JP3868384B2 - 積層コンデンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、等価直列インダクタンス(ESL)を大幅に低減した積層コンデンサに係り、特にCPU用の電源の電圧変動を小さくし得る積層セラミックコンデンサに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報処理装置に用いられるCPU(主演算処理装置)は、処理スピードの向上及び高集積化によって、動作周波数が高くなる共に消費電流が著しく増加している。そしてこれに伴い、消費電力の低減化によって動作電圧が減少する傾向にあった。従って、CPUに電力を供給する為の電源では、より高速で大きな電流変動が生じるようになり、この電流変動に伴う電圧変動をこの電源の許容値内に抑えることが非常に困難になった。
【0003】
この為、図7に示すように、デカップリングコンデンサと呼ばれる積層コンデンサ100が電源102に接続される形で、電源の安定化対策に頻繁に使用されるようになった。そして、電流の高速で過渡的な変動時に素早い充放電によって、この積層コンデンサ100からCPU104に電流を供給して、電源102の電圧変動を抑えるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−144996号公報
【特許文献2】
特開2001−284171号公報
【特許文献3】
特開2002−151349号公報
【特許文献4】
特開2002−231559号公報
【特許文献5】
特開2002−164256号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、今日のCPUの動作周波数の一層の高周波数化に伴って、電流変動はより高速且つ大きなものとなっていた。この為、図7に示す積層コンデンサ100自身が有している等価直列インダクタンス(ESL)が相対的に大きくなる結果として、この等価直列インダクタンスが電源の電圧変動に大きく影響するようになった。
【0006】
つまり、図7に示すCPU104の電源回路に用いられる従来の積層コンデンサ100では、この図7における等価回路に示された寄生成分であるESLが高いことから、図8に示す電流Iの変動に伴って、このESLが積層コンデンサ100の充放電を阻害するようになる。この為、上記と同様に電源の電圧Vの変動が図8のように大きくなり易く、今後のCPUの高速化には適応できなくなりつつあった。
【0007】
この理由は、電流の過渡時である充放電時における電圧変動が下記の式1で近似され、ESLの高低が電源の電圧変動の大きさと関係するからである。
dV=ESL・di/dt…式1
ここで、dVは過渡時の電圧変動(V)であり、iは電流変動量(A)であり、tは変動時間(秒)である。
【0008】
一方、ここでこの従来のコンデンサの外観を図9に示すと共に内部構造を図10に示し、これらの図を基にして以下に従来の積層コンデンサ100を説明する。つまり、静電容量が得られるように、図9に示す従来の積層コンデンサ100は、図10に示す二種類の内部導体114、116をそれぞれ設置した一対のセラミック層112Aが交互に積層されて、誘電体素体112が形成される構造となっている。
【0009】
そして、これら二種類の内部導体114、116は、誘電体素体112の相互に対向する二つの側面112B、112Cにそれぞれ引き出されていて、内部導体114に接続される端子電極118及び、内部導体116に接続される端子電極120が、図9に示す積層コンデンサ100の相互に対向する側面112B、112Cにそれぞれ設置された構造となっている。
本発明は上記事実を考慮し、等価直列インダクタンスを大幅に低減してCPU用の電源の電圧変動を小さくできる積層コンデンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1による積層コンデンサは、誘電体層を積層して形成された誘電体素体と、
相互間が誘電体層で隔てられ且つ、それぞれ誘電体素体内に配置される一対の第1内部導体と、
第1内部導体と誘電体層で隔てられると共に相互間が誘電体層で隔てられ且つ、それぞれ誘電体素体内に配置される一対の第2内部導体と、
を有した積層コンデンサであって、
これら二対の内部導体にそれぞれ切込部が形成されると共に、これら二対の内部導体の切込部周りの部分が電流が流れ得る流路部とそれぞれされ、
誘電体層を介して隣り合っている内部導体の流路部同士間で相互に逆向きに電流が流れる形に、これら流路部がそれぞれ配置され、
