JP3872839B2 - 紙葉類処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の処理装置は、積層された紙葉束から紙葉類を1枚ずつ吸着・分離し搬送部へ受け渡す取出装置と、紙葉束を積載し取出装置まで移動して一定の条件で供給する供給装置から構成される。
【0003】
また、処理装置の前段には紙葉束を供給装置に投入する紙葉束投入装置が設置されている。
【0004】
図33は紙葉束投入装置Aを示すものである。
【0005】
図中1Aは基板で、この基板1A上には紙葉束Pが載置されている。この紙葉束Pはガイド板2によってその上面および後端が押圧保持されている。基板1Aには2本の溝1a、1bが平行に形成され、この溝1a、1bにはガイド板2の後端部に形成された係止爪21a、21bがスライド自在に挿入されている。ガイド板2は案内機構3により投入方向に平行に移動可能となっている。ガイド板2は基台23に固定されており、基台23にはリニアプッシュ22が固定されている。リニアプッシュ22はシャフト35に嵌め込んであり、シャフト35の軸方向に対し移動可能である。基台23はタイミングベルト31に固定されている。タイミングベルト31はアイドルプーリ32とドライブプーリ33との間に張設されている。ドライブプーリ33はステップモータ34により回転され、それに伴ってタイミングベルト31が回転し、ガイド板2が移動するようになっている。
【0006】
図25〜図30は取出部Bを示すものである。
【0007】
図中1は基板で、この基板1には、円筒状のチャンバ部材11が固定されている。チャンバ部材11の他端部は基板1に固定された支持部材13a及びこの支持部材13aに取り付けられた支持部材13bにより支持されている。チャンバ部材11には、基板1に支持された側からチャンバ部材11の内部に向けて連通穴11aが穿設されている。この連通穴1aはチャンバ部材11の中央部で径が大きくなり、チャンバ15を形成している。さらに、チャンバ部材11の円筒状外周面には軸受を介して薄肉の取出ロータ18が、チャンバ部材11の回りに回転可能に設けられている。この取出ロータ18の外周面には、軸方向にm列、周方向にn行の複数の吸着穴19が設けられている。チャンバ15には、取出ロータ18の回転中心の略直下から始まり、取出ロータ18の回転方向へ略30度進んだ位置までに亘り、切欠部21が形成されている。チャンバ15は、連通穴11a、及びバルブ(図示略)を介して真空ポンプ(図示略)に連結されている。真空ポンプを作動させ、バルブを開くことにより、チャンバ15内は大気圧に対し負圧に維持されるようになっている。
【0008】
また、無端状のベルト24a,24bが、取出ロータ18、図23に示すアイドルローラ25a,25bを介してサーボモータ(図示略)により駆動されるドライブローラ26に巻き掛けられている。取出ロータ18はサーボモータの駆動により、矢印方向に回転される。アイドルローラ25bの軸に取り付けたロータリエンコーダ(図示略)により、アイドルローラ25bの回転速度を検出し、これからベルト24a,24bの搬送速度を算出する。この結果をもとにサーボモータを制御して、取出ロータ18を所定の回転速度で回転させるようになっている。
【0009】
後述する給紙基台51の上昇が開始され、載置された紙葉類Pの上面が取出ロータ18に押し付けられ、取出ロータ18の吸着穴19がチャンバ15の切欠部21の位置に到達すると、載置された紙葉類Pの最上位にあるものが、吸着穴19に吸着されて後続の紙葉類と分離され、取出ロータ18の回転に伴い搬送される。さらに、取出ロータ18が回転し、吸着穴19がチャンバ15の切欠部21から外れた位置に到達すると、吸着穴19の紙葉類に対する吸着力が作用しなくなり、取出ロータ18に吸着され搬送されてきた紙葉類は、その搬送方向の先端部から順次、取出ロータ18から剥離され、ベルト24とアイドルローラ25aに挟み込まれて次の搬送装置へと送り込まれる。
【0010】
また、取出ロータ18の左斜め下の位置には、図29に示すように、2枚取り防止ブロック32が基板1に取り付けられている。図28に示すように、2枚取り防止ブロック32の一側端から取出ロータ18の回転軸と平行方向に穴が形成されチャンバ33が形成されている。このチャンバ33の上部の取出ロータ18に対抗する部分には、チャンバ33の外部へ開口する複数の吸着穴34が形成されている。チャンバ33は、図示しないバルブを中継して真空ポンプ(図示略)に接続されており、真空ポンプによりチャンバ33内は大気圧に対し負圧に維持されるようになっている。
【0011】
取出ロータ18に2枚同時に紙葉類が吸着された場合には、2枚の紙葉類の下側の紙葉類が2枚取り防止ブロック32の吸着穴34に吸着され停止し、搬送装置へ紙葉類が2枚同時に送り込まれることが防止される。この2枚取り防止ブロック32の吸着穴34によって吸着されて停止された紙葉類は取出ロータ18が回転し、吸着穴34が次に取出位置に到達したときに取出ロータ18の吸着穴19により吸着されて取り出される。
【0012】
なお、2枚取り防止ブロック32の右側面により、給紙基台1上に積載された紙葉類の搬送方向先端部の位置が規制される。
【0013】
図23、図24は取出部Bおよび給紙部Cを示すものである。
【0014】
図41はサブフレームで、このサブフレーム41は基板1に取り付けられている。このサブフレーム41には、取付部材42によりリニアスライダ43bのレール43aが固定されている。また、サブフレーム41には、上下に配置される支持部材44a、44bを介して軸受45a、45bが上下に対向する関係に固定されている。これら軸受45a、45bにはボールネジ46が回転自在に支持され、リニアスライダ43のスライダ43b、44cの移動方向と平行になるよう配置されている。ボールネジ46の外周にはボールナット47が螺合されている。ボールネジ46の一端部は連結部材48を介して駆動用モータ(例えばACサーボモータ)49の回転軸に連結されている。
