JP3869486B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を使用して画像の形成を行う画像形成装置に係わり、詳細にはトナー像の転写制御に特徴をもった画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を使用した画像形成装置では、感光体ドラムあるいは感光体ベルト等の感光体にトナー像を形成して、これを用紙等の転写材に転写するようにしている。トナー像の転写にはコロトロンを使用する場合も多いが、転写バイアスを印加した転写バイアスロールを使用する装置も普及してきている。
【0003】
図13は、従来提案されたこのような画像形成装置の一例を表わしたものである。この装置は矢印11方向に定速で回転する感光体ドラム12を有している。感光体ドラム12の周囲には、帯電ロール13、現像装置14、転写バイアスロール15およびクリーニング装置16が配置されている。ここで帯電ロール13は感光体ドラム12に転接してドラム表面を一様に帯電させる。このため、帯電ロール13には帯電バイアス印加装置18によって所定の帯電バイアスが印加されるようになっている。一様に帯電したドラム表面は、例えばレーザビームを射出するレーザ露光装置19によって画像情報に応じた露光が行われる。これにより、ドラム表面に画像情報に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置14によって現像される。現像装置14は、現像ロール21とこれに現像バイアスを印加する現像バイアス印加装置22を備えており、現像ロール21に供給された図示しないトナーが静電潜像に選択的に供給されることでトナー像が形成される。
【0004】
ドラム表面に形成されたこのトナー像は、感光体ドラム12と転写バイアスロール15が転接した転写ニップ部23に向けて移動する。転写バイアスロール15には、転写バイアス印加装置25によって、トナー像を転写するためのバイアスが印加されている。トナー像の先端が転写ニップ部23に到達するのと同期して転写材としての用紙26の先端がこの転写ニップ部23に到達するように用紙26の搬送制御が行われている。すなわち、用紙26は装置本体27のカセットトレイ28に積層されており、半月ロール29の回転によって最上層の用紙26が一点鎖線で示す搬送路31に送り出される。そして、レジストロール32によってタイミングを調整された後、前記した転写ニップ部23に送り出されることになる。
【0005】
転写バイアスロール15の作用でトナー像の転写された用紙26は、定着装置34の一対のロールの間を通過し、熱定着される。定着装置34の出口側には第1の切替器37が配置されている。この第1の切替器37が定着装置34を通過した用紙26を上方向の搬送路38に導いたときには、装置本体27の上部に配置された排出ロール39から排出トレイ41にこの用紙26が排出されることになる。このようにして排出された用紙26には片面のみ記録が行われている。
【0006】
両面記録を行う場合には、第1の切替器37が定着装置34を通過した用紙26を下方向の搬送路43に導き、更に第2の切替器44がこれを搬送ロール45を介して搬送方向切替部46に導く。搬送方向切替部46では、搬送ロール45の逆回転によって用紙後端を先端としてその送り出しを行い、第2の切替器44がこれを下方向に延びた搬送路47に導く。この搬送路47はカセットトレイ28の下方を通ってレジストロール32に至っている。レジストロール32に到達した用紙は、先にカセットトレイ28から送り出された用紙と比べて表裏が反転されている。したがって、この用紙の第2面に対して他のトナー像が転写されることになる。第2面のトナー像が転写された用紙は、再び定着装置34を通過して定着され、この後、搬送路38を経て排出トレイ41に排出されることになる。
【0007】
なお、転写バイアスロール15によってトナー像が用紙26に転写された後もドラム表面にはトナー粒子が残っている。クリーニング装置16は例えば感光体ドラム12上のトナー粒子を削り取るようなブレードを備えており、不要なトナー粒子を回収する。帯電ロール13は感光体ドラムを再度帯電させ、次のトナー像形成のためのプロセスに備えることになる。
【0008】
ところでこの提案の画像形成装置では、転写バイアス印加装置25が定電流制御または定電圧制御によって転写バイアスロール15に印加する転写バイアスを設定している。定電流制御の場合には、トナー像を転写するのに十分な電荷量に設定することができ、安定した転写特性を得ることができる。しかしながら、抵抗値の高い転写材に対して転写を行う場合には、設定された転写電流値となるようにこれに応じた高さの直流電圧を転写バイアスロール15に印加することになる。例えばOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用紙を転写材として使用する場合には、通常の用紙と比較して抵抗値がかなり高いので、通常よりも高い直流電圧が転写バイアスロール15に印加される。転写バイアスロール15は、各種サイズの転写材に適応する幅をもってドラム表面と接触している。このため、転写材の外側には、転写バイアスロール15がドラム表面と直接接触する領域が存在している。この領域に転写バイアスロール15から高い直流電圧が印加されると、印加電圧により帯電されてしまう。すなわち、感光体ドラム12のその部位が帯電ロール13の下を通過していっても、ドラム表面のその領域が正規の表面電位にまで回復することができず、その領域が所定の電位パターンを保持し、いわゆる感光体メモリを発生させる。
【0009】
この感光体メモリが生じた領域には、感光体ドラム12に対する次のサイクルで現像装置14によってトナーが吸着される。このトナーは、次の同一サイズの用紙26等の転写材の転写時にこの転写材の側面に付着して汚れを発生させる。
【0010】
図14は、転写材に対する転写電流値とトナー像の転写効率との関係を表わしたものである。図で実線51はOHP用紙等の所定の透明な転写材の特性を示しており、破線52は普通紙の特性を示している。両用紙の転写特性の共に良好な転写電流値I 2 に転写電流値を設定すれば良いことになるが、これよりも低く、かつ転写電流値I1よりも大きい範囲では、前記したように実線51で示す所定の透明な転写材ではこれに対応する印加電圧で側面汚れが発生することになる。
【0011】
また、このように高い印加電圧が設定されると、葉書のような小さなサイズの用紙に転写を行う際には、転写バイアスロール15のより多くの部分がドラム表面に直接接触することになり、この部分に転写電流の大部分が流れ込んでしまう。この結果として、用紙に対しては十分な転写電流が流れず、転写不良を発生させる可能性があった。
【0012】
