JP2004262899A - アミノ酸の回収方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛋白質含有液に調整剤等の薬品を添加することなく、安全かつ効率的に蛋白質を回収し、更に、回収した蛋白質からアミノ酸を回収する方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】蛋白質11もしく蛋白質11を含有する液体10からアミノ酸17を回収するアミノ酸17の回収方法において、蛋白質11もしくは液体10を水熱処理してアミノ酸17に分解する工程を有するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】蛋白質11もしく蛋白質11を含有する液体10からアミノ酸17を回収するアミノ酸17の回収方法において、蛋白質11もしくは液体10を水熱処理してアミノ酸17に分解する工程を有するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛋白質を含有する廃液の有効利用に関する。さらに詳しくは、蛋白質を含有する廃液からアミノ酸を回収する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
酒または焼酎製造工場或いは澱粉製造工場等から排出される廃液中には、蛋白質などの栄養分が多く含有されている。そして、このような蛋白質含有液の排水量は、工場によっては、一日当たり1000トン程度と非常に多く、廃液の有効利用が求められている。
このため、蛋白質含有液にSO2等の調整剤を添加してpH(ペーハー)を5程度に調整した後に約90℃で熱処理することにより、蛋白質を析出分離させている。そして、回収された蛋白質は、食材原料として利用されたり、肥料として農地に還元したりしている。更に、蛋白質を回収(分離)して残った液体(廃液)をリアクタで処理することによりメタンガス等のバイオガスを回収して燃料として利用している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−145860号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、蛋白質含有液を堆肥として利用する場合には、液中の栄養分が腐敗して悪臭を放ち、悪臭公害の要因となるという問題がある。更に、液中に含まれる大量のカリウムが土壌を汚染してしまうという問題がある。また、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に添加されるpH調整剤が、後のリアクタ処理工程において、リアクタの効率を低下させる原因となるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、蛋白質含有液にpH調整剤等の薬品を添加することなく、安全かつ効率的に蛋白質を回収し、更に、回収した蛋白質からアミノ酸を回収する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアミノ酸の回収方法及び装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、蛋白質(11)もしくは蛋白質(11)を含有する液体(10)からアミノ酸(17)を回収する方法であって、蛋白質(11)を水熱処理してアミノ酸(17)に分解する工程を有するようにした。これにより、蛋白質もしくは蛋白質含有液を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0007】
また、蛋白質(11)が、蛋白質(11)を含有する液体(10)から回収された蛋白質(11)であるものでは、例えば、工場から排出される蛋白質含有液から大量の蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、液体(10)から蛋白質(11)を回収する際に、液体(10)を加熱処理するものでは、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【0008】
第2の発明は、蛋白質(11)もしくは蛋白質(11)を含有する液体(10)からアミノ酸(17)を回収する装置(1)であって、蛋白質(11)を水熱処理してアミノ酸(17)に分解する水熱処理装置(80)を備えるようにした。これにより、水熱処理装置において蛋白質を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。また、蛋白質含有液を水熱処理することにより、蛋白質含有液から蛋白質を分離する工程を介することなく、容易にアミノ酸を得ることができる。すなわち、蛋白質もしくは蛋白質含有液を水熱処理することにより、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0009】
