JP3863034B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば空気調和機に用いられる熱交換器に係り、特に、熱交換器を構成するフィンに立ち上がり加工される切起し片部に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば空気調和機における冷凍サイクルの構成部品として、圧縮機や弁類などの他に、熱交換器が備えられる。空気調和機が室内機と室外機とから構成される場合は、そのいずれのユニットにも熱交換器が必要となる。
これら熱交換器は、所定の間隙を存して並設され、上記間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィンと、これらフィンを貫通して設けられ、その内部に冷媒を導通させる熱交換パイプとからなる、いわゆるフィンチューブタイプのものが多用される。
【0003】
そして、熱交換器における熱交換効率の向上を図るため、上記フィンに切起し部を設けるのが、近時の傾向となっている。フィンの板厚は極く薄いので、たとえばプレス加工にてフィンを型抜きするとともに、上記切起し部を同時加工するようになっている。
この切起し部は、熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設された熱交換パイプ相互間に設けられる。また、フィンの一面側に熱交換パイプが挿通するカラー部が突設されていて、切起し部の突出方向と同一方向に突出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、空気調和機用の室内熱交換器においては、フィンに多数の切起し部を設けることによって熱交換効率の向上を図ってきた。そして、上記切起し部に対して様々な工夫がなされてきた。
たとえば、特開平11−304388号公報に記載されている熱交換器のように、切起し部の数を増やすことによるフィンの分断や、交互に異なる方向に切起すオフセットによって温度境界層を薄くしたり、切起し部の面積の割合を増やすことが重要と考えられている。
【0005】
しかしながら、多数の切起し部を有する熱交換器では、ドレン水が生成してフィン表面に付着した場合に切起し部に溜まり易く、そのため通風抵抗が増大して熱交換効率が低下する。
さらには、熱交換空気の流れにドレン水が載って飛散し、室内に滴下することもある。特に、長期の使用に亘ると経年変化があり、フィン表面の親水被膜の劣化がある。
【0006】
また、合成樹脂材や建材の防腐剤・接着剤などに含まれるホルムアルデヒト、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOCガスと呼ばれる)が室内空気中に存在すると、フィン表面に付着してフィン表面が撥水化してしまう。
VOCガスの発生は、住宅建材の多様化や住宅の気密性の向上などにより、さらに増加する傾向にある。フィン表面が撥水化するとドレン水の潤滑な排水が行われなくなり、熱交換効率の低下や、ドレン水飛散等の問題が助長する。このような問題は、熱交換性能を向上するために、フィンピッチを1.5mm以下にしたときに顕著に生じる。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、熱交換空気と熱交換する際に生成されるドレン水の処理の円滑化を図って、ドレン水の滴下や飛散を防止し、通風抵抗の減少をなして、熱交換効率の向上を得られる熱交換器を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱交換器は上記目的を満足するためになされたものであり、所定の間隙を存して並設されこれらの間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィンと、それぞれのフィンにおける熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部と、これらカラー部に嵌め込まれ内部に熱交換媒体を導通させる熱交換パイプと、フィンカラー部相互間に設けられる切起し片部とを具備し、上記切起し片部は、カラー部および熱交換パイプの中心点相互を結ぶ中心線上の切起し片部と、この中心線上の切起し片部とフィンの側端縁との間に設けられる複数列の切起し片部とからなり、上記切起し片部は、フィン側端縁に最も近い切起し片部から上記中心線上の切起し片部になるにしたがって隣り合う列の切起し片部相互間隔が漸次広くなるよう設けられる。
