JP2002102897A - 廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理方法および処理装置 - Google Patents

廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理方法および処理装置

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JP2002102897A
JP2002102897A JP2000297477A JP2000297477A JP2002102897A JP 2002102897 A JP2002102897 A JP 2002102897A JP 2000297477 A JP2000297477 A JP 2000297477A JP 2000297477 A JP2000297477 A JP 2000297477A JP 2002102897 A JP2002102897 A JP 2002102897A
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treatment
wheat
yeast
based organic
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Masatada Yamashita
正忠 山下
Kenta Kanazawa
健太 金澤
Keiichi Miwa
敬一 三輪
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    • Y02W10/20Sludge processing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃酵母や麦搾り滓等の水に不溶な食品系有機
廃棄物を良好に処理することができ、さらにこれから有
価物を回収し得るようにした廃酵母や麦搾り滓等の食品
系有機廃棄物の処理方法と、この処理方法の実施に好適
な廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理装置の
提供が望まれている。 【解決手段】 廃酵母や麦搾り滓等の水に不溶な食品系
有機廃棄物を、亜臨界水条件あるいは超臨界水条件下の
水熱反応により液状化する水熱反応処理装置2と、液状
化された水熱反応処理物から有価物を回収する回収装置
(嫌気性処理装置3)とを備えた廃酵母や麦搾り滓等の
食品系有機廃棄物の処理装置1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃酵母や麦搾り滓
等の水に不溶な食品系有機廃棄物を処理し、さらにこれ
から有価物を回収するようにした廃酵母や麦搾り滓等の
食品系有機廃棄物の処理方法と、この処理方法の実施に
好適な廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビール工場等の食品製造工場か
ら排出される廃酵母や、ビール工場や焼酎製造工場等か
ら排出される麦搾り滓などの水に不溶な食品系有機廃棄
物は、焼却処理や海洋投棄処理がなされ、あるいは家畜
の飼料、肥料などとして利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼却処
理方法では、排ガスとしてダイオキシンなどの有害物が
発生してしまうおそれがあり、また、海洋投棄処理につ
いては、産業廃棄物の処理等に関する法の改正によって
規制される方向にある。また、家畜の飼料や肥料などと
しての利用についても、その利用される量は実際に排出
される量に対して僅かであり、しかも移送等のコストを
考慮すると必ずしもコスト的に有効な利用がなされてい
るとは言いがたい面がある。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、廃酵母や麦搾り滓等の水
に不溶な食品系有機廃棄物を良好に処理することがで
き、さらにこれから有価物を回収し得るようにした廃酵
母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理方法と、この
処理方法の実施に好適な廃酵母や麦搾り滓等の食品系有
機廃棄物の処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の廃酵母や麦搾り
滓等の食品系有機廃棄物の処理方法では、廃酵母や麦搾
り滓等の水に不溶な食品系有機廃棄物を、亜臨界水条件
あるいは超臨界水条件下の水熱反応により液状化する水
熱反応処理工程と、液状化された水熱反応処理物から有
価物を回収する回収工程とを備えてなることを前記課題
の解決手段とした。
【0006】この処理方法によれば、水に不溶な食品系
有機廃棄物を、亜臨界水条件あるいは超臨界水条件下の
水熱反応により液状化するので、得られた水熱反応処理
物が液状化されていることによりこれから有価物が回収
し易くなり、また、有価物回収後、あるいは回収前の水