これに対して、転写バイアス印加装置25で定電圧制御を行った場合には、転写材の抵抗値にかかわらず転写バイアスが一定となる。このため、電圧値を適正に設定しておけば、OHP用紙等のような抵抗値の高い転写材を使用した場合であってもその側面汚れを発生させるおそれがない。しかしながら、転写バイアスロール15は環境によってその抵抗値が大きく変化することが知られている。転写バイアスロール15はゴム等の弾性体に導電材を添加したもので構成されており、所定の高温高湿環境(28°C、85%の環境で、以下H/H環境と記す。)下では抵抗値が低くなる。また逆に、所定の低温低湿環境(10°C、15%の環境で、以下L/L環境と記す。)下ではH/H環境に比べて抵抗値が高くなる。常温常湿環境(22°C、55%の環境で、以下N/N環境と記す。)下での抵抗値は、両環境の間の値を示す。
【0013】
転写バイアスロール15は、このように環境によってその抵抗値が変化するので、電圧値を一定に制御しても環境によって電流値が変化する。このため、N/N環境で定電圧制御に最適な電圧を設定しても、H/H環境では転写電流が多くなりすぎて画質が劣化し、L/L環境では転写電流が不足して転写不良を引き起こすという問題がある。
【0014】
そこで特開平2−264278号公報では、この定電圧制御による欠点を解消する提案を行っている。この提案では、転写バイアスロール15がまだ転写材を介さずにドラム表面と直接接触している状態で、この転写バイアスロール15に所定の電流が流れるような電圧を検出している。すなわち、プリント開始時の非画像領域でその環境による転写バイアスロール15の抵抗値に基づいた電圧を検出し、このとき得られたホールド電圧に所定の係数を掛け合わせて、転写材に対する適正な転写バイアスを得るようにしている。
【0015】
しかしながら、この提案の画像形成装置でも、一部の非常に高抵抗な転写材とその他の転写材とを両立させて良好な転写特性を得ることが困難であるという問題があった。すなわち、転写バイアスを普通紙に最適な設定にすると、高抵抗の樹脂製等の転写材に対しては印加電圧が不十分になる。この結果として、本来は転写バイアスロール15の側のみに移動して、転写材の対向する位置に転写するはずのトナー粒子が、周囲の同様の電位変化を示す場所にも移動して、結果としてトナーが目的の転写位置の周囲にまで飛び散ったようなトナー像が得られてしまう。このような問題は、転写バイアスを高抵抗の転写材に合わせることで解消するが、反対にこのような設定を行うと普通紙、特に薄い用紙に対しては電流値が多くなりすぎることになり、画質劣化の問題を発生させる。
【0016】
以上は転写材自体の抵抗値が元々高い場合や低い場合を考察した。実際には同一の転写材であっても、第1面の印字時よりも第2面の印字時の方が抵抗値が高くなっており、これによる転写電流の不足状態が発生する。これは、定着装置34を通過した時点で転写材中の水分が奪われることによるものであり、転写材が高抵抗化してしまうことによる。
【0017】
このような問題点を解決するために、特開平6−35346号公報では、両面記録における転写バイアスロール15のバイアス電圧の決定について提案している。この提案によれば、転写材の第1面転写時の電圧に所定の係数rを乗じて、これによって得られた電圧を第2面に適用することにしている。すなわち、抵抗値が高くなった分だけ転写バイアスロール15のバイアス電圧を高め、第2面におけるトナーが飛び散る現象を防止するようにしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この提案の画像形成装置でも、次のような2つの問題点が存在している。第1の問題について、まず説明する。一般的に使用される転写材としての普通紙でも、第1面の転写時と、この後に定着装置34で定着された後の第2面の転写時とでは、これらの抵抗値が大きく相違する場合がある。このような場合には、第2面の転写時にトナーの飛び散りが発生する頻度が高いことが確認されている。このような問題を解消するために、第2面の転写時には第1面の転写時に使用された電圧に所定の係数rを乗じることがこの提案の内容である。この係数rは他の種類の転写材を使用している場合にも適用されるので、この結果、過剰な転写電圧が印加される場合も発生し、トナーの逆帯電化による転写不良や感光体メモリによる側面汚れといった問題が発生した。このような現象は、特に転写材がN/N環境に置かれた場合に顕著に発生した。
【0019】
図15は、転写材の第1面転写時と第2面転写時の環境別の抵抗を表わしたものである。この図を用いて転写材がN/N環境に置かれたときに側面汚れの問題が発生しやすいことを説明する。図で実線61は、第1面転写時と第2面転写時で抵抗値が著しく異なる転写材における第1面転写時の抵抗値を表わしており、破線62はこの転写材における第2面転写時の抵抗値を表わしている。一点鎖線63は、例えばOHP用紙のようにこれらの定着時に抵抗値がほとんど変化しないような転写材の第1面および第2面定着時の特性を参考のために示している。
【0020】
L/L環境では、この転写材の第1面および第2面転写時の抵抗は図15から共に高い値を示している。すでに説明したようにL/L環境では、転写バイアスロール15の抵抗も高い。このため、転写材の存在しない領域で転写バイアスロール15に流れる電流を図って設定する転写バイアスとしての印加電圧も必然的に高くなる。したがって、電界強度も十分確保することができ、転写材が高抵抗化する第2面でも転写バイアスを第1面のそれに比べて大きく増加させないでも転写性能を確保することができる。
【0021】
図16は、転写材の第1面転写時と第2面転写時の環境別の印加電圧の最適値を表わしたものである。図で曲線65は第1面における各環境の最適電圧を表わしており、曲線66は第2面における各環境の最適電圧を表わしている。この図でも、L/L環境では転写バイアスとしての最適印加電圧が第1面と第2面で大差ないことが示されている。
【0022】
次にH/H環境では、高湿度の環境であるために、第1面の定着後に転写材が再度吸湿し抵抗値が低下する。このため、第2面転写時も第1面転写時と同様の状況となって、高抵抗を原因とするトナーの飛び散りや側面汚れが発生しにくい。図16でも、H/H環境での最適な印加電圧が第1面と第2面でN/N環境よりも接近していることが示されている。
【0023】
ところが、N/N環境では第1面の定着後に転写材が再度吸湿する度合いが少ない。そこで、図15に示したように転写材の第2面転写時の抵抗値が第1面転写時のそれよりも大幅に高くなる。したがって、図16に示したように必要となる転写バイアスは第2面の方が第1面よりも必然的に高めとなる。このように図15に示したような第1面転写時と第2面転写時で抵抗値が著しく異なる転写材に対して係数rを設定すると、他の転写材については第2面でそれ程までの印加電圧の上昇が必要とされないことになり、第2面の転写時に過剰な転写電流が流れてしまうことになる。この結果として、このような転写材では、トナーの逆帯電化による転写不良や、前記した感光体メモリによる転写材の側面汚れ等の問題が生じることになる。
【0024】
