JP3871841B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
着用衣料の洗浄は、一般に弱アルカリ性洗剤を用いて洗濯されるが、汚れを完全には除去することができず、特に皮脂が変成した頑固な汚れは着用を繰り返すことで衣料に蓄積される。このような衣料は太陽光や空気中の酸素の影響で黄ばみが進行する。特に肌着の黄ばみは顕著である。
【0003】
このような黄ばみを抑制する方法としては、蛍光増白剤を洗浄剤に配合する方法や漂白剤を使用する方法が知られている。例えば、特開平9−20899号公報ではスチルベン蛍光増白剤対ビフェニル又はビス(ベンゾオキサゾール)蛍光増白剤の比率が少なくとも4:1である安定性に優れる洗浄剤組成物が開示されている。また、特開平8−218096号公報には、特定の漂白活性化剤と特定の蛍光増白剤を配合した洗浄剤組成物が開示されている。しかしながらこれらは洗浄剤中の蛍光増白剤の分解を抑制するものであり、黄ばみの抑制という点では満足できるものではない。
【0004】
従って本発明の課題は、着用の繰り返しによる黄ばみの発生及び進行を抑制できる洗浄剤組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)無機過酸化物、(b)下記一般式(1)及び/又は(2)で表される漂白活性化剤、(c)ビフェニル型蛍光増白剤及び(d)スチルベン型蛍光増白剤を含有し、(c)成分と(d)成分の合計が0.1〜2重量%であり、且つ(c)/(d)の重量比が100/1〜4/1である洗浄剤組成物を提供する。
【0006】
【化3】
【0007】
〔式中、R及びR’は、同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数7〜13のアルキル基であり、Mは陽イオンである。〕
【0008】
【発明の実施の形態】
(a)成分
本発明では(a)成分として無機過酸化物を使用する。このような化合物としては過硼酸塩類、過炭酸塩類、過硫酸塩類を挙げることができ、特に被覆した過炭酸塩類を使用することが安定性の点で好ましい。被覆した過炭酸塩類としては、公知の方法で製造することができ、例えば特開昭59−196399号公報(過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆)に掲載されている方法を挙げることができる。
【0009】
(b)成分
本発明では(b)成分として上記一般式(1)で表される漂白活性化剤及び上記一般式(2)で表される漂白活性化剤の少なくとも一つを使用することが好ましく、特に一般式(1)の漂白活性化剤が黄ばみ抑制効果の点から好ましい。なかでも一般式(1)中のRが炭素数10〜13のアルキル基である漂白活性化剤及び一般式(2)中のR’が炭素数7〜11のアルキル基である漂白活性化剤が好ましい。また、陽イオンとしては、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンが好ましい。
【0010】
また、このような漂白活性化剤は造粒物として配合することが好ましい。造粒物中の漂白活性化剤の量は好ましくは1〜80重量%、より好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜75重量%である。また、該造粒物には漂白活性化剤の洗濯浴中での溶解性を改善するためにポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル硫酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(b1)を造粒物中に0〜50重量%、更に1〜45重量%、特に2〜40重量%配合するのが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドがブロック状に付加したものが好ましく、エチレンオキシド平均付加モル数は3〜20、特に4〜15が好ましく、プロピレンオキシド平均付加モル数は1〜10、特に2〜7が好ましい。アルキル基の炭素数は10〜18、特に12〜16が好ましい。アルキル硫酸塩としては、炭素数10〜18で、ナトリウム塩が好ましく、特にラウリル硫酸ナトリウム又はミリスチル硫酸ナトリウムが特に好ましい。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、またナトリウム塩が良好である。ここでポリオキシエチレン基の平均重合度(以下EOp)は1〜10、特に1〜5が良好であり、特にポリオキシエチレン(EOp=2〜5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOp=2〜5)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウムが良好である。
