JP3865880B2 - 無地領域選択方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無地領域選択方法及び装置、特に印刷物上の絵柄全体の中から無地領域を選択し、該無地領域を検査装置が有する部分入力カメラにより画像入力した検査画像に基づいて印刷状態を検査する際に適用して好適な、無地領域選択方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行する原反を輪転印刷機により連続的に印刷すると共に、該原反に印刷された絵柄をカメラで光学的に画像入力し、その入力画像に基づいて印刷状態の検査が行われている。具体的には、例えば自動検査装置の場合であれば、入力した画像に対して所定の画像処理を施すことによって不良の発生を判定することが行われている。
【0003】
このように、入力画像を画像処理することにより印刷物上に発生している欠陥を検査する際、検出すべき欠陥が、例えばドクター筋等のように微細な場合には、対象である絵柄の中からある範囲を限定して画像入力することにより、高分解能の検査を行うことがある。このように、印刷物を部分的に拡大入力した画像を基に検査する場合、入力する印刷物上の場所(検査ポイント)を決定する方法としては、以下のものがある。
【0004】
ここでは、便宜上、印刷周期にあたる版胴1周分の絵柄全体につき、幅方向に6箇所の検査ポイントを設定する場合について説明すると、(1)図12に先頭に設定した例を示したが、先頭に限らず絵柄全体に対して特定の固定された位置に決定する方法、(2)図13に示したように、絵柄全体に対してランダムな位置に決定する方法等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記(1)、(2)等の従来の決定方法では、検査対象に存在する個々の絵柄を考慮していないため、決定された検査ポイントから入力した検査画像には絵柄の一部が入る可能性が高くなる。従って、微細な欠陥を検出するために、このような検査画像に対して画像処理を行う際、該検査画像に含まれる絵柄が誤検出の原因になるという問題がある。
【0006】
又、この問題をを避けるために、入力した検査画像から絵柄部分を除外する等の誤検出を防止する処理を施す場合には、欠陥に当る信号も除かれてしまうことが起こるため、逆にこの防止処理が微細な欠陥を見逃す原因となってしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、入力した検査画像に含まれる絵柄部分が、微細な欠陥の誤検出の原因とならないように、印刷物上の絵柄全体の中から、濃度差の小さい部分を検査画像として入力することができる無地領域選択方法及び装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、印刷物上の絵柄全体の中から無地領域を選択し、該無地領域を検査ポイントとして、検査装置が有する部分入力カメラにより画像入力した検査画像に基づいて印刷状態を検査する際に適用する無地領域選択方法であって、印刷された絵柄全体が含まれている全体画像を入力するステップと、入力された全体画像から検査画像に相当する大きさを単位として、部分画像を切り出すステップと、切り出された各部分画像について、輝度の平坦性を表わす評価値を計算するステップと、計算された評価値に基づいて、各部分画像の中から輝度の平坦性の高いものを画像上の無地領域として選択するとともに、所定の数を画像上の検査ポイントとして判定するステップと、判定された検査ポイントに関する位置情報を前記検査装置に出力するステップと、を有することにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
即ち、本発明においては、検査対象の絵柄全体を画像入力した全体画像を所定の大きさの部分画像に分割し、各部分画像について平坦性を評価した後、平坦性が高い部分画像を検査ポイントとして判定し、該検査ポイントの位置情報を検査装置に出力することにより、印刷物上での濃度差が極力小さい無地領域を選択して画像入力することができる。なお、ここで無地領域とは、印刷物上で濃度の差がほとんど無いか、又はそれにできるだけ近い領域を意味する。
【0010】
本発明は、又、上記無地領域選択方法において、輝度の平坦性を表わす評価値が、部分画像に含まれる全画素に関する輝度分布の最大度数、該輝度分布の分散、及び該輝度分布を高輝度側又は低輝度側に偏った所定の割合に分割する輝度値の少なくとも1つであるとしたものである。
【0011】
本発明は、又、上記無地領域選択方法において、前記部分画像を、前記全体画像上で少なくとも横方向に1画素分ずつずらしながら、該全体画像の全体に亘って順次切り出すようにしたものである。
【0012】