次に、この提案の画像形成装置における第2の問題について説明する。図14で説明したように、破線52で示した一般的な転写材である普通紙(特に64g/m2 以下の薄紙)と実線51で示した高抵抗の転写材では最適な転写電流値の範囲に差がある。すでに説明したように転写バイアスを定電流で制御する際に、破線52で示した普通紙でソリッド部分が良好に転写されるために転写効率の良好な転写電流値I3 をその値に設定したとし、このときの転写電圧値をVP とする。転写電流値I3 を実線51で示した高抵抗の転写材に普通紙の場合と等しい電流値で適用したとすると、そのときの転写電圧値VT は、転写電圧値VP よりも遙に高い電圧となる。この結果、前記した感光体メモリにより側面汚れ等の不都合が発生することになる。
【0025】
これに対して、転写バイアスを定電圧制御した場合には、普通紙についてソリッド部分が良好に転写されるように転写効率の良好な転写電圧を設定しても、この電圧では高抵抗の転写材で転写電流が不足してトナーが本来転写されるべき領域以外の領域まで飛び散ってしまうという問題が発生した。
【0026】
そこで本発明の目的は、用紙の定着前の第1面あるいは定着後の第2面であるかどうかにかかわらず、また、転写材の種類に依らずに転写効率の高いトナー像の転写を可能にすることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)静電潜像を保持するための像担持体と、(ロ)この像担持体に保持された静電潜像に対応したトナー像を形成する現像手段と、(ハ)像担持体と接触し所定のバイアス電圧を印加することでこれらの間を通過するシート状の転写材にトナー像を転写すると共に、弾性体で構成され、環境でその抵抗値が変化する接触型転写バイアス印加手段と、(ニ)転写材の第1面が像担持体側に向くようにして像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第1面に定電圧制御によってトナー像を転写する第1面画像転写手段と、(ホ)像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過した転写材を定着する定着手段と、(へ)この定着手段で定着した転写材を必要に応じて表裏を逆にし像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第2面に定電圧制御によってトナー像を転写する第2面画像転写手段と、(ト)接触型転写バイアス印加手段によって、転写材が像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を求める電流値測定手段と、(チ)前記した時間帯にこの電流値測定手段の測定した電流値I 0 を基にして、接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を判別する転写材未介在時環境判別手段と、(リ)この転写材未介在時環境判別手段によって判別される環境のそれぞれに対応させて、接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に転写材が介在するようになった時点におけるこの接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に流れるべき電流値I 1 を読み出す環境別電流値読出手段と、(ヌ)バイアス電圧V 0 、電流値I 0 および電流値I 1 を用いて、転写材に対する所望の第1面転写時バイアス電圧V 1 を算出する第1面転写時バイアス電圧算出手段と、(ル)接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に転写材が介在するようになった時点で第1面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第1面転写時バイアス電圧を第1面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧として設定する第1面転写時バイアス電圧設定手段と、(ヲ)この第1面転写時バイアス電圧設定手段によって設定された第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出する第2面転写時バイアス電圧算出手段と、(ワ)第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際に第2面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第2面転写時バイアス電圧V 2 を設定する第2面転写時バイアス電圧設定手段とを画像形成装置に具備させる。
【0028】
すなわち請求項1記載の発明では、感光体ドラムや感光体ベルト等の像担持体上に保持された静電潜像を現像手段によって現像してトナー像を作成し、転写バイアスロール等の接触型転写バイアス印加手段によって印加されたバイアスによって普通紙等の転写材にトナー像を転写する複写機等の画像形成装置において、転写材の第1面に定電圧制御によってトナー像を転写する第1面画像転写手段と、この第1面画像転写手段によって転写され定着手段によってトナー像の定着が行われた転写材の第2面に同じく定電圧制御によってトナー像を転写する第2面画像転写手段を用意しておき、それぞれの面で定電圧制御によってトナー像の転写を行わせる。このとき、本発明では、接触型転写バイアス印加手段によって、転写材が像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を電流値測定手段で求め、前記した時間帯にこの電流値測定手段の測定した電流値I 0 を基にして、接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を転写材未介在時環境判別手段で判別するようにしている。そして、第1面のトナー像転写の際の、弾性体で構成され、環境でその抵抗値が変化する接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧については、転写材未介在時環境判別手段で判別される環境のそれぞれに対応させて、接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に転写材が介在するようになった時点におけるこの接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に流れるべき電流値I 1 を環境別電流値読出手段で読み出し、バイアス電圧V 0 、電流値I 0 および電流値I 1 を用いて、転写材に対する所望の第1面転写時バイアス電圧V 1 を第1面転写時バイアス電圧算出手段で算出し、接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に転写材が介在するようになった時点で第1面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第1面転写時バイアス電圧を第1面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧として設定することで、転写材について第1面の転写が行われる際の定電圧制御におけるバイアス電圧を適正な値に設定することができるようにしている。また、転写材の第2面について転写が行われる際には、通常の場合、第1面よりも第2面の転写時に転写材の抵抗が増加する事実を考慮して、第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出して第2面転写時のバイアス電圧を設定するようにしている。これにより、転写材の第1面のみならず第2面についても、また、転写材の種類に依らずに、適切なバイアス電圧を設定して定電圧制御を行うことができ、転写効率の高いトナー像の転写を可能にすることができる。
