JP3872241B2 - 自立型装置の転倒防止足機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転倒防止足機構を有する自立型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来、図5及び図6に示すように転倒防止足機構を有する自立型装置1がある。この種の自立型装置1は、装置が縦長で重心が高い場合、保守等の目的で移動したりすると転倒し易い。このため移動時においては、転倒角を大きく取るため、転倒防止足機構4、5を自立型装置1の外側に張り出してネジ11等によって取付けている。また、設置が完了すると邪魔になるため外していた。転倒防止足機構4、5には、移動のためのローラを収納したキャスタ2が取付けられている。3は、自立型装置1を設置するのに使用するアジャスタプラパートで上下方向に調整が可能である。ここで、転倒角とは、重心からの垂線と床に接している部分との角度を示し、その角度以上に機器1が傾くと転倒する角度を意味する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の自立型装置1の転倒防止足機構4、5は、自立型装置1を移動する時には、取付けし、また、設置時には、作業するのに出っ張っていて邪魔になるため取外さなければならない。このため作業性が悪く、さらに、取外した場合、保管場所の確保及び紛失という問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、転倒防止足機構を、自立型装置1を移動する時には取り出し、自立型装置1の設置完了時に収納する機構を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述したような課題を解決して、上記の目的を達成するために、自立型装置の転倒防止足機構において、前記自立型装置の底部の後部に設けられ移動のための手段を収納したキャスタ1と、前記自立型装置の底部の4隅に設けられ上下方向に調整可能なアジャスタプラパートと、前記自立型装置の底部に、張り出し及び収納可能に設けられた少なくとも一つの転倒防止足と、前記転倒防止足に取り付けられ移動のための手段を収納したキャスタ2と、前記転倒防止足を、前記キャスタ1にて支持してなす転倒角よりも前記キャスタ2にて支持してなす転倒角を大きくする位置に張り出し可能にしたことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自立型装置の転倒防止足機構について、詳細を図面を用いて説明する。なお、第1、第2の実施の形態及び従来の技術において、同一の構成には同一の符号を付す。
【0007】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態の転倒防止足機構の斜視図、図2は、第1の実施の形態の転倒防止足機構のA部拡大斜視図である。
【0008】
図1〜図2において、1は、自立型装置である。自立型装置1の底部1aの後部には、移動のためのローラを収納したキャスタ2aが間隔lで、また、上下方向に調整可能なアジャスタプラパート3が2個所取り付けられている。自立型装置1の底部1aの前部左右には、凹み1b、1cが形成されている。この凹み1b、1cは、ほぼ同様の形状をしていて、転倒防止足7、8が収納可能となっている。凹み1b、1cの天井部には、ボス11、12が固着されて、これに、アジャスタプラパート9、10をナット9a、10bにて取り付けると共にアジャスタプラパート9、10の支軸9b、10bにより転倒防止足7、8を矢印B−C方向に回転可能に支持している。また、凹み1b には、転倒防止足7を張り出し位置に固定するネジ穴13と角穴14、収納位置に固定するネジ穴15と角穴16が設けられている。また、凹み1c には、同様に転倒防止足8の張り出し位置に固定するネジ穴と角穴、収納位置に固定するネジ穴と角穴が設けられている。
【0009】
