JP6679986B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、転写条件を調整するよう構成した画像形成装置としては、以下に例示するものが知られている。
例えば、特許文献1(特許第3981512号公報)には、電気的にフロートの状態で転写材の背面側に接触するローラと電気的に接地された状態で転写材の表面側に接触するローラからなるレジストローラ対に挟まれて搬送される転写材の背面側からトナー像の帯電電荷と逆極性の電荷を付与しながら転写材と像担持体との間の転写領域に流れる転写電流を定電流制御する第1の転写バイアス印加手段と、転写電流の値を第1の転写バイアス印加手段よりも小さく定電流制御する第2の転写バイアス印加手段と、レジストローラ対から転写材の後端部が抜け出るタイミングで、第1の転写バイアス印加手段から第2の転写バイアス印加手段に切り替える印加方式切替手段とを備えた画像形成装置が開示されている。特許文献1には、この画像形成装置によれば転写材後端部の転写画像上の白抜け発生を防止できることが示されている。
また、特許文献2(特開平10−111606号公報)には、転写材の電気抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、画像形成装置の少なくとも内部の環境条件を検出する環境条件検出手段と、抵抗値検出手段の検出結果に応じて転写材上への転写条件を制御する転写条件制御手段と、環境条件検出手段の検出結果に応じて転写材担持体の除電条件を制御する除電条件制御手段とを有する画像形成装置が開示されている。特許文献2には、除電条件制御手段による除電条件の制御結果又は環境条件検出手段による環境条件の検出結果の少なくとも一方を、転写条件制御手段による転写条件の制御にフィードバックさせることが示されている。
特許第3981512号公報 特開平10−111606号公報
この発明は、転写工程時における記録媒体の後端側での白抜け発生の抑制を、転写工程時における記録媒体の電気抵抗値を考慮しない場合に比べて、その白抜け以外の転写不良を誘発させることなく適切に行うことができる画像形成装置を提供するものである。
この発明(A1)の画像形成装置は、
トナー像を保持して回転する保持体と、
前記保持体にシート状の記録媒体を押し付けて通過させる押付部材と、
前記押付部材に前記保持体上のトナー像を前記記録媒体に転写させるための転写電流を供給する転写給電手段と、
前記記録媒体を挟んで前記保持体と前記押付部材との間の転写位置に導入するよう回転して送り出す送出ロール対と、
前記記録媒体が前記転写位置を通過しているときの、前記転写位置を通過している前記記録媒体の電気抵抗値を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出される前記通過している前記記録媒体の電気抵抗値に応じて、前記通過している前記記録媒体に対して前記転写給電手段から供給する転写電流の値を通過している間に下げる又は変更しないよう調整する調整手段であって、前記通過している記録媒体の後端が前記送出ロール対を抜け出た後に前記転写電流の値を下げる又は変更しないよう調整する調整手段と、
を備えているものである。
この発明(A2)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記調整手段は、前記検出手段で検出される電気抵抗値が予め設定する閾値を超えるときに前記転写電流の値を変更せず、かつ、前記検出手段で検出される電気抵抗値が前記閾値以下のときに前記転写電流の値を下げるものである。
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1又はA2の画像形成装置において、前記転写給電手段は、前記調整手段が前記転写電流の値を下げる場合、前記記録媒体の後端が前記送出ロール対を抜け出る時期よりも所定の時間だけ前の時期から当該転写電流を下げ始めて供給するものである。
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A1からA3のいずれかの画像形成装置において、画像形成装置内の湿度を計測する湿度計測手段を備え、
前記調整手段は、前記湿度計測手段で計測された湿度の値を加味して前記転写電流の値を下げる割合を調整するものである。
この発明(A5)の画像形成装置は、上記発明A1からA4のいずれかの画像形成装置において、前記記録媒体の坪量を選定する坪量選定手段を備え、
前記調整手段は、前記坪量選定手段で選定された記録媒体の坪量の値を加味して前記転写電流の値を下げる割合を調整するものである。
この発明(A6)の画像形成装置は、上記発明A1からA5のいずれかの画像形成装置において、前記検出手段は、前記転写給電手段から転写電流を供給しているときの出力電圧値及び出力電流値の計測情報を入手して前記記録媒体の電気抵抗値を検出するよう構成されているものである。
この発明(A7)の画像形成装置は、上記発明A1からA5のいずれかの画像形成装置において、前記転写位置を抜け出た後の前記記録媒体のトナー像非転写面を除電する除電手段と、前記除電手段に除電電圧を供給する除電給電手段とを備え、前記検出手段は、前記除電給電手段から除電電圧を供給しているときの出力電圧値及び出力電流値の計測情報を入手して前記記録媒体の電気抵抗値を検出するよう構成されているものである。
この発明(A8)の画像形成装置は、上記発明A1からA7のいずれかの画像形成装置において、前記検出手段は、前記記録媒体の先端側のトナー像が転写されていない部分が前記転写位置を通過しているときの電気抵抗値を検出するものである。
上記発明A1の画像形成装置によれば、転写工程時における記録媒体の後端側での白抜け発生の抑制を、転写工程時における記録媒体の電気抵抗値を考慮しない場合に比べて、その白抜け以外の転写不良を誘発させることなく適切に行うことができる。
上記発明A2の画像形成装置では、転写工程時の記録媒体の電気抵抗値が異なる場合であっても、上記発明A1による効果を確実に得ることができる。
上記発明A3の画像形成装置では、記録媒体の後端が送出ロール対を抜き出る時期に転写電流を変更して供給する場合に比べて、上記発明A1による効果を的確に得ることができる。
上記発明A4の画像形成装置では、調整手段が画像形成装置内の湿度の値を加味しない場合に比べて、上記発明A1による効果をより的確に得ることができる。
上記発明A5の画像形成装置では、調整手段が記録用紙の坪量の値を加味しない場合に比べて、上記発明A1による効果をより的確に得ることができる。
上記発明A6の画像形成装置では、転写工程時の記録媒体の電気抵抗値を簡便に検出して上記発明A1による効果を確実に得ることができる。
上記発明A7の画像形成装置では、転写工程時の記録媒体の電気抵抗値を簡便に検出して上記発明A1による効果を確実に得ることができる。
上記発明A8の画像形成装置では、転写工程時の記録媒体の電気抵抗値をトナーの介在による検出誤差の発生を回避して適正に検出したうえで上記発明A1による効果を的確に得ることができる。
