JP3875140B2 - 数値制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、数値制御装置は、被対象物(以下ワークともいう)上のある特定位置を検出することができるスキップ機能を備えている。このスキップ機能は、スキップ指令に基づいて加工機械の送り機構を所定の距離だけ移動させ、外部入力であるスキップ信号がオンとなった場合、送り機構の移動を停止させてその停止位置をシステム変数に記憶した後、該スキップ指令に基づく送り機構の残りの移動をキャンセルして次のブロックを実行する機能である。
【0003】
したがって、ワーク上のある特定位置が不明確な場合には、スキップ機能を利用することによりその特定位置を検出することができる。より詳細には、スキップ指令に基づいて送り機構が移動中に、ワーク上の特定位置に反応してスキップ信号がオンとなることにより、送り機構の移動が停止されてその停止位置が記憶されることにより、特定位置を検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような数値制御装置では、ワークの誤差、もしくはワークの取り付け誤差等により、例えばスキップ指令に基づいて送り機構が移動を開始しようとする時点において、既にスキップ信号がオンになっていると、該特定位置を正確に検出することができず、そのためアラームを出力し、数値制御装置を停止して対処しなければならない、という問題がある。
【0005】
また、例えば特開昭55−48550号公報、特開昭63−28541号公報および特開平3−228551号公報には、ワーク上の特定位置を検出するためのサイクルタイムを短縮する技術について開示されているが、上述のように、スキップ指令による送り機構の移動開始時点で既にスキップ信号がオンになっている場合、ワーク上の特定位置を正確に検出することは困難であり、上記問題を解決するための有効な手段にはならない。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、被対象物上のある特定位置を容易に、かつ正確に検出することのできる数値制御装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる数値制御装置は、加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合には少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に前記スキップ指令を含んだブロックを実行することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合には少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後にスキップ指令を含んだブロックを実行する。
【0009】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定するスキップ信号判定手段と、前記スキップ信号判定手段によってスキップ信号がオンであると判定された場合に少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に前記スキップ指令を含んだブロックを実行するスキップ制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、スキップ信号判定手段が、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、スキップ制御手段が、該スキップ信号がオンであった場合には少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後にスキップ指令を含んだブロックを実行する。
【0011】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、上記の発明において、前記機械を戻し動作させている間に前記スキップ信号がオフとなった後、予め設定した値だけ当該機械の戻し動作を継続することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、機械の戻し動作をスキップ信号がオフとなった後も予め設定した値だけ継続することができる。
【0013】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、上記の発明において、前記予め設定した値は、前記スキップ信号がオフとなった時点から次のグリッドに到達するまでの動作量であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、機械の戻し動作をスキップ信号がオフとなった後も、スキップ信号がオフとなった時点から次のグリッドに到達するまで継続することができる。
【0015】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、上記の発明において、与えられたパラメータに基づいて前記機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を設定する手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を、パラメータに基づいて設定することができる。
【0017】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、上記の発明において、加工プログラムによって指定された値に基づいて前記機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を設定する手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を、加工プログラムによって指定された値に基づいて設定することができる。
【0019】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、上記の発明において、前記機械を戻し動作させる場合には、前記スキップ指令を含んだブロックによる機械の動作方向とは逆となる方向に向けて行うことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、スキップ指令を含んだブロックによる機械の動作方向とは逆となる方向に機械を戻し動作させることができる。
【0021】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に当該機械を停止させるとともに、前記スキップ指令を含んだブロックを省略することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に当該機械を停止させるとともに、スキップ指令を含んだブロックを省略する。
【0023】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで前記スキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に前記機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルすることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまでスキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルする。
【0025】
つぎの発明にかかる数値制御装置は、加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定するスキップ信号判定手段と、前記スキップ信号判定手段によってスキップ信号がオンであると判定された場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで前記スキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に前記機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルするスキップ制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、スキップ信号判定手段が、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、スキップ制御手段が、該スキップ信号がオンであると判定された場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで前記スキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に前記機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる数値制御装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
実施の形態1.