【0015】
一方、リニアスライダ43のスライダ43b、44cには、給紙基台51が取り付けられており、この給紙基台51と、ボールネジ46に螺合されているボールナット47とは、連結部材52を介して固定連結されている。モータ49を正回転、あるいは逆回転してボールネジ46を駆動することにより、ボールナット47がボールネジ46に沿って上昇、あるいは下降し、給紙基台51を上下に動かすことができるようになっている。サブフレーム41のボールネジ46の左側には、発光部と受光部とが対向して一体的に構成された光電式のセンサ53a、53b、53c、53dがボールネジ46の軸方向に平行して配置されている。給紙基台51が昇降すると、連結部材52に固定された遮光板54が、これらのセンサ53a、53b、53c、53dの光路を遮ることにより、給紙基台51の位置が検出される。センサ53a、及び53dは、給紙基台51がそれぞれ可動範囲の上限及び下限位置にあることを検出する。センサ53bは、給紙基台51が紙葉束投入装置Aにより投入される紙葉類を受け取るための基準位置(ホームポジション)にあることを検出する。センサ53cは、給紙基台51上に紙葉類が取り残された場合等において、取り残された紙葉類を人手により取り除くために給紙台を退避させる位置に給紙基台51があることを検出する。給紙基台51の上部の水平を成す部分には、載置台55が固定されており、また、載置台55の左方で取出ロータ18の直下にあたる位置には、図31および図32に示すように、押圧機構が設けられている。押圧機構は、載置台55とほぼ同一な高さにおいて紙葉類の先端部を載置する押圧部材57と、押圧部材57の下側にこれと直角に固定的に取り付けられた一対の摺動軸58と、この摺動軸58を上下方向に移動自在に案内支持するガイド部材59と押圧部材57に対し上側へ向かう押圧力を与えるリニアアクチュエータ60から構成される。ガイド部材59は、給紙基台51の水平をなす部分に形成された貫通孔55aに挿通され固定されている。また、リニアアクチュエータ60は、押圧部材57に取り付けられた円筒状コイル60aと、給紙基台51に固定されたリング状の永久磁石60bとからなっており、円筒状コイル60aに通電すると、円筒状コイル60aと永久磁石60bとの間には、流れる電流に比例した力が作用する。ここでは、永久磁石60bは給紙基台51に固定されているので、円筒状コイル60a、すなわち押圧部材57に対して下方から上に押し上げる力が与えられる。この押圧力の大きさは、円筒状コイル60aに流される電流が一定のときには、永久磁石60bにより形成される磁界の内部において円筒状コイル60aの位置が変化しても、常に一定である。
【0016】
載置台55の左端部には段部55aが、また押圧部材57の水平を成す部分の右側部には段部57aが形成されており、これらの段部55a、及び段部57aは、押圧部材57の押圧面57bと載置台55の上面55bが、略同一平面をなす位置関係において相互に接触し、押圧部材57の押圧面57bが、載置台55の上面55bよりも上方へ突き出ることが規制される構成になっている。
【0017】
また、押圧部材57の下方には、変位センサ61が給紙基台51に支持部材62を介して取り付けられている。これにより、押圧部材57の裏面側の位置の変化が検知できる。したがって、押圧部材57の押圧面57bと載置台55の上面55bとの高さの差が検知できる。
【0018】
紙葉束投入装置Aにより載置台55上へと投入される紙葉類Pは、載置台55の上面55b、および押圧部材57の押圧面57bにまたがり積載されるが、紙葉類Pの重量の大部分を支持するのは面積の広い載置台55の上面55bであり、押圧部材57の押圧面57bには紙葉類Pの重量は殆ど掛からない。
【0019】
取出ロータ18の吸着穴19が紙葉類Pを吸着する位置と略同一の高さで、取出ロータ18の右側下方には、図25、図30に示すように積載された紙葉類Pの両側端部に吹出口を対向させるノズル66a、66bが取り付けられている。これらのノズル66a、66bの吹出口と反対側の端部には、管67a、67bが接続され、バルブ(図示略)を介してエアコンプレッサ(図示略)の出力部に連結されている。これらのノズル66a、66bから紙葉類Pの側方にエアーを吹き付けることにより紙葉類が捌かれる。
【0020】
また、取出ロータ18の右方には、上面ガイド部材68が、その下側面が載置台55の上面55bと平行をなすよう基板1に取り付けられている。
【0021】
上面ガイド部材68の紙葉類が投入されてくる側には、図11に示すように、厚み方向に貫通した穴69a、69b、69c、および紙葉類Pの搬送方向に平行に3つの切欠部70a、70b、70cが設けられている。中央の切欠部70bは短く、両側の切欠部70a、70cは長い。切欠部70a、70cは、後述する長手整位部の可動整位板が紙葉を整位する動作を行うときに、可動整位板が上面ガイド部材68に衝突しないための逃げとして設けてある。
【0022】
また、上面ガイド部材68の上部には、光電センサの発光部71a、71b、71c、71dが発光面を下方に向けて取り付けられている。また、基板1の載置台55の下方位置、および後述するサブフレームの載置台55の下方位置には、光電センサの受光部73a、73b、73c、73dが受光面を下方に向けて取り付けられている。発光部71a、71b、71cの光は、上面ガイド部材68の穴69a、69b、69cを通過して、それぞれ受光部73a、73b、73cへ達する構成となっている。また、発光部71dの光は、上面ガイド部材68の中央の短い切欠部70bを通過して、受光部73dへ達する。載置台55の上面ガイド部材68の穴69a、69b、69c、70dに対応した位置には、穴76a、76b、76c、76dが設けられており、これらの穴を上面ガイド部材68の上部取り付けられた光電センサの発光部71a、71b、71cからの光が通り抜け、受光部73a、73b、73cへ達する。溝75a、75b、75cの後部、即ち紙葉類が投入されてくる側には、切欠部77a、77b、77cが設けられている。中央の切欠部77bは、上面ガイド部材68の上部に取り付けられた光電センサの発光部71dからの光が通り抜けるためのものであり、切欠部77a、77cは、長手整位部の可動整位板が紙葉を整位する動作を行なうときに、可動整位板が上面ガイド部材68に衝突しないための逃げとして設けられている。