転倒防止足7、8は、ほぼ同様の形状をしていて、略U字状に形成された底部の一端には、アジャスタプラパート9、10に嵌合する穴7a、8aと、凹み1bの角穴14 、16と対応する角穴7bと、凹み1bのネジ穴13と15 と対応するネジ7cが設けられ、さらに他の一端には移動のためのローラを収納したキャスタ2bが取り付けられている。この様な転倒防止足7、8は、底部1aの前方左右の凹み1b、1cにそれぞれ回動して収納出来るようになっている。21は、固定金具で略L字形をしていて、一方の突起部21aと他方の突起部に設けられた固定ネジ穴21bによって、転倒防止足7、8を凹み1b、1cのそれぞれの位置に固定ネジ22で取り付ける。
【0010】
上述のように構成された転倒防止足機構の動作について説明する。まず自立型装置1を移動するときには、自立型装置1の底部1aの前方左右の凹み1b、1cに、それぞれ収納されている転倒防止足7、8を、アジャスタプラパート9、10の支軸9b、10bを中心に矢印B方向に回動させて、自立型装置1の外側に張り出す。この時、キャスター2bの間隔はLになる。張り出し位置に固定するには、転倒防止足7の角穴7b と凹み1bの角穴14を合わせ、固定金具21の突起部21aを差し込み、固定金具21の固定ネジ穴21b、凹み1bのネジ穴13に、固定ネジ22を挿入してネジ7cに締める。転倒防止足8についても同様である。次に、4隅のアジャスタプラパート9、10のナット9a、10aを緩め床6から離しキャスター2a、2bにて移動する。キャスター2bの間隔Lはキャスター2aの間隔lよりも大きいので、重心からの垂線と床に接している部分との角度(転倒角)が大きくなり、移動中に転倒し難くなる。
【0011】
また、設置する場合は、4隅のアジャスタプラパート2を床6の傾きや凸凹に対応して上下方向に調整し床6に接しさせナット9a、10aを回転し締めた後、それぞれ張り出して固定されている転倒防止足7、8を固定している固定ネジ22と固定金具21を外す。転倒防止足7、8をアジャスタプラパート9、10の支軸9b、10bを中心に矢印C方向に回動させて、自立型装置1の底部1aの前方左右の凹み1b、1cにそれぞれ収納する。収納位置に固定するには、転倒防止足7の角穴7b と凹み1bの角穴16を合わせ固定金具21の突起部21aを差し込み、固定金具21の固定ネジ穴21b、凹み1bのネジ穴15に、固定ネジ22を挿入してネジ7cに締める。転倒防止足8についても同様である。
【0012】
〔第2の実施の形態〕
図3は、第2の実施の形態の自立型装置の転倒防止足機構の斜視図、図4は、第2の実施の形態の自立型装置の転倒防止足機構の底面図である。
【0013】
図3〜図4において、1は、自立型装置である。自立型装置1の底部1aの4隅には上下方向に調整可能なアジャスタプラパート3が、底部1aの後部には、移動のためのローラを収納したキャスタ2aが2個所間隔lで取り付けられ、また、底部1aの前部の中央には、略U型の転倒防止足31が中央部をショルダスクリュウ32によって回転可能に取り付けられている。転倒防止足31の両端には移動のためのローラを収納したキャスタ2bが間隔Lで取り付けられ、転倒防止足31のショルダスクリュウ32と一方のキャスタ2の間にはリンク33が回動可能に連結されている。リンク33の他端は略U字状に形成され、それの最端は取っ手部33aを形成し、自立型装置1の底部1aの側面に設けられた凹み1dに収納されている。凹み1dの天井部には、ネジ35と、ネジ36が設けられている。また、リンク33の略U字状に形成された取っ手部33aの底部にはネジ穴が設けられており、前記ネジ35と、ネジ36につまみネジ34にて転倒防止足31を張り出し位置と、収納位置に固定するようになっている。
【0014】
上述のように構成された転倒防止足機構の動作について説明する。
【0015】
自立型装置1を移動するときには、自立型装置1の底部1aの側面に設けられた凹み1dの取っ手部33aのつまみネジ34を緩めて外す。取っ手部33aを矢印M方向に引張ると、底部1aの下部に収納されている転倒防止足31がショルダスクリュウ32を中心にしてG方向に回動を始める。次に、リンク33をK方向に押してさらにG方向に回動する。 凹み1dの天井部のネジ35に取っ手部33aの底部のネジ穴を合わせ、つまみネジ34を挿入して固定する。
【0016】
次に、4隅のアジャスタプラパート3を床6から離しキャスター2a、2bにて移動する。後部のキャスタ2aの間隔lよりも転倒防止足31のキャスタ2bの間隔Lを大きくしているので、重心からの垂線と床に接しているの部分との角度(転倒角)が大きくなり、移動中に転倒し難くなる。
