JP6171261B2 - 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
このため、光学積層体の薄膜化が難しくなったり、カールが発生したりするといった問題があり、また、ハードコート層形成時の組成物が多くなると、形成するハードコート層の厚みムラの原因となるとともに、製造コストが高くつくという問題もあった。
0.01°≦θa≦0.10°
1≦Kr≦3
また、上記ハードコート層の凹凸形状は、凹凸の算術平均粗さをRaとしたとき、以下の式を満たすことが好ましい。
0.02μm≦Ra≦0.10μm
また、上記ハードコート層の凹凸形状は、λa=2π×(Ra/tan(θa))にて表される平均波長λaが下記式を満たすことが好ましい。
200μm≦λa≦800μm
また、上記無機酸化物微粒子は、凝集体を形成してハードコート層に含有されており、上記凝集体の平均粒子径が100nm〜2.0μmであることが好ましい。
本発明は、上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
また、本発明の光学積層体によると、光透過性基材に含浸層を形成する必要がないため、光透過性基材の材料の選択の幅、及び、ハードコート層を形成に用いられる組成物に使用できる溶剤の材料の選択の幅が、いずれも従来の光学積層体と比較して広がるという効果がある。
なお、従来、防眩性付与を目的として、ハードコート層の表面に凹凸形状を有する光学積層体(防眩性フィルム)が知られているが、本発明の光学積層体は、このような防眩性フィルムとは異なるものである。すなわち、本発明の光学積層体のハードコート層表面に形成された凹凸形状は、従来の防眩性フィルムの表面に形成された凹凸形状と比較して、凹凸の高さがより低く、更に、凹凸部の傾斜角度がよりなだらかである。従って、ハードコート層にこのような凹凸形状が形成された本発明の光学積層体では、従来の防眩性フィルムのような防眩性は得られない。一方で、本発明によると、防眩性フィルムで問題となる外光による白濁感の発生が生じず、コントラストに優れた映像を提供する光学積層体を得ることができる。
上記光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂やガラスが挙げられる。好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材は、その上に上記ハードコート層を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的又は化学的な処理のほか、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布が予め行われていてもよい。
また、LCD向けの光透過性基材として主に用いられることが多いトリアセチルセルロースを材料とし、かつ、ディスプレイ薄膜化を目指す場合は、上記光透過性基材の厚さとして20〜65μmが好ましい。
本発明の光学積層体において、上記ハードコート層は、上記光透過性基材の一方の面上に形成されており、表面に凹凸形状を有するものである。
本発明の光学積層体において、上記ハードコート層の表面に形成された凹凸形状は、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸のクルトシスをKrとしたとき、上記θa及びKrが以下の式を満たすものである。
0.01°≦θa≦0.10°
1≦Kr≦3
本発明の光学積層体において、上記凹凸部の平均傾斜角θaの下限は0.01°である。0.01°未満であると、傾斜が充分でなく、干渉縞を防止することができない。より好ましい下限は0.03°であり、更に好ましい下限は0.04°である。また、上記凹凸部の平均傾斜角θaの上限は0.10°である。0.10°を超えると、上記凹凸部の傾斜角度が過度に大きいため、外光の拡散反射による白濁感の問題が生じる。より好ましい上限は0.09°であり、更に好ましい上限は0.08°である。
0.02μm≦Ra≦0.10μm
本発明においては、凹凸形状の各凸部の大きさ(高さ)を制御することが好ましいが、その指標が算術平均粗さRaである。
上記凹凸の算術平均粗さRaの下限は0.02μmである。上記Raが0.02μm未満であると、光の波長に対し各凸部の大きさ(高さ)が小さすぎることになり、拡散効果が得られないことがある。より好ましい下限は0.03μmであり、更に好ましい下限は0.04μmである。また、上記Raの上限は0.10μmである。Raが0.10μm超過であると、各凸部が大きくなりすぎ、透過光をゆがませるため、鮮明な画像が得られなくなることがある。より好ましい上限は0.09μmであり、更に好ましい上限は0.08μmである。
上記平均波長λaは、凹凸の平均的な間隔を示すパラメータである。平均波長λaが200μm未満であると、凹凸が小さすぎて干渉縞が防止できないか、あるいは、凹凸平面での傾斜角の変化が大きすぎて、白濁感が見られる恐れがある。平均波長λaが800μm超過であると、凹凸平面での傾斜角の変化が少なくなり、好適に干渉縞を防止できない恐れがある。上記平均波長λaのより好ましい下限は300μm、より好ましい上限は600μmである。
また、上記Krは下記の式により定義される値である。
上記無機酸化物微粒子は、上記ハードコート層の表面の凹凸形状を形成する材料であり、本発明の光学積層体では、上記無機酸化物微粒子は、凝集体を形成して上記ハードコート層中に含有され、該無機酸化物微粒子の凝集体により上記ハードコート層の表面の凹凸形状が形成されていることが好ましい。
無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、ジルコニア微粒子、チタニア微粒子、酸化スズ微粒子、ATO粒子、酸化亜鉛微粒子等が挙げられる。
ここで、通常、上記無機酸化物微粒子の表面には水酸基が存在しているが、上記表面処理がされることで上記無機酸化物微粒子表面の水酸基が少なくなり、上記無機酸化物微粒子のBET法により測定される比表面積が小さくなるとともに、上記無機酸化物微粒子が過度に凝集することを防止でき、上述した特定の凹凸形状をハードコート層の表面に形成することができる。
