JP3871632B2 - 搬送ロボット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程等において半導体ウェハ等の基板を搬送するロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェハ等の基板を搬送(移載)するロボットのアーム先端には、耐熱非金属製(セラミックス又は石英製)の薄肉のフィンガが設けられ、ウェハは、当該フィンガに載せられ且つ吸着された状態で搬送される場合がある。この種のフィンガは衝撃に弱く、割れやすい。ロボットのメンテナンス時にはロボットは停止し、フィンガはホームポジションで待機している。このとき、作業者が誤ってフィンガに触れたり、物をフィンガ上に落としたりすると、フィンガが破損することがある。そこで、メンテナンスの時にのみ、フィンガ上に保護カバーを取り付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の搬送ロボットでは、メンテナンス開始及び終了時に保護カバーの着脱時間が必要となり、作業能率が悪い。また、保護カバーの着脱作業時にも誤ってフィンガを破損させることがある。しかも、保護カバーを取り外したときは、その保管場所が必要となる。
【0004】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、メンテナンス時の作業能率を損なうことなくフィンガの破損を防止することができる搬送ロボットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の搬送ロボットは、旋回可能な旋回軸と、前記旋回軸に接続され、前記旋回軸と共に旋回し、また伸縮動作が可能であり、先端に搬送物を保持するための耐熱非金属製のフィンガを有するアームとを備え、前記アームが収縮し、かつ、旋回する前の状態を待機位置として、ここから前記アームを旋回させた後、その状態から前記アームを伸長及び収縮させるとともに、前記アームを収縮させた後、旋回により前記待機位置に戻る機能を備えた搬送ロボットであって、前記旋回軸に取り付けられた基部、伸縮動作する前記アームと干渉しないように側方に離して当該基部から立ち上げられた側部、及び、前記アームが収縮した状態にあるときの前記フィンガを上方から隙間を空けて覆う天板部、を有し、前記旋回軸と共に旋回する保護カバーを備えたものである。
このような搬送ロボットは、収縮したアームのフィンガを覆う保護カバーが旋回軸に取り付けられていることによって、保護カバーは常に、旋回軸の旋回によりアームと共に旋回するので、アームと保護カバーとは相互に干渉しない。また、収縮したアームのフィンガは保護カバーによって覆われる。従って、アームを待機位置に戻して行うメンテナンス時にも、フィンガは自動的に確実に保護カバーによって保護される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1の(a)は、本発明の一実施形態による搬送ロボットの主要部の構成を示す平面図である。また、(b)及び(c)はそれぞれ、(a)における矢印B及びCの方向から搬送ロボットを見た側面図である。図1において、この搬送ロボット100は、ウェハ(Siウェハ)Wを搬送するためのものであり、本体部1から上方へ突出した旋回軸2に、3段構成のアーム3が接続されている。アーム3は、旋回軸2に取り付けられた第1アーム31と、この第1アーム31より上にあって第1アーム31の端部に接続された第2アーム32と、この第2アームより上にあって第2アームの端部に接続された第3アーム33とにより構成され、相互に屈伸動作することにより全体として伸縮可能となっている。
【0007】
上記第3アーム33は、基部331に、スパナのような形状をした薄肉(例えば2mm程度)のフィンガ332を一体接続してなる。フィンガ332は、耐熱非金属製で、例えばセラミックスや石英からなる。このフィンガ332は、根元の真空供給孔(図示せず。)から内部を通って(a)に示す先端近傍の開口(図示せず。)に抜ける吸気路を有しており、真空供給により、開口の上のウェハWを真空吸着することができる。
【0008】
上記アーム3は、図1の(a)に示すように各アーム31,32,33が正三角形を構成するような姿勢で図示の位置にあるときが待機位置であり、この待機位置から旋回軸2の旋回により、旋回可能である。また、この正三角形を構成するような姿勢(収縮した状態)と、各アーム31,32,33が一直線に伸びた姿勢(伸長した状態)との間で、アーム3全体として伸縮可能である。
【0009】
