JP3873818B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突エネルギーを効果的に吸収するようにした車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
前方からの衝突荷重を吸収する車体前部構造としては、例えば特開2000−16327号公報に示されるものがあり、マウントブラケットを介してサブフレームを連結したフロントサイドメンバが、衝突荷重の入力により、まず前方部分が圧縮変形するとともに、この衝突荷重よりも更に大きな荷重が加わることにより後端部が曲げ変形するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車体前部構造では、サブフレームの前端部がマウントブラケットを介してフロントサイドメンバに連結される位置がフロントサイドメンバの中間部分となっていて、フロントサイドメンバの前方部分が圧縮変形される間はサブフレームに衝突荷重が入力されないため、サブフレームによる衝突エネルギーの吸収を期待することができない。
【0004】
そこで、本発明は衝突初期からサブフレームおよび前輪の挙動を利用して車体メンバに荷重を分散させることにより、衝突エネルギーを効果的に吸収することができる車体前部構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、フロントコンパートメントの車幅方向両側に車体前後方向に延在するフロントサイドメンバの下側にサブフレームを連結し、このサブフレームに前輪を支持するサスペンションアームを連結する一方、フロントサイドメンバの後端部と、フロアパネルの車幅方向両側に車体前後方向に延在するサイドシルの前端部とをアウトリガーによって連結した車体前部構造において、サブフレームの前端をフロントサイドメンバの略前端位置に配置し、このサブフレームに設けられて衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収手段と、サブフレームとサスペンションアームとの間に設けられて車体前方から入力する衝突荷重に対して前記サスペンションアームの前方連結部分をサブフレームから離脱させて、前輪を外転しつつ後退させ、該前輪の後端を前記アウトリガー外側端部でサイドシルの前端部に対応する部分に干渉させるガイド手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、サブフレームを有効利用して衝突エネルギーを吸収することができ、また、車体前方から入力される衝突荷重に対して前輪を外転させつつ後退させて、この後退する前輪をアウトリガー外側端部でサイドシル前端部に対応する部分に干渉させることにより、前輪を介して衝突エネルギーをサイドシルに伝達して分散させることができるので、サブフレームによるエネルギー吸収機能と、前輪を介した車体メンバへの荷重分散機能と、が付加されることによって衝突エネルギーを効果的に吸収し、変形がキャビンに及ぶのを低減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0008】
図1〜図12は本発明にかかる車体前部構造の第1実施形態を示し、図1は本発明の対象とする自動車の外観斜視図、図2は車体前部の骨格構造の右半部を示す分解斜視図、図3は車体前部の骨格構造の右半部を示す組立状態の斜視図である。
【0009】
また、図4は車体前部の右半部の底面図、図5は車体前部のエンジンを搭載した状態の側面図、図6は図4中A部の拡大斜視図、図7は図4中A部の拡大分解斜視図、図8は図4中B部の拡大斜視図、図9は図4中B部の拡大分解斜視図である。
【0010】
更に、図10は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図、図11は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す右半部の底面図、図12は衝突時のサスペンションアームの連結部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す要部拡大底面図である。
【0011】
この第1実施形態の車体前部構造は図1に示す自動車MのフロントコンパートメントF・Cに適用され、図2から図5に示すように車体前部の車幅方向両側に左右1対のフロントサイドメンバ10を車体前後方向に延在配置し、このフロントサイドメンバ10の下側にサブフレーム20を連結して、このサブフレーム20に前輪Wfを支持するサスペンションアーム30を連結している。
【0012】
左右1対のフロントサイドメンバ10の前端に跨ってフロントバンパーの骨材となるバンパーレインフォース1を連結するとともに、フロントサイドメンバ10の後端部はエクステンションサイドメンバ11となって、フロアパネル2の下側に廻り込んで接合してある。
【0013】
エクステンションサイドメンバ11の車幅方向外方には、フロアパネル2の車幅方向両側にサイドシル12を設け、このサイドシル12の前端部とエクステンションサイドメンバ11とをアウトリガー13によって連結してある。
【0014】
そして、これらフロントサイドメンバ10,エクステンションサイドメンバ11,サイドシル12およびアウトリガー13等によって車体骨格メンバが構成されるが、特に本実施形態ではアウトリガー13を後退する前輪Wfが干渉する干渉手段として用いている。
【0015】
前記サブフレーム20は、前記フロントサイドメンバ10に沿って車体前後方向に配置した左右1対のサイド部材21と、これら1対のサイド部材21の前端部を連結するフロント部材22と、1対のサイド部材21の後端部を連結するリヤ部材23とによって平面略井桁状に構成してある。
【0016】
そして、フロントサイドメンバ10の先端から所定寸法後方の下側にサブフレーム20の取付部24を垂設し、この取付部24に前記サイド部材21の中央部よりも前端寄り部分をボルト25によって連結してある。
【0017】
また、前記リヤ部材23の両端部から後方に向けて延設部26を突設し、この延設部26の先端部をボルト27によって前記エクステンションサイドメンバ11に連結してあり、サブフレーム20は前部左右2箇所がフロントサイドメンバ10に結合されるとともに、後部左右2箇所がエクステンションサイドメンバ11に結合されている。
【0018】
