JP3862809B2 - バイパス弁付き給湯装置 - Google Patents
バイパス弁付き給湯装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3862809B2 JP3862809B2 JP12636397A JP12636397A JP3862809B2 JP 3862809 B2 JP3862809 B2 JP 3862809B2 JP 12636397 A JP12636397 A JP 12636397A JP 12636397 A JP12636397 A JP 12636397A JP 3862809 B2 JP3862809 B2 JP 3862809B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water supply
- hot water
- pipe
- flow
- flow rate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイパス弁付き給湯装置に関する。
【0002】
例えば、追焚機能付きの1缶2水路型のガス給湯装置は、1つの缶内に、共通の熱交換部と共通のバーナを収納することによって形成されている。この熱交換部を給湯配管系と追焚配管系の受熱管が貫いている。給湯配管系は、上記受熱管の他に、この受熱管の両端に連なる給水管と給湯管を有している。給湯管の末端には、給湯栓が設けられている。
【0003】
上記構成の給湯装置は、給湯栓が開いて給湯配管系に水が流れた時に、共通バーナの燃焼を実行して、給湯を行う。また追焚時には、追焚配管系に設けられたポンプを駆動させて風呂の水を循環させるとともに、共通バーナの燃焼を実行する。
【0004】
上記追焚を単独で実行している時には、給湯配管系の受熱管に滞留している水も共通バーナの燃焼熱を受けて加熱される。そのため、追焚の途中や、追焚終了直後に給湯栓を開いて給湯を開始した時には、上記高温の滞留水が吐出されてユーザーに苦痛を与える不都合が生じる。
【0005】
上記不都合を防ぐために、実公昭61−7458号に開示されている給湯装置の給湯配管系には、受熱管と並列をなして給水管と給湯管との間に接続されたバイパス管と、このバイパス管に設けられた電磁弁からなるバイパス弁が装備されている。そして、給湯初期にバイパス弁を開き、給水管からバイパス管を経た低温の水を上記受熱管に滞留していた高温の湯と混ぜることにより、吐出湯の温度を下げるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した1缶2水管型のバイパス弁付き給湯装置では、給湯初期にバイパス弁は全開か全閉の2つの位置しか選択できず、受熱管からの湯温に基づく湯と水の適切な混合を行うことができなかった。すなわち、バイパス弁を全開にすると出湯温度が適切な温度(例えば設定温度)より、大きくアンダーシュートしてしまい、この大きなアンダーシュートを避けるために全閉位置にすると大きくオーバーシュートしてしまうことがあった。
最近、上記湯水混合を適切に行うためにバイパス弁にギアモータ駆動式の流量制御弁を用いたものが開発されたが、この流量制御弁の開度を高精度で制御するために、種々の工夫が待たれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、熱発生部と、この熱発生部からの熱を受ける熱交換部と、給湯配管系と、制御手段とを備え、上記給湯配管系が、上記熱交換部を通る受熱管と、この受熱管の入口端に接続された給水管と、受熱管の出口端に接続された給湯管と、これら給水管と給湯管の間に接続されるとともに受熱管と並列をなすバイパス管と、このバイパス管に設けられ上記制御手段で制御されるバイパス弁と、給水管からの水の温度を検出する入水温度センサと、上記バイパス管より上流側の給湯管に設けられて受熱管出口からの湯の温度を検出する出口温度センサとを有する給湯装置において、上記バイパス弁として、開度を変えることによりバイパス管の流量を制御することができる流量制御弁が用いられ、上記給湯配管系において、上記バイパス管と、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管または給湯管と、上記バイパス管の接続点より熱交換部から遠い給水管または給湯管の、3つの部位のうちの少なくとも2つの部位に、フローセンサが設置され、上記制御手段は、給湯初期のミキシング制御において、上記出口温度センサで検出された受熱管出口からの湯の温度と、上記入水温度センサで検出された給水管からの水の温度と、設定温度とに基づいて、上記受熱管からの湯と上記バイパス管からの水の目標流量比を決定し、この決定された目標流量比が得られるように、上記少なくとも2つのフローセンサからの検出流量に基づいてバイパス弁の開度を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記バイパス弁として提供される第1の流量制御弁の他に、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