JP3870449B2 - 反射防止層付き偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に使用される偏光板に関し、特に透過率調整層を設けて液晶表示装置の表示性能を向上させることができる反射防止層付き偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、各種モニター、OA機器用表示装置、薄型TVとして使用される薄型、軽量を特徴とするディスプレイである。その構造は、透明電極を形成し、さらに配向膜を形成した2枚の基板の間に液晶を封入したものであり、2枚の基板の外側には偏光板が貼り付けられている。
また、カラー液晶表示装置では上記基板の片側に赤、緑、青色のパターンを形成したカラーフィルタが形成されており、さらにこれらの色パターンの境界には遮光パターンとしてブラックマトリクスが形成されている。
【0003】
この様なカラー液晶表示装置は、偏光板を透過した偏光光が液晶層を通過する際に、液晶層に電圧が印加されているか否かによって、偏光光の偏光方向が変化し、光が上部の偏光板を通過するか、遮断されるかが決まり画像表示が行われる。そして、カラーフィルタを通過する際に赤、緑、青の光のいずれかのみが通過することでカラー表示が行われる。
【0004】
液晶表示装置では、表示容量の拡大とともに表示品質の向上が進展し、表示色数の増加、コントラストの向上等が進んでいる。液晶自体動作電圧、コントラスト、視野角、中間調表示などの表示性能が向上した結果、表示色数の増加や中間調の表示が可能となったが、液晶表示装置の反射によって室内の蛍光灯などの周辺光の映り込みが発生することで生じる表示性能の低下が問題視されるようになってきた。
【0005】
液晶表示装置の反射の原因は、表面に貼り付けられている偏光板の反射とカラーフィルタに付けられているブラックマトリクスによる反射が挙げられる。
【0006】
従来、カラーフィルタのブラックマトリクスには基板に金属Crの薄膜を形成して、これをフォトリソグラフィーの手法によってパターン化したものが用いられており、金属Crの高い反射率(通常可視光の波長領域では40%以上)が液晶表示装置の反射の第一の原因であった。
【0007】
そこで、このブラックマトリクスの反射率を低減する方法として、以下に記すような二つの方法が考案されている。
【0008】
第一の方法は、ガラス基板上にCrO膜を形成したのちCr膜を形成したいわゆる二層Cr膜をパターン化してブラックマトリクスとする方法である。この方法では、CrO膜が反射率が小さいという特性を利用して反射率を低減すると共にその上に積層したCr膜の高い遮光性から、0.1μm前後の薄膜で光学濃度(OD)4以上の高い遮光性を持ち、反射率も可視光域で10%以下になる。(この方式を以下二層Crと称する。)
【0009】
第二の方法は、遮光の為の材料として黒色色素を使用する方法であり、黒色顔料を分散した感光性樹脂を使用してブラックマトリクスを形成する方法、黒色顔料を分散した樹脂を基板に塗布し、この上に感光性樹脂を塗布、感光性樹脂をパターン化した後、このパターンをマスクにしてエッチングしてブラックマトリクスを形成する方法が用いられている。黒色色素としては、カーボンブラック、チタンブラック、鉄黒等の黒色顔料が使用されるが、複数の有機顔料を混合して黒色として使用することも可能である(このタイプを以下顔料ブラックと称する)。
この顔料ブラックでは、反射率は1%以下と現在最も優れているが、十分な遮光性を得る為には、膜厚を1μm以上にしなければならない。
【0010】
以上の二つの低反射ブラックマトリクスでは、遮光性の点では二層Crが優れており、低反射率という点では顔料ブラックが優れている。
【0011】
最近では、液晶表示装置の低消費電力化が求められており、この為に液晶表示装置の光利用率の向上の目的からパネル透過率を高くする、即ち、ブラックマトリクスを細くすることが求められており、ブラックマトリクスの線幅は10μm以下になってきている。このような線幅の細いブラックマトリクスを形成する場合には、顔料ブラックの使用は困難であり二層Crが使用されている。
【0012】
液晶表示装置に使用される偏光板は、トリアセチルセルロースを基材とし、沃素や染料を含浸させたポリビニルアルコール等を延伸して偏光膜としたものを挟持したものであり、さらにその表面にはハードコート層と呼ばれる保護層が形成される。
【0013】
偏光板の反射は、偏光板の表面(偏光板と空気の界面)での反射が原因であり、反射を低減する方法には、多層干渉膜からなる反射防止層を形成する方法、表面に微粒子を含んだ散乱膜を形成して光散乱層とする方法がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