さらに、上記フィン側端縁に最も近い切起し片部は、カラー部外周面のフィン側端縁に最も近い点より鉛直下向きに降ろした線と、フィン側端縁との間に設けてもよい。
【0011】
本発明の熱交換器は上記目的を満足するためになされたものであり、所定の間隙を存して並設され、これらの間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィンと、それぞれのフィンにおける熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部と、これらカラー部に嵌め込まれ、内部に熱交換媒体を導通させる熱交換パイプと、上記フィンカラー部相互間に設けられる切起し片部とを具備し、
上記切起し片部は、上記カラー部および熱交換パイプの中心点相互を結ぶ中心線上に設けられ立ち上がり端が熱交換空気の流通方向と平行に設けられる切起し片部と、この中心線上の切起し片部と上記フィンの側端縁との間に設けられ立ち上がり端が中心線上の切起し片部立ち上がり端側に向けて斜めに切り起される複数列の切起し片部とからなり、
上記中心線上に設けられる切起し片部からフィン側端縁に最も近い切起し片部になるにしたがって、熱交換パイプ中心と切起し片部の立ち上がり端との間の距離が漸次狭くなるよう設けられるとともに、上記中心線上に設けられる切起し片部からフィン側端縁に最も近い切起し片部になるにしたがって、立ち上がり端間の距離が漸次狭くなるように設けられる。
【0012】
さらに、少なくとも、フィンの側端縁に最も近い切起し片部は、その立ち上がり端が斜めに切り起されるようにしてもよい。
さらに、上記斜めに切り起こされる立ち上がり端は、中心線上の切起し片部立ち上がり端に向けて斜めとしてもよい。
さらに、上記斜めに切り起こされる立ち上がり端は、その傾斜最大角度が35度以下に設定してもよい。
さらに、上記中心線上における切起し片部の立ち上がり端は、熱交換空気の流通方向と平行に設けてもよい。
さらに、上記フィンは、その表面に親水性処理が施されていてもよい。
【0013】
本発明の熱交換器は上記目的を満足するためになされたものであり、所定の間隙を存して並設されこれらの間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィンと、それぞれのフィンにおける熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部と、これらカラー部に嵌め込まれ内部に熱交換媒体を導通させる熱交換パイプと、フィンカラー部相互間に設けられる切起し片部とを具備し、上記切起し片部は少なくとも熱交換パイプの中心点から両側30°下方へ降ろした線を上記カラー部外周面と交差させこの交点からさらに鉛直下向きに降ろした線の相互間に存在させ、しかも、この切起し片部のフィンから立ち上がる立ち上がり端とカラー部外周面との最短距離L1と、カラー部外周の直径Dcとの比L1/Dcが、L1/Dc≧0.25となるように設定され、上記切起し片部はカラー部および熱交換パイプの中心点相互を結ぶ中心線上の切起し片部と、この中心線上の切起し片部とフィンの側端縁との間に設けられる複数列の切起し片部とからなり、フィン側端縁に最も近い切起し片部から中心線上の切起し片部になるにしたがって隣り合う列の切起し片部相互間隔が漸次広くなるよう設けられ、さらに中心線上からフィン側端縁を直視した状態で各列の切起し片部における立ち上がり端が重ならないように設けられるとともに中心線上に設けられる切起し片部からフィン側端縁に最も近い切起し片部になるにしたがって熱交換パイプ中心と切起し片部の立ち上がり端との間の距離が漸次狭くなるよう設けられる。
【0014】
このような課題を解決する手段を採用することにより、熱交換空気と熱交換する際に生成されるドレン水の処理の円滑化を図って、ドレン水の滴下や飛散を防止し、通風抵抗の減少をなして、熱交換効率の向上を得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、たとえば空気調和機の室内機に用いられる熱交換器、すなわち室内熱交換器の一部を拡大した斜視図である。ここでは、イメージ図として示しており、細部は模式的に表現している。
