JP3873154B2 - 焼酎廃液の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、焼酎製造工程の中の蒸留工程で発生する蒸留廃液(焼酎廃液という)の処理方法を改善することを目的とした焼酎廃液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来焼酎廃液の処理方法としては、メタン発酵法、酵母処理法、上向流嫌気性汚泥床法、高分子膜処理法などの前記処理方法のいずれかを行った後、固液分離により固形物を除去した液を活性汚泥処理する方法が知られている。また熱処理により濃縮乾燥する方法も知られている。
【0003】
【発明により解決しようとする課題】
焼酎廃液は、BOD濃度が高い(3万〜8万ppm)上に高濃度の固形物(SS濃度3万〜5万ppm)を含み、更にヌルヌル、ベタベタといった粘性もある。これらの性状のために活性汚泥法のような単純な方法では下水放流値を満足する処理液が得られない。また焼酎廃液中の固形物を固液分離して除去した後に得られた液についても同様で、活性汚泥処理のみでは下水放流値をクリアーする処理液は得られない。即ち活性汚泥の維持が難しく、処理液は白濁し魚が腐ったような悪臭を発するなどの問題点があった。
【0004】
従って焼酎廃液の処理には、前記のような幾つかの方法を組み合わせた処理方法や単純に熱処理により濃縮乾燥する方法が用いられてきた。
【0005】
これら従来の方法では、下水放流基準値または河川放流基準値をクリアーする処理液が得られるけれども、装置が高価であり、維持管理が煩雑で人手がかかる等の問題点があった。特に廃水処理にコストと人手をかけられない小規模メーカーには経済的に導入が困難であった。また放流基準値はクリアーするものの活性汚泥処理等の好気性処理の際に悪臭が発生するため、廃水処理装置に脱臭装置を付けなければならず、更に装置コストを高くする問題点があった。
【0006】
こうした状況において、焼酎廃液を低コストで簡便に、即ち高価な装置を用いずに、維持管理が容易で悪臭を発生せず、かつ短時間で処理できる技術が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、焼酎廃液を、加熱または加圧加熱処理して得られる液を生物処理することにより、または焼酎廃液を、加熱または加圧加熱処理した後、固液分離により固形物を除去して、生物易分解性の液を得て、その液を生物処理することにより、前記従来の問題点を解決したのである。
【0008】
即ち方法の発明は、焼酎廃液を、70℃〜150℃で1分〜10分間加熱または加圧加熱して得られた液を、生物処理することを特徴とした焼酎廃液の処理方法であり、焼酎廃液を、70℃〜150℃で1分〜10分間加熱または加圧加熱し、ついで固液分離の処理をして得られた液を生物処理することを特徴とした焼酎廃液の処理方法である。また、生物処理は、活性汚泥処理、生物膜処理または三相流動層処理或いはこれらの複合処理とするものであり、固液分離は、ベルトプレス、遠心分離、加圧分離、真空分離またはスクリュープレスなどにより固形物と液が分離されるものである。
【0009】
次にこの発明を実施する装置は、焼酎廃液を貯留する廃水槽と、廃水を加熱する加熱装置及び廃水中の固形物を分離除去する固液分離装置並びに生物処理装置とを順次連結したことを特徴とする焼酎廃液の処理装置であり、加熱装置は、断熱壁により構成した高温チャンバーに、加熱装置と、処理液の排水装置を付設したものである。また断熱壁により構成した高温チャンバーに、蒸気混合装置と、処理液の排水装置を付設したものである。
【0010】