二層Crを使用したブラックマトリクスの反射率を図3の(1)に示す。線幅は10μm以下のブラックマトリクスを精度良く形成することが可能であるが、反射率は可視光域では10%以下とCr膜に比べれば低反射率であるとはいえ十分とは言い難い。また、その反射率は照射する光源の波長によって変化し、特に450nm以下の低波長領域で高くなる傾向を有する。
【0015】
従って、例えば室内の蛍光灯のような白色の外光照明下での使用に際して、その反射光は青色成分が強くなる。つまり、液晶表示装置は青みががった反射を生じる事になり、表示も青みのある背景になるため十分な表示性能が発揮できない。
【0016】
本発明は、二層Crを使用したブラックマトリクス付きのカラー液晶表示装置に組み込んで使用する場合に室内光による反射や映り込みを無くすと同時に二層Crの反射により生じる青みがかった色付きを無くして優れた色表示性能を発揮することが可能となる反射防止層付き偏光板を提供することにある。
【0017】
【課題を解決する手段】
本発明に於いて上記課題を解決するために、まず請求項1においては、それぞれ外側に偏光板が貼り付けられている、ブラックマトリクスを有するカラーフィルタが設けられた表面側基板と、他の基板からなる2枚の基板の間に液晶を封入した液晶表示装置の、前記表面側基板に設ける、透明基材間に偏光膜が挟持された前記偏光板の表面側にハードコート層を介して反射防止層を設けた反射防止層付き偏光板において、前記ハードコート層を、460nmから610nmの波長で80%以上の透過率、440nm以下の波長で50%以下の透過率をそれぞれ示すよう調整された透過率調整層としたことを特徴とする反射防止層付き偏光板としたものである。
【0018】
また、請求項2においては、それぞれ外側に偏光板が貼り付けられている、ブラックマトリクスを有するカラーフィルタが設けられた表面側基板と、他の基板からなる2枚の基板の間に液晶を封入した液晶表示装置の、前記表面側基板に設ける、透明基材間に偏光膜が挟持された前記偏光板の表面側に、ハードコート層及び光散乱層を介して反射防止層を設けた反射防止層付き偏光板において、前記ハードコート層又は光散乱層を、460nmから610nmの波長で80%以上の透過率、440nm以下の波長で50%以下の透過率をそれぞれ示すよう調整された透過率調整層としたことを特徴とする反射防止層付き偏光板としたものである。
請求項3においては、前記透過率調整層は、黄色の着色剤を含むことを特徴とする請求項1記載の反射防止層付き偏光板としたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき説明する。
図1(a)に反射防止層付き偏光板の基本構成を示す模式断面図を、図1(b)〜(c)乃至図2(a)〜(b)には本発明の反射防止層付き偏光板の一実施例を模式断面図で示したものである。
反射防止層付き偏光板の基本構成はトリアセチルセルロースを透明基材11とし、沃素や染料を含浸させたポリビニルアルコール等を延伸して形成した偏光膜12を透明基材11で挟持した偏光板13にハードコート層14、光散乱層15及び反射防止層16を順次積層してなる(図1(a)参照)。
【0020】
ここで、ハードコート層14としては、各種アクリル系、シリコン系の紫外線硬化型のコーティング材の中から透明性、ガスバリアー性が良好で、耐摩耗性が高いものを選択して使用出来る。光散乱層15としてはハードコート層14と同一のコーティング材に粒径1乃至50μmの無機系、有機系微粒子を分散したものが一般的である。このハードコート層14と光散乱層15は積層して形成しても良いし、ハードコート層14と光散乱層15を一層で兼用することも可能である。
【0021】
本発明の反射防止層付き偏光板は偏光板13と反射防止層16の間に透過率調整層を設けたものである。透過率調整層は、ハードコート層14、光散乱層15もしくは透明基材17のいずれかに着色剤を添加し、460nm〜610nmの波長域での透過率が80%以上で、且つ440nm以下の波長域での透過率が50%以下となるようにしたものである。
【0022】
具体的な層構成の事例を図1(b)〜(c)及び図2(a)〜(b)に示す。図1(b)は透過率調整層の役目を透過率が調整されたハードコート層14aに、図1(c)は透過率調整層の役目を透過率が調整された光散乱層15aに、図2(a)は透過率調整層の役目を透過率が調整されたハードコート層14aに、図2(b)は透過率調整層の役目を着色基材17aにそれぞれ持たせたものである。その際の透過率調整層の分光透過率は460nm〜610nmの波長域での透過率が80%以上で、且つ440nm以下の波長域での透過率が50%以下となるように着色剤を選定し、添加量を調整する。