また、回収装置(1)が、蛋白質(11)を含有する液体(10)から蛋白質(11)を回収する蛋白質回収装置(30)を備えるものでは、蛋白質回収装置により蛋白質含有液から確実に蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、蛋白質回収装置(30)が、液体(10)を加熱処理して液体(10)に含有する蛋白質(11)を析出させる加熱処理装置(30)を備えるものでは、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、加熱処理装置により加熱するだけであって、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のアミノ酸の回収方法の実施の形態に用いる装置の一例を示す概念図である。
回収装置1は、加熱処理装置30、リアクタ50、ガス回収装置60、排水処理装置70、水熱処理装置80、及びこれら各装置を連結するライン20から構成される。
【0011】
加熱処理装置(蛋白質回収装置)30は、蛋白質11を含有する液体10を加熱することにより蛋白質11を回収する装置であって、加熱処理容器31とヒータ32とを備え、ヒータ32により加熱処理容器31内に収容された液体を加熱する。加熱処理容器31の上部には、加熱処理容器31内に液体を供給する供給ライン21が連結される。供給ライン21は、不図示の蛋白質含有液供給部から導かれて蛋白質含有液10を加熱処理容器31内に供給する。
【0012】
加熱処理装置30の下流側には、リアクタ50及び水熱処理装置80が設けられる。加熱処理装置30とリアクタ50とは、移送ライン22を介し接続される。また、加熱処理装置30と水熱処理装置80とは、移送ライン27を介し接続される。移送ライン27は、加熱処理装置30で回収された蛋白質11を移送するラインであり、一方、移送ライン22は、蛋白質11が回収された残液12を移送するラインである。
【0013】
加熱処理装置30とリアクタ50とを連結する移送ライン22には、クーラ40及び圧力調整弁23が設けられる。クーラ40は、移送ライン22を介して加熱処理装置30から移送される残液12を冷却媒体41と熱交換させることにより冷却する。また、圧力調整弁23は、加熱処理装置30から移送される残液12の圧力を調整するものであり、例えば、大気圧に減圧させたりする。
【0014】
リアクタ50は、有機物を含む液体を微生物54や酵素を利用して発酵(分解)させることにより、バイオガスと呼ばれるガス14を生成する処理槽である。なお、リアクタ50が嫌気性リアクタ50の場合には、ガス14としてメタンガス14が生成される。リアクタ50は、加熱処理装置30から移送された残液12を収容する容器51、残液12を攪拌するプロペラ52、プロペラを回転させるモータ53、残液12を発酵させる微生物54とを備える。また、容器51には、上部にガス取出口55が設けられ、また、下端部には排水口56が設けられる。
【0015】
ガス取出口55には、圧力調整弁25を備えたガス回収ライン24を介してガス回収装置60が接続される。ガス回収装置60は、リアクタ50より取り出される水蒸気13とガス14を分離するとともに、不純物を取り除いたガス14を回収するものである。
【0016】
排水口56の下流には、移送ライン26を介して排水処理装置70が連結される。排水処理装置70は、リアクタ50から移送された廃液15を河川等に放流できる程度まで浄化処理し、排水口71から排水16を外部に放出する。
【0017】
水熱処理装置80は、圧力容器からなる水熱処理容器81とヒータ82とを備え、水熱処理容器81内に収容された液体を水熱処理する。水熱処理容器81の上部には、加熱処理装置30内で析出した蛋白質11を移送する移送ライン27が連結され、移送ライン27には、開閉弁28が設けられる。そして、水熱処理容器81の下部には排出口83が設けられ、水熱処理容器81内で水熱処理された液体を排出する。
【0018】
上記装置を用いて蛋白質含有液10から蛋白質11、メタンガス14及びアミノ酸17を回収する処理は、以下のように行われる。
先ず、供給ライン21を介して不図示の蛋白質含有液供給部から蛋白質含有液10が加熱処理容器31内に供給される。蛋白質含有液10は、蛋白質11等の有機物を含む水溶液である。そして、ヒータ32により加熱処理容器31内に収容された蛋白質含有液10を加熱する。加熱温度は、蛋白質含有液10に含まれる蛋白質11が液状化しない程度の温度であり、好ましくは、80〜120℃程度である。なお、加熱時間は、約5〜10分程度が好ましい。
【0019】
このように、加熱処理容器31内で蛋白質含有液10を加熱することにより、蛋白質11を効率的に析出させることができる。すなわち、蛋白質11が水溶性から難溶性に変性することにより、液中に析出する。また、蛋白質含有液10にpH調整剤等の薬品を添加することなく、安全かつ効率的に蛋白質11を回収することができるので、回収した蛋白質11を食品や堆肥として有効利用することができる。
【0020】