次に固液分離装置は、ベルトプレス、遠心分離機、加圧分離機、真空分離機またはスクリュープレスなどを用いるものであり、生物処理装置は、活性汚泥装置、生物膜装置または三相流動層装置或いはこれらの装置の二つないしは三つを連結したものである。更に生物膜装置に用いる生物担体は、多孔性セラミックスまたは活性炭或いは多孔性セラミックスと活性炭の混合物としたものであり、処理液の排水装置は、排出用サイフォンとしたものである。
【0011】
この発明における高温熱処理とは、70℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃、更に好ましくは80℃〜100℃であって、加熱により焼酎廃液中の微生物を死滅あるいは失活させるともに、焼酎廃液中の蛋白質等を凝固させることを目的として行われる処理である。そこで70℃以上で1分以上滞留(5分〜10分が好ましい)させることにより、目的とする処理は達成される。また焼酎粕が常圧蒸留等の加熱処理を受けている場合は、この加熱処理により耐熱性菌の芽胞が発芽刺激を受けている場合があり、常温で数時間放置した後に、この発明の方法に従い再加熱する。高温熱処理に使用するヒーターの熱源には、電気、ガス、石油、蒸気等がある。
【0012】
高温熱処理の際に、焼酎廃液の粘性が高い場合は水により希釈することが好ましいが、通常無希釈から2倍希釈で処理に供される。
【0013】
高温熱処理に高温チャンバーを用いる場合、ヒーター2kw以上、排出サイホンの高さ90cm以上であることが好ましい。また、サイホン管にスタティックミキサー等の抵抗を入れ、管の高さを低くすることもできる。
【0014】
高温熱処理に、ヒーターを用いずに水蒸気を用いる場合には、焼酎廃液槽に水蒸気を直接吹き込み、または槽外に設けたスタティックミキサーにポンプを用いて焼酎廃液を循環させてスタティックミキサー内で水蒸気と混合させることができる。水蒸気による焼酎廃液の高温熱処理は、連続方式でも回分式でも使用することができる。
【0015】
この発明における固液分離処理は、高温熱処理後の廃液から固形物を分離除去することである。固形物の分離除去が充分に行われればいかなる方法を用いることもできる。前記固液分離に用いられる装置としては、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、加圧脱水機、真空脱水機、スクリュープレス型脱水機、多重円板型脱水機などがあるが、これらに限られることはない。
【0016】
この発明における生物処理は、既存のどのような方法・装置を用いてもよい。BODの低減のためには好気性処理が好ましい。好気性処理は、活性汚泥処理、三相流動層処理、または生物膜処理であって、連続式処理または回分式処理のどちらも用いることができる。然し乍ら高BOD負荷の場合には高濃度の処理ができる三相流動層処理が好ましい。前記三相流動層処理は、浮遊微生物を含む液、生物付着担体および気泡を処理槽内で流動させることにより被処理液を処理する方法である。生物付着担体としては、多孔性セルロース、多孔性セラミックス、活性炭、活性炭付着ポリビニルアルコールゲル、活性炭混練プラスチックまたはスポンジ等が用いられるが、活性炭付着ポリビニルアルコールゲルまたは活性炭混練プラスチックが高BOD処理能力において優れているので好ましい。担体の嵩体積は処理槽容量の10〜30%が好ましい。好気性処理の温度範囲は15〜45℃であり、BOD負荷は通常7〜12kg/(m3・日)である。
【0017】
