JP3864144B2 - モジュール式の制御ケーシング - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モジュール式の制御ケーシング、特に直方体状に形成されたケーシングであって、ケーシングが、結合可能な同形式の２つのケーシングシェルから構成されている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような形式の、モジュール式に形成されたケーシングは、産業周囲環境において、電子制御素子、状態表示装置またはその他の構成要素を、単数または複数のプラグコネクタと共に、非集中的に直接消費器に分散して供給するために必要である。
【０００３】
工業分野では、モータおよびセンサを制御するための電子的な構成要素を、接触と、場合によっては攻撃的な産業雰囲気とから保護するために、主に金属ケーシングに格納することが公知である。
【０００４】
さらに結合可能なシェル半部から成る、主にプラスチック製のケーシングを製作することが公知であり、ケーシングは、電子機器を収容するために設けられていて、一部はコードレス式の運転機構のために使用され、一部はケーブル接続されたアダプタケーシングとして使用される。
【０００５】
このようなケーシングの欠点によれば、多くの場合粗く厳しい工業周囲環境において使用することができず、１つのケーシング仕様では様々な形式での使用性が得られない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の課題は、冒頭で述べたような形式のモジュール式の制御ケーシングを改良して、重みのあるコネクタと共に工業的に使用するために利用でき、これと同時に、組み込まれた電子機器によって制御性能または表示性能が得られるようなものを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するための本発明の装置によれば、ケーシングシェルの角隅領域において、ケーシングシェルに対して垂直に、ケーシングシェルに一体成形されたアングル部材が設けられており、アングル部材の端面が、ケーシングシェルを組み立てる際に互いに当接するようになっており、角隅領域において、アングル部材から間隔を有して内側の支柱が設けられており、支柱が、アングル部材よりも短く形成されており、ケーシングシェルに、ケーシングシェルの周に沿って延びる溝が成形されており、溝が、アングル部材と支柱との間を延びており、一体的で弾性的なシールが、シールひもで、周に沿って延びる溝に嵌入可能であり、シールに一体成形された角隅片が、間隔を有して設けられたアングル部材と支柱との間に突入しており、角隅片に設けられた一体成形部が、支柱の端面に載設されている。
【０００８】
本発明の有利な実施形態は、請求項２から８に記載されている。
【０００９】
【発明の効果】
本発明によって得られる利点によれば、特にモジュール式に形成された制御ケーシングによって、産業に有用なケーシングの様々な構成が得られ、この場合制御課題が消費器へ分散する傾向にあるなかで、電子機器を組み込むことができ、これと同時に、適当なアダプタにおける単数または複数のコネクタを制御ケーシングに組み付けることができる。
【００１０】
制御ケーシングは、主として２つのシェル半部から成っており、これらは押出成形された支柱と、その中に挿入されるねじとによって互いに結合可能である。
【００１１】
直方体状のケーシングの４つの狭幅面の全てに開口が設けられており、これらの開口は支柱の間に形成され、開口には、各面を閉鎖するための金属薄板部分かまたはたとえばコネクタを収容するためのアダプタを嵌め込むことができる。
【００１２】
有利には、金属薄板部分は狭幅側で、中央部分から出発して縁部に向かって延びる面取部を有しているので、金属薄板部分は、ケーシングの、周に沿って延びる溝の設けられた開口に嵌入可能である。
【００１３】
さらにケーシングの内側において、台座状の載設部に組付基板またはプリント基板を組み付けることができる。
【００１４】
周に沿って延びるゴムシールを使用することによって、有利には、粗い工業周囲環境においてＩＰ６５までの防護方式を有する、ダストおよび水しぶきに対して密なケーシングを提供することができる。
【００１５】
さらにそのようなケーシングは、配電盤キャビネットの内側においてＤＩＮ−支持レールに取り付けることもでき、また別の場合では任意に組み付けることもできる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図示の実施例を用いて詳しく説明する。
【００１７】
図１には、可視の状態で示されたコネクタを備えた、本発明の制御ケーシング１の全体が斜視図で示されている。
【００１８】
