JP3866175B2 - 連結式落橋防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋桁を、連結部材によって隣接する橋桁または橋台に連結することにより、前記橋桁が、橋脚または橋台から落橋するのを防止する連結式落橋防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、落橋を防止するために落橋防止装置が用いられているが、特に阪神大震災を契機として、従来の落橋防止構造の機構を明確にし、新たに落橋防止システムとしての位置付けが明確にされた。
この落橋防止装置は、原則として、(1)上部構造と下部構造を連結する構造、(2)上部構造および下部構造に突起を設ける構造、(3)2連の上部構造を相互に連結する構造に大別されている。
連結式落橋防止装置は、この(1)または(3)に分類されるものであり、従来から種々のものが開発提供されている。
【0003】
連結式落橋防止装置は、各橋桁または橋台に設けられた緩衝装置と、これら緩衝装置を連結する、PC鋼撚り線またはPC鋼材等からなる連結材とを備え、地震時等の揺れに起因した橋桁と橋桁との相対移動、または、橋桁と橋台との相対移動時の移動エネルギを前記緩衝装置によって吸収するとともに、前記連結部材により、前記橋桁の移動量を規制して、橋台から橋桁が落橋するのを防止するものである。
【0004】
そして、緩衝装置としては、主として緊張材としてのコイルバネと緩衝ゴムを組み合わせたもの、コイルバネ単体、または肉厚形状の伸縮スポンジ等が使用されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したような連結式落橋防止装置のストロークSは、けたかかり長SE×0.75を最大として、支承の最大移動量(ゴム支承の場合は許容せん断ひずみ)に相当する移動量uBを確保する必要があり、該当する橋桁が長くなるに伴い、そのストロークも大きくなる必要があると考えられてきた。
道路橋示方書・同解説では「レベル2地震動」による照査を前提としているため、特に免震設計では、該当する構造物の固有周期、該当する構造物が構築された地盤種別、また該当する構造下部工の許容塑性率によって地震変位量が算出される。
そのため、橋桁長に係わらず大きなストロークを必要とする連結式落橋防止装置が必要となる場合がある。
【0006】 しかしながら、従来技術に係わる連結式落橋防止装置のストロークをそのまま長くした場合、以下に掲げる問題点が発生する。 すなわち、連結部材の端部に設けられたコイルバネをストロークの長さに合わせると、コイルバネを軟らかくしなければならず、その結果、連結部材が撓んでしまうという問題が発生する。
【0007】 また、コイルバネと緩衝ゴムとを用いる技術では、ストロークを長くすると密着高さが大きくなるため、密着高さよりも先に収縮を始める緩衝ゴムを厚くしなけれぱならない。
また、コイルバネ、緩衝ゴムが長くなると、それに比例して重量が大きくなり、その重さを支える部材が必要となる。
【0008】
一方、緩衝装置としてコイルバネ単体を使用した場合には、ばね定数としては一定であり、撓み量の大小も自由に選択できる。
斯かるコイルバネにおいて、ばね定数を高くすることは、バネ線材の径を太くすればよい。
しかし、橋桁または橋台への設置スペース、自身の重量等からばね線材の径の太さの限界がでてくる。
【0009】
また、ばね定数の低いコイルバネを用いた場合は、地震時に発生する大きな衝撃力が加わると、コイルバネはストローク限界に達し、その後はただの円筒鋼形状となる。
そのため、緩衝装置としてのコイルバネによる緩衝効果が十分に得られないという問題点があった。
【0010】 さらに、緩衝装置に肉厚形状の伸縮スポンジを用いた場合には、伸縮の初期段階ではばね定数が低く、厚さ75%程度に潰れてから剛性が強くなり、その後は急激にばね定数が上昇し(ハードニング現象)、硬質なソリッドゴムを押す如くなる。
この結果、伸縮スポンジでは、緩衝効果が劣るという問題点が発生する。
一方、このような間題点を解決した緩衝効果の高い緩衝装置が提案されているが、伸縮ストロークが少なく、また伸縮に対する反応が遅いという問題点があった(たとえば、特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−165719号公報
【特許文献2】
特許第2869887号公報
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、伸縮性が良好で緩衝効果の高い緩衝装置と、連結部材の撓みを解消し、かつ、容易に装置としてのストロークを大きくすることができる連結式落橋防止装置を提供する点にある。
【0013】