一対の第1内部導体の内の一方の第1内部導体からこの第1内部導体の幅と同一の幅で、第1引出部が誘電体素体の側面に向かって一つのみ引き出され、
一対の第2内部導体の内の一方の第2内部導体からこの第2内部導体の幅と同一の幅で、第2引出部が、第1引出部の引き出される誘電体素体の側面と対向する側面に向かって一つのみ引き出され、
これら第1引出部の全幅及び第2引出部の全幅でそれぞれ接続される一対の第1端子電極が、誘電体素体の側面にそれぞれ設けられ、
一対の第1内部導体の内の他方の第1内部導体からこの第1内部導体の幅より細幅で、第3引出部が、第1引出部及び第2引出部の引き出される誘電体素体の側面と異なる側面に向かって一つのみ引き出され、
一対の第2内部導体の内の他方の第2内部導体からこの第2内部導体の幅より細幅で、第4引出部が、第1引出部及び第2引出部の引き出される誘電体素体の側面と異なる側面であり且つ第3引出部の引き出される誘電体素体の側面と対向する側面に向かって一つのみ引き出され、
これら第3引出部及び第4引出部にそれぞれ接続される一対の第2端子電極が、一対の第1端子電極の配置される誘電体素体の側面と異なる側面にそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0011】
請求項1に係る積層コンデンサによれば、誘電体層を積層して形成された誘電体素体内に、誘電体層を介して隔てられつつ一対の第1内部導体がそれぞれ配置される。さらに、これら第1内部導体と誘電体層で隔てられると共に相互間が誘電体層で隔てられる一対の第2内部導体が、それぞれ誘電体素体内に配置されている。そして、一対の第1内部導体が、相互に対向しつつ並列に配置されるコンデンサの電極とされ、また、一対の第2内部導体が、相互に対向しつつ並列に配置されるコンデンサの電極とされている。
【0012】
一方、本請求項では、これら二対で計4種類存在することになる内部導体が、それぞれ切込部を有し、この切込部の周りの内部導体の部分が流路部を構成しているだけでなく、誘電体層を介して隣り合っている別の内部導体の流路部との間で相互に逆向きに電流が流れる形に、流路部がそれぞれ配置されている。
【0013】
従って、この積層コンデンサへの通電の際に、誘電体層を介して隣り合う上下の流路部同士間で、電流が相互に逆方向に流れるようになる。そしてこれに伴って、内部導体に流れる高周波電流により発生する磁束が互いに打ち消し合うように相殺され、積層コンデンサ自体が持つ寄生インダクタンスを少なくすることで、等価直列インダクタンス(ESL)が低減される。さらに、同一の内部導体内においても、切込部を挟んで位置する流路部の部分間で、電流の流れる方向が相互に逆なるので、等価直列インダクタンスが一層低減されるようになる。
【0014】
以上より、本請求項に係る積層コンデンサでは、一層の低ESL化が図られて、実効インダクタンスが大幅に低減されるようになる。この結果、本請求項によれば電源の電圧の振動を確実に抑制できて、CPUの電源用として最適な積層コンデンサが得られる。
【0015】
他方、本請求項の積層コンデンサには、一対の第1内部導体の内の一方の第1内部導体からこの第1内部導体の幅と同一の幅で第1引出部が誘電体素体の側面に向かって一つのみ引き出され、一対の第2内部導体の内の一方の第2内部導体からこの第2内部導体の幅と同一の幅で第2引出部が、第1引出部の引き出される誘電体素体の側面と対向する側面に向かって一つのみ引き出され、これら第1引出部の全幅及び第2引出部の全幅でそれぞれ接続される一対の第1端子電極が、誘電体素体の側面にそれぞれ設けられている。
さらに、一対の第1内部導体の内の他方の第1内部導体からこの第1内部導体の幅より細幅で、第1引出部及び第2引出部の引き出される誘電体素体の側面と異なる側面に向かって、第3引出部が一つのみ引き出されている。また、一対の第2内部導体の内の他方の第2内部導体からこの第2内部導体の幅より細幅で、第1引出部及び第2引出部の引き出される誘電体素体の側面と異なる側面であり且つ第3引出部の引き出される誘電体素体の側面と対向する側面に向かって、第4引出部が一つのみ引き出されている。
これに伴い、これら第3引出部及び第4引出部にそれぞれ接続される一対の第2端子電極が、一対の第1端子電極の配置される誘電体素体の側面と異なる側面にそれぞれ設けられている。
【0016】
従って、一対の第1内部導体の内の一方から引き出される第1引出部及び、一対の第2内部導体の内の一方から引き出される第2引出部が、それぞれ内部導体の幅と同一の幅とされ、これら引出部の全幅で一対の第1端子電極とそれぞれ接続されているので、これらの内部導体と第1端子電極との間がより確実に接続されるようになる。
