続されており、これにより制御部70において前記したオイル付着防止動作時における作像条件の変更内容の情報が所定の機器(この例では帯電装置12の電源回路)側に出力される。また、制御部70には中間転写ベルト20を回転駆動させるベルト駆動モータやベルト用クリーニング装置25が接続されており、オイル付着防止動作時に作動するための制御信号が出力されるようになっている。
【0054】
このような制御手段による作像条件の変更は、同一画像の両面プリントを連続して行う場合の回数(記録用紙の枚数)が「N(枚)以上」になった時点で行えばよいが、この実施形態1では、さらに記録用紙Pが「普通紙」である場合に限り行うように設定している。
【0055】
これは、一般に、記録用紙Pの平滑度の違いにより、その各用紙の表面に保持されるオイル量が異なる傾向にあり、このことが記録用紙Pを介して中間転写ベルト20へ付着する離型オイルの付着量の差となって現れ、最終的にオイルゴーストの発生の有無になって現れるからである。すなわち、平滑度の低い普通紙等のような記録用紙Pでは、その表面の凹凸部分に離型オイルが溜まり、裏面プリント時の二次転写部までその用紙表面に保持されたままで運ばれやすいため、最後にその表面部分にあるオイルが中間転写ベルト20に転移してしまい、その結果オイルゴーストが発生しやすくなると推察される。これに対し、平滑度の高い塗工紙等のような記録用紙Pでは、その平滑性に優れた表面がオイルと接する接触面積も増えてオイルを用紙内部に吸収しやすくなり、裏面プリント時においてはその用紙表面に付着しているオイル量が少ないため、中間転写ベルト20へ転移するオイルも少なく、その結果オイルゴーストが発生しにくいものと推察される。
【0056】
図6は、記録用紙P(普通紙及び塗工紙)の平滑度と、中間転写ベルト上の画像部と非画像部のオイル付着量差と、オイルゴーストの発生の有無との関係を示すものである。中間転写ベルト上のオイル付着量については、蛍光X線分析装置(理学電機工業社製:RIX1000)により離型オイル(シリコーンオイルを使用)に含まれるSi成分を元素分析し、Si強度(kcps)として求めた。この図6に示すように、上記オイル付着差が0.01(kcps)を超えると、オイルゴーストが発生するようになる。
【0057】
次に、このオイル付着防止動作に係る制御手段の動作について図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0058】
はじめに、制御部70では、両面プリントモードの選択指示が外部接続機器から出されると、その両面プリントの設定条件が同一画像の連続両面プリントがN枚以上であるか否かが判断される(ステップ101、以下このステップに関する内容を「S101」のように略記する)。この実施形態では、その判断時における枚数Nを例えば200枚に設定している。この際、その両面プリント設定条件が上記N枚数(200枚)を超える場合には、その両面プリントに使用する記録用紙Pが「非塗工紙(換言すれば平滑度の低い用紙)」であるか否かが判断される(S102)。
【0059】
このステップ101、102において連続両面プリントが200枚よりすくないか又は記録用紙Pが塗工紙であるため「NO」と判断された場合には、指示された内容で通常時の両面プリント動作(まず第1面の片面プリント動作が行われた後、第2面プリントが行われる)が開始される(S104〜105)。すなわち、この場合の作像条件については、通常時の条件(オイル付着防止動作時のような変更された条件ではないということ)が使用されて変更されない。
【0060】
一方、上記ステップ101、102において連続両面プリントが200枚以上であると同時に記録用紙Pが非塗工紙であると判断された場合には、制御部70において、オイル付着防止動作のための作像条件の変更が行われる(S103)。この実施形態では、その両面プリントにおける裏面プリント時の帯電電位VHが所定の電圧ΔVだけ下げられる。すなわち、この実施形態では、帯電電位VHと現像バイアス電位との差VCが平常時では「VC=135V」であるのに対し、オイル付着防止動作の実行時(変更時)には「VC=95V」と変更されるようになっている(図5参照)。また、この帯電電位VHを下げる対象は、前記4色のトナー像を形成する作像ユニット10(Y,M,C,K)における各帯電装置12である。なお、この対象については、オイル付着防止動作時に中間転写ベルト20に付着させるトナーが記録用紙に二次転写されトナーかぶりとなって現れるのをより確実に目立たせないようにする観点からは、イエロー(Y)色のトナー像を形成する作像ユニット10Yにおける帯電装置12のみとすることが好ましい。
