JP3873359B2 - 触覚検出装置、触覚再現装置、触覚伝送システム、脈診装置、脈診教育装置および脈診情報伝送システム - Google Patents

触覚検出装置、触覚再現装置、触覚伝送システム、脈診装置、脈診教育装置および脈診情報伝送システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、人が物を把持する際のつかみ具合を検出する触覚検出装置、触覚告知装置、触覚検出装置を用いた情報入力装置、触覚再現装置、触覚伝送システム、脈診装置、脈診教育装置および脈診情報伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
中国医学の脈診では、医師が指で橈骨動脈上の表皮を押圧し、指に感じられる脈によって、生体の状態を診断することが行われる。医師は、寸口と呼ばれる手首の内側にある橈骨動脈から脈動を感じとる。寸口の脈は、上、中、下すなわち、抹消側より寸、関、尺の三部位にわけて検出される。一方、インドにおいては、古来よりアーユルヴェーダと称する伝承医学が知られている。アーユルヴェーダの脈診では、中国医学の脈診と同様に、医師が患者の腕の橈骨動脈上の表皮を第2指〜第4指で押圧して、脈動を感じとる。
【0003】
これらの脈診を定性的、定量的に行う技術として、特開平6−197873号公報には、第2指〜第4指の腹が接する箇所に線状の歪みゲージを複数張り付けたゴム手袋を手に装着し、寸口を三本の指先で押圧することによって脈波を検出する技術が開示されている。この場合、医師は、歪みゲージとゴム手袋を介して橈骨動脈の脈動を感じとる。
【0004】
また、特公昭57−52054号公報には、寸、関、尺の三部位に圧電素子からなるマイクロホンを取り付け、これによって脈波を検出する技術が開示されている。この測定方法は、人の指の感覚を得ずに脈動を直接的に測定する方法である。
【0005】
代表的な脈波形には、平脈、滑脈、弦脈といったものがある。平脈は「平人」すなわち正常な健康人の脈象であり、平脈はゆったりとして緩和であり、リズムが一定で乱れが少ないことが特徴である。一方、滑脈は血流状態の異常に原因するもので、浮腫,肝腎疾患,呼吸器疾患,胃腸疾患,炎症性疾患などの病気で脈の往来が非常に流利,円滑になって生じる。また、弦脈は、血管壁の緊張や老化に原因するもので、肝胆疾患,皮膚疾患,高血圧,疼痛性疾患などの病気で現れる。血管壁の弾力性が減少して、拍出された血液の拍動の影響があらわれにくくなったことに原因すると考えられる。弦脈の波形は急激に立ち上がってすぐに下降せず高圧の状態が一定時間持続するのが特徴であり、指による感触は、真っ直ぐぴんと張った長い脈、という感じである。
【0006】
また、脈診では橈骨動脈を押圧するが、指先で感じる脈のありようは押圧の程度によって異なるとされている。図15に示すように、指先の押圧Pは軽、中、重といった程度に分けることができ、また、指先で感じる脈の強さを表す指感hは大、中、小といった程度に分けることができる。この例にあっては、縦軸に指感hを横軸に押圧Pを取ったグラフを押圧指感趨勢図と称することにする。
【0007】
ここで、代表的な押圧指感趨勢図を図16に示す。同図(a)は、押圧Pが中で指感hが得られる脈であり、健康な人の脈はこの類型に属することが多い。この場合の類型を生態型と称する。
次に、押圧指感趨勢図が同図(b)に示すように押圧の程度が比較的軽い所で指感が得られる場合、押圧指感趨勢曲線を漸降型と称する。漸降型の脈を浮脈という。浮脈は、押圧Pの程度が軽から中にかけて指感hが大であり、指先に力を入れるとかえって脈の触れが弱くなる。また、浮脈は、病邪が体表に存在することを表す脈であるとされる。
【0008】
次に、押圧指感趨勢図が同図(c)に示すように押圧の程度が比較的重い所で指感が得られる場合、押圧指感趨勢曲線を漸昇型と称する。漸昇型の脈を沈脈という。沈脈は、押圧Pの程度が中から重にかけて指感hが大であり、指先で軽く押しても脈を感じられず、重く押して初めて得られる。また、沈脈は、病邪が裏、すなわち、体の奥に示す脈とされる。この場合の類型を
【0009】
このように指先の押圧の程度によっても患者の体調を知ることができるが、実際の脈診は、さらに上述した平脈、滑脈、弦脈といった脈の種類を浮脈や沈脈といった脈の深さと組み合わせてより的確な診断がなされる。このように脈診は、人の指で感じられる微妙な触覚によって生体の状態を診断するものであるから、押圧の程度を定量化しこれを再現することは困難であった。このため、脈診の技能を人から伝え学ぶことは難しく、また、その熟練には長い年月がかかる。
【0010】
一方、情報機械分野にあっては、人間の状態・感覚をセンシングしようとする試みがなされている。そのようなセンシングの一つとして人が物を掴むときの把持感覚のセンシングがある。
例えば、人が手でコップを掴む場合を考えると、従来の把持感覚のセンシングでは、特殊なグローブを用いて指にかかる把持力を絶対値として計測することが行われる。このグローブには、圧力によって電気抵抗が変化する感圧導電性素材と電極を組み合わせたシート状の圧力センサが組み込まれている。人が手にグローブを装着しコップを掴むと、把持力に応じて感圧導電性素材の抵抗値が変化する。このため、抵抗値の変化を計測することによって把持力の絶対値を知ることができる。
【0011】
ところで、人が物に触れたか否か、あるいは物の掴み具合(軽く掴んだ、強く掴んだ)といったより感覚的な触覚のセンシングにおいては、把持力を絶対値として計測することは必ずしも必要でない。また、日常の生活にあっては、人は、微妙な触覚を感じつつ物を掴んでいる。例えば、上述したコップを掴む場合、コップの材質がガラスであるか陶器であるかといった微妙な触覚を感じつつ、コップを掴むのが通常である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の把持感覚のセンシングは、把持力の客観性や再現性を追求するあまり、上述したように特殊なグローブを介して物を掴む必要がある。このため、直接、物に触れたり物を掴むことができず、把持感覚のセンシングからはほど遠いものとなっている。また、キーボード等の情報入力装置に特殊なグローブを応用した場合、装置が大がかりとなり操作者の負担が大きいといった問題がある。
【0013】
さらに、従来の把持感覚のセンシングを脈診に応用して、手首の橈骨動脈を押圧する際の程度を客観的に検知することも考えられるが、脈診は人の指で感じられる微妙な触覚に基づいて診断を行うものであるから、特殊なグローブを介して脈診を行っても脈のありようを検知することができない。
【0014】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、直接、物に触れたり掴んだりすることを許容しつつ、触覚を定量的に検出できる触覚検出装置を提供することを目的とする。また、この発明の他の目的は、触覚検出装置を用いた情報入力装置、触覚を再現・伝送することができる触覚再現装置および触覚伝送システムを提供することにある。また、この発明の他の目的は、触覚検出装置を脈診に応用し、手指で直接皮膚の上から橈骨動脈を押圧しつつ、その押圧の程度を客観的に検知することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、生体の検出部位に光を照射したときに得られる反射光を受光して受光信号を検出する検出手段と、前記検出部位に圧力が加えられていないときの前記受光信号に基づいて、記受光信号をグレーディングする際の基準となる閾値を算出する閾値算出手段と、前記閾値を格納する閾値テーブルと、前記受光信号と前記閾値とを比較して前記受光信号をグレーディングすることにより、前記検出部位の触覚を定量化した触覚情報を生成する触覚情報生成手段とを備え、前記閾値算出手段は、前記受光信号の直流レベルおよび振幅レベルの少なくともいずれか一方に基づいて、前記受光信号をグレーディングする際の基準となる閾値を算出することを特徴とする触覚検出装置を提供する。
【0016】
好ましい態様において、前記検出手段は、光を発する発光部と、前記発光部より発せられる光を偏光化させる第1の偏光化部と、偏光化された光の反射光を入射して、特定方向の偏光成分を通過させる第2の偏光化部と、前記第2の偏光化部を通過した光を受光して受光信号を出力する受光部とを備える。
【0017】
本発明は、他の観点において、上記触覚検出装置を備えた触覚再現装置であって、外部から供給される触覚情報と前記触覚情報生成手段で生成される触覚情報を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて、外部から供給される触覚情報と前記触覚情報生成手段で生成される触覚情報とが一致するように前記検出部位に圧力を加える押圧手段とを備えることを特徴とする触覚再現装置を提供する。
