JP3871907B2 - 家鳴りの原因特定のために使用する検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、家鳴りと称される住宅の軋み音の原因特定のために使用する検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅のかかえる問題の一つに家鳴りがある。この家鳴りは、温度変化や乾燥、風の力といった外力の作用によって、住宅各所の部材が変位したり、振動することで発生する。
【0003】
いくつかの例を挙げると、例えば温度変化によって構造躯体を構成する部材が伸縮して応力歪みが生じることで、部材相互の接合部や交差部における接触面がずれるときの摩擦音、温度変化に伴う部材の伸縮によって、室内天井、外壁、化粧胴差、バルコニー、ガラス戸や窓額縁、軒樋等に生じる各種の異音、乾燥によって木材が割れたときの音、風の力によって住宅が変形したときのブレース交点がずれる音等がある。
【0004】
家鳴りは、通常何らかの形で発生しているが、発生頻度が多くなったり、共鳴材があったり放射効率が良好で増幅されて、一定の音圧レベルを越えるようなことがあると、住宅の居住者に対して構造的に欠陥があるのではないかとの不安を与えることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在のところ、家鳴りが、住宅のどの部分で、どのような要因によって発生しているのかを特定するための方法や装置は確立されていない。このため、居住者からの家鳴りに関する相談やクレームに対して、適切に対応することが難しく、居住者の不安を解消することができなかった。また、家鳴りの発生頻度や音圧レベルを低減するための適切な対策を講じることもできなかった。
【0006】
そこで、この発明は、上記に鑑み、居住者の家鳴りに対する不安を解消するとともに、家鳴りの発生頻度や音圧レベルの低減を図るべく対策を講じるために、家鳴りの原因を特定するために使用する検知装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明の検知装置は、部材の振動や歪み等の状態を検知する第1検知部と、温度や湿度等の家鳴りの発生要因を検知する第2検知部とをひとまとめにしてパッケージ化し、家鳴りの発生源と予測される箇所へ取り付けるための装着部を設けたことを特徴とする。
【0008】
具体的には、部材の振動を検知する振動センサと、部材の表面温度を検知する温度センサとをひとまとめにしてパッケージ化し、家鳴りの発生源と予測される箇所へ取り付けるための装着部を設けたことを特徴とする。また、家鳴りを取り込むマイクロフォンを組み込むようにしても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、家鳴りの原因を特定するために使用する測定装置を示している。この測定装置は、部材の状態を検知するための第1検知部(1)と、家鳴りの発生要因を検知するための第2検知部(2)と、家鳴りを取り込むマイクロフォン(3)とを備えている。
【0010】
第1検知部(1)としては、部材の振動を検知する振動センサ(振動ピックアップ)が用いられている。この振動ピックアップ(1)は、プリアンプ(5)を通して騒音計(6)に接続されている。そして、騒音計(6)のAC出力側には、記録部としてのレベルレコーダー(7)が接続されていて、振動ピックアップ(1)からの検知データすなわち振動レベルデータが時系列的に記録されるようになっている。なお、騒音計(6)のDC出力側には、コントローラ(8)が接続されている。
【0011】
なお、第1検知部(1)として、振動ピックアップ(1)の他に、部材の応力歪みを検知する歪みゲージを使用するようにしても良い。この場合、歪みゲージを記録部としてのデータロガーに接続して、歪みゲージからの検知データを時系列的に記録する。
【0012】
第2検知部(2)としては、部材の表面温度を検知する温度センサ(10)と、部材周辺の湿度を検知する湿度センサ(11)と、風向風速計(12)とが使用されている。温度センサ(10)や湿度センサ(11)は、例えば熱電対を利用したタイプとされている。
【0013】
そして、これら温度センサ(10)や湿度センサ(11)、風向風速計(12)は、記録部としてのデータロガー(13)に接続されている。従って、温度センサ(10)や湿度センサ(11)、風向風速計(12)からの検知データが、データロガー(13)によって時系列的に記録されるようになっている。
【0014】
マイクロフォン(3)は、録音部としてのデジタルオーディオテープレコーダ(15)に接続されている。従って、マイクロフォン(3)によって取り込んだ家鳴りの音が、テープレコーダ(15)によって時系列的に録音されるようになっている。なお、テープレコーダ(15)は、コントローラ(8)に接続されており、振動ピックアップ(1)が一定以上の振動レベルを検知したときだけ、コントローラ(8)がテープレコーダ(15)へ起動信号を送ることで、家鳴りの録音がなされるといった制御も可能となっており、これによって家鳴りの発生が予測されるときだけ録音を実施して、録音時間の短縮を図ることができる。
【0015】
そして、この測定装置では、図2に示すように、第1検知部である振動ピックアップ(1)、第2検知部(2)の温度センサ(10)及び湿度センサ(11)、さらにはマイクロフォン(3)を、ひとまとめにしてパッケージ化することで、検知装置(20)を構成している。なお、上述した歪みゲージを含めるようにしても良い。
【0016】
この検知装置(20)では、箱形の外装ケース(21)内に、振動ピックアップ(1)、温度センサ(10)、湿度センサ(11)及びマイクロフォン(3)を、その検知部分が外装ケース(21)の開放面側に臨むようにして収容させている。
【0017】
また、検知装置(20)には、家鳴りの発生源と予測される箇所へ取り付けるための装着部(22)が設けられている。装着部(22)は、外装ケース(21)の開放面周りに取り付けられた可撓性を有する一対のマグネット付き舌片(23)(23)からなり、これら舌片(23)(23)を例えば鋼製の部材に張り付けることで、外装ケース(21)の開放面側すなわち検知部分を部材に対向させて、検知装置(20)を部材に簡単に取り付けることができるようになっている。
