JP3873007B2 - 鋼管矢板の継手構造の施工方法 - Google Patents

鋼管矢板の継手構造の施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管矢板の継手構造の施工方法に関し、特に大規模な鋼管矢板基礎や複合井筒基礎に用いられる鋼管矢板を連結するための継手構造の連結作業を効率よく行え、高品質の継手構造が得られるようにした継手構造の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋梁基礎のひとつとしての鋼管矢板基礎は、たとえば図11に示したように、隣接する鋼管矢板50の継手部同士を互いに連結しながら、複数本の鋼管矢板50を、円形、小判形、矩形などの閉鎖壁体形状になるように地盤中に打設し、この閉鎖形状の内部空間に頂版コンクリート51を施工して構築される。
【0003】
従来、鋼管矢板基礎の継手としては、P−P型(パイプ型)が一般に使用されている。図12は、このP−P型継手部で連結された鋼管矢板壁の一部を示した平面図である。図13は、さらに隣接した鋼管矢板パイプ52を接合したP−P型継手部を拡大して示した部分拡大図である。図13に示したように、P−P型継手は、鋼管矢板パイプ52の管軸方向に沿って、スリット53aが形成された小径の円形鋼管からなる継手管53で構成され、鋼管矢板パイプ52の対向した外側面にその管軸方向に沿って取り付けられている。
【0004】
鋼管矢板基礎では、この継手部により壁体が一体化されていることを条件に構造計算がされているため、継手部の強度が壁体強度に大きく影響する。このため、継手部を確実に行うことが重要になっている。従来、施工にあたっては、円形鋼管からなる継手管53のスリット53a部分をはめ合わせるようにして隣接した鋼管矢板パイプ52を地盤中に打設し、その継手管53内に詰まっている土砂を除去し、鋼管内面の清掃を行い、鋼管内にモルタル54(図12)を充填して継手部の補強を図る。このとき継手管53は、図13に示したように、スリット53aを介したはめ合いにより仕切られて形成された中央室53Aと、その両側の端部室53Bとに区画されている。したがって、各室53A,53Bについて上述した土砂の除去、管内面清掃及びモルタル充填を行う必要がある。
【0005】
この継手管53内の土砂を除去、清掃する装置として、たとえば圧縮空気を利用した噴射洗浄装置が知られている(実公昭58−42496号公報参照。)。
図14は、この噴射洗浄装置の模式図を示している。噴射洗浄装置60は、圧縮空気Paと圧力水Pwとが独立して供給され、別々の噴射孔から噴射可能な二重管構造の噴射先端管61を有している。この噴射先端管61は、継手管53内に噴射先端管61が吊持された状態で、その先端部に下方および斜め上方を向く圧力水噴射ノズル62が、噴射先端管61の上部位置に圧縮空気噴射ノズル63が配置されている。そして2方向を向く圧力水噴射ノズル62から適正なバランスで圧力水Pwを噴射させることにより管内土砂の切削、管内周面の清掃、および噴射先端管61の安定保持を図ることができる。そして圧縮空気噴射ノズル63から上向きに噴射された圧縮空気Paの上昇気流によるエアリフト作用により、上方への水流速度を高め、水流とともに切削土砂を効率よく上昇させ、地上の処理プラントに搬送するようになっている。
【0006】
また、モルタル充填では、図13に示したように中央室53A、端部室53Bの3室に順次、地上からモルタル充填管を挿入してモルタル充填を行う方法がとられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、継手管内で発生した切削土砂の搬出にエアリフトを利用すると、継手管内の水圧が低下するため、継手管とスリットの隙間から周辺の地下水と土砂とを継手管内に呼び込むことになる。このため、管内面の清掃ができなかったり、清掃後の継手管内に周辺地山から土砂が入り込んで堆積してモルタル充填が確実に行えなくなる。また、継手管周辺の地山を乱し、鋼管矢板の支持力低下の原因となったり、鋼管矢板に沿って水みちが形成され、この水みちを伝わって継手管から漏出したモルタルが他の継手管内に浸入して固化し、他の継手管での作業に支障が生じる。また、周辺地盤が非常に緩い砂地盤のような場合、周辺地盤の崩壊のおそれもある。
