JP6633899B2 - 地盤改良システム - Google Patents

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Description

本発明は、地盤改良システムに関する。
下記特許文献1には、地下水位よりも低い位置まで地盤を掘削して施工基盤を構築し、該施工基盤上からロッドを地盤に挿入して地盤改良する地盤改良工法が開示されている。この地盤改良工法においては、ロッドの先端から地盤中へグラウトを噴射する際に発生する排泥の量を、排泥管の弁を圧力調整装置によって開閉することで制御する。
特開平5−112927号公報
しかし、上記特許文献1に開示された地盤改良工法では、地下室などの高さ制限のある空間に造成機を配置して地盤改良を想定していない。排泥管は、地下水位より低い位置に配置されている。このとき排泥は、注入したグラウトによって押し出される圧力に加え、地下水位との水頭差による圧力を受けて排泥管内を流れるので、弁が排泥から受ける圧力が大きくなり、弁の耐久性を維持するのが難しい。また、排泥の量を少なくするために弁を絞った場合、排泥管の目詰まりが生じやすくなる。
本発明は上記事実を考慮して、高さ制限のある空間での地盤改良を可能とし、排泥の過剰排出や逆流などを抑制することを目的とする。
請求項1に係る地盤改良システムは、地下水位より低い位置にある地下室のスラブに設置される造成機と、前記造成機で地盤に造成される地盤改良杭の先端部から前記造成機までの距離以上の長さで複数階のスラブを貫通して前記造成機に保持されて、前記地盤へ挿入可能かつ旋回可能とされた筒状のロッドと、前記ロッドの先端部に取付けられた噴射器と、前記ロッドの後端部に接続されるホースを備え、前記ロッドを通じて地盤改良材、空気又は水を送り前記噴射器から噴射させる注入機と、を有する。
請求項1に記載の地盤改良システムでは、造成機は、地下水位より低い位置にある地下室のスラブに設置されている。このため、筒状のロッドを継ぎ足しながらロッドを長くして、地盤の削孔や地盤改良杭を造成すると、継ぎ足し時に排泥(地下水、泥土、地盤改良材などの混濁液)が噴射器を通じてロッド内へ逆流し、作業エリアに溢れ出して施工ができなくなる。
しかし、本態様では、予め、地盤に造成される地盤改良杭の先端部から造成機までの距離以上の長さのロッドを、スラブに貫通させて形成し、造成機に地盤へ挿入可能かつ旋回可能に保持させているため、地盤の削孔や地盤改良杭を造成するときに継ぎ足しする必要がない。
このように、ロッドの継ぎ足し作業を無くすことで、排泥が噴射器を通じてロッド内へ逆流して溢れ出すことを抑制できる。
また、ロッドの後端部に接続されたホースへ、注入機から地盤改良材、空気又は水を送ることで、排泥が噴射器を通じてロッド内へ逆流することが抑制される。さらに、ロッドをスラブに貫通させることにより、地下室のように高さ制限のある空間で効率良く地盤改良作業ができる。
このように、請求項1に記載の地盤改良システムでは、高さ制限のある空間での地盤改良を可能とし、排泥の溢れ出しや逆流を抑制することができる。
請求項2に係る地盤改良システムは、請求項1に記載の地盤改良システムにおいて、前記ロッドが挿入され前記地盤に形成された削孔の開口へ接続されると共に、前記地下水位より高い位置を通る排泥管と、前記排泥管に接続された排泥タンクと、前記排泥タンクに設置された密度計と、を備えている。
請求項3に係る地盤改良システムは、地下水位より低い位置にある地下室のスラブに設置される造成機と、前記造成機に保持され、地盤へ挿入可能かつ旋回可能とされた筒状のロッドと、前記ロッドの先端部に取付けられた噴射器と、前記ロッドの後端部に接続されるホースを備え、前記ロッドを通じて地盤改良材、空気又は水を送り前記噴射器から噴射させる注入機と、前記ロッドが挿入され前記地盤に形成された削孔の開口へ接続されると共に、前記地下水位より高い位置を通り排泥タンクにつながれた排泥管と、前記排泥管に設けられ、前記排泥管から排出される排泥の密度及び流量に応じて水頭高さを変更可能な水頭高さ変更部材と、を有する。