【0018】
本発明は、更に他の観点において、送信側に前記触覚検出装置を備え受信側に前記触覚再現装置を備えた触覚伝送システムであって、ネットワークとの間で通信を行い、前記触覚検出装置で検出された触覚情報を前記ネットワークに送信する送信手段と、前記ネットワークとの間で通信を行い、前記送信側からの触覚情報を前記外部から供給される触覚情報として出力する受信手段とを備えたことを特徴とする触覚伝送システムを提供する。
【0019】
本発明は、更に他の観点において、前記触覚検出装置を備えた脈診装置であって、前記検出手段は指尖部に設けられ、脈診を行う際の押圧の程度を表す基準触覚情報を予め格納する記憶手段と、前記触覚情報生成手段で生成される前記触覚情報と前記基準触覚情報とに基づいて脈診を行う脈診手段とを備えたことを特徴とする脈診装置を提供する。
【0020】
本発明は、更に他の観点において、前記触覚検出装置を備えた脈診装置であって、前記検出手段は指尖部に設けられ、脈診を行う際の押圧の程度を表す基準触覚情報を予め格納する記憶手段と、前記基準触覚情報に基づいて前記触覚情報をグレーディングして脈診情報を生成する脈診情報生成手段と、前記脈診情報を告知する告知手段とを備えたことを特徴とする脈診教育装置を提供する。
【0021】
本発明は、更に他の観点において、送信側に前記触覚検出装置を備え、受信側に前記記載した触覚再現装置を備えた脈診情報伝送システムであって、前記検出手段は指尖部に設けられ、ネットワークとの間で通信を行い、前記触覚検出装置で検出された触覚情報を脈診情報として前記ネットワークに送信する送信手段と、前記ネットワークとの間で通信を行い、前記送信側からの前記脈診情報を前記外部から供給される触覚情報として前記触覚再現装置に出力する受信手段とを備えたことを特徴とする脈診情報伝送システムを提供する。
【0036】
【発明の実施の形態】
A.触覚の検出原理
実施形態の説明に先立ち、まず、本発明における触覚の検出原理を、血流量の検出と触覚の指標とに分かち説明する。
1.血流量の検出
薄い膜に光を照射した場合、入射光と透過光の比は、物質の濃度と光路長に比例した分だけ減少する。このことは、「ランバートベール」の法則として周知のことである。
【0037】
この法則によれば、物質の濃度は以下のようにして求められる。
図1は、ランバートベールの法則を示す説明図である。
図1(a)に示すように、物質Mの濃度をC、微小光路長をΔL、入射光の光量をIin、物質Mの吸光係数をkとすると、次式が成立する。
Iout/Iin=1−kCΔL・・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0038】
ここで、図1(b)に示すように、光路長を5倍にすると、式(1)の関係は次のように変化する。
Iout/Iin=(1−kCΔL)5 ・・・・・・・・・・・・(2)
【0039】
これは、例えば、図1(a)に示す入射光量Iinが10のときに、その透過光量が9であるとすると、図1(b)に示す場合には、入射光量10に対して透過光量が5.9となること、すなわち、Iout/Iin=0.95となることである。
【0040】
したがって、任意の距離Lに対する入射光量と透過光量の関係は、式(1)を積分して、
log(Iout/Iin)=(−kCL)・ ・・・・・・・・(3)
となる。この式(3)を変形すると、
Iout=Iin×exp(−kCL)・・・・・・・・・・・・(4)
となる。
【0041】
これから判るように、入射光量Iin、吸光係数kおよび光路長Lが一定であるなら、透過光量Ioutを測定することにより、物質Mの濃度変化を測定することができる。
また、透過光量に代えて物質Mで反射される反射光を測定しても、上述の場合と全く同様の原理で、物質Mの濃度変化を測定することができる。
上記物質Mが血液である場合、上記濃度変化を測定することは、血液の脈動を測定すること、すなわち、血流量を測定することである。
【0042】
図2は、人の血管部分に外部から光を照射したときの吸光度の分布の一例を示す説明図である。
この図において、I2は組織による吸光成分、I3は静脈血による吸光成分、I4は動脈血による吸光成分である。
ここで、組織による吸光成分I2は組織濃度が変化しないため一定である。また、静脈血による吸光成分I3も一定である。これは、静脈には脈動がなく、濃度変化がないためである。図3は、体内各部における血圧の一例を示すグラフである。この図からわかるように、心臓から送り出された血液の脈動は、体内を進むにつれて次第になくなり、静脈においては完全に消えている。一方、動脈血による吸光成分I4(図2参照)は、脈拍に対応した濃度変化があるため、吸光度が変化する。したがって、血管に光を照射して、その透過光または反射光の光量を測定すると、そこには、各成分I2〜I4が含まれていることになる。なお、静脈血による吸光成分I3と動脈血による吸光成分I4の合計を100%とすれば、そこに占める動脈血による吸光成分I4の割合は1%〜2%であり、残りの98%〜99%は静脈血による吸光成分I3である。
【0043】
2.触覚の指標
人が指で物を把持すると、指の内圧が高くなり血流量が減少する。この場合、組織による吸光成分I2は、組織濃度が把持の前後でほとんど変化しないため、略一定とみなせるが、静脈血による吸光成分I3と動脈血による吸光成分I4は、血流量が減少するため変化する。本発明はこの点に着目してなされたものであり、血管に光を照射して透過光または反射光を受光しその光量変化を測定することによって、把持力(触覚)を間接的に計測するものである。
【0044】
受光光量には、静脈血の血流容量に応じた静脈血成分と動脈血に応じた動脈血成分とが存在する。このため、受光光量の直流成分は、動脈血成分の平均値と静脈血成分とを加算したものになり、一方、受光光量の交流成分は、動脈血成分の振幅値となる。ここで、動脈血成分は心拍に同期したものであるため、交流成分は被験者の心理状態によって変動する。例えば、緊張した状態では心拍が強くなるため交流成分が大きくなり、逆に、リラックスした状態では交流成分が小さくなる傾向がある。一方、静脈血成分は、被験者の心理状態に影響されないが、被験者のおかれている環境温度等によって変動する。このため、夏と冬あるいは昼と夜では直流成分が変動する。
【0045】
ところで、上述したように静脈血による吸光成分I3は動脈血による吸光成分I4の略50倍〜100倍あるので、受光光量の直流成分に占める動脈血成分は極めて小さい。したがって、受光光量の直流成分を触覚の指標とすれば、心理的な影響を受けずに触覚を計測できる。また、交流成分と比較して大きなレベルで検出することができるのでS/Nもよい。このため、本実施形態にあっては、触覚の指標として受光光量の直流成分を用いている。
【0046】
B.第1実施形態
1.第1実施形態の構成
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態の構成を説明する。
1−1:第1実施形態の外観構成
図4は、第1実施形態に係わる触覚検出装置の外観構成の例を示す説明図である。図4に示すように、触覚検出装置は、腕時計構造を有する装置本体100、この装置本体100に接続されたケーブル101、および脈波検出部1から構成されている。
【0047】
装置本体100には、腕時計の12時方向から使用者の腕に巻き付いて、腕時計の6時方向で固定されるリストバンド103が取り付けられている。この装置本体100は、このリストバンド103によって使用者の腕から着脱自在となっている。リストバンド103の装置本体100側には、腕時計の12時方向に圧力センサ110が設けられている。圧力センサ110はシート状の形状をしており、感圧導電性素材と電極を組み合わせて構成されている。
【0048】
また、脈波検出部1は、発光部と受光部が一体化されたセンサユニット102と指サック104から構成されており、この例では、第2指、第3指および第4指の各指尖部に各々装着されている。この場合、センサユニット102は、指の爪の上に位置するように指サック104の内側に設けられている。指サック104は遮光性の素材によって作られている。このため、センサユニット102に外光が入射するのを防ぐことができるので、脈波信号のSN比を高めることができる。また、指サック104の指の腹側には開口部が設けられている。このため、、指球で物に触れたり物を把持する際に邪魔にならない。したがって、この例によれば自然な感覚で触覚を検出することが可能となる。
