JP3864779B2 - 火災感知器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災感知器と受信機との間の伝送線における電圧レベルの変化を利用して火災を報知(発報)する火災感知器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図8に示すように、火災感知器100とそれを監視する火災受信機200とが伝送線Lにて接続され構成される火災報知システムが知られている。この火災報知システムでは、火災感知器100で火災の発生が検出されると、それから火災受信機200へ火災検知信号を出力するようになっている。なお、この際に出力される火災検知信号は、電圧レベルの変化や定電流放流などによる伝送線間のインピーダンス変化を検出する方式が広く利用されている。
【0003】
このような火災報知システムの火災感知器100では、火災検知判断部2に安定した電圧を供給するするために、電圧を供給する電源部4に安定回路部5が付加される。この安定回路部5は、コンデンサを備えており、電源部4と火災検知判断部2とを結ぶ電源供給線に接続されるため、図8に示す内部の電圧レベルViが安定するようになる。これにより、火災発生の監視を行う通常状態において、安定した内部電圧を供給することが可能となる。
【0004】
また火災報知システムは、火災発生の誤報を防止するための機能も設けられている。すなわち、この火災受信機200は、火災感知器100からの火災検知信号を検出すると、火災感知器100を再起動させ再度の火災検知信号が送出されるのを待つことになる。火災受信機200は、再起動後の火災感知器100においても火災検知信号が出力されるかどうかを検出することにより、先の火災検知信号が誤報でないことを確認する方式となっている。なお、火災受信機200は、この2回目の火災検知信号を受信することにより、正しい警報であると確認されシステム外部の通報先に通報するようになっている。
【0005】
図9は、上記の従来の火災報知システムにおける動作と電圧レベルの関係を示している。図9(A)は正常動作時にかかる伝送線Lの電圧レベルの関係を示す特性図、図9(B)は正常動作時にかかる感知器本体内の電圧レベルの変化を示す特性図である。また、T1は1回目の発報として電圧レベルを低下させた時刻、T2は火災受信機200が1回目の発報による電圧レベルの変化を検知して電源供給を停止した時刻、T3は火災受信機200が伝送線Lへの電源供給を再開した時刻、T4は2回目の発報として電圧レベルを低下させた時刻を表している。そして、V1は伝送線の通常時における電圧、V2は伝送線における発報を示す電圧、V3は感知器内部における通常電圧、Vthは感知器内部における動作可能電圧を表している。
【0006】
図9(A)に示すように、火災感知器100は、火災の発生を検知すると火災受信機200に接続される伝送線Lの電圧レベルVlを低下させる(T1)。この際、感知器本体の内部の電圧レベルViは、安定回路部5に備えるコンデンサの動作により、図9(B)に示すように緩やかに降下することになる。なお、火災感知器100は、内部の電圧レベルViが動作可能電圧であるVth以下になるとその機能を停止するようになっている。そして、火災受信機200は、伝送線Lにおける電圧レベルVlの低下による火災検出信号を検出すると(T2)、火災受信機200に備えるタイマにより一定時間電源の供給を停止した後、再度火災感知器100への電源の供給を開始するようになっている(T3)。この電源の供給再開を受けて火災感知器100は、再起動されて2回目の火災検出信号が出力されるようになっている(T4)。このように、火災受信機200は、この2回目の火災検知信号を検知することにより、火災発生が火災感知器の異常動作による誤報ではなく正報であることを確認できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような火災感知器100が、通常時において内部の電圧レベルViを安定させるための安定回路部5が備わっているために、火災検知時にあっては、その電圧レベルViがその機能を停止する電圧Vthまで低下するのに時間を要するという状況がある。
【0008】
