JP3873411B2 - シャ−プペンシルの芯タンクのキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸筒の内部に芯の繰り出しを行う芯繰り出し機構と、その芯繰り出し機構の後方に芯タンクを有し、また、その芯タンクの後方にはキャップを着脱自在に配してなるシャ−プペンシルであって、特に、キャップの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、子どもに対する安全性が叫ばれるようになり、筆記具においても関心が寄せられるようになってきている。ボ−ルペンやマ−キングペンなどに取り付けられているキャップなどに安全性を施したものが、その代表的な例である。そのキャップには、長手方向に空気流通路が形成されており、子どもが、万一、飲み込み、咽につかえた場合であっても、ある程度、空気の流通(呼吸)が行われるようになっている。
しかし、このキャップの安全性の問題は、ボ−ルペンなどのキャップばかりではなく、シャ−プペンシルにも目が向けられるようになってきた。特に、シャ−プペンシルの後方に着脱自在に取り付けられている芯タンクのキャップの安全性に着目され、それ故に、芯タンクのキャップにも改良が必要となってきた。
【0003】
その芯タンクのキャップの改良に関する発明として、特開平9−39474号公報がある。その要旨を「替芯を収容する芯パイプの開口端に脱着自在で、筆記芯を繰り出すためにその頂端面を指で押圧可能としたノックカバ−において、その頂端面の一部に肉厚以上の深さの陥没面を設けて、その陥没面と頂端面との段差部分に横孔を開設したことを特徴とするシャ−プペンシルのノックカバ−。」としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の従来技術にあっては、ある程度の空気は流通するものの、充分とはいえず、未だ改良の余地があった。つまり、前記の従来技術にあっては、空気がノックカバ−に流入する際、空気が陥没面に衝突するため、その衝突が抵抗となり、折角の空気流通を妨げてしまうものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、軸筒の内部に芯の繰り出しを行う芯繰り出し機構と、その芯繰り出し機構の後方に芯タンクを有し、また、その芯タンクの後方にはキャップを着脱自在に配してなるシャ−プペンシルであって、前記キャップの天面に1部が連結する切り込み片を、その切り込み片の各々が対向する位置に形成し、その切り込み片を内方に傾斜させて屈曲せしめると共に、その傾斜せしめられた切り込み片によって前記芯タンクに収納されている芯の脱落を防止し、また、切り込み片によって形成される切り込み孔を空気流通孔とし、さらに、キャップの軸方向から見たときの、切り込み片を形成する切り込み部とその切り込み片の下端部との距離を、芯の直径よりも小さくなるよう前記切り込み片を屈曲させたことを要旨とするものである。
【0006】
【実施例】
第1例を図1〜図4に示し説明する。図1はシャ−プペンシル全体を表す縦断面図である。軸本体1の内部には、芯を収納する芯タンク2が摺動自在に配置されている。また、その芯タンク2の前端(図1中下方)には、チャックリング3により開閉するチャック体4が固定されている。勿論、そのチャック体4は芯を把持し、又、繰り出すものでもある(図2参照)。
前記軸本体1の前端には、ゴム材質よりなる芯戻り止め部材5を内部に有する先部材6が螺着などにより固定されており、その先部材6の先端には、ステンレス材質などよりなる芯保護管7が圧入・固定されている。
符号8は、芯タンク2、並びに、チャック体4を後方(図1中上方)に付勢するチャックスプリングである。以上の構成は、一般的なシャ−プペンシルと同様である。
【0007】
前記芯タンク2の後方部は、軸本体1の後端より突出した状態で配置されており、その突出した部分(突出部9)には、本願特徴点である芯タンク2のキャップ10が圧入状態で着脱自在に取り付けられている。
そのキャップ10の天面11には、対向した2箇所に円弧状の切り込み部12が形成されており、その切り込み部12によって形成された切り込み片13がキャップ10の内側に向けて傾斜した状態で折り曲げられている。また、切り込み片13を内側に折り曲げることによって切り込み孔13が形成され、その切り込み孔14が空気の流通する孔となる。云うまでもないが、前記切り込み片13の折り曲げる角度は、あまり折り曲げ過ぎると芯タンク2内の芯が切り込み孔14から脱落してしまうので、脱落しない程度の折り曲げ角度となっている。詳述すると、前記切り込み部12と切り込み片14の下端部で形成される隙間Aが収納されている芯の直径よりも小さくなるように折り曲げられている。そして、その隙間Aより空気は直線状に流通する。
符号15は、キャップ10の芯タンク2への嵌合力を高めるための弾性突起である。
【0008】
【作用】
子どもが誤ってキャップ10を飲み込んでしまっても、空気は切り込み孔(空気流通孔)14から隙間Aを通り直線状にキャップ10内に流入する。
また、シャ−プペンシルを逆向きにした場合には、芯タンク2内の芯は、消しゴムEに当接するが、消しゴムEがない場合には、前記切り込み片13の内面に当接する。
【0009】
第2例を図5、図6に示し説明する。キャップ10の上方部を大径部16にすると共に、前例に比し切り込み部17を大きくした例である。切り込み部17を大きく形成することによって、切り込み孔18も大きくなり、充分な空気の流通を確保することができる。勿論、切り込み片19も大きくなるが、その切り込み片19の下端部と前記切り込み部17とで形成される隙間Bは、収納されている芯の直径よりも小さくなるように前記切り込み片19が折り曲げられている。
尚、芯タンク2の後端部が前記切り込み片19の近傍に位置する場合には、前記隙間Bは芯の直径より若干大きな隙間としても良い。