【0008】
このように、周辺地盤の崩落が予想される場合には、従来、ベントナイト泥水を安定液として利用して緩い砂層地盤等の崩落を防止したり、高圧水にベントナイト泥水を利用することもあるが、高圧水ポンプがベントナイトの粒子により摩耗し、すぐに故障を引き起こすという問題もある。
【0009】
一方、モルタル充填作業では、中央室、端部室にそれぞれモルタル充填管を配管して充填作業を行わなければならず、施工に手間がかかり、工事コストの上昇につながる。また、個々の室にモルタル充填を行う間に、充填済みの室から隣接した室にモルタルが流れ込むことが予想される。このとき隣接した室には清掃水が満たされているので、セメント分が洗い流され、骨材分のみが室内に堆積して充填モルタルの強度低下につながるおそれもある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、P−P型継手の継手管を嵌合して連結し、継手管内にモルタルを充填する鋼管矢板の連結構造の継手性能を十分発揮できるような、継手構造の施工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は鋼管矢板の外側面の反対側位置に、該鋼管矢板の管軸方向に平行なスリットが形成された円形鋼管からなる一対の継手管が取り付けられた鋼管矢板を、前記スリットを介してはめ合わせて地山に打設し、はめ合わせによって前記継手管内に仕切られた中央空間内に、土砂切削可能な増粘高圧水を噴射する高圧水噴射手段を配管し、前記高圧水噴射手段から噴射される増粘高圧水で前記中央空間内の土砂を切削し、上昇水流により前記切削土砂を地上に排出し、引き続き前記高圧水噴射手段を前記中央室に隣接する端部室内に配管して該端部室内の土砂切削を行って前記切削土砂と増粘高圧水とを地上に排出し、その後、前記中央室内及び前記端部室にモルタル充填して継手部を一体化するようにしたことを特徴とする。
【0012】
さらに、鋼管矢板の外側面の反対側位置に、該鋼管矢板の管軸方向に平行なスリットが形成された円形鋼管からなる一対の継手管が取り付けられた鋼管矢板を、前記スリットを介してはめ合わせて地山に打設し、はめ合わせによって前記継手管内に仕切られた中央空間内に、土砂切削可能な増粘高圧水を噴射する高圧水噴射手段と安定液供給管とを配管し、管内を安定液で満たすとともに前記高圧水噴射手段から噴射される増粘高圧水で前記中央空間内の土砂を切削し、上昇水流により前記切削土砂を地上に排出し、引き続き前記高圧水噴射手段、安定液供給管とを前記中央室に隣接する端部室内に配管して該端部室内の土砂切削を行って前記切削土砂と安定液と増粘高圧水とを地上に排出し、その後、前記中央室内及び前記端部室にモルタル充填して継手部を一体化するようにしたことを特徴とする。
【0014】
この継手構造の施工方法として、鋼管矢板の管軸方向に平行なスリットと、該スリットに沿って所定間隔をあけて配設された連通部とを有する継手管が取り付けられた鋼管矢板を、前記スリットを介してはめ合わせて地山に打設し、はめ合わせによって前記継手管内に仕切られた中央空間内に、その内部に圧縮空気が供給される排土管と、土砂切削可能な高圧水を噴射する高圧水噴射手段とを配管し、前記高圧水噴射手段で前記中央空間内の土砂を切削するとともに前記排土管で切削土砂を地上に排出し、引き続き前記高圧水噴射手段を前記中央室に隣接する端部室内に配管して該端部室内の土砂切削を行うとともに、前記連通部を介して切削土砂を水とともに前記中央室に流動させ、前記排土管で地上に排出し、その後、前記中央室内の前記排土管をモルタル充填管に転用して前記中央室にモルタルを充填し堆積させつつ、前記連通部を介して前記端部室に前記モルタルの一部を流動して堆積させて前記中央空間及び端部室にモルタル充填して継手部を一体化するようにしたことを特徴とする。
【0015】
さらに、上述の施工方法において、前記中央室内及び端部室内に、前記高圧水噴射手段により、増粘高圧水を供給することが好ましい。
【0016】
あるいは前記中央室内及び端部室内に、前記高圧水噴射手段により増粘高圧水を、安定液供給管により安定液を供給することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の鋼管矢板の継手構造の施工方法ついて、添付図面を参照して説明する。