例えば図10に示すように、火災受信機200において、時間間隔(内部の電圧レベルが前述した電圧Vth以下まで達するのに要する時間)を空けずに電源の供給を再開する場合、火災検知判断部2がリセットされないために、図10(A)の時刻T3以降の部分に示すように、電源を再供給した際の伝送線Lでの電圧レベルVlが通常電圧V1のままとなり発報を示す電圧V2が出力されない。つまり、火災受信機200側では、2回目の火災検知信号を正しく検知できないことになる。このような理由から、火災受信機200は、1回目の火災検出信号を受信後、再度電源を供給するまでに安定回路部5のコンデンサに応じた十分な時間間隔を空ける必要があり、このことは火災発生の警報を確実に通知する上で課題となっていた。
【0009】
本発明は、かかる事由に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、火災発生通報の誤報を防止する機能を向上できる火災感知器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の火災感知器は、火災発生を判断し感知信号を出力する火災検知判断部と、前記感知信号を受信すると発報経路となる伝送線の電圧レベルを下降させるラッチ回路部と、前記伝送線に接続され前記火災検知判断部に電源を供給する電源部と、その電源部の動作を安定させるための安定回路部とを備えてなる火災感知器において、前記感知信号の入力により電源部から火災検知判断部への供給電源を強制遮断する電源遮断部を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2記載の火災感知器は、請求項1に記載の発明において、前記電源遮断部は、前記電源部と火災感知器本体の低電位側との間に接続されるスイッチング素子を備えてなり、前記感知信号の入力により該スイッチング素子を駆動させてなしたものとしている。
【0012】
また、請求項3記載の火災感知器は、請求項1または2に記載の発明において、前記感知信号を、前記火災検知判断部とラッチ回路部とを結ぶ信号線から分岐して取得されるようになしたものとしている。さらに、請求項4記載の火災感知器は、請求項2または3に記載の発明において、 前記安定回路部が電源部から火災検知判断部への電源供給路に一端を接続され他端が火災感知器本体の低電位側に接続されるコンデンサであって、前記電源遮断部は、コレクタが抵抗を介して前記コンデンサの一端と接続され、エミッタが火災感知器本体の低電位側と接続され、ベースが別の抵抗を介して火災検知判断部の前記感知信号の出力端子と接続されてなるエミッタ接地形式のNPNトランジスタを、前記感知信号のベースへの入力によってコレクタ−エミッタ間を導通されるスイッチング素子として備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5に基づいて説明する。図1は、火災感知器1のブロック図であり、図2は外観図であり、図3は回路図である。また、図4は動作を示すシーケンス図であり、図5は動作と電圧レベルの関係を示す特性図である。
【0014】
火災感知器1は、図2に示すように、建物内の天井等に設置されるものであり、居間などに設けられる親機となる火災受信機20に接続される伝送線Lを介して、火災の発生を監視するとともに報知する。この火災感知器1は、伝送線Lから供給される電源により火災の発生の監視を行うようになっており、火災の発生を検出すると、火災受信機20との間の伝送線Lの電圧レベルVlを低下させることで火災受信機20に火災の発生を報知する。一方、この発報を受けた火災受信機20は、警報情報を画面にて表示、または、音にて出力したり、外部のシステムへ通報したりするようになっている。
【0015】
次に、火災感知器1の詳細について説明する。火災感知器1は、図1に示すように、火災発生を検知及び判断する火災検知判断部2と、伝送線Lにおける電圧レベルVlを低下させるラッチ回路部3と、内部電圧Viを火災検知判断部2に供給する電源部4と、電源部4の動作を安定させる安定回路部5と、供給している電圧を強制遮断するための電源遮断部6とを備えてなる。
【0016】
火災検知判断部2は、後述する火災検出部21と火災判断部22から構成される回路であり、火災検出部21により検出される出力値と、火災判断部22に備える基準値とを比較することにより、火災の発生を判断し感知信号を出力する。
【0017】
火災検出部21は、例えば、煙検出をおこなうものであり、フォトダイオードや発光素子等を用いて構成される。この火災検出部21は、火災による煙が火災感知器1本体内に流入すると、発光素子から放出されフォトダイオードにて受光される光信号が乱反射により増大することを利用して煙を検知するようになっている。この光信号による煙の濃度を数値化した検出信号を、後述する火災判断部22に出力するようになっている。なお、火災検出のための手段は、例えばサーミスタ等を用いた熱検出によるものや、赤外線検出によるもの、または、におい検出によるものなど検出する手段は問わない。
