JP3862917B2 - ブーム作動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブームの先端部に作業台を有し、任意の高所に移動して作業を行う高所作業車に関し、特に作業台上に建設資材等を積載して高所と地上との間を往復移動する高所作業車のブーム作動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体上に伸縮動及び起伏動・旋回動・屈伸動などが自在に配設されたブームを備え、その先端に配設された作業台に搭乗した作業者が作業台上に設けられたブーム操作装置を操作してブームを伸縮動・起伏動・旋回動など選択作動させ、所望の高所に移動して作業を行う高所作業車は、配電作業や建設作業、航空機や船舶の保守作業等に広く用いられている。
【0003】
このようなブーム式高所作業車では、ブームを起伏・伸長させたときにブームに作用して車体を転倒させる方向に作用する転倒モーメントによって車体が転倒することがないように、ブームに作用するモーメントを検出するモーメント検出装置が搭載され、この検出値が予め設定された所定のモーメントを超えたときにブザー等により警報を発し、又ブームの作動を停止させる転倒防止装置を備えたものが多い。
【0004】
また、高所作業車には平坦で広い作業台面積と大きな積載荷重能力を有し、建設資材や作業工具等を多数積載して任意の高所に移動した後に幅の広い作業台を利用して移動しながら若しくは複数の作業者で同時に広い作業領域の作業を行えるよう構成されたものがあり、この様な高所作業車は例えば上方からの荷役が困難な建設現場などに於いて地上の建設資材を所望の高所に運搬する荷役作業装置としても多く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記転倒防止装置を備える従来のブーム作動制御装置は、ブームに現実に作用しているモーメント(以下「実測モーメント」という。)と、ブーム位置検出器によって検出されるブームの先端位置(作業台位置)とから、その時々刻々に車体に作用する転倒モーメントを算出し、この算出値がブーム位置毎に予め設定された許容モーメント以下であるか否かを判断しているため、例えば地上に於いて何等の障害なく積載できた資材であっても目的位置に運搬しようとした移動途上でブームの作動規制を受け、目的位置に到達できないという状況が発生することが度々あった。そして、この様な状況では積載物の搭載された作業台を一度地上に戻し、目測勘定で積載物を降ろした後に再び運搬をせざるを得なかった。
【0006】
特に、前記のように一定の高所に資材を繰り返し運搬する荷役作業では、同一運搬経路を短時間のうちに複数回往復移動させて資材運搬を行う必要があり、上記のような試行錯誤による「やり直し作業」が作業効率を向上させる上で大きな課題となっていた。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、作業台に荷物を積載して目的位置に移動させる場合のやり直し作業を削減し、高所作業の作業効率を向上させた高所作業車を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では車体上に少なくとも起伏動が自在に配設されたブームと、このブームの先端に備えられた作業台と、ブームの作動を操作するブーム操作装置とを備え、ブーム操作装置からのブーム作動指令に基づいてブームに配設された前記作業台を任意の高所に移動させて作業を行う高所作業車のブーム作動制御装置であって、作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容荷重を記憶する許容荷重記憶手段と、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときに荷重検出手段において検出される検出荷重が設定された移動経路上における少なくとも一部において許容荷重を超えるか否かを計算し判断する第1判断手段(例えば実施形態における演算処理回路32、第1演算処理回路32a)と、第1判断手段において検出荷重が移動経路上で許容荷重を超えると判断されるときに警報作動を行う第1警報手段(例えば実施形態における警報作動回路33,警報表示器45など)とを備えてブーム作動制御装置を構成する。
【0009】
あるいは、上記同様の高所作業車に於いて、ブーム作動制御装置に作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重によってブームに作用するモーメントを検出するモーメント検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容モーメントを記憶する許容モーメント記憶手段と、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときにモーメント検出手段において検出される検出モーメントが設定された移動経路上における少なくとも一部において許容モーメントを超えるか否かを計算し判断する第1判断手段(例えば実施形態における演算処理回路32、第1演算処理回路32a)と、第1判断手段において検出モーメントが移動経路上で許容モーメントを超えると判断されるときに警報作動を行う第1警報手段(例えば実施形態における警報作動回路33,警報表示器45など)とを備えてブーム作動制御装置を構成する。
【0010】
上記構成によれば、ブーム作動制御装置の第1判断手段は、作業台を設定された移動経路に沿って移動させる場合に、検出荷重がその移動経路上において予め設定された許容荷重を超えるか否かを予測計算して判断し、移動経路上における少なくとも一部において許容荷重を超えると判断するときに第1警報手段により警報作動を行う。あるいは、第1判断手段は作業台を設定された移動経路に沿って移動させる場合に、その移動経路上において作業台荷重によりブームに作用するモーメントの変化を予測計算し、算出されたモーメントが予め設定された許容モーメントを超えるか否かを判断し、移動経路上における少なくとも一部において許容モーメントを超えると判断するときに警報作動手段により警報作動を行う。なお、本明細書において警報作動とは、警報ブザーや警報ランプ等による警報表示を行う作動の他、ブームの作動規制を行う作動をも含めた作動を意味する。従って、現実に作業台を移動させたときに移動途中で許容荷重や許容モーメントを超えてブームの作動規制がかかるような場合を、ブームの作動規制に先立って、例えば移動開始前に事前に予測判断(「過負荷予測」という)して警報作動を行うことができるため、「やり直し作業」を廃止して作業効率を向上させたブーム作動制御を提供することができる。
【0011】
上記ブーム作動制御装置に、作業台を設定された移動経路に沿って移動させたときに荷重検出手段において検出される検出荷重が許容荷重を超えたか否かを判断する第2判断手段(例えば実施形態における第2演算処理回路32b)と、この第2判断手段において検出荷重が許容荷重を超えたと判断されるときに警報作動を行う第2警報手段(例えば実施形態における第2警報作動回路33b)とを有し、第1警報手段と第2警報手段とが第1判断手段と第2判断手段の判断に基づいてそれぞれ警報作動を行うようにブーム作動制御装置を構成することができる。
【0012】
あるいは、上記ブーム作動制御装置に、作業台を設定された移動経路に沿って移動させたときにモーメント検出手段において検出される検出モーメントが許容モーメントを超えたか否かを判断する第2判断手段(例えば実施形態における第2演算処理回路32b)と、この第2判断手段において検出モーメントが許容モーメントを超えたと判断されるときに警報作動を行う第2警報手段(例えば実施形態における第2警報作動回路33b)とを有し、第1警報手段と第2警報手段とが第1判断手段と第2判断手段の判断に基づいてそれぞれ警報作動を行うようにブーム作動制御装置を構成することができる。
【0013】
これらの構成では、第1判断手段は、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときに、その後の移動経路上の少なくとも一部において許容荷重(許容モーメント)を超えるかどうかを予測計算して判断し、第2判断手段は作業台に作用する荷重(ブームに作用するモーメント)が移動経路上の各作業台位置において現実に許容荷重(許容モーメント)を超えたか否かを判断する。第1警報手段と第2警報手段とは、対応する判断手段の判断結果に基づいて、それぞれが上述したような警報作動を独立して行う。すなわち過負荷の予測判断と現実の過負荷判断とを並行して行う。