【0023】
次に、上記のように構成された取出装置の作用を、図23、図24を参照しつつ説明する。
【0024】
まず、押圧機構56の円筒状コイル60aへ通電し、変位センサ61により押圧面57bが所定の位置にあることを確認し、モータ49を動作させて給紙基台51をホームポジション、すなわち紙葉束投入装置Aから送り込まれてくる紙葉束Pの受け入れが可能な位置に、移動し停止させる。ついで、取出ロータ18を回転させ、取出ロータ18の回転速度が所定の回転速度に達したら、真空ポンプを作動させて2枚取り防止ブロック32のチャンバ33へつながる電磁弁を開く。そして、紙葉束投入装置Aに対し紙葉束Pの投入を許可する。紙葉束投入装置Aからは、所定枚数(たとえば、100枚)の紙葉類が載置台55上に送られてくる。紙葉束投入装置Aから紙葉類が送られて、載置台55に紙葉類が積載されたことを、センサ受光部76a、76b、76c、76dからの信号により確認する。
【0025】
紙葉束投入がなされると、給紙基台51は駆動用モータ49により高速で上昇される。給紙基台51の上昇が開始されると、載置台55の側方にあるエアーノズル66a、66b用のバルブが開かれる。給紙基台51が上昇し、載置台55の紙葉類がエアーノズル66a、66b近傍まで達すると、紙葉類の側面から紙葉と紙葉の間にエアーノズル66a、66bからのエアが吹き込まれ、密着状態の紙葉類を捌いて、取出しを行い易い状態にする。
【0026】
さらに、給紙基台51が上昇し、紙葉の上面が所定の位置に達すると同時に、取出ロータ18の中のチャンバ15用の電磁弁が開かれる。載置台55の紙葉類が取出ロータ18に接触する位置にきて、かつ取出ロータ18の吸着穴19が取出位置まで回転してくると、載置台55上の最上位の紙葉類が、取出ロータ18の吸着穴19により吸着されて後続の紙葉類と分離され、取出ロータ18の回転に伴い搬送される。さらに取出ロータ18が回転し、吸着穴19がチャンバ15の切欠部21から外れた位置に到達すると、吸着穴19の紙葉類に対する吸着力が作用しなくなり、取出ロータ18に吸着され搬送されてきた紙葉類は、その搬送方向の先端部から順次、取出ロータ18から剥離され、アイドルローラ25aとベルト24a、24bにより挟まれて、次の搬送装置へと送り込まれる。
【0027】
取出ロータ18に2枚同時に紙葉類が吸着された場合には、2枚の紙葉類の下側の紙葉類が、2枚取り防止ブロック32の吸着穴34に吸着され停止し、搬送装置へ送り込まれることが防止される。この2枚取り防止ブロック32の吸着穴34によって吸着され停止された紙葉類は、取出ロータ18がさらに回転し、吸着穴34が次に取出位置に到達したときに、吸着穴19により吸着され取出される。給紙基台51の上昇の開始以後は、取出動作が行われている間においても、変位センサ61により押圧部材57の基準位置からの変位量が検出されて、その量に応じて給紙基台51の動作が次に述べるように制御される。押圧部材59の基準位置からの変化量が、所定の範囲内にある場合は、取り出しに適正な押圧力出もって紙葉類が取出ロータ18に押し付けられていると判断し、モータ49は低速モードで駆動され、給紙基台51は低速で上昇される。押圧部材57の基準位置からの変位量が、所定の範囲より小さい場合は、給紙基台51が上昇中でまだ載置台55上の紙葉類が取出ロータ18に接触していない、あるいは載置台55上の紙葉類が取出ロータ18に接触してはいるが、押圧力が不足していると判断し、この場合には、給紙基台51は低速の2〜3倍の速い速度で上昇させられる。押圧部材57の基準位置からの変位量が、所定の範囲より大きい場合には、押圧力が過大であるし判断し、給紙基台51の上昇は一時停止される。
【0028】
このようにして、載置台55上の紙葉類が全て取り出されると、上面ガイド上に設けられた発光部71a、71b、71cの光は、上面ガイド部材68の穴69a、69b、69cを通過して、それぞれ受光部73a、73b、73cへ到達する。ここで、上面ガイド部材68の穴69a、69b、69cを、発光部71a、71b、71cの光が通過したことをもって、載置台55上には紙葉類がないものと判断する。もし、穴が明いている紙葉類、破れている紙葉類、あるいは折り畳まれた紙葉類が載置台55上に残っていたとしても、上面ガイド部材68の穴69a、69b、69cの全てを発光部71a、71b、71cの光が通過することはない。このようにして、載置台55上に紙葉類が無いことを確認した後に、給紙基台51をホームポジション、すなわち紙葉束投入装置から送り込まれてくる紙葉類を受け入れる位置に移動される。
【0029】
以下、これまでに述べた動作手順を繰り返し、次の紙葉類の取り出しが行われる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、高速で紙葉束を投入すると、2枚取り防止ブロック32の側面に紙葉束が衝突し、跳ね返りや紙葉束の荷崩れが大きくなるという不都合があった。
【0031】
たとえば、図34に示すように、紙葉束Pの跳ね返り距離が大きいと紙葉束が投入装置に侵入し、取出を行うために載置台55を上昇させた場合、紙葉束と投入装置が干渉し、紙葉の供給が正常に行われない。
【0032】
また、図35に示すように、跳ね返り距離が上記ほど大きくなく、投入装置に侵入しない場合でも、紙葉束の長手方向の端面が不揃いであると、紙葉が取り出される位置が一定でなくなるため、取出性能が悪化する(連続して取り出された紙葉の先端から次の紙葉の先端までの距離(取出ピッチ)が一定でなくなる)。