本発明の請求項1に記載の連結式落橋防止装置は、前述した目的を達成するために、橋桁と、この橋桁に隣接する橋桁または橋台とを連結部材を介して連結することにより、前記橋桁の落下を防止するようにした連結式落橋防止装置であって、前記橋桁あるいは橋台に取り付けられるとともに、前記連結部材の端部が挿入される筒体と、その筒体内に固定され、前記連結部材の端部が挿通される固定部材と、前記筒体内に、その軸線方向に移動可能に装着されるとともに、前記連結部材の端部に固定された押圧部材と、前記固定部材と前記押圧部材との間に介装された緩衝部材とを備え、前記緩衝部材は、略漏斗状に形成された弾性部材を備え、前記弾性部材に設けられ、前記連結部材を挿通させる貫通孔の内径は前記連結部材の外径より大きく、前記弾性部材の最小径部と最大径部に、剛体からなる短尺筒状部材が内装され、前記短尺筒状部材の方向と前記連結部材の軸方向が平行であることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の連結式落橋防止装置は、請求項1に記載の前記弾性部材の最小径部と最大径部との間に、剛体からなる複数の補助環状部材が、軸方向から見て略同心円上に内装されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の連結式落橋防止装置は、請求項1または請求項2の何れかに記載の前記筒体が、前記橋桁あるいは橋台に、前記筒体と同軸上に配設される連結管を介して取り付けられていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の連結式落橋防止装置は、請求項3に記載の前記連結管内には、前記固定部材と前記橋桁あるいは橋台との間に介装される補助緩衝部材が装着されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の連結式落橋防止装置は、請求項4に記載の前記補助緩衝部材が、弾性変形材料あるいは塑性変形材料によって形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の連結式落橋防止装置は、請求項1ないし請求項5の何れかに記載の前記筒体内に、前記押圧部材を前記固定部材から離間する方向に付勢する付勢部材が装着されていることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の連結式落橋防止装置は、請求項1ないし請求項6の何れかに記載の前記筒体の端部に、この筒体の端部開口を覆うキャップが取り付けられているを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の連結式落橋防止装置は、請求項1ないし請求項7の何れかに記載の前記筒体と前記固定部材との間に設けられ、前記連結部材に所定応力が生じたときに破断する衝撃吸収部材を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の連結式落橋防止装置は、請求項8に記載の前記衝撃吸収部材が、前記筒体に、この筒体の軸線と略直交する方向に貫通して装着されるとともに、前記固定部材に嵌合係止させられているを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係わる連結式落橋防止装置1は、橋脚P上において鋼桁S、S間を連結して、前記橋脚Pからの落橋を防止するものであり、前記落橋防止装置1は、前記鋼桁Sにブラケット2により、鋼桁Sのウェブの両側面(図1においては一側面のみ示した)に固定されて、PC鋼撚り線からなる連結部材Lを介して相互に連結されている。
【0015】
前記ブラケット2は、図9に示すように、鋼桁Sに固定される基板2aと、この基板2aに垂設されたブラケット垂直板2bと、それを支持する補強板2cとを備えている。
【0016】
さらに詳述すれば、前記連結式落橋防止装置1は、前記連結部材Lの端部を覆う筒体3と、この筒体3を前記ブラケット2の垂直板2bに連結する連結管4と、前記連結部材Lが摺動可能に嵌挿されるとともに、前記筒体に固定される固定部材9と、この固定部材9に対し、前記連結部材Lの端部側に間隔をおいて配設され、この連結部材Lが摺動可能に嵌挿される座金5と、この座金5の、前記固定部材9側に当接させられるように配設された押圧部材6と、地震により発生した振動を吸収する緩衝部材7と、前記固定部材9を前記筒体3に固定するとともに、前記連結部材Lに所定応力が加わった際に破断させられる衝撃吸収部材8とによって構成されている。
【0017】
前記連結部材Lは、全体的にポリエチレン被覆されているとともに、両端部に雄ねじが切られたスリーブLsが固着されて、ナット10が螺着され、このナット10を介して、前記座金5および押圧部材6が、前記連結部材Lに係止されるようになされている。
【0018】