請求項3に記載の地盤改良システムでは、造成機は、地下水位より低い位置にある地下室のスラブに設置されている。造成機が地盤を削孔したり、地盤改良杭を造成するとき、削孔の開口に接続された排泥管へ排泥が流れ込み排泥タンクへ排出される。
排泥管は地下水位より高い位置を通るため、水頭差により排泥抑制力が高められる。このため、地盤改良杭を造成するときに噴射器から噴射される地盤改良材や空気のエアリフト効果で巻き込まれる地下水によって通常より多い排泥が発生しても、排出管からの排泥の排出量を抑えることができる。これにより、地盤改良材が地下水で希釈されて地盤改良杭が強度低下することを抑制でき、また、排泥の排出量を抑えることで排泥の処理コストを削減することもできる。
また、排泥の噴出圧力は、排泥の密度及び流量で増減する。このため、排泥管から排出される排泥の密度及び流量に応じて水頭高さ変更部材を用いて排出管の水頭高さを変えることで、地盤改良材の噴出量に応じた最適な汚泥排出量とすることができる。
このように、請求項2に記載の地盤改良システムでは、排泥の過剰排出や逆流などを抑制することができる。
以上説明したように、本発明の地盤改良システムは、排泥の過剰排出を抑制することができる、という優れた効果を有する。
第1実施形態に係る地盤改良システムの全体構成を示す立面図である。 第1実施形態に係る地盤改良システムの造成機周囲の構成を示す立断面図である。 第1実施形態に係る地盤改良システムの噴射器の構成を示す断面図である。 (A)は第1実施形態に係る地盤改良システムのスイベル式とされた水頭高さ変更部材を示す斜視図であり、(B)は変形例に係るスライド式とされた水頭高さ変更部材示す斜視図であり、(C)は変形例に係るバイパス式とされた水頭高さ変更部材を示す斜視図である。 第1実施形態に係る地盤改良システムにおける改良体造成手順を示しており、(A)は削孔工程、(B)は改良杭の造成工程を示している。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る地盤改良システム10の一例について説明する。
(地盤改良システム)
図1に示すように、地盤改良システム10は、既存建物100を解体して新築建物を構築する際に、新築建物の荷重に地盤200が耐えられるように、地下ピット102の底版102Aを支持する地盤200中に地盤改良材を噴射・撹拌して、改良杭12を形成するものである。なお、改良杭12は地下ピット102の底版102Aの下面を杭頭天端(高さM(m))として構築されるが、新築建物の柱直下、基礎梁直下などに複数構築される。
地盤改良システム10は、既存建物100の地下室の床スラブ104上に設置される造成機20と、造成機20に保持された筒状のロッド30と、ロッド30の先端部に取付けられた噴射器40と、ロッド30を通じて地盤改良材、空気又は水を噴射器40から噴射させる注入機50と、ロッド30が挿入される削孔202の開口部(貫通孔102B)に接続される排泥管60と、排泥管60に設けられ、排泥管60の水頭高さを変更可能な水頭高さ変更部材70と、を備えている。
床スラブ104は地下水位W(m)より低い位置にある地下5階の床スラブであり、また、床スラブ104には貫通孔104Aが形成されている。同様に、地下2階〜地下4階のスラブにも、貫通孔104Aと同軸上に、貫通孔104Bが形成されている。さらに、地下5階の下部にある地下ピット102の底版102Aにも貫通孔104Aと同軸上に貫通孔102Bが形成されている。なお、地下水位W(m)、杭頭天端M(m)は、地盤面高さGLを0(m)としたときに、地盤面高さGLからの距離で示される。例えば地下水位Wが地盤面高さGLよりも5m低い位置にある場合、地下水位Wは−5(m)とされる。
(造成機)
