JP3869165B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置にかかり、特には、露光量の異なる画像を合成し、ダイナミックレンジ拡大を図るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像装置の一例であるビデオカメラのダイナミックレンジ拡大では、第1の露光信号、例えば長時間露光信号(以下、long信号という)及び第2の露光信号、例えば短時間露光信号(以下、short信号という)の2つの信号を合成して見かけ上のダイナミックレンジを拡大することが行われている。ところが、long信号の露光時間とshort信号の露光時間との比率が、例えば16倍というように大きい場合には、中間階調を確保しにくくなるため、実用的には、例えば4倍程度の低倍率が要求されることになる。そして、このような低倍率の要求に応えるためには、short信号を長時間化しなければならず、short信号はCCDの垂直ブランキング期間以上の時間を必要とすることになってしまう。そこで、従来においては、これらの必要性に対応し得る撮像装置として、例えば特願平10−262584号公報で開示されたものを使用することが行われている。
【0003】
すなわち、この際における撮像装置は図10で示すような構成とされており、撮影レンズ1と、順次走査型のCCD2と、CCD駆動制御部21と、ADコンバータ(以下、ADCという)3と、long信号を1水平期間だけ遅延させる1H遅延手段53と、short信号を一時記憶するメモリ4と、long信号を一時記憶するメモリ5と、サンプリングレートを1/2にする走査変換部10と、画像合成部6と、カメラ信号処理部7とを具備している。なお、図10中の符号41はshort信号用のメモリ制御部であり、51はlong信号用のメモリ制御部である。
【0004】
そこで、この撮像装置にあっては、撮影レンズ1を介して結像した被写体光学像が順次走査型のCCD2でもって光電変換されることになり、1垂直走査期間(NTSCの場合には、約1/60秒)内の所定の読み出し時刻t1(例えば1/90秒)には、CCD駆動制御手段21によってlong信号の読み出し動作が開始される。そして、t1から所定時間が経過した読み出し時刻t2(例えばt1+1/180秒)にはshort信号の読み出し動作が開始されることになり、long信号及びshort信号は(t2−t1)の時間差分だけ垂直方向における出力タイミングがずれた信号としてCCD2から出力されたうえ、1水平期間ごと交互にADC3に対して入力する。なお、ここでの1水平期間とは順次走査における1水平期間の意味であり、飛び越し走査(標準TV信号)における1/2水平期間でもあることになっている。
【0005】
また、ADC3から出力したlong信号は、1H遅延手段53を通ったうえでshort信号と水平同期基準とに対して同時化されることになり、同時化された後のshort信号及びlong信号は、有効水平期間と無効水平期間とを交互に繰り返す信号となる。さらに、同時化されたshort信号及びlong信号のそれぞれは、メモリ4及びメモリ5の各々によって一時記憶された後、垂直方向における出力タイミングのずれを補正するようにして読み出されたうえ、垂直同期基準に対して同時化される。
【0006】
その後、short信号及びlong信号のそれぞれは、有効水平期間のshort信号及びlong信号が走査変換部10で1/2のサンプリングレートに変換されるのに伴って標準TV信号の水平期間に時間伸張される。そして、引き続き、これらの信号は画像合成部6でもって合成されたうえ、ダイナミックレンジの拡大した1系統の信号として画像合成部6からカメラ信号処理部7へと出力されることになり、このカメラ信号処理部7において、例えば輝度信号と色差信号とに変換された後、撮像装置から画像記録装置や画像表示装置等に対する入力信号として出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来構成の撮像装置においては、CCD2からlong信号を読み出している期間の途中でshort信号の読み出し動作を開始する必要があり、また、順次走査CCD2からshort信号を読み出している期間の途中でlong信号の読み出し動作を開始する必要があることになる。しかしながら、long信号及びshort信号の読み出し開始時には、CCD駆動の垂直転送が一時停止されてしまうため、CCD2から出力されたlong信号及びshort信号のそれぞれでは、1水平走査期間以上にわたって有効信号が出力されない期間が発生することになり、このような無効ラインが発生していると、発生した無効ラインが画像出力時の横線ノイズとして現れることになるという不都合が生じる。