【0011】
漂白活性化剤の造粒物は、上記成分を、ポリオキシエチレン及び脂肪酸から選ばれるバインダー物質を用いて製剤化して得られる。ポリオキシエチレンとしては平均分子量2000〜20000、更に4000〜10000、特に4000〜8000のものが良好である。また、脂肪酸としては炭素数8〜20、更に10〜18、特に12〜18のものが好ましく、これらはナトリウムあるいはカリウム石鹸の状態であってもよい。バインダー物質は造粒物中に0.5〜30重量%、更に1〜20重量%、特に5〜20重量%使用するのが好ましい。
【0012】
漂白活性化剤造粒物は上記組成物を上記比率で配合することが、安定性の点で好ましい。
【0013】
また、本発明では漂白活性化剤造粒物の安定性を向上させる目的で所望により造粒物中に酸性物質を配合してもよい。酸性物質としては有機カルボン酸類が好ましく、特にこはく酸、マレイン酸、フマール酸、クエン酸、グリコール酸及びp−ヒドロキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。このような酸性物質の配合量は、造粒物中に0〜20重量%、更に1〜15重量%、特に1〜10重量%が好適である。
【0014】
漂白活性化剤の造粒物は、上記成分を任意の方法で混合して得ることができるが、特に漂白活性化剤と前記界面活性剤(b1)の一部もしくはすべてを先に混合し、その後バインダー物質等を添加する方法が好ましい。また、バインダー物質は予め融解して添加することが好ましい。バインダー物質は40〜100℃、更に50〜100℃、特に50〜90℃で融解させて添加するのが好ましい。これらは均一になるまで攪拌混合された後、通常の造粒機により製剤化される。好ましい造粒法として押し出し造粒を挙げることができ、平均粒径が500μm〜5000μm、特に500〜3000μmの造粒物にすることが好ましい。また、その他の造粒法としてはブリケット機による錠剤形状にすることも好ましい造粒法として挙げることができる。
【0015】
(c)成分
本発明では(c)成分としてビフェニル型蛍光増白剤を使用する。ビフェニル型蛍光増白剤としては4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムや4,4’−ビス(2−スルホ−4クロロスチリル)ビフェニルジナトリウムをあげることができ、特に4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムが黄ばみ防止効果の点で好ましい。(c)成分としてチノパールCBS−X(チバスペシャリティケミカルス社製)が使用できる。
【0016】
(d)成分
本発明では(d)成分としてスチルベン型蛍光増白剤を使用し、黄ばみ防止効果の点で一般式(3)の化合物が特に好ましい。ここで、陽イオンとしては、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンが挙げられる。特にアルカリ金属イオンが好ましい。この化合物はチノパールAMS−GX(チバスペシャリティケミカルス社製)として入手可能である。
【0017】
【化4】
【0018】
(洗浄剤組成物)
本発明の洗浄剤組成物は(a)成分を好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、(b)成分を好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%含有する。また、(c)成分及び(d)成分を合計量で0.1〜2重量%、好ましくは0.2〜1重量%含有し、且つ(c)/(d)重量比が(c)/(d)=100/1〜4/1、好ましくは50/1〜5/1、より好ましくは40/1〜5/1である。このような配合量及び比率が満足されることにより、高い黄ばみ抑制効果を得ることが可能となる。
【0019】
(e)成分
本発明の洗浄剤組成物には、黄ばみ抑制効果を更に高める目的で珪酸塩類、特にアルカリ金属塩を配合することが好ましい。珪酸塩類としては、珪酸ナトリウムが好ましく、結晶性珪酸塩又は非晶質性珪酸塩のいずれであっても良いが、特には結晶性珪酸塩が良好である。結晶性珪酸塩としてはNaMSixO(2x+1)・yH2O(式中、Mはナトリウム又は水素原子であり、xは1.9〜4の数であり、yは0〜20の数である。)で示されるものが良好であり、具体的にはヘキスト社製のNaSKS−5、NaSKS−7、NaSKS−11及びNaSKS−6を挙げることができ、特にNaSKS−6が好ましい。また、特開平9−132794号公報12欄50行目〜15欄12行目に記載の結晶性珪酸塩を使用することもできる。非晶質性珪酸塩としてはNaMSixO(2x+1)(式中、Mはナトリウム又は水素原子であり、xは1.9〜4の数である。)の構造を有する化合物が好ましく、特には1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウムが良好である。本発明ではこのような珪酸塩類(e)を洗浄剤組成物中に0.1〜20重量%、更に0.5〜15重量%、特に3〜15重量%配合することが好ましい。