この室内熱交換器は、所定の間隙を存して並設され、これらの間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィン1と、これらフィン1を貫通して設けられ、内部に冷媒を導通させる図示しない熱交換パイプとから構成される。
【0016】
上記フィン1の長手方向に沿い所定間隔を存して、かつフィンの短手方向に2列のカラー部2が突設されている。これらカラー部2の突出量は、フィン1相互の間隙量とほとんど同一である。
上記各列のカラー部2は、互いに千鳥状の位置に設けられていて、長手方向の相互間に対向している。それぞれのカラー部2には、後述する熱交換パイプが挿通するようになっている。
上記フィン1の長手方向であるカラー部2相互間には、複数列の切起し片部3が設けられる。図1はイメージ図であるので、上記切起し片部3は後述する実際のものとは相違した形態となっている。
【0017】
図2は、上記熱交換器の一部を概略的に示す断面図である。
熱交換空気の流通方向に沿って一対のフィン1,1が隣接した状態に配置され、熱交換器が構成される。各フィン1には、熱交換空気の流通方向とは直交する方向である、フィン1の長手方向に一列で、かつ所定間隔を存して熱交換パイプ4が挿通される。
【0018】
上記熱交換パイプ4は、先に説明したフィン1に設けられるカラー部2に嵌め込まれており、したがって各列の熱交換パイプ4は、互いに千鳥状の位置になるよう長手方向の相互間に対向している。
熱交換空気は、図で矢印で示すように熱交換器の一側部から吹き付けられ、フィン1相互間を流通して他側端から流出する。熱交換空気はフィン1を流通する間に、フィン1と熱交換するとともに、フィン1相互の熱交換パイプ4に衝突して熱交換する。
【0019】
左右列のフィン1において、熱交換パイプ4を千鳥状に介挿しているので、熱交換空気は全ての熱交換パイプ4に衝突することとなり、極めて有効な熱交換作用が行われる。
上記フィン1の、熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されたカラー部2と熱交換パイプ4相互間に、上記複数列の切起し片部3が設けられる。各列の切起し片部3は、上下部が立ち上がり端をなし、これら相互間がフィン1面と並行でカラー部2の突出量よりも小さい突出量の切起し加工となっている。
【0020】
したがって、熱交換器として組立てられた状態で熱交換空気をフィン1相互間に流通させると、熱交換空気はフィン1面に沿うとともに、切起し片部3に沿って流通し、極めて有効な熱交換作用が得られる。
図3は、図2に示す熱交換器の一部を拡大した図であり、後述する設定条件を備えている。
【0021】
すなわち、カラー部2と熱交換パイプ4の中心点Oaから左右両側に30°傾けた線La,Laを図の下方へ降ろし、これらの線とカラー部2外周面とが交差する点Obを求める。さらに、この交点Obから鉛直下方向へ線Lbを降ろす。鉛直下方向へ降ろす線Lbは、流通する熱交換空気の上流側と下流側の両方にあり、一対、平行に引かれる。
少なくとも、これら鉛直下方向に降ろした一対の線Lb,Lbの相互間に挟まれた範囲に、上記切起し片部3が存在しなければならない。
【0022】
この切起し片部3の立ち上がり端aと、上方部位に設けられるカラー部2の外周面との最短距離をL1とし、カラー部2の直径をDcとした場合、L1とDcとの比が、後述するように L1/Dc ≧ 0.25 となるよう設定されることを特徴としている。
上記熱交換器が空気調和機の室内機に配置され、冷凍サイクル運転にともなって蒸発器として作用するときに、熱交換空気との熱交換にともなって空気中の水蒸気がフィン1面上で結露し、ドレン水が生成される。
【0023】
このとき、フィン1表面と、フィン1に設けられるカラー部2上にあるドレン水は、上部から下部へ流れる。カラー部2と、このカラー部2の下方に設けられる切起し片部3の立ち上がり端aとの間隔が狭いと、ドレン水はこれらの間に溜まり、通風抵抗となり、飛散し、滴下し易い。
そこで、上述の L1/Dc≧0.25 となるように設定することにより、フィンカラー部2と切起し片部3の立ち上がり端aとの間に充分な隙間が存在する。したがって、生成されたドレン水は溜まることなく流下して、通風抵抗増大およびドレン水の飛散と滴下を防止し、熱交換効率の向上が得られる。