【0018】
火災判断部22は、前述の火災検出部21の検出信号による煙濃度値と、あらかじめ設定された火災発生と判断される火災濃度値とを、比較回路またはAD変換してデータ処理するマイコン等を用いて比較することにより、火災かどうかの判断を行う。ここで、火災判断部22は、この煙濃度値が火災濃度値を上回った場合、感知信号としてラッチ回路部3及び電源遮断部6に出力する。なお、火災検知判断部2は動作可能電圧Vth以下では動作が停止するようになっており、再びこの電圧レベルVthを越える電圧が供給されると再起動処理が行なわれるようになっている。
【0019】
ラッチ回路部3は、火災の発生を親機となる火災受信機20に報知するためのもので、火災検知判断部2と接続されるとともに伝送線Lを介して火災受信機20へ接続される。このラッチ回路部3は、火災検知判断部2から感知信号を受信すると、伝送線Lにおける電圧レベルVlを火災の発生を示す電圧レベルV2に低下させる。なお、火災受信機20は、伝送線Lにおける電圧レベルVlを監視しているため、この電圧レベルの低下による火災検出信号を検出することにより火災発生を知ることが可能となっている。
【0020】
ラッチ回路部3は、火災の発生を親機となる火災受信機20に報知するためのもので、火災検知判断部2と接続されるとともに伝送線Lを介して火災受信機20へ接続される。このラッチ回路部3は、火災検知判断部2から感知信号を受信すると、伝送線Lにおける電圧レベルVlを発報を示す電圧V2に低下させる。火災受信機20は、伝送線Lにおける電圧レベルVlの変化を監視しているため、この電圧レベルの低下を検知することで火災発生を知ることが可能となっている。
【0021】
電源部4は、伝送線Lに接続され電源の供給を受けるとともに、供給される電源電圧の変換を行い、火災検知判断部2に電圧を供給する。また、後述する安定回路部5とも接続されるため、安定して電圧Viを供給できるようになっている。
【0022】
安定回路部5は、電源部4の動作を安定させるためのもので、電源部4と火災感知器本体の低電位側との間にコンデンサが挿入された回路となっている。この安定回路部5は、火災発生の監視を行う通常状態において、蓄積された電荷により、内部の電圧レベルViを安定させるようになっている。
【0023】
次に、本発明の主要部である電源遮断部6について説明する。電源遮断部6は、火災検知判断部2に供給される内部の電圧レベルViを速やかに落とすための回路であり、電源部4と火災検知判断部2とを結ぶ電源供給線に接続される。電源遮断部6は、この場合、図3に示すように、抵抗R1をベースに、抵抗R2をコレクタに接続したエミッタ接地形式のNPNトランジスタにより構成される。抵抗R1の他端は、火災検知判断部2が感知信号を出力する端子に接続されており、抵抗R2の他端は、前述の電源供給路に接続される。この構成により、火災発生検知時には、火災検知判断部2からの感知信号がベース電流として入力されることになる。またこれと同時に、コレクタ−エミッタ間も電流が流れることになるため、火災検知判断部2に供給される電圧Viが速やかに低下され電源が遮断されることになる。このように、電源遮断部6は、簡素な部品構成により、迅速に内部の電圧を遮断することができる。
【0024】
次に、火災感知器1における火災発生の通報のシーケンスについて説明をする。図4は、火災感知器の動作を示すシーケンス図であり、図5は、火災感知器の動作と電圧レベルの関係を示す特性図である。縦軸は電圧レベルを横軸は時刻の経過を表している。また、T1はラッチ回路部3が1回目の発報として電圧レベルを低下させた時刻であり、T2は火災受信機20が1回目の発報を電圧変化を検知して電源供給を停止した時刻であり、T3は火災受信機20が伝送線Lへの電源供給を再開した時刻、T4はラッチ回路部3が2回目の発報として電圧レベルを低下させた時刻を表している。そして、V1は伝送線の通常時における電圧、V2は伝送線における発報を示す電圧、V3は感知器内部における通常電圧、Vthは感知器内部における動作可能電圧を表している。
【0025】
図4に示すように、火災感知器1の火災検知判断部2において、検出信号による煙濃度値が予め設定された火災濃度値を越えると感知信号がラッチ回路部3へ出力される(ST1)。なお、この時刻T1においてこの感知信号は、電源遮断部6のベースにも入力されそのトランジスタがONとなることにより、図5(B)に示すように、火災感知器1の内部での電圧レベルViは零電位近くにまで低下されることになる。またこれとともに、図5(A)に示すように、火災検知判断部2からの信号を確認したラッチ回路部3は、伝送線Lにおける電圧レベルVlを火災の発報を知らせる電圧V2にまで下降させる。これにより、火災感知器1において火災と判断されたことを示す火災検出信号が火災受信機20へ報知される(ST2)。