[継手構造の施工方法(第1の実施の形態)]
(公知の継手構造の構成)
前提として、第1の実施の形態において、鋼管矢板の継手構造の継手管の配置関係及び諸元は、図12に示した公知の継手構造と同等のものが使用され、鋼管矢板パイプの外周の対向する2箇所に円形鋼管の継手管2が配置されている。すなわち継手構造は、一部を示した鋼管矢板パイプ1の外周面の正対する位置に取り付けられた2本の継手管2からなる。各継手管2は、一般にφ165.2〜216.3mm程度のものが使用され、管軸方向の全長にわたって嵌合用のスリット2aが形成されている。本実施の形態では外径φ267.4mm、肉厚12mmの鋼管としている。
【0018】
(継手構造の施工方法)
図1(a)に示したように、継手管2の一部で囲まれ平面視して略紡錘形状をなす中央室3A内には、地上の図示しない高圧水噴射装置に接続された高圧水供給管20が配管されている。この高圧水供給管20は地上から延設された耐圧ホース先端に高圧水噴射ノズル管21が取り付けられた公知の圧力水噴射手段で、高圧水噴射ノズル管21の先端には図示したように、吊持した状態で下方、側方、斜め上方に向けた複数の噴出孔22が形成されている。そしてこの噴出孔22から6〜15Mpa程度の高圧水Pwを噴出させる。これにより管内部に詰まっている土砂6を切削でき、さらに継手管2の内面に付着している泥等をきれいに落とすことができる。したがって、まず図1(a)、(b)に示したように、中央室3Aの施工においては、まず高圧水供給管20からの高圧ジェット水により中央室3A内に上向きの水流を発生させ、切削した土砂及び水を継手管2の上部からオーバーフローさせるようにして、中央室3A内の土砂排出及び管内面の清掃を進める。
【0019】
このときこの増粘高圧水として、本実施の形態では増粘高圧水を使用している。この増粘高圧水は天然増粘・ゲル化剤としてのガラクトース、マンノースとを主成分とする水溶性増粘剤(一例として(株)テルナイト社製商品名:レスター)を溶解させたもので、ここで使用する高圧水を十分な粘性を有する循環液体とすることができる。この水溶性増粘剤は水に対して0.3〜0.5質量%で添加する程度でよい。同等の効果を期待できる水溶性高分子を主成分とする各種の水溶性有機増粘剤CMC(カルボキシルメチルセルローズ)の使用も好ましい。
【0020】
次いで、増粘高圧水を用いた、端部室3Bの土砂6の切削、排出および清掃の作業について図2各図を参照して説明する。中央室3Aの土砂6の排出、清掃が完了したら、引き続き端部室3B内の土砂6の切削、排出および管内面の清掃を行う。中央室3Aの清掃完了後、高圧水供給管20を端部室3B内に挿入し、高圧水噴射ノズル21から噴射される増粘高圧水Pwにより端部室3B内の土砂6の切削を行う。この増粘高圧水Pwにより、同図(b)に示したような管の間の隙間からの土砂の流入を最小限に抑えることができる。さらに切削された管内の土砂6は上向き水流によって継手管2の上端からオーバーフローする。その後、高圧水供給管20を他方の端部室3Bに移動し、同様に増粘高圧水による土砂切削、搬出および管内面の清掃を行い、継手管2のすべての内部空間の土砂6を完全に除去するとともに管内面の清掃を行うことができる。
【0021】
他の変形例としてベントナイト安定液供給管と増粘高圧水とを併用した継手管2内の施工方法について、図3各図を参照して説明する。同図に示したように、たとえば端部室3Bに高圧水供給管20と、安定液供給管25とを挿入し、安定液供給管25からは高濃度のベントナイト安定液を供給するようになっている。
このベントナイト安定液の濃度としては、水に対して10〜15質量%を添加したものとし、継手管内で高圧水供給管20のノズル先端から噴射される増粘高圧水と混合させることにより、高比重、高粘性の安定液を造成することができ、継手管内の造壁効果等も見込まれ、周辺地盤が緩み、継手管内へ流入するのを確実に防止することができる。さらに、中央室3A及び端部室3B内の土砂を除去した後に、モルタルを充填して継手管2の一体化を図る。
【0022】
