JP3867293B2 - 蓋パネルの平面取手装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車道や歩道に設置されたマンホールの蓋、住宅の床面収納庫の開閉扉、隠し
階段口の開閉蓋といった蓋パネルに適用される平面取手装置に関する。
この種の重い蓋パネルにおいては、開閉や取外し時の吊上げ作業を楽に行なうために、作
業者の手が掛けられるか、吊上げ用機械器具からのワイヤーが掛けられるアイボルト型の
取手金具を、蓋パネルの適所に設けた螺子孔に捻じ込み装着することが行なわれている(
特許文献1参照)。
蓋パネルの吊上げ作業を行なわない定常状態では、蓋パネルの前記螺子孔は上面にドライ
バー溝を形成した閉塞用ボルトによって埋め合わされている。この閉塞用ボルトは、吊上
げ作業に当って通常の回転工具によって回され、螺子孔から抜き取られる。その後、取付
金具の下端螺子軸部が当該螺子孔に捻じ込まれる。
この従来装置では、閉塞用ボルトの上端面には、市販されている普通の回転工具が適合す
る通常のドライバー溝が設けられているため、閉塞用ボルトを弄くられて螺子孔から抜き
取られ、空っぽとなった螺子孔に金属棒等を挿入あるいは掛合させて、蓋パネルを無断開
放されてしまう危険性がある。
また、正当権限のある管理者が蓋パネルを開放するときであっても、アイボルト型の取手
金具を捻じ込むときには、閉塞用ボルトを螺子孔から完全に抜き取る方式であるため、吊
上げ作業中に不注意によって閉塞用ボルトを紛失してしまう危険性があった。
特開2004−76863号公報
本発明の課題は、弄くりに対して強いとともに、定常状態では蓋パネルの上面がフラッ
トに維持されており、必要に応じて取手金具の装着相手が蓋パネルの上面に引き出され、
閉塞用ボルトの紛失の危険性がない平面取手装置を提供することである。
本発明の平面取手装置は、吊上げ対象の蓋パネルに上下方向に形成された受孔に嵌挿され、上端開口面が蓋パネルの上面と同一平面にあるように蓋パネルに固着されるガイド筒と、定常状態では上端面が蓋パネルの上面と同一平面にあるようにガイド筒に収容され、上端部外周面に螺子部を形成した閉塞用ボルトと、閉塞用ボルトの下端部側面に突設され、ガイド筒側面のスロットに挿入されたストッパーピンと、閉塞用ボルトの外周面の受溝に装着され、ガイド筒の内周面に圧接して閉塞用ボルトを所定のスライド位置に保持するする弾性部材と、閉塞用ボルトの上下方向の螺子孔に捻じ込まれ、定常状態では円形頭部が蓋パネルの上面と同一平面にあるように、前記閉塞用ボルトの上端面の逃げ用凹部に収容されており、専用回転工具の駆動部が係合する受動部を円形頭部の上面に形成してあり、前記専用回転工具の駆動により摘み可能な高さ位置まで浮き上がる摘み用ビスと、定常状態では蓋パネルから取外されており、前記ストッパーピンが前記スロットの上端内面に当接するまで前記摘みビスを引き上げることによって前記ガイド筒の上方に突出して前記弾性部材の摩擦力により当該突出位置に保持されている前記閉塞用ボルトの前記螺子部に、下端ナット部が螺合される取手金具とからなる。
このように構成された平面取手装置では、蓋パネルの吊上げを行なわない定常状態におい
ては、閉塞用ボルトの上端面および摘み用ビスの円形頭部の上面は、蓋パネルの上面と同
一平面にあるため、車両の走行、歩行者の通行、居住者の歩行あるいは器物の運搬や設置
に支障を生じることがない。
蓋パネルを取外したいときには、一般には市販されていない専用回転工具の駆動部を摘み
用ビスの円形頭部の受動部に係合させ、摘み用ビスを緩める方向に回転操作するため、閉
塞用ボルトに対する弄くりが抑止されることになり、蓋パネルが無断開放される危険性が
ない。
前記回転操作によって摘み用ビスの円形頭部が閉塞用ボルトの逃げ用凹部から浮き上がり
、作業者が指先で摘まめる位置に突出し、この摘み用ビスを引き上げることによって、閉
塞用ボルトの上端螺子部がガイド筒の上方に突出させられるのであるが、閉塞用ボルトの外周面とガイド筒の内周面間に挿入された弾性部材によって適度の摩擦力が与えられているため、閉塞用ボルトの当該突出状態は安定に維持され、閉塞用ボルトの上端螺子部に対する取手金具の下端ナット部の螺合作業がスムーズになされる。
前記弾性部材による摩擦力に抗して摘み用ビスを引き上げたとき、ストッパーピンがスロ
ットの上端内面に突き当たることによって、閉塞用ボルトの引き出し量が一定に限定され
るため、この平面取手装置を蓋パネルに複数箇所設置する場合、閉塞用ボルトの引き出し