給湯管または給水管に第2の流量制御弁が設けられ、上記制御手段は、上記給湯初期のミキシング制御において、第1の流量制御弁の開度を減少させる場合には第2の流量制御弁の開度を増大させ、第1の流量制御弁の開度を増大させる場合には第2の流量制御弁の開度を減少させることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管または給湯管に第1のフローセンサが設けられ、上記バイパス管の接続点より熱交換部から遠い給水管または給湯管に第2フローセンサが設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記給湯管には、上記バイパス管との接続点の下流側に風呂への湯張りを行うための注湯管が接続され、上記第1のフローセンサは、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管に設けられ、上記第2のフローセンサは、上記注湯管の接続点より下流側の給湯管に設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または4に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記制御手段は、上記バイパス弁を全閉にした状態での給湯制御実行中に、第1フローセンサの検出流量と第2フローセンサの検出流量とを比較し、その比較結果に基づいて、以後検出される第1,第2フローセンサのいずれか一方の検出流量または両者の検出流量の比を補正することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記制御手段は、上記第1,第2のフローセンサの検出流量の比較結果として、両者の比を演算し、この比を補正定数として、以後検出される第1,第2フローセンサのいずれか一方の検出流量または両者の検出流量の比を補正することを特徴とする。
請求項7の発明は、上記制御手段は、請求項6に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記第1,第2のフローセンサの検出流量の比較結果としての比が所定の範囲内にある時には、この比を補正定数とし、この比が所定の範囲の限界値を越える時には、この限界値を補正定数とすることを特徴とする。
【0010】
請求項8の発明は、請求項2に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記熱発生部としてガスバーナが用いられ、上記フローセンサの1つが、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管または給湯管に設けられ、上記制御手段は、上記ガスバーナの燃焼を、当該フローセンサの検出流量が第1閾値を越えた時に開始し、当該フローセンサの検出流量が第1閾値より小さい第2閾値を下回った時に停止し、さらに上記制御手段は、給湯初期のミキシング制御において第1,第2流量制御弁の開度を制御している時に、当該フローセンサの検出流量が、上記第2閾値より大きい所定流量に達した時には、それ以上の第2流量制御弁の開度絞りを停止することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項2に記載のバイパス弁付き給湯装置において、上記熱交換部を通る他の配管系が装備され、上記制御手段は、当該他の配管系を水が流れ上記給湯配管系を水が流れていない状態で、上記熱発生部から熱交換部に熱が付与されている時に、第1,第2流量制御弁をそれぞれ全開位置および全閉位置から離れた所定開度位置にして待機させ、給湯初期のミキシング制御時に、この所定開度位置から上記第1,第2流量制御弁の開度制御を実行することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、給湯と追焚の2つの機能を有する1缶2水管型のガス給湯装置を示す。この給湯装置は、一つの缶の下部に共通のガスバーナ1(燃焼部,熱発生部)を収納し、上部に共通の熱交換部2を収納することにより、構成されている。缶の底部には、燃焼空気を供給するためのファン(図示しない)が設けられている。上記バーナ1へガスを供給する手段は、ガス管3と、このガス管3に設けられた主電磁開閉弁4と電磁比例弁5とを有している。バーナ1の近傍には点火機構(図示しない)が配置されている。
【0012】
上記熱交換部2は、多数の薄肉のフィンプレート2aを有しており、このフィンプレート2aに、給湯配管系10の受熱管11と追焚配管系20の受熱管21とが貫通している。
【0013】
上記給湯配管系10について詳述する。上記受熱管11の入口端には、給水管12が接続され、出口端には給湯管13が接続されている。給湯管13の末端には給湯栓14が設けられている。これら給水管12と給湯管13との間には、受熱管11と並列をなす2本のバイパス管15,16が接続されている。図において、バイパス管15と給水管12,給湯管13との接続点を符号P1,P2で表し、バイパス管16と給水管12,給湯管13との接続点を符号P3,P4で表わす。