【0014】
これにより、例えば、移動経路をティーチングするときには空荷で運転し、その後に荷物を積載して自動運転を行う時に実際に過負荷状態となったような場合や、作業台の移動経路が予め設定された経路から外れてしまった場合であっても、第2判断手段及び第2警報手段により過負荷を確実に検出して安全を確保することができる。また、負荷荷重ないし負荷モーメントが移動中に変化する場合、例えば積載地点において資材等を積載中に作業台が地面に接地してしまったようなときに、作業台移動前の過負荷予測においては過積載でないと判断される場合がある。このような場合に過負荷予測は積載地点でのみ行い、設定経路移動中は上記第2判断手段で現実の過負荷判のみを行う構成とすれば、作業台が移動を開始して、ある程度移動経路を進行した後に第2判断手段により過負荷であると判断され作業台が移動停止する事態が発生し得る。しかし上記構成では現実の過負荷判断と並行して過負荷の予測判断が行われており、作業台が浮上した時点でその後の移動経路中における過負荷を予測判断し警報作動する。従って安全性が高く作業効率を向上させたブーム作動制御装置を提供することができる。
【0015】
上述した過負荷の予測判断と現実の過負荷判断とを並行して行う制御装置では、以後の移動経路における過負荷の予測判断を行う第1判断手段と、現実の過負荷状態を判断する第2判断手段とが、同一の負荷検出手段(荷重検出手段、またはモーメント検出手段をいう。以下同じ)によって検出される負荷(作業台に作用する荷重、またはブームに作用するモーメント)に基づいて判断を行っている。
【0016】
負荷検出手段において検出され、出力される原信号には検出手段固有のノイズ成分や急峻な外来ノイズ成分等が含まれるほか、ブームの作動・停止・作動方向変化など加速度が変化する時や、作業台に資材等を積載する時などにおいてもスパイク状の信号が発生する。このため、このようなノイズ成分やスパイク信号を含んだ生の検出値に基づいて過負荷判断を行ったときには、逐一警報作動が成されて作業が中断され、安定した装置稼働ができない状態になる場合がある。そこで、負荷検出手段から出力される生の検出信号を平滑化処理(平均化処理)し、平滑化された負荷検出信号(平均負荷検出信号)に基づいて過負荷判断が行われる。平滑化処理は、例えば、所定時間、所定回数サンプリングして移動平均をとり、あるいは所定の信号特性を有する電気的なフィルターを用いて信号を平均化することなどにより行われる。
【0017】
ところが、上記発明において、第1判断手段と第2判断手段とで同一の平均負荷検出信号に基づいてブームの作動制御を行ったときには、以下に示すような課題が生じる。まず、第2判断手段は、現実の過負荷状態を検出してブームの作動規制等の警報作動を行う安全装置(転倒防止装置)であることから、現実の負荷状態に機敏に反応して警報作動を行う必要があり、高応答型でなければならない。そこで平滑化処理における処理定数(例えば上記移動平均におけるサンプリング時間やサンプリング回数、フィルター定数)を小さくし、これを共通の平均負荷検出信号として用いた場合には、第2判断手段の判断は適切であり、好ましい転倒防止規制が作用する。
【0018】
一方、第1判断手段は、現在地以後の移動経路における過負荷状態を、現在検出される平均負荷検出信号に基づいて予測判断する判断手段であるが、上記第2判断手段と同一の処理定数(小さい処理定数)を用いるとすれば、現在位置において高応答のピーク的な信号が入力されたときには、その信号値に基づいてその後の予測計算、予測判断が成されることになる。このことは、たとえ現在位置(ピーク的な信号位置)で過負荷状態でなく、且つ、その後の経路で過負荷状態が予測されない場合(過渡的な負荷変化)であっても、警報作動が行われ得ることを意味し、過負荷予測が時々刻々変動する平均負荷信号に大きく振られて不安定になることを意味する。従って、処理定数が小さいことは第1判断手段にとっては好ましくない。
【0019】
逆に、第1判断手段の過負荷予測制御特性に合わせて平滑化処理の処理定数を大きくし、応答特性をブロードとした場合には、第1判断手段の応答性を悪化させ、ブーム装置の安全性を低下させるおそれがあるという問題を生じる。
【0020】
このように、第2判断手段は現実の過負荷状態を検出してブームの作動規制等の警報作動を行う安全装置であることから、現実の負荷状態に機敏に反応して警報作動を行う必要があり、他方第1判断手段は移動経路における過負荷状態を予測判断して無駄なやり直し作業を回避する作業効率向上のための装置であるところ、現実の負荷状態に過度に反応するときには却って作業効率を低下させる原因となる。すなわち第1判断手段と第2判断手段とは、いずれもブーム装置の過負荷を防止するという点で一致するが、警報作動を行う目的を異にするものであり、これにより処理定数を如何に決定するかが大きな課題となる。
【0021】
そこで、本発明では、検出荷重に基づいて判断する装置において、上記第1判断手段には荷重検出手段において検出される荷重を平滑化処理して第1平均荷重を求め、この第1平均荷重を第1判断手段における検出荷重(作業台に作用している荷重)とする第1平滑化手段(例えば実施形態における第1演算処理回路32a)を有し、第2判断手段には荷重検出手段において検出される荷重を平滑化処理して第2平均荷重を求め、この第2平均荷重を第2判断手段における検出荷重(同上)とする第2平滑化手段(例えば実施形態における第2演算処理回路32b)を有し、これら第1平滑化手段と第2平滑化手段とは、それぞれ独立して設定できる処理定数を用いて平滑化処理するようにブーム作動制御装置を構成する。
【0022】
あるいは、検出モーメントに基づいて判断する装置において、上記第1判断手段にはモーメント検出手段において検出されるモーメントを平滑化処理して第1平均モーメントを求め、この第1平均モーメントを第1判断手段における検出モーメント(ブームに作用しているモーメント)とする第1平滑化手段(例えば実施形態における第1演算処理回路32a)を有し、第2判断手段にはモーメント検出手段において検出されるモーメントを平滑化処理して第2平均モーメントを求め、この第2平均モーメントを第2判断手段における検出モーメント(同上)とする第2平滑化手段(例えば実施形態における第2演算処理回路32b)を有し、これら第1平滑化手段と第2平滑化手段とは、それぞれ独立して設定できる処理定数を用いて平滑化処理するようにブーム作動制御装置を構成する。
【0023】
このような構成によれば、第1判断手段と第2判断手段とは、それぞれ負荷検出手段(荷重検出手段、モーメント検出手段)において検出される負荷検出値を平滑化処理する第1平滑化手段と第2平滑化手段とを有し、第1平滑化手段と第2平滑化手段とは、独立して設定できるそれぞれの処理定数を用いて平滑化処理する。このため、第1判断手段と第2判断手段とはそれぞれの装置の目的に合致した処理定数を用いて平滑化処理し、平均化された平均負荷検出値に基づいてそれぞれの警報作動を行うことができる。
【0024】
具体的には、現実の過負荷状態を検出して警報作動を行う第2判断手段では、ノイズ除去のみを目的とする小さめな処理定数を用いることにより高応答型の警報作動を行う安全装置を構成し、設定移動経路における過負荷状態を予測判断して警報作動を行う第1判断手段では、比較的大きめな処理定数を用いることにより安定した過負荷予測を行う作業効率向上装置を構成する。このように第1判断手段と第2判断手段とにそれぞれ最適な処理定数を設定することにより、いずれの作動特性も犠牲にすることなく、安全性と作業効率とを両立させたブーム作動制御装置を提供することができる。
【0025】
なお、ブーム作動制御装置に記憶された移動経路に沿って作業台を移動させる自動移動モード(例えば実施形態における自動運転作動モード)を選択自在に設け、第1警報手段及び第2警報手段は自動移動モードのときにそれぞれの判断手段の判断に基づいて警報作動を行うように構成しても良い。このような構成によれば、一定高所位置への荷役作業のように繰り返し一定の高所へ作業台に資材を積載して往復移動させる場合などに於いて、自動移動モード運転を選択することにより所望の複数の地点間を簡潔な操作で移動させることができる。またこのモード上では作業台の移動経路が予め明らかなため、第1判断手段は設定された移動経路に基づいて一度経路計算を行えば、その後は許容荷重等を超えるか否かの予測判断のみを行えば良いため、演算処理フローの簡素化や処理の高速化を図ることができる。