実施の形態1等に係る画像形成装置の構成を示す説明図である。 図1の画像形成装置の要部(転写部分とその関連部分)を示すブロック図である。 図2の転写部分の主な動作内容を示すフローチャートである。 図3の電気抵抗値の検出工程の動作内容を示すフローチャートである。 図2の転写部分の主な動作内容を概念的に示す説明図である。 図2の転写部分の設定例を示す図表である。 図1の画像形成装置において吸湿していない用紙を用いた場合の転写電流と画質との関係を調べた結果を示す説明図である。 図1の画像形成装置において吸湿した用紙を用いた場合の転写電流と画質との関係を調べた結果を示す説明図である。 図1の画像形成装置において吸湿した用紙に対する転写工程時の転写出力電圧の状態を示す説明図である。 図1の画像形成装置において吸湿していない用紙に対する転写工程時の転写出力電圧の状態を示す説明図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の要部(転写部分とその関連部分)を示すブロック図である。 図11の転写部分の主な動作内容を示すフローチャートである。 図11の転写部分における転写電流値の下げる割合(補正係数)の設定例を概念的に示すものであって、(a)は絶対湿度の計測情報に基づく場合の補正係数の設定例を示す説明図であり、(b)は記録用紙の厚さの計測情報に基づく場合の補正係数の設定例を示す説明図である。 図11の転写部分における補正係数の設定例を示すものであって、(a)は絶対湿度の計測情報を加味したときの補正係数の設定例を示す図表であり、(b)は記録用紙の厚さの計測情報を加味したときの補正係数の設定例を示す図表である。 画像形成装置の要部(転写部分とその関連部分)に関する他の構成例を示すブロック図である。 図1の画像形成装置において一方又は双方のロールが導電性を有するロールで構成されたレジロール対を適用した場合に、吸湿した用紙に対する転写工程時の転写出力電圧の状態を示す説明図である。 図1の画像形成装置において一方又は双方のロールが導電性を有するロールで構成されたレジロール対を適用した場合に、吸湿していない用紙に対する転写工程時の転写出力電圧の状態を示す説明図である。 (a)は白抜けの発生要因を示す説明図及びその一部拡大図であり、(b)は白抜けが発生した状態例を示す説明図である。
以下、この発明を実施するための形態(以下「実施の形態」という)について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の内部の概要を示し、図2はその画像形成装置の要部(転写部分とその関連部分)を示している。
<画像形成装置の全体の構成>
画像形成装置1は、図1に示されるように、装置本体である筐体10の内部に、現像剤としてのトナーからなる像を形成して最終的にシート状の記録媒体の一例としての記録用紙9に転写する作像装置2、所要の記録用紙9を収容するとともに作像装置2の転写位置に搬送して供給する給紙装置3、記録用紙9に転写されたトナー像を定着する定着装置4等を備えている。図1等における符号11は、筐体10の上面部に設けられた、画像の形成が終了した後の記録用紙9が排出されて収容される収容部である。筐体10は、構造部材、外装材等の各種部材で構成されている。
作像装置2は、矢印Aで示す方向に回転駆動するドラム形態の感光体である感光ドラム21と、感光ドラム21の表面(像形成領域となる外周面部分)を所要の電位に帯電させる帯電装置22と、感光ドラム21の帯電後の表面に画像情報(信号)に基づく光(Bm)を照射して静電潜像を形成する露光装置23と、その感光ドラム21上の静電潜像を現像剤としてのトナーにより現像してトナー像にする現像装置24と、その感光ドラム21上のトナー像を記録用紙9に転写させる転写装置25と、転写位置を通過後の記録用紙9の裏面(トナー像非転写面)を除電する除電装置26と、感光ドラム21の転写後の表面に残留するトナー等の不要物を除去して清掃する清掃装置27とで主に構成されている。
このうち感光ドラム21は、例えば、円筒状の導電性基体の外周面に有機感光材料等からなる光誘電層を形成したものである。帯電装置22としては、感光ドラム21の表面に接触する接触部材(従動回転するロールなど)に図示しない帯電用電源から帯電電流等を供給して帯電を行う接触式の帯電装置を適用している。
露光装置23は、画像形成装置1に接続又は装備される原稿読取装置、外部接続機器、記憶媒体読取装置等の画像情報提供源から入力される画像情報を図示しない画像処理装置で所要の処理をした後に得られる画像信号に基づいた露光を行うものである。露光装置23としては、例えば、複数の発光ダイオードを感光ドラム21の回転軸の方向に沿うよう列状に配置してなる機器や、半導体レーザからの光を回転多面鏡等の複数種の光学部品を介して感光ドラム21の軸方向に沿って走査するよう露光させる走査型の機器が使用される。
現像装置24は、所要の現像剤を収容する筐体を有し、その筐体内の現像剤であるトナーを保持して感光ドラム21と所要の間隔をあけて向き合う現像域に搬送するよう回転駆動する現像ロールや、筐体内の現像剤を撹拌しながら現像ロールに供給するよう搬送する攪拌搬送部材や、現像ロールに保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材等を備えている。
転写装置25としては、感光ドラム21の表面に接触して転写工程時に記録用紙9をその感光ドラム21の表面に押し付けて通過させる押付部材(従動回転するロール、ブラシなど)250に転写電源28から転写電流等を供給して転写を行う接触式の転写装置を適用している。押付部材250としては、例えば、感光ドラム21の表面に接触して従動回転するロールを使用している。この押付部材250のロールは、導電性の回転軸251に半導電性の弾性層252を設けた構造のものであり、その回転軸251に転写電流が供給されるようになっている。
除電装置26は、転写位置を通過した直後の記録用紙9の裏面に接近した状態で配置される電極部材と、その電極部材を接地するか又は電極部材に所要の除電電圧を供給するよう構成されている。清掃装置27としては、感光ドラム21の表面に板状の清掃部材等を接触させる方式のものを適用している。
給紙装置3は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の記録用紙9を積載板32上に積み重ねた状態で収容する用紙収容体31と、その用紙収容体31に収容される記録用紙9を1枚ずつ送り出す送出装置33とを備えたものである。用紙収容体31は、筐体10に対して引き出した状態にできるよう取り付けられており、その利用する態様に応じて複数装備される。図1等における二点鎖線は、筐体10内における記録用紙9の主な用紙搬送路を示す。
定着装置4は、導入口及び排出口が設けられた筐体40の内部に、矢印で示す方向に回転駆動するとともに表面温度が図示しない加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト−パット形態等の加圧用回転体42等を備えたものである。この定着装置4は、加熱用回転体41と加圧用回転体42とが接触する接触部が、未定着のトナー像が転写された記録用紙9を通過させて所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部として構成されている。
また、画像形成装置1においては、給紙装置3の送出装置33と作像装置2の転写位置(感光ドラム21の転写装置25と対向する部位)との間に給紙搬送路が設けられており、また作像装置2の転写位置と定着装置4の転写処理部との間に中間搬送路が設けられており、さらに定着装置4の転写処理部と筐体10の収容部11との間に排紙搬送路が設けられている。
このうち給紙搬送路は、搬送ロール対34や図示しない複数の搬送案内部材で構成されている。搬送ロール対34は、回転停止した状態で給紙装置3から送り出された記録用紙9の先端9aの辺部を突き当てることにより記録用紙9全体の搬送時における傾き姿勢を矯正した後、転写タイミングに合わせて回転始動することにより記録用紙9を転写位置に導入するよう送り出す所謂レジロール(レジストロール)対として構成されている。中間搬送路は、図示しない複数の搬送案内部材で構成されている。排紙搬送路は、搬送ロール対35や図示しない複数の搬送案内部材で構成されている。搬送ロール対35は、定着後の記録用紙9を収容部11に送り出す排出ロールとして構成されている。