【0017】
請求項に係る積層コンデンサによれば、請求項1の積層コンデンサと同様の構成の他に、一対の第1内部導体及び一対の第2内部導体が、誘電体素体内に複数ずつ配置されたという構成を有している。
従って、これら二対の内部導体をそれぞれ誘電体素体内に複数ずつ配置することで、本請求項に係る積層コンデンサの静電容量が高まるだけでなく、磁界を相殺する作用がさらに大きくなり、インダクタンスがより大幅に減少してESLが一層低減されるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層コンデンサの一実施の形態を図面に基づき説明する。本実施の形態に係る積層コンデンサである積層セラミックコンデンサ(以下単に、積層コンデンサと言う)10を図1から図5に示す。これらの図に示すように、誘電体シートであるセラミックグリーンシートを複数枚積層した積層体を焼成することで得られた直方体形状の焼結体である誘電体素体12を主要部として、この積層コンデンサ10が構成されている。
【0019】
図1、図3及び図4に示すように、この誘電体素体12内の所定の高さ位置には、面状の内部導体14が配置されており、誘電体素体12内において誘電体層とされるセラミック層12Aを隔てた内部導体14の下側には、同じく面状の内部導体16が配置されている。誘電体素体12内においてセラミック層12Aを隔てた内部導体16の下側には、同じく面状の内部導体18が配置されており、誘電体素体12内においてセラミック層12Aを隔てた内部導体18の下側には、同じく面状の内部導体20が配置されている。この為、これら内部導体14から内部導体20が誘電体素体12内においてセラミック層12Aで隔てられつつ相互に対向して配置されることになる。
【0020】
つまり、本実施の形態では、焼成後の誘電体シートであるセラミック層12Aがそれぞれの間に挟まれつつ、内部導体14から内部導体20が順に誘電体素体12内に配置されており、さらに内部導体20の下側には、図3及び図4に示すように上記と同じ順序でこれら4層の電極である内部導体が繰返されてこれらの組が、例えば計100組程度(図では3組)配置されている。
【0021】
そして、これら内部導体14、16、18、20の中心は、誘電体素体12の中心とほぼ同位置に配置されており、また、内部導体14から内部導体20の縦横寸法は、対応する誘電体素体12の辺の長さより小さくされている。尚、これらそれぞれ略長方形に形成された内部導体14、16、18、20の材質としては、卑金属材料であるニッケル、ニッケル合金、銅或いは、銅合金が考えられるだけでなく、これらの金属を主成分とする材料が考えられる。
【0022】
さらに、図1に示すように、内部導体14には、この内部導体14の左側の端部から左側方向に向かって内部導体14の全幅で引き出されるように、引出部14Aが形成されている。また、内部導体16の手前側中央部から手前側方向に向かって導体が引き出されることで、この内部導体16に引出部16Aが形成されている。一方、内部導体18には、この内部導体18の右側寄りの部分から右側方向に向かって内部導体18の全幅で引き出されるように、引出部18Aが形成されている。また、内部導体20の奥側中央部から奥側方向に向かって導体が引き出されることで、この内部導体20に引出部20Aが形成されている。
【0023】
以上より、図2に示す誘電体素体12の左右側で相互に対向する二つの側面12B、12Dに向かって引き出される幅広の引出部14A、18Aを二つの内部導体14、18がそれぞれ有していることになる。さらに、誘電体素体12の手前側と奥側で相互に対向する二つの側面12C、12Eに向かって引き出される幅狭の引出部16A、20Aを二つの内部導体16、20がそれぞれ有していることになる。
【0024】
他方、図2に示すように、左側の側面12Bには、内部導体14の引出部14Aの全幅で引出部14Aに接続されるように、この側面12Bの全幅にわたるような大きさの端子電極24が配置されており、右側の側面12Dには、内部導体18の引出部18Aの全幅で引出部18Aに接続されるように、この側面12Dの全幅にわたるような大きさの端子電極28が配置されている。
【0025】
また、手前側の側面12Cには、引出部16Aを介して内部導体16に接続される幅狭の端子電極26が配置されることになり、奥側の側面12Eには、引出部20Aを介して内部導体20に接続される幅狭の端子電極30が配置されることになる。以上より本実施の形態では、直方体である六面体形状とされる誘電体素体12の4つの側面12B〜12Eに各端子電極24〜30がそれぞれ配置されることになる。
【0026】