【0026】
本発明に係る他のブーム作動制御装置では、上記同様に構成される高所作業車に於いて、作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容荷重を記憶する許容荷重記憶手段と、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときにブームに作用する転倒モーメントが最大となる位置を計算し、当該作業台位置における許容荷重を作業台への最大積載荷重とする荷重計算手段(例えば実施形態における演算処理回路37)と、算出された最大積載荷重と荷重検出手段により検出される荷重とから積載可能重量を算出する荷重比較手段(例えば実施形態における演算処理回路37)と、前記算出された積載可能重量を表示する表示手段(例えば実施形態における表示回路38,表示パネル47等)とからブーム作動制御装置を構成する。
【0027】
あるいは、作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容モーメントを記憶する許容モーメント記憶手段(例えば実施形態における許容モーメントメモリー36)と、作業台をこの移動経路に沿って移動させるときにブームに作用する転倒モーメントが最大となる位置を計算し、この作業台位置とこの位置における許容モーメントとから作業台への最大積載荷重を算出する荷重計算手段と、算出された最大積載荷重と荷重検出手段により検出される荷重とから積載可能重量を算出する荷重比較手段と、算出された積載可能重量を表示する表示手段とからブーム作動制御装置を構成する。
【0028】
この様な構成によれば、ブーム作動制御装置の荷重計算手段は、予め設定記憶された作業台の移動経路からブームに作用する転倒モーメントが最大となる位置を計算し、この位置で許容される許容荷重を呼び出して最大積載荷重とする。あるいは転倒モーメントが最大となる位置を計算し、この位置での許容モーメントとブーム位置とから作業台に積載可能な最大積載荷重を算出する。そして、荷重比較手段は算出された最大積載荷重と現実に作業台に作用している荷重とから更に搭載可能な積載可能重量を算出して表示手段により表示する。従って、現実に作業台を移動させたときには許容モーメントを超える場合を、移動に先立って事前に検知して「やり直し作業」を廃止することができるとともに、作業台に資材等を積載する位置に拘わらず残余の積載可能重量を表示することにより作業者の目測勘定によらず可搬重量を最大限利用して高所作業の効率化を図るができる。
【0029】
なお、上記ブーム作動制御装置に記憶された移動経路に沿って作業台を移動させる自動移動モード(例えば実施形態における自動運転作動モード)を選択自在に設け、表示手段は自動移動モードのときに荷重比較手段の算出結果に基づいて積載可能重量の表示を行うようブーム作動制御装置を構成しても良い。この様な構成によれば、繰り返し一定の高所位置へ作業台に資材を積載して往復移動させる場合などに自動移動モード運転を選択することにより所望の複数の地点間を簡潔な操作で移動させることができ、また該モード上では資材等を積載している時点で作業台に更に積載可能な可搬重量を算出して表示するため、可搬能力を最大限生かして往復移動回数を削減し高効率の荷役作業を行うことができる。さらに、このモード上では荷重比較手段は逐次移動経路の経路計算やモーメント計算をする必要がなく、一度算出された最大積載荷重から可搬重量を算出する演算処理のみを行えばよいため、演算処理フローの簡素化や処理の高速化を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図には、本発明に係るブーム作動制御装置を備えた高所作業車1を示しており、この高所作業車1の構成から説明する。高所作業車1はトラックをベースとして構成されており、車体2の後部には図示しない旋回モータにより車体2に対して水平旋回自在に旋回台3が取り付けられ、旋回台3の上端部には、ブーム4が起伏シリンダ5の伸縮作動により車体2に対して起伏動自在に枢支されている。ブーム4は旋回台3に枢支された基端ブーム4aと、この基端ブーム4a内にテレスコープ状に伸縮自在に挿入された先端ブーム4bとからなり、ブーム4内部に自らの伸縮作動によって先端ブーム4bを基端ブーム4aに対して伸縮作動させる伸縮シリンダ(図示せず)が内蔵されている。
【0031】
ブーム4の先端には支持部材6aを介して作業台(作業床)6がブーム4の起伏角度平面と略同一平面において揺動自在に取り付けられ、また、作業台6と先端ブーム4bとの間には起伏シリンダ5の伸縮作動と連係作動するレベリングシリンダ7が設けられており、これ等によって作業台6の床面がブーム4の起伏角の如何に拘わらず常時水平に保持されるレベリング機構が構成されている。
【0032】
また、車体2の前後左右にはブーム4を旋回動・起伏動・伸長動等作動させたときに車体に作用してこの車体を転倒させようとする方向に作用する転倒モーメントに抗して車体2を安定支持するため、車体の左右に拡幅及び伸張自在に構成されたアウトリガジャッキ9が配設されている。
【0033】
以上のように構成された高所作業車では、作業台6に搭乗する作業者が作業台上に配設された上部ブーム操作装置20aを操作することにより、または地上側にいる作業者が車体2側に配設された下部ブーム操作装置20bを操作することにより旋回モータ、起伏シリンダ5、伸縮シリンダ等のブーム作動手段を作動させ、ブーム4を旋回動・起伏動・伸縮動等させることによって作業台6を所望の高所に移動させて作業を行うことができる。
【0034】
ところで、ブーム4を旋回動や起伏動、伸長動等させたときに、車体2を転倒させようとする方向に作用する転倒モーメントは、車体2に対する作業台6の位置と作業台6に作用する荷重(積載重量)に応じて変化する。車体を安定支持するアウトリガジャッキ9を、このように変化する全ての負荷条件で支持可能に構成するとすれば、ジャッキの張り出し幅は極めて大きな値となり現実的でない。このため、高所作業車1のブーム制御装置には、ジャッキ9による車体支持力を超える転倒モーメントが作用して車体が転倒することのないように、車体2に現実に作用する転倒モーメントを検出し危険なブーム作動に対して警報作動を行う転倒防止装置が備えられている。
【0035】
転倒防止装置は、起伏角度検出器、伸長量検出器、旋回角度検出器などから成り車体2に対する作業台6の位置を検出するブーム位置検出器(15)と、起伏シリンダ5にかかる軸方向荷重を検出するモーメント検出器(軸力検出器とも称する)26と、これら作業台の位置データとブームに作用する荷重データとから車体2に作用する転倒モーメントを算出し、作業台6の位置に対応して予め設定され記憶されている許容モーメント以下にあるか否かを演算処理する。そして、ブーム4の作動により、または作業台6への負荷重量(荷重)の増加により実測される転倒モーメントが許容モーメントを超えたと判断されるときに、例えばブザーや表示灯などにより警報を発し、またブーム4の作動を規制する警報作動を行うように構成されている。
【0036】
しかし、上記のような転倒防止装置のみでは、既に従来技術における課題の項で説明したように、実際に作業台6に資材や工具等の荷重を積載したうえで作業台6を目標位置に向けて移動させてみなければ、運搬可能か否かの判断ができず、また、その積載した荷重容量がモーメント規制値に対してどの程度の負荷率に当たるかを判断することができなかった。本発明に係るブーム作動制御装置は、予め設定された移動経路について負荷率を計算して過負荷予測をすることにより課題を解決し、高所作業をより効率的に行うことができる高所作業車を提供するものである。
【0037】
以降、本発明に係るブーム作動制御装置について詳細に説明する。図1には本発明に係るブーム作動制御装置を含むブーム制御装置50の第1の好ましい実施例を示しており、この制御装置は作業者がブームの作動操作を行うブーム操作装置20(上部ブーム操作装置20aまたは下部ブーム操作装置20b、以下同じ)、ブーム操作装置20からのブーム作動指令に基づいてブーム4の作動を制御するコントローラ30、作業台6の位置を検出する作業台位置検出器15、作業台6に作用する荷重を検出する荷重検出装置25、コントローラ30から出力される警報信号に基づいて警報表示を行う警報表示器45や警報ブザー46などから構成されている。
