JP3872662B2 - 直線操作型電気部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを搭載する自動車に備えられ、燃料と空気との混合比をコントロールするセンサや、排気ガスのリサイクル量をコントロールするセンサ等に使用して好適な直線操作型電気部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の直線操作型電気部品の図面を説明すると、図6は従来の直線操作型電気部品の要部断面図、図7は従来の直線操作型電気部品のケースを図1のX1方向から見た図、図8は従来の直線操作型電気部品の可動部材の側面図、図9は従来の直線操作型電気部品の可動部材の上面図、図10は従来の直線操作型電気部品に係るケースに可動部材を組み込んだ状態を示す図、図11は従来の直線操作型電気部品の可動部材に働く力を説明する説明図である
【0003】
従来の直線操作型電気部品を図6〜図11に基づいて説明すると、ケース70は、合成樹脂の成型品からなり収納部70bを有する本体部70aと、該本体部70aから下方に突出して設けられたコネクタ部70cとを有し、本体部70aの側壁部には軸孔70dが形成されている。また、収納部70bは、軸線G1方向に延びるように一対形成されたガイド部70eを有し、このガイド部70eは図7に示すように、平坦面からなる上部ガイド部70fと、傾斜面からなる下部ガイド部70g、この上部ガイド部70fと下部ガイド部70gとを繋ぐ側部ガイド部70hとから構成されている。また、収納部70bは突起70kを有するカバー70mによって塞がれた状態になっている。
【0004】
基板71は、矩形状の絶縁基板からなり、表面に図示せぬ抵抗体が印刷形成されている。この基板71は、図7に示すように、収納部70bにガイドされて収納部70b内に固定されている。
【0005】
操作軸72は、棒状をなした合成樹脂の成型品からなり、軸孔70dに軸線G1方向に直線操作可能に保持されている。
【0006】
可動部材73は、合成樹脂の成型品からなり、矩形状の基部73aと、基部73aから上方に突出して形成された凸部73bと、基部73aの4角から突出して設けられた突起体73cとを有し、この突起体73cは、上部摺接部73dと下部摺接部73eと、この上部摺接部73dと下部摺接部73eとを繋ぐ側部摺接部73fとから構成されている。また、基部73aは凹部73gを有しており、基部73aの下面には金属製の摺動子74がカシメつけられている。
【0007】
このような可動部材73は、ケース70の収納部70bに、突起体73cがガイド部70eにガイドされた状態で収納されており、凹部73gに操作軸72の端部が嵌合されて、可動部材73は操作軸72と共に、軸線G1方向に直線移動可能になっている。また、可動部材73が収納されると摺動子74が基板71上に接するようになり、可動部材73の移動に伴って摺動子74が図示せぬ抵抗体上を摺動するようになって、可変電圧を出力するようになっている。
【0008】
バネ部材75は、コイルバネから構成され、カバー70mの突起70kで位置決めされた状態で、一端がカバー70mに弾接し、他端が可動体73の凸部73bに弾接した状態になっている。そして、操作軸73が押圧されると、バネ部材75が撓み、押圧力が解除されると、バネ部材75の復帰力によって可動部材73及び操作軸72が、復帰するようになっている。
【0009】
操作軸72及び可動部材73は上記のようにケース70に取り付けられているが、図11に示すように、バネ部材75が図11の左方向へ押圧する第1の力F1と、操作軸73が図11の右方向へ押圧する第2の力F2と、摺動子74が上方へ押圧する第3の力F3とが、可動部材73に対して働く結果、この可動部材73に対して回動力Fa(≒第1の力F1−第3の力F3)がかかる。このとき第1の力F1が第3の力F3よりも大きいことから、可動部材72は操作軸72の一端を支点として図10の矢視方向である反時計方向に回動する。
【0010】
このように可動部材73が回動すると、一方のガイド部70eの上部ガイド部70fに突起体73cの上部摺接部73dが弾接し、他方のガイド部70eの下部ガイド部70gに突起体73cの下部摺接部73eが弾接して、可動部材73の上下方向の移動が規制される。また、側部摺接部73fも一対のガイド部70eの側部ガイド部70hに弾接するので、軸線G1と図10中左右方向に直交する幅方向の移動が規制される。