【0061】
そして、この作像条件の変更がなされると、先に指示された内容で両面プリントが実行される(S104〜105)。はじめに、第1面(表面)の片面プリントが前述したような工程で実行され、しかる後、第2面(裏面)のプリントが前述したような工程で実行される。
【0062】
特に、この裏面プリント時においては、図8に示すように、前記変更された作像条件に基づいて裏面用のプリント画像(4色の各トナー像)が作像されるが、そのときの帯電電位VHが下げられているため、感光ドラム12の画像部はもとより非画像部に相当する部分にも電位差VCが通常時よりも少なくなっている分だけ微量なトナーT0が付着してかぶりが発生し、そのかぶったトナーT0も画像部のトナーと共々一次転写されて中間転写ベルト20に付着する(図8a)。そして、このような微量のトナーT0がかぶったように付着した中間転写ベルト20に対し、表面側に表面用画像T1が定着されて形成されているとともに裏面側に定着時の離型オイル53が薄膜状に付着する非塗工紙の記録用紙Pが、二次転写部において当接する。
【0063】
この際、図8bに示すように、特に中間転写ベルト20の裏面用画像T2がない非画像部には、前記微量のトナーT0が存在しているため、記録用紙Pの裏面に付着するオイル53のベルト20への転移を阻止するようになる。一方、中間転写べルト20の画像部T2には、その画像を構成するトナーがもともと存在するため、記録用紙Pの裏面に付着するオイル53が転移することはない。この結果、非塗工紙の記録用紙Pに対する連続両面プリントの裏面プリント時であるにもかかわらず、その用紙裏面に付着したオイル53が中間転写ベルト20(の非画像部)に転移して付着することが防止される(図8c)。
【0064】
したがって、この両面プリントの後で、例えば全面ハーフトーン状の画像をプリントした場合であっても、中間転写ベルト20に定着装置40における離型オイル53が部分的(その両面プリントにおける裏面画像の非画像部に相当する部分)に堆積して付着していないため、いわゆるオイルゴーストが発生することはない。よって、同一画像の連続した両面プリントを多数枚行った後のプリント動作を行った場合でも、オイルゴーストによる画質欠陥が発生することのない良好な全面ハーフトーン画像のプリントを行うことが可能となる。
【0065】
図9は、帯電電位VHと現像バイアス電位VDとの差VC(=|VH−VD|)に対する、記録用紙P上のトナーかぶりのグレード(かぶり状況)と、中間転写ベルト20上の画像部と非画像部のオイル付着量差を示すものである。かぶりグレードは、以下の基準からなるものである。
G0:かぶり発生せず。
G1:実用上問題のないレベルのかぶり発生。
G2:実用上問題のあるレベルのかぶり発生。
G3以上:激しいかぶり発生。
【0066】
この図9に示すように、この実施形態のように、帯電電位と現像バイアス電位との電位差VCを前記したように「95V」とした場合には、オイルゴーストが発生しないオイル塗布量差である0.01kcps以下のレベルに抑えることができたことがわかる。
【0067】
また、上記のように電位差VCを「95V」とした場合には、オイル付着防止動作として中間転写ベルト20に付着させるトナーが記録用紙P上に問題となるレベルのトナーかぶりとなって発生しないことがわかる。このように上記電位差VCを小さくすることによってトナーかぶりを発生させて中間転写ベルトにトナーを付着させる手法は、従来技術の空現像のようによるトナー付着を行う手法と異なり、トナーの帯電状態(帯電量)に依存しないので、温度や湿度の環境が変動してもトナーかぶりを確実に安定して発生することができ、最終的には中間転写ベルト20上に安定してトナーを付着させることができる。