造成機20は、図2に示すように既存建物100の地下室の床スラブ104上に設置され、保持部22によってロッド30を保持する掘削機である。保持部22は、ロッド30を回転させながら推進させることのできる回転推進機構であり、ロッド30が貫通してロッド30の推進方向を規制するスピンドルと、ロッド30を把持するチャックと、チャックからロッド30に上下方向及び回転方向の推進力を伝えるアクチュエータなどによって構成されている。これにより、造成機20は、ロッド30の先端部の噴射器40から水を噴出しながら地盤200を掘削し、また地盤改良材、空気を噴出しながらロッド30を地盤200から引き抜く機能を備えている。
(排泥管)
排泥管60は図1に示すように、後述するストレーナ64から各階のスラブの貫通孔を貫通して地盤面高さGLまで延出している。また、図2に示すように、ストレーナ64から下方へ延出される排泥管60の端部(上流側の端部)60Aは、バルブ60Dを介してロッド貫通管62に接続されている。ロッド貫通管62は、床スラブ104の貫通孔104Aからスラブ102Aの貫通孔102Bに通されて固定されている。このように、排泥管60はロッド貫通管62を介して削孔202の開口部(貫通孔102B)に接続されている。
ロッド貫通管62には、排泥管60が接続される接続部62Aの上下に、それぞれバルブ62B、62Cが設けられている。バルブ62B、62Cは、ロッド30がロッド貫通管62に挿入された状態で開放し、引き抜かれた状態で閉鎖するバルブであり、バルブ62B、62Cが閉じられた状態では、排泥はロッド貫通管62を流れることができない。
(ロッド)
ロッド30は、造成機20によって地盤200に造成される改良杭12の先端部(底204A)から造成機20の保持部22までの長さL(図2参照)以上の長さとされ、掘削開始前の状態においては、図1に示すように、複数の貫通孔104Bを貫通している。ロッド30の内部は空洞とされており、先端部(地盤200側)に取付けた噴射器40へ地盤改良材又は水を送る液体流路と、空気を送る空気流路が形成されている。液体流路はロッド30の後端部(地上側)で注入機50から延出されたセメントホース52A又は削孔水ホース54Aに接続され、空気流路は注入機50から延出された空気ホース56Aに接続されている。
なおロッド30は、複数の管体30Aを、貫通孔104A、104Bに通しながら繋いで構成され、掘削開始前に全ての管体30Aが繋がれた状態で造成機20に保持される。このとき、ロッド30は、上述した長さL以上の長さを備えているものとする。
(噴射器)
噴射器40は、図3に示すように、ロッド30の液体流路に接続される流路44と、ロッド30の空気流路に接続される流路46と、流路44、46の双方に接続されたノズル48と、流路44の先端に取付けられた削孔ビット42と、を備えている。
流路44には、ノズル48よりも先端側に縮径部44Aが形成されており、縮径部44Aよりも先端側が拡径して、削孔ビット42が取付けられている。縮径部44Aには、止水ボール44Cが係止可能とされており、止水ボール44Cが縮径部44Aに係止しているときは、流路44を流れる流体は縮径部44Aを流れることができない。この止水ボール44Cは、噴射器40をロッド30から取り外した際に、容易に着脱できる。
削孔ビット42は噴射器40の中心軸CLを中心に軸回転する刃物であり、流路44から送られてきた掘削水を吐出させる吐出口42Aが形成されている。
ノズル48は、流路44と噴射器40の外部とを連通する流体ノズル48Aと、流路46と噴射器40の外部とを連通する空気ノズル48Bと、を備えている。空気ノズル48Bは、流体ノズル48Aを囲繞するように配置されており、これにより、流体ノズル48Aから噴出される地盤改良材を円環状に取り囲むように、空気ノズル48Bから空気が噴出される。図3に示すノズル48は、噴射器40の中心軸CLに対して略垂直方向Vに沿って取付けられているが、ノズル48は中心軸CLに対して傾けて取付けられていてもよい。また、ノズル48は1つだけではなく、複数取付けられていてもよい。また、ロッド30の先端には、噴射器40だけではなく、ノズル48の傾斜角度及び個数が異なる噴射器を取付けることができる。