【0008】
また、スタートタイミングを合わせることによってlong信号とshort信号との垂直タイミングのずれを予め補正しておいた場合にも、無効ラインのずれに伴ってlong信号とshort信号とのずれが発生するため、long信号とshort信号とのずれを完全には補正し得ないという不都合も生じることになっていた。
【0009】
本発明はこれらの不都合に鑑みて創案されたものであり、ダイナミックレンジ拡大に伴って現れる横線ノイズを除去し得ると共に、垂直タイミングのずれを完全に補正できる構成とされた撮像装置の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる撮像装置は、このような目的を達成するため、長時間露光信号及び短時間露光信号の無効ライン期間に関係したパルスである無効ライン判別信号をそれぞれ出力する無効ライン判別信号生成手段と、これらから出力された無効ライン判別信号に基づいて長時間露光信号及び短時間露光信号を一時記憶するメモリそれぞれへの書き込みアドレスをホールドさせる、あるいはまた、読み出しアドレスをスキップさせるメモリ制御手段とを、ダイナミックレンジ拡大のための構成に加えて具備していることを特徴とする。そして、このような構成であれば、ダイナミックレンジ拡大に伴って横線ノイズが現れることを有効に防止すると共に、長時間露光信号と短時間露光信号との垂直タイミングのずれを完全に補正することが可能となる結果、画質を損なわずにダイナミックレンジ拡大を実現することができるという利点が確保される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかる撮像装置は、short信号及びlong信号のそれぞれを一時記憶するメモリへの書き込みアドレスをホールドさせるメモリ制御手段を具備して構成されたものであり、この撮像装置においては、無効ラインをメモリ上で上書きして消去することによって横線ノイズを除去し、かつ、垂直タイミングのずれを補正することが行われる。
【0012】
本発明の請求項2にかかる撮像装置は、short信号及びlong信号を一時記憶しているメモリの各々から読み出す際の読み出しアドレスのうちの無効ラインが書き込まれた読み出しアドレスをスキップさせるメモリ制御手段を具備して構成されたものであり、この撮像装置では、無効ラインが書き込まれた読み出しアドレスのshort信号及びlong信号をメモリから読み出さないことによって横線ノイズを除去すると共に、垂直タイミングのずれを補正することが行われる。
【0013】
本発明の請求項3及び請求項4にかかる撮像装置は、メモリによって一時記憶されたshort信号とlong信号とCCDからの出力信号とを選択して出力するセレクタを具備して構成されたものであり、無効ラインを合成手段へと出力させないことによって横線ノイズを除去し、かつ、垂直タイミングのずれを補正している。本発明の請求項5にかかる撮像装置は、メモリに一時記憶しているlong信号の読み出しをCCDからshort信号を読み出した直後に開始することにより、short信号を一時記憶するメモリの記憶容量が少なくて済む構成としながら横線ノイズを除去し、かつ、垂直タイミングのずれを補正することが行われる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態にかかる撮像装置を、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図、図2はCCD駆動制御手段の制御信号の垂直走査期間レートのタイミングを示す説明図、図3は無効ライン判別信号生成手段で発生する無効ライン判別信号とCCD出力信号との関係を示す説明図であり、図4はshort信号用のメモリ制御部の内部構成を示すブロック図、図5はメモリの制御に関係する入出力信号の関係を示す説明図である。なお、図1において、図10と互いに同一もしくは相当する部品、部分には同一符号を付している。
【0015】
本実施の形態にかかる撮像装置は、図1で示すように、撮影レンズ1と、long信号とshort信号とを異なるタイミングで出力する順次走査型のCCD2と、ADC3と、long信号及びshort信号を1水平期間だけ遅延させる1H遅延手段53と、CCD2から出力されたshort信号を一時記憶する第1のメモリ4と、CCD2から出力されたlong信号を一時記憶する第2のメモリ5と、第1のメモリ4から出力されたshort信号と第2のメモリ5から出力されたlong信号とを合成する画像合成部6と、カメラ信号処理部7と、サンプリングレートを1/2にする走査変換部8と、これらの各部を統合制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)9とを備えていると共に、CCD2の駆動を制御するCCD駆動制御部21と、short信号用のメモリ4の書き込み及び読み出し動作を制御する第1のメモリ制御部41と、long信号用のメモリ5の書き込み及び読み出し動作を制御する第2のメモリ制御部51とを具備している。