この実施の形態1においては、図1に示すように、加工機械に保持された円形のワークW上の特定位置たる検出エッジEの位置を検出する場合を代表例として説明する。この図1において、ワークWを図中の矢印方向に回転させる軸をX軸とする。スキップセンサ1は、ワークW上の検出エッジEを検出するものであり、後述するように、該検出エッジEを検出するとスキップ信号を発する、すなわちスキップ信号をオンにするものである。なお、この例におけるワークWは円形で回転軸を使用していることから、本来ワークWの移動量は「度」を単位として用いて示すべきであるが、便宜上理解し易い長さの単位である「mm」を用いて示すことにする。
【0029】
図2は、この発明の実施の形態1である数値制御装置の全体構成を示すブロック図である。この図2において、数値制御装置は、プログラム入力部10、プログラム解析部20、補間処理部30、軸制御部40、パラメータ設定部50およびメモリ60を有して構成されている。
【0030】
プログラム入力部10は、図3に示すように、スキップ指令ブロック等の各種指令ブロックが含まれる加工プログラム61を入力するものである。この加工プログラム61は、メモリ60上に格納される。プログラム解析部20は、メモリ60上の加工プログラム61の各種指令ブロックを一つずつ読み取り、送り機構の移動量、移動速度等の各種情報をGコードによって解析するものである。このプログラム解析部20で解析された情報は、一旦メモリ60上の前計算バッファ62に格納される。
【0031】
補間処理部30は、スキップ信号判定部31、戻し制御部32およびスキップ制御部33を有してなるものであり、前計算バッファ62に格納されている情報をもとに、ある一定周期間隔(例えば10msec)で処理を行い、送り機構の各軸における単位時間当たりの移動量を出力するものである。スキップ信号判定部31は、外部信号であるスキップ信号がオンしているか否かの判定を行うものである。戻し制御部32は、送り機構の各軸における戻し移動の制御を行うものである。スキップ制御部33は、スキップ指令に基づく制御を行うものである。
【0032】
軸制御部40は、補間処理部30より出力された単位時間当たりの移動量に各軸毎に加減速処理等の処理を行うものである。そして、この軸制御部40において所定の処理が行われたものが数値制御装置の外部にあるサーボ駆動部2に入力され、該サーボ駆動部2によりモータ3が駆動制御される。
【0033】
パラメータ設定部50は、補間処理部30の戻し制御部32が送り機構の戻し移動の制御を行う際に利用する最大戻し移動量63、戻し移動量64および戻し移動速度65のそれぞれを設定するものである。
【0034】
メモリ60は、上述の前計算バッファ62を有するほか、加工プログラム61、最大戻し移動量63、戻し移動量64、戻し移動速度65、システム変数66のそれぞれを格納する部分を有したものである。システム変数66としては、後述するように、補間処理部30がスキップ制御部33を通じてスキップ信号がオンしたことを検出した場合に、送り機構が停止した際の指令軸(この実施の形態1ではX軸)の座標値が格納される。
【0035】
図4および図5は、それぞれ数値制御装置によるスキップ制御の動作を説明するためのもので、図4(a)および図5(a)は各種指令と送り機構の移動距離との関係を示しており、図4(b)および図5(b)はスキップ信号のオン−オフ状態を示している。
【0036】
まず、図4を参照しながら、スキップ指令が実行される前にスキップ信号がオンとなっていない場合の動作について説明する。
【0037】
図3に示した加工プログラム61において、シーケンス番号N010のブロックでは、早送り指令(G00)により指令軸を検出エッジEの付近(X軸=100mm)まで移動させる(図4(a)▲1▼)。
【0038】
シーケンス番号N020のブロックでは、検出エッジEを検出するために移動速度60mm/minのスキップ指令(G31)が実行される。スキップ指令の間、補間処理部30は、そのスキップ信号判定部31を通じてスキップセンサ1からのスキップ信号がオンであるか否かの判定を行う。スキップセンサ1からのスキップ信号がオンとなると、補間処理部30は、その後の移動をキャンセルして送り機構の移動を停止させ(図4(a)▲2▼)、停止したときのX軸の座標値(図示の例では130mm)をメモリ60上のシステム変数66に格納する。
【0039】
そして、次のブロックであるシーケンス番号N030により、スキップ信号によって停止した送り機構の座標値が格納されているシステム変数66(例えば♯5061)の値をコモン変数(例えば♯101)に代入する。この結果、このコモン変数に代入された座標値を検出エッジEの検出位置として使用することができるようになる。
【0040】
次に、図5を参照しながら、スキップ指令が実行される際に既にスキップ信号がオンとなっている場合の動作について説明する。
【0041】
図3に示した加工プログラム61において、シーケンス番号N010のブロックで、早送り指令(G00)により指令軸を検出エッジEの付近(X軸=100mm)まで移動させる(図5(a)▲3▼)のは図4と同様である。
【0042】
しかしながら、スキップセンサ1からのスキップ信号が既にオンであることから、シーケンス番号N020のブロックにおいては指令軸を移動させることなくシステム変数66に100mmのデータを格納する処理だけが行われる(図5(a)▲4▼)。実際には、スキップ信号が既にオンであるため、検出エッジEは100mm未満に存在する筈である。