【0049】
一方、腕時計の6時の方向の表面側には、コネクタ部105が設けられている。このコネクタ部105にはケーブル101の端部に設けられたコネクタピース106が着脱自在に取り付けられており、コネクタピース106をコネクタ部105から外すことにより、本装置を通常の腕時計やストップウオッチとして用いることができる。また、コネクタ部105には、パーソナルコンピュータとの通信コネクタ(図示せず)を接続できるようになっている。この通信コネクタにはLEDとフォトトランジスタが組み込まれている。また、腕時計の装置本体100の内部には、後述するように光通信のための赤外線インターフェイス部が設けられている。
【0050】
なお、コネクタ部105を保護する目的から、ケーブル101とセンサユニット102をコネクタ部105から外した状態では所定のコネクタカバーを装着する。このコネクタカバーは、コネクタピース106と同様に構成された部品から電極部などを除いたものが用いられる。
【0051】
このように構成されたコネクタ構造によれば、コネクタ部105が使用者から見て手前側に配置されることとなり、使用者にしてみれば操作が簡単になる。また、コネクタ部105が装置本体100から腕時計の3時の方向に張り出さないために、運動中にも使用者が手首を自由に動かすことができ、使用者が運動中に転んだとしても手の甲がコネクタ部105にぶつからない。
【0052】
また、装置本体100は樹脂製の時計ケース107を具備している。時計ケース107の表面には、現在時刻や日付に加えて、把持力等の触覚情報SJをデジタル表示するための液晶表示部108が設けられている。この液晶表示部108は、第1〜第3のセグメント表示領域(図示せず)およびドット表示領域から構成されている。第1のセグメント領域には日付,曜日,現在時刻などが表示され、第2のセグメント領域には各種の時間測定を実施するにあたって経過時間などが表示され、また、第3のセグメント領域には触覚の測定において計測された各種の計測値などが表示される。さらに、ドット表示領域には各種の情報をグラフィック表示することが可能であるとともに、ある時点において装置がどのようなモードにあるかを表わすモード表示,脈波波形の表示,棒グラフ表示などの様々な表示が可能である。
なお、ここで言うモードには、時刻や日付を設定するためのモード,ストップウォッチとして使用するためのモード,触覚検出装置として使用するための触覚モードなどがある。
【0053】
1−2:第1実施形態の電気的構成
次に、触覚検出装置の電気的構成を図5を参照して説明する。図5は、第1実施形態に係わる触覚検出装置のブロック図である。
図5において、2,3はA/D変換部であって、これらによって、脈波検出部1からの受光信号LSと圧力センサ110からの圧力信号PSが、デジタルデータに各々変換される。なお、触覚の指標である受光レベルの直流成分は相対的なもので足りるため、圧力センサ103は絶対値を検出するような厳密なものでなくともよく、相対値を検出できれば足りる。
【0054】
また、4はCPU(中央演算処理装置)であって、バスを介して本装置各部を制御する。5はRAM(ランダムアクセスメモリ)であって、触覚を検出する際に用いられる校正テーブル50、触覚情報SJのグレーディングに用いられる閾値テーブル51、および各種のデータを格納するデータレジスタ52等から構成される。6はROM(リードオンリメモリ)であり、そこにはCPU4において用いられる制御用プログラムが格納される。7は表示制御回路であって、CPU4によって転送される表示データに基づいて、触覚情報SJや時間情報を液晶表示部108に表示する。8は赤外線インターフェース部であって、パーソナルコンピュータPCとの間で通信を行う。
【0055】
脈波検出部1の詳細な構成を図6に示す回路図を用いて説明する。図6において、抵抗R1とLEDは発光部に相当し、抵抗R2とフォトトランジスタPTは受光部に相当する。この脈波検出部1に電源電圧Vccが印加されると、LEDから光が照射され、血管や組織によって反射された後に、フォトトランジスタPTによって受光される。受光量が増加すると、フォトトランジスタPTのベース電流が増加し、そのコレクタ電圧(受光信号LSのレベル、以下「受光レベル」と称する)が減少する。ここで、LEDの発光波長は、血液中のヘモグロビンの吸収波長ピーク付近に選ばれる。このため、受光レベルは血流量に応じて変化し、また、血流量は指に加わる圧力に応じて変化する。したがって、受光レベルを検出することによって、人が物を把持する際に感ずる触覚を検知することができる。
【0056】
また、LEDとしては、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDが好適である。青色LEDの発光スペクトルは、例えば450nmに発光ピークを有し、その発光波長域は、350nmから600nmまでの範囲にある。この場合には、かかる発光特性を有するLEDに対応させてフォトトランジスタPTとして、GaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタPTを用いればよい。このフォトトランジスタPTの受光波長領域は、例えば、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にあって、300nm以下にも感度領域がある。
【0057】
このような青色LEDとフォトトランジスタPTとを組み合わせると、その重なり領域である300nmから600nmまでの波長領域において、脈波が検出される。この場合には、以下の利点がある。
【0058】
まず、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指の組織を透過しにくい傾向があるため、外光が指サック104で覆われていない指の部分に照射されても、指の組織を介してフォトトランジスタPTまで到達せず、検出に影響を与えない波長領域の光のみがフォトトランジスタPTに達する。一方、300nmより低波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収されるので、受光波長領域を700nm以下としても、実質的な受光波長領域は、300nm〜700nmとなる。したがって、指を大掛かりに覆わなくとも、外光の影響を抑圧することができる。
【0059】
また、血液中のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大きく、波長が880nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大きい。したがって、この例のように、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光特性が大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検出光として用いると、その検出値は、血量変化に応じて感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波信号のS/N比を高めることができる。
【0060】
ところで、指を押圧した場合、押圧力と受光レベルの関係には個人差がある。この点について、図面を参照しつつ説明する。図7は、押圧力と受光レベルの直流成分の関係を示したグラフである。なお、黒三角は21歳の男性(被験者A)、白三角は41歳の男性(被験者B)、黒四角は44歳の男性(被験者C)の測定結果である。また、受光レベルの直流成分は、動脈血に同期した血流量の変動に影響されされないように、カットオフ周波数が十分低い低域通過フィルタを介して測定したものである。
【0061】
図7に示すように押圧値を20g/cm2から200g/cm2まで可変させると、被験者Aに係わる直流成分は1.8Vから1.4Vまで変化し、被験者Bに係わる直流成分は1.4Vから0.95Vまで変化し、被験者Cに係わる直流成分は1.0Vから0.65Vまで変化する。このことから、押圧値を増加させると受光レベルの直流成分は単調減少する傾向があるものの、被験者によって、変動範囲が異なっていることが判る。すなわち、押圧力と受光レベルの関係には個人差があるといえる。これは、血管の太さ、血液中のヘモグロビンの量、または組織の弾性係数等が各個人によって相違するからである。
【0062】
また、押圧値を増加させると受光レベルの直流成分が単調減少するのは、次の理由による。すなわち、指が押圧されると、指の内圧が高まり血流量が減少しこれに伴いヘモグロビンによる吸光が減少する。このため、受光部に入射する反射光の光量が増加し、受光レベルが減少するからである。