【0020】
(その他の成分)
本発明の洗浄剤組成物には界面活性剤を配合するのが好ましい。界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩及びアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる少なくとも1種の陰イオン界面活性剤を使用することが好ましく、配合量は組成物中15〜40重量%、特に20〜40重量%が洗浄力と泡立ちの点で好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数10〜20が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩が好適である。またアルキル硫酸塩はとしては、アルキル基の炭素数8〜18、好ましくは10〜14であり、ナトリウム塩又はカリウム塩が好適である。更にアルキルエーテル硫酸塩としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、特にアルキル基の炭素数は8〜18、特に10〜14が好ましく、EOpは1〜20、更に1〜10、特に1〜5が好ましく、またナトリウム塩又はカリウム塩が好適である。
【0021】
本発明では上記陰イオン界面活性剤以外に非イオン界面活性剤、他の陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤を配合してもよい。具体例としては、オレフィンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩類、α−スルホ脂肪酸塩類、α−スルホ脂肪酸エステル類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンあるいはこれらのコポリマー、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、高級脂肪酸アルカノールアミド類又はそのアルキレンオキシド付加物、蔗糖脂肪酸エステル類、アルキルグリコシド類等の非イオン界面活性剤、アミンオキシド、スルホベタイン、カルボベタイン等の両性界面活性剤、第4級アンモニウム塩類等の陽イオン界面活性剤を挙げることができる。
【0022】
これらの中でも特に非イオン界面活性剤及び脂肪酸石鹸類の少なくとも1種を配合することが洗浄性能の点で好ましい。非イオン界面活性剤としては炭素数10〜20、特に10〜18のアルキル基もしくはアルケニル基で、EOpが4〜20、特に4〜15のものが好適であり、脂肪酸石鹸としては炭素数8〜18、特に10〜18のもの、あるいはヤシ油もしくは牛脂由来の組成のアルキル基を有するものが好ましく、ナトリウム塩もしくはカリウム塩が良好である。
【0023】
本発明の洗浄剤組成物は、界面活性剤を5〜50重量%、特に5〜40重量%含有することが洗浄効果の点で好ましい。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物は、上記成分以外に通常洗浄剤に添加される成分を配合しても差し支えない。たとえばゼオライトを所望により配合しても良い。ゼオライトはA型、X型、P型、特にA型ゼオライトが好ましい。ゼオライトの平均1次粒径は0.1〜10μm、特に0.1〜5μmのものが好適である。ゼオライトは洗浄剤組成物中に5〜40重量%、好ましくは10〜40重量%配合するのが好ましい。
【0025】
本発明では洗浄性能を向上させるために、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はそれらの塩等のカルボン酸系ポリマーや、ポリエチレングリコール等の非イオン性ポリマー等のポリマー成分を配合することが好ましい。これらの中でも特に分子量5000〜20000のポリアクリル酸又はその塩、分子量30000〜80000のアクリル酸/マレイン酸(2/8〜8/2)のコポリマー及び分子量4000〜10000のポリエチレングリコールが好ましい。ポリマー成分の配合量は組成物中0.1〜20重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。