【0038】
ブーム操作装置20は、ブームの各作動軸を手動操作により作動させるための操作レバー(不図示)などの他、作業台6の移動経路を設定する移動経路設定装置22と、移動経路設定装置22による設定及び設定された移動経路での自動運転と手動操作によるブーム作動とを切り替える作動モード切替スイッチ21と、自動運転を開始させるための自動運転開始スイッチ23とを備えて構成されている。
【0039】
移動経路設定装置22は、作業台6を移動させる移動経路を設定する装置であり、例えば移動前後(または複数点)の作業台位置とその移動経路を操作パネル上で入力設定し、あるいは、これ等の情報を実際にブーム4を作動させて作業台6を所望位置間で移動させてティーチングにより入力設定する。本実施例ではタッチパネル状の表示画面(CRT画面や液晶ディスプレイ画面)を有し、対話形式でティーチングにより入力する例について説明する。
【0040】
コントローラ30は、転倒限界に基づいて定められ作業台6の位置に対応して設定された許容荷重を記憶する許容荷重メモリー31と、ブーム4を移動経路に沿って移動させるときに作業台6に作用する荷重が移動経路中で許容荷重を超えるか否かを演算する演算処理回路32と、この演算処理回路32によって移動経路中で許容荷重を超えると判断されたときに警報作動を行う警報作動回路33を有して構成されている。
【0041】
荷重検出装置25は、作業台6に作用する荷重を検出する装置であり、例えば作業台下部の支持部材6aや該支持部材6aと先端ブーム4bとの連結支点部などにロードセルを配設して作業台に作用する荷重を直接検出することにより構成し、あるいは、車体2に対する作業台6の位置を検出するブーム位置検出器とブーム4に作用するモーメントを検出するモーメント検出器26と、これら二つの検出値(位置データとモーメント値)から作業台6に作用する荷重を演算する演算回路とによって構成し、直接検出された荷重または演算処理により求められた荷重をコントローラ30に出力する。
【0042】
次に、上記の様に構成されるブーム作動制御装置の作用について図を交えて説明する。まず高所作業車1を目的の作業現場に移動させ、アウトリガジャッキ9を拡幅伸張させて接地張り出し後、ブーム4を手動操作により起伏動・旋回動・伸長動等作動させて作業台6を資材積載位置P1に移動させる。
【0043】
以降、移動経路設定作業を行う。この作業は作業台6の車体2に対する位置(旋回角度、起伏角度、伸長量等)はブーム位置検出器15により検出され把握されているため、基本的に検出位置を順次登録してゆけばよい。まずブーム操作装置20(上部ブーム操作装置20a若しくは下部ブーム操作装置20b、以下同じ。)の作動モード切替スイッチ21によりブームの作動モードを手動操作から自動運転に切り替えて移動経路設定モードとし、移動経路設定装置22を用いて例えば「地点登録」を選択して「登録」スイッチなどによりこの地点P1を登録する。
【0044】
次に、移動経路設定装置22の表示画面上で「移動経路の設定」に切替えてブーム操作装置20を用いてブーム4を作動させて作業台6を目的高所位置P2に移動させ、「登録」スイッチにより移動経路を登録し、さらにこの地点で再び「地点登録」を選択して位置P2を「登録」する。そして登録地点が2点でこれらの間を往復するときには「往復」若しくは「戻る」等のスイッチによりP1に戻る指令を登録して「登録終了」により移動経路の設定を終了する。
【0045】
設定された移動経路はコントローラ30内に配設されたRAM(メモリー、不図示)に記憶され、自動運転の移動経路設定モードから自動運転作動モードに変更してこのモード上で自動運転開始スイッチ23を操作することにより作業台6をP1→P2に移動させ、また同スイッチ操作によりP2→P1に自動運転させる。なお、P1,P2以外に更に他の目的高所位置(P3,P4等)がある場合には、P2の登録に続いて上記操作を繰り替えし行うことにより2地点間の往復移動のみならず多数地点間の移動経路を設定することができ、これ等の多数地点間を自動運転開始スイッチ23の操作にのみよって例えばP1→P2→P3→P4→P1のように自動運転させることも可能である。
【0046】
この様にして設定記憶され自動運転される自動運転作動モードでは、図中に二点差線で示す様に、作業台6に資材等を積載しているときに積載中の荷重Wが荷重検出器25によって検出されコントローラ30に出力される。コントローラ30内の許容荷重メモリ31には、転倒限界に基づいて作業台6の位置に対応して定められた作業台への許容荷重が設定記憶されており、演算処理回路32は荷重検出器25において検出される積載荷重Wを、設定された移動経路に沿って移動させるときに、移動経路上で許容荷重を超えるか否かの比較判断を行う。
【0047】
演算処理回路32の比較結果は警報作動回路33に出力されており、演算処理により設定経路移動中に許容荷重を超えると判断されるときには、警報作動回路33により、例えば赤色のLEDを用いた警報表示器45や警報ブザー46を作動させて積載荷重が移動経路に於いて許容荷重を超える旨の警報を行い、またブームの油圧制御装置40に警報信号を出力してブームの作動規制を行う等警報作動を行う。一方、検出される積載荷重が許容荷重未満であるときには、例えば警報表示器に青色のLEDを点灯させて更に積載可能である旨の表示を行う。
【0048】
従って、以上のようにして構成され作用するブーム作動制御装置によれば、作業台に資材等の積載物を積み込んでいる作業段階で、設定経路を移動させることができない過積載状態を予告的に警報作動して防止することができ、作業台の移動途上で転倒防止装置が作用して運搬できない状況を発生させることがない。従って、前述したような「やり直し作業」を廃止して高所作業の効率化を図ることができる。
【0049】
なお、上記実施例では規制値として許容荷重を用い、設定された移動経路に沿って作業台6を移動させたときに許容荷重を超えると判断されるときに警報作動を行う例について説明したが、上記許容荷重に変えて規制値として許容モーメントを用い、演算処理回路32はモーメント検出器で検出されるブームモーメントから、作業台6を設定された移動経路に沿って移動させるときにブーム4に作用するであろうモーメントを予測演算し、算出されるモーメントが転倒限界に基づいて定められ設定記憶された許容モーメントを超えると判断されるときに警報作動を行うように構成することもできる。そしてこの様な構成であっても上記同様の効果を奏することができる。
【0050】
次に、本発明に係るブーム作動制御装置の第2の好ましい実施形態について説明する。この実施形態における制御装置52は、図2にその構成を示すように、コントローラ内における演算処理回路32と警報作動回路33とがそれぞれ2つの内部回路で構成されることを除いて上述の制御装置50と略同一の構成を有しており、上記同様の過負荷予測制御を行うことができる。その上で、この制御装置は上記自動運転作動モードにおける自動運転時の制御形態に特徴を有するものである。なお、以下の実施例では過負荷判断を行う状態量としてブーム4に作用するモーメントを用い、モーメント検出器26で検出される負荷モーメントと、ブーム位置に対応して許容モーメントメモリー36内に設定記憶された許容モーメントとを比較判断する場合について説明する。なお以降説明する第1演算処理回路と第2演算処理回路及び第1警報作動回路と第2警報作動回路は、現実的には一つのマイクロコンピュータないしシーケンサー内の処理ブロックであり、構成概念上二つの回路に分離して説明するものである。
【0051】
コントローラ30’は、転倒限界に基づいて定められ作業台6の位置に対応して設定された許容モーメントを記憶する許容モーメントメモリー36と、第1演算処理回路32a、第2演算処理回路32b、第1警報作動回路33a、第2警報作動回路33bなどを有して構成されており、これにより、既に説明した二つの過負荷防止機能が達成される。一つは、設定記憶された移動経路を移動させるときに移動経路上の少なくとも一部において過負荷状態となるか否かを予測判断して警報作動する過負荷予測機能であり、もう一つは移動経路上において現実にブームに作用する負荷が過負荷状態になっているか否かを判断して警報作動する転倒防止機能である。
【0052】