【0023】
着色剤としては、黄色の染料、顔料が使用できる。黄色の染料としては、Kayaset Flavin FN、Kayaset Flavin FG、Kayaset Flavin SF−G、Kayaset Yellow G、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Orange G(以上日本化薬株式会社製商品名)など、黄色の顔料としてはPigment Yellow 34、Pigment Yellow 37、Pigment Yellow 53、Pigment Yellow 81、Pigment Yellow 83、Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 138などが使用出来る。
【0024】
着色基材17aは透明基材17の樹脂ペレットに着色剤を添加しシート状に成形して得られる。透明基材17としては、アクリル、PET、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルサルホン等の透明樹脂が使用できる。着色剤としては、黄色の染料、顔料が使用できるほか近紫外域に吸収を持つような紫外線吸収剤を添加したものが使用出来る。
【0025】
最後に、最上層に反射防止層16として多層干渉膜を形成して本発明の反射防止層付き偏光板が完成する。この多層干渉膜としては、酸化チタンと酸化珪素の薄膜を2乃至4層積層して形成したものが一般的であり、成膜方法としては電子ビーム加熱の真空蒸着やスパッタ蒸着、イオンプレーティングなどが使用される。
【0026】
反射防止層16の材料としては上記以外にも酸化マグネシウムや酸化ジルコニウム、フッ化カルシウムなどの無機材料薄膜が使用できる他、ポリイミドやアクリル、フルオロカーボン等の有機薄膜も使用できる。
【0027】
以上説明したように、本発明の反射防止層付き偏光板は、偏光板13上に透過率が調整されたハードコート層14a、光散乱層15、反射防止層16を順次積層して(図1(b)参照)、または偏光板13上にハードコート層14、透過率が調整された光散乱層15a、反射防止層16を順次積層して(図1(c)参照)、作製する。この他に、アクリル、PET、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエーテルサルホン等からなる透明基材17上に透過率調整されたハードコート層14a、光散乱層15、反射防止層16を順次積層した反射防止積層基材19を作製し、この反射防止積層基材19と偏光板13とを接着層8を介して貼り合わせて作製する(図2(a)参照)か、アクリル、PET、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエーテルサルホン等の透明樹脂に着色剤を添加してシート成形して得られた透過率が調整された着色基材17aにハードコート層14、光散乱層15、反射防止層16を順次積層した反射防止積層基材20を作製し、この反射防止積層基材20と偏光板13とを接着層18を介して貼り合わせて作製する(図2(b)参照)。
【0028】
尚、本発明の反射防止層付き偏光板には、表面に指紋や油分の付着を防止する目的で防汚処理を施したり、帯電防止機能を付加することも可能である。
【0029】
本発明の反射防止層付き偏光板を液晶表示装置に使用した場合、液晶表示装置に入射した室内光は透過率調整層にて減衰した後ブラックマトリクスで反射され、再び透過率調整層にて減衰する。この結果、図3の(2)に示すように、ブラックマトリクスによる反射光は440nm以下において3%以下に低減する。460nm以上の波長ではブラックマトリクス自体の反射率が6%以下であり、透過率調整層によって減衰した結果4%以下に低減する。
【0030】
カラー液晶表示装置においては、バックライトユニットを光源とし、この上に赤、緑、青の画素からなる液晶表示パネルを重ねて赤色、緑色、青色の組み合わせでカラー表示を行っている。ここで使用されているバックライトユニットは光源として三波長タイプの蛍光灯を使用しており、主発光ピーク波長が460、540、610nmにある。本発明の反射防止層付き偏光板では、透過率調整層の透過率は460nmから610nmの範囲では80%以上であるから、表示光の強度低下を及ぼす影響はほとんどない。