【0024】
図4は、さらに設定条件を説明するための、熱交換器の一部を拡大して示す断面図である。
熱交換空気の流通方向と直交する方向に隣設されるカラー部2および熱交換パイプ4の中心点Oa相互を結ぶ中心線Lc上を熱交換空気が流通するとき、空気流速が最も速くなる。したがって、この中心線Lcに沿って溜まるドレン水に対して最も影響が大きい。
【0025】
上下の熱交換パイプ4相互間における適宜の位置で、かつ熱交換空気の流通方向と平行に設定した基準線Ldからカラー部2の外周面までの間隔をL2とし、上記基準線Ldから熱交換パイプ4の中心点Oaより左右両側に30°降ろした線Laがカラー部2外周面と交差する点Obまでの間隔をL3としたとき、L2とL3は、ほとんど差がない。
【0026】
すなわち、上記熱交換パイプ4は通常、円管であるため、熱交換パイプ4の下方60°の範囲では、熱交換パイプ4相互間に流通する熱交換空気の流れ幅の長さがほとんど変わらない。これを数式化すると、
L3 = L2+0.067×Dc ……(a)
(a)式を満足するようになる。
【0027】
図5は、たとえば空気調和機が冷房運転した場合の、熱交換器に生成されたドレン水が熱交換パイプ4およびフィンカラー部2に溜まる状態を示している。ドレン水は、熱交換パイプ4およびカラー部2の下部側に集中して溜まり、肥大化する。溜まったドレン水の大きさにもよるが、熱交換パイプ4の中心点から約60°の範囲内である。
【0028】
図6は、熱交換器における上述の現象から、フィン1とカラー部2および切起し片部3に対する設定条件を求めるため、熱交換パイプ4とカラー部2の下方部位における必要な平坦部の広さを実験的に調べたものである。
横軸に、カラー部2外周面と切起し片部3の立ち上がり端aとの最小隙間L1と、カラー部2の直径Dcに対する割合(L1/Dc)をとり、縦軸に、フィン1にドレン水が付着した場合と、ドレン水が付着しておらずフィン1表面が乾いた状態との通風抵抗の比をとっている。
【0029】
そして、フィン1とフィン1との相互の間隔である、フィンピッチFPが1.1mmと、1.3mmおよび1.5mmの3種類の熱交換器を用意してデータをとった。
いずれのフィンピッチFPにおいても、カラー部2の外周面と立ち上がり端aとの最小隙間L1のカラー部2の直径Dcに対する割合L1/Dcが0.25以上になると、ドレン水の影響による通風抵抗の増大割合が減少することが分かった。そこで上述の設定条件である L1/Dc ≧ 0.25 が得られることとなる。
【0030】
フィンピッチFPの相違によって、ドレン水付着の影響が異なっている。フィンピッチFPが狭いほどドレン水付着の影響が大きいため、本発明の効果も大きくなる。
したがって、フィンピッチを1.5mmもしくはそれ以下に設定しても、ドレン水付着の影響を小さくでき、熱交換性能にもとづいてフィンピッチを1.5mm以下の、たとえば1.1〜1.3mmに設定することができる。
【0031】
図7は、フィン1に加工される切起し片部3Aの形態が、上述のものとは異なる熱交換器の一部の断面図である。
カラー部2と熱交換パイプ4の中心点Oaから左右両側に30°傾けた線Laを図の下方へ降ろし、この線Laがカラー部2の外周面と交差する点Obを求める。
【0032】
さらに、この交点Obから鉛直下方向へ線Lbを降ろす。鉛直下方向へ降ろす線Lbは、流通する熱交換空気の上流側と下流側の両方にあり、一対、平行に引かれる。
ここでは、これら鉛直下方向に引いた線Lbの線上に切起し片部3Aが存在している。これら切起し片部3Aの上端に形成される立ち上がり端aと、上部のカラー部2の外周面との最短距離がL1となる。
【0033】
当然、熱交換パイプ4とフィンカラー部2の下方部位に、図示しないドレン水が溜まる。上記鉛直下方向に引いた線Lb上の切起し片部立ち上がり端aとカラー部2の外周面との間に充分な隙間が形成されているので、ドレン水が溜まることがない。
図8は、他の設定条件を説明するための熱交換器の一部の断面図である。
熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されたカラー部2と熱交換パイプ4の中心点Oa相互を結ぶ中心線Lc上に切起し片部3aが設けられ、さらにこの切起し片部3aからフィン1の両側端縁bとの間に複数列の切起し片部3b,3cが設けられている。