サブフレーム20のサイド部材21は、その前端をフロントサイドメンバ10の前端位置近傍に配置して、前方からの衝突荷重がフロントサイドメンバ10に入力すると、略同期してサブフレーム20にも入力されるようになっており、かつ、このサイド部材21の前記取付部24を境とした前部および後部には、衝突荷重の入力によりこのサブフレーム20に変形を誘起する第1脆弱部としてのノッチ21a,21bを形成し、これらノッチ21a,21bはエネルギー吸収手段としても機能する。
【0019】
前記サスペンションアーム30は、図4に示すように前輪Wfの支持部分31からサブフレーム20のサイド部材21に向かって略直角に突設した前方取付部32と、この前方取付部32よりも後方に延設した後方取付部33とを設けてある。
【0020】
一方、前記サイド部材21には、図6,図7に示すように前記前方取付部32を連結する前方連結部34と、図8,図9に示すように前記後方取付部33を連結する後方連結部35とを設けてある。
【0021】
前記サスペンションアーム30の前方取付部32は、図7に示すように車体前後方向に突出する回動軸32a,32a′を設けて形成するとともに、後方取付部33は、図9に示すように車両後方に突出するステー33aの先端部にボール33bを設けて形成してある。
【0022】
また、前記前方連結部34は、図7に示すように前方取付部32の後方の回動軸32a′を嵌合した状態で、前方の回動軸32aを嵌合する押え片34aを備え、この押え片34aをボルト34bにより固定することにより、図6に示すように前方取付部32を上下揺動自在に連結してある。
【0023】
前記後方連結部35は、図9に示すように後方取付部33のボール33bおよびステー33aを回動自在に挿入する支持片35aを備え、この支持片35aをサイド部材21の下側に垂設した取付け座35bにボルト35cにより固定することにより、図8に示すように後方取付部33を上下回動自在に連結してある。
【0024】
ここで、前記前方連結部34には、後方の回動軸32a′を嵌合する部分に、前方からの衝突荷重の入力によりその嵌合部分が容易に変形するように第2脆弱部としての矩形状の開口部34cを形成してある。
【0025】
前記開口部34cにはカラーを挿入して補強し、通常運転時に制動力や路面外力による後方荷重が入力した際にも、開口部34cが変形しないようにしてあり、衝突時の大きな荷重の入力により前記開口部34cはカラーとともに変形するようになっている。
【0026】
つまり、前記開口部34cは、図12に示すように前方からの衝突荷重がサスペンションアーム30に入力した際に変形して、図11(b),(c)に示すように前方取付部32を離脱させるガイド手段が構成されるようになっており、この前方取付部32の離脱により前輪Wfは外転(トーアウト方向への移動)しつつ後退(後方移動)するようになっている。
【0027】
そして、後退する前輪Wfは図11(c)に示すように、干渉手段としてのアウトリガー13のサイドシル前端近傍に干渉する。
【0028】
以上の構成により本実施形態の車体前部構造にあっては、自動車Mが相手車両Moと斜め方向のオフセット衝突を含む前面衝突した場合に、図10に示すようにバンパーレインフォース1を介してフロントサイドメンバ10の前部を軸圧壊10aする。
【0029】
このとき、サブフレーム20の前端をフロントサイドメンバ10の略前端位置に配置してあるため、このサブフレーム20には衝突初期から荷重が入力される。
【0030】
すると、図10(b)に示すようにサブフレーム20は、前方のノッチ21aによって変形部分20aが誘起されるとともに、図10(c)に示すように後方のノッチ21bによっても変形部分20bが誘起される。
【0031】
従って、フロントサイドメンバ10の前端部の軸圧壊と、サブフレーム20の前後2箇所の変形部分20a,20bとによって、衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0032】
尚、第1脆弱部としてノッチ21a,21bを用いた場合を開示したが、勿論、このノッチに限ることなく衝突荷重の入力により変形を誘起できる構造で有れば良く、このことは以下の実施形態においても同様である。
【0033】
また、図11に示すように自動車Mがオフセット衝突した場合に、バンパーレインフォース1の端部が後方に折曲して前輪Wfを押圧し、このときの衝突荷重が前輪Wfからサスペンションアーム30に伝達される。
【0034】
このとき、サスペンションアーム30に伝達した荷重は、図11(b)に示すようにサブフレーム20からエクステンションサイドメンバ11に伝達(fb)される。
【0035】
一方、図12に示すようにサスペンションアーム30の前方取付部32は、サブフレーム20の前方取付部34から離脱するため、図11(a)〜(c)に示すように前輪Wfを外転しつつ後退し、遂にはアウトリガー13の外側端部、つまりサイドシル12の前端部に対応する部分に干渉する。
【0036】
すると、図11(c)に示すように前輪Wfを介して入力される衝突荷重は、車体骨格メンバであるアウトリガー13からサイドシル12へと伝達(fc)される。
【0037】
従って、衝突荷重を一旦前輪Wfで受けて、これをfbとしてエクステンションサイドメンバ11に分散するとともに、fcとしてアウトリガー13からサイドシル12、更には一部をエクステンションサイドメンバ11に分散することができるため、前記フロントサイドメンバ10の軸圧壊10aおよび前記サブフレーム20の前後2箇所の変形20a,20bによる衝突エネルギーの吸収と相俟って、衝突荷重がキャビンに影響してこれを変形するのを効率良く抑制することができる。
【0038】
尚、前記フロントサイドメンバ10は図10(c)に示すように、前部が軸圧壊10aした後、最終的には後部に変形部分10bが生じて衝突エネルギーを吸収することができる。
【0039】
本実施形態では前述のように、サブフレーム20のサイド部材21に第1脆弱部21a,21bを設けて、これをエネルギー吸収手段としてあるため、衝突荷重の入力に対して、サブフレーム20をこれら第1脆弱部21a,21bを起点に変形を誘起させて、衝突初期から該サブフレーム20をスムーズに変形させて衝突エネルギーを良好に吸収させることができる。
【0040】
また、衝突時における前輪Wfのガイド手段を、サブフレーム20のサスペンションアーム連結部に設けた第2脆弱部34cで構成しているため、衝突荷重に対してサブフレーム20のサスペンション連結部を、この第2脆弱部34cによって変形させ、前輪Wfを速やかに外転しつつ後退させて、干渉部材に確実に干渉させることができる。