次に、蛋白質含有液10から蛋白質11を回収される。蛋白質11の回収には、ろ過や遠心分離等の処理が用いられる。そして、蛋白質11が回収されて残った残液12を移送ライン22を介してリアクタ50に移送する。残液12の移送の際、移送ライン27に設けた開閉弁28を閉鎖しておく。そして、リアクタ50への残液12の移送が完了した後に、開閉弁28を開放して、加熱処理容器31内で回収された蛋白質11を移送ライン27を介して水熱処理装置80に移送する。なお、水熱処理装置80の作用については後述する。
【0021】
残液12が移送ライン22を通過する際、クーラ40及び圧力調整弁23により、残液12の温度と圧力とをリアクタ50における消化処理に適した温度、圧力にする。例えば、残液12の温度を50℃、圧力を大気圧にする。これにより、リアクタ50の容器51内に存在する微生物54の活動を妨げないので、リアクタ50の効率を低下させることがない。そして、残液12をリアクタ50に移送後、即座に消化処理に移行できる。
【0022】
残液12がリアクタ50の容器51に収容されると、微生物54が残液12内に含有する有機物を発酵させる消化処理が行われる。有機物の発酵を活発化、均等化させるために、容器51内に設けたプロペラ52をモータ53で回転させて残液12を攪拌させる。消化処理には、嫌気性消化処理や好気性消化処理があり、いずれの方法も発酵を利用した有機物の分解による処理方式である。嫌気性消化法は、主に、高濃度、大容量の処理に用いられ、嫌気性リアクタ50を用いることにより、メタンガス14が生成される。また、好気性消化処理では、二酸化炭素等のガス14が生成される。そして、消化処理によりメタンガス14等のガス14が生成されると、容器51の上部には発酵の際の温度上昇に伴う水蒸気13やメタンガス14が充満する。そして、圧力調整弁25を開放して、ガス取出口55からガス回収ラインを介してガス回収装置60に水蒸気13及びメタンガス14を移送させる。
【0023】
このように、従来、蛋白質含有液10から蛋白質11を回収する際に使用されたpH調整剤が廃止され、蛋白質含有液10に熱を加えただけなので、後工程であるリアクタ50における消化処理に与える影響が軽減され、ガス14の生成効率を向上させることができる。特に、嫌気性消化処理の場合では、メタンガス14の回収効率を約2倍程度に向上させることが可能である。
【0024】
そして、ガス回収装置60では、移送された水蒸気13とメタンガス14とを分離するとともに、不純物を取り除いて高純度のメタンガス14が回収される。そして、回収されたメタンガス14は、燃料として利用することができる。なお、水蒸気13は、大気中に放出される。また、ガス14として二酸化炭素ガスが回収される場合には、大気中に放出してもよい。
【0025】
一方、リアクタ50の容器51の下部に残留した廃液15は、排水口56から移送ライン26を介して排水処理装置70に送られる。そして、排水処理装置70において、廃液15を浄化処理して排水口71から排水16を外部に放出する。これにより、河川などへの有機物汚染が防止される。浄化処理の方法は、従来からある浄化処理と同様である。
【0026】
一方、移送ライン27を介して蛋白質11が移送された水熱処理装置80では、水熱処理容器81に収容された蛋白質11をヒータ82により連続的に加熱処理する。ここで、図2は、回収した蛋白質11の水熱処理による液状化率を表すグラフである。そして、加熱温度を100℃程度以上に上昇させることにより、蛋白質11に含まれる水分が蒸発して水熱処理容器81内の圧力も上昇して飽和蒸気圧となり、いわゆる水熱処理が行われる。なお、水熱処理に必要な水分として、残液12の一部を移送ライン27を介して水熱処理装置80内に導入してもよく、或いは、外部から水熱処理装置80内に水分を導入してもよい。そして、図2に示すように、蛋白質11をアミノ酸17に分解(液状化)させることができる。なお、約250℃程度以上に温度を上昇させると、アミノ酸17等が変質等してしまう場合がある。また、加熱時間は、約10分程度が好ましい。そして、蛋白質11からは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、アルパラギン酸、グルタミン酸等の複数のアミノ酸17のなかから少なくとも1種類以上のアミノ酸17が得られる。このように蛋白質11を水熱処理することにより、蛋白質11を分解(液状化)させてアミノ酸17を生成することができる。そして、得られたアミノ酸17は排出口83から回収される。
【0027】
以上のようして、蛋白質含有液10から蛋白質11、ガス14及びアミノ酸17を安全かつ効率的に回収することができる。また、蛋白質含有液10から蛋白質11及びアミノ酸17を回収する際に、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質11及びアミノ酸17を食品や堆肥として有効に利用することができる。さらに、蛋白質含有液10にpH調整剤を添加していないため、後工程である消化処理に与える影響が軽減され、特に、嫌気性消化処理の場合では、メタンガス14の回収効率を大幅に向上させることができる。また、回収された蛋白質11を水熱処理することにより、容易にアミノ酸17を得ることができる。