【0043】
そこで、この実施の形態1では、シーケンス番号N020のスキップ指令ブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンとなっているか否かを判定し、スキップ信号がオンしていると判定された場合、次のような動作を行うようにしている。
【0044】
すなわち、補間処理部30は、まず戻し制御部32を通じてメモリ60上に格納されている戻し移動速度65(例えば50mm/min)および最大戻し移動量63(例えば−100mm)を用いて、スキップ指令に基づく移動方向と反対の方向に送り機構の戻し移動を行う(図5(a)▲5▼)。そして、この戻し移動中にスキップ信号判定部31を通じてスキップ信号がオフであると判定されたときには、スキップ信号がオフになったときの座標(X軸=70mm)にメモリ60上に格納されている戻し移動量64(例えば−20mm)を加えた座標(X軸=50mm)を終点座標に修正して戻し移動が行われる(図5(a)▲5▼)。
【0045】
送り機構の戻し移動が完了した後は、上記のスキップ指令(G31)が実行される。つまり、補間処理部30は、スキップ制御部33を通じて送り機構を上記スキップ指令に基づき移動させ、スキップセンサ1が検出エッジEを検出したことに基づきスキップ信号が再びオンしたときに、送り機構の移動を停止させて、その後の移動をキャンセルし(図5(a)▲6▼)、停止したときのX軸の座標値(図示の例では70mm)をメモリ60上のシステム変数66に格納する。
【0046】
そして、次のブロックであるシーケンス番号N030により、スキップ信号によって停止した送り機構の座標値が格納されているシステム変数66(例えば♯5061)の値をコモン変数(例えば♯101)に代入する。この結果、このコモン変数に代入された座標値を検出エッジEの検出位置として使用することができるようになる。
【0047】
なお、上記においては、戻し移動量64を−20mmとしたが、この戻し移動量は零に設定してもよい。この場合においても、スキップ指令ブロックの実行時にスキップセンサ1が正常に作動して検出エッジEを正確に検出できることは言うまでもない。
【0048】
以下においては、この実施の形態1にかかる数値制御装置を構成するプログラム解析部20の処理手順を、図6に示したフローチャートを参照して説明する。プログラム解析部20は、補間処理部30から運転サーチされている加工プログラム61中の現指令ブロックに続く次の指令ブロックを解析する要求があったときに以下に記載する処理を開始する。
【0049】
まず、現指令ブロックに続く次の指令ブロックを読み取る(ステップS10)。この読み取った指令ブロックがスキップ指令ブロックであるか否かを判定し(ステップS15)、スキップ指令ブロックではなかった場合には、そのまま今回の処理を終了する。一方、スキップ指令ブロックであった場合には、補間処理部30の戻し制御部32に対する指令ブロックとしてメモリ60上の前計算バッファ62に戻し移動ブロック情報を作成する(ステップS20)。この戻し移動ブロック情報において、送り機構の開始位置および終了位置となる始点座標および終点座標のそれぞれは、このスキップ指令ブロック以前までの送り機構の終点座標が設定され、該戻し移動ブロック情報では軸の移動が発生しないようにする(ステップS25)。
【0050】
次いで、補間処理部30のスキップ制御部33に対する指令ブロックとしてスキップ指令ブロック情報を前計算バッファ62に作成する(ステップS30)。これにより、前計算バッファ62は、図7に示すような各種ブロック情報が格納されたデータブロック構造体となる。
【0051】
ここで、上記戻し移動ブロック情報には、戻し移動速度65および各軸毎へのパルス分配比率が格納されていない。パルス分配比率とは、指令された合成ベクトルを各軸に対してパルス分配する比率のことであり、戻し移動が機械的な干渉がなく行われるために必要になる。このパルス分配比率は、図8に示した例によれば、X−Y座標において、X=600、Y=400で指令されている合成ベクトルをX2、Y2の各成分に分配する比率のことであり、0.6:0.4等のように合計して1となるデータで設定されたものである。
【0052】
パルス分配比率を求めるために、前計算バッファ62内の上記スキップ指令ブロック情報から各軸毎へのパルス分配比率を取り出して、同じく前計算バッファ62内の戻し移動ブロック情報にコピーし、スキップ指令ブロックと反対方向に移動するフラグを設定する(ステップS35)。また、戻し移動速度65を求めるために、図9に示すような、パラメータ設定部50のパラメータ設定画面にて戻し移動速度65(図示の例では、♯1049 re_speed)を戻し移動ブロック情報に設定し(ステップS40)、処理を終了する。
【0053】
以下に、この実施の形態1にかかる数値制御装置を構成する補間処理部30の処理手順を、図10に示したフローチャートを参照して説明する。
【0054】