２つのケーシング半部としてのケーシングシェル２，３から成るケーシングには、２つのアダプタ１０，１０′ならびに２つの金属薄板部分２０が取り付けられており、ここではこれらの２つの金属薄板部分２０のうちの１つが図示されている。比較的小さなアダプタ１０′の内側にコネクタ１８′が嵌め込まれている。
【００１９】
図２には、組み合わされた両方のケーシングシェル２，３が斜視図で示されており、これらのケーシングシェル２，３は、各頂点に設けられた、ケーシングシェルに一体成形されたアングル部材５を用いて、アングル部材５に挿入されるねじによる結合によって結合保持されている。
【００２０】
アングル部材の間に切欠４，４′が形成されており、これらの切欠は内側縁部においてそれぞれ囲繞するように周に沿って延びる溝６，６′を備えている。
【００２１】
ケーシングシェルの各頂点には、ケーシングの内側にプリント基板または組付基板を取り付けるための載設部７が設けられている。ケーシングシェルの外面には、コネクタを備えたケーシング１の取り外しを行う際に確実に把持できる表面を提供するために、斜めに配置されたプロフィールストリップ８が設けられている。
【００２２】
図３には、アダプタ１０が側面図で示されている。ここでは爪１２と必然的に生じる溝１４とから成るプロフィールが判りやすく示されている。アダプタは、ケーシング１の切欠４，４′の１つに組み付ける際に、爪１２で溝６，６′に挿入される。
【００２３】
爪１２はその外側輪郭で、図４に示された金属薄板部分２０と同様の形状を有している。
【００２４】
方形を有する金属薄板部分は、狭幅側で、金属薄板中央部分２２から出発して縁部２４に延びる対称的な面取り部を備えている。
【００２５】
縁部に対して比較的長い金属薄板中央部分は、ケーシングシェルと金属薄板部分ならびにケーシングシェルに挿入されたアダプタとの間の、持続的で傾きのない確実かつ堅固な結合をもたらす。
【００２６】
図５には、一体的なシール２５が示されており、このシール２５は、ケーシングシェル２，３に設けられた、周に沿って延びる溝６，６′に挿入するために設けられている。円形または場合によっては様々な横断面を有して成形されている通常のゴムシールに対して、このシールは、シールひも２７の頂点において、このシールひもに対して垂直に突出する、一体成形部２９を備えた、アングル部材状の角隅片２８が設けられている、という特性を有している。
【００２７】
さらに角隅片には、少なくともシールひも２７の厚さである高さを有する切欠２６が設けられており、この切欠によって、ケーシング半部に設けられた、周に沿って延びる溝６の角隅領域における適当な対応形状に基づいて、シールの正確な固定が得られる。両方のケーシングシェル２，３のそれぞれにシールを嵌め込むと、シールひも２７を備えた各溝６，６′が形成されるだけでなく、図６に詳しく示した支柱５′がカバーされる。
【００２８】
したがって両方のケーシングシェルのそれぞれが、周に沿って延びる独自のシールを備えており、このシールは、両方のケーシングシェルを組み付ける際に、各切欠４，４′に同様に周に沿って延びるシールを形成し、その結果として嵌め込み用の金属薄板だけしか使用しない場合、水密なケーシングが生じる。
【００２９】
図６のａには、開放状態のケーシングシェル２，３の内側が平面図で示されており、図６のｂには、角隅領域の詳細が断面図で示されている。
【００３０】
アングル部材５には、ケーシングシェルを相互的に載設するための端面９が設けられていて、かつたとえば外側からの可視部分として丸み付けされている。内側に位置する支柱５′と共に、アングル部材５は、ケーシングシェルに一体成形されているが、アングル部材５と支柱５′とはスリットによってほぼ分離されており、このスリット内を、シール２５のシールひものための周に沿って延びる溝６が案内されている。ケーシングを組み立てる際に、このスリットにそれぞれシール２５の、シェル状の角隅片２８が挿入され、この場合一体成形部２９は、支柱５′の端面に少なくとも部分的に載設される。
【００３１】
組立時に密に相並んで位置するケーシングシェルを確保するために、内側の支柱５′の長さはアングル部材５に対して比較的短く構成されているので、端面９′に載設するシールの一体成形部２９のために十分なスペースが維持される（図６のｂ参照）。さらに支柱５′の端面９′には、ここでは詳しくは説明しない、両方のケーシングシェル２，３の相互的なねじ固定のための孔が設けられている。
【００３２】
図７には、開放状態のケーシングが示されており、ここでは一方のケーシングシェルは取り外されている。２つのアダプタ１０，１０′ならびに２つの金属薄板部分２０，２０′のそれぞれが狭幅面の１つに嵌め込まれている。
【００３３】
アダプタに、それぞれ適当なコネクタ１８，１８′が挿入されている。さらにケーシングシェル内に組付金属薄板またはプリント基板３０が示されており、この組付金属薄板に、電気的な構成要素もしくは電子的な構成要素を取り付けることができる。同様に金属薄板部分２０，２０′に表示手段または切換手段を設けてもよい。