【0068】
さらに、この実施形態では、オイル付着防止動作は、記録用紙が非塗工紙である場合のみに実行するようになっているため、オイルゴーストが比較的発生しやすい記録用紙のときに行うことになり、きわめて有効である。一方、そのオイル付着防止動作は記録用紙が塗工紙である場合には行われないようにしているため、オイルゴーストが比較的発生しない塗工紙のときには行わないこととなり、トナーかぶりによるトナー消費(浪費)を抑えることができる。しかも、このことに加え、塗工紙では転写効率が高くトナーかぶりの発生を識別しやすい傾向にあるので、オイル付着防止動作時におけるかぶりトナーによって塗工紙上に余分なかぶりを発生させてしまうことを回避することもできる。したがって、不要なかぶりを発生させることなく、効果的にオイルゴーストの発生を防止することが可能となる。
【0069】
[実施の形態2]
この実施の形態では、前記実施の形態1における制御手段によるオイル付着防止動作時の作像条件の変更として帯電装置12の帯電電位を下げることを行ったことに代えて、きわめて低濃度のハーフトーン画像を中間転写ベルト20に付着させるため潜像書き込み装置14の潜像電位を変更するようにした以外は、実施の形態1と同じ構成とした。
【0070】
すなわち、この実施形態2における制御手段では、オイル付着防止動作を実行するに際して、たとえ記録用紙Pに二次転写されてもその用紙上では識別しにくいイエロートナーからなる極低濃度のハーフトーン画像を中間転写ベルト20の画像形成領域全域(画像部及び非画像部)に付着させるような静電潜像となる潜像電位VLに設定変更するように構成した。その極低濃度としては、画像エリアカバレッジが3〜5%となるレベルが好ましい。この実施形態では、画像エリアカバレッジを5%とし、また、ドットの作像形態を3.2×10-8m2当たり1ドットが形成されるような形態とした。
【0071】
そして、実施形態1の場合と同様に、両面プリントの設定条件がオイル付着防止動作の実行条件を満たした場合(図7におけるステップ101、102が共に「YES」の判定の場合)には、その両面プリントの裏面プリント時に、中間転写ベルト20の裏面用画像の非画像部に相当する部分にイエロートナーからなる極低濃度のハーフトーン画像によるトナーが付着される。これにより、その中間転写ベルト20に、片面プリント終了後で離型オイルが付着した非塗工紙の記録用紙Pが二次転写部で接触しても、中間転写ベルト20の非画像部に前記付着トナーが存在するため、記録用紙裏面のオイルが中間転写ベルト20側に転移して付着することは防止される。
【0072】
したがって、この両面プリントの後で、例えば全面ハーフトーン状の画像をプリントした場合であっても、いわゆるオイルゴーストが発生することはない。また、オイル付着防止動作で中間転写ベルトに付着させた極低濃度のハーフトーン画像によるトナーが、その裏面プリント時に記録用紙P側に二次転写されても、かかるトナーは識別しにくいレベルのものであるため裏面用画像の画質に支障となるようなおそれはない。
【0073】
[実施の形態3]
図10は、オイル付着防止動作に加えて行うオイル除去動作を実行する制御手段の制御動作を示すフローチャートである。すなわち、実施の形態3では、実施の形態1、2における制御手段(制御部70)について、オイル付着防止動作に加えてオイル除去動作を必要に応じてさらに実行させる設定を採用した以外は、実施の形態1、2と同じ構成からなるものである。
【0074】
この実施形態では、前記したオイル付着防止動作の実行条件の基準とした、同一画像の連続両面プリントの枚数がM(枚)以上である場合に、以下のようなオイル除去動作を実行するようにしている。上記枚数Mは、例えば400枚に設定する。
【0075】