なお、上記無機酸化物微粒子の平均1次粒子径は、断面電子顕微鏡(TEM、STEM等の透過型で倍率は5万倍以上が好ましい)の画像から、画像処理ソフトウェアーを用いて測定される値である。
なお、上記「球状」とは、例えば、真球状、楕円球状等が挙げられ、いわゆる不定形を除く意味である。
上記ハードコート層中で上記無機酸化物微粒子が数珠状に連なった凝集体を形成していることで、該凝集体に基づく凸部が傾斜の少ないなだらかな形状となるため、上記ハードコート層の表面凹凸形状を上述した特定の凹凸形状とすることが容易になる。
なお、上記無機酸化物微粒子が数珠状に連なった構造とは、例えば、上記無機酸化物微粒子が直線状に連続して連なった構造(直鎖構造)、該直鎖構造が複数絡み合った構造、上記直鎖構造に無機酸化物微粒子が複数連続して形成された側鎖を1又は2以上有する分岐構造等、任意の構造が挙げられる。
なお、上記無機酸化物微粒子の凝集体の平均粒子径は、断面電子顕微鏡による観察(1万〜2万倍程度)から無機酸化物微粒子の凝集体が多く含まれる5μm四方の領域を選び、その領域中の無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径を測定し、上位10個の無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径を平均したものである。なお、上記「無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径」は、無機酸化物微粒子の凝集体の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。また、上記無機酸化物微粒子の凝集体の粒子径は、画像解析ソフトを用いて算出してもよい。
上記バインダー樹脂としては、上記疎水化処理した無機酸化物微粒子の疎水性に応じて、極性が調整されていることが好ましい。バインダー樹脂の極性を調整する方法としては、例えば、バインダー樹脂の水酸基価を調整することが挙げられる。バインダー樹脂の極性を好適にすることで、上記無機酸化物微粒子の凝集・分散性を好適に制御し、上述した特定の凹凸形状を形成させやすくなる。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、特に言及しない限り、モノマー、オリゴマー、ポリマー等も包含する概念である。
上記電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記レベリング剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が、ハードコート層がベナードセル構造となることを回避することから好ましい。溶剤を含む樹脂組成物を塗工し、乾燥する場合、塗膜内において塗膜表面と内面とに表面張力差等を生じ、それによって塗膜内に多数の対流が引き起こされる。この対流により生じる構造はベナードセル構造と呼ばれ、形成するハードコート層にゆず肌や塗工欠陥といった問題の原因となる。
また、上記ベナードセル構造は、ハードコート層の表面の凹凸が大きくなりすぎて光学積層体の外観を損なう恐れがある。前述のようなレベリング剤を用いると、この対流を防止することができるため、欠陥やムラのないハードコート層膜が得られるだけでなく、ハードコート層表面の凹凸形状の調整も容易となる。
上記の方法のいずれかでハードコート層用組成物を塗布した後、形成した塗膜を乾燥させるために加熱されたゾーンに搬送され各種の公知の方法で塗膜を乾燥させ溶剤を蒸発させる。ここで溶剤相対蒸発速度、固形分濃度、塗布液温度、乾燥温度、乾燥風の風速、乾燥時間、乾燥ゾーンの溶剤雰囲気濃度等を選定することにより、無機酸化物微粒子の凝集体の分布状態を調整できる。
特に、乾燥条件の選定によって無機酸化物微粒子の凝集体の分布状態を調整する方法が簡便で好ましい。具体的な乾燥温度としては、30〜120℃、乾燥風速では0.2〜50m/sであることが好ましく、この範囲内で適宜調整した乾燥処理を、1回又は複数回行うことで無機酸化物微粒子の凝集体の分布状態を所望の状態に調整することができる。
また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
なお、上記全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361に準拠した方法により測定することができる。
上記ヘイズは、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に準拠した方法により測定することができる。
上記透過画像鮮明度は写像性測定器(スガ試験機製、製品番号;ICM−1T)を用いて、JIS K−7105の像鮮明度の透過法に準拠した方法により測定することができる。
なお、本発明の光学積層体が、上記低屈折率層を上記ハードコート層上に有する場合、該低屈折率層の表面に上述した特定の凹凸形状が形成されていることが必要である。
上記低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率粒子を含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質の薄膜等のいずれかで構成される。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述したハードコート層を構成するバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上述したシリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
また、上記低屈折率層は単層で効果が得られるが、より低い最低反射率、あるいはより高い最低反射率を調整する目的で、低屈折率層を2層以上設けることも適宜可能である。上記2層以上の低屈折率層を設ける場合、各々の低屈折率層の屈折率及び厚みに差異を設けることが好ましい。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