【００３４】
さらに図７から判るように、全４面の開口に対するアダプタもしくは金属薄板部分に関する嵌め込みは、完全に金属薄板部分で閉鎖されたケーシングから４つのコネクタを備えたケーシングに至るまで、任意に構成することができる。この場合既に図５で説明したシール２５を使用すると、ダストおよび水しぶきに対して密に形成されたケーシングが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図１】完全な状態の制御ケーシングを示す斜視図である。
【図２】２つのケーシングシェルから形成された制御ケーシングを示す図である。
【図３】アダプタの側面図である。
【図４】金属薄板部分の平面図である。
【図５】シールの斜視図である。
【図６】ａは、ケーシングシェルの内側を示す平面図であり、ｂは、ケーシングシェルの角隅領域を示す部分断面図である。
【図７】開放状態のケーシングシェルを示す斜視図である。
【符号の説明】
１ 制御ケーシング、 ２，３ ケーシングシェル、 ４ 切欠、 ５ アングル部材、 ５′ 支柱、 ６，６′ 溝、 ７ 載設部、 ８ プロフィールストリップ、 ９，９′ 端面、 １０，１０′ アダプタ、 １２ 爪、 １４ 溝 １８，１８′ コネクタ、 ２０，２０′ 金属薄板部分、 ２２ 中央部分、 ２４ 縁部、 ２５ シール、 ２６ 切欠、 ２７ シールひも、２８ 角隅片、 ２９ 一体成形部、 ３０ 組立金属薄板

Claims (8)

1. モジュール式の制御ケーシング（１）であって、該ケーシング（１）が、結合可能な同形式の２つのケーシングシェル（２，３）から構成されている形式のものにおいて、
   ケーシングシェル（２，３）の角隅領域において、これらのケーシングシェル（２，３）に対して垂直に、ケーシングシェルに一体成形されたアングル部材（５）が設けられており、これらのアングル部材（５）の端面が、ケーシングシェルを組み立てる際に互いに当接するようになっており、ケーシングの組み立てられた状態で、両ケーシングシェル（２，３）の間に開口（４，４′）が形成されるようになっており、前記角隅領域において、アングル部材（５）から間隔を有して内側の支柱（５′）が設けられており、これらの支柱（５′）が、アングル部材よりも短く形成されており、
   ケーシングシェル（２，３）に、ケーシングシェルの周に沿って延びる溝（６）が成形されており、該溝（６）が、アングル部材（５）と支柱（５′）との間を延びており、
   一体的で弾性的なシール（２５）が、シールひも（２７）で、周に沿って延びる溝（６）に嵌入可能であり、
   シール（２５）に一体成形された角隅片（２８）が、間隔を有して設けられたアングル部材（５）と支柱（５′）との間に突入しており、
   角隅片（２８）に設けられた一体成形部（２９）が、支柱（５′）の端面に載設されていることを特徴とする、モジュール式の制御ケーシング。
2. アングル部材（５）の縁部に溝（６′）が設けられており、該溝（６′）が、前記周に沿って延びる溝（６）に対して垂直に延びている、請求項１記載の制御ケーシング。
3. ケーシングの、アングル部材（５）によって形成された開口（４，４′）に、少なくとも１つのアダプタ（１０）が、該アダプタに挿入可能な電気的な接続エレメントと共に形状接続式に嵌入可能である、請求項１または２記載の制御ケーシング。
4. アダプタ（１０，１０′）が、アダプタの周に沿って延びる爪（１２）を備えており、該爪（１２）が、前記開口（４，４′）に設けられた前記周に沿って延びる溝（６，６′）に係合するようになっている、請求項１から３までのいずれか１項記載の制御ケーシング。
5. 方形に成形された金属薄板部分（２０，２０′）が、前記開口（４，４′）に設けられた前記周に沿って延びる溝（６，６′）に嵌入可能であり、金属薄板部分が、狭幅側で、中央部分（２２）から出発して縁部（２４）に向かう面取部を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載の制御ケーシング。
6. ケーシング（１）において、台座状の載設部（７）に少なくとも１つの組付基板またはプリント基板（３０）が組付可能である、請求項１から５までのいずれか１項記載の制御ケーシング。
7. アダプタ（１０，１０′）に嵌入可能な電気的な接続エレメントが、コネクタ（１８，１８′）として形成されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の制御ケーシング。
8. ケーシングシェル（２，３）の外面が、隆起したプロフィールストリップ（８）を備えている、請求項１から７までのいずれか１項記載の制御ケーシング。

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