さらに、図1において左右方向に延びる切込部22が内部導体14〜20の中央部にそれぞれ設けられている。この内の内部導体14における切込部22の左側寄りの部分は手前側方向に屈曲して、内部導体14の手前側端部までこの切込部22は伸びている。また、内部導体16における切込部22の右側寄りの部分は同様に手前側方向に屈曲して、内部導体16の引出部16Aの右側部分までこの切込部22は伸びている。
【0027】
内部導体18における切込部22の右側寄りの部分は奥側方向に屈曲して、内部導体18の奥側端部までこの切込部22は伸びている。また、内部導体20における切込部22の左側寄りの部分は同様に奥側方向に屈曲して、内部導体20の引出部20Aの左側部分までこの切込部22は伸びている。
【0028】
そして、切込部22の存在により内部導体14の電流の流路となる流路部14Bが屈曲した形で構成されており、同じく切込部22の存在により内部導体16の電流の流路となる流路部16Bが屈曲した形で構成されている。また、切込部22の存在により内部導体18の電流の流路となる流路部18Bが屈曲した形で構成されており、同じく切込部22の存在により内部導体20の電流の流路となる流路部20Bが屈曲した形で構成されている。従って、本実施の形態では、直角に折り曲げられる部分や折り返される部分を複数有して帯状となった流路部を各内部導体14〜20が有していることになる。
【0029】
一方、図5に等価回路を示すが、内部導体14、16が一つのコンデンサを構成する電極となるように、端子電極24が例えばCPUの電極に接続されると共に、端子電極26が例えば接地側に接続されるようになっていて、これら端子電極24、26同士が相互に逆の極性で使用される形となっている。同様に内部導体18、20が一つのコンデンサを構成する電極となるように、端子電極28、30同士が相互に逆の極性で使用される形となっている。
【0030】
これに伴って、例えば図2に示すように端子電極24、28が+極になると同時に端子電極26、30が−極になるときには、図1の矢印で示す電流の向きのように、端子電極24、28にそれぞれ繋がる内部導体14、18の流路部14B、18Bでは時計回転方向に沿って電流が流れ、また、端子電極26、30にそれぞれ繋がる内部導体16、20の流路部16B、20Bでは反時計回転方向に沿って電流が流れるようになる。
【0031】
以上より、セラミック層12Aを介して隣り合う内部導体14、16の流路部14Bと流路部16Bとの間において、相互に逆向きに電流が流れる形に、流路部14B、16Bはそれぞれ内部導体14、16に配置されていることになる。同じくセラミック層12Aを介して隣り合う内部導体16、18の流路部16Bと流路部18Bとの間においても、相互に逆向きに電流が流れる形に、流路部16B、18Bはそれぞれ内部導体16、18に配置されていることになる。同じくセラミック層12Aを介して隣り合う内部導体18、20の流路部18Bと流路部20Bとの間においても、相互に逆向きに電流が流れる形に、流路部18B、20Bはそれぞれ内部導体18、20に配置されていることになる。
【0032】
他方、本実施の形態では、内部導体14、16が一対の第1内部導体とされ、内部導体18、20が一対の第2内部導体とされている。また、内部導体14から引き出される引出部14Aが、この内部導体14の幅と同一の幅で引き出される第1引出部とされ、内部導体18から引き出される引出部18Aが、この内部導体18の幅と同一の幅で引き出される第2引出部とされることになる。
さらに、内部導体16から引き出される引出部16Aが、この内部導体16の幅より細幅で引き出される第3引出部とされ、内部導体20から引き出される引出部20Aが、この内部導体20の幅より細幅で引き出される第4引出部とされることになる。
この一方、引出部14Aに接続される端子電極24及び、引出部18Aに接続される端子電極28が、一対の第1端子電極とされており、また、引出部16Aに接続される端子電極26及び、引出部20Aに接続される端子電極30が、一対の第2端子電極とされることになる。
【0033】
次に、本実施の形態に係る積層コンデンサ10の作用を説明する。
本実施の形態に係る積層コンデンサ10によれば、それぞれセラミック層12Aとなる複数の誘電体シートが積層されて直方体形状に形成される誘電体素体12内に、セラミック層12Aで相互間が隔てられる形で一対の内部導体14、16がそれぞれ配置される構成を有している。
【0034】