熱反応処理物について、排水として放流処理することが
可能になる。
【0007】本発明の廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機
廃棄物の処理装置では、廃酵母や麦搾り滓等の水に不溶
な食品系有機廃棄物を、亜臨界水条件あるいは超臨界水
条件下の水熱反応により液状化する水熱反応処理装置
と、液状化された水熱反応処理物から有価物を回収する
回収装置とを備えてなることを前記課題の解決手段とし
た。
【0008】この処理装置によれば、上記の処理方法を
実施できることから、有価物が回収し易くなり、また、
有価物回収後の水熱反応処理物についても排水として放
流処理することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄
物の処理装置の一実施形態例を説明するための概略構成
図であり、図1中符号1は食品系有機廃棄物の処理装置
(以下、有機廃棄物の処理装置と記す)である。この有
機廃棄物の処理装置1は、特にビール工場等の食品製造
工場から排出される廃酵母や麦搾り滓の処理に好適なも
ので、亜臨界水条件あるいは超臨界水条件下の水熱反応
により液状化する水熱反応処理装置2と、液状化された
水熱反応処理物から有価物としてメタンガスを回収する
嫌気性処理装置3と、回収処理後の処理物のCODを、
放流基準の濃度以下に低減する放流処理装置4とを具備
してなるものである。
【0010】水熱反応処理装置2は、ポンプ(図示せ
ず)等によって送られてきた廃酵母や麦搾り滓を、亜臨
界水条件あるいは超臨界水条件下、具体的には例えば2
30〜250℃、28〜40気圧の高温高圧下での水熱
反応によって組成分解し、液状化するもので、廃酵母の
大部分を液状化するものである。
【0011】嫌気性処理装置3は、本発明における回収
装置として機能するもので、酸生成菌やメタン生成菌等
の嫌気性微生物を含む汚泥を有して構成されたものであ
る。このような構成のもとに、この嫌気性処理装置3で
は、ポンプ(図示せず)等によって水熱反応処理装置2
から送られてきた水熱反応処理物を、前記の汚泥によ
り、低分子化→有機酸生成→メタン生成のステップでメ
タンガスに転換、すなわちメタン発酵させるようになっ
ている。このようにしてメタン発酵させられて得られた
メタンガスは、クリーンなエネルギー、すなわち本発明
における有価物として回収され、さらにはガスタービン
などによって電気エネルギーとして回収される。
【0012】放流処理装置4は、本例においては好気性
処理装置からなるもので、好気性微生物を含む汚泥を有
して構成されたものである。このような構成のもとに、
この放流処理装置4では、ポンプ(図示せず)等によっ
て嫌気性処理装置3から送られてきた処理物のCOD
(CODMn;化学的酸素要求量、過マンガン酸カリウ
ム法による)を、放流基準の濃度(20mg/l程度以
下)以下に低減するものとなっている。
【0013】このような構成の有機廃棄物の処理装置1
による処理方法に基づき、本発明の廃酵母や麦搾り滓等
の食品系有機廃棄物の処理方法を説明する。まず、処理
対象である廃酵母に、必要に応じて水に分散させるなど
の前処理を施した後、これを水熱反応処理装置2に導入
する。そして、この水熱反応処理装置2において、亜臨
界水条件あるいは超臨界水条件下、例えば230〜25
0℃、28〜40気圧の高温高圧下で水熱反応を行い、
廃酵母を組成分解して液状化し、その大部分を液状化す
る。
【0014】次に、このようにして大部分が液状化され
た水熱反応処理物を嫌気性処理装置3に導入し、ここ
で、導入した水熱反応処理物中の有機物を嫌気性処理す
ることによりメタン発酵させる。そして、得られたメタ
ンガスをクリーンなエネルギー、すなわち本発明におけ
る有価物として回収する。
【0015】次いで、嫌気性処理(有価物回収処理)後
の処理物を必要に応じて固液分離した後、その液分を、
放流処理装置4に導入する。そして、ここで導入した処
理物を好気性処理することにより、そのCOD(COD
Mn;化学的酸素要求量、過マンガン酸カリウム法によ
る)を、放流基準の濃度(20mg/l程度以下)以下
に低減する。その後、必要に応じてCOD以外の放流基
準を満たすための処理を行った後、この処理物を一般の
下水、あるいは河川等に放流する。
【0016】このような食品系有機廃棄物の処理装置1
とこれを用いてなる処理方法にあっては、亜臨界水条件
あるいは超臨界水条件下の水熱反応によって水に不溶な
食品系有機廃棄物を液状化するので、得られた処理物が
液状化されていることにより嫌気性処理が可能となり、
したがってこれから有価物としてメタンガスを良好に回
収することができる。また、嫌気性処理後(有価物回収
後)の水熱反応処理物についても、これを容易に好気性
処理することができることにより、排水として放流処理
することができる。
【0017】なお、前記例では、放流処理装置4として
好気性処理装置を用いたが、本発明はこれに限定される