そして、画像形成装置1による画像形成は、次のようにして行われる。ここでは、記録用紙9の片面に画像を形成するときの基本的な画像形成動作を例にして説明する。
画像形成装置1は、画像形成動作の開始指令を受けると、作像装置2において、回転始動する感光ドラム21の表面が帯電装置22により所定の極性及び電位に帯電された後、その感光ドラム21の帯電した表面に露光装置23により画像情報に基づく露光が行われて所要のパターンからなる静電潜像が形成される。続いて、感光ドラム21に形成された静電潜像が、現像装置24を通過する際に供給される所要の極性(本例ではマイナス極性)に帯電されたトナーにより現像されて、トナー像として顕像化される。
しかる後、感光ドラム21上に形成されたトナー像は、感光ドラム21の回転により転写装置25と対向する転写位置まで搬送される。また、このタイミングに合わせて給紙装置3から給紙搬送路を通して記録用紙9が作像装置2の転写位置まで供給される。そして、感光ドラム21上のトナー像が、転写位置において転写装置25の転写作用により記録用紙9の片面に主に静電的に転写される。この際、転写装置25は、その押付部材250により記録用紙9を感光ドラム21の表面に押し付けて通過させるよう機能する。この転写後の感光ドラム21の表面は、清掃装置27により清掃される。
続いて、トナー像が転写された記録用紙9は、転写位置を通過した直後に除電装置26によりトナー像が転写されていない裏面(トナー像非転写面)が除電されることで感光ドラム21から円滑に剥離された後、中間搬送路を経由して定着装置4にむけて搬送される。次いで、記録用紙9は、定着装置4における加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の定着処理部に導入されて通過する際に定着処理されることにより、その記録用紙9の片面にあるトナー像のトナーが加圧下で溶融されることで定着される。この定着が終了した後の記録用紙9は、定着装置4から排出されて排紙搬送路を経由して搬送され、最後に筐体10の排出口から排出されて収容部11に収容される。
以上により、1枚の記録用紙9の片面に対して1色のトナーで構成される単色画像が形成され、基本的な画像形成動作が終了する。複数枚の画像形成動作を実行する指令が出された場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。
<転写部分及びその関連部分に関する詳細な構成>
次に、この画像形成装置1における転写装置25を中心とする転写部分及びその関連部分の構成について説明する。
画像形成装置1においては、図2に示されるように、記録用紙9が感光ドラム21の転写装置25対向する転写位置を通過しているときの電気抵抗値Rtを検出する検出手段5と、その検出手段5で検出される電気抵抗値Rtに応じて記録用紙9の搬送時の後端9bが給紙搬送路のレジロール対34を抜け出た後に転写電源28から供給する転写電流の値Itを下げる又は変更しないよう調整する調整手段6とが設けられている。
実施の形態1における検出手段5は、図2に示されるように、転写電源28から転写電流を供給しているときの出力電圧値及び出力電流値の計測情報を入手して記録用紙9の電気抵抗値Rtを検出するよう構成されている。このときの電気抵抗値Rtは、記録用紙9が転写位置を通過している転写工程時における電気抵抗値であり、厳密には転写装置25のロール250の抵抗値、記録用紙9自体の抵抗値、感光ドラム21の抵抗値を含めたシステム抵抗値になる。このため、この電気抵抗値Rtは、主に記録用紙9自体の吸湿状態によって変動する特性を示す。具体的には、電気抵抗値Rtは、記録用紙9が吸湿している度合が少ない場合(吸湿していない場合を含む)には相対的に大きな値になり、その吸湿している度合が多い場合には相対的に小さな値になる。
この検出手段5は、例えば転写電源28の給電動作を制御する駆動制御装置285の制御機能の一部として作動するよう構成したうえで、転写電源28に配置する電圧計281及び電流計282により計測される出力電圧値Vt及び出力電流値Itの情報を入出した後、その出力電圧値Vt及び出力電流値Itから電気抵抗値Rtを算出式(Rt=Vt/It)から算出することで検出するようになっている。ちなみに、実施の形態1における転写電源28は、定電流制御方式を採用している。
また、この電気抵抗値Rtの検出は、その検出した電気抵抗値Rtの情報の送信が調整手段6による調整動作に間に合うような時期に完了するよう構成されている。さらに、電気抵抗値Rtの検出は、記録用紙9の先端9a側のトナー像が転写されていない部分(先端余白部分)95の通過時における出力電圧値Vt及び出力電流値Itから電気抵抗値を検出するように構成するとよい。この場合は、トナーの介在による電気抵抗値Rtの検出誤差の発生を回避でき、電気抵抗値Rtをより精度よく検出することができる。
実施の形態1における調整手段6は、記録用紙9の搬送時の後端9bが給紙搬送路のレジロール対34を抜け出た後に転写電源28から供給する転写電流Itの値について、検出手段5で検出される電気抵抗値Rtが予め設定する閾値Rxを超えるときには変更しない一方で、その検出される電気抵抗値Rtが閾値Rx以下のときには下げるよう構成されている。閾値Rxについては、例えば、記録用紙9が吸湿している度合が少ない場合(吸湿していない場合を含む)であるか否かを判別できるような値に設定される。換言すれば、閾値Rxは、記録用紙9が吸湿している場合であり、しかも、かかる記録用紙の後端9bに転写工程時に白抜け(転写不良)が発生する可能性がある場合であるか否かを判別できるような値に設定される。
この調整手段6は、少なくとも転写電源28の駆動制御装置285の動作を制御する制御装置として構成されている。そして、調整手段6は、検出手段5である駆動制御装置285から検出した電気抵抗値Rtの情報を入手して、その電気抵抗値Rtが閾値Rxを超えるか否かを判定した後、その判定結果により転写電流値Itを下げるか又は変更しないことを決定し、その決定した情報を駆動制御装置285に制御情報の一部として送信するようになっている。転写電流値Itを下げる場合は、駆動制御装置285が転写電源28の電源回路における出力値を所定の割合(ΔI)だけ下げるよう構成されている。このような調整手段6は、単独の制御装置として構成することができるが、画像形成装置1の動作全体を制御する図示しない中央制御装置の制御機能の一部として作動させるように構成したものでもよい。
また、調整手段6は、記録用紙9の搬送時の後端9bが給紙搬送路のレジロール対34を抜け出た時点(Tx)の情報を、レジロール対34の回転動作(実際には駆動モータ37)を制御する駆動制御装置375から入手するよう構成されている。駆動制御装置375は、レジロール対34の駆動側のロールに回転動力を伝達する駆動モータ37の動作を制御するものであり、その駆動モータ37を駆動する際の駆動時間に関する制御情報や駆動時間の情報を調整手段6に送信するようになっている。
記録用紙9の後端9bがレジロール対34を抜け出た時点(Tx)については、例えば、駆動モータ37の駆動している経過時間を計測(計時)するタイマーの情報と、レジロール対34の搬送速度及び記録用紙9の搬送時の長さ寸法から算出される記録用紙9のレジロール対34の通過所要時間とで得られるようになっている。つまり、その通過所要時間が到達する時刻をタイマーの情報から検出することで抜け出た時点(Tx)がわかるようになっている。なお、この抜け出た時点(Tx)を検出する手段は、これに限定されず、例えば記録用紙の後端9bの抜け出しを直接検出できるメカ的なスイッチを設けて構成してもよい。