さらに、これら一対の内部導体14、16とセラミック層12Aで隔てられると共に相互間もセラミック層12Aで隔てられる一対の内部導体18、20が、それぞれ誘電体素体12内に配置されている。そして、これら一対の内部導体14、16が、相互に対向しつつ並列に配置されるコンデンサの電極とされており、同じく一対の内部導体18、20も、相互に対向しつつ並列に配置されるコンデンサの電極とされている。
【0035】
一方、内部導体14からこの内部導体14の幅と同一の幅で引出部14Aが誘電体素体12の左側の側面12Bに向かって引き出されており、また、内部導体18からこの内部導体18の幅と同一の幅で引出部18Aが誘電体素体12の右側の側面12Dに向かって引き出されている。そして、これら引出部14Aの全幅及び引出部18Aの全幅でそれぞれ接続される一対の端子電極24、28が、誘電体素体12のこれら相互に対向する側面12B、12Dにそれぞれ設けられている。尚、これら側面12B、12Dと異なる側面12Cには、内部導体16と接続される端子電極26が配置されており、同じく側面12Eには、内部導体20と接続される端子電極30がそれぞれ配置されている。
【0036】
さらに、本実施の形態では、これら二対で計4種類存在することになる内部導体14〜20が、それぞれ切込部22を有しており、この切込部22を挟んだ各内部導体14〜20の部分が流路部14B〜20Bをそれぞれ構成しているだけでなく、セラミック層12Aを介して隣り合っている別の内部導体の流路部との間で相互に逆向きに電流が流れる形に、各流路部14B〜20Bがそれぞれ配置されている。
【0037】
従って、この積層コンデンサ10への通電の際に、セラミック層12Aを介して隣り合う内部導体14〜20の流路部14B〜20B同士間で、電流が相互に逆方向に流れるようになる。そしてこれに伴って、内部導体に流れる高周波電流により発生する磁束が互いに打ち消し合うように相殺され、積層コンデンサ10自体が持つ寄生インダクタンスを少なくすることで、等価直列インダクタンス(ESL)が低減される。
【0038】
さらに、同一の内部導体14〜20内においても、各流路部14B〜20Bの切込部22を挟んで位置する部分間で、それぞれ電流の流れる方向が相互に逆なるので、等価直列インダクタンスが一層低減されるようになる。
【0039】
以上より、本実施の形態に係る積層コンデンサ10は、一層の低ESL化が図られて、実効インダクタンスが大幅に低減されるようになる。この結果、本実施の形態によれば、電源の電圧の振動を確実に抑制できて、CPUの電源用として最適な積層コンデンサ10となる。
【0040】
他方、本実施の形態では、内部導体14から引き出される引出部14A及び、内部導体18から引き出される引出部18Aが、それぞれ内部導体14、18の幅と同一の幅とされ、これら引出部の全幅で、相互に対向する誘電体素体12の側面12B、12Dにそれぞれ配置された一対の端子電極24、28とそれぞれ接続されているので、これらの内部導体14、18と端子電極24、28との間がより確実に接続されるようになる。
【0041】
一方、本実施の形態では、内部導体14、16及び内部導体18、20が、誘電体素体12内に複数ずつ配置されているので、積層コンデンサ10の静電容量が高まるだけでなく、磁界を相殺する作用がさらに大きくなり、インダクタンスがより大幅に減少してESLが一層低減されるようになる。
【0042】
次に、ネットワークアナライザを用いて、以下の各試料のSパラメータのS21特性を測定し、各試料の減衰特性をそれぞれ求めた。まず、各試料となるサンプルの内容を説明する。つまり、コンデンサとして一般的な図9に示す積層コンデンサを従来例とし、図2に示す一実施の形態に係る積層コンデンサを実施例とした。
【0043】
ここで、減衰特性の実測値と図7に示す積層コンデンサ100内の等価回路の減衰量とが合致するように、等価回路の定数を算出した。そして、図6に示す各試料の減衰特性のデータから、20MHz以上の高周波数の帯域における実施例の減衰量が、従来例に比べて約15dBほど増えていることが分かる。この為、このデータによって高周波特性の改善が実施例に見られることが理解できる。
【0044】
他方、算出したESLに関しても、従来例の845.3pHに比べて実施例は145.2pHと大幅に低減されており、本発明の効果がこれらの値によっても実証されることが確認できた。尚、等価直列抵抗(ESR)に関し、従来例は5.5mΩであったのに対して、実施例は7.8mΩであった。
【0045】
ここで用いた各試料の寸法に関し、図9及び図2に示すように長さW及び長さLは、従来例及び実施例共にW=1.25mm、L=2.0mmであった。また、試験に用いた各試料の静電容量は、従来例が1.001μFであり、実施例が0.968μFであった。
【0046】