【0063】
ところで、上述したように受光レベルの交流成分は、被験者の心理状態によって変動し、またその直流成分は被験者のおかれている環境温度等によって変動する。したがって、同一個人であっても押圧力と受光レベルの関係には個人内差が存在する。
【0064】
本実施形態は、受光レベルの直流成分に基づいて指で感ずる触覚をグレーティングするものであるが、上述したように押圧力と受光レベルの関係には個人間差と個人内差が存在するから、ここで得られる触覚情報SJは相対的なものとなる。
また、グレーティングを行う際には、何らかの閾値が必要となるが、上述したように押圧力と受光レベルの関係には個人間差と個人内差が存在するから、触覚情報SJを計測する度に受光レベルを校正する必要がある。上述した圧力センサ110はこのために設けられている。
【0065】
2:第1実施形態の動作
次に、第1実施形態の動作を図面を参照しつつ説明する。
▲1▼校正テーブルの生成
この触覚検出装置にあっては、触覚情報SJの計測を行うのに先立ち、校正テーブル50の生成が行われる。まず、装置本体100を操作し触覚検出モードにすると、CPU4は、液晶表示部108に「指バンドを装着し、用意ができたらボタンを押してください。」とのメッセージを表示させる。使用者がメッセージに促され、脈波検出部1を各指の指尖部に装着しボタンを押すと、CPU4は、ボタン操作を検出した後、液晶表示部108に「腕時計をはずし、用意ができたらボタンを押してください。」とのメッセージを液晶表示部108に表示させる。
【0066】
使用者がこれに従って装置本体100を腕からはずしボタンを押すと、CPU4は、これを検出した後、デジタルフィルタの演算を実行して受光レベルからその直流成分を求める。そして、受光レベルの直流成分をデータレジスタ52に記憶する。この場合、指には圧力が加えられていないから、記憶する受光レベルの直流成分はその最大値Lmaxを示す。この後、CPU4は「指でパットをゆっくり押し込んでください。」とのメッセージを液晶表示部108に表示させる。そして、使用者がメッセージに促され、指に力を徐々に込めて圧力センサ110を押圧すると、CPU4は、刻々と変化する圧力レベルと受光レベルの直流成分の関係を校正テーブル50に格納する。
【0067】
▲2▼閾値テーブルの生成
そして、所定時間が経過すると、CPU4は、液晶表示部108に「これ以上力は入りませんか。」とのメッセージを液晶表示部108に表示させる。これにより使用者は、圧力センサ110を最大圧力で押圧する。このとき、圧力レベルの最大値Pmaxと直流成分の最小値Lminとが検出され、これらの値はデータレジスタ52に記憶される。
【0068】
次に、CPU4は、データレジスタ52から圧力レベルの最大値Pmaxを読み出し、グレーテイングの数に応じて最大値Pmaxを等分し、圧力レベルの各閾値を求める。例えば、最大値Pmax=200g/cm2とし、5段階のグレーテイングを行うものとすれば、圧力レベルの各閾値は0,40,80,120,160g/cm2となる。
【0069】
この後、CPU4は、校正テーブル50を参照して、圧力レベルの各閾値に対応する受光レベルを各々求め、これらの値を受光レベルの各閾値として閾値テーブル52に格納する。すなわち、圧力が加えられていないときの受光レベルと最大圧力が加えられたときの受光レベルを、校正テーブル51に格納されている受光レベルと押圧力の関係と対応付け、前記受光レベルをグレーディングする際の基準となる閾値を求めている。
なお、上述した校正テーブル50と閾値テーブル52の生成は、手の各指毎に行われる。
【0070】
▲3▼触覚情報の計測
上述した閾値テーブル51の生成が終了すると、CPU4は、液晶表示部108に「腕に本体をバンドで固定し、ボタンを押してください。」とのメッセージを表示させる。使用者がメッセージに促され、リストバンド103を腕に巻きつけて装置本体100を固定しボタンを押すと、CPU4はこれを検出して、液晶表示部108に「触覚モード中」とのメッセージを表示させる。この後、人が手指で物を把持すると、人は指で物からの反力を触覚として感じる。このとき、脈波検出部1によって検出された受光信号LSが装置本体100に入力されると、CPUは、所定のサンプルタイミング毎に受光レベルを閾値テーブル51に格納されている各閾値と比較し、受光レベルをグレーティングし、その結果を触覚情報SJとして生成する。この触覚情報SJはデータレジスタ52に格納されると共に、液晶表示部108に転送され、そこに表示される。
【0071】
C.第2実施形態
第2実施形態は、第1実施形態で説明した触覚検出装置を用いた触覚伝送システムに関するものであって、把持感覚等の触覚を計測地点から距離を隔てた地点に伝送するものである。
1.触覚伝送システムの構成
まず、第2実施形態に係わる触覚伝送システムの構成を図面を参照しつつ説明する。図8は、触覚伝送システムのブロック図である。図において、第1,第2のパーソナルコンピュータPC1,PC2は、音声・画像入出力部AV1,AV2を備えている。音声・画像入出力部AV1,AV2は音声入力部としてのマイク、画像入力部としてのカメラ、音声出力部としてのスピーカ、および画像出力部としてのディスプレイから構成される(図示せず)。また、第1,第2のパーソナルコンピュータPC1,PC2は、赤外線を介して各々第1,第2の触覚検出装置A,Bと通信を行う赤外線インターフェース部ASF,BSFを各々備えている。また、通信インタフェースATF,BTFは、第1,第2の触覚情報SJa,SJbの送受信手段として機能し、これによって、ネットワークNETを介して第1,第2のパーソナルコンピュータPC1,PC2間で通信が行われる。
【0072】
2.触覚伝送システムの動作
次に、第2実施形態に係る触覚伝送システムの動作を図面を参照しつつ説明する。ここでは、本システムをゴルフレッスンに応用するものとし、第1の触覚検出装置A側にはインストラクターが、第2の触覚検出装置B側には受講生がいるものとする。
【0073】
インストラクターと受講生は、両手の各指に脈波検出部1をそれぞれ装着する。そして、インストラクターがゴルフクラブを握ると、各指の把持力に対応したした触覚情報SJaが第1の触覚検出装置Aによって検出される。この触覚情報SJaが赤外線インターフェース部A8を介して第1のパーソナルコンピュータPC1に転送されると、第1のパーソナルコンピュータPC1は、触覚情報SJaをネットワークNETを介して第2のパーソナルコンピュータPC2に転送する。一方、受講生がゴルフクラブを握ると、このとき検出される触覚情報SJbが逆の経路で第1のパーソナルコンピュータPC1に転送される。
【0074】
この場合、音声・画像入出力部AV1,AV2を構成するディスプレイには、例えば、図9に示す画面が表示される。画面中の白棒はインストラクターの触覚情報SJaに基づいて生成され、斜線を施した棒は受講生の触覚情報SJbに基づいて生成される。この画面によって、インストラクターが受講生の右手に力が入りすぎていることを認識すると、インストラクターは例えば「左手の親指と人さし指に力を入れ、右手は添える程度にしてください。」とアドバイスを受講生に対して行う。受講生は、上記画面とインストラクターからのアドバイスに基づいて、画面上の白棒と斜線を施した棒が一致するように各指に込める力を加減する。
【0075】
ここで、触覚情報SJaと触覚情報SJbは相対的な触覚を定量化した情報であるため、把持力の絶対値を一致させることはできないが、インストラクターは、ゴルフクラブを握る感覚を受講生に伝えることができる。
【0076】
D.第3実施形態
上述した第1実施形態で説明した触覚検出装置では、指先で物に触れる感覚を損なうことなく、押圧の程度を触覚情報としてグレーディングすることができる。したがって、上記触覚検出装置を脈診に適用すれば、押圧の程度をグレーディングすることが可能となり、脈診に熟練した医師の押圧の程度を第3者に客観的に伝えることができる。第3実施形態は、触覚検出装置を適用した脈診装置に関するものである。
【0077】
1.第3実施形態の構成
第3実施形態に係わる脈診装置の外観構成は、図4に示す第1実施形態の触覚検出装置と同様である。図10は、脈診装置の使用状態を示す説明図である。この例では、使用者が右手の指尖部に脈波検出部1を装着し、患者の橈骨動脈200を皮膚の上から押圧するものとする。この場合、脈波検出部1を装着する指は、示指、中指、薬指である。
【0078】
