JP3865546B2 - 吸収性物品の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、生産性良く、しかも材料の無駄を省いて吸収性物品を得ることができる、吸収性物品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート及び液保持性の吸収体を備え、実質的に縦長であり、縦長形状の吸収性本体と、該吸収性本体の長手方向両端部側における左右両側に、該吸収性本体とは別体の腹側側部及び背側側部がそれぞれ形成された吸収性物品は、種々提案されている。
【0003】
そして、従来、このような構造の吸収性物品の製造方法としては、シートの連続体を凹凸が周期的に繰り返される凹凸切断線で切断し、得られる1側縁が凹凸形状とされた2つのシートを、位相合わせをしつつ、吸収性本体形成用のシートの側方に固定し、最終に所定の位置で切断して個別化する方法等が提案されている(特開平2−291857号公報、特開昭62−250202号公報)。
しかし、このように製造する場合には、材料の無駄はでないものの、位相合わせの際に、シートがずれたりしてシートを安定して搬送できず、生産性に劣るという問題がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、シートの搬送性が良く、縦長形状の吸収性本体を具備し、該吸収性本体の長手方向両端部側における左右両側に、該吸収性本体とは別体の腹側側部及び背側側部がそれぞれ形成された吸収性物品を、生産性良く得ることができ、しかも材料の無駄を省くことができる、吸収性物品の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート及び液保持性の吸収体を備えた、実質的に縦長形状の吸収性本体を具備し、該吸収性本体の長手方向両端部側それぞれの左右両側に、それぞれ腹側側部及び背側側部が形成された吸収性物品の製造方法であって、帯状の第1のシート連続体に所定間隔を開けて間欠的に所定形状の第2のシートを貼り付け、第2のシートが貼り付けられた第1のシート連続体をその幅方向中央で該第1のシート連続体の長手方向に向けて切断して、2つの側部形成用材を作成する側部形成用材形成工程と、帯状の第3のシート連続体の左右両側それぞれに前記側部形成用材を固定する側部形成用材固定工程と、前記の第3のシートの所定位置に吸収体を間欠的に配し、所定の加工を施して吸収性物品の連続体を形成する吸収性物品の連続体形成工程と、前記の吸収性物品の連続体を所定位置で切断する切断工程とを具備する吸収性物品の製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施形態について説明する。
本発明の吸収性物品の製造方法により得られる本実施形態の吸収性物品としての使い捨ておむつ1について説明すると、本実施形態で得られる使い捨ておむつ1は、図1に示すように、実質的に縦長形状の吸収性本体10を具備し、該吸収性本体10の長手方向両端部側それぞれの左右両側に、それぞれ腹側側部2及び背側側部3が形成されている。
【0007】
本実施形態の使い捨ておむつ1における吸収性本体10は、長方形状の表面シート11及び防漏シート13により、両シート11,13よりも小さい吸収体12を狭持固定して形成されている。従って、平面形状は、長方形状となされている。
また、腹側側部2及び背側側部3は、それぞれ、第1のシート14と、該第1のシート14の補強用の第2のシート15とを貼り合わせて形成されている。
また、第1のシート14の使い捨ておむつ1の内方側の端縁は、吸収体4の側縁よりも使い捨ておむつ1の内方側に位置しており、この端縁に弾性部材16が配されて自由端縁とされている。そして、これにより、左右一対の立体ガード6が形成されている。
また、背側側部3の左右両側縁には、それぞれファスニングテープ4が配されている。即ち、本実施形態の使い捨ておむつは、いわゆる展開型の使い捨ておむつである。
【0008】
表面シート11、防漏シート13、吸収体12、ファスニングテープ4及び弾性部材16の形成材料は、通常この種の使い捨ておむつに用いられるものを特に制限なく用いることができる。
また、第1のシート14の形成材料としては、撥水性で肌触りの良いものが好ましく用いられ、具体的には、不織布やプラスチックシート及びこれらの複合材料等が挙げられる。
また、第2のシート15の形成材料としては、不織布、プラスチックシートや弾性材料及びこれらの複合材料等が挙げられ、また、後述する第2の実施形態において好ましく用いられるものとして例示するシートも好適に用いられる。
【0009】