【0016】
また、この撮像装置は第1及び第2の無効ライン判別信号生成手段42,52とを具備しており、CCD2からのlong信号の読み出し開始時における第1の無効ライン判別信号生成手段42は、CCD2から読み出し終えたshort信号の有効ライン出力が中断している期間を表すパルス、つまり、CCD2の垂直転送が停止する期間に関係した第1の無効ライン判別信号Swholdをメモリ制御部41に出力するものである一方、CCD2からのshort信号の読み出し開始時における第2の無効ライン判別信号生成手段52は、CCD2から読み出し終えたlong信号の有効ライン出力が中断している期間を表すパルス、つまり、CCD2の垂直転送が停止する期間に関係した第2の無効ライン判別信号Lwholdをメモリ制御部51に対して出力するものとなっている。すなわち、ここでの第1の無効ライン判別信号生成手段42はlong信号の読み出し開始時に第1の無効ライン判別信号Swholdを出力するものであり、第2の無効ライン判別信号生成手段52はshort信号の読み出し開始時に第2の無効ライン判別信号Lwholdを出力するものである。
【0017】
そこで、この撮像装置にあっては、撮影レンズ1を介して結像した被写体光学像が順次走査型のCCD2でもって光電変換されることになり、マイコン9から出力されるlong信号及びshort信号それぞれの読み出しタイミングTlong,Tshortに基づいてCCD駆動制御手段21が動作し、かつ、このCCD駆動制御手段21によって電子シャッター制御や読み出し開始制御及びCCD転送制御等がなされる結果、垂直同期基準に対する出力タイミングのずれた2つの露光時間信号であるshort信号とlong信号とが1水平期間ごと交互にADC3に対して入力されることになる。なお、1水平期間とは順次走査における1水平期間の意味であり、飛び越し走査(標準TV信号)における1/2水平期間でもある。そして、ここでのCCD2は標準TV信号(例えば、NTSC)に対して2倍の走査線数のTV信号を出力可能であるから、1垂直期間におけるlong信号及びshort信号は共に標準TV信号と同じ走査線数を有している。
【0018】
ところで、マイコン9がTlong,Tshortを設定しているのは撮影状況等に応じて設定値を可変制御できるようにするためであり、このことによっては、例えばダイナミックレンジの拡大率を被写体に応じて適応制御することが可能となるが、ダイナミックレンジを固定して使用する場合にはマイコン9を用いる必要はないことになる。そして、図2はCCD駆動制御手段21の制御信号の垂直走査期間レートのタイミングを示す説明図であり、図2中のaは垂直同期信号、bはCCD2の読み出し開始パルス、cはCCD2の垂直転送パルス、dはCCD2から出力されるlong信号の走査線番号、eはCCD2から出力されるshort信号の走査線番号を示している一方、NLは垂直転送パルスが停止していることに伴って出力が中断されるlong信号のライン数、NSは同じく出力が中断されるshort信号のライン数を示している。
【0019】
さらに、CCD2からのshort信号及びlong信号が1水平期間ごと交互に入力したADC3から出力されたshort信号は、メモリ制御部41で制御されているメモリ4によって一時記憶されることになり、また、このADC3から出力されたlong信号は、1H遅延手段53を通りながらshort信号と水平同期基準とに対して同時化されたうえ、メモリ制御部51で制御されているメモリ5によって一時記憶される。なお、ここでのlong信号が1H遅延手段53を通っているのは、1ポートのメモリを用いた場合であっても、short信号用のメモリ4とlong信号用のメモリ5とのそれぞれにおける書込み及び読み出し動作の時分割処理を同位相で行わせるためであり、その結果としてメモリ4,5のそれぞれから読み出されたshort信号及びlong信号は水平同期基準に対して同時化された信号となったうえで画像合成部6へと入力することになる。したがって、long信号ではなくてshort信号が1H遅延手段53を通るような構成であってもよく、また、2ポート以上のメモリを用いるのであれば、1H遅延手段53を設けておく必要はないことになる。
【0020】
