JP3864455B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の空燃比を制御する空燃比制御装置に関するものであり、特に排出ガスを浄化する触媒下流の空燃比が理論空燃比となるように内燃機関の空燃比をフィードバック制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、触媒下流の空燃比が理論空燃比となるように空燃比を制御する装置として、例えば特開平3−185244号公報に記載されている装置がある。
この公報に記載されている装置では、内燃機関の運転状態に応じて触媒下流の空燃比が理論空燃比となるように触媒上流の目標空燃比を設定し、触媒上流の空燃比がこの目標空燃比となるようにフィードバック制御を実施している。
【0003】
さらに上記公報では、触媒下流の空燃比がリッチのときにはリーン側に、リーンのときにはリッチ側に一定量の補正を目標空燃比に加え、より精度良く空燃比を制御している。
なお、内燃機関の運転状態が変化すると触媒下流の空燃比を理論空燃比とする触媒上流の空燃比が変化する理由としては、排気温や触媒を通過する排気量により触媒の浄化能力が変化するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の装置では、触媒下流の空燃比に基づいて目標空燃比に一定量の補正を実施し、空燃比制御の精度を向上させている。しかしながら、触媒の浄化能力が変化すると排出ガスが触媒を通過するのに要する時間もそれに伴い変化する。つまり、単位排出ガス量あたりの触媒容量(SV比)が大きいときは触媒の浄化能力が高くなり、排出ガスが触媒を通過するのに要する時間が長くなる。よって、触媒上流の空燃比に対する触媒下流の空燃比の応答性が遅くなる。逆に、SV比が小さいときは触媒の浄化能力が低くなり、触媒上流の空燃比に対する触媒下流の空燃比の応答性が速くなる。
【0005】
上記公報のように触媒の浄化能力に関係なく一定量の補正を実施すると、SV比が大きく触媒下流の空燃比の応答性が遅いときには過補正になるという問題がある。また、SV比が小さく触媒下流の空燃比の応答性が速いときには最適な目標空燃比への収束が遅れるという問題がある。
本発明では、排出ガス量が変化しても精度よく空燃比を制御可能な空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明では請求項1に記載の構成とした。本構成によれば、内燃機関の運転状態に応じて目標空燃比フィードバック制御の応答速度を設定するので、SV比が大きく触媒下流の空燃比の応答性が遅いときには補正速度を遅くすることができる。また、SV比が小さく触媒下流の空燃比の応答性が速いときには補正速度を速くすることができる。また、目標空燃比のフィードバック制御として、触媒下流の空燃比のリッチ/リーンに基づいて触媒上流の目標空燃比を所定量ずつ更新することで触媒下流の空燃比を理論空燃比にフィードバック制御する手法を用いるようにしてもよい。このような目標空燃比フィードバック制御を採用した場合、応答速度設定手段は、上流側目標空燃比を更新するための所定量を内燃機関の運転状態に応じて設定することが好ましい。またこの際、所定量を触媒下流の空燃比の理論空燃比からのずれ量を考慮して設定するようにしてもよい。
【0007】
また、触媒下流の空燃比が理論空燃比となる触媒上流の空燃比は内燃機関の運転状態により変化する。よって、請求項2に記載のように、内燃機関の運転状態に基づいて目標空燃比を設定する構成とすることが好ましい。この際、目標空燃比として各々の内燃機関の運転状態において触媒の浄化率が最大となる目標空燃比を設定することが好ましい。このときの内燃機関の運転状態のパラメータとしては、触媒の浄化能力と相関のあるパラメータを用いることが好ましい。特にパラメータとして触媒の浄化能力と相関の強い内燃機関の回転数と内燃機関の負荷(内燃機関に吸入される空気量(吸入空気量)や吸気管圧力)を用いることが好ましい。
【0009】
また、目標空燃比フィードバック制御の応答速度を決定するための内燃機関のパラメータとしては触媒の浄化能力に相関のあるパラメータを用いることが好ましい。特に、請求項に記載のように、触媒の浄化能力と相関の強い排出ガス量をパラメータとして用いることが好ましい。このとき、排出ガス量を内燃機関の回転数と負荷(例えば、吸入空気量や吸気管圧力)とに基づいて推定するようにしても良いし、これらのパラメータで代用してもよい。
【0010】