尚、上記実施の形態に係る積層コンデンサ10では、二対で計4種類の内部導体を有する構造とされているが、層数は実施の形態に示された数に限定されずさらに多数としても良い。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、等価直列インダクタンスを大幅に低減してCPU用の電源の電圧変動を小さくできる積層コンデンサを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る積層コンデンサの分解斜視図であって、この積層コンデンサの内部導体の部分をそれぞれ示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る積層コンデンサを示す断面図であって、図2の3−3矢視線断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る積層コンデンサを示す断面図であって、図2の4−4矢視線断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る積層コンデンサの等価回路を示す図である。
【図6】各試料の減衰特性を表すグラフを示した図である。
【図7】従来例の積層コンデンサを採用した回路図である。
【図8】従来例の積層コンデンサを採用した回路における電流変動と電圧変動との関係を表すグラフを示した図である。
【図9】従来例に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図10】従来例に係る積層コンデンサの内部導体の部分を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 積層コンデンサ
12 誘電体素体
12B 側面
12C 側面
12D 側面
12C 側面
14、16 内部導体(第1内部導体)
14A 引出部(第1引出部)
16A 引出部(第3引出部)
14B、16B 流路部
18、20 内部導体(第2内部導体)
18A 引出部(第2引出部)
20A 引出部(第4引出部)
18B、20B 流路部
22 切込部
24 端子電極(第1端子電極)
26 端子電極(第2端子電極)
28 端子電極(第1端子電極)
30 端子電極(第2端子電極)

Claims (2)

  1. 誘電体層を積層して形成された誘電体素体と、
    相互間が誘電体層で隔てられ且つ、それぞれ誘電体素体内に配置される一対の第1内部導体と、
    第1内部導体と誘電体層で隔てられると共に相互間が誘電体層で隔てられ且つ、それぞれ誘電体素体内に配置される一対の第2内部導体と、
    を有した積層コンデンサであって、
    これら二対の内部導体にそれぞれ切込部が形成されると共に、これら二対の内部導体の切込部周りの部分が電流が流れ得る流路部とそれぞれされ、
    誘電体層を介して隣り合っている内部導体の流路部同士間で相互に逆向きに電流が流れる形に、これら流路部がそれぞれ配置され、
    一対の第1内部導体の内の一方の第1内部導体からこの第1内部導体の幅と同一の幅で、第1引出部が誘電体素体の側面に向かって一つのみ引き出され、
    一対の第2内部導体の内の一方の第2内部導体からこの第2内部導体の幅と同一の幅で、第2引出部が、第1引出部の引き出される誘電体素体の側面と対向する側面に向かって一つのみ引き出され、
    これら第1引出部の全幅及び第2引出部の全幅でそれぞれ接続される一対の第1端子電極が、誘電体素体の側面にそれぞれ設けられ、
    一対の第1内部導体の内の他方の第1内部導体からこの第1内部導体の幅より細幅で、第3引出部が、第1引出部及び第2引出部の引き出される誘電体素体の側面と異なる側面に向かって一つのみ引き出され、
    一対の第2内部導体の内の他方の第2内部導体からこの第2内部導体の幅より細幅で、第4引出部が、第1引出部及び第2引出部の引き出される誘電体素体の側面と異なる側面であり且つ第3引出部の引き出される誘電体素体の側面と対向する側面に向かって一つのみ引き出され、
    これら第3引出部及び第4引出部にそれぞれ接続される一対の第2端子電極が、一対の第1端子電極の配置される誘電体素体の側面と異なる側面にそれぞれ設けられることを特徴とする積層コンデンサ。
  2. 一対の第1内部導体及び一対の第2内部導体が、誘電体素体内に複数ずつ配置されたことを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。
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