【0011】
こうして、従来の直線操作型電気部品は、可動部材73が上下、幅方向の移動が規制され、ガタのない状態で、直線操作されるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の直線操作型電気部品は、上記の様な構成、動作をするが、操作軸72が押し込まれていくと、バネ部材75のバネ力(復帰力)が強くなり、第1の力F1が大きくなり、この第1の力F1が大きくなるにつれて、回動力Faも大きくなる関係になっている。回動力Faが大きくなると、突起体73cとガイド部70eとに加わるトルクが回動力Faに比例して大きくなり、突起体73c及びガイド部70eの摩耗が促進される。そして、繰り返し操作されることで、突起体73cとガイド部70eとの間のガタが大きくなり、可動部材73の回動量が増加して、出力特性が悪化するという問題がある。
【0013】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、操作軸の押し込み量に関係なく、一定のトルクを、可動部材とガイド部との間に発生させて、長寿命で、出力特性が良好で信頼性の高い直線操作型電気部品を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明の直線操作型電気部品は、軸線方向に直線的に移動可能な操作軸と、この操作軸の一端部に当接されこの操作軸によって直線的に移動可能に配設された可動部材と、この可動部材を初期位置へ復帰させるように付勢する復帰用バネと、前記可動部材を移動可能に収納する収納部を有するケースと、前記可動部材の移動によって操作される検出手段とを備え、前記収納部には、前記可動部材の移動をガイドするガイド部が形成され、前記操作軸と前記可動部材との間には、前記操作軸と前記可動部材との当接部を支点として前記可動部材を前記ガイド部に弾接するように傾ける回転モーメントを発生するガタ防止用バネが設けられ、前記当接部は前記軸線方向の延長線上に位置し、前記ガタ防止用バネは前記軸線方向からずれて、前記可動部材を前記幅方向に傾けるように前記操作軸と前記可動部材との間に掛け止められており、前記可動部材は前記ガイド部に弾接した状態で、前記ガタ防止用バネと共に直線的に移動するようにした構成とした。
【0016】
また、第2の解決手段として、本発明の直線操作型電気部品の前記ガタ防止用バネは一本の引っ張りバネから形成された構成とした。
【0017】
また、第3の解決手段として、本発明の直線操作型電気部品の前記可動部材は略矩形状をなし、前記ガイド部は前記可動部材を挟むように前記収納部に対向して一対設けられ、前記回転モーメントによって前記可動部材の前方側の角部及び後方側の角部がそれぞれ前記一対のガイド部に弾接している構成とした。
【0018】
また、第4の解決手段として、本発明の直線操作型電気部品の前記ガイド部は上部ガイド部と下部ガイド部とを有し、前記可動部材は前記上部ガイド部に当接して摺動する上部摺接部と、この上部摺接部と反対の下方側に位置し前記下部ガイド部に当接して摺動する下部摺接部とを有し、前記回転モーメントによって、前記上部、下部摺接部が前記上部、下部ガイド部に当接するように押し付けられて前記可動部材の上下方向と幅方向の動きが規制されている構成とした。
【0019】
また、第5の解決手段として、本発明の直線操作型電気部品の前記上部ガイド部及び前記上部摺接部に傾斜面が設けられ、若しくは前記下部ガイド部及び前記下部摺接部に傾斜面が設けられている構成とした。
【0020】
また、第6の解決手段として、本発明の直線操作型電気部品の前記検出手段は、前記可動部材に設けられた磁石と、前記ケースに設けられ前記磁石と対向したホール素子とで構成されていることとした。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の直線操作型電気部品の図面について説明すると、図1は本発明の直線操作型電気部品を側面から見た要部断面図、図2は本発明の直線操作型電気部品の封止部材を取り除いた状態を示す正面図、図3は本発明の直線操作型電気部品を上面からみた要部断面図、図4は本発明の直線操作型電気部品に係る可動部材の動作を示す説明図、図5は本発明の直線操作型電気部品のガイド部と前後摺動部を示す要部正面図である。