実施の形態1におけるレジロール対34は、図2に示されるように、駆動モータ37から回転動力が伝達されて回転駆動する回転軸341aとその回転軸341aの一部又は全部に設けられる非導電性の弾性層341bからなる駆動ロール341と、導電性の回転軸342aとその回転軸342aの周囲に設けられる非導電性の表面層342bからなる従動ロール342とで構成されている。ちなみに、このレジロール対34は、駆動ロール341の回転軸341aと従動ロール342の回転軸342aとの双方が他の主要な構成装置や部品の場合と同様に接地されている。
<転写部分の動作>
以下、画像形成装置1における転写装置25を中心とする転写部分の動作について説明する。
画像形成装置1では、前述したような画像形成動作が実行される場合、調整手段6において、図3に示されるようにレジロール対34が記録用紙9を転写位置に導入するよう送り出すために回転し始めることが確認されている(ステップ10:ST10)。このレジロール対34の回転始動が確認されると、レジロール対34の駆動制御装置375においてレジロール対34の回転駆動時間を計測するタイマーが始動し(ST11)、駆動制御装置285の制御により転写電源28が予め設定されている転写電流を転写装置25のロール250に供給し始める(ST12)。転写電流の供給は、図5に概念的に示すように、例えば、記録用紙9の先端9aがレジロール対34により送り出された時点(T0)から記録用紙9の先端9aが転写位置に到達する時点(Ts)までの間に開始される。
続いて、検出手段5でもある駆動制御装置285において、転写工程時の記録用紙9の電気抵抗値Rtが検出される(ST13)。このときの電気抵抗値Rtの検出は、図4に示されるように、駆動制御装置285が、転写電源28における電圧計281及び電流計282で計測される出力電圧値Vt及び出力電流値Itの情報を入手した後(ST30)、その出力電圧値Vt及び出力電流値Itに基づいて電気抵抗値Rtを算出式(Rt=Vt/It)から算出することで行われる(ST31)。検出された電気抵抗値Rtの情報は、調整手段6に送信される。
続いて、調整手段6において、検出手段5の駆動制御装置285で検出された電気抵抗値Rtが閾値Rxを超えているか否かが判別される(ST14)。
この際、電気抵抗値Rtが閾値Rxを超えていると判別された場合は、調整手段6が、その転写中の記録用紙9が吸湿度合の少ないもの(例えば吸湿していない用紙)とみなし、その記録用紙9の後端9bがレジロール対34を抜け出た後に転写電源28から供給する転写電流Itの値を変更しないという処理を行う(ST15)。
つまり、このときの転写電源28は、図5に概念的に示すように、その記録用紙9の先端9aが転写位置に導入されてからその後端9bがレジロール対34を抜け出るまでの時期(レジロール対34の抜け出し前)に供給していた転写電流(Ia)をそのまま継続して、転写装置25のロール250に供給することになる。
続いて、転写電源28では、このときの(吸湿していない)記録用紙9の後端9bが転写位置を通過したことが確認されると(ST16)、上記転写電流の供給を停止する(ST17)。これにより、このときの記録用紙9に対する転写工程が終了し、次の転写工程動作に備える。
この際、記録用紙の後端9bが転写位置を通過することは、例えば、レジロール対34が記録用紙9の送り出しのために回転始動してから、記録用紙9が転写位置を抜け出るまでに要する所要時間が経過する時点(Te)の情報から取得することができる。
一方、ステップ14(ST14)において電気抵抗値Rtが閾値Rxを超えていないと判別された場合は、調整手段6は、その転写中の記録用紙9が吸湿度合の多いもの(例えば吸湿した用紙)とみなし、その記録用紙9の後端9bがレジロール対34を抜け出た後に転写電源28から供給する転写電流の値Itを規定の割合で下げるという処理を行う(ST18)。このときに下げた転写電流値の情報は、転写電源28の駆動制御装置285に送信される。
この場合、調整手段6においては、レジロール対34の駆動制御装置375から送信されるタイマーの計測時間が記録用紙9の後端9bのレジロール対34を抜け出るために要する所要時間Tx以上になるか否かが確認される(ST19)。この際、そのタイマーの計測時間が所要時間Tx以上になったことが確認されると、先の下げた転写電流が転写電源28から供給され始める(ST20)。
つまり、このときの転写電源28は、図5に概念的に示すように、その記録用紙9の先端9aが転写位置に導入されてからその後端9bがレジロール対34を抜け出るまでの時期(レジロール対34の抜け出し前)に供給していた転写電流(Ib)を規定の割合(ΔI)で下げた値(Ic)にして、転写装置25のロール250に供給することになる。
ちなみに、この吸湿した記録用紙9に対してレジロール対34の抜け出し前に供給する転写電流(Ib)は、厳密には、後述するように画像形成装置1(筐体10)内における湿度の計測結果に基づいて補正されたものであり、上記吸湿していない記録用紙9に対してレジロール対34の抜け出し前に供給する転写電流(Ia)に比べて、所定の割合(α)だけ下げられた値になっている。ただし、この吸湿した記録用紙9に供給するレジロール対34の抜け出し前の転写電流(Ib)は、吸湿していない記録用紙9に供給する転写電流(Ia)と同じであっても構わない。
続いて、転写電源28では、その(吸湿した)記録用紙9の後端9bが転写位置を通過したことが確認されると(ST16)、その下げて調整した転写電流の供給を停止する(ST17)。これにより、当該記録用紙9に対する転写工程が終了し、次の転写工程に備える。
実施の形態1では、記録用紙9として普通紙(富士ゼロックス社製:商品名P紙、A4判サイズ、坪量64g/m2)を用いて画像形成装置1による画像形成動作を行った場合、転写電源28から転写装置25のロール250に供給する転写電流値について、例えば図6に例示するような値に設定(調整)するよう構成した。この設定例は、画像形成装置1の内部環境が温度21℃、絶対湿度2g/m3であるときのものであり、また転写電流の供給を20μAの定電流制御方式で行うときのものである。また参考までに、この記録用紙9の吸湿していないときの電気抵抗値Rn(転写工程時におけるシステム抵抗値)は70MΩであった。
この場合、記録用紙9の転写工程時における電気抵抗値Rtに対する閾値Rxについては、例えば60MΩとした。この閾値Rxは、周囲環境における絶対湿度が10g/m3であるときの上記普通紙のシステム抵抗値である。
そして、実施の形態1では、記録用紙9の転写工程時における電気抵抗値Rtが閾値Rxの60MΩを超える場合には、その記録用紙9が吸湿していない用紙であるとみなし、転写電源28から供給する適正な転写電流値について、レジロール対34の抜け出し後の電流値(Iag)をその抜け出し前の電流値(Iaf)から変更せずに同じ「20μA」とするよう設定した。
一方、記録用紙9の転写工程時における電気抵抗値Rtが閾値Rxの60MΩ以下である場合には、その記録用紙9が吸湿している用紙であるとみなし、転写電源28から供給する適正な転写電流値について、レジロール対34の抜け出し後の電流値(Ibg)を、その抜け出し前の電流値(Ibf)である「18μA」から規定の割合だけ下げた値である「13μA」に調整した。
これにより、記録用紙9として転写工程時の電気抵抗値Rtが相対的に高い用紙(実際には吸湿していない用紙)を用いて画像形成動作を行った場合と転写工程時の電気抵抗値Rtが相対的に低い用紙(実際には吸湿した用紙)を用いて画像形成動作を行った場合のいずれの場合も、その各転写工程時における記録用紙9の後端9b側での白抜けが発生することを抑制(又は防止)でき、しかも、その各転写工程時においていずれの記録用紙9の転写全面に対しても前記後端側での白抜け以外の転写不良が誘発されることも抑制(又は防止)できることが確認された。