【0041】
一方、この干渉手段はフロントサイドメンバ10とサイドシル12の前端部とに跨って連結したアウトリガー13で構成しているため、前輪Wfを介して入力される衝突荷重を、フロア骨格メンバの中でも最も強度剛性の高いサイドシル12へ伝達することができて、荷重の分散効果を高めることができる。
【0042】
図13〜図19は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0043】
図13は車体前部の右半部の底面図、図14は図13中A部を上方から見た拡大斜視図、図15は図13中A部を上方から見た拡大分解斜視図、図16は図13中A部の拡大底面図、図17は図13中B部の拡大斜視図である。
【0044】
また、図18は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図、図19は衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す右半部の底面図である。
【0045】
この第2実施形態の車体前部構造は、前記第1実施形態に対してサスペンションアーム30の前方取付部32および後方取付部33の形状が異なるとともに、サブフレーム20に形成する第1脆弱部としてのノッチ21cの数が異なっている。
【0046】
即ち、前記サスペンションアーム30は、図13に示すように前方取付部32が前輪Wfの支持部分31よりも前方に延出しているとともに、後方取付部33を前記支持部分31からサブフレーム20のサイド部材21に向かって略直角に突設してある。
【0047】
前方取付部32は、図14,図15に示すように車両前方に突出するステー32bの先端部にボール32cを設けて形成するとともに、これらボール32cおよびステー32bを回動自在に挿入する支持片34dを備え、図16にも示すように、この支持片34dをサイド部材21にボルト34eにより固定することにより、前方取付部32を上下回動自在に連結してある。
【0048】
このとき、図14,図15に示すように前記支持片34dの後側に第3脆弱部としてのノッチ34fを形成し、前方からの衝突荷重がサスペンションアーム30に入力した場合に、支持片34dがノッチ34fから破断するようになっている。
【0049】
また、後方取付部33は、図17に示すように車体前後方向に突出する回動軸33c,33c′を設けて形成し、この回動軸33c,33c′をサブフレーム20の後方連結部35に設けた切欠部35dの前後対向面に回動自在に嵌合してある。
【0050】
一方、サブフレーム20のサイド部材21には、前記サスペンションアーム30の後方連結部33よりも後方に位置する部分に、第1脆弱部としてのノッチ21cを1箇所形成してある。
【0051】
従って、この第2実施形態の車体前部構造にあっては、前方から衝突荷重が入力した際に、図18に示すように前記第1実施形態と同様にフロントサイドメンバ10の前部が軸圧壊10aして、最終的に後部に変形部分10bが形成されるのであるが、サブフレーム20は1箇所のノッチ21cにより後部に変形部分20cを形成することになり、この変形部分20cによって衝突エネルギーを吸収する。
【0052】
従って、この第2実施形態にあっても前記第1実施形態と略同様の効果を奏し、図19に示すように衝突荷重の入力によりサスペンションアーム30の前方取付部32が、前方連結部34の支持片34dの破断により離脱することにより、前輪Wfが外転しつつ後退してアウトリガー13に干渉する。
【0053】
従って、衝突荷重をアウトリガー13およびサイドシル12に伝達(fc)し、かつ、サブフレーム20からエクステンションサイドメンバ11に伝達(fb)することにより分散するとともに、フロントサイドメンバ10の軸圧壊10aおよびサブフレーム20の変形20cにより衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0054】
また、本実施形態では前輪Wfのガイド手段を、サスペンションアーム30のサブフレーム20への取付部に設けた第3脆弱部34fで構成しているため、衝突荷重に対してこの第3脆弱部34fによってサスペンションアーム30の取付部を破断させ、前輪Wfを速やかに外転しつつ後退させて、干渉手段に確実に干渉させることができる。
【0055】
図20〜図22は本発明の第3実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0056】
図20は車体前部の右半部の底面図であり、図21は図20中A部の拡大斜視図、図22はサスペンションアームの前方取付部の離脱過程を(a),(b)によって順次示す要部拡大底面図である。
【0057】
この第3実施形態の車体前部構造は、第1実施形態に対して前方連結部34の構造が異なっている。
【0058】
即ち、この第3実施形態のサスペンションアーム30は、図20に示すように第1実施形態と同様に、前方取付部32を前輪Wfの支持部分31からサブフレーム20のサイド部材21に向かって略直角に突設するとともに、後方取付部33を前記前方取付部32よりも後方に延設してあり、この前方取付部32には前後方向に回動軸32a,32a′を突設してある。
【0059】
そして、前記前方連結部34は、図21に示すように前記前方取付部32の回動軸32a,32a′を支持するための切欠部34gをサイド部材21に形成し、この切欠部34gの前後対向面に前記回動軸32a,32a′を回動自在に嵌合するようになっている。
【0060】
この場合、図22(a)に示すように前記切欠部34gの後方の回動軸32a′を嵌合する嵌合穴34hには、第2脆弱部としての圧縮部材34iを挿入してある。
【0061】
従って、この第3実施形態の車体前部構造にあっては、前記第1実施形態と同様の機能を発揮するが、特に、この第3実施形態では前輪Wfからサスペンションアーム30に入力される衝突荷重によって、前方取付部32がサブフレーム20の前部連結部34から離脱する際は、図22(b)に示すように前記圧縮部材34iが圧縮変形して、前方取付部32がサブフレーム20に対して後退することにより、前方の回動軸32aが抜け出して後方の回動軸32a′の折曲を伴いつつ前方取付部32が前方連結部34から離脱する。
【0062】