次に、無効ライン判別信号生成手段42,52で発生する無効ライン判別信号Swhold,LwholdとCCD2の出力信号との関係を示す図3に基づいて第1及び第2の無効ライン判別信号生成手段42,52の動作を説明するが、この図3中のfはlong信号の無効ライン判別信号、gはshort信号の無効ライン判別信号を示している。なお、この図3において、図2と同一の符号が付されている信号は図2で示したのと同一の信号である。すなわち、これらの無効ライン判別信号Swhold,Lwholdは、CCD2から出力されるlong信号及びshort信号である各有効信号が中断するタイミングと期間に関係する位置でもって極性が反転するパルスであり、CCD駆動制御部21の駆動方法に連動して決まる転送中断スタートタイミングと期間に関係する値をマイコン9によって設定し、かつ、その設定値に基づいたうえで第1及び第2の無効ライン判別信号生成手段42,52によって生成されるものである。
【0021】
そこで、撮像装置が具備している第1の無効ライン判別信号生成手段42は、long信号の読み出し開始時に、図3中のgで示される第1の無効ライン判別信号Swholdをメモリ制御部41に対して出力することになり、第2の無効ライン判別信号生成手段52は、short信号の読み出し開始時に、図3中のfで示される第2の無効ライン判別信号Lwholdをメモリ制御部51に対して出力することとなる。なお、ここで、マイコン9による設定値を用いているのは、前述したCCD駆動制御におけるTlong,Tshortと同様の理由のほか、マイコン9とCCD駆動制御手段21との通信を行う期間において意図的に中断するライン数を増減させる場合にも対応するためである。すなわち、CCD2の通常動作時にノイズ発生源を発生させないようにマイコン通信を行うに際し、通信所要時間の関係から垂直転送を停止しておく期間を確保する必要が生じる場合にも、その中断したラインが横線ノイズとして出力されないようにするという目的を達成するためである。
【0022】
引き続き、この撮像装置が具備している第1のメモリ制御部41、つまり、short信号用のメモリ4を制御する第1のメモリ制御部41を、その内部構成を示す図4に基づいて説明する。すなわち、図4中の符号411はW/Rイネーブル信号生成部、412はWアドレスホールド信号生成部であり、W/Rイネーブル信号生成部411では書込み及び読み出し動作を許可する制御信号Swe,Sreが生成される一方、Wアドレスホールド信号生成部412では第1の無効ライン判別信号生成手段42から出力されたSwhold信号に基づいて書込みアドレスのホールド制御を行うための信号が生成されている。
【0023】
また、符号413はWアドレス信号生成部であり、Wアドレスホールド信号生成部412からの信号が入力するWアドレス信号生成部413からは、書込みアドレスのインクリメント動作を停止させる書込みアドレス信号Swadrsが出力されている。さらに、符号414はRアドレス信号生成部、415はセレクタであり、Rアドレス信号生成部414では読み出しアドレス信号Sradrsが生成される一方、セレクタ415からは書込みアドレス信号Swadrsと読み出しアドレス信号Sradrsとを切替えてなるshortアドレス信号Sadrsがメモリ4へと出力されることになる。なお、long信号用である第2のメモリ制御部51の内部構成も同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0024】
したがって、本実施の形態にかかる撮像装置では、図5で示すような書込み及び読み出し動作のイネーブル制御及びアドレス制御が行われていることになり、その結果として第1及び第2のメモリ4,5では、無効ライン期間の書込みデータが次の有効ラインによって上書きされることになり、出力タイミングのずれを補正することが可能となる。なお、この際における無効ライン期間と書き込みホールド期間とのタイミング関係は1有効ライン分だけ書込みホールド期間の方が遅くなるようにされており、そのため、第1及び第2のメモリ4,5に対して書き込まれたデータは無効ラインを含まない状態となる。
【0025】
さらに、引き続き、第1及び第2のメモリ4,5それぞれからは、垂直方向及び水平方向の双方共に同期化されたshort信号及びlong信号が出力されてくることになり、これらのメモリ4,5から出力されたshort信号及びlong信号は画像合成部6で合成されることによってダイナミックレンジの拡大された1系統の信号となったうえで走査変換部8に対して出力される。なお、画像合成部6で合成された1系統の信号は1水平期間ごとに有効水平期間と無効水平期間とが交互に出力されるものとなっており、走査変換部8によって有効水平期間の信号を時間伸張し、通常速度の信号(標準TV信号相当の信号)として走査変換することが行われる。