【0026】
時刻T2において火災検出信号を検出した火災受信機20は、図5(A)に示すように、火災感知器1からの報知が誤報でないことを確認するために伝送線Lへの電源の供給を停止する。そして、火災受信機20に設けられたタイマにより一定時間(T2〜T3)の間電源の供給を停止した後、火災感知器1を再起動させるために、伝送線Lへの電源の供給を再開するのことにより、伝送線の電圧レベルVlは通常電圧V1にまで回復する(ST3)。
【0027】
時刻T3において火災感知器1の電源部4は、図5(A)に示すように、伝送線Lの電圧レベルVlが通常電圧であるV1にまで復旧したのを受けて感知器本体各部への電圧の供給を再開する(ST4)。火災検知判断部2は、内部電圧Viにかかる電圧の供給の再開を受けて再起動処理に入る。再起動処理は、再度火災が発生しているかどうかの検知がおこなわれ、その検出信号による煙濃度値が予め設定された火災濃度値を再び越えた場合、再度感知信号をラッチ回路部3へ出力することになる(ST5)。
【0028】
時刻T4においてこの信号を受けたラッチ回路部3は、再度伝送線Lにおける電圧レベルVlを火災発報を示す電圧レベルV2にまで再度低下させることになる(ST6)。火災受信機20は、この2回目の伝送線における電圧レベルの降下を検知することにより、火災感知器1からの火災発生の警報が異常動作による誤報でなく正報であることが確認される。これにより火災受信機20は、受信機本体に備えた表示部に表示したり、外部のシステムに通報したりするようになる。
【0029】
このように、火災の発生を火災受信機20へ2回にわたり報知することにより火災発生報知の信頼性を向上する機能を具備している。そして、電源遮断部6を設けたことにより、火災感知器1の内部の電圧レベルは迅速に降下することになるので、従来のものと比較して電圧レベルが所定の電圧Vthにまで降下するのに要する時間が格段に短くなり、火災感知器1の再起動を速やかにそして確実に再開することができることになる。すなわち、火災発生の誤作動をより防止することができる。
【0030】
以下、本発明の第2の実施形態を図6に基づいて説明する。図6は、第2実施の形態にかかる火災感知器1の回路図である。
【0031】
図6に示すように、第2の実施の形態は、火災検知判断部2から電源遮断部6に出力される火災報知信号を、ラッチ回路部3と火災検知判断部2とを結ぶ信号線から分岐して取得するようプリント配線により構成したものである。この場合、火災検知判断部2において火災発生と判断されると、ラッチ回路部3への信号線に感知信号を送出するようなっているが、その信号を電源遮断部6を構成するトランジスタのベースに入力させるよう構成されている。このため火災検知判断部2において火災が検知されると、トランジスタのコレクタ−エミッタ間に電流が流れ、内部の電圧レベルViが速やかに低下することになる。
【0032】
このように、火災検知判断部2には電源遮断部6に出力するための専用の出力端子を設けなくて済むため、火災検知判断部2における出力端子の数を削減することができるため、もって安価な部材で構成できるようになっている。
【0033】
なお、本発明の火災感知器は、上述したもののみ限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、電源遮断部6を伝送線Lと電源部4との接続線上に設け、火災検知判断部2からラッチ回路部3への感知信号を電源遮断部6に入力することによって、それまで接続されていた伝送線Lと電源部4との接続を(再接続可能に)断つよう、電源遮断部6をスイッチ制御する構成としてもよい。この場合、感知信号の発生と略同時に、伝送線Lから電源部4への電源供給が断たれるので、火災受信機20からの復旧命令が届くまでに安定回路部5の放電が充分に済み、火災発報の誤報か正報かを見分けることがやはり可能である。このように、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載の火災感知器にあっては、火災発生を判断し感知信号を出力する火災検知判断部と、前記感知信号を受信すると発報経路となる伝送線の電圧レベルを下降させるラッチ回路部と、前記伝送線に接続され前記火災検知判断部に電源を供給する電源部と、その電源部の動作を安定させるための安定回路部とを備えてなる火災感知器において、前記感知信号の入力により電源部から火災検知判断部への供給電源を強制遮断する電源遮断部を備えているので、内部の電圧レベルを迅速に所定の電圧にまで降下させるため、火災発生通報の誤報を防止する機能を向上できるという優れた効果を奏する。