【0022】
本発明の直線操作型電気部品を図1〜図5に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品からなるケース1には、図1中左方向に開放して設けられた第1の収納部1aと、これとは反対側に開放して設けられた第2の収納部1bが形成されている。前記第1の収納部1aには、軸線方向に直線的に移動可能に収納するガイド部1gと、このガイド部1gの両側で第1の収納部1a内の前後方向に延びる丸型の保持部1eとが設けられている。また、前記第1の収納部1aの内底部には、後述する2本の復帰用バネ11が係止されるバネ係止部1iが、それぞれ設けられている。
【0023】
前記ガイド部1gは、図5に示すように、上部ガイド部1d及び下部ガイド部1cとで形成されており、前記ガイド部1gは、中央部から幅方向の外方に行くに従って上下間の間隔が漸次狭くなって形成され、上部ガイド部1d及び下部ガイド部1cが傾斜面にて構成されている。また、前記第1の収納部1aの開放部を覆うように、封止部材2が取り付けられており、この封止部材2は中央に設けられた孔2aを有し、第1の収納部1aと連通した状態となっている。
【0024】
絶縁基板3は、矩形状をなし、この絶縁基板3は、複数個の金属製の端子3aと、この端子3aに電気的に接続された状態でホールIC4が取り付けられている。そして、この端子3aは、前記ケース1に埋設されたL字状のコネクタ用のピン5の一端に半田付けされて、接続されている。また、前記第2の収納部1bの開放部を覆うように、封止部材6が取り付けられ、ケース1の一部をかしめて取り付けることにより第2の収納部1bが密封された状態となっている。
【0025】
操作軸7は、合成樹脂の成型品からなり、円柱状の軸部7aと、この軸部7aの軸線G方向の後端部に設けられ、後述する可動部材8に当接する円弧状に膨出した凸部7bと、この凸部7b近傍から前記軸線G方向と直角方向で可動部材8の幅方向の両外側部方向に延びる一対の延出腕部7c、7cが形成されており、この延出腕部7c、7cには、後述する復帰用バネ11が当接されるものとなっている。また、一方の延出腕部7cには後述するガタ防止用バネ12が掛け止められる掛け止め孔7dが形成されている。
【0026】
このような操作軸7は、軸部7aが封止部材2の孔2aに挿通された状態で、第1の収納部1a内を軸線G方向に直線移動可能となっている。
【0027】
可動部材8は、合成樹脂の成型品からなり、略矩形状に形成され、前方側の軸線G方向と直交する幅方向の両端部及び、後方側の幅方向における一端部の角部には、それぞれ上部及び下部摺接部8d、8cが形成されている。そして、この上部及び下部摺接部8d、8cとで形成された前方、後方摺動部8e、8fは、中央部から幅方向の外方に行くに従って、上下間の厚みが漸次薄くなるように形成され、上部及び下部摺接部8d、8cが傾斜面をなしている。
【0028】
また、この可動部材8には、軸の中心より一方向にずらした位置に磁石9を取り付けるための下部が開口した取付孔8gが形成されている。磁石9は、軸線G方向にN極とS極とが着磁された矩形状をなし、この磁石9は、前記取付孔8gに上方から挿入されて、下部側をホールIC4に対向させた状態で位置決め板10によって固定される。そして、これら磁石9とホール素子4とで検出手段Kが構成され、可動部材8が直線運動することにより、磁石9は連動して、ホールIC4の出力電圧値が変化するようになっている。また、この取付孔8gから軸線Gを越えた反対側には、後述するガタ防止用バネ12が掛け止められる掛け止め腕8hが形成されている。
【0029】
ガタ防止用バネ12は、コイルバネから構成され、引っ張りバネとなっており、このガタ防止用バネ12は、一端が操作軸7の掛け止め孔7dに掛け止められ、他端が可動部材8の掛け止め腕8hに掛け止められて、操作軸7と可動部材8とを繋いでいる。
【0030】
復帰用バネ11は、同じ仕様の2個のコイルバネから構成され、圧縮バネとなっており、ケース1の保持部1eに収納されて一端がバネ係止部1iに、他端が操作軸7の延出腕部7cに係止されている。そして、この復帰用バネ11によって操作軸7が前方に押圧されて、この操作軸7は軸線G方向で復帰するようになっている。
【0031】