上述のように、フィンガ332は薄肉のセラミックス等からなるため、衝撃に弱く、破損しやすい。そこで、保護カバー4を設ける。この保護カバー4は、図1の(c)の方向からみた形状が略コの字状になるように金属板を折り曲げ加工したものであり、旋回軸2に固定された基部4aと、垂直に立ち上げられた側部4bと、待機位置のフィンガ332を上方から隙間を空けて覆う天板部4cとを備えている。旋回軸2が旋回すると、保護カバー4も一緒に旋回する。従って、図1の(a)に示す姿勢を維持しているアーム3が旋回軸2と共にどのように旋回しても、アーム3と保護カバー4との位置関係は不変であり、相互に干渉しない。また、(c)に示すように基部4aは第1アーム31より下にあって、アーム3の伸縮動作に干渉しない。側部4b及び天板部4cも、アーム3の伸縮動作には干渉しない位置に配置されている。
【0010】
図4は、上記のように構成された搬送ロボット100を収容した縦型炉5の内部側面図である。搬送ロボット100は、カセット(ウェハを集積したもの)6と、炉内を昇降動作する石英ボート7との間で、ウェハの搬送(移載)作業を行う。なお、図示しないロボットエレベータにより、搬送ロボット100全体が昇降動作可能である。
【0011】
次に、上記搬送ロボットの動作について、図1〜図3を参照して説明する。まず、図1の(a)の待機位置から旋回軸2が左(反時計回り方向)へ90度旋回すると、図2の(a)に示すように、アーム3が旋回軸2と共に旋回し、また、これに伴って保護カバー4も90度左旋回する。従って、依然としてフィンガ332は保護カバー4に覆われた状態である。この状態から、フィンガ332とカセット6(図4)との間でウェハWの受け渡しが可能となる。また、さらに180度左旋回すると、保護カバー4も同量同方向に旋回して(b)に示す状態となる。この状態でも、フィンガ332は保護カバー4に覆われている。この状態から、フィンガ332と石英ボート7(図4)との間でウェハWの受け渡しが可能となる。
【0012】
図3の(a)は、図2の(a)の状態からアーム3が伸びた状態を示す。また、図3の(b)は、図2の(b)の状態からアーム3が伸びた状態を示す。これらの伸長動作時に、保護カバー4の側部4b及び天板部4cはアーム3と干渉しない。収縮動作時も同様である。伸長した状態では、フィンガ332が保護カバー4から露出している。伸長動作時に、保護カバー4の側部4b及び天板部4cはアーム3と干渉しない。収縮動作時も同様である。
【0013】
一方、メンテナンス時には、アーム3は図1の(a)に示す待機位置に戻る。従って、フィンガ332は保護カバー4により確実に保護され、メンテナンス作業時にフィンガ332が破損することを防止することができる。また、保護カバー4の着脱作業が不要であるので、メンテナンスの作業能率に優れ、保護カバー4の付け忘れ等の人為的なミスに基づくフィンガ332の破損も防止することができる。また、保護カバー4は外す必要がないので、保管場所も不要となり、便利である。
【0014】
なお、上記実施形態における保護カバー4は金属板を折り曲げ加工したものであるとしたが、これは非金属製でもよい。但し、フィンガ332を保護するための部材であるので、一定の耐衝撃性が必要である。
【0015】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明の搬送ロボットによれば、旋回軸の旋回によって保護カバー及びアームも共に旋回するので、アームと保護カバーとは相互に干渉しない。また、収縮したアームのフィンガは保護カバーによって覆われる。従って、アームを待機位置に戻して行うメンテナンス時に、フィンガは自動的に確実に保護カバーによって保護され、作業能率を損なうことなく、破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の一実施形態による搬送ロボットの主要部の構成を示す平面図であり、(b)及び(c)はそれぞれ(a)における矢印B及びCの方向から搬送ロボットを見た側面図である。
【図2】 上記搬送ロボットにおける、旋回軸の旋回によるアームの旋回動作を示す平面図である。
【図3】 上記搬送ロボットにおけるアームの伸長動作を示す平面図である。
【図4】 上記搬送ロボットを収納した縦型炉の内部側面図である。
Claims (1)
- 旋回可能な旋回軸と、
前記旋回軸に接続され、前記旋回軸と共に旋回し、また伸縮動作が可能であり、先端に搬送物を保持するための耐熱非金属製のフィンガを有するアームとを備え、
前記アームが収縮し、かつ、旋回する前の状態を待機位置として、ここから前記アームを旋回させた後、その状態から前記アームを伸長及び収縮させるとともに、前記アームを収縮させた後、旋回により前記待機位置に戻る機能を備えた搬送ロボットであって、
前記旋回軸に取り付けられた基部、伸縮動作する前記アームと干渉しないように側方に離して当該基部から立ち上げられた側部、及び、前記アームが収縮した状態にあるときの前記フィンガを上方から隙間を空けて覆う天板部、を有し、前記旋回軸と共に旋回する保護カバーを備えたことを特徴とする搬送ロボット。
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