【0035】
また、請求項2に記載の火災感知器にあっては、請求項1に記載の発明において、電源遮断部は、電源部と火災感知器本体の低電位側との間に接続されるスイッチング素子を備えてなり、感知信号の入力により該スイッチング素子を駆動させてなるので、簡素な部品構成により、迅速に内部の電圧を遮断することができるという優れた効果を奏する。
【0036】
また、請求項3に記載の火災感知器にあっては、請求項1または請求項2に記載の発明において、感知信号を、火災検知判断部とラッチ回路部を結ぶ信号線から分岐して取得されるようになしたので、火災検知判断部における出力端子の数を削減することができるという優れた効果を奏する。さらに、請求項4記載の火災感知器にあっては、請求項2または3に記載の発明の効果に加えて、安定回路部が電源部から火災検知判断部への電源供給路に一端を接続され他端が火災感知器本体の低電位側に接続されるコンデンサであって、電源遮断部は、コレクタが抵抗を介してコンデンサの一端と接続され、エミッタが火災感知器本体の低電位側と接続され、ベースが別の抵抗を介して火災検知判断部の感知信号の出力端子と接続されてなるエミッタ接地形式のNPNトランジスタを、感知信号のベースへの入力によってコレクタ−エミッタ間を導通されるスイッチング素子として備えたので、電源遮断部をNPNトランジスタからなる簡素な部品構成としても、安定回路部を構成するコンデンサの蓄積電荷を、NPNトランジスタのコレクタ−エミッタ間の導通によって、迅速に放電することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の火災感知器のブロック図である。
【図2】同上の火災感知器の外観図である。
【図3】同上の火災感知器の回路図である。
【図4】同上の火災感知器の動作を示すシーケンス図である。
【図5】同上の火災感知器の動作と電圧レベルの関係を示す特性図である。
【図6】第2の実施の形態に係る火災感知器の回路図である。
【図7】第3の実施の形態に係る火災感知器の回路図である。
【図8】従来の火災感知器の動作と電圧レベルの関係を示す特性図である。
【図9】従来の火災感知器の正常動作時に係る動作と電圧レベルの関係を示す特性図である。
【図10】従来の火災感知器の異常動作時に係る動作と電圧レベルの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 火災感知器
2 火災検知判断部
3 ラッチ回路部
4 電源部
5 安定回路部
6 電源遮断部
Claims (4)
- 火災発生を判断し感知信号を出力する火災検知判断部と、前記感知信号を受信すると発報経路となる伝送線の電圧レベルを下降させるラッチ回路部と、前記伝送線に接続され前記火災検知判断部に電源を供給する電源部と、その電源部の動作を安定させるための安定回路部とを備えてなる火災感知器において、前記感知信号の入力により電源部から火災検知判断部への供給電源を強制遮断する電源遮断部を備えたことを特徴とする火災感知器。
- 前記電源遮断部は、前記電源部と火災感知器本体の低電位側との間に接続されるスイッチング素子を備えてなり、前記感知信号の入力により該スイッチング素子を駆動させてなる請求項1記載の火災感知器。
- 前記感知信号を、前記火災検知判断部と前記ラッチ回路部とを結ぶ信号線から分岐して取得されるようになした請求項1または2に記載の火災感知器。
- 前記安定回路部が電源部から火災検知判断部への電源供給路に一端を接続され他端が火災感知器本体の低電位側に接続されるコンデンサであって、前記電源遮断部は、コレクタが抵抗を介して前記コンデンサの一端と接続され、エミッタが火災感知器本体の低電位側と接続され、ベースが別の抵抗を介して火災検知判断部の前記感知信号の出力端子と接続されてなるエミッタ接地形式のNPNトランジスタを、前記感知信号のベースへの入力によってコレクタ−エミッタ間を導通されるスイッチング素子として備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の火災感知器。
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