このように、ガタ防止用バネ12及び復帰用バネ11が配設されるが、ガタ防止用バネ12は、図4に示すように、前記可動部材8を軸線Gからずれた位置で操作軸7に対して引っ張るようにしてあることから、可動部材8には、可動部材8の幅方向の中心位置から前後方向に延びる中心線Zが軸線G方向に対して傾くような回転モーメントM(回転力)が発生し、可動部材8は、操作軸7の凸部7bとの当接部P(軸線G方向の延長線上に位置する)を支点として幅方向の面でピボット運動をして回動し、中心線Zが操作軸7の軸線方向Gに対して傾いた状態となる。尚、ガタ防止用バネ12は可動部材8を傾ければ良いので、バネ係数が小さく設定されている。
【0032】
このように可動部材8に回転モーメントMが発生すると、可動部材8の左側に位置する前方摺動部8eは、図5に示すように、幅方向である矢印Y方向に回動して上部ガイド部1dと下部ガイド部1cとの間に押し込まれるようになり、その結果、それぞれ傾斜面からなる上部ガイド部1dと上部摺接部8d、及び下部ガイド部1cと下部摺接部8cとが当接した状態でお互いの傾斜面に沿って押し込まれるものとなる。このため、前記可動部材8は、上部ガイド部1dと下部ガイド部1cによって上下方向のガタツキが防止され、更に、上部ガイド部1dと下部ガイド部1cとで挟まれた状態となって、左右方向(幅方向)のガタツキも防止されるものとなる。
【0033】
また、前記可動部材8に回転モーメントMが発生すると、可動部材8の後方側の一端の角部に位置する後方摺動部8fは、図5に示すように、幅方向である矢印X方向に回動して上部ガイド部1dと下部ガイド部1cとの間に押し込まれるようになり、その結果、それぞれ傾斜面からなる上部ガイド部1dと上部摺接部8d、及び下部ガイド部1cと下部摺接部8cとが当接した状態でお互いの傾斜面に沿って押し込まれるものとなる。このため、前記可動部材8は、上部ガイド部1dと下部ガイド部1cによって上下方向のガタツキが防止され、更に、上部ガイド部1dと下部ガイド部1cとで挟まれた状態となって、左右方向(幅方向)のガタツキも防止されるものとなる。
【0034】
また、前記操作軸7の軸線方向の移動を復帰させる復帰用バネ11を、同じ仕様の2個のコイルバネから構成すると共に、軸線G方向と直角方向で可動部材8の幅方向に延びる一対の延出腕部7c、7cにこの復帰用バネ11を当接させて、この復帰用バネ11が可動部材8の幅方向の両外側部に軸線G方向に平行して対向するように配設されるようになっているので、操作軸7の押圧時における押圧力のバランスが良好となり、良好な操作感触が得られるものとなっている。さらに、この復帰用バネ11は、操作軸7の軸線G方向に直交する幅方向に延びる線W(図2参照)上の位置に配置されており、操作軸7の押圧時におけるバランスがさらに良好となるようになっている。
【0035】
また、前記可動部材8に回転モーメントMを加えるのに、操作軸7の移動を復帰させるコイルバネからなる復帰用バネ11とは別個の引っ張りバネからなるガタ防止用バネ12を使用するようにしたので、復帰用バネ11に関係なく可動部材8に回転モーメントMを加えることができる。更に、ガタ防止用バネ12は、引っ張りバネなので、操作軸7によって可動部材8が押し込まれても、このガタ防止バネ12のバネ力が変化(増大)することがなく、上部、下部摺接部8d、8cが、一定のトルクで、上部、下部ガイド部1d、1cに押し込まれて弾接するので、可動部材8のとガイド部1gとが摩耗する恐れが著しく低減され、出力特性が安定する。また、ガタ防止用バネ12は、掛け止めれば良いので、簡単な構成で、取付作業性の良い、安価で生産性の良好な構造が得られるものとなっている。
【0036】
また、可動部材8に回転モーメントMが発生すると、可動部材8の前方摺動部8eと後方摺動部8fの上部、下部摺接部8d、8cは、傾斜面からなる前記上部ガイド部1dと下部ガイド部1cとに挟まれた状態で、弾接状態で摺動し、可動部材8は上下方向にガタツクことなく摺動することから、ホールIC4と磁石9の垂直方向(上下方向)の距離を一定の間隔に保つことができる。従って、可動部材8の安定した保持ができ、振動が加わったとしても出力値が変動せず、そして、磁石9の移動に伴って、直線性に優れた出力値を得ることができるものとすることができる。
【0037】