【0017】
また、設置する場合は、4隅のアジャスタプラパート3を床6の傾きや凸凹に対応して上下方向に調整し床6に接しさせた後、底部1aの側面に設けられた凹み1dの取っ手部33aのつまみネジ34を緩めて外す。取っ手部33aを矢印M方向に引張ると、底部1aの下部に収納されている転倒防止足31がショルダスクリュウ32を中心にしてH方向に回動を始める。次に、リンク33をK方向に押してさらにH方向に回動して収納する。 凹み1dの天井部のネジ36に取っ手部33aの底部のネジ穴を合わせ、つまみネジ34を挿入して固定する。
【0018】
【発明の効果】
以上、述べたように、第1、第2の実施の形態によれば、自立型装置を移動する時には、転倒防止足機構を取付けし、また、設置時には、作業するのに出っ張っていて邪魔になるため取外さなければならない。このため作業性が悪く、さらに、取外した場合、保管場所の確保及び紛失という問題を解決出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の転倒防止足機構の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の転倒防止機構のA部拡大斜視図である。
【図3】第2の実施の形態の転倒防止足機構の斜視図である。
【図4】第2の実施の形態の転倒防止足機構の底面図である。
【図5】従来の技術を示す自立型装置の正面図である。
【図6】従来の技術を示す自立型装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 自立型装置
2 キャスタ
3 アジャスタプラパート
7、8 転倒防止足
9、10 アジャスタプラパート
31 転倒防止足
33 リンク
34 つまみネジ

Claims (3)

  1. 自立型装置の転倒防止足機構において、
    前記自立型装置の底部の後部に設けられ移動のための手段を収納した第1のキャスタと、
    前記自立型装置の底部の4隅に設けられ上下方向に調整可能なアジャスタプラパートと、
    前記自立型装置の底部に、張り出し及び収納可能に設けられた少なくとも一つの転倒防止足と、
    前記転倒防止足に取り付けられ移動のための手段を収納した第2のキャスタとを有し、
    前記転倒防止足を、前記第1のキャスタにて支持してなす転倒角よりも前記第2のキャスタにて支持してなす転倒角を大きくする位置に張り出し可能にしたことを特徴とする自立型装置の転倒防止足機構。
  2. 自立型装置の転倒防止足機構において、
    前記自立型装置の底部の後部左右2個所に設けられた、移動のための手段を収納した第1のキャスタと上下方向に調整可能な第1のアジャスタプラパートと、
    前記自立型装置の底部の前部左右端の2個所に凹みを設け、該凹みの天井部に設けたボスと、
    前記ボスに取付けられ上下方向に調整可能な第2のアジャスタプラパートと、
    前記第2のアジャスタプラパートの支軸を回転中心に回動可能に設けられた転倒防止足と、
    前記転倒防止足の回転中心より離れた位置に取り付けられ移動のための手段を収納した第2のキャスタとを有し、
    前記転倒防止足を回動して、張り出し位置または前記収納位置に固定可能にしたことを特徴とする自立型装置の転倒防止足機構。
  3. 自立型装置の転倒防止足機構において、
    前記自立型装置の底部の後部左右2個所に設けられ移動のための手段を収納した第1のキャスタと、
    前記自立型装置の底部の4隅に設けられ上下方向に調整可能なアジャスタプラパートと、
    前記自立型装置の底部の側面に設けられた凹みと、
    前記自立型装置の底部の前部中央に取り付けられた転倒防止足と、
    前記転倒防止足は、ほぼ中央部を回転中心に回動可能で、該転倒防止足の両端に取り付けられ移動のための手段を収納した第2のキャスタと、
    該回転中心と一方の該第2のキャスタとの間に回転可能に連結され他端は前記底部の側面の凹みに連らなったリンクとを有し、
    前記リンクを操作して、前記転倒防止足を回動し、張り出し位置または収納位置に固定可能にしたことを特徴とする自立型装置の転倒防止足機構。
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