【0033】
また、従来においては、載置台55に投入される紙葉束Pの幅方向に対し積極的に取り揃えを行っていないため、紙葉束を載置台55に乗せたときの紙葉束の位置により、紙葉が取り出されたときの姿勢が決定されてしまっている。このため、紙葉類の中心が搬送中心に対し、一致しなくなる(奥側または手前側へスライドしている)とともに、紙葉の端面が搬送方向に対して傾く(スキュー)などの不都合がある。
【0034】
さらに、従来においては、載置台55に投入された紙葉束Pはフリーな状態で載置されるため、捌きエアを紙葉束の幅方向端面に吹き付けると、紙葉の面内での姿勢が変化したり、紙葉束投入装置A側に移動したりして取出性能が悪化する(取出ピッチ、スキュー、スライドなど)という不都合あるとともに、場合によっては、紙葉が載置台55から脱落することもある。
【0035】
また、従来においては、載置台55に投入される紙葉束Pの厚みを考慮せず載置台55の上昇速度を決定するため、上昇速度が速すぎて紙葉束Pを取出ロータ18に押し付け過ぎしまったり、逆に上昇速度が遅すぎて紙葉の取出ロータ18への供給が遅れたりする場合があり、これが取出の性能に悪影響を与える場合がある(2枚取り、空振りなど)。
【0036】
さらに、従来においては、紙葉束Pの載置台55への投入は、水平に置かれた紙葉束Pの後端をガイド板2によって押し出すことにより行っていたため、紙葉束Pを移動中に紙葉が紙葉束Pから捲れたり、紙葉束Pから紙葉が脱落する場合があった。
【0037】
そこで、本発明は紙葉束投入時の崩れを修正するとともに、捌きエアを吹き付けても姿勢を変化させることなく、しかも、紙葉類の厚みに応じて上昇速度を制御し、さらに、良好な姿勢で紙葉類を投入できる紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、紙葉類を搬送し投入する投入手段と、この投入手段により投入された前記紙葉類を載置する載置部と、この載置部の投入方向下流側に設けられ、投入された前記紙葉類の先端部を当接させるストッパと、前記投入手段により前記載置部に投入された前記紙葉類の後端部の通過を検知するセンサと、前記投入手段により投入された前記紙葉類が前記ストッパに衝突して跳ね返り前記投入手段に進入することを防止するため、前記センサが前記紙葉類の後端部の通過を検知したとき、整位板を前記紙葉類の後端部側に下降させる手段と、前記紙葉類の先端部を前記ストッパに押し付けることにより前記紙葉類の投入方向の取り揃えを行うため、下降された前記整位板を前記紙葉類の後端部に当て、前記紙葉類の長さに応じて決められるストロークだけ前記整位板を投入方向に移動させる手段とを備えた整位手段と、この整位手段により取り揃えられた前記紙葉類を取り出す取出手段とを具備してなる。
【0049】
本発明は載置部に投入載置される紙葉束の投入方向の取り揃えを行う整位手段を備えることにより、跳ね返り、荷崩れを修正して、紙葉束と投入手段との干渉を防止し、紙葉の供給が正常化できるようにするとともに、紙葉類の取出位置を一定化し、取出性能を向上できるようにする。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1〜図22に示す一実施の形態を参照して説明する。
【0055】
図1は紙葉類処理装置を示すもので、この紙葉類処理装置は、後述する投入装置A、取出装置10、搬送部20、処理部12、区分部28、および集積部30から構成される。取出装置10から取り出された紙葉類は搬送部20により処理部12、区分部28を介して集積部30に搬送される。取出装置10では、積層状態で載置された紙葉類を上方のものから順次、1枚ずつ分離し、搬送部20へ受け渡す。搬送部20では取出部10から受け渡された紙葉類をベルトとアイドルローラの間に挟み、一定の速度で搬送する。処理部12は、紙葉類に対し、様々な処理を施す。区分部28は処理部12からの情報に基づき搬送方向を振り分け、第1あるいは第2の集積ユニット24,26へ送る。搬送部20の最終段には集積部30が設けられ、集積部30は第1の集積ユニット24および第2の集積ユニット26を有し、搬送されてきた紙葉を受けとめて停止させ、再び束状に積層する。
【0056】
取出装置10は、大略、積層された紙葉類を上方のものから順次、1枚ずつ吸着し取り出す取出部B、紙葉類の束を積載し取出部Bまで移動、供給させる供給部C、および給紙部Cに積載された紙葉類を長さ方向に取り揃える長手整位部と、給紙部Cに積載された紙葉類を幅方向に取り揃える短手整位部から構成される整位部Dを備える。
【0057】
図2〜図4は投入装置Aを示すものである。
【0058】
投入装置Aは上下1対のクランプ部材としてのベルトコンベア80a、80bにて構成されている。ベルトコンベア80a、80bはドライブローラ86,86、アイドルローラ87a、87bに、ベルト81a、81bを張り渡してある。上下のベルトコンベア80a、80bの回転速度の同期がとれるように、ベルト81a、81bはタイミングベルトが使用されている。ベルト81a、81bの紙葉束Pを挟む側にはガイド板89が設けてあり、紙葉束Pを挟むことによるベルト81a、81bの撓み量を規制するようになっている。ドライブローラ86、アイドルローラ87a,87bは回転自由に基台85に取り付けられている。ドライブローラ86はカップリング82を介してモータ83に取り付けられている。基台85はリニアウェイ84を介して基板150に固定されており、上下移動機構139により上下方向に移動可能となっている。
【0059】
上下動機構139は駆動モータ140と、この駆動モータ140の駆動プーリ141と、上方部に位置する従動プーリ142との間に掛け渡されたベルト143とからなり、ベルト143は図示しない連結部材を介して基板85に連結されている。ベルト143の正逆走行によりベルトコンベア80aが昇降されるようになっている。