ことなく、例えばこの好気性処理装置に代えて水熱湿式
酸化処理装置を用いてもよい。この水熱湿式酸化処理装
置は、水熱湿式酸化処理によって処理物のCOD(CO
DMn)を、前記放流基準の濃度以下に低減するもので
ある。
【0018】すなわち、この水熱湿式酸化処理装置は、
嫌気性処理(有価物回収処理)後の処理物を加熱・加圧
して亜臨界水条件あるいは超臨界水条件とし、このよう
な反応条件に基づいて水熱反応させるもので、反応性を
高めるため反応室にラシヒリングやベルルサドルなどの
充填物を充填したものである。また、この反応室には、
CODを低減するのに有効な触媒、すなわち処理対象に
よって適宜に選択される触媒(例えば白金族元素)が、
前記充填物間に、あるいは充填物そのものとして充填さ
れている。
【0019】このような構成のもとにこの水熱湿式酸化
処理装置からなる放流処理装置4は、反応室にて触媒の
存在下のもとに充填物表面で処理物を水熱湿式酸化処理
することにより、処理物中のCOD(CODMn)を前
記放流基準の濃度以下に低減するようになっている。し
たがって、この水熱湿式酸化処理装置からなる放流処理
装置4にあっても、嫌気性処理後(有価物回収後)の水
熱反応処理物を、排水として放流が可能となるように処
理することができる。
【0020】(実験例1)ビール工場から排出された廃
酵母に対し、水熱反応処理を行い、その液状化率等を調
べた。得られた結果を表1に示す。なお、水熱反応処理
については、試験装置として、バッチ式超臨界水・水熱
反応試験装置(オートクレーブ)を用いて行った。この
水熱反応試験装置の仕様、および試験条件は以下の通り
である。 「仕様」 ・最高使用温度;500℃ ・最高使用圧力;50MPa ・反応容器 ;材質:炭素鋼にハステロイ内張り、容量:45ml ・加熱方式 ;誘導加熱方式、昇温:50℃/min ・攪拌方式 ;加熱炉ロッキングによる攪拌、攪拌ボール 「試験条件」 ・試料 ;廃酵母は水に分散させることなくそのまま使用。 ・処理温度;150、200、230、250、300℃ ・処理時間;30分 ・気相部 ;アルゴン(1MPa)
【0021】
【表1】
【0022】表1に示した結果より、廃酵母の液状化率
は処理温度が高くなるにつれて上昇した。ただし、25
0℃以上になるとタール質分の生成も確認された。した
がって、処理温度としては230℃が望ましいことが分
かった。また、水熱反応処理物の嫌気性処理への適用性
について、CODMn、CODCr(化学的酸素要求
量、重クロム酸カリウム法による)、BOD(生物学的
酸素要求量)をそれぞれ測定し、BOD/CODCrを
算出した。一般に、このBOD/CODCrの値が0.
5程度以上であれば、嫌気性処理が充分に可能となる。
したがって、本例では例えば処理温度が230℃のとき
0.68であることから、得られた水熱反応処理物は嫌
気性処理が良好に行われるものとなり、これにより有価
物の回収(メタンガスの回収)が良好になされることが
分かった。
【0023】前記例では、図1に示した装置によって廃
酵母を処理するようにしたが、本発明はこれに限定され
ることなく、例えばビール工場から排出される麦搾り滓
を処理することも可能である。以下、麦搾り滓に対して
水熱反応処理を行った実験について示す。
【0024】(実験例2)ビール工場から排出された麦
搾り滓に対し、水熱反応処理を行い、その液状化率等を
調べた。ここで、試料となる麦搾り滓は75%前後の水
分を含有し、その乾燥物の95%は600℃で燃焼可能
な有機物であった。また、灰分の含有率は3〜4%であ
り、SiO2 、CaMgP2 7 等で構成されていた。
得られた結果を表2に示す。なお、水熱反応処理につい
ては、試験装置として、前記実験例1で用いたものと同
じものを用いた。また、試料としては、麦搾り滓に水
を、麦搾り滓:水=1:1となるようにして加えたもの
を用いた。処理温度、処理時間については表2中に示
す。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示した結果より、麦搾り滓の液状化
率(表2中、可溶化率として示す)は、処理温度が高く
なるにつれて上昇した。ただし、200℃以上になる
と、CODMn、CODCr、BOD、TOC(有機
量)がともに低下する傾向にあった。また、BOD/C
ODCrの算出値(%)は、処理温度が200℃のとき
0.5(50%)を越えており、したがって得られた水
熱反応処理物は嫌気性処理が良好に行われるものとな
り、これにより有価物の回収(メタンガスの回収)が良
好になされることが分かった。確認のため、200℃で
30分水熱処理して水熱反応処理物(液状物)のメタン
生成活性を測定したところ、多少のSS(懸濁物)分を
含む水熱反応処理物(液状物)を嫌気性処理しても、充
分にメタンガスが生成することが分かった。
【0027】図2は、本発明の廃酵母や麦搾り滓等の食
品系有機廃棄物の処理装置の他の実施形態例を説明する
ための概略構成図であり、図2中符号10は食品系有機
廃棄物の処理装置(以下、有機廃棄物の処理装置と記