【0028】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
【0029】
加熱処理装置30に連結されるリアクタ50は、1台に限らず、複数台であってもよい。加熱処理装置30における加熱処理に比べて、リアクタ50における消化処理は時間を要するため、複数台のリアクタ50を設けた方が円滑に上述した処理を進めることができる。この場合、嫌気性リアクタ50と好気性リアクタとを混在させてもよい。
同様に、加熱処理装置30に連結される水熱処理装置80は、1台に限らず、複数台であってもよい。そして、連結された水熱処理装置80毎に加熱温度を変えることにより、水熱処理装置80毎に得られるアミノ酸17の種類を変えることが可能となる。
【0030】
また、加熱処理装置30を水熱処理装置80として兼用させてもよい。すなわち、加熱処理装置30で蛋白質11を析出させ、残液12を排出した後に、更に加熱処理装置30を加熱させて、加熱処理容器31に残った蛋白質11を水熱処理してもよい。また、蛋白質含有液10を加熱処理装置30内で直接、水熱処理しアミノ酸17を回収してもよい。これにより、装置を簡易化でき、設備コストを抑えることができる。
【0031】
また、移送ライン22、26、27の途中に残液12、15、蛋白質11を貯蔵する貯蔵槽を設けてもよい。また、移送ライン22にクーラ40及び圧力調整弁23を設けずに、残液12を直接、リアクタ50に移送してもよい。また、リアクタ50を設けずに、廃液15を排水処理装置70に移送して、排水処理を行ってもよい。
【0032】
水熱処理装置80の下流に生成されたアミノ酸17から特定のアミノ酸17を抽出したり、アミノ酸17を種類毎に分類したりする装置を設けてもよい。これにより、例えば、うまみ成分を持つアミノ酸17だけを回収することができる。
【0033】
回収装置1に収容される蛋白質11は、蛋白質含有液10から回収されたものに限らず、他の装置や手段、方法によって得られる蛋白質であってもよい。したがって、pH調整剤を用いて蛋白質11を析出させたものであってもよく、また、植物性あるいは動物性であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、蛋白質からアミノ酸を回収する方法であって、蛋白質を水熱処理してアミノ酸に分解する工程を有するようにした。このため、蛋白質を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0035】
また、蛋白質が、蛋白質を含有する液体から回収された蛋白質であるようにしたので、例えば、工場から排出される蛋白質含有液から大量の蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、液体から蛋白質を回収する際に、液体を加熱処理するようにしたので、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【0036】
第2の発明は、蛋白質からアミノ酸を回収する装置であって、蛋白質を水熱処理してアミノ酸に分解する水熱処理装置を備えるようにした。このため、水熱処理装置において蛋白質を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。また、蛋白質含有液を水熱処理することにより、蛋白質含有液から蛋白質を分離する工程を介することなく、容易にアミノ酸を得ることができる。すなわち、蛋白質もしくは蛋白質含有液を水熱処理することにより、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0037】
また、回収装置が、蛋白質を含有する液体から蛋白質を回収する蛋白質回収装置を備えるようにしたので、蛋白質回収装置により蛋白質含有液から確実に蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、蛋白質回収装置が、液体を加熱処理して液体に含有する蛋白質を析出させる加熱処理装置を備えるようにしたので、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、加熱処理装置により加熱するだけであって、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アミノ酸の回収装置を示す概念図である。
【図2】蛋白質の水熱処理による液状化率を表すグラフである。
【符号の説明】
1 回収装置
10 蛋白質含有液(液体)
11 蛋白質
12 残液
17 アミノ酸
20 ライン
30 加熱処理装置(蛋白質回収装置)
40 クーラ
50 リアクタ
60 ガス回収装置
70 排水処理装置