第1の過負荷予測機能は許容モーメントメモリー36と、第1演算処理回路32aと、第1警報作動回路33aなどの構成により達成される。第1演算処理回路32aはモーメント検出器26によって検出される負荷モーメントを移動経路設定装置22で設定された移動経路に沿って移動させるときに、以後の移動経路上で許容モーメントメモリー36に記憶された許容モーメントを超えるか否かの判断を行う。この予測計算及び判断は作業台6の移動中にも継続して行われており、ブーム位置検出器15から入力されるブーム位置及びモーメント検出器26から入力される負荷モーメントに基づいて今後の移動経路について過負荷の予測判断が行われる。
【0053】
第1演算処理回路32aにおける判断結果は第1警報回路33aに出力されており、以降の移動経路中で過負荷状態になると判断されたときには、例えば赤色のLEDを用いた警報表示器45や警報ブザー46を作動させて移動経路途中において許容荷重を超える旨の警報表示を行い、あるいはブームの油圧制御装置40に警報信号を出力してブームの作動規制を行う。一方、検出される積載荷重が許容荷重未満であると判断されるときには、例えば警報表示器に青色のLEDを点灯させて更に積載可能である旨の表示を行う。
【0054】
第2の転倒防止機能は許容モーメントメモリー36と、第2演算処理回路32bと、第2警報作動回路33bなどの構成により達成される。第2演算処理回路32bはモーメント検出器26によって検出される負荷モーメントが、ブーム位置検出器15よって検出される作業台の現在位置において許容モーメントメモリー36に記憶された許容モーメントを超えたか否かの判断を行う。この判断は作業台6の移動中に常時継続して行われており、ブーム位置検出器15から入力されるブーム位置及びモーメント検出器26から入力される負荷モーメントに基づいて、現在の負荷状態について過負荷状態であるか否かが判断される。
【0055】
第2演算処理回路32bの判断結果は第2警報回路33bに出力されており、過負荷状態であると判断されたときには、ブームの油圧制御装置40に警報信号を出力して直ちにブームの作動規制を行うとともに、例えば警報表示器45や警報ブザー46を作動させて転倒防止機能が作動してブームの作動規制が成された旨の警報表示を行う。
【0056】
これら二つの過負荷防止機能は、作動モード切替スイッチ21において自動運転モードが選択されているときに並行して作動する。図3はこれら二つの機能が並行して作動することによる効果を説明するため、資材積載位置P1から目標高所位置P2まで移動させたときにモーメント検出器26で検出される負荷モーメントの変化(実線)と、当該設定された移動経路において第1演算処理回路で予測計算される負荷特性(一点鎖線及び二点鎖線)とを、横軸に時間をとり模式的に現したものである。この例では、資材積載位置P1において資材の積載中に作業台6の下部(例えばブーム先端部)が地面に接地し、その後自動運転で作業台6を移動させようとした時を示している。
【0057】
このとき、作業台6が移動開始する直前のA時点では、モーメント検出器26で検出される負荷モーメントが許容モーメントメモリ36に記憶された許容モーメントMLより低いため、第2演算処理回路32b及び第2警報作動回路33bによる転倒防止機能は作用しない。また、予測される負荷特性は図中に一点差線で示す当初予測特性であり、P2への移動予定経路内で許容モーメントMLを超えることはないと判断されるため、第1演算処理回路32a及び第1警報作動回路33aによる過負荷予測に基づく警報作動も行われない。従ってコントローラ30’は移動経路設定装置22により設定された移動経路に基づいてブームを作動させ作業台を移動させる。
【0058】
作業台が移動を始め作業台下部が上昇すると、それまで接地することにより支持されていた地面の支持力がなくなり、検出される負荷モーメントは大幅に増大する。ここで、作業台6が浮上したB時点で検出される負荷モーメントが、許容モーメントML以下であれば転倒防止機能による警報作動は作用しない。そして、過負荷予測機能が作用していないときにはそのまま自動運転が継続され、図中Cで示す時点で許容モーメントMLを超えたときに転倒防止機能による警報作動が行われて作業台の移動が停止する。
【0059】
しかし、上述したように本実施例の制御装置では自動運転モードが選択され作業台が移動しているときにも、過負荷予測の計算及び判断は第1演算処理回路32aで継続して行われており、B時点でブーム位置検出器15から入力されるブーム位置とモーメント検出器26から入力される負荷モーメントに基づいて、図中に二点鎖線で示すように以後の移動経路についての過負荷の予測計算が行われる。その結果、以後の移動経路中におけるC時点で許容モーメントMLを超えると判断され、B時点でブームの作動を規制するなどの警報作動が行われる。
【0060】
このため、作業者は作業台がわずかに浮上してブームの作動が停止した時点(B時点)で、その場で過剰となっている積載物を下ろすことができ、警報表示が消えた後に直ちに自動運転を再起動させることができるため、高い作業効率を得ることができる。また、作業者は資材積載位置P1の設定時に作業台下方のクリアランスが不足して資材の積載中に作業台6の下部が地面に接地していたことを自動運転開始直後に検知することができるため、C地点で作動規制がかかり不安定な状態からやり直し作業を行うよりも効率的且つ安全な状態で位置P1の設定し直しを行うことができる。
【0061】
なお、第1演算処理回路32aと第2演算処理回路32bとは、上記のような転倒防止規制や過負荷予測規制を行うときに、ともにモーメント検出器26において検出される負荷モーメント検出値を基礎的入力値として用いる。ただし、前述したように、モーメント検出器から入力される生の検出信号には急峻なスパイク成分やノイズ成分などが含まれており、このような信号成分による誤作動や不安定な作動を防止するために演算処理回路で入力信号の平滑化処理が行われる。本発明に係る制御装置における平滑化処理では、二つの過負荷防止機能それぞれの目的を最適に達成させるため、異なる処理定数が用いられている。
【0062】
すなわち、転倒防止機能(安全確保)を目的とし、現実の過負荷状態を検出して警報作動を行う第2判断手段では、ノイズ成分の除去のみを目的とする比較的小さめな処理定数(例えば平均化するサンプリング数n=5〜10)を用い、高応答型の警報作動を行う安全装置を構成する。他方、作業効率向上を目的とし、設定移動経路における過負荷状態を予測判断して警報作動を行う第1判断手段では、比較的大きめな処理定数(例えば平均化するサンプリング数n=15〜30)を用い、安定した過負荷予測を行う作業効率向上装置を構成する。
【0063】
このように平滑化の処理定数を設定した場合における上記二つの過負荷防止機能の作用及び効果を図4に示しており、以下この図を用いて説明する。図4は、資材積載位置P1から目標高所位置P2まで移動させたときに、モーメント検出器26で検出された負荷モーメントの原信号を第2演算処理回路で平滑化した負荷モーメント信号を実線で示し、自動運転開始時点Aにおいて第1演算処理回路で予測計算された当初の負荷予測特性を一点鎖線で示し、これらを横軸に時間をとり模式的に現したものである。また図中には時刻Bにおける第1演算処理回路の負荷予測特性を、平滑化処理定数が大きい場合(第2演算処理回路における処理定数と同一の場合)と小さい場合との二つの場合について、それぞれ点線と二点鎖線とで示している。
【0064】
第2演算処理回路で平滑化された負荷モーメントは、平滑化処理により既にノイズ成分や急峻なスパイク成分が除去されているが、図示するように、時刻Bにおいて現実にピーク的な負荷変動が生じている。これは、例えば作業台上で積載物が移動した場合や作業台上に新たな負荷が作用した場合などに起こる現象である。このとき、ブームに作用する負荷の大きさは図中に付記する許容モーメントMLを超えておらず、車両を転倒させるおそれがないため第2演算処理回路による警報作動は行われない。
【0065】
ここで、その後の移動経路における過負荷を予測演算する第1演算処理回路において、第2演算処理回路と同一の処理定数を用いて平滑化処理が行われ、これに基づいて予測判断が行われた場合には、時刻B時点において図中に点線で示すような予測計算が成される。このときには時刻Cに示す作業台位置において許容モーメントMLを超えることとなり、過負荷予測機能によりB時点で警報作動が成されることになる。すなわちB時点では過負荷状態でなく、またこのピーク的な負荷変化を越えた後の移動経路においても過負荷状態とならない過渡的な負荷変化であるにも拘わらず警報作動が行われる状況が発生する。