す)である。この有機廃棄物の処理装置10は、特に麦
焼酎搾り滓の蒸留残渣の処理に好適なもので、前処理と
して該蒸留残渣をホモジナイズすることにより、その細
胞を破砕処理する破砕処理装置11と、破砕処理された
蒸留残渣を加水分解する加水分解処理装置12と、加水
分解処理後の蒸留残渣を亜臨界水条件あるいは超臨界水
条件下の水熱反応により液状化する水熱反応処理装置1
3と、液状化された水熱反応処理物から有価物としてア
ミノ酸を回収する回収装置14とを具備してなるもので
ある。
【0028】破砕処理装置11は、公知のホモジナイザ
ーによって構成されるもので、必要に応じて水等に分散
せしめられた被処理物(蒸留残渣)を、その細胞までを
破砕することにより、後段の処理を容易にするためのも
のである。
【0029】加水分解処理装置12は、例えば150〜
300℃の条件下において、必要に応じて酸あるいはア
ルカリを適宜に添加することにより、破砕処理された蒸
留残渣中の蛋白質を加水分解するものである。
【0030】水熱反応処理装置13は、図1に示した水
熱反応処理装置2と同様のもので、加水分解処理装置1
2から送られてきた加水分解処理後の蒸留残渣を、亜臨
界水条件あるいは超臨界水条件下、具体的には例えば2
00〜350℃、16〜165気圧の高温高圧下での水
熱反応によって組成分解し、液状化するためのものであ
る。
【0031】回収処理装置14は、液状化された水熱反
応処理物から有価物としてアミノ酸を回収するためのも
ので、本例においては特にアスパラギン酸を分離回収す
るものとなっている。すなわち、この回収処理装置14
は、抽出操作や蒸留操作等の化学的手法が組合わされる
ことにより、アスパラギン酸を分離回収するよう構成さ
れたものである。
【0032】このような構成の有機廃棄物の処理装置1
0によって前記蒸留残渣を処理するには、まず、処理対
象である蒸留残渣を破砕処理装置11によってその細胞
までを破砕処理する。次に、この破砕処理した蒸留残渣
を加水分解処理装置12で加水分解処理し、これにより
蒸留残渣中の蛋白質を加水分解する。なお、この加水分
解に際しては、酸あるいはアルカリを適宜に添加するこ
とにより、分解効率を高めることもできる。
【0033】次いで、この加水分解処理後の被処理物を
水熱反応処理装置13に導入し、ここで、亜臨界水条件
あるいは超臨界水条件下で水熱反応を行い、被処理物を
液状化する。このようにして液状化を行うと、被処理物
(蒸留残渣)はそのアミノ酸成分がより分離しやすくな
る。その後、この液状化した被処理物(水熱反応処理
物)を回収処理装置14に導入し、ここで有価物として
アミノ酸(アスパラギン酸)を分離回収する。
【0034】なお、本例においては、前記加水分解処理
装置12に記回収処理装置14と同様の回収処理装置1
5を接続し、この回収処理装置15により、加水分解処
理後の蒸留残渣からアミノ酸として特にグルタミン酸お
よびグリシンを分離回収するようにしてもよい。
【0035】このような食品系有機廃棄物の処理装置1
0とこれを用いてなる処理方法にあっては、前処理とし
て破砕処理、および加水分解処理を施した蒸留残渣を、
亜臨界水条件あるいは超臨界水条件下の水熱反応によっ
て液状化するので、得られた処理物から有価物としてア
ミノ酸(アスパラギン酸)を分離回収することができ
る。また、アミノ酸回収後、あるいは回収前の水熱反応
処理物について、必要に応じて適宜な処理を行うことに
より、排水として放流処理することが可能になる。
【0036】(実験例3)麦焼酎搾り滓の蒸留残渣に対
し、破砕処理(ホモジナイズ処理)、加水分解処理を施
した後、水熱反応処理を行い、アミノ酸(アスパラギン
酸、グルタミン酸、グリシン)の分離回収について調べ
た。得られた結果を表3に示す。なお、水熱反応処理に
ついては、試験装置として、前記実験例1で用いたもの
と同じものを用いた。また、試料としては、蒸留残渣に
水を加えることなくそのまま用い、ホモジナイズ処理と
してこれを10000rpmで20分破砕処理した。さ
らに、水熱処理の処理時間については、60、100、
125、150、175、200℃とし、また処理時間
については、125℃の場合に15、30、60分とし
た。
【0037】
【表3】
【0038】表3に示したように、アスパラギン酸につ
いては、水熱処理後、その処理温度が上昇するにつれ、
分離回収量が増す傾向にあった。ただし、回収率の極大
は150、175℃の条件で認められ、処理温度が20
0℃になると分解反応が進行し、回収率が低下した。ま
た、酸素の存在はアスパラギン酸の酸化分解反応を促進
させ、分離回収率を低下させてしまうことが分かった。
また、処理時間が長いほど、分離回収率が増加する傾向
にあることが分かった。なお、グルタミン酸やグリシン
の回収については、水熱反応の効果が少なかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の廃酵母や麦
搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理方法は、水に不溶な