(注入機)
注入機50は、図1に示すように、セメント造成機52、掘削水ポンプ54、空気圧縮機56を備えた地盤改良体生成機であり、セメント造成機52ではセメントミルク(セメントスラリー)が生成され、セメントホース52Aによってロッド30にセメントミルクが送られる。また、掘削水ポンプ54は地盤200を掘削するための掘削水を図示しない掘削水タンクから汲み取って、削孔水ホース54Aによってロッド30に掘削水が送られる。さらに、空気圧縮機56では圧縮空気が生成され、空気ホース56Aによってロッド30に圧縮空気が送られる。
(ストレーナ)
排泥管60は、造成機20と同じスラブに設置されたストレーナ64に接続されている。ストレーナ64は内部に着脱可能なメッシュフィルターを備えた排泥ろ過装置であり、メッシュフィルターの粗さを調整することで排泥管60内に流れる排泥の粒径を制御することができる。これにより、石塊や木屑などの異物を堰き止め、排泥管60の目詰まりを抑制することができる。また、ストレーナ64は造成機20と同じスラブに設置されているため、作業員が蓋を開けてストレーナの状態を確認することが容易であり、ストレーナ64に異物が溜まった場合は、即座に取り除くことができる。なお、ストレーナ64は必ずしも造成機20と同じスラブに設置する必要はないが、排泥管60の経路のうち、端部60Aに近い位置に設置して、排泥の上流側で異物を堰き止めるものとする。このようにすることで、排泥管60の大部分で目詰まりが生じる可能性を低くすることができる。
図1に示すように、排泥管60の他方の端部(下流側の端部)60Bは、1次受けタンク80に接続されており、排泥が排出される。なお、本実施形態においては、1次受けタンク80の内部P3に、排泥の密度を測定する密度計が配置されている。このため、1次受けタンク80には常に一定量の排泥が溜まるようになっている。一旦1次受けタンク80に溜められた排泥は、2次タンク82に送られて、バキューム車84へ吸引される。
(水頭高さ変更部材)
排泥管60の経路の途中で、地下水位Wよりも高い位置には、水頭高さ変更部材70が設けられている。水頭高さ変更部材70は、排泥管60の水頭高さを変更するための調整部材であり、図1に示すように、排泥管60の経路において、1次受けタンク80の手前に設けられている。水頭高さ変更部材70は、図4(A)に示すように、U字管72と、U字管72の両端部にそれぞれ設けられてU字管72と排泥管60とを接続するスイベルジョイント74と、を備えたスイベル式部材である。
スイベルジョイント74は、軸Sを中心にU字管72を回転自在に保持する継手部材である。スイベルジョイント74は、筒軸方向が軸Sと一致し、排泥管60に接続される筒状の接続部74Aと、接続部74Aと水密性を保って連結され、軸を中心に回転可能なハウジング74Bと、ハウジング74Bから軸Sと直交する方向に突出し、U字管72が接続される筒状の接続部74Cと、を備えている。
排泥管60の水頭高さは、ハウジング74Bを回転させることで変更することができる。具体的には、U字管72が垂直方向に立てられて、頂部72Aが最も高い位置にある場合に、水頭位置Hx(m)は最高高さH1(m)となる。また、U字管72が水平方向に寝かされて、頂部72Aがスイベルジョイント74と同じ高さにある場合に、水頭位置Hxは最低高さH2(m)となる。水頭位置Hxは、スイベルジョイント74の回転角度を調整することにより、最高高さH1から最低高さH2まで無段階に調整可能である。また、スイベルジョイント74は任意の回転角度で固定可能とされており、水頭位置Hxは固定することができる。
なお、水頭位置Hx(m)は、地盤面高さGLを0(m)としたときに、地盤面高さGLからの距離で示される。例えば水頭位置Hxが地盤面高さGLよりも5m高い位置にある場合、水頭位置Hxは5(m)とされる。