また、BOD成分の除去のための生物処理は一工程に限らず多工程の処理を行っても良い。例えば 1工程目に三相流動層処理を、2工程目に活性汚泥処理または生物膜処理を行うこともできる。このような方法により、1工程目でBODの80〜90%を処理し、2工程目で残りのBODのほとんどを処理できる。三相流動層処理1工程だけの場合よりも、トータルの処理時間が短縮されるだけでなく、処理後の水質をより良くできる。さらに2工程目に、生物膜処理を用いると活性汚泥処理の場合よりさらに水質を良くできる。生物膜処理に用いる生物膜担体は微生物の付着量が多い多孔性セラミックスがよく、多孔性セラミックスを活性炭との混合物の形で生物膜担体として用いると、余剩汚泥の発生が少なく抑えられるので更によい。多孔性セラミックス、活性炭、多孔性セラミックスと活性炭の混合物を担体として用いる生物膜処理の場合に、担体の嵩体積は処理槽容量の10〜30%が好ましい。生物膜処理の温度範囲は15〜45℃であり、BOD負荷は通常0.5〜2kg/(m3・日)である。
【0018】
トータル窒素(T・N)の低減のためには、前記のBOD処理工程に脱窒工程(嫌気性処理)と硝化工程(好気性処理)を付加しなければならない。BOD除去と脱窒を行う生物処理の処理フローは、脱窒−BOD除去−硝化であり硝化工程から脱窒工程に生物処理工程への流入水量の3〜6倍の液を返送する。この処理により脱窒が不充分の場合はさらに脱窒−好気処理の工程を付加する。この脱窒工程で脱窒のための水素源が不足する場合には残存する硝酸イオン及び/または亜硝酸イオンを脱窒できるだけの有機化合物(メタノール等)を添加する必要がある。脱窒工程に用いられる生物処理は微生物浮遊懸濁処理、生物膜処理を用いることができる。微生物浮遊懸濁処理の場合はポンプ、撹拌羽根などにより緩やかな撹拌が必要がある。硝化および好気処理には活性汚泥処理、三相流動層処理、生物膜処理を用いることができるが、処理を効率よく行うには微生物の付着量が多い多孔性セラミックスを生物担体に用いた生物膜処理がよい。
【0019】
またトータル窒素(T・N)の低減のためには、生物処理工程で間欠曝気を行なってもよい。連続処理においては1〜5時間の間隔で、曝気・非曝気を繰り返す。回分式処理では、1サイクルの運転工程、流入、撹拌、沈殿、排出において、流入工程では非曝気であり、撹拌工程で非曝気・曝気を行なう。通常は曝気の時間の方が、非曝気の時間より長い。撹拌工程での非曝気・曝気の繰り返しは1回以上行なう。
【0020】
またトータル窒素(T・N)の低減のためには、生物処理工程においてBacillus菌を多量(50%質量以上)に含む汚泥を添加し、Bacillus菌を優先菌として維持してもよい。この場合としては、前記の活性汚泥処理、三相流動層処理または生物膜処理のいずれでもよく、また連続式または回分式のいずれでもよい。この処理においては、好気性条件下BOD除去と脱窒を同時に行なうことができる。
【0021】
またBacillus菌を優先菌として維持する処理を用いると、焼酎廃液を加熱処理後、固液分離なしで処理することができる。この場合生物処理槽に流入する液のss濃度は15,000mg/lit以下が好ましく、10,000mg/lit以下が更に好ましい。ss濃度が高い場合は適宜、水で希釈する。
【0022】
生物膜処理装置として、多孔性セラミックスまたは活性炭などのような粒状担体を用いる場合は、通常下向流の生物濾過または散水濾床を採用し、濾過液ポンプ、エアリフト等で濾床上面に循環させる。また流動床、膨張床処理もある。また生物膜処理装置として回転円板濾床、散水濾床等を用いることができるが、これらに限られることはない。
【0023】
三相流動層処理の装置としては、水深が少なくとも3.5mある槽中に生物担体を充填し、底部に散気管が偏在するように配置して槽の底部から上部へ、上部から底部へと循環流が生じるようにする。槽上部にはパンチングメタル、網等を設置して生物担体が流出せずに、浮遊汚泥を含む液だけが流出するようにする。
【0024】
生物処理で発生した余剰汚泥等の懸濁物の分離には、沈降、メンブレンフィルターによる分離、多孔性セラミックスによる濾過などを用いる。分離された余剰汚泥等の懸濁物は、脱窒槽またはBOD除去槽に一部返送される。また一部は加熱または加圧加熱処理による加熱装置に返送して処理し、その微生物処理する。