これにより、寸口と呼ばれる手首の内側にある橈骨動脈から脈動を感じとる。寸口の脈は、上、中、下すなわち、寸、関、尺の三部位にわけて検出される。ここで、寸は手首の動脈の末端側を指し、この寸の脈は人間の頭から胸までの健康状態を表している。寸の脈は、示指によって検出される。また、関は動脈の末端側と心臓側の中間を指し、胸から臓までの健康状態を表している。関の脈は中指によって検出される。また、尺は動脈の心臓側を指し、臓から脚までの健康状態を表している。尺の脈は薬指によって検出される。
【0079】
次に、脈診装置の電気的構成は、図4に示す第1実施形態の触覚検出装置の構成と同様である。但し、ROM6には、熟練した医師が脈診の際の触覚情報(押圧P)と指感hとの関係が(図16参照)、正態型、漸降型、漸昇型といった押圧指感趨勢曲線の類型毎にテーブルとして格納されている。また、ROM6には、押圧指感趨勢曲線の類型を判定できるように図11に示す閾値P1,P2が格納されている。この意味においてROM6は、脈診を行う際の押圧の程度を表す基準触覚情報を予め格納する記憶手段として機能する。
【0080】
2.第3実施形態の動作
次に、第3実施形態に係わる脈診装置の動作を図面を参照しつつ説明する。なお、脈診を行う前提として、第1実施形態の動作で説明した▲1▼校正テーブルの生成と▲2▼閾値テーブルの生成が行われているものとする。
【0081】
まず、使用者が、装置本体100を操作して脈診モードを選択し、この後、図10に示すように脈波検出部1を指尖部に装着するものとする。次に、使用者が示指、中指、薬指で患者の橈骨動脈200を押圧すると、各指尖部に装着された脈波検出部1が受光信号LSを検出し、これを装置本体100に出力する。CPU4は、所定のサンプルタイミング毎に受光レベルを閾値テーブル51に格納されている各閾値と比較し、受光レベルをグレーティングして、その結果を触覚情報SJとして生成する。この場合、触覚情報SJは、押圧した際に皮膚の組織および血管から指に加わる反力であるから、図16や図11に示す押圧Pを表している。
【0082】
この触覚情報SJは、CPU4の制御の下、液晶表示部108に転送され、そこに表示される。図12は、液晶表示部108の表示態様の一例を示したものである。この場合、寸に対応する棒グラフG1は、示指から得られる触覚情報SJに基づいて表示され、関に対応する棒グラフG2は中指から得られる触覚情報SJに基づいて表示され、尺に対応する棒グラフG3は薬指から得られる触覚情報SJに基づいて表示される。そして、各指の押圧の程度を変えると、これに応じて各棒グラフG1〜G3が上下する。したがって、使用者は、押圧の程度を各指毎に視覚的に認識することができる。また、区切線L1,L2の表示と長さが変動する棒グラフG1〜G3の表示によって、使用者は、例えば「沈」に対応する押圧の程度を知ることができる。具体的には、押圧の状態が図12に示すものであるならば、示指の押圧をに少し強めることで沈に対応する押圧の程度を知ることができる。この場合、液晶表示部108は、押圧(触覚情報SJ)が閾値P1,P2(基準触覚情報)に近づくように告知する告知手段として機能する。
【0083】
また、図12中の上部に示す区切線L1は、ROM6から読み出された閾値P2に対応するものであり、一方、その下部に示す区切線L2は閾値P1に対応するものである。仮に、棒グラフが区切線L1を越えるときに、最も大きな指感hが得れる場合(すなわち、脈動を明瞭に感ずる場合)には、押圧指感趨勢曲線は漸昇型であり、当該脈は沈脈であると診断できる。また、棒グラフが区切線L1を下回るときに、最も大きな指感hが得れる場合には、押圧指感趨勢曲線は漸降型であり、当該脈は浮脈であると診断できる。
【0084】
また、脈診装置本体100のボタンを操作すると、液晶表示部108に表示される棒グラフG1〜G3をピークホールドすることができるようになっている。棒グラフG1’〜G3’は、棒グラフG1〜G3をピークホールドしたものである。ここで、棒グラフG1’は示指から得られる触覚情報SJの最大値に基づいて表示され、棒グラフG2’は中指から得られる触覚情報SJの最大値に基づいて表示され、棒グラフG3’は薬指から得られる触覚情報SJの最大値に基づいて表示される。なお、最大値は触覚情報SJをCPUがピークホールドすることによって得ている。したがって、使用者は液晶表示部108を見ながら押圧することによって、押圧を最大にしたときの指感を知ることができる。また、棒グラフG1’〜G3’の内部に表示される矢印K90は、最大値の90%を各々示しており、また矢印K50は、最大値の50%を各々示している。これにより、最大押圧時の50%,90%がどの程度の指感であったかを確認することができる。
【0085】
この例にあっては、使用者は、指尖部で押圧の程度を感じながら、棒グラフ2が上下する様子を確認することができるので、各指の押圧の程度を調整して、熟練した医師が感ずる浮あるいは沈といった押圧の程度を知ることができる。また、例えば、寸の脈が浮であると検知された場合には、頭から胸までの部分に浮腫等が発生してる疑いがあると診断することができる。関の脈が沈で滑脈と検知された場合には、胃腸疾患の疑いがあると診断することができる。
【0086】
ところで、脈診においては、押圧の軽重を繰り返し最も明瞭に脈を触れることができる程度を探ることが行われるが、指感hは押圧Pの程度によって変動し、その態様によって押圧指感趨勢曲線が類型化されることは、前述したとおりである。したがって、最も明瞭に脈を感ずることができる押圧の程度だけでなく、その前後の脈のありようを知ることができれば、脈診に不慣れな使用者が、浮脈や沈脈といった脈の態様をより客観的に知ることができる。
【0087】
そこで、液晶表示部108に図13に示す画面を表示するようにしてもよい。図13に示す押圧指感趨勢曲線G4〜G6は、ROM6に格納されている各テーブルから読み出されて表示される。この例にあっては、漸降型の曲線G4は青色で、正態型の曲線G5は緑色で、漸昇型の曲線G6は赤色で表示される。また、左側の区切線L1’は閾値P1に対応し、右側の区切線L2’は閾値P2に対応する。次に、黒丸は寸の押圧に対応する指示点であって、示指から得られる触覚情報SJに基づいて表示される。黒三角は関の押圧に対応する指示点であって、中指から得られる触覚情報SJに基づいて表示される。黒四角は尺の押圧に対応する指示点であって、薬指から得られる触覚情報SJに基づいて表示される。そして、各指の押圧の程度を変えると、これに応じて各指示点が、押圧指感趨勢曲線G4〜G6に沿って移動するようになっている。
【0088】
例えば、関の押圧に着目する。ここで、使用者が図示する状態から押圧の程度を弱めたとすると、黒三角の指示点が矢印の方向に移動する。このとき、使用者が脈のありようが次第に不明瞭になっていったと感ずれば、当該脈は沈脈であると診断することができる。一方、脈を次第に明瞭に感ずることができるようになり、指示点が区切線L1’の左側に移動しても明瞭さが増すようであれば、当該脈は浮脈であると診断することができる。
【0089】
この例によれば、押圧Pの程度に応じて代表的な押圧指感趨勢曲線上を指示点が移動するので、使用者は指示点の動きを見ながら脈の明瞭さを指先で感じ取ることによって、脈の種類を特定することができる。したがって、脈診の精度をより高めることができる。
【0090】
E.まとめ
上述したように第1実施形態によれば、脈波検出部1は、各指の指尖部に装着できるように、センサユニット102と指サック104から構成したので、直接、物に触れたり物を掴むことができる。これにより、特殊なグローブを装着する必要がなくなり、操作者の負担を軽減し、ピュアな感覚の下に触覚を検出することができる。また、第1実施形態では校正テーブル50を予め用意し、圧力が加えられていないときの受光レベルと最大圧力が加えられたときの受光レベルを、校正テーブル50に格納されている受光レベルと押圧力の関係と対応付けて、各閾値を求め、さらに、この閾値によって受光レベルのグレーティングを行った。このため、人が物に触れたり物を掴む際に感ずる触覚を定量化することができる。
【0091】
また、上述したように第2実施形態によれば、第1,第2のパーソナルコンピュータPC1,PC2をネットワークNETを介して接続したので、第1,第2の触覚検出装置A,Bで検出された触覚情報SJa,bを相互に伝送することができる。
【0092】
また、上述したように第3実施形態によれば、触覚検出装置を脈診装置に適用したので、脈診に必要とされる微妙な押圧の程度を告知することができる。このため、従来、軽い重いといった言葉でしか知ることができなかった押圧の程度を実際に体験することができ、浮脈、沈脈といった脈象の判定を容易に行うことができる。
【0093】
F.変形例