【0060】
紙葉束Pの投入方向に沿って、略紙葉束の幅分たがいに離れた側面ガイド810a、810bが設置してあり、紙葉束Pが幅方向にズレることを規制している。
【0061】
また、ベルトコンベア80a、80bの搬送面と略同一の高さで、2本のベルト81a、81bの間にはガイド板811a、811bが設置してあり、紙葉類Pが捲れたり、垂れ下がることを規制している。
【0062】
取出を終了した供給装置上に紙葉束Pを積載するには、予め紙葉束Pをベルトコンベア80a、80bにて上下から挟んだ状態で待機させ、給紙基台51がホームポジションにあることを確認後、ベルト81a、81bを回転することにより搬送する。この搬送時に、紙葉束Pはベルトコンベア80a,80bとにより挾持されるため、捲れたり、脱落するといった虞はない。
【0063】
コンベア80a、80bにより排出された紙葉束Pは、前方に設置してあるストッパーとしての2枚取り防止ブロック32の側面に衝突し、給紙基台51上に停止する。
【0064】
なお、取出部Bと給紙部Cについては、従来技術で述べた通りであり、説明を省略する。
【0065】
図5〜図12は、整位部Dを構成する長手整位部D1を示すもので、この長手整位部D1は、載置台55上に積載された紙葉類Pの長手方向の不揃いをなくして整位するものである。
【0066】
図中81は水平をなして設置された基板であり、基板81の上側面には、図8にも示すように、モータ82がL字状の支持部材83により固定され、リニアスライダ84、及びリニアスライダ85が各々のレール84a、85aに紙葉類Pの搬送方向に沿って平行に配設されている。また、基板81の下面側には、モータ86がL字状の支持部材87により固定されている。リニアスライダ84のスライダ84bの上面には、取付台88が取り付けられている。この取付台88の右端部には、ラック89がレール84aに平行に歯面を上にして取り付けられ、このラック89の歯は、モータ86の軸に取り付けられた歯車90と噛み合っている。取付台88の左端部には、板カム91がその両端部を支持部材92a、92bにより支持され、取付台88に垂直、かつリニアスライダ84のレール84aに平行に配置されて固定されている。板カム91は金属板に略S字状の案内溝91aを形成したものである。モータ82を駆動することにより、板カム91が図8の紙面に垂直な方向に動かされる。
【0067】
リニアスライダ85のスライダ85bの上面には、取付台93が取り付けられており、この取付台93の上面の中央部には、リニアスライダ95がレール95aを鉛直方向にして固定される。リニアスライダ95のスライダ95bには、取付台96が取り付けられ、この取付台96には、カムフォロア97の軸98がナット99により固定されている。このカムフォロア97は、板カム91の案内溝91aに嵌合されており、板カム91を移動させることにより、案内溝91aに沿って移動させることができる。案内溝91aのS字状の曲線は2字曲線をつないで形成されており、このことによりカムフォロア97は上下方向に等加速度で移動することになる。
【0068】
また、取付台96には、水平に延びる支持アーム100が固定され、この支持アーム100の先端部には、下方に鉛直に延びる長手整位板101a、101bが、互いに平行をなして取り付けられている。
【0069】
モータ82を駆動することにより、板カム91が矢印に示すように左右方向に移動し、カムフォロア97が板カム91の案内溝91aに沿って動き、スライダ95bがレール95aに沿って上下方向に駆動される。したがって長手整位板101a、101bは、モータ82を駆動することにより、図6で示す上下方向に動かされる。
【0070】
リニアスライダ85のスライダ85bに固定されている取付台93の側面には、L字状の連結部材102が取り付けられ、この連結部材102の他端部には、ラック103がリニアスライダ85のレール85aに平行で歯面を下にして取り付けられ、このラック103の歯は、モータ86の軸に取り付けられた歯車104と噛み合っている。モータ86を駆動することにより、リニアスライダ85のスライダ85bに固定されている取付台93は、図10の矢印に示すように左右方向に移動する。
【0071】
したがって、長手整位板101a、101bは、モータ86を駆動することにより、左右方向に動かされる。
【0072】
モータ82、及びモータ86を所定の制御手順に従い駆動することにより、長手整位板101a、101bの先端部を載置台55上の紙葉類Pの後端に押し当て、紙葉類Pの長手方向の不揃いをなくす整位動作を行うことができる。
【0073】
また、基板81のリニアスライダ84の両側には、発光部と受光部とが対向して一体的に構成された光電センサ105a、105bが取り付けられ、また、リニアスライダ84のスライダ84aに固定された取付台88の両端には遮光板107a、107bが取り付けられている。板カム91が駆動され、整位板101a、101bが整位動作を行う位置にある時には、光電センサ105aが遮光板107aにより遮られる。
【0074】
また、板カム91が動き、長手整位板101a、101bが待機位置(ホームポジション)まで動いた時には、光電センサ105aが遮光板107aにより遮られる。
【0075】
また、基板81のリニアスライダ85の横には、発光部と受光部とが対向して一体的に構成された光電センサ108a、108b、108cが取り付けられ、リニアスライダ85のスライダ85aに固定された取付台93の一端には、遮光板110が取り付けられている。長手整位板101a、101bが整位動作を開始する位置にある時には、遮光板110が光電センサ108aを遮り、長手整位板101a、101bが整位動作を終えて紙葉類の後端の位置にある時には、遮光板110が光電センサ108bを遮る位置にある。光電センサ108cは、長手整位板101a、101bが可動範囲の限界まで移動したことを検知するセンサである。