【0066】
一方、第1演算処理回路における平滑化処理定数を第2演算処理回路における処理定数よりも大きく設定したときには、過渡的な負荷変動の影響が緩和され、図中に二点差線で示すように以後の負荷予測計算が成される。このときには時刻Cに示す作業台位置で許容モーメントMLを超えておらず、B時点で警報作動が成されることはない。従って、過負荷予測機能が過渡的負荷変動に大きく振られて不必要な警報作動を行うことがない。なお、図中Dで示すように、ピーク的な負荷変動であっても現実に許容モーメントMLを超える負荷が作用したときには、第2演算処理回路の処理定数が小さいため機敏に応答して転倒防止規制が作動する。
【0067】
従って、第1判断手段と第2判断手段とにそれぞれ異なる処理定数を設定することにより、二つの過負荷防止機能のそれぞれに最適な作動特性を設定することができ、これにより安全性と作業効率とを両立させたブーム作動制御装置を提供することができる。
【0068】
なお、上記実施例では規制値として許容モーメントMLを用い、設定された移動経路に沿って作業台6を移動させるときに移動経路上でブームに作用するモーメントが許容モーメントMLを超える、または超えたと判断されるときに警報作動を行う例について説明したが、許容モーメントに変えて規制値として許容荷重用いて構成することもできる。この場合には作業台に作用する荷重は原則的には一定であるため検出荷重が変動幅をもった略一定値となり(図3及び図4における予測特性が上下に変化する直線になる)、設定記憶される許容荷重が移動経路上の作業台位置に対応して異なった値の特性となる(図3及び図4におけるMLが一般に曲線状になる)が、その作用及び効果は上記実施例と同様である。
【0069】
次に、本発明に係るブーム作動制御装置の第3の好ましい実施形態について図及び図を用いて説明する。図には本実施形態におけるブーム制御装置を含む制御装置55の構成を示しており、この構成のうちブーム操作装置20及び荷重検出装置25についてはこれまでに説明した装置構成と同様であるため、同一内容の装置については同一番号を付してその説明を省略する。
【0070】
この制御装置55はブーム操作装置20とブーム操作装置20からのブーム作動指令に基づいてブーム4の作動を制御するコントローラ35と、作業台6に作用する荷重を検出する荷重検出装置25と、コントローラ35から出力される積載重量情報の表示を行う表示パネル47や過積載表示器48などから構成されている。
【0071】
コントローラ35は、作業台6の位置に対応して予め設定された許容モーメントを記憶する許容モーメントメモリー36と、ブーム4を移動経路設定装置22によって設定され記憶された移動経路に沿って移動させるときにブーム4に作用するモーメントや積載可能重量等を演算処理する演算処理回路37と、この演算処理回路37によって算出される積載可能重量等を表示するための表示回路38を有して構成されている。
【0072】
ブーム作動制御装置を作動させるときには、まずブーム作動制御装置を備える高所作業車1を目的の作業現場に移動させてジャッキ9の張り出し接地作業を行った後、前述の実施形態と同様に移動経路設定装置22を用いて同様の手法により、例えば図に示す作業台6の移動経路P1,P2(前述同様必要に応じてP3,P4等)を設定し記憶させる。
【0073】
ここで、コントローラ35の演算処理回路37は上記設定記憶された作業台6の予定移動経路から、この経路に沿って作業台6を移動させるときにブーム4に作用する転倒モーメントが最大となるブーム位置を演算処理して算出するとともに、当該位置における許容モーメントを許容モーメントメモリー36から読み出す。そして、算出されたブーム位置(作業半径)と読み出された許容モーメントとから、許容モーメントを荷重に変換することにより当該位置における最大許容荷重WMAXを計算する。この様にして算出された最大許容荷重WMAXは、上記記憶された移動経路に沿って作業台6を移動させるときに許容される最大荷重、すなわちこの経路での最大可搬重量を意味する。
【0074】
そして、自動運転作動モードで、例えば図中の位置P1で作業台6に資材等の積載を行うときに、コントローラ35の演算処理回路37は荷重検出装置25から入力される時々刻々の既積載重量Wと上記算出された最大許容重量WMAXとを比較演算し、その演算結果を表示回路38に出力する。表示回路38は入力される演算結果を例えばブーム操作装置20に配設された表示パネル47に、(残余の)積載可能重量として例えば「あと何kg積載可能です」のように表示し、また積載された資材等の重量が最大許容荷重を超えたときには、例えば表示パネル47に「過積載です!」や「何kg積載重量がオーバしています!」などのように表示したり、赤色LED等を用いた過積載表示器48を点滅させることなどにより警報表示する。
【0075】
なお、積載された資材等の重量が最大許容荷重を超えたときには、上記のように過積載表示器48により警報表示するとともに、前述の実施形態のようにブームの作動規制を含む警報作動を行うことが望ましい。
【0076】
そして、以上のようにして構成されるブーム作動制御装置を備えた高所作業車によれば、作業台6に資材等の積載物を積み込んでいる作業段階で、移動前後を含む移動経路での許容モーメントを超える過積載を警報作動して未然に防止することができ、作業台の移動途上で転倒防止装置が作用して運搬できない状況を発生させることがなく、上記同様「やり直し作業」を廃止しすることができるとともに、残余の積載可能重量を算出表示することにより作業者の目測勘定によらず可搬重量を最大限利用して高所作業の効率化を図ることができる。
【0077】
なお、上記実施例では作業台6の位置に対応して予め設定した許容モーメントを規制値として用いた例を説明したが、前記実施形態で説明したと同様に作業台の位置に対応して許容荷重を設定し、これを規定値として用いるものであっても同様の効果を奏することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、車体上に少なくとも起伏動が自在に配設されたブームと、このブームの先端に備えられた作業台とを備える高所作業車のブーム作動制御装置であって、作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容荷重を記憶する許容荷重記憶手段と、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときに荷重検出手段において検出される検出荷重が設定された移動経路上における少なくとも一部において許容荷重を超えるか否かを計算し判断する第1判断手段と、第1判断手段において検出荷重が移動経路上で許容荷重を超えると判断されるときに警報作動を行う第1警報手段とを備えてブーム作動制御装置を構成する。
【0079】
あるいは、上記同様の高所作業車に於いて、ブーム作動制御装置に作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重によってブームに作用するモーメントを検出するモーメント検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容モーメントを記憶する許容モーメント記憶手段と、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときにモーメント検出手段において検出される検出モーメントが設定された移動経路上における少なくとも一部において許容モーメントを超えるか否かを計算し判断する第1判断手段と、第1判断手段において検出モーメントが移動経路上で許容モーメントを超えると判断されるときに警報作動を行う第1警報手段とを備えてブーム作動制御装置を構成する。
【0080】
従って、実際に作業台を移動させたときに許容荷重や許容モーメントを超える場合を、現実に過負荷状態となる以前に(移動に先立って)事前に予測検知して警報作動を行うことにより「やり直し作業」を廃止して高所作業の効率化を図ることができる。
【0081】
また、上記ブーム作動制御装置に、作業台を設定された移動経路に沿って移動させたときに荷重検出手段において検出される検出荷重が許容荷重を超えたか否かを判断する第2判断手段と、この第2判断手段において検出荷重が許容荷重を超えたと判断されるときに警報作動を行う第2警報手段とを有し、第1警報手段と第2警報手段とが第1判断手段と第2判断手段の判断に基づいてそれぞれが警報作動を行うようにブーム作動制御装置を構成することができる。