本発明は、印刷物上の絵柄全体の中から無地領域を選択し、該無地領域を検査ポイントとして、検査装置が有する部分入力カメラにより画像入力した検査画像に基づいて印刷状態を検査する際に適用する無地領域選択装置であって、印刷された絵柄全体が含まれている全体画像を入力する手段と、入力された全体画像から検査画像に相当する大きさを単位として、部分画像を切り出す手段と、切り出された各部分画像について、輝度の平坦性を表わす評価値を計算する手段と、計算された評価値に基づいて、各部分画像の中から輝度の平坦性の高いものを画像上の無地領域として選択するとともに、所定の数を画像上の検査ポイントとして判定する手段と、判定された検査ポイントに関する位置情報を前記検査装置に出力する手段と、を備えたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0013】
本発明は、又、上記無地領域選択装置において、輝度の平坦性を表わす評価値が、部分画像に含まれる全画素に関する輝度分布の最大度数、該輝度分布の分散、及び該輝度分布を高輝度側又は低輝度側に偏った所定の割合に分割する輝度値の少なくとも1つであるとしたものである。
【0014】
本発明は、又、上記無地領域選択装置において、前記部分画像を、前記全体画像上で少なくとも横方向に1画素分ずつずらしながら、該全体画像の全体に亘って順次切り出すようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る第1実施形態の無地領域選択装置の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態の無地領域選択装置は、走行する原反に印刷された絵柄(印刷物)を検査対象として、図示しない検査装置が有する原反の幅方向に移動可能な部分入力カメラにより、絵柄全体の中から無地領域を画像入力して印刷状態を検査するために該無地領域を選択する際に適用するものである。
【0018】
この無地領域選択装置は、印刷された絵柄全体が含まれている全体画像を入力する全体画像入力部10と、入力した全体画像のデータを保存する全体画像記憶部12と、該記憶部12から読み出した全体画像から、後に詳述する方法に従って検査画像に相当する大きさを単位として部分画像を切り出す部分画像切出し部14と、該切出し部14での処理に使用する部分画像の大きさや、後に説明する判定部22で検査ポイントとして選択する部分画像の数等のパラメータを格納しておくパラメータ記憶部16と、上記切出し部14により切出された各部分画像について、輝度の平坦性を表わす評価値を計算する評価値計算部18と、該計算部18で計算された各部分画像の評価値を記憶する評価値記憶部20と、該記憶部20から読み出された上記評価値に基づいて各部分画像の中から輝度の平坦性の高いものを画像上の無地領域として選択し、前記パラメ−タ記憶部16から入力された数だけ画像上の検査ポイントとして判定する判定部22と、検査ポイントとして判定された部分画像の位置(アドレス)情報を、図示しない検査装置に出力する出力部24とを備えている。
【0019】
上記出力部24から、判定部22で判定された検査ポイントに関する位置情報が検査装置に入力されると、該検査装置ではその検査ポイントに対応する印刷物上の検査ポイントに前記部分入力カメラ(図示せず)を移動させ、該カメラにより同検査ポイントから検査画像を入力する。
【0020】
本実施形態の無地領域選択装置について詳述すると、前記全体画像入力部10は、印刷ラインに設置されたCCDカメラ等の撮像装置であっても、予め正常な印刷物を画像入力して保存してあるデータベース等の記憶装置であってもよい。
【0021】
前記部分画像切出し部14では、図2に概念的に示したように、全体画像入力部10により入力された全体画像から、実際に検査する印刷物上の範囲に相当する大きさを単位とする部分画像を抜き出す(切り出す)処理を行う。この部分画像の大きさは、前述した如く、別途設定してあるパラメータとして上記パラメータ記憶部16から入力される。
【0022】
具体的な切出し方法としては、例えば、図3に概念的に示したように、全体画像の左側上端の部分画像PG1 から、全体を右方向に1画素分ずらした部分画像PG2 のように、順次1画素分ずつ横方向にずらしながら、矢印で示した方向に移動して切出していき、最終的に右側下端の最終部分画像PGn まで切出す。その際、横方向の全幅について1段目の切出しが終了し、次の段の切出し位置に移る際の縦方向の移動量は、縦方向に隙間が生じない画素数であれば任意である。
【0023】
上記部分画像切出し部14により、例えば上記図3に示した方法で切出した、全体画像に含まれる全ての部分画像について、評価値算出部18により輝度の平坦性を表わす評価値を計算する。
【0024】