勿論、この第3実施形態にあっても、サブフレーム20にはノッチ等の第1脆弱部が形成される。
【0063】
図23〜図27は本発明の第4実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0064】
図23は車体前部の右半部の底面図、図24は図23中A部の拡大斜視図、図25はサスペンションアームの前方取付部の離脱過程を(a),(b)によって順次示す要部拡大底面図、図26は図23中B部の拡大分解斜視図、図27はサスペンションアームの後方取付部の作動を(a),(b)によって順次示す要部拡大斜視図である。
【0065】
この第4実施形態の車体前部構造は、第3実施形態に対して第2脆弱部の構造が異なるとともに、前記各実施形態に対して後部連結部の構造が異なっている。
【0066】
即ち、この第4実施形態のサスペンションアーム30は、図23に示すように前方取付部32を前輪Wfの支持部分31に対して前方に配置するとともに、後方取付部33を前輪Wfの支持部分31に対して後方に配置してある。
【0067】
サスペンションアーム30の前方取付部32は、第3実施形態と同様に前後に回動軸32a,32a′を突設し、これら回動軸32a,32a′をサブフレーム20の前方連結部34に設けた切欠部34gの前後対向面に回動自在に嵌合してあるが、この第4実施形態では、図25(a)に示すように後方の回動軸32a′を嵌合する嵌合穴34hの中間部内周に第2脆弱部としての鍔部34jを突設し、通常時はこの鍔部34jによって回動軸32a′を受けるようになっている。
【0068】
そして、衝突荷重が作用したときには図25(b)に示すように、回動軸32a′が前記鍔部34jを押し開いて嵌合穴34h内に深く進入する一方、前方取付部32がサブフレーム20に対して後退するため、前方の回動軸32aが抜け出して後方の回動軸32a′の折曲を伴いつつ前方取付部32が前方連結部34から離脱するようになっている。
【0069】
一方、後方取付部33は第1実施形態と同様、図26に示すように車両後方に突出するステー33aの先端部にボール33bを設けて形成してあり、このボール33bおよびステー33aをサブフレーム20の後方連結部35に設けた支持片35eに回動自在に挿入し、この支持片35eをボルト35fによりサブフレーム20のサイド部材21に固定している。
【0070】
この第4実施形態では前記支持片35eの前側外方端部に、前記後方取付部33の外側に略接触するように三角形状のストッパー片35gを結合してある。
【0071】
従って、この第4実施形態の車体前部構造にあっては、前記第1実施形態と同様の機能を発揮するが、特に、この第4実施形態では前輪Wfからサスペンションアーム30に入力する衝突荷重によって、前方取付部32がサブフレーム20の前部連結部34から離脱して前輪Wfの後退が開始されると、サスペンションアーム30の後方取付部33がストッパー片35gに接触して後退が中断する。
【0072】
その際に、前方からの衝突荷重の入力に加えて前輪Wfからサスペンションアーム30、更にはサブフレーム20へと力が働くため、後方取付部33は図27(b)に示すように曲げ変形される。
【0073】
このため、前記後方取付部33の曲げ変形の途中でサブフレーム20の変形ストロークおよび前輪Wfの後退が進むので、前記曲げ変形と前輪Wfのキャビンへの接触が略同時に行われることになり、前輪Wfがアウトリガー13に干渉して衝突荷重の伝達経路を発生するため、サブフレーム20のキャビン取付部への入力を軽減してキャビン変形を抑制することができる。
【0074】
勿論、この第4実施形態にあってもサブフレーム20にはノッチ等の第1脆弱部が形成される。
【0075】
図28〜図31は本発明の第5実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0076】
図28は車体前部の右半部の底面図、図29は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図、図30は衝突状態を示す車体前部の右半部の底面図、図31は衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す平面図である。
【0077】
この第5実施形態の車体前部構造は、図28に示すようにサブフレーム20に形成する第1脆弱部としてのノッチ21dを、サスペンションアーム30を連結する前方連結部34と後方連結部35との間、つまり、サスペンションアーム30の前方取付部32と後方取付部33との間に位置するように形成してある。
【0078】
前記ノッチ21dはサブフレーム20の上側面に形成する場合と、サブフレーム20の外側面に形成する場合がある。
【0079】
従って、この第5実施形態の車体前部構造にあっては、斜め方向のオフセット衝突を含む衝突荷重が入力した場合、前記第1実施形態と同様の機能を発揮するのであるが、特に、この第5実施形態ではサブフレーム20の曲げ変形がサスペンションアーム30の前,後方取付部32,33間で誘起されるため、ノッチ21dを上側面に形成した場合は、図29に示すように、このノッチ21dを形成したサブフレーム20の前後略中央部が下方に曲げ変形し、また、ノッチ21dを外側面に形成した場合は、図30,図31に示すように車幅方向内方に曲げ変形することになる。
【0080】
サブフレーム20が図29に示すように下方に変形する場合は、この変形部分20dに連動してサスペンションアーム30自体も下方に折れ曲がり、このサスペンションアーム30からサブフレーム20、更には車体側となるエクステンションサイドメンバ11への入力を遮断することができる。
【0081】
また、サブフレーム20が図30に示すように車体内方に変形する場合は、この変形部分20eによってサスペンションアーム30は前方取付部32が車体外方に押し出されるため、外転しつつ後退する前輪Wfがアウトリガー13に干渉する位置をより車体外方、つまりサイドシル12の先端に近付くため、入力荷重の分散効果を高めつつ変形を抑制することができる。
【0082】
更に、サブフレーム20の変形が車体内方である場合は、図31に示すように内方への変形部分20eがエンジンE(パワーユニット)に干渉して、サイド部材21からエンジンEへの力の伝達経路が発生し、この新たな伝達経路を介して反対側のサイド部材21に荷重を分散できるため、荷重の分散効果を更に高めることができる。
【0083】