ここで、上記転写工程時における記録用紙の後端9b側での白抜けとは、記録用紙9の転写工程時の電気抵抗値Rtが相対的に低い用紙である場合、図18に示されるように、その記録用紙9の後端9b側の部分に転写されるトナー像領域92において発生するトナー転写不良の現象である。つまり、白抜けが発生した場合、例えば記録用紙9の後端9b側の部分に転写されるトナー像領域92の画像濃度が、記録用紙9の先端9a側の部分(後端9b側の部分を除く部分)に転写されるトナー像領域91の画像濃度に比べて、その転写不良の度合に応じて薄くなり画質不良になる。
このような白抜けは、次のメカニズムで発生するものと考えられる。
すなわち、記録用紙9の後端9bがレジロール対34から抜出るタイミングで記録用紙9の転写位置(感光ドラム21と転写装置25のロール250とが圧接する部位)における搬送速度の低下が起こると、図18に示されるように、転写位置から搬送方向Cの後方側にある記録用紙9の部分が本来の搬送方向Cとは逆の方向Sに微妙に変位するかのようなスリップ現象が発生する。そして、このスリップ現象の発生に伴い、転写装置25(ロール250の弾性層252)側に転写電流の供給により存在するプラス極性の電荷(+E)が、低抵抗化した記録用紙9を通じて感光ドラム21上の正規極性(マイナス極性)に帯電しているトナーT1の表面に転移して、一部のトナーT2が逆極性化されてしまう(プラス極性になる)。この結果、その逆極性化したトナーT2が、転写位置で記録用紙9側に静電的に移行して転写されず、感光ドラム21の表面に残留するよう保持されることで発生するものと考えられる。
また、上記転写位置における記録用紙9の搬送速度の低下は、レジロール対34の搬送速度(送出速度)が転写位置での搬送速度に比べて相対的に少し速くなるよう設定されているために発生する。
つまり、そのレジロール対34に挟まれて送り出されているときの記録用紙9は、上記搬送速度の差により、レジロール対34から転写位置に導入されるまでの間に少し湾曲した形状になって搬送されるが、その記録用紙の後端9bがレジロール対34から抜け出た後は、レジロール対34による搬送力が無くなってその湾曲した形状が維持されず消失する。この結果、そのときの記録用紙9の転写位置よりも後方の部分(後端9bを含む部分)が、瞬間的に搬送方向Cとは逆の方向Sに変位するような挙動を示し、これが搬送速度の低下として認識される。
一方、上記転写工程時における記録用紙9の転写全面における後端側での白抜け以外の転写不良とは、例えば、トナー飛び散り、連鎖状白抜け等である。
このうちトナー飛び散りは、記録用紙9の転写面に転写されるトナー像を構成するトナーの記録用紙9との静電的な保持力が弱く、そのトナーの一部がトナー像の周囲に飛び散って転写像が乱れる現象である。
このトナー飛び散りは、転写電源28から実際に供給される転写電流の値が本来の適正な転写電流値に比べて小さい場合に、その転写電流の供給により記録用紙9の裏面(トナー像非転写面)に転写されたトナーを保持するための電荷(本例ではプラス電荷)が十分に蓄えられないために発生するものと考えられる。ちなみに、吸湿した記録用紙9の場合は、電気抵抗値Rtの低抵抗化によりプラス電荷が感光ドラム21側に近づき吸湿していない記録用紙9に比べて転写電流による静電的な作用が相対的に強まることになるため、トナー飛び散りが発生しにくい傾向にある。
また、連鎖状白抜けは、転写位置の導入直前位置における記録用紙9と感光ドラム21との間の微小な隙間でギャップ放電により発生する、0.5mm〜1.0mm程度の長さに連なった鎖状のように視認されるトナー転写不良の現象である。この連鎖状白抜けは、転写電源28から実際に供給される転写電流の値が本来の適正な転写電流値に比べて大きい場合に発生しやすい現象である。
また、実施の形態1では、転写電流と画質(後端側白抜け、トナー飛び散り及び連鎖状白抜けの発生の有無)との関係について調べたところ、図7及び図8に示すような結果が得られた。このときの関係は、記録用紙9がレジロール対34の抜け出し前及び後において、後端側白抜け、トナー飛び散り及び連鎖状白抜けが発生しないときの適正な転写電流の範囲を調べることで得られた結果である。
図7は、転写工程時の電気抵抗値Rtが閾値Rxよりも高い記録用紙9(吸湿していない用紙)の場合における転写電流と画質との関係を示している。具体的には、図7において転写電流が相対的に小さくなる側に存在する点線は、転写電流が小さくなるにつれてトナー飛び散りが発生しやくなることを示しており、また図7において転写電流が相対的に大きくなる側に存在する実線は、転写電流が大きくなるにつれて連鎖状白抜けが発生しやすくなることを示している。
この場合は、記録用紙9が吸湿した記録用紙の場合(図8)のように電気抵抗値Rtが低くなって低抵抗化していないため、転写電流によるプラス極性の電荷が記録用紙9の転写面に転移して一部のトナーが逆極性化されるおそれがなくなり、記録用紙9がレジロール対34を抜け出た後の後端白抜けが発生しない。そして、転写電流が相対的に小さくなる側のトナー飛び散りの発生度合を示す点線ラインと、転写電流が相対的に大きくなる側の連鎖状白抜けの発生度合を示す実線ラインとは、図7に示されるようにレジロール対34の抜き出し前と後でほぼ同じ状態であるため、この吸湿していない記録用紙9に対しては、レジロール対34の抜け出し前の適正な転写電流範囲(その中心値Iaf)とレジロール対34の抜け出し後の適正な転写電流範囲(その中心値Iag)とが、画質の許容レベルを基準にして対比するとほぼ同じ範囲(値)になることが判明した。
このことから、吸湿していない記録用紙9の転写工程時には、その転写電流を用紙後端9bのレジロール対34の抜け出し前後において変更する必要がないことがわかる。
図8は、転写工程時の電気抵抗値Rtが閾値Rxよりも低い記録用紙9(吸湿した用紙)の場合における転写電流と画質との関係を示している。また図8における点線及び実線は、前述した図7における点線及び実線の場合と同様の内容を示している。
この場合は、記録用紙9が吸湿しているので電気抵抗値Rtが低くなって低抵抗化しているため、前述したようにその記録用紙9がレジロール対34を抜け出た後に後端白抜けが発生するようになる。このため、転写電流が相対的に大きくなる側でレジロール対34の抜き出し後における画質の状態を示す細めの実線は、その抜け出し前の連鎖状白抜けの発生度合を示す太めの実線とは異なり、後端白抜けの発生度合を示すラインとなる。このときの後端白抜けの発生度合を示す細めの点線ラインは、連鎖状白抜けの発生度合を示す太めの実線ラインよりも転写電流が小さくなる側にシフトする。またこのとき、レジロール対34の抜け出し後におけるトナー飛び散りの発生度合を示す細めの点線ラインも、その抜け出し前におけるトナー飛び散りの発生度合を示す太めの点線ラインよりも転写電流が小さくなる側に少しシフトする。これにより、吸湿した記録用紙9に対しては、レジロール対34の抜け出し後の適正な転写電流範囲(その中心値Ibg)が、レジロール対34の抜け出し前の適正な転写電流範囲(その中心値Ibf)に比べて狭くなって、全体として相対的に小さい値になる範囲に片寄った結果になることが判明した。
このことから、吸湿した記録用紙9の転写工程時には、白抜けの発生を回避する観点からすると、その転写電流値(その中心値Ibg)を用紙後端9bのレジロール対34の抜け出し後に、その抜け出し前の転写電流値(その中心値Ibf)よりも下げる方向に変更することが必要であることがわかる。
ここで、仮に吸湿していない記録用紙9の転写工程時において、その記録用紙9の後端9bがレジロール対34を抜け出した後の適正な転写電流値(その中心値Iag)をその抜け出し前の適正な転写電流値(その中心値Iaf)から下げた値(例えば吸湿した記録用紙9の抜け出し前の適正な転写電流値Ibg)に変更した場合は、図7に示すように、その記録用紙9の転写全面においてトナーの飛び散りが許容できないレベルで発生してしまうことがわかる。
<実施の形態1の変形例>