前記筒体3は、両端が開口され、前記垂直板2b側の端部には、外方フランジ3aが形成されており、この外方フランジ3aに挿通されるボルト等の連結部材によって、前記連結管4に接続されている。
【0019】
前記筒体3の端部に固定される、前記固定部材9は、図7に示すように円盤状に形成されているとともに、その中心部に、前記連結部材Lが挿通される貫通孔9aが形成され、その外周面から中心部に向かって、放射状に雌ねじ9bが多数形成されている。
この固定部材9は、実用の防錆を有した鋼材や合金の鋳造等により形成され、また、重量軽減のための肉抜き9cを形成することも可能である。
【0020】
そして、前記衝撃吸収部材8は、本実施形態においてはボルトによって構成されており、前記筒体3の側壁を貫通して配設されるとともに、前記固定部材9の雌ねじ9bに螺着されることによって、この固定部材9を筒体3に固定するようになっている。
【0021】
また、前記衝撃吸収部材8は、連結式落橋防止装置1に要求される衝撃吸収機能に応じて、その形状や設置本数が設定されるものである。
【0022】
一方、前記筒体3の、前記連結管4が接続される側と反対側の端部には、前記筒体3の端部を覆うキャップ13aが取り付けられている。
【0023】
また、前記連結管4も、両端が開口され、両端部に外方フランジ4aが形成され、一方の外方フランジ4aを介して前記ブラケット2の垂直板2bに固定され、他方の外方フランジ4aを介して前記筒体3が固定されている。
【0024】
前記筒体3と連結管4は、十分な強度を有し、実用の防錆を有しておれば、鋼材、合金を含む鋳物、樹脂または複合素材を用いて形成することができる。
【0025】
前記緩衝部材7は、本実施形態においては、弾性材料によって形成されているとともに、図8に示すように漏斗状に形成されている。
そして、その頂部(最小径部)には、前記連結部材Lが挿通される貫通孔7aが形成されている。
また、この緩衝部材7の最大径部および最小径部には、鋼材等の剛体からなる環状部材7bが内装され、かつ、これらの両環状部材7b、7b間に、これらの環状部材7b、7bよりも薄い補助環状部材7cが内装されている。
【0026】
前記緩衝部材7は、緩衝作用と弾性を有するゴム(クロロプレンゴム等)の他、樹脂を用いてもよく、環状部材7b、および、補助環状部材7cと一体化されて、いわゆる積層体を構成している。
【0027】
また、内装される前記環状部材7bや補助環状部材7cは、鋼材はもとより樹脂や、複合素材でもよく、その断面形状として、矩形断面以外に円形断面、楕円断面のものでもよい。
【0028】
前記座金5および押圧部材6は、緩衝部材7によって発生される付勢力を、連結部材Lに伝達するものであって、実用上の防錆を有している鋼材によって形成されている。
【0029】
前記衝撃吸収部材8は、前記固定部材9と筒体3との相対移動を拘束し、所定応力が生じたときに破断するものである。
この衝撃吸収部材8は、前記固定部材と筒体3との相対移動を拘束し、所定応力が生じたときに破断するものであれば、ノックオフボルト等適宜変更することができる。
また、前記衝撃吸収部材8の固定方法は、螺着による方法のほか、挿入のみによる固定方法でも良い。
【0030】
前記キャップ13aは、前記筒体3内に雨水等の浸入を防ぐとともに、連結部材Lの端部に取り付けられる座金5や押圧部材6、あるいは、ナット10等が筒体3から逸脱することを防止するために設けられている。
そして、キャップ13aは、その機能に好適なものであれば、鋼製・ゴム製・樹脂製・その他またはそれらの複合材でも良い。
【0031】
つぎに、本実施形態に係わる連結式落橋防止装置1の動作について説明する。
図2に示す状態は、静止状態(無振動)である。
振動が生じ、橋桁(鋼桁)S間に相対変位が生じると、押圧部材6および座金5が、図3に示すように、ブラケット2の垂直板2b側へ移動し、これに伴って、緩衝部材7が平板状となる方向に変形させられる。
ここで、緩衝部材7が密着状態になるまでのストロークの範囲内で、小・中規模の地震時の振動エネルギや、活荷重による振動、温度伸縮等が吸収される。
【0032】
そして、大規模の地震が生じて橋桁S間の相対変位が大きくなると、図3に示すように、固定部材9に、緩衝部材7とともに前記押圧部材6が当たった状態からさらに連結部材Lが引かれ、この連結部材Lに発生する応力が所定値以上に達した時点で、図4に示すように、衝撃吸収部材8に破断応力が生じて破断する。この結果、連結部材Lに引かれるようにして、固定部材9、緩衝部材7、押圧部材6、および、座金5がブラケット垂直板2bに当接するまで移動させられる。
このときの衝撃吸収部材8の破断によって振動エネルギが吸収されるとともに、連結部材Lが垂直板2bによって係止されることによって、前記橋桁Sの相対移動が拘束されて、この橋桁Sの落下が防止される。
【0033】