次に、本実施形態の吸収性物品としての使い捨ておむつ1の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法は、図1に示す使い捨ておむつの製造方法であって、図2に示すように、帯状の第1のシート連続体114に所定間隔を開けて間欠的に所定形状の第2のシート115を貼り付け、第2のシート115が貼り付けられた第1のシート連続体114をその幅方向中央で該第1のシート連続体114の長手方向に向けて切断して、2つの側部形成用材120を作成する側部形成用材形成工程(i)と、帯状の第3のシート連続体111の左右両側それぞれに前記側部形成用材120を固定する側部形成用材固定工程(ii)と、前記の第3のシート111の所定位置に吸収体12を間欠的に配し、所定の加工を施して吸収性物品の連続体101を形成する吸収性物品連続体形成工程(iii) と、吸収性物品の連続体101を所定位置で切断する切断工程(iv)とを行うことにより実施できる。
なお、上述の工程以外の工程は、通常の吸収性物品の製造方法と同様に行うことができる。
【0010】
以下、更に詳細に説明する。
<前記側部形成用材形成工程(i)について>
本工程においては、先ず、第1のシート連続体114の長手方向左右両側に、伸張状態の弾性部材116を配し、この弾性部材116を覆うように第1のシート連続体114の側縁部を折り曲げて、接着剤を介して弾性部材116を第1のシート連続体114で狭持固定することにより、縁端に伸縮自在に弾性部材を配する。
また、前記所定間隔は、使い捨ておむつの腹側側部と背側側部とを形成可能な距離であればよい。
第2のシート115を貼り付ける位置は、幅方向中央で、第2のシート115の側縁から第1のシートが5〜50mm延出されるような位置とする。これにより、この延出された部分で立体ガード6を形成することが可能となる。
第2のシート115の貼り付けは、接着剤を用いて行っているが、これに制限されず、熱溶着等種々の手法を用いることが可能である。
また、切断は、通常、シート材の連続的な切断に際して用いられる手法を特に制限なく用いて行うことができる。
【0011】
<前記側部形成用材固定工程(ii)について>
前記側部形成用材形成工程(i)において、切断により第1のシート連続体114の搬送方向右側に形成された側部形成用材120は、本工程において第3のシート連続体111の搬送方向左側に位置づけられる。また、切断により第1のシート連続体114の搬送方向左側に形成された側部形成用材120は、本工程において第3のシート連続体111の搬送方向右側に位置づけられる。これにより、弾性部材116が配された端縁が第3のシート連続体111の内方に位置する。
前記側部形成用材120は、弾性部材116が配された端縁が第3のシート連続体111の内方に位置するように且つ第2のシート115が第3のシート連続体111の長手方向両側縁からそれぞれ外方に位置するように、接着剤を介して固定する。この際、立体ガード6が形成されるように、立体ガード形成部分は接合しないように固定する。なお、固定は、接着剤以外に、超音波シール、ヒートシール等により行うこともできる。
【0012】
<前記吸収性物品連続体形成工程(iii)について>
本実施形態においては、第3のシート連続体111は、表面シート11の連続体である、なお、第3のシート連続体は防漏シートの連続体としてもよい。
そして、本工程において吸収体12は、第3のシート連続体111の腹側部及び背側部が形成される部位の間に配する。
なお、本工程は、側部形成用材固定工程(ii)の後に行う。また、吸収体12の配置は、図示しないが、側部形成用材120を固定する面の反対側の面において行う。
更に、前記の所定の加工として、吸収体12を覆うように防漏シート13を配置・接合して吸収性本体10を形成し、さらに所定位置に常法に従ってファスニングテープ4を配設する。
また、表面シート11である第3のシート連続体111と吸収体12及び防漏シート13とは、接着剤を介して固着するが、この際の手法は特に制限されない。
【0013】
前記吸収性物品連続体形成工程(iii)の後に、側部形成用材120における第2のシート115が配されていない部位aを切欠する。具体的には、切欠する部位aは、第2のシート115が配されていない部位aで且つ第3のシート連続体111の側縁より外方に位置する部位である。また、本実施形態においては、第2のシート115が配されている部位も斜めに切り欠かれており、これにより、第3のシート連続体111の側縁から外方に、第1のシート114及び第2のシート115からなる台形状の積層シートが形成される。
【0014】
<前記切断工程(iv)について>
そして、吸収性本体10を形成して得られる吸収性物品の連続体101を、本工程において、所定位置、具体的には図2の一点鎖線で示す第2のシートを2等分する線に沿って切断する。これにより、各個別の吸収性物品を得る。