実施の形態1における転写電源28については、電気抵抗値Rtが閾値Rxよりも低い記録用紙9(吸湿した用紙)に対する転写工程時に調整手段6が転写電流の値を下げる調整を行う場合、図5に二点鎖線等で示すように、その記録用紙9の後端がレジロール対34を抜け出る時期(Tx)よりも所定の時間だけ前の時期(Tm<Tx)から転写電流を下げ始めて供給するように構成してもよい。
このときの時期Tmを決める上記所定の時間は、記録用紙9の後端がレジロール対34を抜け出る時点(Tx)において転写電流が実際に下げた値で正確に供給されるために必要な時間に設定される。例えば、数十ms(ミリ秒)程度に設定される。
このように構成した場合は、記録用紙の後端9bがレジロール対34を抜け出る時点(Tx)において転写電流が遅延要因(動作バラツキなど)に関係なく実際に下げた値で正確に供給されるようになり、特に記録用紙の後端9bでの白抜けの発生が的確に抑制される。
また、図9は、実施の形態1に係る画像形成装置1において吸湿した記録用紙9による転写工程を実行した際、定電流制御方式(20μA)の転写電源28からレジロール対34の抜け出し前の適正な転写電流を供給したときの転写電源28での出力電圧の状態を調べた結果を示すものである。図10は、図9の場合とほぼ同様に、吸湿していない記録用紙9による転写工程を実行した際、レジロール対34の抜け出し前の適正な転写電流を供給したときの転写電源28での出力電圧の状態を調べた結果を示すものである。
この図9及び図10に示す結果から、各記録用紙9が転写位置を通過中における各出力電圧値(Vt)は吸湿していない記録用紙9の場合の方が吸湿した記録用紙9の場合よりも大きな値になることがわかる。例えば、吸湿していない記録用紙9の場合の出力電圧値(Vt)は1400Vであるのに対し、吸湿した記録用紙9の場合の出力電圧値(Vt)は980Vになる。
しかし、このとき各記録用紙9が転写位置を通過する前(通過直前)における各出力電圧値(Vs)も、各記録用紙で異なることがわかる。図示の例では、吸湿していない記録用紙9の場合における通過直前の出力電圧値の方が、吸湿した記録用紙9の場合における出力電圧値よりも大きな値になっている。例えば、吸湿していない記録用紙9の場合の出力電圧値(Vs)は800Vであるのに対し、吸湿した記録用紙9の場合の出力電圧値(Vs)は740Vになる。このことは、各記録用紙9が転写位置を通過する直前におけるシステム抵抗値(記録用紙9を除く)が異なっていることを意味する。上記例の場合、吸湿していない記録用紙9の通過直前におけるシステム抵抗値Rfは40MΩ(=800V/20μA)となり、吸湿した記録用紙9の通過直前におけるシステム抵抗値Rfは37MΩ(=740V/20μA)となる
そこで、画像形成装置1の転写部分においては、検出手段5の駆動制御装置285による転写工程時の記録用紙9の電気抵抗値Rtを検出(算出)する際、その各記録用紙9が転写位置をそれぞれ通過する直前におけるシステム抵抗値(記録用紙9を除いたときのシステム抵抗値)Rfを差し引きして算出するように構成してもよい。このように構成した場合には、そのシステム抵抗値Rtの吸湿度合による影響を取り除いて記録用紙9だけの純粋な電気抵抗値の吸湿度合による影響(抵抗値の変化)のみを抽出することができるので、転写工程時の記録用紙9の電気抵抗値Rtをより高精度に検出することが可能になり、ひいては調整手段6による調整も的確に行うことができる。
ちなみに、図9及び図10では、転写電流を供給する時点(T0)より前や転写電流の供給を終了した後に、マイナス極性の電圧(−Vm)が供給されている構成が示されている。この電圧(−Vm)は、転写装置25の接触部材であるロール250の表面に付着するトナー等の不要物を静電的に剥落しやすくして除去するために供給されるクリーニング用電圧である。このクリーニング用電圧(−Vm)を記録用紙9が転写位置に導入される直前の時期や通過した後の時期に供給することにより、転写装置25の接触部材であるロール250の表面が汚れることを抑制できる。
この場合のシステム抵抗値Rfを差し引きすることによる電気抵抗値Rtの算出例について、以下に例示する。
すなわち、吸湿していない記録用紙9の場合、その記録用紙9だけの電気抵抗値は30MΩ[=(1400V/20μA)−(800V/20μA)]となる。一方、吸湿している記録用紙9の場合、その記録用紙9だけの電気抵抗値は12MΩ[=(980V/20μA)−(740V/20μA)]となる。この場合、閾値Rxについては例えば22MΩ(=60MΩ−38MΩ)と設定すればよい。このときの「38MΩ」は、閾値Rxに対応する吸湿条件での記録用紙9が転写位置を通過する直前におけるシステム抵抗値Rf(用紙通過直前の閾値に対応する抵抗値)を示している。このように記録用紙9の転写工程時における電気抵抗値の実態を、システム抵抗値を構成する記録用紙9以外の要素の影響を排除して、その記録用紙9のみの要素による結果だけで比較できるようになる。
[実施の形態2]
図11は、実施の形態2に係る画像形成装置1の要部(転写部分とその関連部分)を示すものである。
実施の形態2に係る画像形成装置1の要部は、図11に示されるように画像形成装置1(の筐体10)内の湿度を計測する湿度計測手段7と記録用紙9の坪量を選定する坪量選定手段8の一方又は双方を追加して設けるとともに、図12に示されるように調整手段6において湿度計測手段7で計測された湿度の値と坪量選定手段8で選定された記録用紙9の坪量の値の一方又は双方を加味して転写電流の値を下げる割合を調整するよう追加して構成した以外は、実施の形態1に係る画像形成装置1の要部の場合と同じ構成からなるものである。ちなみに、実施の形態2においても、前述した実施の形態1の変形例で挙げた構成を採用することが可能である。
上記湿度計測手段7としては、絶対湿度を計測できる機器を適用することも可能であるが、例えば、画像形成装置1の筐体10の内部における温度及び相対湿度を計測するために既に設置されている温度測定器及び相対湿度測定からの温度及び相対湿度の情報を入手し、その情報を換算式に当てはめて絶対湿度を算出する手段として構成したものを適用するとよい。
また、上記坪量選定手段8としては、例えば、画像形成装置1の使用者が画像形成に使う記録用紙9の坪量に関する情報を画像形成装置1の図示しない操作パネル等から入力又は選択することができる手段が適用される。
この湿度計測手段7と坪量選定手段8は、調整手段6に直接又は間接的に接続されており、その各検出した情報が調整手段6に送信されるようになっている。
図12は、この画像形成装置1における転写装置25を中心とする転写部分の動作例を示している。
すなわち、この転写部分の動作は、基本的に実施の形態1における転写部分の動作例(図3)と同じである。このため、図12では、実施の形態1における転写部分の動作工程(ステップ)と共通する動作工程については同じステップ番号(ST10〜ST20)を付し、追加された動作工程については異なる新たなステップ番号(ST40〜ST42)を付している。
したがって、実施の形態2における転写部分では、まずステップ12(ST12)に続いて湿度計測手段7による湿度の計測が行われる(ST40)。ステップ40では、湿度の計測に代えて又はそれと併せて、坪量選定手段8で選定された記録用紙9の坪量の確認を行うよう構成してもよい。この湿度計測手段7による湿度の計測や坪量選定手段8で選定された記録用紙9の坪量の確認は、画像形成装置1による画像形成動作の開始指令を受信した後の時期に実行されるように構成しても構わない。