【0026】
そして、走査変換された1系統の信号はカメラ信号処理7に入力し、かつ、このカメラ信号処理7において、例えば輝度信号と色差信号とに変換された後、画像記録装置や画像表示装置等の入力信号としてカメラ信号処理7から出力されることになる。なお、ここでの走査変換部8を画像合成部6の後段側に接続しているのは、1系統の信号となった後に走査変換する方が画像合成部6の前段側で走査変換する場合よりも構成を簡素化し得る、つまり、例えば走査変換用のRAM等を1/2に削減することが可能となるため、より合理的な構成でもって同様の作用が確保されるからである。したがって、本実施の形態にかかる構成を採用している際には、ダイナックレンジ拡大に伴って画像出力時の横線ノイズが現れることがなくなり、また、long信号とshort信号との垂直タイミングのずれを完全に補正することが可能になるという利点が確保される。
【0027】
(実施の形態2)
図6は実施の形態2にかかる撮像装置が具備しているshort信号用のメモリ制御部の内部構成を示すブロック図であり、図7はメモリの制御に関係する入出力信号の関係を示す説明図である。なお、実施の形態2にかかる撮像装置の全体構成は実施の形態1と基本的に異ならず、図6及び図7のそれぞれは実施の形態1における図4及び図5と対応しているので、互いに同一もしくは相当する部品、部分には同一符号を付すこととし、ここでの詳しい説明は省略する。
【0028】
本実施の形態にかかる撮像装置は、図1で示すように、撮影レンズ1と、順次走査型のCCD2と、ADC3と、long信号及びshort信号を1水平期間だけ遅延させる1H遅延手段53と、short信号を一時記憶する第1のメモリ4と、long信号を一時記憶する第2のメモリ5と、short信号とlong信号とを合成する画像合成部6と、カメラ信号処理部7と、サンプリングレートを1/2にする走査変換部8と、これらの各部を統合制御する制御手段としてのマイコン9とを備えていると共に、CCD2の駆動を制御するCCD駆動制御部21と、メモリ4の書き込み及び読み出し動作を制御する第1のメモリ制御部41と、メモリ5の書き込み及び読み出し動作を制御する第2のメモリ制御部51とを具備している。
【0029】
また、実施の形態1と同様、CCD2からのlong信号の読み出し開始時にはshort信号の有効ラインが中断している期間を表す第1の無効ライン判別信号Swholdをメモリ制御部41に対して出力する第1の無効ライン判別信号生成手段42と、CCD2からのshort信号の読み出し開始時にはlong信号の有効ラインが中断している期間を表す第2の無効ライン判別信号Lwholdをメモリ制御部51に対して出力する第2の無効ライン判別信号生成手段52とを具備している。そして、この際における第1のメモリ制御部41は、図6で示すように、W/Rイネーブル信号生成部411と、セレクタ415と、Wアドレス信号生成部416と、Rスキップ信号生成部417と、Rアドレス信号生成部418とから構成されており、W/Rイネーブル信号生成部411では書込み及び読み出し動作を許可する制御信号Swe,Sreが生成されると共に、無効ラインを上書きさせるような制御が実行されていないWアドレス信号生成部416からは無効ラインをも含めてメモリ4の書き込み動作を制御させるための書込みアドレス信号Swadrsが出力されている。
【0030】
さらに、Rスキップ信号生成部417では、第1の無効ライン判別信号生成手段42から出力されてきたSwhold信号のタイミングとパルス幅とに基づいて無効ラインの書込みを行ったアドレスを一時保持しており、メモリ4からの読み出し動作時には無効ラインのアドレスとならないよう無効ライン分のアドレスを加算したうえでアドレス値をスキップさせる信号、つまり、メモリ4に一時記憶された無効ラインを読み出さないことになる信号が生成されている。そして、Rスキップ信号生成部417からの信号が入力するRアドレス信号生成部418では読み出しアドレス信号Sradrsが生成されることになっており、セレクタ415からは書込みアドレス信号Swadrsと読み出しアドレス信号Sradrsとを切替えたshortアドレス信号Sadrsがメモリ4に対して出力されることになっている。なお、long信号用である第2のメモリ制御部51の内部構成も同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0031】