従って、前方からの衝突荷重の分散効果がより高められるため、フロントコンパートメントF・Cでの衝突エネルギーの吸収効率が高められてサブフレーム20の後部取付部、つまり、キャビン取付部分への入力が軽減されてキャビンの変形を更に抑制することができる。
【0084】
図32〜図34は本発明の第6実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0085】
図32は車体前部の右半部の底面図、図33は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図、図34は衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す平面図である。
【0086】
この第6実施形態の車体前部構造は、図32に示すようにサブフレーム20に形成する第1脆弱部としてのノッチ21eを、サスペンションアーム30を連結する前方連結部34、つまり、サスペンションアーム30の前方取付部32に対応する位置に形成してある。
【0087】
この第6実施形態にあっても、前記第5実施形態と同様に前記ノッチ21eをサブフレーム20の上側面に形成する場合と、サブフレーム20の外側面に形成する場合がある。
【0088】
従って、この第6実施形態の車体前部構造にあっては、斜め方向のオフセット衝突を含む衝突荷重が入力した場合、前記第1実施形態と同様の機能を発揮するのであるが、特に、この第6実施形態ではサブフレーム20の曲げ変形がサスペンションアーム30の前方取付部32に対応する部分で誘起される。
【0089】
このため、ノッチ21eを上側面に形成した場合は、図33に示すようにサブフレーム20のノッチ21e形成部分が前記第5実施形態と同様に下方に曲げ変形し、また、ノッチ21eを外側面に形成した場合は、図34に示すように車幅方向内方に曲げ変形する。
【0090】
サブフレーム20の変形が図33に示すように下方である場合は、その変形部分20fが地面Gと接触することで、サブフレーム20の後部への入力fgが発生し、この入力fgによりサブフレーム20の後部に更なる変形部分20gを誘起させることができ、サブフレーム20による衝突エネルギーの吸収効果を更に高めることができる。
【0091】
また、サブフレーム20の変形が図34に示すように車体内方である場合は、その変形部分20hが前方連結部34であるため、この変形を利用してサスペンションアーム30の前方取付部32を離脱させることができる。
【0092】
更に、内方への前記変形部分20hは図34に示すように、前記第5実施形態と同様にエンジンE(パワーユニット)に干渉して、サイド部材21からエンジンEへの新たな伝達経路を発生して、荷重の分散効果を更に高めることができるため、キャビン取付部分への入力を軽減してキャビンの変形を更に抑制することができる。
【0093】
図35〜図38は本発明の第7実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0094】
図35は車体前部の右半部の底面図、図36は衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す側面図、図37は衝突状態を示す車体前部の右半部の底面図、図38は衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す平面図である。
【0095】
この第7実施形態の車体前部構造は、図35に示すようにサブフレーム20に形成する第1脆弱部としてのノッチ21fを、サスペンションアーム30を連結する後方連結部35、つまり、サスペンションアーム30の後方取付部33に対応する位置に形成してある。
【0096】
この第7実施形態にあっても、前記第5実施形態と同様に前記ノッチ21fをサブフレーム20の上側面に形成する場合と、サブフレーム20の外側面に形成する場合がある。
【0097】
従って、この第7実施形態の車体前部構造にあっては、斜め方向のオフセット衝突を含む衝突荷重が入力した場合、前記第1実施形態と同様の機能を発揮するのであるが、特に、この第7実施形態ではサブフレーム20の曲げ変形がサスペンションアーム30の後方取付部33に対応する部分で誘起されるようになっている。
【0098】
このため、ノッチ21fを上側面に形成した場合は、図36に示すようにサブフレーム20のノッチ21fを形成した部分が、前記第5実施形態と同様に下方に曲げ変形し、また、ノッチ21fを外側面に形成した場合は、図37,図38に示すように車幅方向内方に曲げ変形することになる。
【0099】
サブフレーム20の変形が図36に示すように下方である場合は、サブフレーム20の変形可能な部分が全て活用されて変形部分20iが形成されるため、衝突エネルギーの吸収効率をより高めることができる。
【0100】
また、サブフレーム20が図37に示すように車体内方に変形する場合は、この変形部分20iによってサスペンションアーム30は前方取付部32が車体外方に押し出されるため、外転しつつ後退する前輪Wfがアウトリガー13に干渉する位置をより車体外方、つまりサイドシル12の先端に近付くため、入力荷重の分散効果を高めつつ変形を抑制することができる。
【0101】
更に、内方への前記変形部分20iが図38に示すように、前記第5実施形態と同様にエンジンE(パワーユニット)に干渉して、サイド部材21からエンジンEへの新たな伝達経路を発生し、この伝達経路によって荷重の分散効果を更に高めることができるため、キャビン取付部分への入力を軽減してキャビンの変形を更に抑制することができる。
【0102】
図39〜図41は本発明の第8実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0103】
図39は車体前部の右半部の底面図、図40は衝突によるサブフレームの内側変形状態を示す車体前部の右半部の底面図、図41は衝突によるサブフレームの外側変形状態を示す車体前部の右半部の底面図である。
【0104】
この第8実施形態の車体前部構造は、図39に示すようにサブフレーム20の前部の上,下側面に第1脆弱部としてのノッチ21gを形成するとともに、サブフレーム20の後部の外側面に第1脆弱部としてのノッチ21hを形成してある。
【0105】