dA=mλ/(4nA) (1)
(上記式中、
nAは低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
120<nAdA<145 (2)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
すなわちバックライトユニットとして冷陰極管光源に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(サムスン社製 AMN−3244TP)を用い、該偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の輝度のLmaxを、クロスニコルに設置したときに通過する光の輝度のLminで割った値(Lmax/Lmin)をコントラストとし、光学積層体(光透過性基材+ハードコート層等)のコントラスト(L1)を、光透過性基材のコントラスト(L2)で割った値(L1/L2)×100(%)をコントラスト比とする。
なお、上記輝度の測定は暗室下で行う。上記輝度の測定には、色彩輝度計(トプコン社製 BM−5A)を用い、色彩輝度計の測定角は、1°に設定し、サンプル上の視野φ5mmで測定する。また、バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が3600cd/m2になるように設置する。
上記ハードコート層用組成物及びハードコート層の形成方法については、上述したハードコート層の形成方法として説明したものと同様の材料、方法が挙げられる。
上記画像表示装置は、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タブレットPC、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
このため、本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー等に好適に適用することができる。
光透過性基材(厚み60μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム、富士フィルム社製、TD60UL)を準備し、該光透過性基材の片面に、下記に示した組成のハードコート層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、4μm厚み(硬化時)のハードコート層を形成し、実施例1に係る光学積層体を作製した。
(ハードコート層用組成物)
フュームドシリカ(オクチルシラン処理;平均粒子径12nm、日本アエロジル社製)
1質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名:PETA、ダイセル
・サイテック社製) 60質量部
ウレタンアクリレート(製品名:UV1700B、日本合成化学社製) 40質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 5質量部
ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリ
アルズ社製) 0.025質量部
トルエン 105質量部
イソプロピルアルコール 30質量部
シクロヘキサノン 15質量部
なお、フュームドシリカは、オクチル基を有するシラン化合物(例えば、オクチルシラン)により、シラノール基をオクチルシリル基で置換して疎水化処理されたものである。
フュームドシリカの配合量を1.5質量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート層用組成物を調製し、該ハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る光学積層体を作製した。
フュームドシリカの配合量を0.5質量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート層用組成物を調製し、該ハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る光学積層体を作製した。
フュームドシリカの配合量を2.5質量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート層用組成物を調製し、該ハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4に係る光学積層体を作製した。
フュームドシリカを配合しなかった以外は実施例1と同様にしてハードコート層用組成物を調製し、該ハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る光学積層体を作製した。
下記に示した組成のハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、10μm厚み(硬化時)のハードコート層を形成し、比較例2に係る光学積層体を作製した。
(ハードコート層用組成物)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PET30、日本化薬社
製) 100質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 5質量部
ポリエーテル変性シリコーン(TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリ
アルズ社製) 0.025質量部
メチルエチルケトン(MEK) 80質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK) 35質量部