熱交換部2に近い方のバイパス管15は、弁等を装備せず、接続点P1を通過した水は、所定の割り合い(例えば70:30)で受熱管11とバイパス管15に別れ、接続点P2で再び合流するようになっている。
【0014】
熱交換部2から遠い方のバイパス管16には、第1の流量制御弁GM2(バイパス弁)が設けられている。また、給湯管13にも、接続点P2,P4間において第2の流量制御弁GM1が設けられている。
上記流量制御弁GM1,GM2としては、例えばギアモータ駆動式のものが用いられている。すなわち、この流量制御弁は、管内に設けられた環状の弁座と、この弁座に対して移動可能な弁体と、この弁体から延びるシャフトと、このシャフトの端部に減速ギア列を介して接続されたモータとを有している。シャフトの端部は、減速ギア列の最終ギアとスプライン結合されるとともに弁ケースに螺合されている。モータの回転に伴いシャフトが回動すると、このシャフトが上記螺合を介して軸方向に移動し、これにより弁体と弁座との間の開度を変えることができるようになっている。また、流量制御弁GM2の弁体はゴムでできており、閉止機能を備えているので、バイパス流量を0リットルまで制御できる。これに対して流量制御弁GM1は、器具の最低作動水量(例えば2リットル)以下にまで制御することはないので、閉止機能を備えていない。
【0015】
上記給湯配管系10には2つのフローセンサFL1,FL2が装備されている。第1のフローセンサFL1は、給水管12において接続点P1,P3間に設けられている。第2のフローセンサFL2は、給湯管13において接続点P4と給湯栓14との間に設けられている。
【0016】
上記給湯配管系10には、4つの温度センサTHIN,THZ,THOUT,THMIXが装備されている。温度センサTHINは、接続点P3より上流側の給水管12に設けられている。温度センサTHZは、受熱管11のベンド部に設けられている。温度センサTHOUTは、受熱管11の出口端近傍(給湯管13において接続点P2より上流側)に設けられている。温度センサTHMIXは、接続点P4の下流側の給湯管13に設けられている。
【0017】
次に、上記追焚配管系20について説明する。上記受熱管21の入口端と浴槽6との間には復路管22が接続され、受熱管21の出口端と浴槽6との間には往路管23が接続されている。復路管22には、ポンプ24や温度センサTHHR,流水スイッチ(図示しない)等が設けられている。
【0018】
上記給湯配管系10の給湯管13と、追焚配管系20の復路管22との間には、浴槽6への湯張りのための注湯管30が接続されており、この注湯管30には電磁開閉弁からなる注湯弁31が設けられている。図において注湯管30と給湯管13,復路管22との接続点を符号P5,P6で示す。
【0019】
さらに、給湯装置は、制御ユニット50(制御手段)とリモートコントローラ60とを備えている。この制御ユニット50は、ガス供給手段の主電磁開閉弁4,電磁比例弁5と、点火機構と、ファンと、流量制御弁GM1,GM2と、ポンプ24と、注湯弁31を制御するものである。この制御ユニット50には、種々の検出手段からの検出信号が入力される。検出手段としては、前述した温度センサTHIN,THZ,THOUT,THMIX,THHRや、フローセンサFL1,FL2,図示しない流水スイッチがある。リモートコントローラ60は、運転スイッチ風呂自動運転スイッチ,追焚スイッチ,温度設定部,表示部(いずれも図示せず)を備えており、これらスイッチのオン,オフ情報,設定温度情報を制御ユニット50に出力し、これら情報を表示部に表示するものである。なお、この表示部には後述するように制御ユニット50からのエラー情報も表示される。
【0020】
上記構成の給湯装置において、制御ユニット50は、追焚,給湯等の制御を実行するが、この制御を流量制御弁GM1,GM2の制御を中心にして説明する。
流量制御弁GM1,GM2の制御モードは図2に示すように4つある。なお、図2において、各モードのブロック毎の括弧書きは、バイパス側の流量制御弁GM2の状態を表している。
【0021】
まず、追焚(風呂燃焼)を行う場合には、リモコン60の運転スイッチをオンするとともに追焚スイッチをオンする。これに応答して制御ユニット50は、ポンプ24を駆動することにより浴槽6の水を復路管22,受熱管21,往路管23を経て循環させる。また、復路管22の水流スイッチのオン状態を確認して、主電磁開閉弁5を開くとともに点火動作を行うことにより、バーナ1での燃焼を開始する。その結果、フィンプレート2aが加熱され、ひいては受熱管21を通る浴槽6からの水が加熱され、追焚が実行される。温度センサTHHRで検出された浴槽6の湯温がユーザー設定温度に達した時に、この追焚を終了する。
【0022】
上述のように、追焚を単独で実行している状態、すなわち風呂単独燃焼状態は、運転スイッチオンの状態で給湯を実行して停止した後に追焚スイッチをオンした時や、給湯と追焚の同時燃焼から給湯を停止した時にも現れる。