なお、この請求項1記載の発明における第1面画像転写手段と第2面画像転写手段は実質的に同一の装置を使用するものであってもよいし、これらの画像転写手段がそれぞれ別個の装置を使用するものであってもよい。
【0029】
請求項2記載の発明では、(イ)静電潜像を保持するための像担持体と、(ロ)この像担持体に保持された静電潜像に対応したトナー像を形成する現像手段と、(ハ)像担持体と接触し所定のバイアス電圧を印加することでこれらの間を通過するシート状の転写材にトナー像を転写すると共に、弾性体で構成され、環境でその抵抗値が変化する接触型転写バイアス印加手段と、(ニ)転写材の第1面が像担持体側に向くようにして像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第1面に定電圧制御によってトナー像を転写する第1面画像転写手段と、(ホ)像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過した転写材を定着する定着手段と、(へ)この定着手段で定着した転写材を必要に応じて表裏を逆にし像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第2面に定電圧制御によってトナー像を転写する第2面画像転写手段と、(ト)接触型転写バイアス印加手段によって、転写材が像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を求める電流値測定手段と、(チ)前記した時間帯に接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に所定の電流が流れるように定電流制御を行い、このときの印加される電圧をチェックして、接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を判別する転写材未介在時環境判別手段と、(リ)この転写材未介在時環境判別手段によって判別される環境のそれぞれに対応させて、接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に転写材が介在するようになった時点におけるこの接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に流れるべき電流値I 1 を読み出す環境別電流値読出手段と、(ヌ)バイアス電圧V 0 、電流値I 0 および電流値I 1 を用いて、転写材に対する所望の第1面転写時バイアス電圧V 1 を算出する第1面転写時バイアス電圧算出手段と、(ル)接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に転写材が介在するようになった時点で第1面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第1面転写時バイアス電圧を第1面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧として設定する第1面転写時バイアス電圧設定手段と、(ヲ)この第1面転写時バイアス電圧設定手段によって設定された第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出する第2面転写時バイアス電圧算出手段と、(ワ)第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際に第2面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第2面転写時バイアス電圧V 2 を設定する第2面転写時バイアス電圧設定手段とを画像形成装置に具備させる。
【0030】
すなわち請求項2記載の発明では、感光体ドラムや感光体ベルト等の像担持体上に保持された静電潜像を現像手段によって現像してトナー像を作成し、転写バイアスロール等の接触型転写バイアス印加手段によって印加されたバイアスによって普通紙等の転写材にトナー像を転写する複写機等の画像形成装置において、転写材の第1面に定電圧制御によってトナー像を転写する第1面画像転写手段と、この第1面画像転写手段によって転写され定着手段によってトナー像の定着が行われた転写材の第2面に同じく定電圧制御によってトナー像を転写する第2面画像転写手段を用意しておき、それぞれの面で定電圧制御によってトナー像の転写を行わせる。このとき、本発明では、接触型転写バイアス印加手段によって、転写材が像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を電流値測定手段で求め、前記した時間帯に接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に所定の電流が流れるように定電流制御を行い、このときの印加される電圧をチェックして、接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を転写材未介在時環境判別手段で判別するようにしている。そして、第1面のトナー像転写の際の、弾性体で構成され、環境でその抵抗値が変化する接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧については、バイアス電圧V 0 、電流値I 0 および電流値I 1 を用いて、転写材に対する所望の第1面転写時バイアス電圧V 1 を第1面転写時バイアス電圧算出手段で算出し、接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に転写材が介在するようになった時点で第1面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第1面転写時バイアス電圧を第1面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧として第1面転写時バイアス電圧設定手段で設定するようにしている。また、転写材の第2面について転写が行われる際には、通常の場合、第1面よりも第2面の転写時に転写材の抵抗が増加する事実を考慮して、第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出して第2面転写時のバイアス電圧を設定するようにしている。これにより、転写材の第1面のみならず第2面についても、また、転写材の種類に依らずに、適切なバイアス電圧を設定して定電圧制御を行うことができ、転写効率の高いトナー像の転写を可能にすることができる。なお、この請求項2記載の発明における第1面画像転写手段と第2面画像転写手段も実質的に同一の装置を使用するものであってもよいし、これらの画像転写手段がそれぞれ別個の装置を使用するものであってもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