【0025】
従来、焼酎廃液に対して何の前処理もせずに固液分離操作で固形物を分離除去して得られた液について、活性汚泥処理を行うと、処理液が白濁し、魚が腐ったような悪臭を発した。処理液の水質は下水放流値をクリアーすることもできなかった。
【0026】
しかし、加熱または加圧加熱処理による加熱装置で焼酎廃液を一次処理して、固液分離操作で固形物を分離除去して得られた液に活性汚泥処理を行うと、処理液は清浄化されて、悪臭を発生せず、処理液の水質は河川放流値をクリアーするまで良くなることを見出した。
【0027】
前記加熱または加圧加熱処理による加熱装置で一次処理することで、次に続く生物処理が容易になる原因はまだ充分に解明されていないが、以下の状況が確認できている。
【0028】
即ち前記加熱または加圧加熱処理による加熱装置で焼酎廃液を処理すると、焼酎廃液の発酵が停止した。このことから、焼酎廃液中に含まれる酵母、真菌、細菌等の微生物が、前記高温熱処理により死滅、または失活したものと考えられる。また前記高温熱処理により焼酎廃液中の蛋白質等の成分が変性、不活性化されたと考えられる。この操作により、前記高温熱処理をしない場合に生じる濁りや悪臭の原因となる物質および生物難分解性物質が、変性・不活性化されたものと考えられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
この発明は、焼酎廃液を高温熱処理して、廃液中の微生物等を死滅または失活もしくは変性・不活性化させてから、生物処理することを特徴とする焼酎廃液の処理方法と、これを実施する装置である。
【0030】
前記この発明の装置は、焼酎廃液を貯留する廃水槽と、廃水を加熱する加熱装置と、廃水中の固形物を分離する固液分離装置並びに生物処理装置とを順次連結して構成した焼酎廃液の処理装置である。
【0031】
前記過熱装置は、70℃以上に加熱または加圧加熱できると共に、加熱または加圧加熱の調節ができる装置である。
【0032】
前記固液分離装置は、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、加圧脱水機又は真空脱水機などの液と固形物とを分離することを目的とした装置である。
【0033】
前記生物処理装置とは、活性汚泥処理装置、三相流動層処理装置または生物膜処理装置であって、従来知られている処理装置であり、単独又は複合して使用することができる。
【0034】
【実施例1】
(麦焼酎廃液の処理であって、加熱、固液分離、活性汚泥処理を用いた処理)(加熱処理)
二つのタイプの処理装置、即ち蒸気吹き込みによる加熱装置およびヒーター型加熱装置(有限会社安久工機製)を用いて加熱処理した。
【0035】
蒸気吹き込みによる加熱装置を用いる場合については、麦焼酎廃液(CODMn 38,800mg/lit、BOD 58,000mg/lit、SS 30,000mg/lit,T−N 2,200mg/lit、T−P 220mg/lit)40Lをジャーファーメンター(KFエンジニアリング社製)に入れた。その中に、温度140〜150℃、圧力196〜245kPaの蒸気を吹き込んだ。液温85〜90℃で5分加熱した後、体積が80Lになるまで水を加えた。
【0036】
ヒーター型加熱装置(有限会社安久工機製)を用いる場合については、ヒーターは200V、4kwを用い、サイホン管の高さは1m、送給管内径1.5cm、長さ2mであった。
【0037】
(固液分離)
これらの懸濁液中の固形物を、連続遠心機(トミー精工(株)製)を用いて除去し、それぞれについて固形物が除去された液約70Lを得た。
【0038】
(生物処理)