オイル除去動作としては、中間転写ベルト20の全面にトナーを付着させることと、クリーニングブレード25aを採用するベルト用クリーニング装置25を、そのトナーの付着時から所定の時間(少なくともそのトナー付着後に中間転写ベルト20が複数回以上回転する間)にわたり継続して作動させることを行う。その中間転写ベルト20に付着させるトナーは、エリアカバレッジが150〜300%の範囲内となる程度のものであることが好ましい。また、その付着トナーの作像は、4つの作像ユニット10における各現像装置15のある1色のトナーを使用して行ってもよいが、好ましくは、前記4色のトナーの均等な消費がなされるようにする観点から、その4色のトナーを均等に分配使用して行う。この実施形態では、付着トナーは、中間転写ベルト20の転写可能領域全面に付着させ、そのベルト20が1回転する間に付着させるようにした。また、クリーニング装置25による清掃動作は、任意に設定することができるが、例えばトナー付着時から含めて中間転写ベルト20が15回転する間だけ行うようにした。
【0076】
また、このオイル除去動作は、前記オイル付着防止動作が実行された場合に、そのオイル付着防止動作の対象となった両面プリント動作が終了してから次のプリント動作が開始されるまでの時期に行うように設定される。この実施形態では、当該両面プリントが終了した後に実行するように設定した。
【0077】
次に、このオイル除去動作に係る制御手段の動作について図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0078】
はじめに、制御部70では、実施形態1、2のようなオイル付着防止動作が実行される時期か否かが判断され(S201)、その時期であると判断された場合には、そのオイル付着防止動作の対象となった両面プリントの設定条件が同一画像の連続両面プリントがM枚(400枚)以上であるか否かが判断される(S202)。
【0079】
そして、ステップS202において両面プリントの設定条件がM枚以上であると判断されると、オイル除去用のトナー像の作像が行われる(S203)。実際には、通常の作像プロセスとほぼ同様の動作がなされ、具体的には感光ドラム12が回転駆動するとともに作像プロセス機器が作動し、その感光ドラム12上に前記したような条件の多重(フルカラーの)トナー像が形成される。
【0080】
次いで、その感光ドラム12上に形成されたオイル除去用のトナー像が中間転写ベルト20に一次転写されてトナーの付着がなされる(S204)。すなわち、中間転写ベルト20が回転駆動するとともに一次転写ロール15が作動する(実際には感光ドラム12の駆動開始と同時に作動する)。これにより、中間転写べルト20が1回転する間に、その転写可能領域全面にトナーが付着する。また、これと同時に、中間転写ベルト20のクリーニング装置25による清掃作業が開始される(S205)。この清掃作業についても、実際には前記オイル除去用のトナー像の一次転写時(厳密にはベルト20の駆動開始時)から行われる。
【0081】
この結果、感光ドラム12から中間転写ベルト20に一次転写される上記トナーは、中間転写ベルト20の離型オイル付着部分にも一次転写して付着するようになり、これによりトナーとオイルとが混合される。その後、中間転写ベルト20の回転に伴なってクリーニング装置25まで移動すると、その中間転写ベルト20に付着するオイル53が付着トナーと共にクリーニングブレード25aによって除去される。この際、そのブレード25aの中間転写ベルト20に当接する先端部には、図11に示すように、付着トナーTxなどが集まって滞留する「トナー溜まり80」が形成され、このトナー溜まり80が一種の研磨剤のような働きをして、中間転写ベルト20に付着するオイル53を掻き取るようになる。
【0082】
特に、この実施形態では、中間転写ベルト20の2周目以降においては、前記トナー溜まり80が存在するため、1周目のときのようなトナーTxの付着を行わず中間転写ベルト20を空回転させることにより、クリーニング装置25のクリーニングブレード25aのみでオイル53を掻き取ることが可能である。
【0083】
最後に、このオイル除去動作(クリーニングサイクル)は、その中間転写ベルト20が所定の回数K(この例では15周)以上となった時点で終了する(S206)。
【0084】