まず、一定周期間隔(例えば10msec)毎に処理が繰り返し実行される補間処理部30では、一指令ブロック毎の情報が格納されている、前計算バッファ62内のデータブロック構造体のうち、現指令ブロックの情報であるカレントブロック情報が今回の処理周期で初めて参照されるデータであるか否かを判定し(ステップS100)、カレントブロック情報が今回の処理周期で初めて参照されるものであると判定した場合には、カレントブロック情報に戻し移動ブロック情報が格納されているか否かを判定する(ステップS105)。図7▲2▼に示すように、カレントブロック情報に戻し移動ブロック情報が格納されている場合には、この時点において、スキップ信号判定部31を通じてスキップ信号がオンであるか否かを判定し(ステップS110)、スキップ信号がオンであると判定した場合には、パラメータ設定画面(図8参照)にて設定された最大戻し移動量63(図示の例では、♯1050 re_lenMax)と各軸に対するパルス分配比率に基づき、カレントブロック情報に格納されている戻し移動ブロック情報内の終点座標を修正する(ステップS115)。例えば、図5(a)に示す場合には、最大戻し移動量63が100mmと設定されているものと仮定すると、終点座標Epointは、早送り指令ブロック(G00)の終点座標である100mmから最大戻し移動量63(100mm)を差し引いた0mm(=100−100)と設定される。
【0055】
次いで、カレントブロック情報の終点座標が修正されたことから、次の指令ブロックであるスキップ指令ブロック情報の始点座標がカレントブロック情報の終点座標と異なるため、プログラム解析部20に対して、従来の数値制御装置の機能として存在する再計算要求を次ブロックであるスキップ指令ブロック情報に対して要求する(ステップS120)。これにより、プログラム解析部20にて、スキップ指令ブロック情報内の始点座標および終点座標が再計算される。図5(a)の例では、戻し移動により、100mm戻されるため、再計算前では、スキップ指令の始点座標Spoint=100mm、終点座標Epoint=200mmとなっていた座標が、再計算後ではスキップ指令の始点座標Spoint=0mm、終点座標Epoint=200mmとなる。
【0056】
一方、ステップS100においてカレントブロック情報が初めて参照される指令ブロックでなかった場合や、ステップS105におけるカレントブロック情報が戻し移動ブロック情報でなかった場合、もしくはステップS110のスキップ信号がオフであった場合には、ステップS115の戻し移動ブロック情報の終点座標の修正およびスキップ指令ブロック情報のプログラム解析部20への再計算要求処理は行われない。このうち、ステップS110においてスキップ信号がオフであった場合には、戻し移動ブロック情報の始点座標と終点座標とがプログラム解析部20で設定された状態のままとなっている。つまり、始点座標と終点座標とが同じ値となっているため戻し移動ブロック情報に基づく送り機構の移動は発生せず、すぐに次の指令ブロックであるスキップ指令ブロック情報に移行する。
【0057】
次いで、各軸に対する単位時間当たりの移動量を求める補間Gコード毎の処理が行われ(ステップS125)、各指令ブロックの移動が完了したか否かの制御処理が実行される(ステップS130)。これらの処理については、それぞれ個別のフローチャートを使用してこの後に説明する。各軸に対する単位時間当たりの移動量については、軸制御部40にて加減速処理等の処理が加えられたのち、サーボ駆動部2によりモータ3が制御される。
【0058】
以下に、図10のステップS125に記述した補間Gコードの各種処理のうち、この実施の形態1に関係する戻し移動ブロック情報に関する処理手順を図11のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
戻し移動ブロック情報に対する補間処理では、まず、オーバーライドを考慮した送り速度を算出する(ステップS200)。例えば、パラメータ設定部50により戻し移動速度65(図9の例では、♯1051 re_len)が50mm/minと設定されたオーバーライド50%の時の送り速度は、25mm/minとなる。
【0060】
次いで、スキップ信号がオフであるか否かを判定し(ステップS205)、スキップ信号がオフであると判定した場合には、パラメータ設定部50のパラメータ設定画面(図9参照)にて設定された戻し移動量64(図9では♯1051 re_len)と各軸のパルス分配比率とに基づき、戻し移動ブロック情報の終点座標および図8に示す移動量であるLm1を修正する(ステップS210)。例えば図5(a)に示す場合には、戻し移動量64が20mmと設定されていると仮定すると、スキップ信号がX=70mmとなる座標でオフであると判定されたことにより戻し移動ブロック情報の終点座標は、スキップ信号がオフであると判定された座標(X=70mm)から戻し移動量64の20mmを差し引いた50mm(=70−20)と設定される。また、残りの移動量であるLm1については、戻し移動量64と同じ20mmとなる。
【0061】
次いで、戻し移動ブロック情報の終点座標が修正されたことから、次の指令ブロックであるスキップ指令ブロック情報の始点座標および終点座標を再び修正するために、プログラム解析部20に対して再計算を要求する(ステップS215)。図5(a)の例において、スキップ信号がオフであると判定される以前では、スキップ指令の始点座標Spoint=0mm、終点座標Epoint=200mmとなっていた座標が、再計算後ではスキップ指令の始点座標Spoint=50mm、終点座標Epoint=200mmとなる。また、ステップS205において、スキップ信号がオフではない、すなわちスキップ信号がオンであると判定した場合には、これらステップS210およびステップS215の処理は実行されない。
【0062】