本実施形態に係わる連結式落橋防止装置1は、上記の如く構成されているので、以下に掲げる効果を得ることができる。
小・中規模の地震、活荷重、温度伸縮等による移動量は、緩衝部材7のばね効果で対応し、設計最大移動量にまで至るような大規模の地震による移動量は、衝撃吸収部材8の破断による緊張材端部の移動の確保により対応させることができる。
その結果、付勢部材例えばコイルバネの長さを長くすることなく対処できる。
【0034】
また、前述した緩衝部材7は、積層ゴム構造としていることからばね定数が大きく、したがって、連結部材Lに十分な張力を与えて、その撓みを解消することができ、かつ、連結式落橋防止装置1の重量増加を抑制することができる。
【0035】
また、連結管4の長さを変えることで、設計最大移動量の変更に容易に対応でき、その上、付勢部材が最小でよいため、この付勢部材が装着される前記連結部材Lの全長を短くすることができる。
また、衝撃吸収部材8の強度や形状、あるいは、設置数量を変えるだけで作動時期を任意に設定することができる。
【0036】
また、小・中規模の地震による振動は、緩衝部材7で吸収し、衝撃吸収部材8が破断しないようにすることが可能なので、メンテナンスが容易である。
あるいは、大規模の地震により衝撃吸収部材8が破断した場合でも、この衝撃吸収部材8のみを交換すればよいので、簡便かつ容易に補修することができる。
【0037】
ここで、前記緩衝部材7の動作について追加説明する。
前述したように、緩衝部材7は漏斗状をなしており、この緩衝部材7が水平力を受けた状態を図5および図6に示す。
【0038】
連結部材Lに引張力が作用すると、図5に示すように緩衝部材7は剪断変形および屈曲変形する。
この変形に要する力が地震時による衝撃的な水平力に対する緩衝力となる。
【0039】
変形が進むと、緩衝部材7は、図6に示すように、空洞部が潰れるように変形する。
さらに変形すると、緩衝部材7は固定部材9と押圧部材6に挟まれ、変形は抑制されることとなる。
【0040】
つぎに、緩衝部材7が、以上の如く変形する際の力変位図を図10に示す。
この図10における各変位曲線は、図11に符号17、18、19で示すように、厚みや傾斜、および、補助環状部材7cの数を変化させた緩衝部材にそれぞれ対応している。
本実施形態に係わる緩衝部材では、ゴム厚と積層数および側面勾配を適宜に調整することで、図10に実線で示すように急激にばね定数が変化することなく、おおむね線形性を有することができる。
これは、積層とすることで、連続ゴムが形成され、剪断による変形が支配的に起こるためと考えられる。
【0041】
また、コイルバネに比べて高いばね定数を得ることができる。
そのため、ゴム緩衝材や伸縮スポンジでは得られない、高い線形性を有する変形能力を有し、その上、コイルバネでは得られない緩衝能力を有した付勢装置とすることができる。
また、適度なばね定数を設定することが可能であり、それにより、伸縮に対する応答が良い緩衝部材とすることができる。
また、同等の性能を有する緩衝装置に比べ、軽量で簡潔な緩衝・付勢装置とすることができる。
【0042】
以上、本実施の形態において、橋桁同士を連結したが、本発明はそれに限定されず、橋桁を橋台等、本発明を適用する上で好適なものに適用することができる。
また、図12に示すように、連結管4の筒内に、発泡スチロール等によって形成された補助緩衝部材20を装着しておき、衝撃吸収部材8がせん断した場合における衝撃を緩和する部材を設置してもよい。
また、連結式落橋防止装置1の形態において、鋼橋におけるブラケットを用いて主桁側面に設置したが、図14に示すように、PC橋等においてはPC桁Bに直接設置することができる。
さらに、図13に示すように、前記ナット10に代えて、ダブルナット11とすることも可能であり、図12に示すように、前記押圧部材6に、前記ナット10や連結部材Lの端部を直接覆うキャップ15を設けるようにしてもよい。
また、前記筒体3内に装着される固定部材9と押圧部材6との間に介装される緩衝部材7は、本発明を適用する条件において、連結式落橋防止装置1の形態に拘わらず、必要により好適な数量とすることができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、以下に掲げる効果を奏じる。
小・中規模の地震、活荷重、温度伸縮等による移動量は、高い緩衝効果を有する緩衝部材のバネ効果で対応し、設計最大移動量にまで至るような大規模の地震による移動量は、衝撃吸収部材の破断による緊張材端部の移動の確保により対応させる。
その結果、従来の付勢部材の長さを長くすることなく対処できる。
また、連結管の長さを変えるだけで、設計最大移動量にも対応することができる。