前記処理により固形物が除去された液(以下加熱に蒸気吹き込みを用いた液を生物処理原水(1)、加熱に有限会社安久工機製ヒーター型加熱装置を用いた液を生物処理原水(2)と呼ぶ)を、回分式活性汚泥処理で処理した。回分式活性汚泥処理は、日本製粉株式会社中央研究所の排水処理設備から採取した活性汚泥4.5Lを生物処理槽に採り、そこに生物処理原水(1)0.5Lを添加した。散気管からの空気の曝気により生物処理槽内液(MLSS 3,000mg/lit)を撹拌して、24時間処理を行なった。
【0039】
生物処理原水(2)についても、生物処理原水(1)の場合と同様に行なった。前記回分式活性汚泥処理の結果は表1の通りである。
【0040】
【表1】
(比較例1)
(麦焼酎廃液の処理であって、固液分離、活性汚泥処理を用いた処理)
(固液分離)
実施例1で用いたものと同じ麦焼酎廃液40Lに体積80Lになるまで水を添加した。固形物を、実施例1と同様の方法を用いて除去し、固形物が除去された液約70Lを得た。
【0041】
(生物処理)
固液分離により固形物が除去された液(生物処理原水(3)と呼ぶ)を、実施例1の場合と同様に回分式活性汚泥処理で処理した。前記回分式活性汚泥処理の結果は表2の通りである。
【0042】
【表2】
実施例1と比較例1から分るように、焼酎廃液の加熱処理を行なうと、後段の生物処理後の処理水質が極めて良好になる。
【0043】
【実施例2】
(麦焼酎廃液の処理であって、加熱、固液分離、活性汚泥処理、生物学的脱窒処理を用いた処理)
(加熱処理)(固液分離)
実施例1と同様な麦焼酎廃液を用い、実施例1と同様に、蒸気による加熱後、連続遠心脱水機により固液分離を行なった液(生物処理原水(1))を70L得た。生物処理の必要に応じてこの処理を繰り返した。
【0044】
(生物処理)
生物処理原水(1)を、第1脱窒(嫌気性処理、微生物浮遊懸濁法)−第1好気(活性汚泥法)−硝化(活性汚泥処理)−第2脱窒(嫌気性処理、微生物浮遊懸濁法)−第2好気(活性汚泥法)の工程(硝化工程から最初の脱窒工程へ液を返送)を用いて処理した。
【0045】
第1好気および硝化工程の活性汚泥法には、活性汚泥濃度を高濃度に維持できる膜分離活性汚泥法を用いた。処理液と汚泥の分離に中空糸膜(三菱レーヨン製)を用いた。第1好気および硝化工程の汚泥濃度(MLSS)はそれぞれ12,000〜15,000mg/lit、2,000〜3,000mg/litであった。
【0046】
硝化工程からの液の返送量は生物処理工程への流入量の4倍とした。後段の脱窒処理の水素源としてメタノールを用いた。
【0047】
生物処理で用いた槽の容量は、第1脱窒3.5L、第1好気28L、硝化7L、第2脱窒2L、第2好気2Lであった。脱窒槽では機械撹拌によりゆっくりと撹拌した。第1好気槽での滞留時間が8日となるように生物処理原水(1)を連続的に第1脱窒槽に流入させた。前記生物処理を2ヶ月継続した。結果は表3の通りである。
【0048】
【表3】
【0049】
【実施例3】
(麦焼酎廃液の処理であって、加熱、固液分離、Bacillusを優先菌とした生物処理を用いた処理)
(加熱処理)(固液分離)
実施例2と同様に行ない生物処理原水(1)を得た。
【0050】
(生物処理)
生物処理原水(1)をBacillus活性化−第1活性汚泥処理−第2活性汚泥処理の工程で処理した。生物処理原水(1)の30%を第1活性汚泥処理槽(MLSS 6,000mg/lit)へ、残りをBacillus活性化装置(ラウニカ社製)へ流入させてから活性汚泥槽へ流入させた。第2活性汚泥処理槽(MLSS 5,500mg/lit)の汚泥をBacillus活性化装置へ返送した。返送量は工程への流入量の50%とした。
【0051】
このようにすることにより、Bacillusを優先菌としたとした生物処理を行うことができた。第1活性汚泥処理槽および第2活性汚泥処理槽中の細菌の80%以上がBacillusである状態を維持できた。Bacillusの存在%は寒天平面培地上に現れたコロニーの中のBacillusの割合から推定した。