以下、本発明の継手構造の施工方法に、一部に開口(連絡口)を設けた継手構造を用いた参考例について説明する。図4各図に示したように、継手管2にそれぞれ管軸方向に延在するスリット2aに沿って所定間隔をあけて上下方向に複数個の連絡口5を形成してもよい。これら連絡口5は特に、後述するような排土管を用いた施工において、切削土砂と充填モルタルとを、隣接する室間で流動させるための連通部として機能し、排土管の効果を促進する効果を有している。連絡口5は、本実施の形態では高さ100mm,幅50mmの長方形の開口として形成されている。管軸方向に沿った間隔Lは周辺地山の状態にもよるが、1〜2mが好適である。本実施の形態では連絡口5を長方形としたが、開口断面は円形、長円形としてもよいことは言うまでもない。また、連通部として同図(c)、(d)に示したように、スリット2aの縁部を所定間隔をあけて切り欠いて形成した切欠部8を利用することもできる。この切欠部8は、開放端がはめ合わされた継手管2の一部で仕切られ、連絡口5と同様の開口を形成し、連通部として機能することができる。
【0023】
図5(a)は、この継手管2を用いて隣接する鋼管矢板パイプ1同士を連結した状態及び継手管2に形成された連絡口5の構成がわかるように、継手管2の一部を切り欠き、さらに継手管2内部に詰まった土砂を取り除いて示している。このように、継手管2同士は、その全長にわたって公知構造であるスリット2aを介してはめ合わされている。そして継手管2の内部空間3(図4(b))はこのはめ合いにより、同図(b)に示したように中央室3Aと、その両側の2個の端部室3Bとに仕切られる。
【0024】
[排土管を有する継手構造での施工方法(第2の実施の形態)]
次に、スリットを有する継手管2(図4,図5)を用いた継手構造の施工方法について、図6〜図8を参照して説明する。継手構造の中央室3A内に挿入された配管類について図6を参照して説明する。図6(b)に示したように、継手管2の一部で囲まれ平面視して略紡錘形状をなす中央室3A内には、上述の構成と同様の高圧水供給管20と、地上の図示しない土水分離プラントに接続された排土管10とが配管されている。
【0025】
排土管10は、図9に示したように、所定長さの単位鋼管を、端部に形成された角ネジ接合によって連結されたもので、本実施の形態では単位鋼管として呼び径(A)40,50、肉厚5〜10mm程度の圧力配管用炭素鋼鋼管が使用されている。この排土管10の下端近傍の側面には圧縮空気供給管11が連結され、管軸方向に沿って排土管10に平行して配管されている。圧縮空気供給管11の先端11aは、図9に示したように、エアリフト排土管下端10aの開放端から1〜2m程度上方位置で排土管10に連通するように逆止弁13を介して取り付けられている。一方、排土管10の上端にはスイベル14、曲がり管(エルボ管)15を介して高圧ホースが連結され、図示しない排土処理設備まで泥水を排出するようになっている。なお、大深度の場合は、さらに上方位置に別の圧縮空気供給管を取り付けることもできる。このような構成において、圧縮空気供給管11から圧縮空気が排土管10内に送気されると、水で満たされている排土管10内に細かい気泡状の上昇気流ができ、排土管下端10aの吸入口17からのサクション(吸引)作用が生じる。これにより、この吸入口17から切削土砂を含んだ泥水流が管内に吸い込まれ、そのまま圧縮空気Paによる上昇気流とともに、高圧ホース16を伝わって地上の土水分離プラントまで一気に連続搬送される。このとき図6に示したように、継手管2に形成されたスリット2a,連絡口5は端部室3Bに詰まっている土砂6により閉塞状態にあり、中央室3Aの土砂排出は端部室3Bへ影響を与えない。この状態で、土砂6の切削の進行に合わせて高圧水供給管20と排土管10とを下方に延長していくことで、継手管2の全長にわたり土砂6の切削と搬出、清掃を行うことができる。
【0026】