【0034】
この場合、フィン側端縁bに最も近い切起し片部3cから中間列の切起し片部3bを経て、中心線Lc上にある切起し片部3aになるにしたがって、隣り合う列の切起し片部3a,3b,3cの相互間隔が漸次広くなるよう設定されている。
すなわち、フィン1の側端縁bに最も近い切起し片部3cと、中間列の切起し片部3bとの間隔をL4,中間列の切起し片部3bと中心軸線Lc上の切起し片部3aとの間隔をL5とすると、 L4<L5 となる。
【0035】
このように、切起し片部3cの相互間隔を、熱交換パイプ4相互の中心点Oaを結ぶ中心線Lc側ほど広く設定することで、切起し片部3による熱交換効率の向上を得られ、ドレン水流下の通り道を確保し通風抵抗の低減が図れる。
【0036】
図9は、さらに異なる設定条件を説明するための熱交換器の一部断面図である。
熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設される熱交換パイプ4の中心点Oa相互を結ぶ中心線Lc上に沿って切起し片部3aが設けられるとともに、この切起し片部3aからフィン1の側端縁bとの間に複数列の切起し片部3b,3cが設けられる。
【0037】
そして、フィン側端縁bに最も近い切起し片部3cは、カラー部2外周面におけるフィン側端縁bに最も近い点Ocから鉛直下向きに降ろした線Ldと、フィン側端縁bとの間(図にハッチングHで示す範囲)に存在する。
したがって、フィンカラー部2上に生成されたドレン水がハッチング範囲H内に流れ難くなる反面、フィン1下方へ円滑に導くことができ、ドレン水の滴下や飛散を防止する。
【0038】
図10は、さらに異なる設定条件を説明するための熱交換器の一部断面図である。
熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部2と熱交換パイプ4の中心点Oa相互を結ぶ中心線Lc上に沿って切起し片部3aが設けられるとともに、この切起し片部3aからフィン1の側端縁bまでの間に複数列の切起し片部3b,3cが設けられることを前提としている。
【0039】
図の左側のみ示すように、中心線Lc上に設けられる切起し片部3aの立ち上がり端a1は、熱交換空気の流通方向と平行に立ち上がっているのに対して、中間列の切起し片部3bとフィン側端縁bに最も近い切起し片部3cの立ち上がり端a2,a3は、斜めに立ち上がっている。
そして、フィン1の上記中心線Lcからフィン側端縁bを直視した状態で、各列の切起し片部3a,3b,3cの立ち上がり端a1,a2,a3が重ならないように構成される。
【0040】
すなわち、熱交換器の伝熱性能において、切起し片部3の果たす役割は大であるが、特に、切起し片部3の両端に形成される立ち上がり端aは優れた伝熱促進機能を備えている。
伝熱促進効率を最も高く保持するように、立ち上がり端a1,a2,a3を熱交換空気の流通方向に重ならないように構成する。このことから、全ての切起し片部3の立ち上がり端aに、比較的、熱交換が進んでいない熱交換空気を当てることができ、熱交換器の蒸発性能を向上させることができる。熱交換器を凝縮器として用いた場合においても、同様の作用効果が得られる。
【0041】
図11は、さらに異なる設定条件を説明するための熱交換器一部を拡大した断面図である。
熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部2と熱交換パイプ4相互の中心点Oaを結ぶ中心線Lc上に切起し片部3aが設けられるとともに、この切起し片部3aからフィン1の側端縁bまでの間に複数列の切起し片部3b,3cが設けられることを前提としている。
【0042】
各列の切起し片部3a,3b,3cの立ち上がり端a1,a2,a3が上記中心線Lc上からフィン側端縁bに近くなるほど、熱交換パイプ中心点Oaから熱交換空気の流通方向に沿って引いた線Leと、立ち上がり端a1,a2,a3との距離が漸次小さくなるよう設定されている。
また、上記中心線Lcからフィン側端縁bになるにしたがって、隣り合う切起し片部3a,3b,3cの立ち上がり端a1,a2,a3間の熱交換空気流通方向とは直交する方向の距離が漸次狭くなるよう構成される。
【0043】