【0082】
あるいは、上記ブーム作動制御装置に、作業台を設定された移動経路に沿って移動させたときにモーメント検出手段において検出される検出モーメントが許容モーメントを超えたか否かを判断する第2判断手段と、この第2判断手段において検出モーメントが許容モーメントを超えたと判断されるときに警報作動を行う第2警報手段とを有し、第1警報手段と第2警報手段とは、第1判断手段と第2判断手段の判断に基づいてそれぞれが警報作動を行うようにブーム作動制御装置を構成することができる。
【0083】
これらの構成では、第1判断手段は設定された移動経路に沿って作業台を移動させるときに、その後の移動経路上の少なくとも一部において過負荷状態となるかどうかを予測計算して判断し、第2判断手段は現時点での負荷が過負荷状態となっているか否かを判断する。第1警報手段と第2警報手段とは、対応する判断手段の判断結果に基づいて、それぞれが独立して警報作動を行う。すなわち過負荷の予測判断と現実の過負荷判断とを並行して行う。従って、安全性が高く、負荷状態の変化等にも対応して作業効率を向上させたブーム作動制御装置を提供することができる。
【0084】
上記検出荷重に基づいて過負荷判断する装置において、第1判断手段には荷重検出手段において検出される荷重を平滑化処理して第1平均荷重を求め、この第1平均荷重を第1判断手段における検出荷重とする第1平滑化手段を有し、第2判断手段には荷重検出手段において検出される荷重を平滑化処理して第2平均荷重を求め、この第2平均荷重を第2判断手段における検出荷重とする第2平滑化手段を有し、これら第1平滑化手段と第2平滑化手段とは、それぞれ独立して設定できる処理定数を用いて平滑化処理するようにブーム作動制御装置を構成する。
【0085】
あるいは、検出モーメントに基づいて過負荷判断する装置において、第1判断手段にはモーメント検出手段において検出されるモーメントを平滑化処理して第1平均モーメントを求め、この第1平均モーメントを第1判断手段における検出モーメントとする第1平滑化手段を有し、第2判断手段にはモーメント検出手段において検出されるモーメントを平滑化処理して第2平均モーメントを求め、この第2平均モーメントを第2判断手段における検出モーメントとする第2平滑化手段を有し、これら第1平滑化手段と第2平滑化手段とは、それぞれ独立して設定できる処理定数を用いて平滑化処理するようにブーム作動制御装置を構成する。
【0086】
このような構成によれば、第1判断手段と第2判断手段とは、それぞれ負荷検出手段(荷重検出手段、モーメント検出手段)において検出される負荷検出値を平滑化処理する第1平滑化手段と第2平滑化手段とを有し、第1平滑化手段と第2平滑化手段とは、それぞれ独立して設定できる処理定数を用いて平滑化処理する。従って、第1判断手段と第2判断手段とにそれぞれの装置目的に合致した処理定数を設定することにより、二つの過負荷防止機能のそれぞれに最適な作動特性を設定することができ、これにより安全性と作業効率とを両立させたブーム作動制御装置を提供することができる。
【0087】
なお、上記ブーム作動制御装置に、記憶された移動経路に沿って作業台を移動させる自動移動モードを選択自在に設け、第1警報手段と第2警報手段とは自動移動モードのときにそれぞれの判断手段の判断に基づいて警報作動を行うように構成しても良い。このような構成によれば、自動移動モード運転を選択することにより所望の複数の地点間を簡潔な操作で移動させることができる。さらに、このモード上では第1判断手段は逐次移動経路上の移動経路計算やモーメント計算をする必要がなく、一度算出された許容荷重を超えるか否かの判断を行えばよいため、演算処理フローの簡素化や処理の高速化を図ることができる。
【0088】
本発明に係る他のブーム作動制御装置は、上記同様に構成される高所作業車に於いて、作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容荷重を記憶する許容荷重記憶手段と、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときにブームに作用する転倒モーメントが最大となる位置を計算し、この位置における許容荷重を作業台への最大積載荷重とする荷重計算手段と、算出された最大積載荷重と上記荷重検出手段により検出される荷重とから積載可能重量を算出する荷重比較手段と、上記算出された積載可能重量を表示する表示手段とからブーム作動制御装置を構成する。
【0089】
あるいは、作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、移動経路設定手段において設定された移動経路上における作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容モーメントを記憶する許容モーメント記憶手段と、作業台を設定された移動経路に沿って移動させるときにブームに作用する転倒モーメントが最大となる位置を計算し、この位置における許容モーメントから作業台への最大積載荷重を算出する荷重計算手段と、算出された最大積載荷重と上記荷重検出手段により検出される荷重とから積載可能重量を算出する荷重比較手段と、上記算出された積載可能重量を表示する表示手段とからブーム作動制御装置を構成する。
【0090】
これらのようなブーム作動制御装置によれば、現実に作業台を移動させたときに許容荷重または許容モーメントを超える場合を、移動に先立って事前に検知して「やり直し作業」を廃止することができるとともに、資材等を積載する作業台位置に拘わらず残余の積載可能重量を表示することができ、資材等を積載している時点で作業台に更に積載可能な可搬重量を算出して表示するため、可搬能力を最大限生かして往復移動回数を削減し高効率の荷役作業を行うことができる。従って作業者の目測勘定によらず可搬重量を最大限利用して高所作業の効率化を図るができる。
【0091】
なお、上記ブーム作動制御装置に、記憶された移動経路に沿って作業台を移動させる自動移動モードを選択自在に設け、表示手段は自動移動モードのときに上記荷重比較手段の算出結果に基づいて積載可能重量の表示を行うようブーム作動制御装置を構成しても良い。この様な構成によれば自動移動モード運転を選択することにより所望の複数の地点間を簡潔な操作で移動させることができる。またこのモード上では荷重比較手段は逐次移動経路上の経路計算をする必要がなく、一度算出された最大積載荷重から可搬重量を算出する演算処理のみを行えばよいため、演算処理フローの簡素化や処理の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブーム作動制御装置における第1の好ましい実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るブーム作動制御装置における第2の好ましい実施形態の構成を示すブロック図である。
【図3】上記ブーム作動制御装置における警報作動の作動状況を説明するための説明図である。
【図4】上記ブーム作動制御装置において平滑化の処理定数を変化させたときの警報作動の変化を説明するための説明図である。
【図5】本発明に係るブーム作動制御装置における第3の好ましい実施形態の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係るブーム作動制御装置を備える高所作業車の自動運転状況を説明するための説明図である。
【図7】本発明に係るブーム作動制御装置を備える高所作業車の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 高所作業車
2 車体
4 ブーム(4a基端ブーム、4b先端ブーム)
6 作業台
20 ブーム操作装置
22 移動経路設定装置(移動経路設定手段)
25 荷重検出装置(荷重検出手段)
26 モーメント検出器(モーメント検出手段)
30、30’ コントローラ
31 許容荷重メモリー(許容荷重記憶手段)
32 演算処理回路(第1判断手段)
32a 第1演算処理回路(第1判断手段、第1平滑化手段)
32b 第2演算処理回路(第2判断手段、第2平滑化手段)
33 警報作動回路(第1警報手段)
33a 第1警報作動回路(第1警報手段)
33b 第2警報作動回路(第2警報手段)