【0031】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
<実施例1>
トリアセチルセルロースを透明基材11とし、沃素を含浸させたポリビニルアルコールを延伸して作製した偏光膜12を透明基材11にて挟持した偏光板13を作製した。アクリル系樹脂UR6350(三菱レーヨン株式会社製、商品名)に黄色顔料Pigment Yellow 83を分散した塗液を作製し、偏光板13の透明基材11上に塗布し透過率が調整されたハードコート層14aを形成した。
【0032】
次に、アクリル系樹脂UR6350に酸化ケイ素微粒子(富士シリシア化学株式会社製、商品名サイシリア)を分散した塗液を作製し、透過率が調整されたハードコート層14a上に塗布して光散乱層15を形成した。透過率が調整されたハードコート層14a、光散乱層15の膜厚は共に5μmであった。この時の透過率が調整されたハードコート層14aの透過率は460nm〜610nmの波長域で80%以上を、440nm以下波長域では50%以下を示し、満足出来るものであった。
【0033】
次に、光散乱層15上に酸化チタン、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ケイ素の順で真空蒸着して反射防止層16を形成して本発明の反射防止層付き偏光板を得た(図1(b)参照)。
【0034】
<実施例2>
実施例1と同様の偏光板13を作製し、アクリル系樹脂UR6350(三菱レーヨン株式会社製、商品名)からなる塗液を偏光板13の透明基材11上に塗布しハードコート層14を形成した。ついでアクリル系樹脂UR6350に酸化ケイ素微粒子(富士シリシア化学株式会社製、商品名サイシリア)と黄色染料Kayaset Yellow GNを分散、溶解した塗液を作製し、ハードコート層14上に塗布して透過率が調整された光散乱層15aを形成した。この時のハードコート層14の膜厚は5μm、透過率が調整された光散乱層15aの膜厚は10μmであった。さらに、透過率が調整された光散乱層15aの透過率は460nm〜610nmの波長域で85%以上、440nm以下波長域で45%以下であった。
【0035】
次に、透過率が調整された光散乱層15a上に酸化チタン、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ケイ素の順で真空蒸着して反射防止層16を形成して本発明の反射防止層付き偏光板を得た(図1(c)参照)。
【0036】
<実施例3>
透明基材17として市販のポリカーボネートフィルム(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名ユーピロンシート、厚み2mm)を使用し、アクリル系樹脂UR6350(三菱レーヨン株式会社製、商品名)に黄色顔料Pigment Yellow 138を分散した塗液を作製し、透明基材17上に塗布し透過率が調整されたハードコート層14aを形成した。
【0037】
次に、アクリル系樹脂UR6350に酸化ケイ素微粒子(富士シリシア化学株式会社製、商品名サイシリア)を分散した塗液を作製し、透過率が調整されたハードコート層14a上に塗布して光散乱層15を形成した。透過率が調整されたハードコート層14a、光散乱層15の膜厚は共に5μmであった。この時の透過率が調整されたハードコート層14aの透過率は460nm〜610nmの波長域で80%以上を、440nm以下波長域では50%以下を示し、満足出来るものであった。
【0038】
次に、光散乱層15上に酸化チタン、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ケイ素の順で真空蒸着して反射防止層16を形成して反射防止積層基材19を作製した。この反射防止積層基材19の透明基材17面に光硬化性樹脂UVX−SS120(スリーボンド株式会社製、商品名)を塗布して接着層18を形成し、偏光板13と貼り合わせて反射防止層付き偏光板を得た(図2(a)参照)。
【0039】
<参項例>ポリカーボネイト樹脂に黄色顔料Pigment Yellow83を分散した後、厚さ2mmのフィルム状に成形した着色基材17aを作製した。ここで、着色基材17の透過率が460nm〜610nmの波長域で80%以上、440nm以下の波長域で50%以下となるように黄色顔料の添加量を調整した。この着色基材17にアクリル系樹脂UR6350(三菱レーヨン株式会社製、商品名)を溶媒に溶解した塗液を塗布しハードコート層14を形成した。
【0040】
