JP3873280B2 - 車両用計器装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用計器とは電気的な接続が不要である車体側のハーネス側コネクタを装着可能とした車両用計器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、例えば速度計1と燃料計2を備えた車両用計器装置を示す断面図である。硬質な回路基板3と、この回路基板3の裏面側に回路基板3と導通状態で装着され、回路基板3を貫通して前方に延びる回動軸4を有する計器本体5と、回動軸4の先端側に固着される指針軸6を有する指針7と、この指針7の後方に配置され指針7の動作に対応する速度計1用および燃料計2用の各表示部(図示せず)を施した表示板8と、回路基板3上に実装され指針7の指示部9を照明する光源としての例えば白色で発光する発光ダイオード10と、表示板8の表示部を照明する例えば赤色で発光する発光ダイオード10Aと、表示板8と回路基板3との間に配置され、表示板8を保持する白色の合成樹脂からなる保持部材11と、回路基板3の裏面側を覆う合成樹脂製のカバー部材12と、表示板8の前方側に配置され表示板8の可視領域を定める開口部13を有する覆い部材としての見返し14と、この見返し14の前方側を覆う無色透明な透視板15を備えている。
【0003】
指針7は無色透明な合成樹脂からなる指示部9と、指針軸6と、指示部9の基部周囲(指針軸6の上方)を覆う遮光部材としての黒色の指針キャップ16を備えている。指示部9の裏面には赤色の箔がホットスタンプされている。この指針7は指針軸6を計器本体5の回動軸4の先端側に圧入することによって計器本体5に固着されている。指針7の指示部9は赤色で視認されるが、回路基板3上に実装された発光ダイオード10が発光した際も、指示部9の裏面に設けた赤色の箔に発光ダイオードから導かれた光が反射して赤色で視認されるようになっている。
【0004】
表示板8は、詳細は図示しないが、無色透明な基板の表面側に車両の速度や燃料残量などを現す目盛,数字などの表示部となる例えば白色の透過性表示層を形成し、表示部を除いて例えば黒色の地色層を形成してある。速度計1用と燃料計2用の表示板8を一体としたが、別体でも良い。また、本車両用計器装置の表示板8には速度計1用および燃料計2用の各表示部あるいは車両の運転状態を示す各表示部(図示せず)とは別個の、例えば車が障害物に接近したことを感知して運転者に知らせる報知表示部17が、速度計1や燃料計2の表示部と同様に白色で設けてある(詳細は図示せず)。
【0005】
保持部材11は遮光性のある白色の合成樹脂からなり、回動軸4周囲の指針7照明用の発光ダイオード10と表示板8を照明する発光ダイオード10Aとの間に立設した筒状部18と、見返し14の開口部13にほぼ対応して傾斜して形成された反射部19と、表示板8が載置される前面部20を備えている。
【0006】
そして、夜間あるいは周囲が暗い時、発光ダイオード10Aを点灯させると、発光ダイオード10Aからの光は直接、あるいは反射部19に反射してそれぞれ表示板8の裏面側を照射する。すると、昼間時には黒色の地に白色で視認されていた表示部が赤色で透過表示する。この様に、保持部材11は表示板8を保持するとともに、反射部材としての役目も果たしている。
【0007】
回路基板1には、速度計1や燃料計2の計器本体3を駆動する図示しない電子部品や前述した発光ダイオード10,10Aなどが実装されるとともに、裏面側には回路基板1に電気的な入力信号を取り込むための方形のコネクタ21が固着してある。このコネクタ21は車体側の給電用ハーネス22に備えられたハーネス側コネクタ23と接続するための接続口を後方に向け、一体に設けられた取付部24に回路基板3の表面側からねじ25を用いて締め付けられているとともに、コネクタ21内に内蔵された端子26の一端を回路基板3に挿通させて半田付して電気的に接続させてある。
【0008】
また、回路基板1には前述した報知表示部17を表示させるための例えば赤色で発光する発光ダイオード10Bが実装してあり、この発光ダイオード10Bが点灯した際、報知表示部17が赤色で透過照明するようになっている。そして、裏面側には発光ダイオード10Bと電気的に接続され、その入力信号を取り込むための方形のコネクタ21Aが固着してある。このコネクタ21Aは車体側の給電用ハーネス22Aに備えられたハーネス側コネクタ23Aと接続するための接続口を後方に向け、一体に設けられた取付部24に回路基板3の表面側からねじ25を用いて締め付けられているとともに、コネクタ21A内に内蔵された端子26の一端を回路基板3に挿通させて半田付して電気的に接続させてある。
【0009】
なお、速度計1や燃料計2を駆動したり、指針7や表示板8を照明する発光ダイオード10,10Aを点灯させる回路などと、報知表示部17を表示させる発光ダイオード10Bを点灯させる回路とは分離した回路構成となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一方、車の種類によっては、前述した様な報知表示部17が無い計器装置を搭載した車両もある。報知表示部17が不要となれば、報知表示部17を表示させる発光ダイオード10Bやコネクタ21Aなども必要なく、車体側との電気的な接続が不要であるが、車体側の給電用ハーネス22Aは報知表示部17付と同じものを使用する(共通使用する)ため、車両用計器装置側にハーネス側コネクタ23Aを装着させる必要がある。そのために、回路基板3には端子無しのコネクタ21Aをねじ25を用いて回路基板3に締め付け、この端子無しのコネクタ21Aにハーネス側コネクタ23Aを挿入させていた。
【0011】
しかしながら、車体側との電気的な接続が不要であるにも関わらず、ねじ25を用いてコネクタ21Aを回路基板3に締め付け固定しなければならず、コネクタ21Aという部品が必要で、組み付け工数もかかっていた。