そして、各軸毎の単位時間当たりの移動量を求めて軸制御部40に出力する(ステップS220)。この処理について図8を用いて説明する。まず、移動速度と補間処理部30の処理周期とから図8に示された単位時間当たりの移動量であるFΔTを求め、全体長であるLm1からFΔTを引いてLm2(=Lm1−FΔT)を求める。次いで、カレントブロック情報内のパルス分配比率とLm2とからX2およびY2を求め、Lm1とパルス分配比率とからX1およびY1を求める。そして、X1およびY1からX2およびY2のそれぞれを差し引くことで今回出力される各軸毎の単位時間当たりの移動量であるPx(=X1−X2)およびPy(=Y1−Y2)が求められる。PxとPyを求めたあと、Lm2をLm1にコピーしてLm1を更新する。図5(a)に示す例では、補間処理部30が10msec周期で処理されていた場合、単位時間当たりの移動量は、パルス分配比がX軸のみであることから10μmとなる。
【0063】
次いで、一指令ブロックの補間が終了したかどうかの判別を行う(ステップS225)。つまり、図5(a)の例において、オーバーライドが変化しなかった場合には、戻し移動量64として50mm存在するため、単位時間当たりの移動量が10μmであったことから、補間処理部30は、5000回(50×1000/10)の処理が行われて一指令ブロックが完了したとみなされる。
【0064】
ここで、まだ指令ブロックが完了していないと判定されたなら次の処理周期でステップS200からの処理をもう一度繰り返す一方、一指令ブロック分の補間が完了したと判定した場合には、指令レベルでブロックが完了したことを示すフラグを設定して処理を終了する(ステップS230)。このブロック完了を示すフラグは、図10で示したフローチャートのステップS130のブロック完了制御にて参照される。
【0065】
次に、図10のステップS125に記述した補間Gコードの各種処理のうち、スキップ指令ブロック情報に関するものについて、図12のフローチャートを参照して説明する。スキップ指令ブロック情報に対する補間処理では、指令軸の移動が完了して停止しているかどうか判定し(ステップS300)、指令軸が移動中の場合には、前述の戻し移動ブロック情報の補間処理と同様にオーバーライドを考慮した移動速度を算出する(ステップS305)。
【0066】
次いで、スキップ信号がオンであるか否かを判定し(ステップS310)、スキップ信号がオンであると判定した場合には、各軸毎の単位時間当たりの移動量を零として、指令軸の移動を中断する(ステップS315)。また、スキップ信号がオフであると判定した場合には、図11に示したステップS220の処理と同様に、各軸毎の単位時間当たりの移動量を求めて出力する(ステップS320)。
【0067】
また、ステップS300の指令軸の移動中チェックにおいて、指令軸の移動が停止していると判定した場合には、軸の停止位置をシステム変数66に記憶する(ステップS325)。図5(a)に示した例では、停止位置がX=70mmであるため、システム変数66に70の数値が設定される。
【0068】
次いで、図7において前計算バッファ62の▲3▼で示されるカレントブロック情報の次のブロック情報を更新することが必要になる。これは、スキップ信号がオンであることにより本来指令された位置より手前で指令軸の移動が停止したことから、次ブロックの始点座標と終点座標とが異なってくるためである。したがって、現在の終点座標であるEpointを修正し(ステップS330)、プログラム解析部20に対して再計算を要求する(ステップS335)。次いで、指令レベルで一指令ブロック分の補間が完了したと判定させるブロック完了のフラグを設定して処理を終了する(ステップS340)。
【0069】
以下に、図10のステップS130に記述されたブロック完了制御の処理手順について図13のフローチャートを参照して説明する。
【0070】
まず、ブロック完了制御処理では、図10のステップS125に記述された補間Gコード処理において、一指令ブロック完了を示すフラグを取得する(ステップS400)。
【0071】
次いで、一指令ブロックの移動が指令レベルで完了し、かつ指令軸の移動が停止しているか判定し(ステップS405)、一指令ブロックの移動が完了していると判定した場合には、カレントブロック情報に次ブロック情報をコピーする(ステップS410)。すなわち、前計算バッファ62の状態が▲1▼から▲2▼、もしくは▲2▼から▲3▼に移ることを意味する(図7参照)。また、ステップS405において、一指令ブロックの移動が完了していないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0072】
そして、カレントブロック情報の次のブロックを解析するために、プログラム解析部20に対して、処理実行要求を発行して(ステップS415)、処理を終了する。
【0073】
以上のように、この実施の形態1にかかる数値制御装置によれば、補間処理部30が、スキップ信号判定部31を通じてスキップ指令が発せられた時点、すなわち該スキップ指令に基づく送り機構の移動開始時点にスキップ信号の状態を判定し、該スキップ信号がオンであると判定された場合には、戻し制御部32を通じて送り機構を該スキップ信号がオフであると判定されるまで戻し移動させた後、スキップ制御部33を通じてスキップ指令を実行してスキップ信号がオンになるときの位置を記憶することにより、スキップ信号入力開始位置を正確に検出することができる。したがって、スキップ指令が発せられた時点においてスキップ信号が既にオンになっていても、ワークW上の検出エッジEの位置を正確に検出することができる。
【0074】