請求項4に記載の構成では、内燃機関の運転状態に応じて目標空燃比フィードバック制御の応答速度を設定するので、SV比が大きく触媒下流の空燃比の応答性が遅いときには補正速度を遅くすることができる。また、SV比が小さく触媒下流の空燃比の応答性が速いときには補正速度を速くすることができる。また、目標空燃比のフィードバック制御として、触媒下流の空燃比のリッチ/リーンに基づいて目標空燃比を所定量ずつフィードバック制御する手法を用いており、応答速度設定手段は、その所定量を内燃機関の運転状態に応じて設定する。またこの際、触媒下流空燃比センサとしてリニア空燃比センサを用いている場合には、所定量を触媒下流の空燃比の理論空燃比からのずれ量を考慮して設定するようにしてもよい。また、触媒下流の空燃比が理論空燃比となる触媒上流の空燃比は内燃機関の運転状態により変化する。よって、請求項5に記載のように、内燃機関の運転状態に基づいて目標空燃比を設定する構成とすることが好ましい。この際、目標空燃比として各々の内燃機関の運転状態において触媒の浄化率が最大となる目標空燃比を設定することが好ましい。このときの内燃機関の運転状態のパラメータとしては、触媒の浄化能力と相関のあるパラメータを用いることが好ましい。特にパラメータとして触媒の浄化能力と相関の強い内燃機関の回転数と内燃機関の負荷(例えば、吸入空気量や吸気管圧力)を用いることが好ましい。
【0012】
また、目標空燃比フィードバック制御の応答速度を決定するための内燃機関のパラメータとしては触媒の浄化能力に相関のあるパラメータを用いることが好ましい。特に、請求項に記載のように、触媒の浄化能力と相関の強い排出ガス量をパラメータとして用いることが好ましい。このとき、内燃機関の回転数を検出するセンサと内燃機関の負荷を検出するセンサ(例えば、吸入空気量センサや吸気管圧力センサ)を設け、排出ガス量を内燃機関の回転数と負荷とに基づいて推定するようにしても良いし、これらのパラメータで代用してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一実施例として、本発明を採用した内燃機関(エンジン)用空燃比制御装置について説明する。図1は、空燃比制御が行われるエンジン10とその周辺装置を示す概略構成図である。図1に示すように本実施例では、エンジン10の燃料噴射量TAUの制御が、電子制御装置(ECU)20により行われる。
【0014】
図1に示すように、エンジン10の各気筒にはエアクリーナ11、吸気管12、スロットルバルブ13、サージタンク14、吸気分岐管15を介して空気が吸入される。一方、燃料は図示しない燃料タンクより圧送されて各吸気分岐管15に設けられた燃料噴射弁16から噴射・供給されるよう構成されている。また、エンジン10には、エンジン10の回転数Neを検出する回転数センサ30、スロットルバルブ13の開度THを検出するスロットルセンサ31、スロットルバルブ13下流の吸気圧PMを検出する吸気圧センサ32、エンジン10の冷却水温Thwを検出する水温センサ33、吸気温Tamを検出する吸気温センサ34が備えられている。
【0015】
さらに、エンジン10の排気管35には、エンジン10から排出される排気ガス中の有害成分(CO、HC、NOx等)を低減するための三元触媒38が備えられている。この三元触媒38の上流側には触媒上流の排出ガスの空燃比λに応じたリニアな検出信号を出力する上流空燃比センサとしてのリニア空燃比センサ36が設けられている。また、三元触媒38の下流側には、触媒下流の空燃比λが理論空燃比λ0 に対してリッチか、リーンかに応じた検出信号を出力する下流空燃比センサとしてのO2 センサ37が設けられている。
【0016】
電子制御装置20は、周知のCPU21、ROM22、RAM23、バックアップRAM24等を中心に算術論理演算回路として構成され、上述した各センサからの入力を行う入力ポート25や各アクチュエータへ制御信号を出力する出力ポート26等とバス27を介して相互に接続されている。電子制御装置20は、入力ポート25を介して入力した各センサからの信号に基づいて燃料噴射量TAUを算出し、出力ポート26を介して燃料噴射弁16に制御信号を出力する。
【0017】
以下、図2に示すフローチャートに基づいて空燃比制御について説明する。
図2は燃料噴射量TAUを設定する処理であり、回転に同期して(本実施例では、360゜CA毎)実行されるものである。
まず、ステップ101で吸気圧PM、回転数Neに応じて基本燃料噴射量Tpが演算される。続くステップ102で空燃比フィードバック条件が成立しているか否かを検出する。ここでは、冷却水温Thwが所定値以上であって、高負荷、高回転運転中でないことを空燃比フィードバック条件としている。ステップ102で空燃比フィードバック条件が成立していない時は、ステップ103で空燃比補正係数FAFが1に設定され、ステップ106へ進む。
【0018】
また、ステップ102で空燃比フィードバック条件が成立している時は、ステップ104で目標空燃比λTGが設定される(詳細は後述)。そして、ステップ105で空燃比λが目標空燃比λTGとなるように空燃比補正係数FAFが設定される。詳しくは、目標空燃比λTGと空燃比センサ36で検出される空燃比λ(k