【0012】
本発明はこの様な点に鑑みなされたもので、車両用計器と電気的な接続が不要であるハーネス側コネクタを容易に装着可能とした車両用計器装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、計器が導通状態で組み付けられた回路基板と、この回路基板の裏面側に配置されたカバー部材と、このカバー部材に形成され、前記回路基板とは非導通状態で車体側のハーネス側コネクタを挿入することによって、このハーネス側コネクタが装着されるコネクタ嵌合部とを備えたものである。
【0014】
また、前記コネクタ嵌合部にハーネス側コネクタが挿入された際、ハーネス側コネクタに圧接する弾性片を設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を車両用の計器装置を実施形態として説明するが、従来例と基本的な構成は同じため、同一または相当箇所には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。図1〜図3は本発明の実施形態を示す。図1は車両用計器装置を示す断面図であり、図2はカバー部材12に形成されたコネクタ嵌合部27をカバー部材12の裏面側から見た図である。図3はコネクタ嵌合部27の断面(図2におけるA−A断面)を示す。
【0016】
従来例と同様に、車両用の計器である例えば、速度計1と燃料計2が導通状態で回路基板3に組み付けられている。また、車両用計器装置には報知表示部が設けられていない。従って、回路基板3には報知表示部を透過照明させる発光ダイオード10Bやコネクタ21Aなども実装されていない。しかしながら、前述したように車体側のハーネスは報知表示部17付と同じものを使用するため、車両用計器装置側にハーネス側コネクタ23Aを装着させる必要がある。
【0017】
そのため、回路基板3の裏面側を覆うように配置してあるカバー部材12に、ハーネス側コネクタ23Aが挿入されるコネクタ嵌合部27を形成する。コネクタ嵌合部27は、カバー部材12の底面側から回路基板3側に向かって方形の凹部28を形成し、この凹部28内にハーネス側コネクタ23Aを挿入することによってハーネス側コネクタ23Aがカバー部材12に装着されるようになっている。凹部28は周壁29と底壁30を設けることによって形成されるものである。なお、コネクタ嵌合部27には係止部31が設けてある。この係止部31を設けることによって、ハーネス側コネクタ23Aを凹部28内に挿入した際に係止部31がストッパーとなって、ハーネス側コネクタ23Aがコネクタ嵌合部27から容易に抜けないようになっている。
【0018】
また、本実施形態においては周壁29に2個の弾性片32を設けてある。弾性片32は先端側(底壁30側)を内側に僅かに傾けてある。従って、凹部28内にハーネス側コネクタ23Aを挿入する際、弾性片32は外側に撓み、挿入後は弾性片32がハーネス側コネクタ23Aに圧接する(圧する)ようになる。また、コネクタ嵌合部27の底壁30にも弾性片32Aが設けてある。この弾性片32Aには内側に向けて突起33が設けてある。従って、凹部28内にハーネス側コネクタ23Aを挿入した際にも、弾性片32Aの突起33でハーネス側コネクタ23Aの先端面34が圧接されるようになっている。
【0019】
この様に、車両用計器と電気的な接続が不要であるハーネス側コネクタ23Aを装着するためのコネクタ嵌合部27をカバー部材12に形成したことにより、従来のように別部品を使う必要が無く容易にカバー部材12に装着できる。なお、コネクタ嵌合部27をカバー部材12の底面部に形成したが、底面部と回路基板3との間の側面側に形成しても良い。
【0020】
また、コネクタ嵌合部27に弾性片32を設けてハーネス側コネクタ23Aを両側より圧するようにするとともに、コネクタ嵌合部27の底壁30に弾性片32Aを設けて、係止部31と弾性片32Aに設けた突起33との間でハーネス側コネクタ23Aを挟んだ状態としたことにより、コネクタ嵌合部27の寸法がハーネス側コネクタ23Aが嵌合する本来のコネクタ(図4に示すコネクタ21A)の寸法と僅かに異なっていたとしても、コネクタ嵌合部27の中でハーネス側コネクタ23Aががたついたりすることがなく、確実にカバー部材12に装着される。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、車両用計器と電気的な接続が不要であるハーネス側コネクタを容易に装着可能とした車両用計器装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す車両用計器装置の断面図。
【図2】同実施形態のコネクタ嵌合部の平面図。
【図3】同実施形態のコネクタ嵌合部の断面図(図2におけるA−A断面)。
【図4】報知表示部付の車両用計器装置を示す断面図。
【符号の説明】
1 速度計(計器)
2 燃料計(計器)
3 回路基板
12 カバー部材
21,21A コネクタ
23,23A ハーネス側コネクタ
27 コネクタ嵌合部
32,32A 弾性片
Claims (2)
- 計器が導通状態で組み付けられた回路基板と、この回路基板の裏面側に配置されたカバー部材と、このカバー部材に形成され、前記回路基板とは非導通状態で車体側のハーネス側コネクタを挿入することによって、このハーネス側コネクタが装着されるコネクタ嵌合部とを備えたことを特徴とする車両用計器装置。
- 前記コネクタ嵌合部にハーネス側コネクタが挿入された際、ハーネス側コネクタに圧接する弾性片を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用計器装置。
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