また、第1実施形態において、スイベルジョイント74は地下水位W(m)よりも高い位置に形成されており、さらには地盤面GL(図1参照)よりも高い位置にある。このため、注入機50から掘削水やセメントミルクが圧送されて排泥が排泥管60の内部で押し上げられない限り、排泥管60の端部60Bから排泥が噴出しない。
(計器)
排泥管60の経路の途中には、図1にP1で示される位置(地下ピット102内)に、排泥管60の管内圧力を測定できる圧力計、排泥の流量を測定できる流量計を設置する。また、P2で示される位置(排泥管60の端部60Bを視認できる位置)にはカメラを設置して、端部60Bから1次受けタンク80へ排出される排泥の状態を撮影する。
また、1次受けタンク80の内部(図1のP3で示される位置)には密度計が設置されており、排泥管60から排出された排泥の密度(t/m)を測定することができる。
これらの圧力計、流量計、カメラ、密度計が捉えた情報は、造成機20の近傍に設置されたモニタで確認することができる。これにより、排泥管60を流れる排泥の状態を逐次把握しながら改良杭(地盤改良杭)12を造成することができ、排泥管60の内部に詰まりなどの異常が生じた場合は、即時地盤200の掘削及び改良杭12の造成作業を中断することができる。
(地盤改良方法)
地盤200を改良するためには、まず、図2に示すように、掘削工程に先立ってコアドリル等を用いて地下ピット102の底版102Aに貫通孔102Bを形成し、貫通孔102Bと床スラブ104の貫通孔104Aとを連通するようにロッド貫通管62を設置する。また、ロッド貫通管62の接続部62Aに排泥管60を接続する。そして、管体30Aを繋いでロッド30を形成し、造成機20で保持する。さらに、ロッド30の後端部に削孔水ホース54Aを繋ぐ。
次に掘削工程では、図5(A)に示すように、先端に噴射器40が取付けられたロッド30を回転させながら地盤200を掘削し、削孔202を形成する。このとき、掘削水ポンプ54からロッド30を経由して噴射器40へ送られた削孔水が、削孔ビット42の吐出口42Aから噴射される。削孔ビット42が回転することにより削孔水と泥土とが混ぜられた排泥となり、削孔202からロッド貫通管62を経て排泥管60へ排出される。
掘削工程で改良杭12の所望長さまで地盤200を削孔した後、一旦ロッド30を削孔202及びロッド貫通管62から引き抜く。ロッド30を削孔202及びロッド貫通管62から引き抜く際は、噴射器40をバルブ62Bの上に位置するまで一旦引き上げたあと、バルブ62B、62Cを閉鎖して排泥を堰き止め、プリペンダー65を開放して噴射器40を抜き出せるようにする。
その後、噴射器40をロッド30の先端から取り外し、噴射器40の内部の流路44に、図3に破線で示した止水ボール44Cを挿入して、縮径部44Aに止水ボール44Cを係止させる。これにより、噴射器40内の流路44が塞がれて、吐出口42Aから流体が噴出されなくなる。次に、止水ボール44Cが挿入された噴射器40をロッド30の先端に取付け、さらにロッド30の後端に繋がれた削孔水ホース54Aを外してセメントホース52Aと空気ホース56Aを繋ぎ、削孔202の底204Aまでロッド30を挿入する。
次の造成工程では、図5(B)に示すように、先端に噴射器40が取付けられたロッド30を引き上げながら回転させ、噴射器40の流体ノズル48Aからセメントミルクを噴射し、空気ノズル48Bから空気を噴射する。第1造成工程は、改良杭12の必要径を確保するために、地盤200を撹拌することが主な目的とされている。このとき噴射されるセメントミルク量は毎分約350リットルとされ、このセメントミルクによって所望する幅まで削孔202を拡幅し、削孔202の底204Aから地下ピット102の底版102Aの下面まで噴射器40が移動して、地盤改良体204を形成する。これにより、地盤200に含まれる泥土、地下水及び噴射器40から噴射されるセメントミルク等が混錬された改良体が充填された地盤改良体204が形成される。