次に本発明の直線操作型電気部品の動作について説明すると、例えば自動車のペダルが踏まれて操作軸7が押圧されると、復帰用バネ11に抗して操作軸7が押し込まれ、復帰用バネ11が収縮する。また、この操作軸7に押圧されて、この操作軸と共に可動部材8も直線移動して、磁石9の位置が変更することによりホールIC4の出力電圧値が変化して、位置検出を行うセンサとして機能する。そして、ペダルの押圧が解除され操作軸7への押圧力がキャンセルされると、復帰用バネ11が復帰して、操作軸7が元の位置に復帰して、可動部材8もガタ防止用バネ12に引っ張られて元の位置に直線移動して、結果として磁石9の位置も元に戻りホールIC4の出力電圧値も元に戻る。
【0038】
本発明の直線操作型電気部品は上記のような構成をなし、動作をするが、上記構成に限られないことは言うまでもなく、本実施の形態では、ガタ防止用バネ12は引っ張りバネで構成したが、圧縮バネから構成して、可動部材8と操作軸7とを常時付勢するようにしても良い。また、本実施の形態ではガタ防止用バネ12は、軸線G方向と略平行にずれて配置されているが、この軸線Gと交差して配置されていても良い。また、本実施の形態ではガタ防止用バネ12は一本からなる形態で説明したが、バネ力の異なる2本のコイルバネから構成して、可動部材8に回転モーメントを加える様にしても良い。
【0039】
また、上記実施の形態では、磁気式の非接触式センサとして説明しているが、従来例で挙げたように、可動部材8に摺動子を設けると共に、絶縁基板3に抵抗体を形成して検出手段を構成するようにして、接触式のセンサに適用しても良い。
【0040】
【発明の効果】
本発明の直線操作型電気部品の収納部には、可動部材の移動をガイドするガイド部が形成され、操作軸と可動部材との間には、操作軸と可動部材との当接部を支点として可動部材を傾ける回転モーメントを発生するガタ防止用バネが設けられ、可動部材はガイド部に弾接した状態で、ガタ防止用バネと共に直線的に移動するようにした構成としたため、操作軸の押し込み量に関係なく、一定のトルクを、可動部材とガイド部との間に発生させることができるので、可動部材とガイド部との摩耗の恐れが著しく低減し、長寿命で、出力特性が安定した信頼性の高い直線操作型電気部品を提供することができる。
【0041】
また、本発明の直線操作型電気部品の当接部は軸線方向の延長線上に位置し、ガタ防止用バネは軸線方向からずれて、可動部材を幅方向に傾けるように配設されている構成としたため、簡単な構成で可動部材に回転モーメントを加えることができる。
【0042】
また、本発明の直線操作型電気部品のガタ防止用バネは一本の引っ張りバネから構成され、操作軸と可動部材との間に掛け止められている構成としたため、簡単な構成で、確実に一定の回転モーメントを可動部材に加えることができる。
【0043】
また、本発明の直線操作型電気部品の可動部材は略矩形状をなし、ガイド部は可動部材を挟むように収納部に対向して一対設けられ、回転モーメントによって可動部材の前方側の角部及び後方側の角部がそれぞれ一対のガイド部に弾接している構成としたため、可動部材を一対のガイド部でガイドすることができ、確実にガイドすることが可能となる。
【0044】
また、本発明の直線操作型電気部品のガイド部は上部ガイド部と下部ガイド部とを有し、可動部材は上部ガイド部に当接して摺動する上部摺接部と、下部ガイド部に当接して摺動する下部摺接部とを有し、回転モーメントによって、上部、下部摺接部が上部、下部ガイド部に当接するように押し付けられて可動部材の上下方向と幅方向の動きが規制されている構成としたため、可動部材の幅方向、上下方向のガタツキが防止されるので、出力特性が安定した信頼性の高い直線操作型電気部品を提供することができる。
【0045】
また、本発明の直線操作型電気部品の上部ガイド部及び上部摺接部に傾斜面が設けられ、若しくは下部ガイド部及記下部摺接部に傾斜面が設けられている構成としたため、それぞれ傾斜面からなる上部ガイド部と上部摺接部、及び下部ガイド部と下部摺接部とが当接した状態でお互いの傾斜面に沿って押し込まれるものとなり、可動部材は、上部ガイド部と下部ガイド部によって上下方向のガタツキが防止され、更に、上部ガイド部と下部ガイド部とで挟まれた状態となって、左右方向(幅方向)のガタツキも防止でき、上下方向、左右方向のガタツキの防止が効率よく、確実に行うことができる。
【0046】
本発明の直線操作型電気部品の検出手段は、可動部材に設けられた磁石と、ケースに設けられ磁石と対向したホール素子とで構成されていることとしたため、本発明を磁気式の非接触センサに好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直線操作型電気部品を側面から見た要部断面図