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる種々の変形が可能である。
(1)上述した各実施形態において、脈波検出部1は、手の各指に装着されるものとして説明したが、図14に示すように構成してもよい。同図(A)は変形例に係わる脈波検出部1’の断面図であり、同図(B)はその平面図である。脈波検出部1’は、ケーブル101が接続されたセンサユニット102と粘着パット120から構成される。粘着パット120の下面には粘着材が塗布されている。このため、脈波検出部1’を生体の検出部位に張り付けて血液流を検出することができる。こうした脈波検出部1’を所定の検出部位に張り付けて、触覚を検出すれば、例えば、洋服のフィット感といった感覚を定量化することが可能となる。
【0094】
また、脈波検出部1は、偏光フィルタを用いた狭帯域ディテクタとして構成してもよい。図17にその一例を示す。図17(a)は、この変形例にかかる脈波検出部の概略構成を示す図である。
この図に示すように、脈波検出部Aは、発光素子10a(発光部)と、受光素子20a(受光部)と、偏光板31a(第1の偏光化手段)と、偏光板32a(第2の偏光化手段)と、受光素子の受光面に備えられるフィルタ40aとから構成され、検出対象となる散乱媒体(血液中のヘモグロビン)に対して光を出射するとともに、その反射光を入射するようになっている。このうち、偏光板31aは、発光素子10aの発光面に設けられ、偏光板32aは、受光素子20aの受光面に設けられて、それらの偏光方向は、互いに同方向である。このため、偏光板31a、32aを発光側と受光側とで分けることなく1枚板で構成しても良い。なお、この図では構成が簡略化されているが、実際には、発光素子10aと受光素子20aとは互いに別室に収容されて、発光素子10aにより発せられる光が直接、受光素子20aに入射しないようになっている。
【0095】
このような構成による脈波検出部Aによれば、発光素子10aによって発せられた光は、偏光板31aにより偏光化されて散乱媒体に出射される。当該出射光は、散乱媒体に到達して吸収されるものもあれば、反射するものもある。さらに、その反射光は、多重散乱を繰り返すものもあれば、受光素子20に直接向かうものもある。
【0096】
ここで、散乱媒体において多重散乱を繰り返した多重散乱光は、出射時の偏光状態を保存していないので、偏光板32aを一部しか通過しないが、多重散乱していない光、すなわち、直接反射光は、出射時の偏光状態を保存しているので、偏光板32aをその大部分が通過する。
したがって、偏光板32aを通過して受光素子20aに入射する光は、その大部分が散乱媒体において多重散乱していない直接反射光成分である。
【0097】
次に、受光素子20aについて説明する。図18は、受光素子20aとして最適なフォトダイオード200の構成を示す側断面図である。この図に示すように、フォトダイオード200は、基板(ウェハ)201上に、n型領域の下部ミラー202、空乏層203、p型領域の上部ミラー204を順次積層して形成したものであり、下部ミラー202および上部ミラー204からなる光共振器(光共振部)を有する構成となっている。かかる光共振器の共振波長λrは、下部ミラー202および上部ミラー204の間隔すなわち空乏層の厚さt1と、空乏層の屈折率nとにより次式のように決定される。
λr=2n・t1/m
【0098】
この式において、mは、1以上の整数を用いるが、共振波長の間隔を大きくとるために、通常、「1」または「2」を用いて設計される。
また、下部ミラー202の下層には電極212が形成され、上部ミラー204の上層には電極214が形成されている。そして、同図(b)に示すように、両電極には、直流電源Eと抵抗Rとが直列接続されて、逆バイアスされている。ここで、上部ミラー204には、開口部215が設けられ、ここに散乱媒体による反射光が入射される。入射した光は、光共振器中を往復する光を励振することで増幅され、空乏層203において伝導電子・正孔対を発生させる。したがって、空乏層203に到達する光量に応じた電流が、下部ミラー202から上部ミラー204へと流れる。このため、電極212および214間の電圧を出力信号Voutとして取り出すことによって、フォトダイオード200の受光量を検出することができる。
【0099】
さて、下部ミラー202および上部ミラー204は、全波長域にわたって高反射率であれば理想的だが、そのような反射特性を得るには、実際問題として困難である。そこで、本実施形態においては、上記光共振器の共振波長を含む一定幅の帯域において、反射率が高くなるようにした。
このため、上部ミラー204については、屈折率が高い材料と、低い材料とを交互に積層して形成される。ここで、高反射率となる波長域は、積層する材料の屈折率の差で定まり、その差が大きい程、帯域が広くなる。このため、上部ミラー204の材料としては、屈折率の差が大きい材料を組み合わせるのが望ましい。例えば、AlGaAs系などの半導体を用い、AlおよびGaの比率を変えた材料を積層することで上部ミラーを形成することができる。なお、下部ミラー202についても、ほぼ同様な構成となる。そして、フィルタ40aとの組合せによって、狭帯域の光が受光されるようになっている。
【0100】
次に、発光素子10aについて説明する。本発明では、前述のように、用いる光の波長を、フィルタ40aと受光素子20aとで選択する構成としているので、発光素子10aとしては、受光素子20aが最終的に検出する波長λrを含んだ光を、発するものであれば良い。このため、発光素子10aとしては、一般的な発光ダイオードを用いても良いが、望ましくは、次に説明するような面発光型の半導体レーザを用いるのが良い。
【0101】
図19は、発光素子10aとして最適な面発光型の半導体レーザ400の構成を示す側断面図である。この図に示すように、面発光型の半導体レーザ400は、基板(ウェハ)401上に、n型領域の下部ミラー402、活性層403、p型領域の上部ミラー404を順次積層して形成したものであり、下部ミラー402および上部ミラー404からなる一種の光共振器を有する。かかる光共振器の共振波長は、下部ミラー402および上部ミラー404の間隔、すなわち共振器長t2で決定される。また、下部ミラー402の下層には電極412が形成され、また、上部ミラー404の上層には開口部414を有する電極414が形成されて、順バイアスされている。
【0102】
この半導体レーザ400において、電極412から伝導電子、電極414から正孔が注入されると、これらのキャリアは、拡散し続けて活性層413に達する。ここでは、上部の電極404から注入されたキャリアを開口部415直下の活性層403に集めるため、狭窄層416を設けるのが望ましい。活性層403に達した伝導電子および正孔は、再結合して光を放出する。放出された光は、光共振器を往復するとともに、活性層413を通過する際に誘導放出を誘起する。これにより、光共振器内に出力の大きな光が閉じこめられ、その一部が上部ミラー404を透過して、レーザ光として出射される。
【0103】
ここで、半導体レーザ400の構成は、フォトダイオード200の構成と、基本的に共通である点に留意すべきであり、発振波長と感度波長とは、ともに共振器長t2、空乏層の厚さt1で決定される。したがって、これらの素子を、同一基板ウェハ上であって、その活性層、空乏層を同一の層成長プロセスで形成すると、用いる光の波長を外光の影響を受けにくい帯域に選択することが容易となるばかりでなく、発振波長と感度波長とを容易に揃えることもできる。
【0104】
このように、偏光板32aおよびフィルタ40aを通過して、受光素子20aで最終的に検出される光は、散乱媒体において多重散乱していない直接反射光成分の比率が高く、かつ、外光の影響が小さい波長λrの光となる。このため、散乱媒体による反射光のうち、直接反射光成分のみを、外光による影響を少なくした検出する事が可能となる。
【0105】
なお、フィルタ40aは、受光素子に入射する反射光のうち、波長λ1以下の光をカットするのが目的であるから、偏光板32aあるいはフィルタ40aのどちらを上面に配置しても構わない。
このように脈波検出部を狭帯域ディテクタとして構成すると、外光の影響を受けにくいものとすることができるので、脈波信号のSN比を向上させることができる。
【0106】
(2)上述した各実施形態において、触覚の指標として受光レベルの直流成分を用いたが、その替わりに動脈血成分に対応する受光レベルの交流成分を用いてもよい。具体的には、CPU4によって受光信号LSの高域周波数成分を交流成分として分離し、交流成分と押圧力の関係を校正テーブル50に格納し、これに基づいて閾値テーブル51を生成すればよい。この場合には、被験者のおかれている環境の影響を受けることなく触覚を定量化することができる。