【0042】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0043】
図1は本発明の一実施例における画像形成装置の概要を表わしたものである。この図1で図13と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。本実施例の装置は、転写バイアスロール15に所定の高圧電圧を印加するための高圧印加部101と、転写バイアスロール15を流れる電流を検出するための電流検出部102が接続されている。これらの高圧印加部101および電流検出部102は次に説明するCPU(中央処理装置)によって制御されるようになっている。
【0044】
図2は、本実施例の画像形成装置の回路構成の概要を表わしたものである。この装置には、装置各部の制御の中枢的な機能を有するCPU111が搭載されている。CPU111は、データバス等のバス112を通じて装置内の各部と接続され、図1に示した転写バイアスロール15やその他の回路装置の制御を行うようになっている。このうちROM113は、この画像形成装置の各種の制御を行うためのプログラムを格納したリード・オンリ・メモリである。また、RAM114は各種データを一時的に格納するためのランダム・アクセス・メモリである。RAM114の一部は図示しない電池によってバックアップされており、不揮発性メモリを構成している。D/A変換器115はCPU111の指示した印加電圧のディジタル値をアナログ値に変換して高圧印加部101に供給するための回路である。高圧印加部101は供給されたアナログデータに基づいて高電圧を発生し、これを転写バイアスロール15に印加することになる。A/D変換器116は電流検出部102によって検出された転写バイアスロール15を流れる電流をディジタル信号に変換する回路である。メインモータ駆動回路117は、感光体ドラム12(図1)を駆動するためのメインモータ118に駆動パルスを供給するための回路である。
【0045】
図3は、以上のような構成の画像形成装置の第1面の印字を行う際の装置各部の動作のタイミングを表わしたものである。この図で横軸は時間の経過を表わしている。時刻t1にプリントのための制御が開始されると、同図(a)に示すようにメインモータ118が駆動を開始(ON)し、同図(b)に示すように帯電ロール13が感光体ドラム12の表面に対する帯電を開始させる。これより所定時間経過した後に図1に示したレーザ露光装置19によってドラム表面が露光され(図3(c))、静電潜像が形成される。これと前後して図1に示した現像装置14に現像バイアスが印加(ON)となり、静電潜像の現像が行われる。
【0046】
一方、転写バイアスロール15で図3(e)に示すように先の時間t1 から高圧印加部101が所定のバイアス電圧V0 の直流電圧を印加(ON)される。本実施例でこのバイアス電圧V0 は500Vになっている。印加時間T1 は、転写材としての用紙26が感光体ドラム12の転写位置に到達する前の時間帯となる。これは、この段階で環境の違いによる転写バイアスロール15の導電性をチェックしておいて、用紙26のトナー像転写時に適正値になるべく近い所望のバイアス電圧V1 が与えられるような初期設定を行うためである。バイアス電圧V1 は、転写バイアスロール15に初期的にバイアス電圧V0 が印加されたときのモニタ電流値をI0 とすると、次の(1)式で求めることができる。
【0047】
【数1】
【0048】
ここで電流値I1 は、図2のROM113内に予め格納しておいた電流値である。
【0049】
図4は、ROMに格納している電流値I1 と前記したモニタ電流値I0 との関係を表わしたものである。横軸は環境を表わしている。両電流値I0 、I1 の差が大きいほど、用紙26に対して実際に転写を行うときの転写バイアスロール15に印加するバイアス電圧V1 が大きくなり、また電流値I0 、I1 の差が小さくなるほどバイアス電圧V1 が小さくなるような制御が行われる。ROM113から読み出される電流値I1 は、開封直後の普通紙の転写適正範囲のほぼ中央になるように設定しており、本実施例ではこの値I1 が4μAとなる。(1)式で求められたバイアス電圧V1 は、用紙26に対して図3の時刻t2 から開始するプリント時に印加され、更にそのバイアス電圧V1 の補正が行われる。
【0050】
図5は、図2に示したROMに格納されたプログラムによる画像形成装置の第1面の印字の際の制御の様子を表わしたものである。図2に示したCPU111はプリントが開始される時点で第1面の印字が行われるのか第2面の印字が行われるのかを印字内容との関係で認識している。第1面についてプリント動作が開始されると(ステップS101;Y)、図3で示した時間T1 だけ500Vの電圧が転写バイアスロール15に印加され、このときの電流が検出される(ステップS102)。これを基にしてCPU111は(1)式で示したバイアス電圧V1 を算出する(ステップS103)。この算出の代わりに、予めROMテーブルを用意しておき、検出した電流の値をアドレスとしてバイアス電圧V1 を算出するようにしてもよい。
【0051】
図1でカセットトレイ28から送り出された用紙26の先端が感光体ドラム12と転写バイアスロール15の間に到達するタイミングで(ステップS104;Y)、CPU111は高圧印加部101に制御データを送り、バイアス電圧V1が転写バイアスロール15に常に印加されるように定電圧制御を行う。そして、この制御が開始されてから比較的早い時間に電流検出部102によって転写バイアスロール15を流れる電流I2を検出する(ステップS105)。そして、この検出した電流I2を基にしてバイアス電圧V1の補正を行う(ステップS106)。用紙26に対する1枚目のバイアス電圧V1に対する補正が終了したら、その用紙26の後端までトナー像の転写が終了した時点(ステップS107;Y)で、第1面における制御が終了することになる。
【0052】
図6は、図5におけるステップS106の制御を具体的に表わしたものである。まず、CPU111(図1)は、図5のステップS105で検出された検出電流I2 と所定の最小値Imin1の大小関係を比較する(ステップS201)。最小値Imin1は、OHP用紙等のような抵抗値の高い転写材における許容下限電流値であり、本実施例で最小値Imin1は、2.0μAに設定してある。検出電流I2 がこの最小値Imin1よりも小さいような場合には(Y)、これが最小値Imin1になるように図1の高圧印加部101のコントロールが行われる。具体的には補正後のバイアス電圧V1 を次の(2)式で算出して転写バイアスロール15に印加する電圧をこの値に補正する(ステップS202)。
【0053】
【数2】
【0054】