このとき、削孔202からは、地下水、泥土、セメントミルク等が混ざりあった排泥が、ロッド貫通管62を経て排泥管60へ排出される。
以上の工程(掘削工程、造成工程)により、地下ピット102の底版102Aの下面(高さM(m))を杭頭天端とする改良杭12が造成される。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態における地盤改良システム10では、改良杭12の先端部(底204A)から造成機20の保持部22までの長さL(図2参照)以上の長さを備えたロッド30が、造成機20に保持されている。
このため、造成機20は、地盤200を掘削中(掘削工程)及び改良杭の造成中(造成工程)、ロッド30に新たなロッドを継ぎ足す必要がない。さらに、ロッド30の後端部(地上側)は、セメントホース52Aと空気ホース56A又は削孔水ホース54Aに接続されており、注入機50に繋がれている。
したがって、造成機20が地下水位W(m)より低い位置にあるにも関わらず、ロッド30を排泥が逆流し、逆流水が作業エリアに溢れ出すことが抑制される。すなわち、ロッド内部に逆流防止用の弁を設ける等、複雑な構成を適用しなくても、排泥の逆流を抑制できる。
また、本実施形態において造成機20が設置されるのは地下15m以上の深度にある地下5階の床スラブ104であり、改良杭12を造成するレベルは更に深い位置にある。このような大深度地下においては地下水の圧力が高く、例えば地表面に近い位置に改良杭を造成する場合と比較して、地下水の吹き上げ力が大きい。
しかし、本実施形態における地盤改良システム10では、このような大深度地下における地下水の吹き上げを効率的に抑制することができる。
また、地盤200を掘削中(掘削工程)及び改良杭12の造成中(造成工程)、ロッド30に新たなロッドを継ぎ足す必要がないため、作業効率が高い。
ところで、改良杭12の造成中には、噴射器40から噴射される空気のエアリフト効果によって地下水が改良杭12中に巻き込まれ、噴射したセメントミルク量以上の排泥が排出されることがある。このような場合、改良杭12の密度が低くなり十分な強度を得ることが難しい。
しかし、本実施形態において排泥管60には水頭高さ変更部材70が設けられ、水頭高さ変更部材70は地盤面GLよりも高い位置に設けられている。このため、排泥管60を通る排泥に対して高い水頭圧(排出抑制力)がかけられるので、排泥量を抑えることができる。これにより、地下水が改良杭12に巻き込まれることを抑制し、改良杭12の強度を増すことができる。
具体的には、例えば密度が1.8t/mの土壌と、密度が1.5t/mのセメントミルクを1:1で混錬した改良杭12を造成したい場合、改良杭12の理想的な密度は1.65t/m(しきい値)となる。排泥管60を流れる排泥密度がこのしきい値よりも小さい場合、改良杭12には地下水が巻き込まれている可能性がある。
本実施形態においては、1次受けタンク80の内部には密度計が設置されており、排泥管60から排出された排泥の密度(t/m)を測定することができる。このため、排泥密度がしきい値よりも低い場合は、水頭高さ変更部材70を調整して水頭高さを高くして、排出抑制力を大きくする。これにより、排泥管60の内部に弁などの構成を適用することなく、排泥の過剰な排出を抑制することができる。
また、排泥密度がしきい値よりも極端に高い場合は、排泥管60が詰まりやすくなるため、排泥管60の内部に加水して、排泥の流れをスムーズにする。
このように、本実施形態においては排泥管60の排泥の密度を常時計測し、さらに計測結果をモニタで確認しながら改良杭12の造成作業ができるので、強度の高い改良杭を造成することができる。