したがって、本実施の形態にかかる撮像装置では、図7で示すような書込み及び読み出し動作のイネーブル制御及びアドレス制御が行われていることになり、その結果として第1及び第2のメモリ4,5からは、無効ライン期間の書込みデータが読み出されないことになる。その結果、本実施の形態にかかる撮像装置であれば、ダイナックレンジ拡大に伴って画像出力時の横線ノイズが現れることがなくなり、また、long信号とshort信号との垂直タイミングのずれを完全に補正することが可能になるという利点が確保される。
【0032】
(実施の形態3)
図8は実施の形態3にかかる撮像装置の構成を示すブロック図、図9はメモリの制御に関係する入出力信号の関係を示す説明図であり、この図9にはメモリ制御及びセレクタの切替え制御信号Sselが示されている。なお、実施の形態3にかかる図8及び図9において、実施の形態1にかかる図1及び図5と互いに同一もしくは相当する部品、部分については同一符号を付し、ここでの詳しい説明は省略している。
【0033】
本実施の形態にかかる撮像装置は、図8で示すように、撮影レンズ1と、short信号とlong信号とを異なるタイミングで出力する順次走査型のCCD2と、ADC3と、long信号及びshort信号を1水平期間だけ遅延させる1H遅延手段53と、CCD2から出力されたshort信号の少なくとも1ライン分を一時記憶する第1のメモリ4と、CCD2から出力されたlong信号の少なくとも1ライン分を一時記憶する第2のメモリ5と、第1のメモリ4あるいは1H遅延手段53から出力されたshort信号と第2のメモリ5から出力されたlong信号とを合成する画像合成部6と、カメラ信号処理部7と、サンプリングレートを1/2にする走査変換部8と、これらの各部を統合制御するマイコン9とを備えており、かつ、CCD2から1H遅延手段53を通って出力されるshort信号とメモリ4から出力されるshort信号とを選択して出力するセレクタ11を具備している。
【0034】
また、ここでの撮像装置は、CCD2の駆動を制御するCCD駆動制御部21と、short信号用のメモリ4の書き込み及び読み出し動作を制御する第1のメモリ制御部44と、long信号用のメモリ5の書き込み及び読み出し動作を制御する第2のメモリ制御部54とを具備していると共に、CCD2から出力されたshort信号の有効信号が中断するライン位置に関係して極性が反転するパルスである第1の無効ライン判別信号Swholdをメモリ制御部44に対して出力する第1の無効ライン判別信号生成手段43と、CCD2から出力されたlong信号の有効信号が中断するラインスタート地点あるいはライン位置に関係して極性が反転するパルスである第2の無効ライン判別信号Lwholdをメモリ制御部54に対して出力する第2の無効ライン判別信号生成手段52とを具備している。
【0035】
そこで、この際におけるメモリ制御部54は、図9で示すように、垂直周期でlong信号の有効スタート時点から中断する直前までの有効信号をメモリ5に対して書き込んだうえ、無効ライン判別信号生成手段52から出力された無効ライン判別信号Lwholdに応じ、実施の形態1の場合と同様に、書き込みアドレスをホールドさせることになり、メモリ5の最大アドレスLにまで到達したら0に戻るような巡回動作を実行することになる。したがって、書き込みアドレス及び読み出しアドレスのそれぞれは、1垂直期間においてメモリ空間を数回にわたって巡回することになり、その結果としてメモリ5の記憶容量はCCD2からのlong信号の読み出しが開始されるまでに1H遅延手段53から出力されたlong信号の有効ライン数分の容量を有してさえいればよいことになる。すなわち、メモリ5が1フィールド期間分の信号すべてを一時保持する必要はなくなり、その分だけ合理化できることになる。
【0036】
一方、short信号用のメモリ制御部44は、図9で示すように、垂直周期でshort信号の有効スタート時点から書込みを開始し、中断するライン期間に相当する時間だけ遅れた時点から読み出しを開始するものとなっており、そのため、long信号の場合と同様のアドレス制御、つまり、巡回アドレス操作をさせることによって最大アドレスKを小さくすることが可能となる。すなわち、いいかえれば、メモリ4の記憶容量を中断するライン数程度(例えば2ライン)あればよいことになり、大幅な合理化が行えることとなる。なお、long信号の読み出し開始をshort信号の読み出しと同期させることにより、CCD2からの出力時点での垂直同期基準のタイミングのずれを補正することが可能となる。
【0037】