【0018】
なお、装着部(22)は、このようなマグネット式のものに限らず、例えば図3に示すように、外装ケース(21)の開放面周りに取り付けた一対のビス挿入用孔付きフランジ(26)(26)としても良く、さらにフランジ(26)(26)部分に両面テープ等を取り付けた構造のものであっても良い。この場合、検知装置(20)を、プラスチック製や木製の部材に簡単に取り付けることができる。
【0019】
さらにまた、舌片(23)(23)やフランジ(26)(26)の代わりに、紐やベルトを取り付けて、これらを部材に巻き付けることで、検知装置(20)を部材に取り付けるようにしても良い。なお、図2、3中、(28)は支持板であって、この支持板(28)の挿通孔へ振動ピックアップ(1)、温度センサ(10)、湿度センサ(11)及びマイクロフォン(3)を夫々挿通させることで、これらを外装ケース(21)内に支持している。
【0020】
次に、家鳴りの原因特定方法について説明する。まず、居住者からのヒアリングにより家鳴りの発生源を推測する。そして、図4に示すように、家鳴りの発生源と予測される箇所における部材に、検知装置(20)(20)…を夫々取り付ける。このとき、部材の形状や材質等から判断して、取り付け易い装着部(22)を備えた検知装置(20)を選んで、取り付けるようにする。これにより、各箇所には、振動センサ(1)、温度センサ(10)、湿度センサ(11)及びマイクロフォン(3)が配置される。また、風向風速計(12)を、例えば屋上に取り付ける。
【0021】
このような配置が完了すると、各箇所において温度、湿度、振動、家鳴り音の検知を開始し、風向風速も同時に検知して、これらの検知データを時系列的に記録し、また家鳴りを時系列的に録音する。このような測定は、数時間望ましくは24時間連続して行う。
【0022】
測定が終了すると、各箇所において記録した検知データや録音した音を処理して、各箇所毎にグラフや表として出力する。例えば、振動レベルデータについては、レベルレコーダー(7)によって図5に示すようなグラフを出力し、温度データや湿度データについては、データロガー(13)に接続した図示しないパーソナルコンピュータ等によって処理して、図6や図7に示すようなグラフを出力し、録音した音については、デジタルオーディオテープレコーダ(15)に接続した図示しないパーソナルコンピュータ等によって処理して、図8に示すようなグラフを出力する。
【0023】
そして、これらグラフを利用して、記録した各種検知データと録音した音の発生状況とを突き合わせ、どの箇所で、どのような要因で家鳴り発生したのかを特定する。例えば、図5乃至図8のグラフを参照すると、温度の上昇時及び下降時に対応して、振動レベルが大きく変化し、この振動レベルの変化に伴って家鳴りの音圧レベルが高くなっており、これらに相関関係があることが解る。従って、図5乃至図8のグラフが得られた測定箇所においては、家鳴りが、部材の温度変化による伸縮に伴って発生していることを特定することができる。
【0024】
これはあくまでも一例であり、例えば湿度変化と振動レベル、音圧レベルに相関関係があれば、湿度変化による部材の乾燥に伴って家鳴りが発生していることを特定できたり、また風向風速と振動レベル、音圧レベルに相関関係があれば、風荷重による部材の変形に伴って家鳴りが発生していることを特定できる。さらに、歪みゲージを取り付けて、この歪みゲージから得られた検知データすなわち部材の応力歪みの状況も加味すると、より綿密な原因特定が可能となる。
【0025】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明の検知装置を、家鳴りの発生源と予測される箇所に取り付けると、その箇所における部材の振動や歪み等の状態とともに、家鳴りの発生要因を検知することができ、これら検知結果を突き合わせることで、家鳴りが、住宅のどの部分で、どのような要因によって発生しているのかを特定することができる。これによって、住宅の居住者の家鳴りに対する不安を解消することができ、また特定結果を基にして、家鳴りの発生頻度や音圧レベルを低減するための的確な対策も講じ易くなる。
【0027】
しかも、この検知装置は、複数の検知部(センサ)をパッケージ化しているので、検知部を1つ1つ取り付ける必要がなく、部材への取り付けが容易となり、家鳴りの原因特定のための測定を素早く簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る家鳴りの原因特定のための測定装置の構成図である。
【図2】検知装置の斜視図である。
【図3】別の検知装置の斜視図である。
【図4】住宅の各箇所への検知装置の配置状態を示す図である。
【図5】振動レベルデータを表したグラフを示す図である。
【図6】温度データを表したグラフを示す図である。
【図7】湿度データを表したグラフを示す図である。
【図8】家鳴りの音圧レベルを表したグラフを示す図である。
【符号の説明】
(1) 第1検知部(振動センサ)
(2) 第2検知部
(3) マイクロフォン
(10) 温度センサ
(20) 検知装置
(22) 装着部
Claims (3)
- 部材の振動や歪み等の状態を検知する第1検知部と、温度や湿度等の家鳴りの発生要因を検知する第2検知部とをひとまとめにしてパッケージ化し、家鳴りの発生源と予測される箇所へ取り付けるための装着部を設けたことを特徴とする家鳴りの原因特定のために使用する検知装置。
- 部材の振動を検知する振動センサと、部材の表面温度を検知する温度センサとをひとまとめにしてパッケージ化し、家鳴りの発生源と予測される箇所へ取り付けるための装着部を設けたことを特徴とする家鳴りの原因特定のために使用する検知装置。
- 家鳴りを取り込むマイクロフォンを組み込んである請求項1又は2記載の家鳴りの原因特定のために使用する検知装置。
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