次いで、端部室3Bの土砂6の切削、排出および清掃の作業について図7各図を参照して説明する。中央室3Aの土砂6の排出、清掃が完了したら、引き続き端部室3B内の土砂6の切削、排出および管内面の清掃を行う。この工程では、図7(a)に示したように排土管10は中央室3Aに配置したままとする。そして高圧水供給管20のみを端部室3B内に挿入し、高圧水噴射ノズル21から噴射される高圧水Pwにより端部室3B内の土砂6の切削を行う。この高圧水Pwにより切削された土砂6は端部室3B内に溜まった水とともに連絡口5を介して中央室3A内に流入する。そして中央室3A内に配管されている排土管10下端のサクション作用により排土管10内に吸引され、エアリフトにより地上の土水分離プラント(図示せず)まで搬送される。その後、他方の端部室3Bの土砂切削、搬出および管内面の清掃を行い、継手管2内部空間の土砂6を完全に除去するとともに管内面の清掃を行うことができる。
【0027】
なお、以上の作業において、周辺地盤が緩い砂地盤である場合、第1の実施の形態で述べた上述の増粘高圧水を使用することが好ましい。さらに図7に示したように、継手管内に安定液供給管を挿入し、増粘高圧水とベントナイト安定液とを混合させることで、さらに周辺砂層地盤の崩落防止、清掃能率の向上を図ることができる。
【0028】
図8は、継手管2内へのモルタル充填作業の状態を示した工程を示している。この工程では中央室3A内に配管しておいた排土管10をモルタル充填管15として転用して使用する。地上において土水分離プラントに接続されていた排土管10から転用したモルタル充填管15の上端はモルタルポンプ(図示せず)の排出口に接続されている。このモルタルポンプから所定の品質のモルタルMが供給される。このときモルタル充填管15の下端15aは常に充填されたモルタル層内に位置するように管下端の高さを調整し、モルタル充填を行う。モルタルMとしては、充填後に各室間の連絡口5間を支障なく流動させるために、J14ロートを用いた流動性試験による流下時間が約10秒程度の高流動モルタルを採用する。モルタル充填管15から排出されたモルタル4は当初中央室3A内に溜まるが、モルタル4a面が連絡口5に達した以後は、その一部は中央室3A両側の端部室3Bに流れ込む。このように充填されたモルタル4は図8(a)に示したように、中央室3Aが先行して堆積するが、これと同時に中央室3Aから連絡口5を通じて両側の端部室3Bにも充填される。図示したように、モルタル4は常に一定のモルタル面4aが管内の水と触れているのみで管内に満たされるので、充填モルタルの品質は保持され、強度低下等を生じない。
【0029】
さらに、図10を参照して、外側止水構造を併用した場合における増粘高圧水の適用について説明する。図10に示したように、外側止水構造10は、鋼管矢板1が連結された状態で継手管2の管軸方向に延在するスリット部2aに生じている2箇所の隙間3を、管の外側から取り付けられた止水板11で止水する構造からなる。この止水板11は、細長形状の合成ゴム製止水板11が継手管2のスリット端部2bに押さえプレート12を介して固定ボルト13で固定された構造からなり、十分な剛性を有するため、嵌合状態にある他方の継手管2の外側面に確実に密着し、隙間部分の水密性を確保できるようになっている。この状態では特に、継手管内での高圧水供給管20から供給される増粘高圧水の水位は、周辺地盤の地下水位より所定の水位差ΔHだけ高くなるように水位制御を行うことが好ましい。さらに、高圧水供給管20に加え、継手管2内に安定液供給管25を挿入し、増粘高圧水とベントナイト安定液とを混合させることで周辺砂層地盤の崩落防止、清掃能率の向上を図ることもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、鋼管矢板の継手構造の施工において、継手管に形成された連絡口を介して切削土砂、充填モルタルを、中央室、端部室に仕切られた継手管間で流動させるようにし、必要に応じ、増粘高圧水、安定液を用いて切削、清掃作業を行うようにしたので、継手管からなる鋼管矢板の継手構造の施工性を高めるとともに、完成した継手品質も向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】継手管の中央室内の土砂切削、排土、清掃作業を示した作業状態説明図。
【図2】継手管の端部室内の土砂切削、排土、清掃作業を示した作業状態説明図。
【図3】継手管の端部室内(安定液供給管併用時)の土砂切削、排土、清掃作業を示した作業状態説明図。
【図4】 本発明に用いる鋼管矢板の継手構造の一参考例を示した部分斜視図。
【図5】図4に示した継手構造を、継手管の一部を切欠いて示した部分斜視図。