【0010】
第3例を図7、図8に示し説明する。天面20の中央部分より左右方向にコ字型に切り込み部21を形成した例である。そして、キャップ10の内側中央部に向けて切り込み片22を折り曲げたものである。切り込み孔23は、1つとなるが、充分に大きな孔となる。また、本例においては、前記切り込み片22が弾性変形する。芯を芯タンクに補充する際、芯を隙間Cに押し付けることによって拡開せしめ芯を補充する。キャップ10を芯タンクから離脱させる必要がないので、芯の補充が容易に行える。
【0011】
【発明の効果】
本発明は、軸筒の内部に芯の繰り出しを行う芯繰り出し機構と、その芯繰り出し機構の後方に芯タンクを有し、また、その芯タンクの後方にはキャップを着脱自在に配してなるシャ−プペンシルであって、前記キャップの天面に1部が連結する切り込み片を、その切り込み片の各々が対向する位置に形成し、その切り込み片を内方に傾斜させて屈曲せしめると共に、その傾斜せしめられた切り込み片によって前記芯タンクに収納されている芯の脱落を防止し、また、切り込み片によって形成される切り込み孔を空気流通孔とし、さらに、キャップの軸方向から見たときの、切り込み片を形成する切り込み部とその切り込み片の下端部との距離を、芯の直径よりも小さくなるよう前記切り込み片を屈曲させたので、芯の芯タンクからの脱落は防止されることは勿論、空気の流通を妨げることもなく、よって、空気の流通性を充分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シャ−プペンシル全体を示す縦断面図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 図1のキャップを示す拡大縦断面図。
【図4】 図3の上面図。
【図5】 第2例を示す縦断面図
【図6】 図5の上面図。
【図7】 第3例を示す縦断面図。
【図8】 図7の上面図。
【符号の説明】
1 軸本体
2 芯タンク
3 チャックリング
4 チャック体
5 芯戻り止め部材
6 先部材
7 芯保護管
8 チャックスプリング
9 突出部
10 キャップ
11 天面
12 切り込み部
13 切り込み片
14 切り込み孔(空気流通孔)
15 弾性突起
16 大径部
17 切り込み部
18 切り込み孔(空気流通孔)
19 切り込み片
20 天面
21 切り込み部
22 切り込み片
23 切り込み孔(空気流通孔)
A 隙間
B 隙間
C 隙間
E 消しゴム
Claims (2)
- 軸筒の内部に芯の繰り出しを行う芯繰り出し機構と、その芯繰り出し機構の後方に芯タンクを有し、また、その芯タンクの後方にはキャップを着脱自在に配してなるシャ−プペンシルであって、前記キャップの天面に1部が連結する切り込み片を、その切り込み片の各々が対向する位置に形成し、その切り込み片を内方に傾斜させて屈曲せしめると共に、その傾斜せしめられた切り込み片によって前記芯タンクに収納されている芯の脱落を防止し、また、切り込み片によって形成される切り込み孔を空気流通孔とし、さらに、キャップの軸方向から見たときの、切り込み片を形成する切り込み部とその切り込み片の下端部との距離を、芯の直径よりも小さくなるよう前記切り込み片を屈曲させたことを特徴とするシャ−プペンシルの芯タンクのキャップ。
- 前記切り込み片を弾性変形可能とした請求項1に記載のシャ−プペンシルの芯タンクのキャップ。
Priority Applications (1)
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JP31430697A JP3873411B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | シャ−プペンシルの芯タンクのキャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31430697A JP3873411B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | シャ−プペンシルの芯タンクのキャップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11129676A JPH11129676A (ja) | 1999-05-18 |
JP3873411B2 true JP3873411B2 (ja) | 2007-01-24 |
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ID=18051776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31430697A Expired - Lifetime JP3873411B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | シャ−プペンシルの芯タンクのキャップ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3873411B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6339354B2 (ja) * | 2013-12-10 | 2018-06-06 | 株式会社パイロットコーポレーション | シャープペンシル |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP31430697A patent/JP3873411B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11129676A (ja) | 1999-05-18 |
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