この算出部18では、評価値として、以下に説明する(1)部分画像に含まれる全画素に関する輝度分布(ヒストグラム)の最大度数、(2)同輝度分布の分散、(3)同輝度分布を高輝度側又は低輝度側に偏った所定の割合に分割する輝度値(以下、偏分割輝度値ともいう)のうち、いずれか1つが採用されるようになっている。
【0025】
上記(1)輝度分布の最大度数は、図4(A)に概念的に示した1つの部分画像に含まれる全画素に関する輝度分布を同図(B)に示したように、該部分画像中で同一の輝度値(階調値)を有する画素の数(度数)に関するヒストグラムの中での最大値である。
【0026】
本実施形態では、全体画像内の全ての部分画像について、上記最大度数を計算し、それぞれ評価値記憶部20に記憶しておくと共に、前記判定部22では、最大度数が大きいほど印刷物上では濃淡が少ない(濃度差が小さい)ベタ部、即ち無地領域に近いと判断する。なお、このように最大度数を採用する場合には、全体画像に混入するノイズの影響を考慮して、上記最大度数の画素値を中心として前後の任意幅に含まれる各画素値に関するそれぞれの度数を合計した値を評価値としてもよい。
【0027】
評価値として、このような最大度数を用いる場合は、次に説明する分散を用いる場合に比較して、計算処理が速く、しかも無地部分がほとんど無い場合や、輝度分布にピークが複数ある場合でも、より無地に近い領域を選ぶことができるという利点がある。
【0028】
前記(2)の輝度分布の分散は、次の(1)式により算出される。
【0029】
【数1】
Figure 0003865880
【0030】
評価値として上記分散σを採用する場合も、全体画像から切出した全ての部分画像についてこの値を求めると共に、同様に記憶部20に記憶する。そして、前記判定部22では、分散が小さいほどその部分画像に該当する印刷物上ではベタ部に近いと判定する。
【0031】
又、前記(3)の偏分割輝度値は、図5にi番目の部分画像について輝度分布が高輝度側に偏っている場合の例を概念的に示したように、全分布(総度数=全画素数)を、高輝度側に80%、低輝度側に20%となるように分割できる輝度値(画素値)Pi として求められる。
【0032】
この偏分割画素値は、全ての部分画像について計算し、同様に記憶部20に記憶し、判定部22による判定に使用する。この偏分割画素値Pi は、大きいほど明るい領域と判断できる。又、この偏分割画素値Pi は、その値が大きいほどベタ部となる可能性も高くなるという特徴を有している。
【0033】
又、この偏分割画素値Pi は、輝度分布を分割する比を変えることにより、平坦性の評価を変更できると共に、偏分割の方向をも、例えば上記の20%:80%を80%:20%に変えることにより、暗い部分についても同様の方法でベタ部を選択することができる。
【0034】
又、前記判定部22では、前記記憶部20に記憶してある全ての部分画像についての評価値を読み出し、その評価値を基に、前記パラメータ記憶部16から入力された、予め設定されている数だけ検査ポイントを選択する。その際、評価値のみからベタ部に近いと思われる順に複数の検査ポイントを選択すると、ある狭い範囲に検査ポイントが集中してしまう可能性がある。そこで、これを防ぐために、各部分画像の位置情報をも用いて、同程度の評価値を有し、且つ画像上の領域が重なっている場合には、一方を除外して検査ポイントを選択するようにしてもよい。
【0035】
又、前記出力部24では、前述した如く、判定部22で選択された画像上の検査ポイントの位置情報を、図示しない検査装置へ出力する。
【0036】
本実施形態では、図6に示したフローチャートに従って、無地領域の選択を行う。
【0037】
まず、前記全体画像入力部10により、正常な印刷状態にある印刷物上の絵柄全体が含まれている全体画像を取得(入力)し、全体画像記憶部12に保存する(ステップ1)。
【0038】
この全体画像の取得は、印刷開始後に印刷が安定した段階で直接全体入力カメラ(図示せず)により入力しても、又は、既に同一の絵柄について全体画像のデータが保存されていれば、データベース等から入力してもよい。
【0039】
次いで、部分画像切出し部14において、上記記憶部12から読み出した全体画像から、前記図3に示したようにして、部分画像の切出しを行う(ステップ2)。
【0040】
次いで、切出された最初の部分画像について評価値の算出を行い(ステップ3)、同様の計算を全ての部分画像について順次実行する(ステップ4)。
【0041】
次いで、前記判定部22において、全ての部分画像についての評価値を用いて、平坦性の高いものから所定の数を画像上の検査ポイントと判定(選択)し、各検査ポイントの位置情報を検査装置に出力する。
【0042】
画像上の各検査ポイントの位置情報が検査装置に入力されると、該検査装置ではその位置情報に基づいて、対応する印刷物上の検査ポイントに当る幅方向位置に部分入力カメラを移動させ、該検査ポイントの流れ方向位置に対応するタイミングで画像入力して検査画像とする。
【0043】