)に応じて、次式により空燃比補正係数FAFが演算される。
【0019】
Figure 0003864455
ここで、K1 〜K4 はフィードバックゲインである。また、FAF(k−1),FAF(k−2),FAF(k−3)は、それぞれ前回の空燃比補正係数、前々回の空燃比補正係数、3回前の空燃比補正係数である。なお、積分項Z1 (k)は目標空燃比λTGと実際の空燃比λ(k)との偏差と積分定数Kaとから決まる値であって、次式により求められる。
【0020】
Figure 0003864455
そして、ステップ106で基本燃料噴射量Tpに対して空燃比補正係数FAF及び他の補正係数FALLに応じて次式により補正され、燃料噴射量TAUが設定される。
【0021】
TAU=FAF×Tp×FALL ……(3)
以上のようにして設定された燃料噴射量TAUに応じた作動信号が燃料噴射弁16へ出力される。
次に、目標空燃比λTGの設定(図2中のステップ104)について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0022】
まず、ステップ201にて内燃機関の運転状態を表すパラメータとしてエンジン回転数Neと吸気圧PMを読み込む。次にステップ202にて目標空燃比λTGを設定する。本実施例ではこの目標空燃比λTGを図4に示すようにエンジン回転数Neと吸気圧PMとのマップから読み込む。なお、このマップはそれぞれの運転状態において三元触媒38の浄化率が最大となる目標空燃比λTGが記憶されている。本実施例では、エンジン回転数Neおよび吸気圧PMが高いほど目標空燃比がリッチとなるように設定されている。
【0023】
次に、ステップ203において、目標空燃比補正量λM を設定する。本実施例ではこの目標空燃比補正量λM を図5に示すエンジン回転数Neと吸気圧PMとのマップから読み込む。このマップにはそれぞれの運転状態においてO2 センサ37による目標空燃比フィードバック制御の応答速度が最適となる目標空燃比補正量λM が記憶されている。なお、後述するステップ204〜ステップ210にて実行される目標空燃比フィードバック制御の応答速度はこの目標空燃比補正量λM により決まる。
【0024】
続くステップ204〜ステップ210において、O2 センサ37の出力に基づく目標空燃比フィードバック処理が実行される。まず、ステップ204において、今回、触媒下流の空燃比がリッチであるか否かを判断する。本実施例では、今回、O2 センサ37により検出された空燃比がリッチであるか否かを検出する。ここで、O2 センサ37により検出された空燃比がリッチのときには肯定判断され、ステップ205に進む。次にステップ205にて、前回の処理時に触媒下流の空燃比がリッチであったか否かを判断する。ここでもステップ204と同様に前回、O2 センサ37により検出された空燃比がリッチであったか否かを判断する。ここでも肯定判断されたときにはステップ206に進む。そして、ステップ206にてステップ202で設定された目標空燃比λTGをステップ203で設定された補正量λM だけ大きく設定する。つまり、触媒下流の空燃比がリッチのときには目標空燃比を所定値(補正量λM )だけリーン側に設定し、これを最終的に目標空燃比λTGとして(λTG←λTG+λM )本処理を終了する。
【0025】
また、ステップ205で否定判断されたときには、スキップ処理を実行する。つまり、目標空燃比λTGに補正量よりも大きいスキップ量λSKP を加えこれを最終目標空燃比λTGとして設定し(λTG←λTG+λSKP )、本処理を終了する。なお、本実施例ではこのスキップ量λSKP は予め与えられている固定値である。
一方、ステップ204にてO2 センサ37により検出された空燃比がリーンの場合は、ステップ208で前回の処理時に検出された空燃比がリッチであったか否かを判断する。ここで肯定判断されるとステップ209に進む。ステップ209では、ステップ207と同様にスキップ処理を実行する。但し、ここでは目標空燃比λTGに補正量よりも大きいスキップ量λSKP を減算し、これを最終目標空燃比λTGとして設定し(λTG←λTG−λSKP )、本処理を終了する。
【0026】
また、ステップ208にて否定判断されたときにはステップ210に進む。そして、ステップ210にてステップ206と同様に今度は目標空燃比λTGを補正量λM だけ小さくする。つまり、触媒下流の空燃比がリーンのときには目標空燃比を所定値(補正量λM )だけリッチ側に設定し(λTG←λTG−λM )、本処理を終了する。
【0027】