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態においては、水頭高さ変更部材70として図4(A)に示されるスイベルジョイント74を用いるものとしたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば図4(B)に示すように、排泥管60にU字管76を被せた二重管構造とし、排泥管60の軸方向にU字管76を摺接させながら動かすことで水頭位置を調整するスライド式部材としてもよい。この場合、U字管76の両端部に止水継手76Aを設けて排泥管60から排泥が流出しないようにすると共に、U字管76を任意の位置で固定する。
あるいは、図4(C)に示すように、排泥管60の頂部60Cを境とした上流側と下流側を繋ぐバイパス78を複数設け、バイパス78毎に排泥管60を流れる排泥の流れを堰き止めるバルブ78Aを設けるバイパス式部材としてもよい。このような構成でも、水頭位置を調整することができる。
また、上記実施形態では接続部62A、バルブ62B、62Cは地下ピット102内に設けられているが、これを造成機20のあるスラブ(上記実施形態では地下5階)に設けてもよい。この場合、造成機20は床スラブ104に直接載置せず架台などに載置して床スラブ104から底上げしたうえで、ロッド貫通管62を造成機20の保持部22の直下まで伸長し、造成機20と床スラブ104の間の空間に、接続部62A、バルブ62B、62Cを設ければよい。すなわち、本発明の地盤改良システム10は、地下ピット102を備えない既存建築においても適用することができる。
また、上記実施形態では、ロッド貫通管62の中へロッド30を挿入して改良杭12を構築する方法を説明したが、ロッド貫通管62及び排泥管60を設けずロッド30だけで改良杭を構築してもよい。この場合、貫通孔102Bから溢れる排泥を、一旦地下ピット102に設けた溜まり部(釜場)に溜めて、地上まで吸い上げればよい。
以上、本発明の実施形態の例について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 地盤改良システム
12 改良杭(地盤改良杭)
20 造成機
30 ロッド
40 噴射器
50 注入機
52A セメントホース(ホース)
54A 削孔水ホース(ホース)
56A 空気ホース(ホース)
60 排泥管
70 水頭高さ変更部材
104 床スラブ(スラブ)
200 地盤
202 削孔
204 地盤改良体

Claims (3)

  1. 地下水位より低い位置にある地下室のスラブに設置される造成機と、
    前記造成機で地盤に造成される地盤改良杭の先端部から前記造成機までの距離以上の長さで複数階のスラブを貫通して前記造成機に保持されて、前記地盤へ挿入可能かつ旋回可能とされた筒状のロッドと、
    前記ロッドの先端部に取付けられた噴射器と、
    前記ロッドの後端部に接続されるホースを備え、前記ロッドを通じて地盤改良材、空気又は水を送り前記噴射器から噴射させる注入機と、
    を有する地盤改良システム。
  2. 前記ロッドが挿入され前記地盤に形成された削孔の開口へ接続されると共に、前記地下水位より高い位置を通る排泥管と、
    前記排泥管に接続された排泥タンクと、
    前記排泥タンクに設置された密度計と、
    を備えた請求項1に記載の地盤改良システム。
  3. 地下水位より低い位置にある地下室のスラブに設置される造成機と、
    前記造成機に保持され、地盤へ挿入可能かつ旋回可能とされた筒状のロッドと、
    前記ロッドの先端部に取付けられた噴射器と、
    前記ロッドの後端部に接続されるホースを備え、前記ロッドを通じて地盤改良材、空気又は水を送り前記噴射器から噴射させる注入機と、
    前記ロッドが挿入され前記地盤に形成された削孔の開口へ接続されると共に、前記地下水位より高い位置を通り排泥タンクにつながれた排泥管と、
    前記排泥管に設けられ、前記排泥管から排出される汚泥の密度及び流量に応じて水頭高さを変更可能な水頭高さ変更部材と、
    を有する地盤改良システム。
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