従って、この第8実施形態の車体前部構造にあっては、斜め方向のオフセット衝突を含む衝突荷重が入力した場合、前記第1実施形態と同様の機能を奏するのであるが、特に、この第8実施形態ではサブフレーム20の曲げ変形が前部のノッチ21gで誘起されるため、このサブフレーム20の前部が下方に曲げ変形する。
【0106】
すると、図40に示すように前輪Wfへの衝突により、この前輪Wfに横向きの力が働き、サスペンションアーム30の前方取付部32が離脱するため、サブフレーム20の後部の挙動を阻害する要因、つまり、サスペンションアーム30による阻害要因が除去される。
【0107】
その後、ノッチ21hにより誘起されてサブフレーム20の後部が車体内側若しくは外側に曲げ変形する。
【0108】
図40に示すように内側に変形した場合は、この内側への変形部分20jはエンジンに接触して、サブフレーム20からエンジンに力を伝達する新たな経路が発生し、前記第5実施形態に示したようにキャビン側への負担を軽減するような荷重の分散効果がある。
【0109】
また、図40に示すように前記変形部分20jがサスペンションアーム30の後方取付部33よりも前方部分に位置することで、サスペンションアーム30全体が外方に押し出されるため、前輪Wfの後端部が外側に移動するようになり、アウトリガー13との干渉部位がより車体外側、つまりサイドシル12の先端部分となる傾向が大きいので、車体メンバの変形を抑制しつつ荷重分散効果を高めることができる。
【0110】
更に、図41に示すように前記ノッチ21hで誘起される変形が外側への変形部分20kである場合、この変形部分20kがサスペンションアーム30の後方取付部33よりも後方部分に位置することで、前輪Wfの後端部が外側に移動するため、同様にアウトリガー13との干渉部位がより車体外側となって、車体メンバの変形を抑制しつつ荷重分散効果を高めることができる。
【0111】
また、変形部分20kのように外方に変形する場合、曲げ変形を阻害する障害物が存在しないため、変形がスムーズに促進されて衝突エネルギーの吸収効果をより高めることができる。
【0112】
図42は本発明の第9実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0113】
図42は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図である。
【0114】
この第9実施形態の車体前部構造は、図42(a)に示すようにサブフレーム20の前部の上下側面に第1脆弱部としてのノッチ21mを形成(本実施形態では上側面に形成した場合を示す)するとともに、サブフレーム20の後部の上,下側面に第1脆弱部としてのノッチ21nを形成(本実施形態では下側面に形成した場合を示す)してある。
【0115】
従って、この第9実施形態の車体前部構造にあっては、斜め方向のオフセット衝突を含む衝突荷重が入力した場合、前記第1実施形態と同様の機能を発揮するのであるが、特に、この第9施形態では衝突荷重の入力により図42(b)に示すようにサブフレーム20の前部がノッチ21mに誘起されて下方に曲げ変形(変形部分20m)し、その後、サブフレーム20の後部がノッチ21nに誘起されて上方若しくは下方に曲げ変形される。
【0116】
図42(c)に示すように、サブフレーム20の後部が上方に曲げ変形される場合、その変形部分20nがフロントサイドメンバ10に接触し、その接触部分によってサブフレーム20からフロントサイドメンバ10に力を伝達する経路が形成される。
【0117】
このため、新たな荷重伝達経路により衝突荷重の分散効果があり、また、このフロントサイドメンバ10の後部が変形部分20nからの荷重入力により変形するため、この変形部分10cによる衝突エネルギーの吸収効果が増大する。
【0118】
また、前記サブフレーム20の後部が下方に曲げ変形される場合は、下側には障害物が存在しないためサブフレーム20の変形可能な部分が全て活用されて衝突エネルギーの吸収効果をより高めることができる。
【0119】
図43は本発明の第10実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0120】
図43は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図である。
【0121】
この第10実施形態の車体前部構造は、前記各実施形態と略同様に構成されるが、特に、図42(a)に示すようにフロントサイドメンバ10とサブフレーム20とを、連結部材40を介して連結してある。
【0122】
尚、サブフレーム20をフロントサイドメンバ10に連結するための取付部24(図3参照)を前記連結部材40で代用できるため、格別に取付部24を設ける必要が無い。
【0123】
この場合、前記連結部材40はフロントサイドメンバ10の前部との成す角度αを90゜未満として設定し、サブフレーム20の連結部位に対してフロントサイドメンバ10の連結部位を車両後方にオフセット(オフセット量S1)してある。
【0124】
尚、この実施形態ではサブフレーム20の後部に第1脆弱部としてのノッチ21pを形成してあるが、このノッチ21pの形成部位および形成数は適宜選択して形成することができる。
【0125】
従って、この第10実施形態の車体前部構造にあっては、第1実施形態と略同様の機能を発揮するが、特に、連結部材40を設けたことにより、斜め方向のオフセット衝突の場合に、フロントサイドメンバ10がオフセット衝突による横力成分により内側に曲げ変形が発生し易くなる傾向となるが、このフロントサイドメンバ10の曲げ変形は、連結部材40で中間部が拘束されることにより防止され、フロントサイドメンバ10の前部に軸圧壊を発生させて、効率良く衝突エネルギーを吸収することができる。
【0126】
また、前記連結部材40がフロントサイドメンバ10とサブフレーム20との間でオフセットして連結して、フロントサイドメンバ10側の連結部位を後方側に配置してあるため、フロントサイドメンバ10の先端から連結部材40の連結部位までの距離Lを長く設定でき、衝突エネルギーの吸収量を増大することができる。
【0127】
更に、サブフレーム20に入力した荷重を前記連結部材40を介してフロントサイドメンバ10の後部に伝達できるため、このフロントサイドメンバ10の後部を積極的に変形(変形部分10d)させて衝突エネルギーの吸収効率を高めることができる。
【0128】
図44は本発明の第11実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0129】