以上の処理をタイムチャートで示したものが図6である。以下、この図6にしたがって本発明の本実施例における作用及び効果を説明する。なお、図中の実線は本発明の装置の、破線は従来の装置の各パラメータの動きを表している。
図6において、時間t1までは内燃機関の運転状態は低回転低負荷の状態にあるため、触媒上流の目標空燃比は略理論空燃比であり、目標空燃比補正量も小さく、従来の空燃比制御と略同じ波形である。
【0028】
次に、時間t1から時間t2にかけてエンジン回転数Neと負荷PMとが高くなると、本発明の空燃比制御装置は目標空燃比フィードバック制御の応答速度が最適となるように目標空燃比補正量λM を大きくする。また、本実施例では、触媒の浄化率が最大となるように目標空燃比もリッチ側に設定するため、目標空燃比はリッチ側に大きく移行する。よって、目標空燃比フィードバック制御の応答速度が最適に設定され、高い触媒浄化率が維持されるので、触媒下流の空燃比が略理論空燃比に保たれる。これにより、排出ガス中の有害成分であるHC,NOx の排出を抑制することができる。
【0029】
しかしながら、従来の空燃比制御装置は、目標空燃比は触媒の浄化率が最大となる目標空燃比に設定されるものの、目標空燃比フィードバック制御の応答性が良くないためしばらくの間触媒上流の空燃比が乱れ、ひいては触媒下流の空燃比が乱れてしまう。つまり、排出ガス中の有害成分の一部が触媒で浄化されないまま排出されることになる。
【0030】
さらに、時間t3から時間t4の間で吸気圧PM,エンジン回転数Neが高くなったときにも同様の効果を得ることができる。
なお、ここではエンジン回転数Ne,吸気管圧力PMが高くなった場合を説明したが、逆の場合、つまりエンジン回転数Ne,吸気管圧力PMが高い状態から低い状態に移行するときにも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0031】
以上述べたように本発明の上記実施例では、エンジン回転数Neと吸気圧PMとに応じて目標空燃比フィードバックの応答速度を最適に設定している。つまり、触媒の浄化能力に強く関係する排出ガス量の代用としてエンジン回転数Neと吸気圧PMとをパラメータとし、目標空燃比フィードバックの応答速度を設定している。
【0032】
このため、単位排出ガス量あたりの触媒容量(SV比)が変化し、触媒の浄
化能力が変化することにより触媒上流の空燃比に対する触媒下流の空燃比の応答速度が変化しても触媒下流の空燃比を略理論空燃比に保つことができる。よって、エンジンの運転状態にかかわらず、排出ガス中の有害成分の排出を抑制することができる。
【0033】
さらに、本実施例ではエンジン回転数Ne と吸気圧PMとに応じて目標空燃比を設定している。つまり、触媒の浄化能力と相関の強いパラメータをエンジンの運転状態を表すパラメータとして用い、これらのパラメータに基づいて目標空燃比を設定しているため、より正確に触媒下流の空燃比を理論空燃比に制御することができる。
【0034】
なお、上記実施例において、図2のステップ105が空燃比フィードバック制御手段に、図3のステップ202が目標空燃比設定手段に、図3のステップ204〜ステップ210が目標空燃比フィードバック制御手段に、図3のステップ203が応答速度設定手段にそれぞれ相当し、機能する。
また、上記実施例において、下流空燃比センサとして理論空燃比よりもリッチかリーンかのみを出力するO2 センサを用いているが、これに限られることはなく、例えば上流空燃比センサと同じリニア空燃比センサを用いてもよい。このとき、触媒下流の空燃比が理論空燃比からずれている量を検出することができるので、このずれ量に応じても目標空燃比フィードバックの応答速度を設定するようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施例では内燃機関の運転状態を表すパラメータとして、エンジン回転数と吸気圧とを用いているがこれに限られることはなく、例えばエンジン回転数と吸入空気量とをパラメータとして設定してもよく、他にも、触媒上流または/および触媒下流の空燃比センサ出力や排気温センサが備えられているシステムではその出力を用いてもよい。
【0036】
さらに、上記実施例では目標空燃比フィードバックの応答速度を目標空燃比補正量を変えることで最適な応答速度に設定しているが、これに限られることはなく、例えば、本実施例中のスキップ量を変更するようにしてもよいし、スキップ量と目標空燃比補正量との両方を変更するようにしてもよい。また、当然のことながら本発明の適用範囲は上記実施例のシステムに限られることはなく、例えば、スキップ制御を実施していないシステムにも適用可能である。
【0037】
以上、述べたように本発明を適用した空燃比制御装置は、触媒上流の空燃比に対する触媒下流の空燃比の応答速度に応じて目標空燃比フィードバック制御の応答速度を設定しているので、排出ガス量が変化しても精度良く空燃比を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施例の空燃比制御装置の構成図である。