図において、L6は熱交換パイプ4の中心点Oaからフィン1の側端縁bに最も近い切起し片部3cの立ち上がり端a3で傾斜下端までの距離、L7は熱交換パイプ中心点Oaから中間列切起し片部3bの立ち上がり端a2で傾斜上端までの距離、L8は中間列切起し片部3bの立ち上がり端a2で傾斜下端までの距離、L9は熱交換パイプ4の中心点Oaから中心線Lc上の切起し片部3a立ち上がり端a1までの距離である。
【0044】
ここでは、L6<L7,L8<L9であり、しかも、 L7−L6<L9−L8 と設定されることになる。
通常、熱交換パイプ4の熱交換空気流通の下流側は止水域となり、熱交換空気の気流が淀み易いので、伝熱的にはさほど有用の部分ではない。この止水域を小さくするため、たとえば熱交換パイプ周囲に沿って切起しを設け、気流を熱交換パイプの下流側に回り込ませるようにしていた。しかしながら、通風抵抗が増大するために昨今の空気調和機のごとき増加化した風量に対処できない。
【0045】
これに対して図11のように構成することにより、熱交換空気の気流を熱交換パイプ4周りおよび、熱交換パイプ4周りに設けた切起し片部3a,3b,3cの立ち上がり端a1,a2,a3の周囲に効率よく導くことができる。通風抵抗が低減して、伝熱促進効果の高い熱交換器を提供することができる。
すなわち、L6<L7,L8<L9であることによって、切起し片部3a,3b,3cの立ち上がり端a1,a2,a3の順に隙間ができ、立ち上がり端の周囲に空気流が剥離することなく流れ易くなる。立ち上がり端a1,a2,a3の伝熱促進を非常に高く保持でき、この両側に充分な空気流が存在する。
【0046】
また、 L7−L6<L9−L8 であることによって、熱交換パイプ4下流側に過度に熱交換空気流を導かずにすみ、よって通風抵抗の増大を防止して、風速分布の改善に役立てられる。
図12は、上述の設定条件をさらに説明するための熱交換器一部を拡大した断面図である。
【0047】
熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部2と熱交換パイプ4相互の中心点Oaを結ぶ中心線Lc上の切起し片部3aから、中間列の切起し片部3bを介してフィン側端縁bに近い切起し片部3cになるにしたがって、切起し片部3a,3b,3cの立ち上がり端a1,a2,a3の角度を大きく(A<B)設定し、熱交換パイプ4の下流側に気流を導き易くする。
そして、通風抵抗の増大を抑制するため、フィン側端縁bに最も近い切起し片部3cにおける立ち上がり端a3の角度(図におけるB)を35°以下に設定する。
【0048】
なお、風速分布の改善および通風抵抗の抑制のため、上記中心線Lc上の切起し片部3aの立ち上がり端a1は、熱交換空気の流通方向と平行であることが望ましい。
以上説明したフィン1に設けられる切起し片部3は、カラー部2と熱交換パイプ4の中心点Oa相互を結ぶ中心線Lcに対して左右に対称的に切起し片部3が設けられているが、これに限定されるものではなく、非対称的に構成されるものも含まれる。
さらに、上記フィン1は、その表面に親水性処理が施されている。このことにより、長期の使用に耐え、いわゆるVOCガスに侵され難くなり、ドレン水が溜まることをより確実に阻止できる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の熱交換器は、熱交換空気と熱交換する際に生成されるドレン水の処理の円滑化を図って、ドレン水の滴下や飛散を防止し、通風抵抗の減少をなして、熱交換効率の向上を得られる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す、熱交換器一部のイメージを表す斜視図。
【図2】同実施の形態を示す、熱交換器一部の断面図。
【図3】同実施の形態を示す、設定条件を説明する熱交換器一部の断面図。
【図4】同実施の形態を示す、さらに設定条件を説明するための熱交換器一部の断面図。
【図5】同実施の形態を示す、ドレン水の生成状態を説明する熱交換器一部の断面図。
【図6】同実施の形態を示す、図4の設定条件を説明する特性図。
【図7】同実施の形態を示す、さらに異なる設定条件を説明する熱交換器一部の断面図。
【図8】同実施の形態を示す、さらに異なる設定条件を説明する熱交換器一部の断面図。