その結果、検査画像として無地又は無地に近いベタ部分を絵柄全体の中から検査ポイントとして選んで画像入力することができるため、ドクター筋等の微細な印刷欠陥をも確実に検出することができる。
【0044】
図7は、本発明に係る第2実施形態の無地領域選択装置の概略構成を示すブロック図である。
【0045】
本実施形態の無地領域選択装置は、図中符号18−1〜18−nと20−1〜20−nを付して示したように、評価値算出部18と評価値記憶部20を、それぞれn個(複数)備えており、n種類の評価値をそれぞれ独立に計算し、記憶できるようになっていると共に、判定部22では、各評価値毎に予め設定してある所定数の検査ポイントを判定し、出力部24では各評価値毎に検査ポイントについての位置情報を順次出力する並列処理が実行されるようになっている。
【0046】
本実施形態においては、上記のような並列処理を行う場合、便宜上評価値が2種類であり、且つ全体画像を所定の幅寸法で縦方向に複数分割した検査領域毎に、各評価値について1箇所ずつ、即ち各検査領域毎に計2箇所の検査ポイントを設定する場合として説明すると、判定部22では、各評価値毎に決定された所定数の画像上の検査ポイントに関する位置情報を、該所定数を単位として交互に出力する。
【0047】
従って、出力部24から検査装置に評価値毎の検査ポイントに関する位置情報が入力されると、該検査装置では、1つ目の評価値により5個の検査ポイントが決定される場合を、絵柄全体を含む印刷物との関係を図8(A)に概念的に示したように、図中5個の四角形で示した印刷物上の検査ポイントを検査画像として入力することができる。
【0048】
又、その後、同様に2つ目の評価値に基づいて決定された検査ポイントに関する位置情報が入力されると、同図(B)に示したように、1つ目の評価値の場合とは絵柄の傾向が異なる印刷物上の検査ポイントを画像入力することができる。
【0049】
本実施形態では、上述した1つ目の評価値(例えば、前記(1)の最大度数)に基づく検査と、2つ目の評価値(例えば、前記(3)の偏分割画素値)に基づく検査とを、交互に行うことができる。従って、図9に示したように、絵柄全体のうち、幅Wの領域内で検査ポイントを決める場合であれば、1つ目の評価値で▲1▼の位置が検査ポイントとして選択されたとすると、この検査ポイント▲1▼で検査を行う限り、この位置に該ポイント▲1▼における絵柄の色と同一の色(又は、各色の印刷順によって検査ポイント▲1▼上では見えない色)でドクター筋等が発生したとしても、その欠陥を検出することができない。
【0050】
ところが、本実施形態では、図10に示したように、上記検査ポイント▲1▼の選択に使用した1つ目の評価値とは異なる評価値、特に領域内の明るさをも考慮するような2つ目の評価値(前記偏分割画素値)により、別の検査ポイント▲2▼を選択し、該ポイント▲2▼でも検査を行うことができる。その結果、例えば、検査ポイント▲1▼が青で、縦方向に連続して発生しているドクター筋も青又はそれに近い色の場合には、該検査ポイント▲1▼を画像入力して検査してもドクター筋は検出できないが、検査ポイント▲2▼が略白地で選択されいると、上記青色のドクター筋をも確実に検出することができる。従って、このように画像データとしての特徴が異なる2つの平坦性の評価値を併用することにより、検査の信頼性を一段と向上することができる。
【0051】
なお、以上の説明では、検査ポイントが各領域毎に2箇所としたが、3種類以上の評価値を使用し、それぞれから求まる3箇所以上の検査ポイントを選択するようにしてもよい。
【0052】
又、本実施形態では、前記判定部22において、複数種類の評価値のそれぞれに基づいて別々に検査ポイントを選択する場合について説明したが、複数の評価値の計算結果を総合判定して、縦方向の各検査領域毎にそれぞれ1つの最適な検査ポイントを選択するようにしてもよい。
【0053】
即ち、評価値が2つである前記図8の場合の例であれば、同一の検査領域について、同図(A)と(B)のように、2箇所の検査ポイントを交互に検査するのではなく、同図(A)と(B)の中から最適な方を選択し、同一の検査領域については1箇所の検査ポイントを選択するようにしてもよい。
【0054】
図11は、本発明に係る第3実施形態の無地領域選択装置の概略構成を示すブロック図である。
【0055】
本実施形態の無地領域選択装置は、図中符号22−1〜22−nを付して示したように、前記第2実施形態の場合の評価値算出部18、評価値記憶部20に加えて、判定部22をもn個(複数)備え、しかも、各評価値について評価値算出部18から判定部22までを単位として直列接続され、最終的な判定結果が出力部24から出力されるようになっている以外は、前記第1実施形態と実質的に同一である。
【0056】
本実施形態では、1つ目の評価値からn個目の評価値まで全てについて判定までの処理が実行できるため、1つ目の評価値からそれぞれ判定することにより次第に検査ポイントの候補を絞り込んでいくことができる。