また、受光レベルの直流成分と交流成分の比を触覚の指標としてもよい。この場合には、上記比をCPU4で算出し、比と押圧力の関係を校正テーブル50に格納し、これに基づいて閾値テーブル51を生成すればよい。
さらに、受光レベルの直流成分と交流成分といったように、各種の触覚指標を適宜組み合わせて使用してもよく、要は受光レベルに基づいて得られる指標であればどのようなものであってもよい。
【0107】
(3)上述した各実施形態において、受光レベルの直流成分は、相対的なもので足りるため、圧力センサ103は厳密なものでなくともよいことを前提に説明したが、精密に圧力を測定できる圧力センサ103を使用して上記各種の触覚指標と押圧力の関係を校正テーブル50に予め格納し、把持力等の触覚情報SJを絶対圧として検出してもよい。
【0108】
(4)上述した各実施形態では、校正テーブル50を参照して、触覚情報SJを生成する際の基準となる各閾値を算出したが、これを参照することなく各閾値を求めてもよい。この場合には、指に圧力が加えられていないときの受光レベル(最大値Lmax)と最大圧力が加えられたときの受光レベル(最小値Lmin)との間を、必要とされるグレーティングの数に応じて分割し、これを各閾値として閾値テーブル51に格納すればよい。この変形例では、受光レベルの最小値Lminと最大値Lmaxを求めることができれば触覚をグレーディングできるので、圧力センサ110を省略し、指で何も把持していない場合の受光レベルを最大値Lmaxとして検出し、指で物を最大圧力で把持した場合の受光レベルを最小値Lminとして検出すればよい。
さらに、グレーティングを2値で行う場合には、指でなにも把持していない場合の受光レベルのみを閾値として触覚を検出してもよい。この場合でも、物に触れたか否かといった微妙な触覚を定量化することができる。
【0109】
(5)上述した各実施形態においては、受光レベルの直流成分はCPU4で求めることとしたが、脈波検出部1とA/D変換部2の間に低域通過フィルタを設け、その直流成分を直接デジタル信号に変換するようにしてもよい。また、触覚の指標として、受光レベルの交流成分を用いる場合には、脈波検出部1とA/D変換部2の間に高域通過フィルタとアンプを設ければよい。この場合には、A/D変換部2のダイナミックレンジを有効に活用し、高いS/Nの交流成分を触覚指標として用いることができる。
【0110】
(6)上述した第1実施形態で説明した触覚検出装置を、アミューズメントの分野に応用してもよい。例えば、戦闘のシュミレーションゲームでは、3個のボタンとジョイスティックがキャラクタの操作子として用いられ、これらの操作を適宜組み合わせることによって、攻撃パターンが選択されることが多い。この場合、3個のボタンの替わりに触覚検出装置を用いることができる。具体的には、プレイヤーは、右手第1指,第2指,第3指に脈波検出部1を装着し、左手でジョイスティックを操作する。そして、ゲームの進行に併せて右手第1指〜第3指を操作盤に押圧することによって、ボタンを押し下げる場合と同様の作用を奏することができる。この場合、2値のグレーティングを行うことによって、ボタンの替わり使用することができるが、例えば、5値のグレーティングを行うならば、より複雑な動作をキャラクタに与えることができ、高度なエンターテイメントを演出することができる。
【0111】
(7)また上述した第1実施形態で説明した触覚検出装置をキーボードやマウス等の情報入力装置に応用してもよい。例えば、テンキーに応用する場合には、両手の各指に脈波検出部1を装着し、2値でグレーディングを行い、各指で検出される触覚情報SJを0〜9の数値に割り当てればよい。この場合には、キーを探す必要がないので、入力速度を飛躍的に向上させることができる。また、キーの重さを感ずることもないので、腱鞘炎といったキー入力に伴う弊害を防ぐこともできる。
【0112】
また、コンピュータ用のキーボードとしては、JIS配列やアスキー配列等が知られているが、それらで用いられるキーの数は10を越える。このため、両手各指からの触覚情報SJからだけでは足らないが、同時に複数の指に押圧を加えることによって、これを補うことができる。また、例えば、5つの領域に分割されたシート状のキーボードと、触覚検出装置を組み合わせて用いるようにしてもよい。この場合には、キーボード自体が不要になったり、小型化を図ることができる。
【0113】
また、マウスは通常、2つのボタン等から構成されるが、このボタンの替わりに触覚検出装置を用いることができる。
また触覚検出装置を各種把握を伴う製品の評価・設計支援や、手指機能に障害がある方の手指機能の診断およびリハビリテーションへ応用することもできる。また、タイピストの指チェックに応用することもできる。
【0114】
(8)上述した第2実施形態で説明した触覚伝送システムにおいて、第2の触覚検出装置ともに、機械的な作用を手に付与する押圧手段を用いてもよい。この場合、第2のパーソナルコンピュータPC2は、外部から供給される触覚情報SJaと第2の触覚検出装置Bで検出される触覚情報SJbを比較し、触覚情報SJaと触覚情報SJbが一致するように押圧手段を制御して、指(検出部位)に圧力を加えればよい。
【0115】
また、これを第3実施形態で説明した脈診装置に適用して脈診情報伝送システムを構成してもよい。この場合、患者自らが脈波検出部1を指尖部に装着して脈診を行うと、受光信号に応じた触覚情報SJが生成される。この触覚情報SJが脈診情報として、図8に示す第1のパーソナコンピュータPC1から、ネットワークNETを介して医師側にある第2のパーソナルコンピュータに供給される。すると、第2のパーソナルコンピュータPC2は、外部から供給される脈診情報(触覚情報SJa)と第2の触覚検出装置Bで検出される触覚情報SJbを比較し、触覚情報SJaと触覚情報SJbが一致するように押圧手段を制御して、医師の指(検出部位)に圧力を加える。これによって、医師は、患者の脈を知ることができる。この場合、患者自らが脈診を行うのではなく、介護者が脈波検出部1を指尖部に装着して脈診を行うようにしてもよい。これにより、いわゆる在宅医療を行うことができる。
【0116】
なお、上述した第2実施形態の触覚伝送システムにおいて、第1のパーソナルコンピュータPC1と第1の触覚検出装置Aの間、および第2のパーソナルコンピュータPC2と第2の触覚検出装置Bの間にあっては、赤外線で通信を行うここととしたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、電波を用いて通信を行ってもよく、要は、人が物を把持する際に邪魔にならないような通信方式であればどのようなものを用いてもよい。
【0117】
(9)上述した第3実施形態では、熟練した医師の触覚情報をROM6に格納したが、患者を診察する際に医師が脈診を行い、その際に適切な脈象が得られるように橈骨動脈上の表皮を押圧し、この時の触覚情報をデータレジスタ52に格納してもよい。この後、学生が、脈波検出部1を装着して同一の患者に対し脈診を行い、液晶表示部108に表示される棒グラフに従って押圧の程度を調整する。この場合には、熟練した医師から弦脈,滑脈,平脈といった脈の種類に関するアドバイスを受けることができるので、微妙な押圧の程度と脈の感じ方を同時に学ぶことができる。
【0118】
(10)上述した第3実施形態において、グレーディングを浮、中、沈に対応する3段階で行い、液晶表示部108に、「浮、中、沈」といった文字を表示するようにしてもよい。また、これに対応する「1,2,3」といった記号、長さの異なる棒グラフ等で脈診情報を表示してもよい。この場合、CPU4はROM6に格納されている閾値P1,P2(基準触覚情報)に基づいて触覚情報SJをグレーディングして脈診情報を生成する脈診情報生成手段として機能する。
また、上述した第3実施形態においては、使用者(第三者)が患者(被験者)を診断する際に使用者自身に押圧の程度を告知するものであったが、液晶表示部108をデイスプレイに置き換えて患者に告知するようにしてもよい。また、使用者が自分自身(被験者)の脈を測定してもよいことは勿論である。
【0119】
(11)上述した第3実施形態においては、脈診における押圧の程度を触覚情報SJによって検出し、これにより浮脈、沈脈といった脈象を特定したが、本発明は、これに限定されるものではなく、触覚情報SJに基づいて脈診を行うのであれば、どのような装置に適用してもよい。触覚情報SJは脈波検出部1を装着した指尖部で感ずる反力を表すものであるから、医師が脈診を行う際に指先で感ずる触覚を定量化したものである。したがって、触覚情報SJを解析することによって、脈のありようを検知することができる。例えば、触覚情報SJの交流成分は、患者の脈波波形である。したがって、その脈波波形を解析することによって、弦脈、平脈、滑脈といった脈象を特定し生体の健康状態を診断してもよい。