戻し制御部32における送り機構の戻し移動量は、該送り機構の戻り移動中にスキップ信号判定部31を通じてスキップ信号がオフであると判定されたときには、その判定がされるまでの移動量にメモリ60上の戻し移動量64が加算されたものとなるので、戻し制御部32による戻し移動量を十分に小さいものとすることができ、これにより、戻し移動に要する時間が十分に短いものとなる結果、生産効率を向上させることができる。
【0075】
戻し制御部32により用いられる最大戻し移動量63、戻し移動量64および戻し移動速度65は、いずれもパラメータ設定部50により設定されたものであるので、容易に設定変更することができ、対象となるワークWの形状等に応じて柔軟に対応することができる。
【0076】
上記実施の形態1では、戻し移動時に使用する戻し移動量64についてパラメータ設定部50で設定された数値を使用していたが、サーボ駆動部2と数値制御装置との通信周期毎にサーボ駆動部2から送られてくる次のグリッドまでの移動量に変更することも容易にできる。ここでいうグリッドとは、サーボモータ一回転毎にハードウェア的に発生する信号を、ソフトウェア的にボールネジピッチ間隔等で分割したものである。このように、戻し移動時に使用する戻し移動量を次のグリッドまでの移動量にすることで特別なパラメータを準備する必要がなくなることがわかる。
【0077】
実施の形態1においては、戻し移動時に使用する戻し移動量64および戻し移動速度65についてパラメータで設定された数値を使用していたが、戻し移動時に使用する戻し移動量および戻し移動速度をスキップ指令により設定することも可能である。すなわち、スキップ指令フォーマットとして例えば次のようなもの(具体的な数値は省略してある)が用いられる。
G31 X_ Y_ Z_ F_ R_ E_ ;
この指令フォーマットでのX,Y,Z,Fは、従来の指令と同様な意味を持ち、X,Y,Zは軸アドレス、Fは送り速度を示す。また、アドレスRにより戻り移動量が設定され、アドレスEにより戻し移動速度が設定される。具体的な加工プログラム例として示した図14では、戻し移動量を50mmとし、戻し移動速度を40mm/minとしている。これらの数値は、プログラム解析部20にて図7で示した前計算バッファ62の戻し移動ブロック情報を作成する際に、パラメータで設定された値の代わりとして使用される。このように、加工プログラムの指令フォーマットにより戻し移動量および戻し移動速度が変更できるようにしたことにより、ワーク毎の戻し移動量および戻し移動速度の設定変更が容易に行えるようになる。
【0078】
また、実施の形態1では、スキップ信号がオフした位置に戻し移動量64を加えた移動量を最終的な戻し移動量64としていたが、常にパラメータで設定される最大戻し移動量63の分だけ戻し移動を行うようにしてもよい。
【0079】
実施の形態2.
実施の形態1では、スキップ指令を実行する直前にスキップ信号がオンであるか否かを判定し、スキップ指令がオンであると判定した場合には、スキップ信号がオフであると判定されるまで送り機構を戻し移動させた後、スキップ指令を実行していたが、戻し移動中にスキップセンサがオフとなる位置を検出位置としてシステム変数に格納し、次のスキップ指令を実行せずにスキップさせることも可能である。次に、図11の戻し移動ブロック情報に関する処理手順を変更した図15のフローチャートを参照して、この場合の処理手順を説明する。
【0080】
まず、戻し移動ブロック情報に対する補間処理では、オーバーライドを考慮した送り速度を算出する(ステップS500)。次に、スキップ信号がオフしているかどうか判定し(ステップS505)、スキップ信号がオフしていると判定した場合には、戻し移動ブロック情報の終点座標をスキップ信号がオフとなった座標に変更し残りの移動距離をキャンセルする(ステップS510)。図5(a)に示す例では、スキップ信号がオフとなる位置がX=70mmであることから、戻し移動ブロックの終点座標は、X=70mmとなる。これにより、戻し移動ブロックの移動は中断される。また、残りの移動距離をキャンセルするため、図8に示す移動量であるLm1を零とする。
【0081】
次に、スキップ信号がオフとなった位置をシステム変数に記憶する(ステップS515)。図5(a)に示した例では、スキップ信号がオフした位置がX=70mmであるため、システム変数66には70の数値が設定される。
【0082】
そして、図7に示した戻し移動ブロック情報の次に格納されているスキップ指令ブロック情報をすぐにブロック完了とさせるため、スキップ指令ブロックの始点座標および終点座標を戻し移動ブロックの終点座標と同じ値に設定する(ステップS520)。これにより、スキップ指令による移動は発生せずに次の指令に移行する。例えば、図5(a)に示した例では、スキップ信号がX=70mmでオフしたことにより戻し移動ブロック情報の終点座標はX=70mmであり、スキップ指令ブロックの始点座標および終点座標もX=70mmと設定される。以降のステップS525、ステップS530およびステップS535については、図11のステップS220、ステップS225およびステップS230と同様な処理が行われる。
【0083】
このように、実施の形態2によれば、スキップ信号がオフした位置を検出位置とみなし、スキップ指令ブロックを飛ばして実行するようにしたことにより、図1に示したスキップセンサ1が両方向からの移動に対して精度良く検出できる場合には、スキップ信号がオフした位置を検出対象の位置として使用できる。
【0084】
実施の形態3.