食品系有機廃棄物を、亜臨界水条件あるいは超臨界水条
件下の水熱反応により液状化する方法であるから、得ら
れる水熱反応処理物を液状化することによりこれから有
価物を回収し易くすることができる。また、有価物回収
後、あるいは回収前の水熱反応処理物について、必要に
応じて適宜な処理を行うことにより、これを排水として
放流処理することができる。
【0040】本発明の廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機
廃棄物の処理装置は、上記の処理方法を実施できるもの
であるから、有価物を良好に回収することができ、また
水熱反応処理物について、これを排水として放流処理す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃
棄物の処理装置の一実施形態例の、概略構成を説明する
ための図である。
【図2】 本発明の廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃
棄物の処理装置の他の実施形態例の、概略構成を説明す
るための図である。
【符号の説明】 1、10…廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処
理装置、 2、13…水熱反応処理装置、 3…嫌気性処理装置、 4…放流処理装置、 11…破砕処理装置、 12…加水分解処理装置、 14…回収処理装置、 15…回収処理装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10L 3/06 ZAB C10L 3/00 ZABA (72)発明者 三輪 敬一 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 Fターム(参考) 4D059 AA07 AA30 BA02 BA12 BC01 BH01 CA22 CA29 CC10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃酵母や麦搾り滓等の水に不溶な食品系
    有機廃棄物を、亜臨界水条件あるいは超臨界水条件下の
    水熱反応により液状化する水熱反応処理工程と、液状化
    された水熱反応処理物から有価物を回収する回収工程と
    を備えてなることを特徴とする廃酵母や麦搾り滓等の食
    品系有機廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 有価物を回収する回収工程が、嫌気性微
    生物が含まれる汚泥の存在下でメタン発酵させ、メタン
    ガスを回収する工程であることを特徴とする請求項1記
    載の廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 回収工程の後に、回収処理後の処理物を
    好気性処理あるいは水熱湿式酸化処理することにより、
    CODを放流基準の濃度以下に低減する放流処理工程が
    備えられていることを特徴とする請求項2記載の廃酵母
    や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 有価物を回収する回収工程が、アミノ酸
    を回収する工程であることを特徴とする請求項1記載の
    廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 廃酵母や麦搾り滓等の水に不溶な食品系
    有機廃棄物を、亜臨界水条件あるいは超臨界水条件下の
    水熱反応により液状化する水熱反応処理装置と、液状化
    された水熱反応処理物から有価物を回収する回収装置と
    を備えてなることを特徴とする廃酵母や麦搾り滓等の食
    品系有機廃棄物の処理装置。
  6. 【請求項6】 有価物を回収する回収装置が、嫌気性微
    生物が含まれる汚泥の存在下でメタン発酵させ、メタン
    ガスを回収する嫌気性処理装置であることを特徴とする
    請求項5記載の廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物
    の処理装置。
  7. 【請求項7】 回収装置の後段に、回収処理後の処理物
    を好気性処理あるいは水熱湿式酸化処理することによ
    り、CODを放流基準の濃度以下に低減する放流処理装
    置が備えられていることを特徴とする請求項6記載の廃
    酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理装置。
  8. 【請求項8】 有価物を回収する回収装置が、アミノ酸
    を回収する装置であることを特徴とする請求項5記載の
    廃酵母や麦搾り滓等の食品系有機廃棄物の処理装置。
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