【0076】
図13〜図17は、載置台55上に積載された紙葉類Pの幅方向、即ち短手方向の不揃いをなくし、整位するための短手整位部D2を示すものである。
【0077】
図中111は基板1に固定されたサブフレーム111である。サブフレーム111には支柱112a、112bの一端部が取り付けられている。支柱112a、112bの他端部には、L字状の支持部材113の一面113aが固定され、L字状の支持部材113の他面113bには、ステップモータ114が、その軸が水平かつサブフレーム111に平行をなすように取り付けられている。ステップモータ114の軸114aと同軸なシャフト115は、支持部材112cによりサブフレーム111に固定されている。ステップモータ114の軸114aとシャフト115には、同一形状を成しているリンク116a、及び116bが、モータ14の軸方向から見たときに全く重なって見える角度に、それぞれ取り付けられている。リンク116a及び116bの他端部には、軸受117a、117bが取り付けられている。これらの軸受117a、117bに軸118が支持されている。軸118のリンク116a、116bの内側には、コの字状のリンク119a、及び119bの各々の一端部が軸118に固定されている。
【0078】
また、ステップモータ114の上方において、支持部材120がサブフレーム111に固定されている。この支持部材120には、ステップモータ114の軸114aおよびシャフト115に平行をなす軸121が支持部材120を貫通して固定されている。軸121のサブフレーム111からの距離は、ステップモータ114の軸114aのサブフレーム111からの距離に等しくなるよう構成されている。軸121の両端部には、軸受122a、122bを介してリンク123a、123bがそれぞれ軸121の回りに回転可能に取り付けられている。これらのリンク123a、123bは、その長さが、リンク116a、116bの長さに等しく作られている。これらのリンク123a、123bの他端部には、軸受124a、124bが取り付けられ、これらの軸受124a、124bに、軸125が支持されている。軸125のリンク123a、123bの内側には、リンク119a、119bの一端部がそれぞれ軸125に固定されている。リンク116a、119a、及びリンク123aにより平行リンク機構が構成されており、同様に、リンク116b、119b、及びリンク123bにより、全く同じリンク機構が構成されている。
【0079】
コの字状のリンク119a、119bの上部の水平をなす部分には、L字状の支持部材126の水平面部が固定され、L字状の支持部材126の垂直面には、短手整位板127が紙葉類Pの搬送方向に平行を成すようにして取り付けられている。載置台55の奥側には、載置台55に沿って固定整位板128が、基板1に取り付けられている。
【0080】
短手整位板127、及び固定整位板128の紙葉類Pが投入されてくる側は、載置台55の外側に向けて、略10度の角度をなして折り曲げられ、紙葉類Pが載置台55へ投入される時に、これら短手整位板127、固定整位板128に紙葉類Pが引っ掛かることを防いでいる。
【0081】
リンク116aには、リンク119aが取り付けられているのとは反対方向に延びる遮光板151が取り付けられ、サブフレーム111には、発光部と受光部とが対向して一体的に構成された光電センサ129、および130が取り付けられており、ステップモータ114と支持部材120の中間にはリンク機構の可動範囲を規制するストッパ133が設けられている。
【0082】
ステップモータ114を駆動することにより、平行リンク機構を介して、短手整位板127を垂直な姿勢を保持したまま動かすことができる。
【0083】
図13,図14は、紙葉類Pの取り出しを行っている時の短手整位板127の位置を示している。
【0084】
このとき、遮光板151により光電センサ129の光路が遮られて、短手整位板127がこの位置にあることが検知されており、また、リンク116a、116bの端部が、ストッパ133に当接することで、短手整位板127がさらに載置台55側に動くことを規制している。
【0085】
また、図15,図16は載置台55上に取り出されずに残った紙葉類Pを、人手で除去する時の短手整位板127の位置を示している。
【0086】
このとき、遮光板151により光電センサ130の光路が遮られて、短手整位板127がこの位置にあることが検知されており、リンク123a,123bの端部が、ストッパ133に当接することで、反時計方向に動くことを規制している。
【0087】
ステップモータ114を駆動することにより、リンク機構を介して短手整位板127は、これらの二つのポジションの間を図15の矢印方向へ回動して移動させることができ、また停止させることが可能であり、紙葉類Pが載置台55へ投入された後に、短手整位板127で載置台55上の紙葉類束を横から押すことにより、短手方向の不揃いをなくす整位動作を行わせることができる。
【0088】
次に、上記のように構成された取出装置の動作を図19に示すフローチャートおよび図20〜図23を参照して説明する。
【0089】
まず、図23に示すように、押圧機構56の円筒状コイル60aへ通電し、変位センサ61により押圧面57bが所定の位置にあることを確認し、モータ49を動作させて給紙基台51をホームポジション、すなわち紙葉束投入装置Aから送り込まれてくる紙葉束の受入れが可能な位置に、移動し停止させる。このとき遮光板54はセンサ53bの光路を遮り、給紙基台51がホームポジションにあることを確認できる。しかるのち、モータ82、及びモータ86を動作させて、図21に示すように、長手整位板101a、101bを載置台55の上方の待機位置に移動し停止させるとともに、ステップモータ114を駆動することにより短手整位板127を載置台55から離れた位置、すなわち、紙葉束投入装置Aから送り込まれてくる紙葉類の受け入れの障害にならない位置に移動し停止する(図19に示すステップST1)。このときリンク116は、遮蔽板151が光電センサ129を遮った位置から略10度反時計方向、つまり短手整位板127が載置台55から離れる位置で停止する。