35 コントローラ
36 許容モーメントメモリー(許容モーメント記憶手段)
37 演算処理回路(荷重計算手段、荷重比較手段)
38 表示回路(表示手段)
40 油圧制御装置(第1警報手段、第2警報手段)
45 警報表示器(第1警報手段、第2警報手段)
46 警報ブザー(第1警報手段、第2警報手段)
47 表示パネル(表示手段)
48 過積載表示器(表示手段)
50,52,55 ブーム作動制御装置を含む制御装置

Claims (8)

  1. 車体上に少なくとも起伏動が自在に配設されたブームと、前記ブームの先端に備えられた作業台と、前記ブームの作動を操作するブーム操作装置とを備え、前記ブーム操作装置からのブーム作動指令に基づいて前記ブームに配設された前記作業台を任意の高所に移動させて作業を行う高所作業車のブーム作動制御装置であって、
    前記作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、
    前記作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、
    前記移動経路設定手段において設定された移動経路上における前記作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容荷重を記憶する許容荷重記憶手段と、
    前記作業台を前記設定された移動経路に沿って移動させるときに前記荷重検出手段において検出される検出荷重が前記設定された移動経路上における少なくとも一部において前記許容荷重を超えるか否かを計算し判断する第1判断手段と、前記第1判断手段において前記検出荷重が前記移動経路上で前記許容荷重を超えると判断されるときに警報作動を行う第1警報手段とから成ることを特徴とするブーム作動制御装置。
  2. 前記ブーム作動制御装置には、前記作業台を前記設定された移動経路に沿って移動させたときに前記荷重検出手段において検出される検出荷重が前記許容荷重を超えたか否かを判断する第2判断手段と、
    前記第2判断手段において前記検出荷重が前記許容荷重を超えたと判断されるときに警報作動を行う第2警報手段とを有し、
    前記第1警報手段と前記第2警報手段とは、前記第1判断手段と前記第2判断手段の判断に基づいてそれぞれが警報作動を行うことを特徴とする請求項1に記載のブーム作動制御装置。
  3. 前記第1判断手段には、前記荷重検出手段において検出される荷重を平滑化処理して第1平均荷重を求め、この第1平均荷重を前記第1判断手段における前記検出荷重とする第1平滑化手段を有し、
    前記第2判断手段には、前記荷重検出手段において検出される検出荷重を平滑化処理して第2平均荷重を求め、この第2平均荷重を前記第2判断手段における前記検出荷重とする第2平滑化手段を有し、
    前記第1平滑化手段と前記第2平滑化手段とは、それぞれ独立して設定できる処理定数を用いて平滑化処理することを特徴とする請求項2に記載のブーム作動制御装置。
  4. 車体上に少なくとも起伏動が自在に配設されたブームと、前記ブームの先端に備えられた作業台と、前記ブームの作動を操作するブーム操作装置とを備え、前記ブーム操作装置からのブーム作動指令に基づいて前記ブームに配設された前記作業台を任意の高所に移動させて作業を行う高所作業車のブーム作動制御装置であって、
    前記作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、
    前記作業台に作用する荷重によってブームに作用するモーメントを検出するモーメント検出手段と、
    前記移動経路設定手段において設定された移動経路上における前記作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容モーメントを記憶する許容モーメント記憶手段と、
    前記作業台を前記設定された移動経路に沿って移動させるときに前記モーメント検出手段において検出される検出モーメントが前記設定された移動経路上における少なくとも一部において前記許容モーメントを超えるか否かを計算し判断する第1判断手段と、
    前記第1判断手段において前記検出モーメントが前記移動経路上で前記許容モーメントを超えると判断されるときに警報作動を行う第1警報手段とから成ることを特徴とするブーム作動制御装置。
  5. 前記ブーム作動制御装置には、前記作業台を前記設定された移動経路に沿って移動させたときに前記モーメント検出手段において検出される検出モーメントが前記許容モーメントを超えたか否かを判断する第2判断手段と、
    前記第2判断手段において前記検出モーメントが前記許容モーメントを超えたと判断されるときに警報作動を行う第2警報手段とを有し、
    前記第1警報手段と前記第2警報手段とは、前記第1判断手段と前記第2判断手段の判断に基づいてそれぞれが警報作動を行うことを行うことを特徴とする請求項4に記載のブーム作動制御装置。
  6. 前記第1判断手段には、前記モーメント検出手段において検出されるモーメントを平滑化処理して第1平均モーメントを求め、この第1平均モーメントを前記第1判断手段における前記検出モーメントとする第1平滑化手段を有し、
    前記第2判断手段には、前記モーメント検出手段において検出されるモーメントを平滑化処理して第2平均モーメントを求め、この第2平均モーメントを前記第2判断手段における前記検出モーメントとする第2平滑化手段を有し、
    前記第1平滑化手段と前記第2平滑化手段とは、それぞれ独立して設定できる処理定数を用いて平滑化処理することを特徴とする請求項5に記載のブーム作動制御装置。
  7. 車体上に少なくとも起伏動が自在に配設されたブームと、前記ブームの先端に備えられた作業台と、前記ブームの作動を操作するブーム操作装置とを備え、前記ブーム操作装置からのブーム作動指令に基づいて前記ブームに配設された前記作業台を任意の高所に移動させて作業を行う高所作業車のブーム作動制御装置であって、
    前記作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、
    前記作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、
    前記移動経路設定手段において設定された移動経路上における前記作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容荷重を記憶する許容荷重記憶手段と、
    前記作業台を前記設定された移動経路に沿って移動させるときに前記ブームに作用する転倒モーメントが最大となる位置を計算し、当該作業台位置における前記記憶された許容荷重を前記作業台への最大積載荷重とする荷重計算手段と、
    前記最大積載荷重と前記荷重検出手段において検出される検出荷重とから積載可能重量を算出する荷重比較手段と、
    前記算出された積載可能重量を表示する表示手段とからなることを特徴とするブーム作動制御装置。
  8. 車体上に少なくとも起伏動が自在に配設されたブームと、前記ブームの先端に備えられた作業台と、前記ブームの作動を操作するブーム操作装置とを備え、前記ブーム操作装置からのブーム作動指令に基づいて前記ブームに配設された前記作業台を任意の高所に移動させて作業を行う高所作業車のブーム作動制御装置であって、
    前記作業台の移動経路を設定する移動経路設定手段と、
    前記作業台に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、
    前記移動経路設定手段において設定された移動経路上における前記作業台の位置に対応して転倒限界に基づいて予め定められた許容モーメントを記憶する許容モーメント記憶手段と、
    前記作業台を前記設定された移動経路に沿って移動させるときに前記ブームに作用する転倒モーメントが最大となる位置を計算し、当該作業台位置と該位置での前記記憶された許容モーメントとから前記作業台への最大積載荷重を算出する荷重計算手段と、
    前記最大積載荷重と前記荷重検出手段により検出される荷重とから積載可能重量を算出する荷重比較手段と、
    前記算出された積載可能重量を表示する表示手段とからなることを特徴とするブーム作動制御装置。
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