図44は衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す側面図である。
【0130】
この第11実施形態の車体前部構造は、前記第10実施形態と略同様に構成されるが、特に、この第11実施形態では図44(a)に示すように、連結部材40はフロントサイドメンバ10の前部との成す角度αを略90゜として設定し、サブフレーム20の連結部位とフロントサイドメンバ10の連結部位とを前後方向に略同位置で対応させてある。
【0131】
また、この実施形態ではサブフレーム20に形成する第1脆弱部としてのノッチ21qを、前記連結部材40の連結部位の上,下側面に形成してある。
【0132】
従って、この第11実施形態の車体前部構造にあっては、第1実施形態と略同様の機能を発揮するが、第10実施形態と同様に連結部材40を設けたことにより、斜め方向のオフセット衝突の場合に、横力成分によりフロントサイドメンバ10が内側に曲げ変形するのを防止して、フロントサイドメンバ10の前部に軸圧壊を発生させて、効率良く衝突エネルギーを吸収することができる。
【0133】
また、この第11実施形態では連結部材40を上下で略垂直に連結してあるため、フロントサイドメンバ10とサブフレーム20の上下方向の曲げ変形に対して、これら両部材10,20を連動させることができる。
【0134】
このため、前記連結部材40がサブフレーム20に結合する部分にノッチ21qを形成したことにより、図44(b)に示すようにサブフレーム20の曲げ変形に追従してフロントサイドメンバ10の中間部を曲げ変形させて、衝突エネルギーの吸収効率を更に高めることができる。
【0135】
図45は本発明の第12実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0136】
図45は衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図である。
【0137】
この第12実施形態の車体前部構造は、前記各実施形態と略同様に構成されるが、特に、この第12実施形態では図45(a)に示すように、連結部材40はフロントサイドメンバ10の前部との成す角度αを90゜以上として設定し、サブフレーム20の連結部位に対してフロントサイドメンバ10の連結部位を車両前方にオフセット(オフセット量S2)してある。
【0138】
従って、この第11実施形態の車体前部構造にあっては、第1実施形態と略同様の機能を発揮するが、第10実施形態と同様に連結部材40を設けたことにより、斜め方向のオフセット衝突の場合に、横力成分によりフロントサイドメンバ10が内側に曲げ変形するのを防止して、フロントサイドメンバ10の前部に軸圧壊を発生させて、効率良く衝突エネルギーを吸収することができる。
【0139】
また、この実施形態では連結部材40の上下の連結部位がオフセットしているため、フロントサイドメンバ10とサブフレーム20の上下方向の曲げ変形に対して、これら両部材10,20間で相互に影響するのを抑制することができる。
【0140】
更に、連結部材40はフロントサイドメンバ10の連結部位をサブフレーム20の連結部位よりも前方に配置してあるため、図45(b)に示すようにフロントサイドメンバ10の連結部位よりも後方部分であっても軸圧壊を発生させることができるため、衝突エネルギーの吸収効率を高めることができる。
【0141】
更にまた、連結部材40をサブフレーム20側の連結部位が後方となるようにオフセットしたことにより、フロントサイドメンバ10からの入力が連結部材40を介してサブフレーム20に伝達して、このサブフレーム20の後部を下曲げ変形することができる。
【0142】
このようにサブフレーム20の後部が下曲げ変形することにより、サブフレーム20のキャビン取付部に力が集中して働くのを防止することができるとともに、サブフレーム20自体の変形による衝突エネルギーの吸収を促進することができる。
【0143】
ところで、本発明の車体前部構造を第1〜第12実施形態に例をとって説明したが、これら各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における自動車の前方斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における車体前部の骨格構造の右半部を示す分解斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態における車体前部の骨格構造の右半部を示す組立状態の斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図5】本発明の第1実施形態における車体前部のエンジンを搭載した状態の側面図。
【図6】図4中A部の拡大斜視図。
【図7】図4中A部の拡大分解斜視図。
【図8】図4中B部の拡大斜視図。
【図9】図4中B部の拡大分解斜視図。
【図10】本発明の一実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図。
【図11】本発明の一実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す右半部の底面図。
【図12】本発明の一実施形態における衝突時のサスペンションアームの連結部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す要部拡大底面図。
【図13】本発明の第2実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図14】図13中A部を上方から見た拡大斜視図。
【図15】図13中A部を上方から見た拡大分解斜視図。
【図16】図13中A部の拡大底面図。
【図17】図13中B部の拡大斜視図。
【図18】本発明の第2実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図。
【図19】本発明の第2実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す右半部の底面図。
【図20】本発明の第3実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図21】図20中A部の拡大斜視図。