これに対して、検出電流I2 が最小値Imin1と等しいかこれよりも大きい場合には(ステップS201;N)、これが最大値Imax1よりも大きいかどうかのチェックを行う(ステップS203)。最大値Imax1は高湿環境下に放置した普通紙の転写時の許容上限電流値であり、本実施例で最大値Imax1は3.5μAに設定している。最大値Imax1よりも大きい場合には(Y)、これが最大値Imax1になるように図1の高圧印加部101のコントロールが行われる。具体的には、補正後のバイアス電圧V1 を次の(3)式で算出して転写バイアスロール15に印加する電圧をこの値に補正する(ステップS204)。
【0055】
【数3】
【0056】
一方、検出電流I2 が最小値Imin1と最大値Imax1の間にある場合(ステップS203;N)、これに対しては何の補正も行わない。すなわち検出電流I2 を元にしたバイアス電圧V1 がそのまま転写バイアスロール15に印加されることになる。
【0057】
図7は、各種の用紙に対する転写バイアスロールに印加するバイアス電圧と流れる電流の関係を表わしたものである。一番上の曲線121と真ん中の曲線122は普通紙の特性を表わしたものであるが、前者はH/H環境に放置した普通紙であり、後者は開封直後の普通紙である。一番下の曲線123はOHP用紙の一例を示したものある。これらの図から分かるように、曲線121で示す高湿環境に放置した普通紙のように転写電流の流れやすい用紙の場合には、バイアス電圧V1 がその環境下の許容上限電流値を越えないように制御が行われる。また、曲線123で示したOHP用紙のように高抵抗で転写電流が流れにくいような場合には、このような用紙の許容下限電流値を下回らないような制御が行われる。このような制御によって、常に安定した転写特性を得ることができる。
【0058】
図8は用紙の第1面に続いて第2面の印字を行う際の制御の様子を表わしたものである。図2に示したCPU111は図5に示した第1面の印字動作が終了した時点(ステップS107;Y)で、その用紙に対して第2面の印字を行うかどうかを判別することができる。そして、この判別結果が第2面の印字を行うとされた場合には、図8の制御を行うことになる。
【0059】
この図8に示した制御では、まず先に算出された最終的なバイアス電圧V1 に“1”あるいはこれよりも大きな所定の係数Rを掛けてバイアス電圧V2 を算出する(ステップS301)。係数Rが“1”あるいはこれよりも大きな値であるのは、第2面の印字を行う用紙は図1で定着装置34を一度通過した後に搬送路47を経て転写バイアスロール15に到達したものであり、定着時の加熱によって水分が減少し、その抵抗値が第1面のそれよりも大幅に増加している可能性があるからである。本実施例で、係数Rは、L/L環境で1倍、N/N環境で1.5倍、H/H環境で2.0倍に設定することにしている。
【0060】
図9は、第1面印字時の転写電流と第2面印字時の転写電流の一般的な関係を表わしたものである。図で横軸は用紙の置かれる各環境を表わしており、縦軸は転写電流を表わしている。この図で上側の折れ線131が第1面印字時の転写電流を示しており、下側の折れ線132が第2面印字時の転写電流を示している。このように第2面の印字時の方が転写電流が少なくなるので、係数Rを掛けてバイアス電圧V2 を算出することで、転写電流不足によるトナーの飛び散り等の転写不良を防止することにしている。
【0061】
図2に示したCPU111は、レジストロール32から用紙26を送り出すタイミングとの関係で、用紙26の先端が転写バイアスロール15に到達し転写動作が開始されるタイミングを判別することができる。用紙26に対する転写開始のタイミングとなったら(ステップS302;Y)、求められたバイアス電圧V2 で定電圧制御を行い、用紙26の転写開始時に用紙26を介して転写バイアスロール15に流れる電流をモニタする(ステップS303)。そして、これによって検出された電流I3 と所定の最小値Imin2の大小関係を比較する(ステップS304)。最小値Imin2は、OHP用紙等のような抵抗値の高い転写材における第2面での許容下限電流値であり、本実施例で最小値Imin2は、2.8μAに設定してある。検出電流I3 がこの最小値Imin2よりも小さいような場合には(Y)、これが最小値Imin2になるように図1の高圧印加部101のコントロールが行われる。具体的には補正後のバイアス電圧V3 を次の(4)式で算出して転写バイアスロール15に印加する電圧をこの値に補正する(ステップS305)。
【0062】
【数4】
【0063】
そして、更に補正後のバイアス電圧V3と補正前のバイアス電圧V2の比が2.5未満であるかどうかの判別が行われる(ステップS306)。これは、補正後の電圧V3が最大で補正前の電圧V2の2.5倍以上にならないように調整するためである。すなわち、補正後の電圧V3が電圧V2の2.5倍以上でない場合には(N)、そのままのバイアス電圧V3が転写バイアスロール15に印加されることになり、2.5倍以上の場合には(Y)、バイアス電圧V3が補正前の電圧V2の2.5倍に制限されて転写バイアスロール15に印加されることになる(ステップS307)。ステップS304で電流I3が所定の最小値Imin2 よりも小さいときには(Y)、そのバイアス電圧V2を補正後のバイアス電圧V3とする(ステップS308)。このようにして補正後のバイアス電圧V3が求まったら、用紙26の後端の転写が終了した段階で(ステップS309;Y)、第2面に対する転写バイアスロール15のバイアス電圧の制御を終了する(エンド)。
【0064】
ステップS306で補正後のバイアス電圧V3 と補正前のバイアス電圧V2 の比を2.5とした根拠を詳細に説明する。図9で説明したように第2面の印字時には転写バイアスロール15に印加するバイアス電圧V2 を第1面におけるバイアス電圧V1 に係数Rを掛けて算出することにして、転写電流の不足による不都合の解消を図っている。しかしながら、用紙の全面積に占める画像の印字率が第1面と第2面のそれぞれで30パーセントを越えるような場合には、トナーの抵抗分によってその用紙に転写電流が流れにくくなる。
【0065】
図10は、用紙の印字率についてのバイアス電圧と電流の関係を表わしたものである。図で上側の曲線141は画像印字率が5パーセントの場合を示しており、下の曲線142は画像印字率が30パーセントの場合を示している。このように印字率が高くなり用紙の面でトナーの占める割合が高くなるほど、同一の電圧を印加した場合に流れる電流が少なくなる。
【0066】
このため、図1または図2に示した電流検出部102から得られた電流値情報を基にして第2面についてのバイアス電圧V3 を算出すると、非常に高い電圧が算出される場合がある。このような非常に高い電圧をそのまま転写バイアスロール15にバイアス電圧V3 として印加すると、過剰電圧によって転写不良や感光体メモリによる側面汚れを発生させることになる。そこで、本実施例では図8のステップS306で示したように2つのバイアス電圧V3 、V2 の比が所定の値以下であるかどうかを判別することにして、これを基にして補正後のバイアス電圧V3 を設定しトラブルの発生を未然に防止することにしている。
【0067】