80 水熱処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛋白質を含有する廃液の有効利用に関する。さらに詳しくは、蛋白質を含有する廃液からアミノ酸を回収する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
酒または焼酎製造工場或いは澱粉製造工場等から排出される廃液中には、蛋白質などの栄養分が多く含有されている。そして、このような蛋白質含有液の排水量は、工場によっては、一日当たり1000トン程度と非常に多く、廃液の有効利用が求められている。
このため、蛋白質含有液にSO2等の調整剤を添加してpH(ペーハー)を5程度に調整した後に約90℃で熱処理することにより、蛋白質を析出分離させている。そして、回収された蛋白質は、食材原料として利用されたり、肥料として農地に還元したりしている。更に、蛋白質を回収(分離)して残った液体(廃液)をリアクタで処理することによりメタンガス等のバイオガスを回収して燃料として利用している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−145860号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、蛋白質含有液を堆肥として利用する場合には、液中の栄養分が腐敗して悪臭を放ち、悪臭公害の要因となるという問題がある。更に、液中に含まれる大量のカリウムが土壌を汚染してしまうという問題がある。また、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に添加されるpH調整剤が、後のリアクタ処理工程において、リアクタの効率を低下させる原因となるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、蛋白質含有液にpH調整剤等の薬品を添加することなく、安全かつ効率的に蛋白質を回収し、更に、回収した蛋白質からアミノ酸を回収する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアミノ酸の回収方法及び装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、蛋白質(11)もしくは蛋白質(11)を含有する液体(10)からアミノ酸(17)を回収する方法であって、蛋白質(11)を水熱処理してアミノ酸(17)に分解する工程を有するようにした。これにより、蛋白質もしくは蛋白質含有液を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0007】
また、蛋白質(11)が、蛋白質(11)を含有する液体(10)から回収された蛋白質(11)であるものでは、例えば、工場から排出される蛋白質含有液から大量の蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、液体(10)から蛋白質(11)を回収する際に、液体(10)を加熱処理するものでは、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【0008】
第2の発明は、蛋白質(11)もしくは蛋白質(11)を含有する液体(10)からアミノ酸(17)を回収する装置(1)であって、蛋白質(11)を水熱処理してアミノ酸(17)に分解する水熱処理装置(80)を備えるようにした。これにより、水熱処理装置において蛋白質を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。また、蛋白質含有液を水熱処理することにより、蛋白質含有液から蛋白質を分離する工程を介することなく、容易にアミノ酸を得ることができる。すなわち、蛋白質もしくは蛋白質含有液を水熱処理することにより、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0009】
また、回収装置(1)が、蛋白質(11)を含有する液体(10)から蛋白質(11)を回収する蛋白質回収装置(30)を備えるものでは、蛋白質回収装置により蛋白質含有液から確実に蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、蛋白質回収装置(30)が、液体(10)を加熱処理して液体(10)に含有する蛋白質(11)を析出させる加熱処理装置(30)を備えるものでは、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、加熱処理装置により加熱するだけであって、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のアミノ酸の回収方法の実施の形態に用いる装置の一例を示す概念図である。
回収装置1は、加熱処理装置30、リアクタ50、ガス回収装置60、排水処理装置70、水熱処理装置80、及びこれら各装置を連結するライン20から構成される。
【0011】