状態にばらつきを発生することがない。
上記のようにストッパーピンがスロットの上端内面に突き当たることによって、閉塞用ボ
ルトの完全なる抜き取りが阻止され、閉塞用ボルトはスライド位置においては相違してい
ても、常にガイド筒内に保持されており、かつ、その上端螺子部に取手金具の下端ナット
部が螺合されているため、従来装置のように閉塞用ボルトを作業中に紛失する危険性がな
い。
図1から図6に示した実施例では、吊上げ対象の蓋パネル1の下面には金属製のベースプ
レート2が装着されており、金属製のガイド筒3の下部に溶接したロケーションプレート
4が、ベースプレート2に溶接されている。上下方向に長いスロット5はガイド筒3の左
右両側壁に形成されている。丸頭ビス形のストッパーピン6は、金属製の閉塞用ボルト7
の直径方向の横断螺子孔8に両側から螺子軸部を捻じ込まれている。
受溝9は閉塞用ボルト7の上部と中間部の2箇所に環状に形成されており、これに嵌め込
まれる弾性部材10は、シリコンゴム製などのO−リングで構成されている。摘み用ビス
11の円形頭部12の基部には、大径な指掛用フランジ13を設けてあり、この外周面も
回転力を与えられないように円形に形成されている。摘み用ビス11が捻じ込まれる上下
方向の螺子孔23は閉塞用ボルト7の上端面中央に形成されている。
閉塞用ボルト7の上端面の逃げ用凹部14は円形断面に形成されており、前記指掛用フラ
ンジ13が密に嵌合している。円形頭部12側の受動部15は、円形頭部12の外周面に
等間隔に配置された6個の縦溝で構成されている。これに対応して、金属製の専用回転工
具16側の駆動部17は、円形頭部12を受け入れ可能な円形窪み18の内周面に形成し
た6個の突起で形成されている。
金属製の取手金具19の下端ナット部20の内部空間は、摘み用ビス11が突出状態にあ
る閉塞用ボルト7の上端螺子部21を受け入れるのに十分な長さを有している。取手金具
19にはアイ部22が形成されており、アイ部22は直接作業者の手によって握られたり
、あるいは吊上げ用機械器具から繰り出された吊上げ用ワイヤーの先端金具が引っ掛けら
れる。
本発明の一実施例に係る蓋パネル用平面取手装置の取手金具装着前の平面図である。 図1の平面取手装置の一部を縦断面で示した正面図である。 図1の平面取手装置の底面図である。 図2のA−A線断面図である。 図1の平面取手装置において、専用回転工具を適用して摘み用ビスを突出させるときの一部縦断正面図である。 図1の平面取手装置において、摘み用ビスによって引き出した閉塞用ボルトの上端螺子部に取手金具を装着したときの一部縦断正面図である。
符号の説明
1 蓋パネル
2 ベースプレート
3 ガイド筒
4 ロケーションプレート
5 スロット
6 ストッパーピン
7 閉塞用ボルト
8 横断螺子孔
9 受溝
10 弾性部材
11 摘み用ビス
12 円形頭部
13 指掛用フランジ
14 逃げ用凹部
15 受動部
16 専用回転工具
17 駆動部
18 円形窪み
19 取手金具
20 下端ナット部
21 上端螺子部
22 アイ部
23 螺子孔

Claims (1)

  1. 吊上げ対象の蓋パネルに上下方向に形成された受孔に嵌挿され、上端開口面が蓋パネルの
    上面と同一平面にあるように蓋パネルに固着されるガイド筒と、定常状態では上端面が蓋
    パネルの上面と同一平面にあるようにガイド筒に収容され、上端部外周面に螺子部を形成した閉塞用ボルトと、閉塞用ボルトの下端部側面に突設され、ガイド筒側面のスロットに
    挿入されたストッパーピンと、閉塞用ボルトの外周面の受溝に装着され、ガイド筒の内周
    面に圧接して閉塞用ボルトを所定のスライド位置に保持するする弾性部材と、閉塞用ボル
    トの上下方向の螺子孔に捻じ込まれ、定常状態では円形頭部が蓋パネルの上面と同一平面
    にあるように、前記閉塞用ボルトの上端面の逃げ用凹部に収容されており、専用回転工具の駆動部が係合する受動部を円形頭部の上面に形成してあり、前記専用回転工具の駆動により摘み可能な高さ位置まで浮き上がる摘み用ビスと、定常状態では蓋パネルから取外されており、前記ストッパーピンが前記スロットの上端内面に当接するまで前記摘みビスを引き上げることによって前記ガイド筒の上方に突出して前記弾性部材の摩擦力により当該突出位置に保持されている前記閉塞用ボルトの前記螺子部に、下端ナット部が螺合される取手金具とからなる蓋パネルの平面取手装置。
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