図11は、本実施例で2つのバイアス電圧V3 、V2 の比を2.5以下とした根拠を示したものである。この図で横軸は2つのバイアス電圧V3 、V2 の比をとったものであり、縦軸は用紙の第2面の印字時における側面汚れの発生状態の評価を表わしたものである。この図から、バイアス電圧V3 がバイアス電圧V2の2倍を越えたころから側面汚れが発生し、2.5倍を越えたころから汚れが急速に目立ちはじめ、評価が悪くなっていることがわかる。もちろん、用紙の組成によってはこのような特性が変化し、これに伴ってバイアス電圧V3 の上限を制限するための比も変動することは当然である。
【0068】
なお、本実施例では第2面印字時の転写上限電流値を設定していない。これは、第2面転写時の用紙の抵抗値が第1面のそれを下回ることがないという前提にたっているからである。したがって、第2面印字時の転写上限電流値を設定すること自体は何ら問題がない。
【0069】
変形例
【0070】
図12は、本発明の変形例における画像形成装置の転写バイアスロールの抵抗値(log Ω)とバイアス電圧(KV)の関係を示したものである。この図で曲線201は第2面転写時のバイアス電圧の上限を示し、曲線202は第1面転写時のバイアス電圧を、曲線203は第2面転写時のバイアス電圧をそれぞれ示している。この変形例では、図1に示した装置で転写バイアスロール15に第1面のトナー像の転写前にバイアス電圧V0 として例えば500Vを印加し、このときに流れる電流によって環境の判別を行う。そして、判別された環境によって先の実施例と同様の係数Rとバイアス電圧V3 、V2 の比(V3 /V2 )をそれぞれ表1のように設定し、良好な転写特性を実現することにしている。
【0071】
【表1】
【0072】
すなわち、この変形例の画像形成装置では、判別された環境としてのこの例ではH/H環境、N/N環境、L/L環境の3つの環境に応じて、変更後のバイアス電圧V3 と変更前のバイアス電圧V2 の比を異ならせ、それぞれの変更後のバイアス電圧をきめ細かく制御することで、良好な転写特性を得るようにしている。
【0073】
なお、実施例および変形例では転写バイアスロールでトナー像を転写する場合について説明したが、転写ブラシ、転写ブレードあるいは転写ベルトを用いても同様にバイアス電圧を印加してトナー像を用紙に転写することができ、これらについても本発明を適用することができることは当然である。
【0074】
また、実施例ではヒートロールとプレッシャロールを使用した定着装置で転写材の定着を行うことにしたが、オーブンタイプの定着装置のように他の装置であっても定着によって転写材の抵抗が変化するようなものであれば、本発明の適用の範囲内になることはもちろんである。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、接触型転写バイアス印加手段によって、転写材が像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を電流値測定手段で求め、前記した時間帯にこの電流値測定手段の測定した電流値I 0 を基にして、接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を転写材未介在時環境判別手段で判別するようにしている。そして、転写材について第1面の転写が行われる際の定電圧制御におけるバイアス電圧を環境に応じてそれぞれ適正な値に設定することができるようにしている。また、転写材の第2面について転写が行われる際には、通常の場合、第1面よりも第2面の転写時に転写材の抵抗が増加する事実を考慮して、第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出して第2面転写時のバイアス電圧を設定するようにしているので、転写材の第1面のみならず第2面についても、また、転写材の種類に依らずに、適切なバイアス電圧を設定して定電圧制御を行うことができ、転写効率の高いトナー像の転写を可能にすることができる。
【0076】
また請求項2記載の発明によれば、接触型転写バイアス印加手段によって、転写材が像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を電流値測定手段で求め、前記した時間帯に接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に所定の電流が流れるように定電流制御を行い、このときの印加される電圧をチェックして、接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を転写材未介在時環境判別手段で判別することにしている。そして、転写材について第1面の転写が行われる際の定電圧制御におけるバイアス電圧を環境に応じてそれぞれ適正な値に設定することができるようにしている。また、転写材の第2面について転写が行われる際には、通常の場合、第1面よりも第2面の転写時に転写材の抵抗が増加する事実を考慮して、第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、第2面画像転写手段が転写材にトナー像を転写する際の接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出して第2面転写時のバイアス電圧を設定するようにしているので、転写材の第1面のみならず第2面についても、また、転写材の種類に依らずに、適切なバイアス電圧を設定して定電圧制御を行うことができ、転写効率の高いトナー像の転写を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における画像形成装置の概略構成図である。
【図2】 本実施例の画像形成装置の回路構成の概要を示すブロック図である。
【図3】 本実施例で第1面の印字を行う際の装置各部の動作を示すタイミング図である。
【図4】 ROMに格納している電流値I1 とモニタ電流値をI0 との関係を表わした説明図である。
【図5】 本実施例の画像形成装置の第1面の印字の際の制御の様子を表わした流れ図である。
【図6】 図5におけるステップS106の制御を具体的に表わした流れ図である。
【図7】 各種の用紙に対する転写バイアスロールに印加するバイアス電圧と流れる電流の関係を表わした特性図である。
【図8】 用紙の第1面に続いて第2面の印字を行う際の制御の様子を表わした流れ図である。
【図9】 第1面印字時の転写電流と第2面印字時の転写電流の一般的な関係を表わした特性図である。
【図10】 用紙の印字率についてのバイアス電圧と電流の関係を表わした特性図である。
【図11】 本実施例で2つのバイアス電圧V3 、V2 の比を2.5以下とした根拠を示す特性図である。
【図12】 本発明の変形例における画像形成装置の転写バイアスロールの抵抗値とバイアス電圧の関係を示した特性図である。
【図13】 従来提案された画像形成装置の一例を表わした概略構成図である。
【図14】 転写材に対する転写電流値とトナー像の転写効率との関係を表わした特性図である。
【図15】 転写材の第1面転写時と第2面転写時の環境別の抵抗を表わした特性図である。