【0026】
本発明では、通常洗浄剤組成物に配合される酵素、アルカリ剤、無機電解質、再汚染防止剤等を配合してもよい。酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等を0〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%(酵素原末として)、アルカリ剤もしくは無機電解質として炭酸塩、硫酸塩等を1〜50重量%含有でき、塩はナトリウム塩、カリウム塩が好適である。また、再汚染防止剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等を0〜10重量%、好ましくは1〜10重量%含有できる。
【0027】
【実施例】
実施例1、2及び比較例1〜3
(1)洗浄剤組成物の調製
(1-1)
表1に示す成分と水を混合して固形分48重量%の洗浄剤組成物のスラリーを調製した(温度65℃)。なお、LAS−Na及びAS−Naの製造時に副成し同伴される硫酸ナトリウム分については、硫酸ナトリウム(中性無水芒硝)の配合量を同伴分だけ減量して調整した。このスラリーを向流式噴霧乾燥装置で噴霧乾燥して噴霧乾燥物A〜Dを得た。得られた噴霧乾燥物の揮発分(105℃、2時間の減量)はいずれも6%であった。
【0028】
【表1】
【0029】
(注)表1中の記号は以下の意味である。
・非イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、原料の高級アルコールとしてカルコール2098(花王(株)製、アルキル基の炭素数が12の第1級飽和アルコールを98%以上含有)に、エチレンオキシドを平均8モル付加したもの。
・1号珪酸ナトリウム;Na2O/SiO2のモル比が2.15である珪酸ナトリウム。
・AA/MAコポリマー;アクリル酸/マレイン酸共重合体ナトリウム塩(モノマー比3:7、Mw≒50000、中和度≒80mol%)
・チノパールCBS−X;蛍光染料、ジスチリルビフェニル誘導体(チバスペシャリティケミカルス社製)
・チノパールAMS−GX;蛍光染料、ビス−(トリアジニルアミノ)−スチルベン−ジスルホン酸誘導体(チバスペシャリティケミカルス社製)。
【0030】
(1-2)
得られた噴霧乾燥物A〜Dの各々について、以下に記す粒状化操作を行った。噴霧乾燥物76重量部と結晶性アルミノ珪酸塩粉末(4A型ゼオライト粉末、平均粒子径2.7μm;東ソー(株)製)5重量部とともにハイスピードミキサー(FS−GC−10型;深江工業(株)製)に投入して、噴霧乾燥物を破砕し撹拌造粒した。その際に前記非イオン界面活性剤2.5重量部をスプレーして添加した。造粒終了前に上記粉末ゼオライトを5重量部加えた。次に、この造粒物を1.4mmの目開きのふるいでふるい分けし、ふるい上の粗大粒子は孔径20mmのパンチングメタルスクリーンを装着したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製)で粉砕して1.3mmの目開きのふるいでふるい分けし、先のふるい通過物と混合した。このふるい分け終了品に対して上記粉末ゼオライト4重量部をVブレンダーで混合した後に酵素造粒物(サビナーゼ18.0T;ノボ社製)1重量部と過炭酸ナトリウム(SPC−ED;三菱ガス化学(株)製)4重量部と漂白活性化剤造粒物(下記製法▲1▼)2重量部及び消泡剤造粒物(下記製法▲2▼)0.25重量部をVブレンダーで混合し、更に香料0.25重量部をスプレー添加して、粒状洗浄剤組成物a〜eを得た。なお、eには過炭酸ナトリウム造粒物及び漂白活性化剤造粒物を添加しなかった。得られた粒状洗浄剤組成物は嵩密度が0.75〜0.79g/cm3、平均粒径が380〜430μmであった。
【0031】
<製法▲1▼>(漂白活性化剤造粒物の調製)
ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム粉末50重量部とラウリル硫酸ナトリウム粉末(エマール10パウダー;花王(株)製)30重量部及びコハク酸4重量部を前記ハイスピードミキサーに投入して、ジャケット温度を80℃で混合・昇温し、粉体の温度が70℃になったところで、予め70℃で融解したポリエチレングリコール6000(Mw≒7500;和光純薬工業(株)製)13重量部とポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液(有効分70%:エマールE−70C;花王(株)製)3重量部を添加し、更に30分間撹拌混合した。次いで得られた混合物を押出造粒機(ペレッターダブルEXD−100型;不二パウダル(株)製)により孔径0.8mmのパンチングメタルスクリーンを通して押し出し造粒した。得られた押し出し物を振動冷却機(バイブロ/フロードライヤーVDF/6000型;不二パウダル(株)製)で冷却した後、整粒機(ナイフカッターFL−200型)で解砕した。得られた解砕物を分級し、平均粒径900μmの造粒物を得た。