実施の形態1では、スキップ指令を実行する直前にスキップ信号がオンであるか否かを判定し、スキップ信号がオンであると判定した場合には、スキップ信号がオフとなるまで送り機構を戻し移動させた後、スキップ指令を実行していた。しかしながら、図1で示されるスキップセンサ1が両方向の移動に対して精度良く検出できる場合には、まず、スキップ信号がオンであると判定した時点で、本来のスキップ指令とは反対方向にスキップ指令を実行させる。
【0085】
次に、スキップ指令ブロック実行中にスキップ信号がオフしたとき、送り機構の移動を停止し残りの指令をキャンセルしたのち、スキップ信号がオフした位置を記憶するようにしてもよい。
【0086】
すなわち、図6に示したプログラム解析部20の処理手順においては、ステップS20、ステップS25、ステップS35およびステップS40の処理は行われずにスキップ指令用ブロック情報のみが作成される。これは、従来数値制御装置が有するスキップ機能と同様な処理手順である。
【0087】
次に、図10に示した補間処理部30の処理手順では、スキップ信号がオンであるか否か判定するステップS110の処理においてスキップ信号がオンであると判定した場合、ステップS115に示される戻し移動ブロック情報の終点座標を修正するかわりにスキップ指令ブロックの終点座標を修正し、ステップS120の処理は実行せずにステップS125の処理に移行するものとする。スキップ指令ブロックの終点座標は、本来の始点座標−(本来の終点座標−本来の始点座標)により求められる。例えば図16に示した例ではアプローチ移動で送り機構を、X軸=100mmの位置まで早送り(G00)でエッジ付近に移動させた後(図16(a)▲1▼)、スキップ指令をX=200mmまで実行しようとするがスキップ信号がオンであるため(図16(a)▲2▼)、スキップ指令の指令方向を反転させる(図16(a)▲3▼)。つまり、プログラム解析部20により作成されたスキップ指令ブロック情報の始点座標はX=100mm、終点座標はX=200mmとなっていることから、スキップ指令ブロック情報の終点座標は、0mm=100−(200−100)となる。
【0088】
次に、スキップ指令の指令方向が反転された場合、図12に示したスキップ制御部33の処理手順は、ステップS310のスキップ信号がオンであることを検知するのではなく、スキップ信号がオフしていることを検知するように変更する。他の処理については、この実施の形態1の処理を変更することなくそのまま使用することができる。
【0089】
このように、スキップ指令を実行する直前にスキップ指令がオンしていると判定した場合には、本来のスキップ指令とは反対方向にスキップ指令を実行することで、スキップ信号がオフとなる位置を検出することができる。
【0090】
以上のように、この実施の形態3にかかる数値制御装置によれば、補間処理部30が、スキップ信号判定部31を通じてスキップ指令が発せられた時点、すなわち該スキップ指令に基づく送り機構の移動開始時点にスキップ信号の状態を判定し、該スキップ信号がオンであると判定された場合には、送り機構をスキップ指令に基づく移動方向とは反対方向に移動させ、スキップ信号がオフになるときの位置を記憶するので、スキップ信号入力開始位置を正確に検出することができる。したがって、スキップ指令が発せられた時点においてスキップ信号が既にオンになっていても、ワークW上の検出エッジEの位置を正確に検出することができる。
【0091】
以上、これまでの説明ではスキップセンサは作動時がオン、非作動時がオフという対応で説明したが、逆の対応であってもよいことはいうまでもない。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合には少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後にスキップ指令を含んだブロックを実行する。したがって、スキップ信号がオンとなる位置を正確に検出することができ、これにより、スキップ指令を含んだブロックを実行する際にスキップ信号が既にオンとなっていても、被対象物上の特定位置を容易、かつ正確に検出することができる。
【0093】
また、つぎの発明によれば、スキップ信号判定手段が、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、スキップ制御手段が、該スキップ信号がオンであった場合には少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後にスキップ指令を含んだブロックを実行する。したがって、スキップ信号がオンとなる位置を正確に検出することができ、これにより、スキップ指令を含んだブロックを実行する際にスキップ信号が既にオンとなっていても、被対象物上の特定位置を容易、かつ正確に検出することができる。
【0094】
また、つぎの発明によれば、機械の戻し動作をスキップ信号がオフとなった後も予め設定した値だけ継続することができる。したがって、該戻し動作の終了位置を、スキップ指令を含んだブロックを実行する際の開始位置に容易に適合させることができる結果、生産効率を向上させることができる。
【0095】
また、つぎの発明によれば、機械の戻し動作をスキップ信号がオフとなった後も、スキップ信号がオフとなった時点から次のグリッドに到達するまで継続することができる。したがって、該戻し動作の終了位置を、スキップ指令を含んだブロックを実行する際の開始位置に容易に適合させることができる結果、生産効率を向上させることができる。
【0096】
また、つぎの発明によれば、機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を、パラメータに基づいて設定することができる。したがって、実際の機械や被対象物に応じた動作速度や動作量を適宜設定することができる。
【0097】
また、つぎの発明によれば、機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を、加工プログラムによって指定された値に基づいて設定することができる。したがって、実際の機械や被対象物に応じた動作速度や動作量を適宜設定することができる。
【0098】
また、つぎの発明によれば、スキップ指令を含んだブロックによる機械の動作方向とは逆となる方向に機械を戻し動作させることができる。したがって、機械の戻し動作が他の動作と干渉することがない。
【0099】
また、つぎの発明によれば、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に当該機械を停止させるとともに、スキップ指令を含んだブロックを省略する。したがって、戻し動作に要する時間を十分に小さいものとすることができるとともに、スキップ信号がオンとなる位置を正確に検出することができる。
【0100】
また、つぎの発明によれば、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまでスキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルする。したがって、スキップ信号がオンとなる位置を早期、かつ正確に検出することができ、これにより、スキップ指令を含んだブロックを実行する際にスキップ信号が既にオンとなっていても、被対象物上の特定位置を容易、かつ正確に検出することができ、しかも生産効率を向上させることができる。
【0101】