さらにまた、本実施の形態におけるセレクタ11は、図9で示すように、遅くともshort信号のCCD2からの読み出し開始地点から中断するライン数分だけ遅れた地点からメモリ4の出力信号を選択し、早くてもメモリ容量が中断するライン数分であれば、CCD2からlong信号の読み出しを開始したときのshort信号の無効ライン期間が過ぎた地点から1H遅延手段53の出力に切り替えた後、少なくともshort信号の有効ライン期間が終了するまでの間はそのままの状態を保持する切り替えを行うものとなっている。したがって、本実施の形態にかかる撮像装置であれば、short信号を一時記憶するメモリ4の記憶容量が少なくて済む構成としながら横線ノイズを除去し、かつ、垂直タイミングのずれを補正することが可能になるという利点が確保される。
【0038】
なお、以上説明した実施の形態1ではlong信号及びshort信号ともに書き込みアドレスをホールドし、実施の形態2では読み出しアドレスをスキップさせる構成を採用しているが、long信号及びshort信号のいずれか一方の書き込みアドレスをホールドし、他方の読み出しアドレスをスキップさせるようにしても同様の作用が得られることは勿論である。また、実施の形態3におけるlong信号のメモリ制御を、書き込みアドレスのホールドではなくて読み出しアドレスのスキップとしてもよいことはいうまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる撮像装置によれば、長時間露光信号及び短時間露光信号の無効ライン期間に関係したパルスである無効ライン判別信号をそれぞれ出力する無効ライン判別信号生成手段と、これらから出力された無効ライン判別信号に基づいて長時間露光信号及び短時間露光信号を一時記憶するメモリそれぞれへの書き込みアドレスをホールドさせる、あるいはまた、読み出しアドレスをスキップさせるメモリ制御手段とを、ダイナミックレンジ拡大のための構成に加えて具備しているので、ダイナミックレンジ拡大に伴って横線ノイズが現れることを有効に防止すると共に、長時間露光信号と短時間露光信号との垂直タイミングのずれを完全に補正することが可能になり、画質を損なわずにビデオカメラとして有用な倍率(例えば2倍以上)のダイナミックレンジ拡大を実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】CCD駆動制御手段の制御信号の垂直走査期間レートのタイミングを示す説明図である。
【図3】無効ライン判別信号生成手段で発生する無効ライン判別信号とCCD出力信号との関係を示す説明図である。
【図4】short信号用のメモリ制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】メモリの制御に関係する入出力信号の関係を示す説明図である。
【図6】実施の形態2にかかる撮像装置が具備しているshort信号用のメモリ制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図7】メモリの制御に関係する入出力信号の関係を示す説明図である。
【図8】実施の形態3にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図9】メモリの制御に関係する入出力信号の関係を示す説明図である。
【図10】従来の形態にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 CCD
3 ADコンバータ
4 第1のメモリ
5 第2のメモリ
6 画像合成部
7 カメラ信号処理部
8 走査変換部
9 マイコン
11 セレクタ
21 CCD駆動制御部
41 第1のメモリ制御部
42 第1の無効ライン判別信号生成手段
51 第2のメモリ制御部
52 第2の無効ライン判別信号生成手段
Claims (5)
- 順次走査型のCCDと、垂直走査期間中の異なるタイミングで垂直転送を停止させて有効ラインの出力を中断させつつ読み出し開始動作をさせることで露光時間の異なる長時間露光信号と短時間露光信号とを前記CCDから出力させるCCD駆動制御手段と、前記CCDから出力された短時間露光信号を一時記憶する第1のメモリと、当該第1のメモリの書き込み及び読み出し動作を制御する第1のメモリ制御手段と、前記CCDから出力された長時間露光信号を一時記憶する第2のメモリと、当該第2のメモリの書き込み及び読み出し動作を制御する第2のメモリ制御手段と、前記第1のメモリから出力された短時間露光信号と前記第2のメモリから出力された長時間露光信号とを合成する合成手段と、前記CCDからの長時間露光信号の読み出し開始時には短時間露光信号の有効ラインが中断している期間を表す第1の無効ライン判別信号を出力する第1の無効ライン判別信号生成手段と、前記CCDからの短時間露光信号の読み出し開始時には長時間露光信号の有効ラインが中断している期間を表す第2の無効ライン判別信号を出力する第2の無効ライン判別信号生成手段とを具備しており、前記第1のメモリ制御手段は、前記第1の無効ライン判別信号生成手段から出力される第1の無効ライン判別信号に基づいて前記第1のメモリへの短時間露光信号の書き込みアドレスをホールドさせるものである一方、前記第2のメモリ制御手段は、前記第2の無効ライン判別信号生成手段から出力される第2の無効ライン判別信号に基づいて前記第2のメモリへの長時間露光信号の書き込みアドレスをホールドさせるものであることを特徴とする撮像装置。