【図6】継手管の中央室内の土砂切削、排土、清掃作業を示した作業状態説明図。
【図7】継手管の端部室内(安定液供給管併用時)の土砂切削、排土、清掃作業を示した作業状態説明図。
【図8】継手管の中央室、端部室のモルタル充填作業状態を示した作業状態説明図。
【図9】排土管の構成を示した斜視図。
【図10】継手管止水構造(止水板)を併用し、継手管の土砂切削、排土、清掃作業を示した作業状態説明図。
【図11】従来の鋼管矢板基礎の一例を、一部の鋼管矢板を除いて示した斜視図。
【図12】従来の鋼管矢板の連結構造の一例を示した端面図。
【図13】従来の鋼管矢板の連結構造の一例を示した端面図。
【図14】従来の噴射洗浄装置の構成の一例を示した説明図。
【符号の説明】
1 鋼管矢板パイプ
2 継手管
2a スリット
3 継手管内部空間
3A 中央室
3B 端部室
4 モルタル
5 連絡口
6 土砂
10 排土管
11 圧縮空気供給管
20 高圧水供給管
21 高圧水噴射ノズル管
25 安定液供給管
M モルタル(供給時)
Pa 圧縮空気
Pw 高圧水(増粘高圧水)

Claims (5)

  1. 鋼管矢板の外側面の反対側位置に、該鋼管矢板の管軸方向に平行なスリットが形成された円形鋼管からなる一対の継手管が取り付けられた鋼管矢板を、前記スリットを介してはめ合わせて地山に打設し、はめ合わせによって前記継手管内に仕切られた中央空間内に、土砂切削可能な増粘高圧水を噴射する高圧水噴射手段を配管し、前記高圧水噴射手段から噴射される増粘高圧水で前記中央空間内の土砂を切削し、上昇水流により前記切削土砂を地上に排出し、引き続き前記高圧水噴射手段を前記中央室に隣接する端部室内に配管して該端部室内の土砂切削を行って前記切削土砂と増粘高圧水とを地上に排出し、その後、前記中央室内及び前記端部室にモルタル充填して継手部を一体化するようにしたことを特徴とする鋼管矢板の継手構造の施工方法。
  2. 鋼管矢板の外側面の反対側位置に、該鋼管矢板の管軸方向に平行なスリットが形成された円形鋼管からなる一対の継手管が取り付けられた鋼管矢板を、前記スリットを介してはめ合わせて地山に打設し、はめ合わせによって前記継手管内に仕切られた中央空間内に、土砂切削可能な増粘高圧水を噴射する高圧水噴射手段と安定液供給管とを配管し、管内を安定液で満たすとともに前記高圧水噴射手段から噴射される増粘高圧水で前記中央空間内の土砂を切削し、上昇水流により前記切削土砂を地上に排出し、引き続き前記高圧水噴射手段、安定液供給管とを前記中央室に隣接する端部室内に配管して該端部室内の土砂切削を行って前記切削土砂と安定液と増粘高圧水とを地上に排出し、その後、前記中央室内及び前記端部室にモルタル充填して継手部を一体化するようにしたことを特徴とする鋼管矢板の継手構造の施工方法。
  3. 鋼管矢板の管軸方向に平行なスリットと、該スリットに沿って所定間隔をあけて配設された連通部とを有する継手管が取り付けられた鋼管矢板を、前記スリットを介してはめ合わせて地山に打設し、はめ合わせによって前記継手管内に仕切られた中央空間内に、その内部に圧縮空気が供給される排土管と、土砂切削可能な高圧水を噴射する高圧水噴射手段とを配管し、前記高圧水噴射手段で前記中央空間内の土砂を切削するとともに前記排土管で切削土砂を地上に排出し、引き続き前記高圧水噴射手段を前記中央室に隣接する端部室内に配管して該端部室内の土砂切削を行うとともに、前記連通部を介して切削土砂を水とともに前記中央室に流動させ、前記排土管で地上に排出し、その後、前記中央室内の前記排土管をモルタル充填管に転用して前記中央室にモルタルを充填し堆積させつつ、前記連通部を介して前記端部室に前記モルタルの一部を流動して堆積させて前記中央空間及び端部室にモルタル充填して継手部を一体化するようにしたことを特徴とする鋼管矢板の継手構造の施工方法。
  4. 前記中央室内及び端部室内に、前記高圧水噴射手段により、増粘高圧水を供給するようにしたことを特徴とする請求項記載の継手構造の施工方法。
  5. 前記中央室内及び端部室内に、前記高圧水噴射手段により増粘高圧水を、安定液供給管により安定液を供給するようにしたことを特徴とする請求項記載の継手構造の施工方法。
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