また、つぎの発明によれば、スキップ信号判定手段が、スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、スキップ制御手段が、該スキップ信号がオンであると判定された場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで前記スキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に前記機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルする。したがって、スキップ信号がオンとなる位置を早期、かつ正確に検出することができ、これにより、スキップ指令を含んだブロックを実行する際にスキップ信号が既にオンとなっていても、被対象物上の特定位置を容易、かつ正確に検出することができ、しかも生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の加工プログラム例を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の動作状態を説明するための説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の動作状態を説明するための説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置のプログラム解析部の処理手順を示したフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置のプログラム解析部が出力するデータブロック構造体を示した説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の補間処理を説明するための説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置のパラメータ設定部の設定画面例を示した説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の補間処理部およびスキップ信号判定部の処理手順を示したフローチャートである。
【図11】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の戻し制御部の処理手順を示したフローチャートである。
【図12】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置のスキップ処理部の処理手順を示したフローチャートである。
【図13】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置のブロック完了制御における処理手順を示したフローチャートである。
【図14】 本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の加工プログラムの変形例を示す説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態2にかかる数値制御装置の戻し制御部の処理手順を示したフローチャートである。
【図16】 本発明の実施の形態3にかかる数値制御装置の動作状態を示した説明図である。
【符号の説明】
1 スキップセンサ、2 サーボ駆動部、3 モータ、10 プログラム入力部、20 プログラム解析部、30 補間処理部、31 スキップ信号判定部、32 戻し制御部、33 スキップ制御部、40 軸制御部、50 パラメータ設定部、60 メモリ、61 加工プログラム、62 前計算バッファ、63 最大戻し移動量、64 戻し移動量、65 戻し移動速度、66 システム変数、W ワーク、E 検出エッジ。

Claims (10)

  1. 加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、
    スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合には少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に前記スキップ指令を含んだブロックを実行することを特徴とする数値制御装置。
  2. 加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、
    スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定するスキップ信号判定手段と、
    前記スキップ信号判定手段によってスキップ信号がオンであると判定された場合に少なくともこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に前記スキップ指令を含んだブロックを実行するスキップ制御手段と、
    を備えたことを特徴とする数値制御装置。
  3. 前記機械を戻し動作させている間に前記スキップ信号がオフとなった後、予め設定した値だけ当該機械の戻し動作を継続することを特徴とする請求項1または2に記載の数値制御装置。
  4. 前記予め設定した値は、前記スキップ信号がオフとなった時点から次のグリッドに到達するまでの動作量であることを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。
  5. 与えられたパラメータに基づいて前記機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を設定する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の数値制御装置。
  6. 加工プログラムによって指定された値に基づいて前記機械を戻し動作させる際の動作速度または動作量を設定する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の数値制御装置。
  7. 前記機械を戻し動作させる場合には、前記スキップ指令を含んだブロックによる機械の動作方向とは逆となる方向に向けて行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の数値制御装置。
  8. 加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、
    スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで機械を戻し動作させた後に当該機械を停止させるとともに、前記スキップ指令を含んだブロックを省略することを特徴とする数値制御装置。
  9. 加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、
    スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定し、該スキップ信号がオンであった場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで前記スキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に前記機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルすることを特徴とする数値制御装置。
  10. 加工プログラムをブロック単位で実行し、スキップ指令を含んだブロックに基づいて機械を動作させている間にスキップ信号がオンとなった場合、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルして次のブロックの実行可能状態となる数値制御装置において、
    スキップ指令を含んだブロックを実行するに先立ってスキップ信号がオンであるか否かを判定するスキップ信号判定手段と、
    前記スキップ信号判定手段によってスキップ信号がオンであると判定された場合にはこのスキップ信号がオフとなるまで前記スキップ指令を逆となる方向に向けて実行した後に前記機械を停止させるとともに、当該ブロックに含まれる残りの指令をキャンセルするスキップ制御手段と、
    を備えたことを特徴とする数値制御装置。
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