【図16】 転写材の第1面転写時と第2面転写時の環境別の印加電圧の最適値を表わした特性図である。
【符号の説明】
12…感光体ドラム、13…帯電ロール、15…転写バイアスロール、21…現像ロール、23…転写ニップ部、26…用紙、34…定着装置、41…排出トレイ、46…搬送方向切替部、101…高圧印加部、102…電流検出部、111…CPU、113…ROM、114…RAM
Claims (2)
- 静電潜像を保持するための像担持体と、
この像担持体に保持された静電潜像に対応したトナー像を形成する現像手段と、
前記像担持体と接触し所定のバイアス電圧を印加することでこれらの間を通過するシート状の転写材に前記トナー像を転写すると共に、弾性体で構成され、環境でその抵抗値が変化する接触型転写バイアス印加手段と、
前記転写材の第1面が前記像担持体側に向くようにして像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第1面に定電圧制御によってトナー像を転写する第1面画像転写手段と、
前記像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過した前記転写材を定着する定着手段と、
この定着手段で定着した前記転写材を必要に応じて表裏を逆にし前記像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第2面に定電圧制御によってトナー像を転写する第2面画像転写手段と、
前記接触型転写バイアス印加手段によって、前記転写材が前記像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を求める電流値測定手段と、
前記時間帯にこの電流値測定手段の測定した電流値I 0 を基にして、前記接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を判別する転写材未介在時環境判別手段と、
この転写材未介在時環境判別手段によって判別される環境のそれぞれに対応させて、前記接触型転写バイアス印加手段と前記像担持体との間に前記転写材が介在するようになった時点におけるこの接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に流れるべき電流値I 1 を読み出す環境別電流値読出手段と、
前記バイアス電圧V 0 、電流値I 0 および電流値I 1 を用いて、前記転写材に対する所望の第1面転写時バイアス電圧V 1 を算出する第1面転写時バイアス電圧算出手段と、
前記接触型転写バイアス印加手段と前記像担持体との間に前記転写材が介在するようになった時点で前記第1面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第1面転写時バイアス電圧を前記第1面画像転写手段が前記転写材にトナー像を転写する際の前記接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧として設定する第1面転写時バイアス電圧設定手段と、
この第1面転写時バイアス電圧設定手段によって設定された第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、前記第2面画像転写手段が前記転写材にトナー像を転写する際の前記接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出する第2面転写時バイアス電圧算出手段と、
前記第2面画像転写手段が前記転写材にトナー像を転写する際に第2面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第2面転写時バイアス電圧V 2 を設定する第2面転写時バイアス電圧設定手段
とを具備することを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像を保持するための像担持体と、
この像担持体に保持された静電潜像に対応したトナー像を形成する現像手段と、
前記像担持体と接触し所定のバイアス電圧を印加することでこれらの間を通過するシート状の転写材に前記トナー像を転写すると共に、弾性体で構成され、環境でその抵抗値が変化する接触型転写バイアス印加手段と、
前記転写材の第1面が前記像担持体側に向くようにして像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第1面に定電圧制御によってトナー像を転写する第1面画像転写手段と、
前記像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過した前記転写材を定着する定着手段と、
この定着手段で定着した前記転写材を必要に応じて表裏を逆にし前記像担持体と接触型転写バイアス印加手段の間を通過させてその第2面に定電圧制御によってトナー像を転写する第2面画像転写手段と、
前記接触型転写バイアス印加手段によって、前記転写材が前記像担持体の転写位置に到達する前の時間帯にバイアス電圧V 0 が与えられたときの電流値I 0 を求める電流値測定手段と、
前記時間帯に前記接触型転写バイアス印加手段と前記像担持体との間に所定の電流が流れるように定電流制御を行い、このときの印加される電圧をチェックして、前記接触型転写バイアス印加手段の置かれている環境を判別する転写材未介在時環境判別手段と、
この転写材未介在時環境判別手段によって判別される環境のそれぞれに対応させて、前記接触型転写バイアス印加手段と前記像担持体との間に前記転写材が介在するようになった時点におけるこの接触型転写バイアス印加手段と像担持体との間に流れるべき電流値I 1 を読み出す環境別電流値読出手段と、
前記バイアス電圧V 0 、電流値I 0 および電流値I 1 を用いて、前記転写材に対する所望の第1面転写時バイアス電圧V 1 を算出する第1面転写時バイアス電圧算出手段と、
前記接触型転写バイアス印加手段と前記像担持体との間に前記転写材が介在するようになった時点で前記第1面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第1面転写時バイアス電圧を前記第1面画像転写手段が前記転写材にトナー像を転写する際の前記接触型転写バイアス印加手段に印加するバイアス電圧として設定する第1面転写時バイアス電圧設定手段と、
この第1面転写時バイアス電圧設定手段によって設定された第1面のバイアス電圧に1以上の所定の係数を掛けて、前記第2面画像転写手段が前記転写材にトナー像を転写する際の前記接触型転写バイアス印加手段に印加する第2面転写時バイアス電圧V 2 を算出する第2面転写時バイアス電圧算出手段と、
前記第2面画像転写手段が前記転写材にトナー像を転写する際に第2面転写時バイアス電圧算出手段の算出した第2面転写時バイアス電圧V 2 を設定する第2面転写時バイアス電圧設定手段
とを具備することを特徴とする画像形成装置。
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