- 順次走査型のCCDと、垂直走査期間中の異なるタイミングで垂直転送を停止させて有効ラインの出力を中断させつつ読み出し開始動作をさせることで露光時間の異なる長時間露光信号と短時間露光信号とを前記CCDから出力させるCCD駆動制御手段と、前記CCDから出力された短時間露光信号を一時記憶する第1のメモリと、当該第1のメモリの書き込み及び読み出し動作を制御する第1のメモリ制御手段と、前記CCDから出力された長時間露光信号を一時記憶する第2のメモリと、当該第2のメモリの書き込み及び読み出し動作を制御する第2のメモリ制御手段と、前記第1のメモリから出力された短時間露光信号と前記第2のメモリから出力された長時間露光信号とを合成する合成手段と、前記CCDからの長時間露光信号の読み出し開始時には短時間露光信号の有効ラインが中断している期間を表す第1の無効ライン判別信号を出力する第1の無効ライン判別信号生成手段と、前記CCDからの短時間露光信号の読み出し開始時には長時間露光信号の有効ラインが中断している期間を表す第2の無効ライン判別信号を出力する第2の無効ライン判別信号生成手段とを具備しており、前記第1のメモリ制御手段は、前記第1の無効ライン判別信号生成手段から出力される第1の無効ライン判別信号に基づいて前記第1のメモリから読み出される短時間露光信号の読み出しアドレスをスキップさせるものである一方、前記第2のメモリ制御手段は、前記第2の無効ライン判別信号生成手段から出力される第2の無効ライン判別信号に基づいて前記第2のメモリから読み出される長時間露光信号の読み出しアドレスをスキップさせるものであることを特徴とする撮像装置。
- 順次走査型のCCDと、垂直走査期間中の異なるタイミングで垂直転送を停止させて有効ラインの出力を中断させつつ読み出し開始動作をさせることで露光時間の異なる第1の露光時間信号と第2の露光時間信号とを前記CCDから出力させるCCD駆動制御手段と、前記CCDから出力された第1の露光時間信号の少なくとも1ライン分を一時記憶する第1のメモリと、当該第1のメモリの書き込み及び読み出し動作を制御する第1のメモリ制御手段と、前記CCDから出力された第2の露光時間信号の少なくとも1ライン分を一時記憶する第2のメモリと、当該第2のメモリの書き込み及び読み出し動作を制御する第2のメモリ制御手段と、前記CCDから出力された第1の露光時間信号と前記第1のメモリから出力された第1の露光時間信号とを選択して出力するセレクタと、前記CCDから出力された第1の露光時間信号の有効信号が中断するライン位置に関係して極性が反転する第1の無効ライン判別信号を出力する第1の無効ライン判別信号生成手段と、前記CCDから出力された第2の露光時間信号の有効信号が中断する期間に関係した第2の無効ライン判別信号を出力する第2の無効ライン判別信号生成手段と、前記セレクタから出力された第1の露光時間信号と前記第2のメモリから出力された第2の露光時間信号とを合成する合成手段とを具備しており、前記第2のメモリ制御手段は、前記第2の無効ライン判別信号生成手段から出力される第2の無効ライン判別信号に基づいて前記第2のメモリへと書き込まれる第2の露光時間信号の書き込みアドレスをホールドさせる、もしくは、前記第2のメモリから読み出される第2の露光時間信号の読み出しアドレスをスキップさせるものである一方、前記セレクタは、前記第1の無効ライン判別信号生成手段から出力される第1の無効ライン判別信号に基づいて切り替わるものであることを特徴とする撮像装置。
- 請求項3に記載した撮像装置であって、
第1の露光時間信号は、第2の露光時間信号よりも露光時間の短い信号であることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載した撮像装置であって、
CCDからの短時間露光信号の読み出し動作が開始された後で長時間露光信号の読み出し動作が開始される前までの間に、第1のメモリ制御部及び第2のメモリ制御部が読み出し動作を開始する構成であることを特徴とする撮像装置。
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