加熱処理装置(蛋白質回収装置)30は、蛋白質11を含有する液体10を加熱することにより蛋白質11を回収する装置であって、加熱処理容器31とヒータ32とを備え、ヒータ32により加熱処理容器31内に収容された液体を加熱する。加熱処理容器31の上部には、加熱処理容器31内に液体を供給する供給ライン21が連結される。供給ライン21は、不図示の蛋白質含有液供給部から導かれて蛋白質含有液10を加熱処理容器31内に供給する。
【0012】
加熱処理装置30の下流側には、リアクタ50及び水熱処理装置80が設けられる。加熱処理装置30とリアクタ50とは、移送ライン22を介し接続される。また、加熱処理装置30と水熱処理装置80とは、移送ライン27を介し接続される。移送ライン27は、加熱処理装置30で回収された蛋白質11を移送するラインであり、一方、移送ライン22は、蛋白質11が回収された残液12を移送するラインである。
【0013】
加熱処理装置30とリアクタ50とを連結する移送ライン22には、クーラ40及び圧力調整弁23が設けられる。クーラ40は、移送ライン22を介して加熱処理装置30から移送される残液12を冷却媒体41と熱交換させることにより冷却する。また、圧力調整弁23は、加熱処理装置30から移送される残液12の圧力を調整するものであり、例えば、大気圧に減圧させたりする。
【0014】
リアクタ50は、有機物を含む液体を微生物54や酵素を利用して発酵(分解)させることにより、バイオガスと呼ばれるガス14を生成する処理槽である。なお、リアクタ50が嫌気性リアクタ50の場合には、ガス14としてメタンガス14が生成される。リアクタ50は、加熱処理装置30から移送された残液12を収容する容器51、残液12を攪拌するプロペラ52、プロペラを回転させるモータ53、残液12を発酵させる微生物54とを備える。また、容器51には、上部にガス取出口55が設けられ、また、下端部には排水口56が設けられる。
【0015】
ガス取出口55には、圧力調整弁25を備えたガス回収ライン24を介してガス回収装置60が接続される。ガス回収装置60は、リアクタ50より取り出される水蒸気13とガス14を分離するとともに、不純物を取り除いたガス14を回収するものである。
【0016】
排水口56の下流には、移送ライン26を介して排水処理装置70が連結される。排水処理装置70は、リアクタ50から移送された廃液15を河川等に放流できる程度まで浄化処理し、排水口71から排水16を外部に放出する。
【0017】
水熱処理装置80は、圧力容器からなる水熱処理容器81とヒータ82とを備え、水熱処理容器81内に収容された液体を水熱処理する。水熱処理容器81の上部には、加熱処理装置30内で析出した蛋白質11を移送する移送ライン27が連結され、移送ライン27には、開閉弁28が設けられる。そして、水熱処理容器81の下部には排出口83が設けられ、水熱処理容器81内で水熱処理された液体を排出する。
【0018】
上記装置を用いて蛋白質含有液10から蛋白質11、メタンガス14及びアミノ酸17を回収する処理は、以下のように行われる。
先ず、供給ライン21を介して不図示の蛋白質含有液供給部から蛋白質含有液10が加熱処理容器31内に供給される。蛋白質含有液10は、蛋白質11等の有機物を含む水溶液である。そして、ヒータ32により加熱処理容器31内に収容された蛋白質含有液10を加熱する。加熱温度は、蛋白質含有液10に含まれる蛋白質11が液状化しない程度の温度であり、好ましくは、80〜120℃程度である。なお、加熱時間は、約5〜10分程度が好ましい。
【0019】
このように、加熱処理容器31内で蛋白質含有液10を加熱することにより、蛋白質11を効率的に析出させることができる。すなわち、蛋白質11が水溶性から難溶性に変性することにより、液中に析出する。また、蛋白質含有液10にpH調整剤等の薬品を添加することなく、安全かつ効率的に蛋白質11を回収することができるので、回収した蛋白質11を食品や堆肥として有効利用することができる。
【0020】
次に、蛋白質含有液10から蛋白質11を回収される。蛋白質11の回収には、ろ過や遠心分離等の処理が用いられる。そして、蛋白質11が回収されて残った残液12を移送ライン22を介してリアクタ50に移送する。残液12の移送の際、移送ライン27に設けた開閉弁28を閉鎖しておく。そして、リアクタ50への残液12の移送が完了した後に、開閉弁28を開放して、加熱処理容器31内で回収された蛋白質11を移送ライン27を介して水熱処理装置80に移送する。なお、水熱処理装置80の作用については後述する。
【0021】
残液12が移送ライン22を通過する際、クーラ40及び圧力調整弁23により、残液12の温度と圧力とをリアクタ50における消化処理に適した温度、圧力にする。例えば、残液12の温度を50℃、圧力を大気圧にする。これにより、リアクタ50の容器51内に存在する微生物54の活動を妨げないので、リアクタ50の効率を低下させることがない。そして、残液12をリアクタ50に移送後、即座に消化処理に移行できる。
【0022】