切断の手法は、この種の吸収性物品を得る際に用いられる手法を特に制限なく用いることができる。
【0015】
本実施形態の製造方法によれば、シートの搬送性がよいので、上述の構成の使い捨ておむつを生産性良く製造することができる。また、材料の無駄も最小限に抑制することができる。
また、側部形成用材の左右を入れ替えた場合には、入れ替えることにより、第2のシートの切断面が外縁部になり、側部の補強及び装着感や見た目の印象が良好なものとなる。
更に、切欠工程を行った場合には、特に不要部位の切り欠きを連続体101の切断工程の直前に行うので、そこまでに搬送されるものの幅がほぼ均一であり、また、切欠により形成される延出部分が搬送中に引っかかることがないため、搬送性に特に優れる。
【0016】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
なお、以下の説明においては、前述した第1の実施形態と異なる点を特に説明する。特に説明しない点は、前述の第1の実施形態の説明が適宜適用される。
先ず、第2の実施形態の製造方法により得られる吸収性物品としての使い捨ておむつについて説明する。
本実施形態で得られる使い捨ておむつ1は、図3に示すように、腹側側部2の側縁部と背側側部3の側縁部とが接合固定されてなり、一対のレッグ開口部7とウエスト開口部8とを有する、いわゆるパンツ型の使い捨ておむつである。詳細には、腹側部A及び背側部Bは、それぞれ第1のシート14を用いて形成されており、腹側側部2及び背側側部3は、第1のシート14に更に第2のシート15が積層されている。即ち、第1の実施形態の製造方法により得られる使い捨ておむつ1は、腹側側部2及び背側側部3のみが第1のシート14を用いて形成されているのに対して、本実施形態においては、腹側部A及び背側部B全体が第1のシート14を用いて形成されている。また、本実施形態の使い捨ておむつ1は、吸収性本体10が、防漏シート13及び表面シート11とその間に介在する吸収体12を有しており、詳細には、防漏シート13と第1のシート14とを連結してなるシート材の上に、表面シート11で被覆された吸収体12を配置・固定してなる。
また、ウエスト開口部8には、それぞれ第1のシート14を折り返して弾性部材16が狭持固定されており、ウエスト開口ギャザーが形成されている。
また、本実施形態においては、第2のシート15として、弾性を有するシート又は熱接着性繊維を含むシート等の機能性を有するシートを用いるのが好ましい。弾性を有するシートは、フィット性の向上に寄与し、熱接着性繊維を含むシートはサイド部のヒートシール性を良好にするものである。
【0017】
そして、本実施形態の製造方法は、図3に示す使い捨ておむつの製造方法であって、側部形成用材形成工程(i)、側部形成用材固定工程(ii)、吸収性物品連続体形成工程(iii)及び切断工程(iv)を、以下のように行うことにより実施できる。
【0018】
<前記側部形成用材形成工程(i)について>
本工程においては、先ず、第1のシート連続体114の長手方向左右両側に、伸張状態の弾性部材116を配し、この弾性部材116を覆うように第1のシート連続体114の側縁部を折り曲げて、接着剤を介して弾性部材116を第1のシート連続体114で狭持固定することにより、縁端に伸縮自在に弾性部材116を配する。
また、前記所定間隔は、吸収体12の幅よりも大きければ制限されない。
第2のシート115を貼り付ける位置は、幅方向中央で、第2のシート115の側縁から第1のシートの連続体114が5〜100mm延出されるような位置とする。
【0019】
<前記側部形成用材固定工程(ii)について>
前記側部形成用材形成工程(i)において、切断により第1のシート連続体114の搬送方向右側に形成された側部形成用材120は、本工程において第3のシート連続体111としての防漏シートの連続体の搬送方向右側に、また、搬送方向左側に形成された側部形成用材120は、第3のシート連続体114の搬送方向左側に位置づけられる。これにより、弾性部材116が配された端縁が第3のシート連続体111の外方に位置して、ウエスト開口ギャザーを形成可能になされる。
側部形成用材120は、弾性部材116が配された端縁が第3のシート連続体113の外方に位置するように且つ第2のシート115の内方端縁が第3のシート連続体113の長手方向両側縁上に位置するように、接着剤を介して固定する。なお、固定は、超音波シールやヒートシールにより行うこともできる。
【0020】
<前記吸収性物品連続体形成工程(iii) について>
本実施形態においては、第3のシート連続体113は、防漏シート13の連続体である。