【0090】
真空ポンプ(図示略)、及びエアーコンプレッサ(図示略)と取出ロータ18の中のチャンバ15、2枚取り防止ブロック32内のチャンバ33、及び載置台55の側方にあるエアーノズル66a、66bとを繋ぐ管の途中に設置されている電磁弁(図示略)を閉じる。
【0091】
以上で、各機構部の初期化が終了する。ついで、取出ロータ18を回転させ、アイドルローラ25に取り付けたロータリエンコーダ27によりベルト24の搬送速度を検出し、搬送速度が所定の値になるようにモータの回転速度を制御する。
【0092】
取出ロータ18の回転速度が所定の回転速度に達したら、真空ポンプを作動させて2枚取り防止ブロック32のチャンバ33へつながる電磁弁を開く。
【0093】
そして、紙葉束投入装置Aに対し紙葉束の投入を許可する。
【0094】
紙葉束投入装置Aからは、所定枚数(たとえば、100枚)の紙葉類が載置台55上に送られてくる(ステップST2)と共に、紙葉束の厚さの情報が給紙基台51を制御する図18に示すコントローラ155に送られてくる。厚さの情報は、厚い、普通、薄いの3種類である。
【0095】
紙葉束投入装置Aから紙葉類が送られて、載置台55に紙葉類が積載されたか否かを、センサ受光部73dからの信号により確認し(ステップST3)、積載された場合には、モータ82を駆動して図21に示すように、リニアスライダ84のスライダ84bに取り付けられた板カム91を動かし、長手整位板101a、101bを整位動作を行う位置まで下降させる(ステップST4)。この動作により、紙葉束の先端が2枚取り防止ブロック32の側面に衝突して跳ね返り、紙葉束投入装置Aに侵入することを防止する。
【0096】
さらに、モータ86を駆動して、長手整位板101a、101bを紙葉束の後部に当て、その状態で投入された紙葉類の長さに応じて決められるストロークだけ、長手整位板101a、101bを紙葉類搬送方向に移動させて停止させる(ステップST5)。
【0097】
この動作により、図22に示すように、紙葉類の先端部が2枚取り防止ブロック32の側面に押し当てられ紙葉類の長手方向の不揃いが修正され整位される。ついで、ステップモータ114を駆動することにより短手整位板127を載置台55から離れた位置から、紙葉束の幅方向の取り揃え位置に移動し停止する(ステップST6)。これにより、紙葉束はベース側の固定整位板128に押し付けられ、紙葉類の短手方向の不揃いが修正される。紙葉類の整位がなされると、給紙基台51は駆動モータ49により高速で上昇される。給紙基台51の上昇が開始されると同時に、取出ロータ18の中のチャンバ15、及び載置台55の側方にあるエアーノズル66a、66b用の電磁弁が開かれる。
【0098】
給紙基台51が上昇し、載置台55の紙葉類がエアーノズル66a、66b近傍まで達すると、紙葉類の側面から紙葉と紙葉の間にエアーノズル66a、66bからのエアが吹き込まれ、密着状態の紙葉類を捌いて、取出しを行ない易い状態にする。
【0099】
このとき紙葉類は、載置台55、2枚取り防止ブロック32、短手整位板127、ガイド部材68、長手整位板101a,101bで囲まれているため、エアを吹き込まれ紙葉類がバタついても紙葉が脱落することは無い。
【0100】
さらに、給紙基台51が上昇し、載置台55の紙葉類が取出ロータ18に接触する位置にきて、かつ取出ロータ18の吸着穴19が取出位置まで回転してくると、載置台55上の最上位の紙葉類が、取出ロータ18の吸着穴19により吸着されて後続の紙葉類と分離され、取出ロータ18の回転に伴い搬送される。
【0101】
さらに取出ロータ18が回転し、吸着穴19がチャンバ15の切欠部21から外れた位置に到達すると、吸着穴19の紙葉類に対する吸着力が作用しなくなり、取出ロータ18に吸着され搬送されてきた紙葉類は、その搬送方向の先端部から順次、取出ロータ18から剥離され、アイドルローラ25とベルト24a、24bにより挟まれて次の搬送装置へと送り込まれる。
【0102】
取出ロータ18に2枚同時に紙葉類が吸着された場合には、2枚の紙葉類の下側の紙葉類が、2枚取り防止ブロック32の吸着穴34に吸着され停止し、搬送装置へ送り込まれることが防止される。この2枚取り防止ブロック32の吸着穴34によって吸着され停止された紙葉類は、取出ロータ18がさらに回転し、吸着穴19が次に取出装置に到達したときに、吸着穴19により吸着され取り出される。給紙基台51の上昇の開始以後は、取出動作が行われている間においても、変位センサ63により押圧部材59の基準位置からの変位量が検出されて、その量に応じて給紙基台51の動作が次に述べるように制御される。押圧部材59の基準位置からの変化量が、所定の範囲内にある場合は、取り出しに適正な押圧力でもって紙葉類が取出ロータ18に押し付けられていると判断し、モータ49は低速モードで駆動され、給紙基台51は低速で上昇される。この時の上昇速度は、紙葉束投入装置から送られた紙葉束の厚さの情報と紙葉類の取出速度(枚/分)とから決定される。
【0103】
紙葉類の厚さが大きい場合は、紙葉と紙葉との間隔が大きいので、給紙基台51の上昇速度を速めに設定し、また、紙葉類の厚さが小さい場合は、紙葉と紙葉との間隔が小さいので、給紙基台51の上昇速度を遅めに設定する。押圧部材59の基準位置からの変位量が、所定の範囲より小さい場合は、給紙基台51が上昇中でまだ載置台55上の紙葉類が取出ロータ18に接触していない、あるいは載置台55上の紙葉類が取出ロータ18に接触してはいるが、押圧力が不足していると判断し、この場合には、給紙基台51は低速の2〜3倍の速い速度で上昇させられる。押圧部材59の基準位置からの変位量が、所定の範囲より大きい場合には、押圧力が過大であるし判断し、給紙基台51の上昇は一時停止される。