有機微粒子(親水化処理アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径2.0μm、屈折率1.55、積水化成品工業社製)を3質量部加えた以外は、実施例1と同様にしてハードコート層用組成物を調製し、該ハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3に係る光学積層体を作製した。
有機微粒子(親水化処理アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径2.0μm、屈折率1.515、積水化成品工業社製)を1.5質量部加えた以外は、実施例1と同様にしてハードコート層用組成物を調製し、該ハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4に係る光学積層体を作製した。
フュームドシリカの配合量を4質量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート層用組成物を調製し、該ハードコート層用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例5に係る光学積層体を作製した。
全ての結果を表1に示した。
表面粗さ測定器:SE−3400/株式会社小坂研究所製を用いて、JIS B 0601−1994に準拠し、かつ、以下の条件にて粗さ曲線を測定して、θa、Kr及びRaを測定した。
(1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μ触針)、株式会社小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
(2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
触針の送り速さ:0.5mm/s
予備長さ:(カットオフ値λc)×2
縦倍率:2000倍
横倍率:10倍
なお、通常カットオフ値は0.8mmが使用されることが多いが、本発明においては、カットオフ値を2.5mmに設定して測定を行った。
また、λa=2π×(Ra/tan(θa))の式により、λaを算出した。
JIS K7136に準拠し、ヘイズメーターHM−150(村上色彩技術研究所製)を用いて、得られた光学積層体のヘイズを測定した。
JIS K7105に準拠し、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機製)を用いて、透過測定により、得られた光学積層体の0.125mm櫛及び2.0mm櫛における透過画像鮮明度を測定した。
実施例及び比較例で得られた各光学積層体のハードコート層と逆の面(光透過性基材面)を、透明粘着剤を介して、裏面反射を防止するための黒アクリル板に貼り、ハードコート層の面から各光学積層体にナトリウムランプを照射し、目視で観察し、干渉縞の発生の有無を以下の基準により評価した。
◎:干渉縞の発生は全くなかった。
○:干渉縞の発生が若干あるが、問題ないレベルであった。
×:干渉縞の発生があった。
(白濁感)
実施例及び比較例で得られた各光学積層体のハードコート層と逆の面(光透過性基材面)を、透明粘着剤を介して、黒アクリル板に貼り、暗室にて卓上スタンド(3波長蛍光灯管)の下で、白濁感を観察し、以下の基準により評価した。
○:白さが観察されなかった。
×:白さが観察された。
光学積層体のカールの度合いは、実施例及び比較例に係る光学積層体を10cm×10cmにカットしたサンプル片を水平な台(平面)の上に置き、ハードコート層の端点間の距離を測定したときの当該距離の平均値(mm)を以下のように表した。
○:80mm以上
×:80mm未満
一方、比較例1に係る光学積層体は、ハードコート層表面の平均傾斜角が小さすぎるため、干渉縞を防止することができなかった。比較例2に係る光学積層体は、ハードコート層用組成物として光透過性基材を膨潤させるMEKを用い、さらにハードコート層膜厚を10μmになるよう塗布量を多くすることで、ハードコート層と光透過性基材との界面からの反射光を低減させることにより、干渉縞を防止しているが、カールの評価に劣るものであった。比較例3〜5に係る光学積層体は、平均傾斜角、又は、クルトシスの一方、もしくは両方が大きすぎ、白濁感に劣るものであった。
Claims (8)
- 光透過性基材の一方の面上に、ハードコート層を有する光学積層体であって、
前記ハードコート層は、表面に凹凸形状を有し、該凹凸形状は、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸のクルトシスをKrとしたとき、前記θa及びKrが以下の式を満たし、
光学積層体の総ヘイズ値が1%未満である
ことを特徴とする光学積層体(ただし、前記ハードコート層上に低屈折率層を有する場合を除く)。
0.01°≦θa≦0.10°
1≦Kr≦3 - ハードコート層の凹凸形状は、凹凸の算術平均粗さをRaとしたとき、以下の式を満たす請求項1記載の光学積層体。
0.02μm≦Ra≦0.10μm - ハードコート層の凹凸形状は、λa=2π×(Ra/tan(θa))にて表される平均波長λaが下記式を満たす請求項2記載の光学積層体。
200μm≦λa≦800μm - ハードコート層は、無機酸化物微粒子及びバインダー樹脂を含有する請求項1、2又は3記載の光学積層体。
- 無機酸化物微粒子は、疎水化処理無機酸化物微粒子である請求項4記載の光学積層体。
- 無機酸化物微粒子は、凝集体を形成してハードコート層に含有されており、前記凝集体の平均粒子径が100nm〜2.0μmである請求項4又は5記載の光学積層体。
- 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
前記偏光板は、偏光素子表面に請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。 - 請求項1、2、3、4、5若しくは6記載の光学積層体、又は、請求項7記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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