これにより、実施形態1、2におけるオイル付着防止動作を行った後に尚も中間転写ベルト20に部分的に付着しているようなオイル53が除去される。したがって、このオイル除去動作によって中間転写ベルト上に部分的に付着しているオイル53が確実に除去されて存在しないため、そのオイル除去動作を実行した後で、例えば全面ハーフトーン状の画像をプリントした場合であっても、中間転写ベルト20上に部分的に付着するオイルに起因した、いわゆるオイルゴーストが発生することはない。
【0085】
図12は、同一画像で両面プリントを、前記オイル付着防止動作を実行しつつ400枚連続して行い、しかる後、上記オイル除去動作を実施する前及びその実施をした後(中間転写ベルト15周分)における中間転写ベルト20の画像部であって部分と非画像部であった部分のオイル付着量の差を比較して示すものである。この図12に示す結果から明らかように、オイル除去動作を実施した場合は、そのときのオイル付着量差がオイルゴーストの発生しないレベルである「0.01kcps以下」を十分に満足する状態が得られることがわかる。
【0086】
[他の実施の形態]
実施の形態1では、制御手段としてオイル付着防止動作を「非塗工紙(平滑度の低い記録用紙)である場合」にのみ実行するように構成した場合を例示したが、必要に応じて、塗工紙(平滑度の高い記録用紙)の場合にも実行するようにしても構わない。また、前記選択切替スイッチ73についても、記録用紙Pの平滑度の違いに応じて直接選択して設定できるように構成してもよい。
【0087】
また、実施の形態3では、制御手段としてオイル付着防止動作を実行した後に必要に応じてオイル除去動作を実行するように構成した場合について例示したが、オイル除去動作のみを単独で実行するようにしても構わない。
【0088】
また、記録用紙Pの平滑度の違いやプリントモードの種類等に関する情報については、画像形成装置が複写機等である場合には、その複写機等の各種操作条件の設定を行う操作パネル(ユーザーインターフェイス)に、上記したような各情報について選択設定する選択操作部(選択スイッチやタッチパネル項目など)を設けてもよい(図4)。
【0089】
さらに、実施の形態1〜3では、複数の作像ユニット10により色の異なる複数のトナー像を形成する画像形成装置(プリンタ)について例示したが、本発明は、1つの感光ドラム12に対して前記4色の現像剤(トナー)を個別に収容する4つの現像装置(15)を配設して構成される1つの作像装置により、色の異なる複数のトナー像を形成することができる画像形成装置であっても適用可能であり、同様の効果が得られる。さらに、画像形成装置を構成する各構成部品については同様の機能等を発揮するものであれば適宜変更することが可能であり、例えば、感光ドラム12に代えてベルト形態の感光体を使用したり、中間転写ベルト20に代えてドラム形態の中間転写体を使用したり、定着装置の定着回転体として一対のロール対を使用することが可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、制御手段によるオイル付着防止動作を実行したり、あるいは、そのオイル除去防止動作に加えてオイル除去動作を実行することにより、中間転写体への定着装置における離型オイルの部分的な付着が確実に防止されるか、又は中間転写体へ付着してしまったそのオイルが確実に除去されるため、中間転写体にオイルが部分的に付着することに起因して発生するオイルゴーストを簡便かつ的確に防止することができる。また、上記オイル付着防止動作やオイル除去防止動作は、平滑度が低い記録用紙を使用する場合に実行すると、より有効である。
【0091】
したがって、このような画像形成装置を使用して画像形成を行った場合には、同一画像の両面画像形成を連続して多数行った後で異なるハーフトーン画像等の画像形成を行ったとしても、オイルゴーストが発生することのない良好な画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係るカラープリンタを示す概要図。
【図2】 二次転写装置の主な構成を示す要部概要図。
【図3】 定着装置及びオイル塗布装置を示す要部概要図。
【図4】 オイル付着防止動作(及びオイル除去動作)に係る制御手段の構成を示すブロック図。