【0104】
このようにして、載置台55上の紙葉類が全て取り出されると、上面ガイド上に設けられた発光部71a、71b、71cの光は、上面ガイド部材68の穴69a、69b、69cを通過して、それぞれ受光部73a、73b、73cへ到達する。ここで、上面ガイド部材68の穴69a、69b、69cを、発光部71a、71b、71cの光が通過したことをもって、載置台55上には紙葉類がないものと判断する。もし、穴が明いている紙葉類、破れている紙葉類、あるいは折り畳まれた紙葉類が載置台55上に残っていたとしても、上面ガイド部材68の穴69a、69b、69cの全てを発光部71a、71b、71cの光が通過することはない。このようにして、載置台55上に紙葉類が無いことを確認した後に、給紙基台51をホームポジション、すなわち紙葉束投入装置から送り込まれてくる紙葉類を受け入れる位置(図21に示す)に移動させ、長手整位板101a、101bを載置台55の上方の待機位置に移動させ、短手整位板127を紙葉類の受け入れの障害にならない位置に移動させる。以下、これまでに述べた動作手順を繰り返し、次の紙葉類の取り出しが行われる。
【0105】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、載置部に投入載置される紙葉束Pの投入方向の取り揃えを行う整位手段を備えるから、載置部にストッパに当接して跳ね返り、荷崩れした紙葉束を整えることができる。
【0106】
したがって、紙葉束と投入手段との干渉を防止し、紙葉類の供給を正常化できるとともに、紙葉類の取出位置を一定化し、取出性能を向上できる。
【0107】
また、載置部に投入載置される紙葉類の投入方向と直交する方向の取り揃えを行う整位手段を備えるから、紙葉類の中心を搬送中心に一致させるとともに、紙葉類の端面を搬送方向に対して傾かせないように整えることができ、良好な姿勢で紙葉類を供給できる。
【0108】
さらに、載置部に投入載置される紙葉類の両端面、両側面および上面部をガイドするガイド部材を備えるから、捌きエアを紙葉束の幅方向端面に吹き付けても、紙葉束の姿勢を変化させることがないとともに、紙葉束の投入手段側への移動を規制でき、取出性能を良好に維持できる。
【0109】
また、載置部の上昇速度を紙葉類の状態に応じて制御する制御手段を備えるから、取出手段に対し適切な押圧力で押し付けて良好に取り出し供給できる。
【0110】
さらに、紙葉類束を一対のクランプ部材によりクランプして搬送し投入する投入手段を備えるから、紙葉束を移動中に紙葉が紙葉束から捲れたり、束から紙葉が脱落することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である紙葉類の処理装置を示す構成図。
【図2】紙葉類投入装置を示す側面図。
【図3】紙葉類投入装置を示す正面図。
【図4】紙葉類投入装置を示す斜視図。
【図5】紙葉類の長手整位装置を示す平面図。
【図6】紙葉類の長手整位装置を示す正面図。
【図7】紙葉類の長手整位装置を示す側面図。
【図8】紙葉類の長手整位装置の一部を拡大して示す図。
【図9】長手調整アームを示す正面図。
【図10】紙葉類の長手整位装置の一部を拡大して示す図。
【図11】紙葉類の載置部を示す斜視図。
【図12】紙葉類の載置部のガイド溝に沿って移動する長手整位板を示す斜視図。
【図13】短手整位装置の動作を示す図。
【図14】短手整位装置の動作を示す図。
【図15】短手整位装置の動作を示す図。
【図16】短手整位装置の動作を示す図。
【図17】短手整位装置を示す平面図。
【図18】処理装置の制御系を示す図。
【図19】短手および長手整位装置の動作を示すフローチャート図。
【図20】紙葉類の投入動作を示す図。
【図21】紙葉類の投入動作を示す図。
【図22】紙葉類の投入動作を示す図。
【図23】従来例である処理装置を示す図。
【図24】処理装置の一部を示す図。
【図25】取出部を示す斜視図。
【図26】取出部を示す断面図。
【図27】取出部を示す縦断面図。
【図28】2枚取り防止装置を示す図。
【図29】取出部のノズルを示す図。
【図30】取出部のノズルを示す図。
【図31】押圧機構を示す構成図。
【図32】押圧機構の駆動部を示す分解斜視図。
【図33】投入部を示す斜視図。
【図34】紙葉類の投入時のばらつき状態を示す図
【図35】紙葉類の投入時のばらつき状態を示す図
【符号の説明】
P…紙葉束
A…投入手段
B…取出ロータ(取出手段)
C…給紙部
D1,D2…整位手段
32…2枚取り防止ブロック(ストッパ)
55…載置台(載置部)
81a,81b…上下ベルトコンベア
91…板カム
101a,101b…長手整位板
127…可動ガイド
128…固定ガイド
155…コントローラ(制御手段)
Claims (1)
- 紙葉類を搬送し投入する投入手段と、
この投入手段により投入された前記紙葉類を載置する載置部と、
この載置部の投入方向下流側に設けられ、投入された前記紙葉類の先端部を当接させるストッパと、
前記投入手段により前記載置部に投入された前記紙葉類の後端部の通過を検知するセンサと、
前記投入手段により投入された前記紙葉類が前記ストッパに衝突して跳ね返り前記投入手段に進入することを防止するため、前記センサが前記紙葉類の後端部の通過を検知したとき、整位板を前記紙葉類の後端部側に下降させる手段と、前記紙葉類の先端部を前記ストッパに押し付けることにより前記紙葉類の投入方向の取り揃えを行うため、下降された前記整位板を前記紙葉類の後端部に当て、前記紙葉類の長さに応じて決められるストロークだけ前記整位板を投入方向に移動させる手段とを備えた整位手段と、
この整位手段により取り揃えられた前記紙葉類を取り出す取出手段と、
を具備してなることを特徴とする紙葉類処理装置。
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