【0120】
また、上述した第3実施形態においては、上記触覚情報SJを算出する際に、図5に示す圧力センサ110を用いて校正テーブル50を生成しこれに基づいて閾値テーブル51を生成したが、上述した変形例(4)で説明したように、圧力センサ110と校正テーブル50を用いることなく、触覚情報SJを生成してもよいことは勿論である。この場合には、脈診を行う人自身の押圧の程度、すなわち、押圧を加えていないとき、浮、中、沈等の状態を、測定者がその押圧と判断したときの脈波信号の直流成分でグレーディングすることができる。
なお、上述した変形例(2),(3)を第3実施形態に適用してもよいことは勿論である。
【0121】
(12)上述した各実施形態においては、脈波検出部1で検出された受光信号を閾値をグレーディングして、触覚情報SJを生成したが、触覚情報SJは押圧の程度を示すものであるから、受光信号の示す受光光量に応じた触覚情報SJであれば、グレーディングの必要はない。要は、受光信号に基づいて触覚情報SJを生成すればよい。
【0122】
また、上述した各実施形態においては、視覚に訴える告知手段として液晶表示部を用いたが、本発明に係わる告知手段はこれに限定されるものではなく、聴覚、嗅覚、触覚といった人の五感に訴え、触覚情報SJを告知できるものであればどのようなものであってもよい。
例えば、聴覚に訴える告知手段では、触覚情報SJを音声によって告知すればよく、これにより、目の不自由な人でも扱える装置を提供することができる。触覚情報SJを5段階にグレーディングする場合、今の触覚情報SJがレベル3であるとすれば、「押圧はレベル3です。」といった音声メッセージをスピーカやイヤホーンを介して流せばよい。
【0123】
【発明の効果】
上述したように本発明の発明特定事項によれば、直接、物に触れたり物を掴むことができる状態で触覚を定量化した触覚情報を検出することができる。また、装置の構成が簡単であるので、被験者の負担となることもない。また、物に触れたか否かといった微妙な触覚を検出することができる。さらに、相対的な触覚の伝送や再現を行うことができる。また、脈診において押圧の程度を客観的に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ランバートベールの法則を示す説明図である。
【図2】 人の血管部分に外部から光を照射したときの吸光度の分布の一例を示す説明図である。
【図3】 体内各部における血圧の一例を示すグラフである。
【図4】 本発明の第1実施形態に係わる触覚検出装置の外観構成の例を示す説明図である。
【図5】 同実施形態に係わる触覚検出装置のブロック図である。
【図6】 同実施形態に用いられる脈波検出部1の詳細な構成を示す回路図である。
【図7】 3人の被験者に対して測定した圧力と受光レベルの関係を示したグラフである。
【図8】 本発明の第2実施形態に係わる触覚伝送システムのブロック図である。
【図9】 同実施形態に係わる第1,第2のパーソナルコンピュータのディスプレイに表示される画面の一例を説明するための説明図である。
【図10】 本発明の第3実施形態に係わる脈診装置の使用状態を示す説明図である。
【図11】 同実施形態に係わる押圧指感趨勢曲線と閾値の関係を示す説明図である。
【図12】 同実施形態に係わる液晶表示部の表示態様の一例を示したものである。
【図13】 同実施形態に係わる液晶表示部の表示態様の他の例を示したものである。
【図14】 (A)は変形例に係わる脈波検出部1’の構成例の断面図、(B)はその平面図である。
【図15】 押圧指感趨勢図を説明するための図である。
【図16】 代表的な押圧指感趨勢曲線を示す図である。
【図17】 (a)は、変形例にかかる脈波検出部であって、直接反射光成分を検出する場合の構成を示す概略構成図であり、(b)は、散乱光成分を検出する場合の概略構成図である。
【図18】 (a)は、変形例にかかる受光素子として最適なフォトダイオードの構成を示す側断面図であり、(b)は、出力を取り出すための電気的回路である。
【図19】 変形例の発光素子として最適な半導体レーザの構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1,1’…脈波検出部(検出手段)、4…CPU(閾値算出手段、触覚情報生成手段、脈診手段、脈診情報生成手段)、6…ROM(記憶手段)、50…校正テーブル、51…閾値テーブル、LS…受光信号、PS…圧力信号、SJ…触覚情報、AV1,AV2…音声・画像入出力手段(告知手段)、ATF,BTF…通信インタフェース部(送信手段、受信手段)。

Claims (7)

  1. 生体の検出部位に光を照射したときに得られる反射光を受光して受光信号を検出する検出手段と、
    前記検出部位に圧力が加えられていないときの前記受光信号に基づいて、記受光信号をグレーディングする際の基準となる閾値を算出する閾値算出手段と、
    前記閾値を格納する閾値テーブルと、
    前記受光信号と前記閾値とを比較して前記受光信号をグレーディングすることにより、前記検出部位の触覚を定量化した触覚情報を生成する触覚情報生成手段と
    を備え、
    前記閾値算出手段は、前記受光信号の直流レベルおよび振幅レベルの少なくともいずれか一方に基づいて、前記受光信号をグレーディングする際の基準となる閾値を算出する
    ことを特徴とする触覚検出装置。
  2. 前記検出手段は、
    光を発する発光部と、
    前記発光部より発せられる光を偏光化させる第1の偏光化部と、
    偏光化された光の反射光を入射して、特定方向の偏光成分を通過させる第2の偏光化部と、
    前記第2の偏光化部を通過した光を受光して受光信号を出力する受光部と
    を備えたこと特徴とする請求項1に記載の触覚検出装置。
  3. 請求項1に記載した触覚検出装置を備えた触覚再現装置であって、
    外部から供給される触覚情報と前記触覚情報生成手段で生成される触覚情報を比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に基づいて、外部から供給される触覚情報と前記触覚情報生成手段で生成される触覚情報とが一致するように前記検出部位に圧力を加える押圧手段と
    を備えることを特徴とする触覚再現装置。
  4. 送信側に請求項1に記載した触覚検出装置を備え、受信側に請求項3に記載した触覚再現装置を備えた触覚伝送システムであって、
    ネットワークとの間で通信を行い、前記触覚検出装置で検出された触覚情報を前記ネットワークに送信する送信手段と、
    前記ネットワークとの間で通信を行い、前記送信側からの触覚情報を前記外部から供給される触覚情報として出力する受信手段と
    を備えたことを特徴とする触覚伝送システム。
  5. 請求項1に記載の触覚検出装置を備えた脈診装置であって、
    前記検出手段は指尖部に設けられ、
    脈診を行う際の押圧の程度を表す基準触覚情報を予め格納する記憶手段と、
    前記触覚情報生成手段で生成される前記触覚情報と前記基準触覚情報とに基づいて脈診を行う脈診手段と
    を備えたことを特徴とする脈診装置。
  6. 請求項1に記載の触覚検出装置を備えた脈診装置であって、
    前記検出手段は指尖部に設けられ、
    脈診を行う際の押圧の程度を表す基準触覚情報を予め格納する記憶手段と、
    前記基準触覚情報に基づいて前記触覚情報をグレーディングして脈診情報を生成する脈診情報生成手段と、
    前記脈診情報を告知する告知手段と
    を備えたことを特徴とする脈診教育装置。
  7. 送信側に請求項1に記載した触覚検出装置を備え、受信側に請求項3に記載した触覚再現装置を備えた脈診情報伝送システムであって、
    前記検出手段は指尖部に設けられ、
    ネットワークとの間で通信を行い、前記触覚検出装置で検出された触覚情報を脈診情報として前記ネットワークに送信する送信手段と、
    前記ネットワークとの間で通信を行い、前記送信側からの前記脈診情報を前記外部から供給される触覚情報として前記触覚再現装置に出力する受信手段と
    を備えたことを特徴とする脈診情報伝送システム。
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