しかも付勢部材が最小でよいため、連結部材の全長を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる連結式落橋防止装置が鋼桁に設置された状態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す連結式落橋防止装置の拡大縦断面図である。
【図3】図1に示す連結式落橘防止装置の動作を示す縦断面図でおる。
【図4】図1に示す連結式落橋防止装置の動作を示す縦断面図である。
【図5】図1に示す連結式落橋防止装置の動作を示すもので、緩衝部材の変形途中を示す拡大縦断面図である。
【図6】図1に示す連結式落橋防止装置の動作を示すもので、緩衝部材の変形終端を示す拡大縦断面図である。
【図7】図1に示す連結式落橋防止装置を示すもので、固定部材の拡大正面図である。
【図8】図1に示す連結式落橋防止装置に用いられた緩衝部材を示す一部を破断した斜視図である。
【図9】図1に示すブラケットの正面図である。
【図10】緩衝部材の力変位図である。
【図11】力変位図で使用した緩衝部材の構造図である。
【図12】本発明の他の実施形態の縦断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態の縦断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態を示すもので、PC桁に設置された状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 連結式落橋防止装置
2 ブラケット
2a 基板
2b 垂直板
2c 補強板
3 筒体
3a 外方フランジ
4 連結管
4a 外方フランジ
5 座金
6 押圧部材
7 緩衝部材
7a 貫通孔
7b 環状部材
7c 補助環状部材
8 衝撃吸収部材
9 固定部材
9a 貫通孔
9b 雌ねじ
9c 肉抜き
10 ナット
11 ダブルナット
13a キャップ
15 キャップ
17 緩衝部材
18 緩衝部材
19 緩衝部材
20 補助緩衝部材
B PC桁
L 連結部材
Ls スリーブ
P 橋脚
S 鋼桁
Claims (9)
- 橋桁と、この橋桁に隣接する橋桁または橋台とを連結部材を介して連結することにより、前記橋桁の落下を防止するようにした連結式落橋防止装置であって、
前記橋桁あるいは橋台に取り付けられるとともに、前記連結部材の端部が挿入される筒体と、
その筒体内に固定され、前記連結部材の端部が挿通される固定部材と、
前記筒体内に、その軸線方向に移動可能に装着されるとともに、前記連結部材の端部に固定された押圧部材と、
前記固定部材と前記押圧部材との間に介装された緩衝部材と
を備え、前記緩衝部材は、略漏斗状に形成された弾性部材を備え、
前記弾性部材に設けられ、前記連結部材を挿通させる貫通孔の内径は前記連結部材の外径より大きく、前記弾性部材の最小径部と最大径部に、剛体からなる短尺筒状部材が内装され、前記短尺筒状部材の方向と前記連結部材の軸方向が平行であることを特徴とする連結式落橋防止装置。 - 前記弾性部材の最小径部と最大径部との間に、剛体からなる複数の補助環状部材が、軸方向から見て略同心円上に内装されていることを特徴とする請求項1に記載の連結式落橋防止装置。
- 前記筒体が、前記橋桁あるいは橋台に、前記筒体と同軸上に配設される連結管を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の連結式落橋防止装置。
- 前記連結管内には、前記固定部材と前記橋桁あるいは橋台との間に介装される補助緩衝部材が装着されていることを特徴とする請求項3に記載の連結式落橋防止装置。
- 前記補助緩衝部材が、弾性変形材料あるいは塑性変形材料によって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の連結式落橋防止装置。
- 前記筒体内に、前記押圧部材を前記固定部材から離間する方向に付勢する付勢部材が装着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の連結式落橋防止装置。
- 前記筒体の端部に、この筒体の端部開口を覆うキャップが取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の連結式落橋防止装置。
- 前記筒体と前記固定部材との間に設けられ、前記連結部材に所定応力が生じたときに破断する衝撃吸収部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の連結式落橋防止装置。
- 前記衝撃吸収部材が、前記筒体に、この筒体の軸線と略直交する方向に貫通して装着されるとともに、前記固定部材に嵌合係止させられていることを特徴とする請求項8に記載の連結式落橋防止装置。
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