【0052】
生物処理で用いた槽の容量は、第1活性汚泥処理10L、第2活性汚泥処理10Lであった。第1活性汚泥処理槽での滞留時間が5日になるように生物処理原水(1)を連続的にBacillus活性化装置と第1活性汚泥処理槽に流入させた。前記生物処理を2ヶ月継続した。結果は表4の通りである。
【0053】
【表4】
【0054】
【実施例4】
(芋焼酎廃液の処理であって、加熱、Bacillusを優先菌とした生物処理、生物膜処理を用いた処理)
(加熱処理)
芋焼酎廃液(CODMn 24,000mg/lit、BOD 39,000mg/lit、SS 33,000mg/lit、T−N 1,700mg/lit)20Lをジャーファーメンター(KFエンジニアリング社製)に入れた。その中に、温度140〜150℃、圧力196〜245kPaの蒸気を吹き込んだ。液温85〜90℃で5分加熱した後、体積が80Lになるまで水を加えた。この液を生物処理原水(4)と呼ぶ。
【0055】
(生物処理)
生物処理原水(4)にリン濃度100mg/litになるようにリン(K2HP04を用いた)を加えた液を先ず実施例3と同様の方法で処理した。その処理液を生物膜担体としてセラミックスと活性炭の混合物(混合体積比1:1)を用いた生物膜処理で処理した。多孔性セラミックス/活性炭の混合物を担体にした生物膜処理は、エアリフト型の処理容器(液量2L)を用いて行なった。処理容器は二層構造からなり、上層に生物膜担体が下層に処理液が入る構造である。上層の生物膜担体層の底部に散気管を置く。処理液はエアリフト管によって下層から上層の生物膜層の上部に散布される構造である。処理液の上部には散気管を置き、その上に多孔性セラミックス(粒径2〜5mm)/活性炭(粒径0.5〜2.5mm)0.5Lを重層し、更に連通管を通して下層に散気管を入れた。前記生物処理を2ヶ月継続した。結果は表5の通りである。
【0056】
【表5】
実施例4の処理により、固液分離なしでも河川放流可能なレベルまで処理することが分かる。また、多孔性セラミックス/活性炭を担体とする生物膜処理により焼酎廃液特有の黄色をほとんど無色にすることができ、実施例4の方法が高度に浄化された処理水を得る有効な方法であることが分かる。
【0057】
【発明の効果】
この発明によれば、前処理として高温加熱処理するので、従来処理が困難であった焼酎廃液を効率よく処理できる効果がある。
【0058】
またこの発明の使用装置によれば、高能率で技術的に安定し、故障を生じるおそれがなく、連続自動運転できると共に、目的とする廃水処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のブロック図。
【図2】同じく固液分離しない場合のブロック図。
【図3】同じく固液分離する場合のブロック図。
【図4】同じく固液分離しない場合のブロック図。
Claims (4)
- 焼酎廃液を、70℃〜150℃で1分〜10分間加熱または加圧加熱して得られた液を、生物処理することを特徴とした焼酎廃液の処理方法。
- 焼酎廃液を、70℃〜150℃で1分〜10分間加熱または加圧加熱し、ついで固液分離の処理をして得られた液を生物処理することを特徴とした焼酎廃液の処理方法。
- 生物処理は、活性汚泥処理、生物膜処理または三相流動層処理或いはこれらの複合処理とすることを特徴とした請求項1または2記載の焼酎廃液の処理方法。
- 固液分離は、ベルトプレス、遠心分離、加圧分離、真空分離またはスクリュープレスなどにより固形物と液が分離されることを特徴とした請求項2記載の焼酎廃液の処理方法。
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