【図22】本発明の第3実施形態におけるサスペンションアームの前方取付部の離脱過程を(a),(b)によって順次示す要部拡大底面図。
【図23】本発明の第4実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図24】図23中A部の拡大斜視図。
【図25】本発明の第4実施形態におけるサスペンションアームの前方取付部の離脱過程を(a),(b)によって順次示す要部拡大底面図。
【図26】図23中B部の拡大分解斜視図。
【図27】本発明の第4実施形態におけるサスペンションアームの後方取付部の作動を(a),(b)によって順次示す要部拡大斜視図。
【図28】本発明の第5実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図29】本発明の第5実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図。
【図30】本発明の第5実施形態における衝突状態を示す車体前部の右半部の底面図。
【図31】本発明の第5実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す平面図。
【図32】本発明の第6実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図33】本発明の第6実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図。
【図34】本発明の第6実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す平面図。
【図35】本発明の第7実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図36】本発明の第7実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す側面図。
【図37】本発明の第7実施形態における衝突状態を示す車体前部の右半部の底面図。
【図38】本発明の第7実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す平面図。
【図39】本発明の第8実施形態における車体前部の右半部の底面図。
【図40】本発明の第8実施形態における衝突によるサブフレームの内側変形状態を示す車体前部の右半部の底面図。
【図41】本発明の第8実施形態における衝突によるサブフレームの外側変形状態を示す車体前部の右半部の底面図。
【図42】本発明の第9実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図。
【図43】本発明の第10実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図。
【図44】本発明の第11実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a),(b)によって順を追って示す側面図。
【図45】本発明の第12実施形態における衝突時の車体前部の挙動を(a)〜(c)によって順を追って示す側面図。
【符号の説明】
10 フロントサイドメンバ
11 エクステンションサイドメンバ
12 サイドシル
13 アウトリガー(干渉手段)
20 サブフレーム
21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21m,21n,21p,21q ノッチ(エネルギー吸収手段としての第1脆弱部)
30 サスペンションアーム
32 前方取付部
33 後方取付部
34 前方連結部
34c 開口部(ガイド手段としての第2脆弱部)
34f ノッチ(ガイド手段としての第3脆弱部)
34i 圧縮部材(ガイド手段としての第2脆弱部)
34j 鍔部(ガイド手段としての第2脆弱部)
35 後方連結部
40 連結部材
Wf 前輪
M 自動車
F・C フロントコンパートメント
Claims (8)
- フロントコンパートメントの車幅方向両側に車体前後方向に延在するフロントサイドメンバの下側にサブフレームを連結し、このサブフレームに前輪を支持するサスペンションアームを連結する一方、フロントサイドメンバの後端部と、フロアパネルの車幅方向両側に車体前後方向に延在するサイドシルの前端部とをアウトリガーによって連結した車体前部構造において、
サブフレームの前端をフロントサイドメンバの略前端位置に配置し、このサブフレームに設けられて衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収手段と、
サブフレームとサスペンションアームとの間に設けられて車体前方から入力する衝突荷重に対して前記サスペンションアームの前方連結部分をサブフレームから離脱させて、前輪を外転しつつ後退させ、該前輪の後端を前記アウトリガー外側端部でサイドシルの前端部に対応する部分に干渉させるガイド手段と、
を備えたことを特徴とする車体前部構造。 - エネルギー吸収手段は、サブフレームに形成されて衝突荷重の入力によりこのサブフレームに変形を誘起する第1脆弱部であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
- ガイド手段は、サブフレームのサスペンションアーム連結部またはサスペンションアームのサブフレームへの取付部のいずれか一方、若しくは、これら連結部および取付部に形成したことを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
- 第1脆弱部を、サブフレームを車体下方に変形させる位置に形成したことを特徴とする請求項2に記載の車体前部構造。
- 第1脆弱部を、サブフレームを車体側方に変形させる位置に形成したことを特徴とする請求項2に記載の車体前部構造。
- ガイド手段は、サブフレームに形成したサスペンションアームの連結部に形成した第2脆弱部であることを特徴とする請求項1または3に記載の車体前部構造。
- ガイド手段は、サスペンションアームの取付部に形成した第3脆弱部であること特徴とする請求項1または3に記載の車体前部構造。
- サイドメンバとサブフレームとを、連結部材を介して連結しことを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
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