続いて、ステップ14(ST14)において転写工程時の記録用紙9の電気抵抗値Rtが閾値Rxを超えていないと判別された場合は、調整手段6は、湿度計測手段7による湿度情報に基づいて転写電流の値(正確には定電流制御における基準の転写電流値)を転写効率が維持されるよう補正する(ST41)。このときの補正は、例えば、実施の形態1において図5で概念的に例示したように、定電流制御における転写電流値について初期の転写電流値Iaからαだけ下げた転写電流値Ibに変更するものである。また、図6に示した具体例では、初期の転写電流値Iaの20μAを、18μAの転写電流値Ibに補正している。
続いて、調整手段6は、記録用紙9の後端9bがレジロール対34を抜け出た後に転写電源28から供給する転写電流の値(実際にはステップ14で補正した後の転写電流値)Itについて湿度の情報を加味した割合で下げるという処理を行う(ST42)。また、ステップ42では、湿度の情報に代えて又はそれと併せて、記録用紙9の坪量の情報を加味した割合で下げる処理を行うように構成してもよい。
この際、各情報を加味した割合は、例えば、規定の割合に予め設定する所定の補正係数を掛けあわせた割合にする。この場合、その補正係数については、例えば、図13に例示するような値に設定することができる。
つまり、湿度の情報を加味する場合の補正係数については、図13(a)に示すように、湿度が相対的に高い場合と湿度が相対的に低い場合のいずれの場合も、記録用紙9の電気抵抗値Rtが閾値Rx未満になって低い値になるにつれて補正係数の倍率を徐々に小さくするよう設定すればよいが、その湿度が相対的に高い場合には湿度が相対的に低い場合に比べてその倍率を更に小さい値になるよう設定するとよい。これは、湿度が相対的に高くなると、転写電流によるプラス極性の電荷が高湿の環境により記録用紙9を通して感光ドラム21上のトナー像に転移しやすくなって逆極性化されるトナーが増える傾向にあるという影響を受けて用紙後端9b側での白抜けが発生しやすくなるので、転写電流の下げる割合をより増やす必要があるためである。
一方、坪量の情報を加味する場合の補正係数については、図13(b)に示すように、坪量が相対的に大きい場合と坪量が相対的に小さい場合のいずれの場合も、記録用紙9の電気抵抗値Rtが閾値Rx未満になって低い値になるにつれて補正係数の倍率を徐々に小さくするよう設定すればよいが、その坪量が相対的に大きい場合には坪量が相対的に小さい場合に比べてその倍率を更に小さい値になるよう設定するとよい。これは、坪量が相対的に大きくなると、その坪量の記録用紙9がレジロール対34を抜け出た後の転写位置での用紙搬送のための負荷が大きくなるため前述のスリップ現象が増加するという影響を受けて用紙後端9b側での白抜けが発生しやくなるので、転写電流の下げる割合をより増やす必要があるためである。
この実施の形態2における転写部分で転写工程を実行することにより、記録用紙9として転写工程時の電気抵抗値Rtが相対的に高い用紙(実際には吸湿していない用紙)を用いて画像形成動作を行った場合と転写工程時の電気抵抗値Rtが相対的に低い用紙(実際には吸湿した用紙)を用いて画像形成動作を行った場合のいずれの場合であっても、記録用紙9の電気抵抗値Rtの高低に影響を与える湿度情報や坪量情報を加味した判断及び調整が加わるため、その転写工程時に記録用紙9の後端9b側での白抜けの発生をより的確に抑制(又は防止)でき、しかも、この際、その後端白抜け以外のトナー飛び散り、連鎖状白抜け等に代表される転写不良の誘発も確実に抑制(又は防止)できる。
実施の形態2では、記録用紙9として実施の形態1の場合と同様の普通紙を用いて画像形成装置1による画像形成動作を行う場合、調整手段6により転写電流値Itを下げる場合における補正係数について、図14に例示するような値に設定するよう構成した。
この設定例では、転写工程時における記録用紙9の電気抵抗値Rtを高、中、小の3レベルに分けて設定するようにした。この場合、高レベルの電気抵抗値Rtは例えば60MΩを超える場合とし、中レベルの電気抵抗値Rtは例えば60MΩ以下で45MΩを超える場合とし、小レベルの電気抵抗値Rtは例えば45MΩ以下である場合とした。
また、絶対湿度についても低、中、高の3つのレベルに分けて設定するようにした。この場合、低レベルの絶対湿度は例えば6g/m3未満である場合とし、中レベルの絶対湿度は例えば6g/m3以上で14g/m3未満である場合とし、高レベルの絶対湿度は例えば14g/m3以上である場合とした。
さらに、記録用紙9の坪量についても小、中、大の3つのレベルに分けて設定するようにした。この場合、小レベルの坪量は例えば64g/m2未満である場合とし、中レベルの坪量は例えば64g/m2以上で106g/m2未満である場合とし、大レベルの坪量は例えば106g/m2以上である場合とした。
[他の実施の形態]
実施の形態1,2では、転写工程時における記録用紙9の電気抵抗値Rtを検出する検出手段5として、転写電源28から転写電流を供給しているときの出力電圧値及び出力電流値の計測情報に基づいて検出する構成例を示したが、検出手段5としては他の構成からなるものを適用してもよい。
他の検出手段5としては、例えば図15に示すように、画像形成装置1が除電装置26の電極部材260に除電電圧を供給する除電電源29を備えている場合、その除電電源29から除電電圧を供給しているときの出力電圧値及び出力電流の値の計測情報を入手して上記電気抵抗値Rtを検出するよう構成した検出手段を適用することができる。
この検出手段5は、例えば除電電源29の給電動作を制御する駆動制御装置295の制御機能の一部として作動するよう構成したうえで、除電電源29に配置する電圧計291及び電流計292により計測される出力電圧値Vj及び出力電流値Ijの情報を入出した後、その出力電圧値Vj及び出力電流値Ijから電気抵抗値Rtを算出式(Rt=Vj/Ij)から算出することで検出するよう構成される。この場合、除電電源29は、定電圧制御方式が採用される。
なお、この検出手段5を適用した場合における電気抵抗値Rtの閾値Rxについては、実施の形態1における閾値Rxと同じ値にする場合、変更した値にする場合のいずれであってよい。
また、実施の形態1,2では、画像形成装置1におけるレジロール対34として駆動ロール341と従動ロール342の双方が非導電性の弾性層341b、表面層342bを設けて全体として非導電性のレジロール対としたものを適用した場合を示したが、レジロール対34としては、その非導電性のレジロール対に代えて、駆動ロール341と従動ロール342の一方又は双方が導電性を有するロールで構成されたレジロール対34を適用することもできる。導電性を有するロールとしては、例えば、導電性の回転軸と導電性の弾性層からなる多層構造のロールや、ロール全体が導電性の金属で構成された1層構造のロール(金属ロール)が使用される。
この一方又は双方のロールが導電性を有するロールで構成されたレジロール対34を適用した画像形成装置1において、その転写電源28での出力電圧の状態を調べたところ、以下に示す結果が得られた。
図16は、吸湿した記録用紙9による転写工程を実行した場合、転写電源28からレジロール対34の抜け出し前の適正な転写電流を供給したときの転写電源28での出力電圧の状態を調べた結果(特に太線で示す部分)を示すものである。図17は、吸湿していない記録用紙9による転写工程を実行した場合、レジロール対34の抜け出し前の適正な転写電流を供給したときの転写電源28での出力電圧の状態を調べた結果(特に太線で示す部分)を示すものである。図16及び図17において二点鎖線で示す曲線は、実施の形態1,2における非導電性のレジロール対34を用いた場合の結果(図9及び図10のデータ線)になる。
図16に示す結果から、吸湿した記録用紙9が転写位置を通過する場合は、定電流制御方式の転写電源28における出力電圧が、その記録用紙の後端9bがレジロール対34を抜け出す時点(Tx)よりも前の段階では、非導電性のレジロール対34を適用したときの出力電圧(二点鎖線の部分)Vtよりも低い電圧値(Vt´)になることがわかる。これは、吸湿した記録用紙9が転写位置とレジロール対34の間に跨っているときに、転写電流の一部が電気抵抗値Rtの比較的低い吸湿した記録用紙9を通してレジロール対34を構成する導電性を有するロール(ロール341,342の一方又は双方)に流れて漏れ出てしまうためと考えられる。