【図9】同実施の形態を示す、さらに異なる設定条件を説明する熱交換器一部の断面図。
【図10】同実施の形態を示す、さらに異なる設定条件を説明する熱交換器一部の断面図。
【図11】同実施の形態を示す、さらに異なる設定条件を説明する熱交換器一部の断面図。
【図12】同実施の形態を示す、さらに異なる設定条件を説明する特性図。
【符号の説明】
1…フィン、
2…カラー部、
4…熱交換パイプ、
3,3a,3b,3c…切起し片部、
a,a1,a2,a3…立ち上がり端。
Claims (3)
- 所定の間隙を存して並設され、これらの間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィンと、それぞれのフィンにおける熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部と、これらカラー部に嵌め込まれ、内部に熱交換媒体を導通させる熱交換パイプと、上記フィンカラー部相互間に設けられる切起し片部とを具備し、
上記切起し片部は、上記カラー部および熱交換パイプの中心点相互を結ぶ中心線上の切起し片部と、この中心線上の切起し片部と上記フィンの側端縁との間に設けられる複数列の切起し片部とからなり、
上記切起し片部は、フィン側端縁に最も近い切起し片部から上記中心線上の切起し片部になるにしたがって、隣り合う列の切起し片部相互間隔が漸次広くなるよう設けられることを特徴とする熱交換器。 - 所定の間隙を存して並設され、これらの間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィンと、それぞれのフィンにおける熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部と、これらカラー部に嵌め込まれ、内部に熱交換媒体を導通させる熱交換パイプと、上記フィンカラー部相互間に設けられる切起し片部とを具備し、
上記切起し片部は、上記カラー部および熱交換パイプの中心点相互を結ぶ中心線上に設けられ立ち上がり端が熱交換空気の流通方向と平行に設けられる切起し片部と、この中心線上の切起し片部と上記フィンの側端縁との間に設けられ立ち上がり端が中心線上の切起し片部立ち上がり端側に向けて斜めに切り起される複数列の切起し片部とからなり、
上記中心線上に設けられる切起し片部からフィン側端縁に最も近い切起し片部になるにしたがって、熱交換パイプ中心と切起し片部の立ち上がり端との間の距離が漸次狭くなるよう設けられるとともに、
上記中心線上に設けられる切起し片部からフィン側端縁に最も近い切起し片部になるにしたがって、立ち上がり端間の距離が漸次狭くなるように設けられることを特徴とする熱交換器。 - 所定の間隙を存して並設され、これらの間隙に沿って熱交換空気を流通させる複数枚のフィンと、それぞれのフィンにおける熱交換空気の流通方向とは直交する方向に隣設されるカラー部と、これらカラー部に嵌め込まれ、内部に熱交換媒体を導通させる熱交換パイプと、上記フィンカラー部相互間に設けられる切起し片部とを具備し、
上記切起し片部は、少なくとも、熱交換パイプの中心点から両側30°下方へ降ろした線を上記カラー部外周面と交差させ、この交点からさらに鉛直下向きに降ろした線の相互間に存在させ、
しかも、この切起し片部のフィンから立ち上がる立ち上がり端と上記カラー部外周面との最短距離L1と、カラー部外周の直径Dcとの比L1/Dcが、
L1/Dc ≧ 0.25
となるように設定され、
上記切起し片部は、上記カラー部および熱交換パイプの中心点相互を結ぶ中心線上の切起し片部と、この中心線上の切起し片部と上記フィンの側端縁との間に設けられる複数列の切起し片部とからなり、
上記切起し片部は、フィン側端縁に最も近い切起し片部から上記中心線上の切起し片部になるにしたがって、隣り合う列の切起し片部相互間隔が漸次広くなるよう設けられ、
さらに、上記中心線上からフィン側端縁を直視した状態で、各列の切起し片部における立ち上がり端が重ならないように設けられるとともに、上記中心線上に設けられる切起し片部からフィン側端縁に最も近い切起し片部になるにしたがって、熱交換パイプ中心と切起し片部の立ち上がり端との間の距離が漸次狭くなるよう設けられることを特徴とする熱交換器。
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