残液12がリアクタ50の容器51に収容されると、微生物54が残液12内に含有する有機物を発酵させる消化処理が行われる。有機物の発酵を活発化、均等化させるために、容器51内に設けたプロペラ52をモータ53で回転させて残液12を攪拌させる。消化処理には、嫌気性消化処理や好気性消化処理があり、いずれの方法も発酵を利用した有機物の分解による処理方式である。嫌気性消化法は、主に、高濃度、大容量の処理に用いられ、嫌気性リアクタ50を用いることにより、メタンガス14が生成される。また、好気性消化処理では、二酸化炭素等のガス14が生成される。そして、消化処理によりメタンガス14等のガス14が生成されると、容器51の上部には発酵の際の温度上昇に伴う水蒸気13やメタンガス14が充満する。そして、圧力調整弁25を開放して、ガス取出口55からガス回収ラインを介してガス回収装置60に水蒸気13及びメタンガス14を移送させる。
【0023】
このように、従来、蛋白質含有液10から蛋白質11を回収する際に使用されたpH調整剤が廃止され、蛋白質含有液10に熱を加えただけなので、後工程であるリアクタ50における消化処理に与える影響が軽減され、ガス14の生成効率を向上させることができる。特に、嫌気性消化処理の場合では、メタンガス14の回収効率を約2倍程度に向上させることが可能である。
【0024】
そして、ガス回収装置60では、移送された水蒸気13とメタンガス14とを分離するとともに、不純物を取り除いて高純度のメタンガス14が回収される。そして、回収されたメタンガス14は、燃料として利用することができる。なお、水蒸気13は、大気中に放出される。また、ガス14として二酸化炭素ガスが回収される場合には、大気中に放出してもよい。
【0025】
一方、リアクタ50の容器51の下部に残留した廃液15は、排水口56から移送ライン26を介して排水処理装置70に送られる。そして、排水処理装置70において、廃液15を浄化処理して排水口71から排水16を外部に放出する。これにより、河川などへの有機物汚染が防止される。浄化処理の方法は、従来からある浄化処理と同様である。
【0026】
一方、移送ライン27を介して蛋白質11が移送された水熱処理装置80では、水熱処理容器81に収容された蛋白質11をヒータ82により連続的に加熱処理する。ここで、図2は、回収した蛋白質11の水熱処理による液状化率を表すグラフである。そして、加熱温度を100℃程度以上に上昇させることにより、蛋白質11に含まれる水分が蒸発して水熱処理容器81内の圧力も上昇して飽和蒸気圧となり、いわゆる水熱処理が行われる。なお、水熱処理に必要な水分として、残液12の一部を移送ライン27を介して水熱処理装置80内に導入してもよく、或いは、外部から水熱処理装置80内に水分を導入してもよい。そして、図2に示すように、蛋白質11をアミノ酸17に分解(液状化)させることができる。なお、約250℃程度以上に温度を上昇させると、アミノ酸17等が変質等してしまう場合がある。また、加熱時間は、約10分程度が好ましい。そして、蛋白質11からは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、アルパラギン酸、グルタミン酸等の複数のアミノ酸17のなかから少なくとも1種類以上のアミノ酸17が得られる。このように蛋白質11を水熱処理することにより、蛋白質11を分解(液状化)させてアミノ酸17を生成することができる。そして、得られたアミノ酸17は排出口83から回収される。
【0027】
以上のようして、蛋白質含有液10から蛋白質11、ガス14及びアミノ酸17を安全かつ効率的に回収することができる。また、蛋白質含有液10から蛋白質11及びアミノ酸17を回収する際に、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質11及びアミノ酸17を食品や堆肥として有効に利用することができる。さらに、蛋白質含有液10にpH調整剤を添加していないため、後工程である消化処理に与える影響が軽減され、特に、嫌気性消化処理の場合では、メタンガス14の回収効率を大幅に向上させることができる。また、回収された蛋白質11を水熱処理することにより、容易にアミノ酸17を得ることができる。
【0028】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
【0029】
加熱処理装置30に連結されるリアクタ50は、1台に限らず、複数台であってもよい。加熱処理装置30における加熱処理に比べて、リアクタ50における消化処理は時間を要するため、複数台のリアクタ50を設けた方が円滑に上述した処理を進めることができる。この場合、嫌気性リアクタ50と好気性リアクタとを混在させてもよい。
同様に、加熱処理装置30に連結される水熱処理装置80は、1台に限らず、複数台であってもよい。そして、連結された水熱処理装置80毎に加熱温度を変えることにより、水熱処理装置80毎に得られるアミノ酸17の種類を変えることが可能となる。
【0030】