【0032】
<製法▲2▼>(消泡剤造粒物の調製)
100%還元末端マルトデキストリンとマルトデキストリン(D.E.=5、グルコースユニットの繰り返し単位=8)を4:6の比率で混合した澱粉担体42重量部にシリコーン(コンパウンド型・FSアンチフォーム;ダウコーニング社製)8重量部を前記ハイスピードミキサーに投入して混合し、更に前記ポリエチレングリコール6000 25重量部と硫酸ナトリウム(中性無水芒硝;四国化成(株))25重量部を添加して、ジャケット温度80℃で混合・昇温し、粉体の温度を70℃まで昇温した。次いで得られた混合物を前記押出造粒機により孔径0.9mmのパンチングメタルスクリーンを通して押し出し造粒した。得られた押し出し物を前記振動冷却機で冷却した後、前記整粒機にて解砕した。得られた解砕物を分級し、平均粒径900μmの造粒物を得た。
【0033】
(2)繰り返し着用/洗濯による衣類の黄ばみの評価
成人男子10名に評価衣料〔市販綿肌着(グンゼ(株)製「YG 半袖U首」No.YG6616シロ(03)、綿100%)〕を1日着用させた後、洗浄剤組成物a〜eで洗濯(条件は下記の通り)し、直射日光下で干して乾燥させた。日干し乾燥は積算照度計(スガ試験機株式会社製,PH−11−UT型)で5千カウント(MJ/m2)を洗濯1回当たりの日干し乾燥の基準とした。これを10回繰り返して10回目の日干し乾燥後の評価衣料の測色値(測定法は下記の通り)を試験開始前の評価衣料の測色値と比較した。
【0034】
<洗濯条件>
洗濯機;全自動洗濯機NA−F70AP型(松下電器産業(株)製)
設定:コース選択=我が家流、水位=54L、洗い=10分、すすぎ=2回(ためすすぎ)、脱水=5分
洗濯水;水道水,温度25℃
洗浄剤組成物使用量;36g(洗浄濃度0.0667%)。
【0035】
<衣料の測色評価>
衣料の測色評価は、供試前及び10回の着用と洗濯、日干し乾燥が終了した評価衣料を、測色色差計(日本電色(株)製 Model ND(F)−300A)にて測定し、ハンター表色系の黄色さに関する指標であるb値を求める(結果は10枚の評価衣料の測定平均値を示す)。試験前後でのb値の増分値をΔb値とし、各供試洗浄剤組成物についてΔb値を求める。評価衣料のb値の値と黄ばみの程度には相関関係があり、試験前後でのb値の増分が大きいほど、評価衣料は試験開始前に比べて黄ばみが進んでいることを示す。洗浄剤組成物a〜eを用いて評価衣料の黄ばみ進行度(△b値)の評価を行った。それらの結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
上記に示されるように、実施例1及び2、特に実施例2は、日光による黄ばみ発生抑制の点で優れていることがわかる。一方、(c)成分と(d)成分の比率が0.3である比較例1、また(c)成分と(d)成分を含まない比較例2及び(a)成分と(b)成分を含まない比較例3は、Δb値が全て1以上であって、黄ばみ発生抑制効果の点で実施例よりも劣ることがわかる。
Claims (4)
- (a)無機過酸化物、(b)下記一般式(1)及び/又は(2)で表される漂白活性化剤を1〜80重量%(造粒物中の比率として)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル硫酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を1〜45重量%(造粒物中の比率として)、酸性物質を1〜15重量%(造粒物中の比率として)配合して得られる造粒物、(c)ビフェニル型蛍光増白剤、(d)スチルベン型蛍光増白剤、並びに(e)珪酸塩類0.1〜20重量%を含有し、(c)成分と(d)成分の合計が0.1〜2重量%であり、且つ(c)/(d)の重量比が100/1〜4/1である衣料用洗浄剤組成物。
- (b)成分が、一般式(1)中のRが炭素数10〜13のアルキル基である漂白活性化剤及び一般式(2)中のR’が炭素数7〜11のアルキル基である漂白活性化剤から選ばれる請求項1記載の衣料用洗浄剤組成物。
- (c)成分が、4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムである請求項1又は2記載の衣料用洗浄剤組成物。
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