その一方で、このときの転写電源28における出力電圧は、吸湿した記録用紙9の後端9bがレジロール対34を抜け出した後の段階になると、非導電性のレジロール対34を適用したときの出力電圧(二点鎖線の部分)Vtの近くまで高くなる(戻る)ことがわかる。これは、吸湿した記録用紙9がレジロール対34から離れた状態になって上記転写電流の一部が漏れ出るという現象が発生しなくなるためと推測される。
そこで、一方又は双方のロールが導電性を有するロールで構成されたレジロール対34を適用した画像形成装置1の転写部分(駆動制御部285など)においては、この出力電圧の変動を考慮し、吸湿した記録用紙9の転写工程時に供給する転写電流の値(レジロール対34の抜け出し前に供給する電流値)について、非導電性のレジロール対34を適用したときの適切な転写電流値よりも高めの値に設定するよう構成するとよい。このように構成した場合は、吸湿した記録用紙9の後端9bがレジロール対34を通過する前の段階においても良好な転写効率を確保することができる。
また、このように構成した場合には、吸湿した記録用紙9の後端9bがレジロール対34を抜け出した後の段階での出力電圧が、非導電性のレジロール対34を適用したときの出力電圧Vtよりも大きい値になる。このため、調整手段6によりレジロール対34の抜け出し後の転写電流値を下げる割合を、非導電性のレジロール対34を適用したときの下げる割合よりも大きくするよう構成する必要がある。つまり、その下げる割合は、そのときの転写電流値が白抜けの発生を抑制することが可能な転写電流値になる割合に設定すればよい。
これに対し、図17に示す結果から、吸湿していない記録用紙9が転写位置を通過する場合には、定電流制御方式の転写電源28における出力電圧は、記録用紙の後端9bがレジロール対34を抜け出す前後において、吸湿した記録用紙9の転写工程時のように大きく変動すること(図16)がないことがわかる。つまり、このときの出力電圧は、記録用紙の後端9bがレジロール対34を抜け出す前後にかかわらず、非導電性のレジロール対34を適用したときの出力電圧(二点鎖線の部分)Vtとほぼ同じ電圧値で推移する。
このため、一方又は双方のロールが導電性を有するロールで構成されたレジロール対34を適用した画像形成装置1の転写部分(駆動制御部285など)においては、吸湿していない記録用紙9の転写工程時に供給する転写電流の値について、レジロール対34を抜け出す前後に関係なく、非導電性のレジロール対34を適用したときの適切な転写電流値とほぼ同じ値に設定すればよい。
実施の形態1、2等では、転写装置25として、転写電源28からの転写電流を供給する対象物(記録用紙9を感光ドラム21に押し付ける押付部材)が従動回転するロール250である場合を例示したが、その転写装置25の押圧部材としては、例えば、固定設置される弾性板や、支持ロールに支持されて回転するベルト部材などを適用してもよい。
また、実施の形態1、2等では、転写装置25として、感光ドラム21上のトナー像を記録用紙9に転写する形態の構成例を示したが、必要であれば、転写装置については、例えば、ベルト状等の中間転写体上のトナー像を記録用紙9に転写する所謂二次転写装置であっても構わない。
この他、この発明を適用する画像形成装置1については、異なる色のトナー像から構成される多色画像を形成する画像形成装置であってもよい。
1 …画像形成装置
5 …検出手段
6 …調整手段
7 …湿度計測手段
8 …厚さ選定手段
9 …記録用紙(シート状の記録媒体の一例)
9b…後端
21…感光ドラム(保持体の一例)
25…転写装置
26…除電装置
28…転写電源(転写給電手段の一例)
29…除電電源(除電給電手段の一例)
34…レジロール対(送出ロール対の一例)
250…ロール(押付部材の一例)
260…電極部材(除電手段の一例)
Rt…電気抵抗値
Rx…閾値
Tx…レジロール対を抜け出る時点
Tm…Txよりも所定の時間だけ前の時点
ΔI…下げる割合
Vt,Vj…出力電圧値
It,Ij…出力電流値

Claims (8)

  1. トナー像を保持して回転する保持体と、
    前記保持体にシート状の記録媒体を押し付けて通過させる押付部材と、
    前記押付部材に前記保持体上のトナー像を前記記録媒体に転写させるための転写電流を供給する転写給電手段と、
    前記記録媒体を挟んで前記保持体と前記押付部材との間の転写位置に導入するよう回転して送り出す送出ロール対と、
    前記記録媒体が前記転写位置を通過しているときの、前記転写位置を通過している前記記録媒体の電気抵抗値を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出される前記通過している前記記録媒体の電気抵抗値に応じて、前記通過している前記記録媒体に対して前記転写給電手段から供給する転写電流の値を通過している間に下げる又は変更しないよう調整する調整手段であって、前記通過している記録媒体の後端が前記送出ロール対を抜け出た後に前記転写電流の値を下げる又は変更しないよう調整する調整手段と、
    を備えている画像形成装置。
  2. 前記調整手段は、前記検出手段で検出される電気抵抗値が予め設定する閾値を超えるときに前記転写電流の値を変更せず、かつ、前記検出手段で検出される電気抵抗値が前記閾値以下のときに前記転写電流の値を下げる請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記転写給電手段は、前記調整手段が前記転写電流の値を下げる場合、前記記録媒体の後端が前記送出ロール対を抜け出る時期よりも所定の時間だけ前の時期から当該転写電流を下げ始めて供給する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 画像形成装置内の湿度を計測する湿度計測手段を備え、
    前記調整手段は、前記湿度計測手段で計測された湿度の値を加味して前記転写電流の値を下げる割合を調整する請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記記録媒体の坪量を選定する坪量選定手段を備え、
    前記調整手段は、前記坪量選定手段で選定された記録媒体の坪量の値を加味して前記転写電流の値を下げる割合を調整する請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記検出手段は、前記転写給電手段から転写電流を供給しているときの出力電圧値及び出力電流値の計測情報を入手して前記記録媒体の電気抵抗値を検出するよう構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記転写位置を抜け出た後の前記記録媒体のトナー像非転写面を除電する除電手段と、前記除電手段に除電電圧を供給する除電給電手段とを備え、
    前記検出手段は、前記除電給電手段から除電電圧を供給しているときの出力電圧値及び出力電流値の計測情報を入手して前記記録媒体の電気抵抗値を検出するよう構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記検出手段は、前記記録媒体の先端側のトナー像が転写されていない部分が前記転写位置を通過しているときの電気抵抗値を検出する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
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