また、加熱処理装置30を水熱処理装置80として兼用させてもよい。すなわち、加熱処理装置30で蛋白質11を析出させ、残液12を排出した後に、更に加熱処理装置30を加熱させて、加熱処理容器31に残った蛋白質11を水熱処理してもよい。また、蛋白質含有液10を加熱処理装置30内で直接、水熱処理しアミノ酸17を回収してもよい。これにより、装置を簡易化でき、設備コストを抑えることができる。
【0031】
また、移送ライン22、26、27の途中に残液12、15、蛋白質11を貯蔵する貯蔵槽を設けてもよい。また、移送ライン22にクーラ40及び圧力調整弁23を設けずに、残液12を直接、リアクタ50に移送してもよい。また、リアクタ50を設けずに、廃液15を排水処理装置70に移送して、排水処理を行ってもよい。
【0032】
水熱処理装置80の下流に生成されたアミノ酸17から特定のアミノ酸17を抽出したり、アミノ酸17を種類毎に分類したりする装置を設けてもよい。これにより、例えば、うまみ成分を持つアミノ酸17だけを回収することができる。
【0033】
回収装置1に収容される蛋白質11は、蛋白質含有液10から回収されたものに限らず、他の装置や手段、方法によって得られる蛋白質であってもよい。したがって、pH調整剤を用いて蛋白質11を析出させたものであってもよく、また、植物性あるいは動物性であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、蛋白質からアミノ酸を回収する方法であって、蛋白質を水熱処理してアミノ酸に分解する工程を有するようにした。このため、蛋白質を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0035】
また、蛋白質が、蛋白質を含有する液体から回収された蛋白質であるようにしたので、例えば、工場から排出される蛋白質含有液から大量の蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、液体から蛋白質を回収する際に、液体を加熱処理するようにしたので、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【0036】
第2の発明は、蛋白質からアミノ酸を回収する装置であって、蛋白質を水熱処理してアミノ酸に分解する水熱処理装置を備えるようにした。このため、水熱処理装置において蛋白質を水熱処理することにより加水分解させて、容易にアミノ酸を得ることができる。また、蛋白質含有液を水熱処理することにより、蛋白質含有液から蛋白質を分離する工程を介することなく、容易にアミノ酸を得ることができる。すなわち、蛋白質もしくは蛋白質含有液を水熱処理することにより、容易にアミノ酸を得ることができる。
【0037】
また、回収装置が、蛋白質を含有する液体から蛋白質を回収する蛋白質回収装置を備えるようにしたので、蛋白質回収装置により蛋白質含有液から確実に蛋白質を回収することができるので、資源の有効利用を促進することができる。
また、蛋白質回収装置が、液体を加熱処理して液体に含有する蛋白質を析出させる加熱処理装置を備えるようにしたので、蛋白質含有液から蛋白質を回収する際に、加熱処理装置により加熱するだけであって、pH調整剤等の薬品を添加することがないので、回収された蛋白質を食品や堆肥として有効に利用することができ、また、この蛋白質から得られるアミノ酸も安心して食品等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アミノ酸の回収装置を示す概念図である。
【図2】蛋白質の水熱処理による液状化率を表すグラフである。
【符号の説明】
1 回収装置
10 蛋白質含有液(液体)
11 蛋白質
12 残液
17 アミノ酸
20 ライン
30 加熱処理装置(蛋白質回収装置)
40 クーラ
50 リアクタ
60 ガス回収装置
70 排水処理装置
80 水熱処理装置
Claims (6)
- 蛋白質もしくは蛋白質を含有する液体からアミノ酸を回収する方法であって、
蛋白質もしくは蛋白質を含有する液体を水熱処理してアミノ酸に分解する工程を有することを特徴とするアミノ酸の回収方法。 - 前記蛋白質は、蛋白質を含有する液体から回収された蛋白質であることを特徴とする請求項1に記載のアミノ酸の回収方法。
- 前記液体から蛋白質を回収する際に、前記液体を加熱処理することを特徴とする請求項2に記載のアミノ酸の回収方法。
- 蛋白質もしくは蛋白質を含有する液体からアミノ酸を回収する装置であって、
蛋白質もしくは蛋白質を含有する液体を水熱処理してアミノ酸に分解する水熱処理装置を備えることを特徴とするアミノ酸の回収装置。 - 前記回収装置は、蛋白質を含有する液体から蛋白質を回収する蛋白質回収装置を備えることを特徴とする請求項4に記載のアミノ酸の回収装置。
- 前記蛋白質回収装置は、前記液体を加熱処理して該液体に含有する蛋白質を析出させる加熱処理装置を備えることを特徴とする請求項5に記載のアミノ酸の回収装置。
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