次に、アクリル系樹脂UR6350に酸化ケイ素微粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名アエロジルR972)を分散した塗液を作製し、ハードコート層14上に塗布して光散乱層15を形成した。ハードコート層14、光散乱層15の膜厚は共に5μmであった。
【0041】
次に、光散乱層15上に酸化チタン、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ケイ素の順で真空蒸着して反射防止層16を形成して反射防止積層基材20を作製した。この反射防止積層基材20の着色基材17a面に光硬化性樹脂UVX−SS120(スリーボンド株式会社製、商品名)を塗布して接着層18を形成し、偏光板13と貼り合わせて反射防止層付き偏光板を得た(図2(b)参照)。
【0042】
上記、実施例1〜実施例の反射防止層付き偏光板を、ブラックマトリクスとして二層Crを使用しているカラー液晶基板の観察者側の偏光板に使用してカラー液晶表示装置を作製した。完成したカラー液晶表示装置の反射率を測定したところ400nmから700nmの波長範囲において4%以下の反射率であった。また、白色蛍光灯下で観察した結果、両面への観察者や周囲の映り込みはほとんど見られず良好な表示性能が確認出来た。
【0043】
【発明の効果】
本発明の反射防止層付き偏光板を二層Crからなるブラックマトリクスを有するカラー液晶基板の観察者側に使用した場合、二層Cr膜の反射特性に起因する450nm以下の波長の外光の反射率を4%以下に低減でき、二層Cr膜の反射により生じる青みがかった色付きを無くして優れた色表示性能を発揮することができるという効果を有する。併せて、光散乱層、反射防止層を有することから、反射の少ない視認性に優れたカラー液晶表示装置が実現できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、反射防止層付き偏光板の基本構成を示す摸式断面図である。
(b)〜(c)は、本発明の反射防止層付き偏光板の一実施例を示す摸式断面図である。
【図2】(a)〜(b)は、本発明の反射防止層付き偏光板の他の実施例を示す摸式断面図である。
【図3】(1)は、二層Crからなるブラックマトリクスの分光反射率特性の一例を示すグラフである。
(2)は、本発明の反射防止層付き偏光板を二層Crからなるブラックマトリクスを使用したカラー液晶基板の観察者側に使用した場合の二層Crからなるブラックマトリクスの分光反射率特性の一例を示すグラフである。
(3)は、本発明の反射防止層付き偏光板の透過率調整層の分光透過率特性の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
11………透明基材
12………偏光膜
13………偏光板
14………ハードコート層
14a……透過率が調整されたハードコート層
15………光散乱層
15a……透過率が調整された光散乱層
16………反射防止層
17………透明基材
17a……着色基材
18………接着層
19、20……反射防止積層基材

Claims (3)

  1. それぞれ外側に偏光板が貼り付けられている、ブラックマトリクスを有するカラーフィルタが設けられた表面側基板と、他の基板からなる2枚の基板の間に液晶を封入した液晶表示装置の、前記表面側基板に設ける、透明基材間に偏光膜が挟持された前記偏光板の表面側にハードコート層を介して反射防止層を設けた反射防止層付き偏光板において、前記ハードコート層を、460nmから610nmの波長で80%以上の透過率、440nm以下の波長で50%以下の透過率をそれぞれ示すよう調整された透過率調整層としたことを特徴とする反射防止層付き偏光板。
  2. それぞれ外側に偏光板が貼り付けられている、ブラックマトリクスを有するカラーフィルタが設けられた表面側基板と、他の基板からなる2枚の基板の間に液晶を封入した液晶表示装置の、前記表面側基板に設ける、透明基材間に偏光膜が挟持された前記偏光板の表面側に、ハードコート層及び光散乱層を介して反射防止層を設けた反射防止層付き偏光板において、前記ハードコート層又は光散乱層を、460nmから610nmの波長で80%以上の透過率、440nm以下の波長で50%以下の透過率をそれぞれ示すよう調整された透過率調整層としたことを特徴とする反射防止層付き偏光板。
  3. 前記透過率調整層は、黄色の着色剤を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の反射防止層付き偏光板。
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