【図5】 オイル付着防止動作時における作像条件の変更例を示す各電位状態の模式図。
【図6】 記録用紙の種類別の平滑度と、中間転写ベルト上の画像部及び非画像部でのオイル付着量差と、オイルゴーストの発生の有無の関係を示す試験結果の図。
【図7】 オイル付着防止動作の手順を示すフローチャート。
【図8】 オイル付着防止動作における各過程の中間転写ベルトと記録用紙の状態を示す概略説明図。
【図9】 帯電電位と現像バイアス電位の差と、用紙上のかぶりグレードと、中間転写ベルト上の画像部及び非画像部でのオイル塗布量差との関係を示す試験結果のグラフ図。
【図10】 実施形態3におけるオイル除去動作の手順を示すフローチャート。
【図11】 オイル除去動作時のクリーニングブレード先端部に形成されるトナー溜まりを示す要部説明図。
【図12】 オイル除去動作の実施前後における、中間転写ベルト上の画像部及び非画像部でのオイル塗布量差との関係を示す試験結果のグラフ図。
【図13】 従来の中間転写方式の画像形成装置を示す概略図。
【図14】 オイルゴーストの発生原理を示す説明図。
【符号の説明】
12…感光ドラム、13,14,15…作像プロセス機器、20…中間転写ベルト、25…クリーニング装置、25a…クリーニングブレード、27…一次転写ロール、30…二次転写ロール、32…給電ロール、40…定着装置、50…オイル塗布装置、53…離型オイル、61,62…用紙搬送路(供給搬送機構)、64,65,66…両面用紙搬送路(再送像機構)、70…制御部(制御手段)、73…選択切替スイッチ、P…記録用紙、T0…付着トナー。
Claims (3)
- 回転する像担持体と、
この像担持体の表面にトナー像を形成する作像プロセス機器と、
この作像プロセス機器により形成された前記像担持体上のトナー像が転写され、その像担持体の転写部に接触して通過するように回転する中間転写体と、
この中間転写体に前記像担持体上のトナー像を転写させる一次転写装置と、
この一次転写装置により転写された前記中間転写体上のトナー像が転写されるシート状の記録媒体をその中間転写体の転写部に接触して通過するように供給搬送する供給搬送機構と、
この供給搬送機構により供給される記録媒体に前記中間転写体上のトナー像を転写する二次転写装置と、
この二次転写装置により転写されたトナー像を有する記録媒体を一対の定着回転体で形成される圧接部に通してそのトナー像の定着を行い、前記定着回転体の少なくとも一方の表面に離型オイルを塗布するオイル塗布装置が配設された定着装置と、
この定着装置による定着が終了した後の記録媒体を両面画像形成時にその表裏面を反転させて前記供給搬送機構に再送する再送機構と
を備えた画像形成装置において、
同一画像の両面画像形成を連続して所定の回数以上行う場合、その両面画像形成における記録媒体の裏面への裏面画像形成時に、前記中間転写体の少なくとも裏面用画像の非画像部となる部分に対して微量のトナーを付着させるように前記作像プロセス機器の作像条件を変更するオイル付着防止動作を実行する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記記録媒体の平滑度の違いを選択する手段を設け、
かつ、前記制御手段が、その選択手段により記録媒体の平滑度が低いものであると選択されたときのみ前記オイル付着防止動作を実行するように設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記中間転写体を二次転写後にクリーニングブレードで清掃するクリーニング装置を設け、
かつ、前記制御手段が、必要に応じて、前記オイル付着防止動作の対象となる両面画像形成動作が終了してから次の画像形成動作が開始されるまでの時期に、前記中間転写体の全面にトナーを付着させるとともに前記クリーニング装置をそのトナーの付着時からその付着後にわたり継続して作動させるオイル除去動作を実行するように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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