そして、本工程においては、別工程にて、表面シート11で被覆した吸収体12を狭持固定処理した吸収体12を、第3のシート連続体113を横切り、第1のシート連続体114における腹側側部及び背側側部が形成される部位の間に位置するように接着剤を介して固定する。なお、吸収体12の配置は、側部形成用材120を固定する側の面において側部形成用材120と重なるように行い、吸収性本体10を形成する
【0021】
前記吸収性物品連続体形成工程(iii) の終了後、第3のシート連続体113を、側部形成用材120における第2のシート115が配されている部位の中央部分の一部を含めて、楕円形状に切欠する。これにより、レッグ開口部7に相当する部分を形成する。
【0022】
<前記切断工程(iv)について>
そして、吸収性本体を形成して得られる吸収性物品の連続体101を、本工程において、形成された腹側側部2の左右両側縁と背側側部3の左右両側縁とを、ヒートシールする等して接合固定した後、所定位置、具体的には第2のシート115を2等分するように且つ切欠により形成された楕円形状の切欠部分を2等分するように、切断する。
切断の手法は、この種の吸収性物品を得る際に用いられる手法を特に制限なく用いることができる。
【0023】
本実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様の効果が奏される。
【0024】
なお、本発明の吸収性物品は、上述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、使い捨ておむつの他、生理用ナプキンや失禁パッド等に適用可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品の製造方法によれば、シートの搬送性が良く、縦長形状の吸収性本体を具備し、該吸収性本体の長手方向両端部側における左右両側に、該吸収性本体とは別体の腹側側部及び背側側部がそれぞれ形成された吸収性物品を、生産性良く得ることができ、しかも材料の無駄を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の製造方法の1実施形態により得られる吸収性物品としての使い捨ておむつの一実施形態を示す展開平面図である。
【図2】図2は、本発明の製造方法の1実施形態の要部を示す工程図である。
【図3】図3は、本発明の吸収性物品の製造方法の他の実施形態により得られる吸収性物品としての使い捨ておむつの他の実施形態を示す一部破断斜視図である。
【図4】図4は、本発明の製造方法の1実施形態の要部を示す工程図である。
【符号の説明】
1 吸収性物品
10 吸収性本体
11 表面シート
12 吸収体
13 防漏シート
14 第1のシート
15 第2のシート
16 弾性部材
2 腹側側部
3 背側側部
4 ファスニングテープ
120 側部形成用材
Claims (4)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート及び液保持性の吸収体を備えた、実質的に縦長形状の吸収性本体を具備し、該吸収性本体の長手方向両端部側それぞれの左右両側に、それぞれ腹側側部及び背側側部が形成された吸収性物品の製造方法であって、
帯状の第1のシート連続体に所定間隔を開けて間欠的に所定形状の第2のシートを貼り付け、第2のシートが貼り付けられた第1のシート連続体をその幅方向中央で該第1のシート連続体の長手方向に向けて切断して、2つの側部形成用材を作成する側部形成用材形成工程と、
帯状の第3のシート連続体の左右両側それぞれに前記側部形成用材を固定する側部形成用材固定工程と、
前記の第3のシートの所定位置に吸収体を間欠的に配し、所定の加工を施して吸収性物品の連続体を形成する吸収性物品の連続体形成工程と、
前記の吸収性物品の連続体を所定位置で切断する切断工程とを具備する吸収性物品の製造方法。 - 前記側部形成用材形成工程において、切断により第1のシート連続体の搬送方向右側に形成された側部形成用材は、前記側部形成用材固定工程において第3のシート連続体の搬送方向左側に位置づけられ、
前記側部形成用材形成工程において、切断により第1のシート連続体の搬送方向左側に形成された側部形成用材は、前記側部形成用材固定工程において第3のシート連続体の搬送方向右側に位置づけられる請求項1記載の吸収性物品の製造方法。 - 前記側部形成用材固定工程の後に、前記側部形成用材における前記の第2のシートが配されていない部位を切欠する切欠工程を具備する請求項1記載の吸収性物品の製造方法。
- 前記の第3のシート連続体が、表面シート又は防漏シートの連続体である請求項1記載の吸収性物品の製造方法。
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