【図2】本発明の直線操作型電気部品の封止部材を取り除いた状態を示す正面図
【図3】本発明の直線操作型電気部品を上面からみた要部断面図
【図4】本発明の直線操作型電気部品に係る可動部材の動作を示す説明図
【図5】本発明の直線操作型電気部品のガイド部と前後摺動部を示す要部正面図
【図6】従来の直線操作型電気部品の要部断面図
【図7】従来の直線操作型電気部品のケースを図1のX1方向から見た図
【図8】従来の直線操作型電気部品の可動部材の側面図
【図9】従来の直線操作型電気部品の可動部材の上面図
【図10】従来の直線操作型電気部品に係るケースに可動部材を組み込んだ状態を示す図
【図11】従来の直線操作型電気部品の可動部材に働く力を説明する説明図
【符号の説明】
1 ケース
1a 第1の収納部
1b 第2の収納部
1c 下部ガイド部
1d 上部ガイド部
1e 保持部
1g ガイド部
1i バネ係止部
2 封止部材
2a 孔
3 絶縁基板
3a 端子
4 ホールIC
5 ピン
6 封止部材
7 操作軸
7a 軸部
7b 凸部
7c 延出腕
7d 掛け止め孔
8 可動部材
8c 下部摺接部
8d 上部摺接部
8e 前方摺動部
8f 後方摺動部
8g 取付孔
8h 掛け止め腕
9 磁石
10 位置決め板
11 復帰用バネ
12 ガタ防止用バネ
G 軸線
K 検出手段
M 回転モーメント
P 当接部
X、Y 幅方向
W 線
Z 中心線

Claims (6)

  1. 軸線方向に直線的に移動可能な操作軸と、この操作軸の一端部に当接されこの操作軸によって直線的に移動可能に配設された可動部材と、この可動部材を初期位置へ復帰させるように付勢する復帰用バネと、前記可動部材を移動可能に収納する収納部を有するケースと、前記可動部材の移動によって操作される検出手段とを備え、
    前記収納部には、前記可動部材の移動をガイドするガイド部が形成され、前記操作軸と前記可動部材との間には、前記操作軸と前記可動部材との当接部を支点として前記可動部材を前記ガイド部に弾接するように傾ける回転モーメントを発生するガタ防止用バネが設けられ、前記当接部は前記軸線方向の延長線上に位置し、前記ガタ防止用バネは前記軸線方向からずれて、前記可動部材を前記幅方向に傾けるように前記操作軸と前記可動部材との間に掛け止められており、前記可動部材は前記ガイド部に弾接した状態で、前記ガタ防止用バネと共に直線的に移動するようにしたことを特徴とする直線操作型電気部品。
  2. 前記ガタ防止用バネは一本の引っ張りバネから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の直線操作型電気部品。
  3. 前記可動部材は略矩形状をなし、前記ガイド部は前記可動部材を挟むように前記収納部に対向して一対設けられ、前記回転モーメントによって前記可動部材の前方側の角部及び後方側の角部がそれぞれ前記一対のガイド部に弾接していることを特徴とする請求項1、又は2に記載の直線操作型電気部品。
  4. 前記ガイド部は上部ガイド部と下部ガイド部とを有し、前記可動部材は前記上部ガイド部に当接して摺動する上部摺接部と、この上部摺接部と反対の下方側に位置し前記下部ガイド部に当接して摺動する下部摺接部とを有し、前記回転モーメントによって、前記上部、下部摺接部が前記上部、下部ガイド部に当接するように押し付けられて前記可動部材の上下方向と幅方向の動きが規制されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の直線操作型電気部品。
  5. 前記上部ガイド部及び前記上部摺接部に傾斜面が設けられ、若しくは前記下部ガイド部及び前記下部摺接部に傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の直線操作型電気部品。
  6. 前記検出手段は、前記可動部材に設けられた磁石と、前記ケースに設けられ前記磁石と対向したホール素子とで構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の直線操作型電気部品。
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