【0057】
従って、例えば計算処理が速い評価値程早目に計算できるようにすることにより、適切な検査ポイントを迅速に選択することができる。
【0058】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0059】
例えば、具体的な評価値として3種類を示したが、これらに限定されず、輝度値の平坦性を評価することができるものであれば特に制限されることなく用いることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、入力した検査画像に含まれる絵柄部分が、微細な欠陥の誤検出の原因とならないように、印刷物上の絵柄全体の中から、濃度差の小さい部分を検査画像として入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の無地領域選択装置の概略を示すブロック図
【図2】全体画像と部分画像の関係を示す線図
【図3】部分画像の切出し方法を示す線図
【図4】部分画像とその輝度分布の一例を示す線図
【図5】偏分割画素値を説明するための線図
【図6】本実施形態における処理手順を示すフローチャート
【図7】本発明に係る第2実施形態の無地領域選択装置の概略を示すブロック図
【図8】第2実施形態による並列処理を示す説明図
【図9】1つの評価値のみを使用した場合の検査ポイントを示す説明図
【図10】2つの評価値を併用した場合の検査ポイントを示す説明図
【図11】本発明に係る第3実施形態の無地領域選択装置の概略を示すブロック図
【図12】検査ポイントの設定方法の一例を示す説明図
【図13】検査ポイントの設定方法の他の一例を示す説明図
【符号の説明】
10…全体画像入力部
12…全体画像記憶部
14…部分画像切出し部
16…パラメータ記憶部
18…評価値算出部
20…評価値記憶部
22…判定部
24…出力部

Claims (6)

  1. 印刷物上の絵柄全体の中から無地領域を選択し、該無地領域を検査ポイントとして、検査装置が有する部分入力カメラにより画像入力した検査画像に基づいて印刷状態を検査する際に適用する無地領域選択方法であって、
    印刷された絵柄全体が含まれている全体画像を入力するステップと、
    入力された全体画像から検査画像に相当する大きさを単位として、部分画像を切り出すステップと、
    切り出された各部分画像について、輝度の平坦性を表わす評価値を計算するステップと、
    計算された評価値に基づいて、各部分画像の中から輝度の平坦性の高いものを画像上の無地領域として選択するとともに、所定の数を画像上の検査ポイントとして判定するステップと、
    判定された検査ポイントに関する位置情報を前記検査装置に出力するステップと、を有する無地領域選択方法。
  2. 請求項1において、
    輝度の平坦性を表わす評価値が、部分画像に含まれる全画素に関する輝度分布の最大度数、該輝度分布の分散、及び該輝度分布を高輝度側又は低輝度側に偏った所定の割合に分割する輝度値の少なくとも1つであることを特徴とする無地領域選択方法。
  3. 請求項1において、
    前記部分画像を、前記全体画像上で少なくとも横方向に1画素分ずつずらしながら、該全体画像の全体に亘って順次切り出すことを特徴とする無地領域選択方法。
  4. 印刷物上の絵柄全体の中から無地領域を選択し、該無地領域を検査ポイントとして、検査装置が有する部分入力カメラにより画像入力した検査画像に基づいて印刷状態を検査する際に適用する無地領域選択装置であって、
    印刷された絵柄全体が含まれている全体画像を入力する手段と、
    入力された全体画像から検査画像に相当する大きさを単位として、部分画像を切り出す手段と、
    切り出された各部分画像について、輝度の平坦性を表わす評価値を計算する手段と、
    計算された評価値に基づいて、各部分画像の中から輝度の平坦性の高いものを画像上の無地領域として選択するとともに、所定の数を画像上の検査ポイントとして判定する手段と、
    判定された検査ポイントに関する位置情報を前記検査装置に出力する手段と、を備えている無地領域選択装置。
  5. 請求項4において、
    輝度の平坦性を表わす評価値が、部分画像に含まれる全画素に関する輝度分布の最大度数、該輝度分布の分散、及び該輝度分布を高輝度側又は低輝度側に偏った所定の割合に分割する輝度値の少なくとも1つであることを特徴とする無地領域選択装置。
  6. 請求項4において、
    前記部分画像を、前記全体画像上で少なくとも横方向に1画素分ずつずらしながら、該全体画像の全体に亘って順次切り出すことを特徴とする無地領域選択装置。
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