【図2】一実施例において燃料噴射量を演算するためのフローチャートである。
【図3】一実施例において目標空燃比を設定するためのフローチャートである。
【図4】内燃機関の運転状態に応じて目標空燃比を設定するためのマップである。
【図5】内燃機関の運転状態に応じて目標空燃比補正量を設定するためのマップである。
【図6】一実施例における各パラメータの動きを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関(エンジン)
20 電子制御装置
30 回転数センサ
32 吸気圧センサ
36 リニア空燃比センサ
37 O2 センサ
38 三元触媒、

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気系に設けられている触媒の上流の空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
    前記目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、
    触媒下流の空燃比が理論空燃比となるように前記目標空燃比をフィードバック制御する目標空燃比フィードバック制御手段と、
    内燃機関の運転状態に基づいて前記目標空燃比フィードバック制御の応答速度を設定する応答速度設定手段とを備え、
    前記目標空燃比フィードバック制御手段は、触媒下流の空燃比がリッチのときには前記触媒上流の目標空燃比を所定値だけリーン側に更新し、触媒下流の空燃比がリーンのときには前記触媒上流の目標空燃比を所定値だけリッチ側に更新することで前記触媒下流の空燃比を理論空燃比にフィードバック制御する手段であり、
    前記応答速度設定手段は、内燃機関の運転状態に応じて前記触媒上流の目標空燃比を更新するための前記所定値を設定することで前記目標空燃比フィードバック制御の応答速度を設定する手段であることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記目標空燃比設定手段は、内燃機関の運転状態に基づいて前記目標空燃比を設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記応答速度設定手段は、前記内燃機関の運転状態を表すパラメータとして排出ガス量を用い、排出ガス量が多いほど応答速度を速く設定することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 内燃機関の排気系に設けられている触媒と、
    前記触媒の上流に設けられており、触媒上流の空燃比をリニアに検出する上流空燃比センサと、
    前記触媒の下流に設けられており、触媒下流の空燃比を検出する下流空燃比センサと、
    前記上流空燃比センサの出力に基づいて触媒上流の空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
    前記目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、
    前記下流空燃比センサの出力に基づいて触媒下流の空燃比が理論空燃比となるように前記目標空燃比をフィードバック制御する目標空燃比フィードバック制御手段と、
    内燃機関の運転状態に基づいて前記目標空燃比フィードバック制御の応答速度を設定する応答速度設定手段とを備え、
    前記目標空燃比フィードバック制御手段は、前記下流空燃比センサにより検出された空燃比がリッチのときには前記目標空燃比を所定値だけリーン側に、リーンのときには前記目標空燃比を所定値だけリッチ側にフィードバック制御する手段であり、
    前記応答速度設定手段は、内燃機関の運転状態に応じて前記所定値を設定することで前記目標空燃比フィードバック制御の応答速度を設定する手段であることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記目標空燃比設定手段は、内燃機関の運転状態に基づいて前記目標空燃比を設定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 前記応答速度設定手段は、前記内燃機関の運転状態を表すパラメータとして排出ガス量を用い、排出ガス量が多いほど応答速度を速く設定することを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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