上記風呂単独燃焼時には、給湯配管系10の受熱管11は水が滞留した状態にあり、この滞留水にもバーナ1の燃焼熱が付与される。このため、受熱管11の滞留水が高温になる。追焚燃焼は、受熱管11のUベンド部に設けられた温度センサTHZでの検出温度(すなわち、受熱管11の滞留水温度)が上昇して75°Cに達した時には中断し、検出温度が低下して70°Cに達した時に再開される。このようなヒステリシス制御により、受熱管11の滞留水の沸騰が防止される。
【0023】
上述したように、風呂単独燃焼中には、給湯配管系10の受熱管11の滞留水は沸騰は防止されるものの非常に高い温度になっている。そのため、後述する給湯の初期には、受熱管11からの湯とバイパス管16からの水を混合(ミキシング)する必要があり、その準備のために流量制御弁GM1,GM2を図2の制御モード1で制御し、それぞれ所定開度位置、すなわち全開位置と全閉位置との間の適度な開度位置(以下、半開位置と称す)にしている。仮に、流量制御弁GM1が全開で流量制御弁GM2が全閉であれば、給湯開始の際に、上記受熱管11からの湯に対してバイパス管16からの水の量が極端に少なく、ミキシングにより最適の出湯温度になるまでに、オーバーシュートが生じることがあるからである。これは流量制御弁GM1,GM2がギアモータ駆動式であるため、適切な開度への変更に時間を要するためである。反対に、流量制御弁GM1が全閉で流量制御弁GM2が全開であれば、給湯開始の際に、上記受熱管11からの湯に対してバイパス管16からの水の量が極端に多くなり、ミキシングにより最適の出湯温度になるまでに、アンダーシュートが生じることがあるからである。なお、この流量制御弁GM1,GM2の半開位置での湯と水の混合比は、例えば30:70となっている。
【0024】
上記風呂単独燃焼の最中に運転スイッチをオフにした時には、バーナ1の燃焼を停止し、制御モード4を実行する。すなわち、流量制御弁GM1,GM2を全開にする。この状態でユーザーが給湯配管系10に設けた水抜き栓(図示しない)を抜けば、給湯配管系10から水を抜くことができ、凍結を防止できる。この制御モード4は、風呂単独燃焼終了後、後述するミキシング制御の最中、後述する通常の給湯制御の最中または終了後に、運転スイッチをオフにした時にも実行される。
【0025】
風呂単独燃焼実行中における上記流量制御弁GM1,GM2の半開位置(制御モード2)は、運転スイッチをオフにしない限り、風呂単独燃焼終了後もそのまま維持される。なお、風呂単独燃焼終了後に、温度センサTHZまたは温度センサTHOUTで検出される受熱管11の温度またはその出口温度が、所定温度例えば55°C以上である間は半開状態を維持し、この所定温度を下回った時には、後述する給湯通常制御での制御モード2と同様に、上記流量制御弁GM1を全開位置にし、流量制御弁GM2を全閉位置にしてもよい。
【0026】
次に、給湯制御について説明する。運転スイッチオンの状態で給湯栓14を開くと、給水管12,受熱管11,給湯管13の順に水が流れる。給水管12に設けられたフローセンサFL1がこの水流を検出し、この検出信号に応答して制御ユニット50が、主電磁開閉弁4を開くとともに点火動作を行うことにより、バーナ1での燃焼が開始される。その結果、フィンプレート2aが加熱され、ひいては受熱管11を通る水が加熱され、湯となって給湯栓14から吐出される。
【0027】
通常の給湯制御では、図2の制御モード2が実行され、流量制御弁GM2は全閉となっている。制御ユニット50は、フローセンサFL1で検出された流量と、温度センサTHINで検出された入水温度と、リモートコントローラ60で設定された設定温度に基づいてフィードフォワード制御成分を演算し、温度センサTHMIXで検出された出湯温度と上記設定温度に基づいてフィードバック制御成分を演算する。そして、このフィードフォワード制御成分にフィードバック制御成分を加算した制御値に基づいて、電磁比例弁5の開度を制御し、燃焼ガス量を制御する。これにより、出湯温度を高精度で設定温度にすることができる。なお、流量制御弁GM1は基本的には全開位置にあるが、設定温度が高く給湯栓14の開度が大きい場合には、器具の最大能力をオーバーすることがあり、この場合には、出湯温度を設定温度にするために、流量制御弁GM1の開度を小さくして流量を絞ることもある。
上記通常の給湯制御では、バイパス管16からの水は遮断されているが、受熱管11の湯は、固定バイパス管15からの水と混合されて出湯されるので、受熱管11内の湯の温度を設定温度より高くした状態で燃焼制御を行うことができる。
【0028】
上述した風呂単独燃焼の最中または終了後に、給湯栓14が開かれた時には、流水検出に応答して、直接に通常の給湯制御(制御モード2)に移行するのではなく、後述するミキシング制御を実行してから通常の給湯制御に移行する。
【0029】
次に、ミキシング制御について説明する。この時には、制御モード3を実行し、流量制御弁GM1,GM2の開度を調節して適切な湯水混合比を得、これにより出湯温度を設定温度にする。この流量制御弁GM1,GM2の制御には温度センサTHMIXで検出される出湯温度情報を用いず、温度センサTHINで検出される入水温度TINと、温度センサTHOUTで検出される受熱管11の出口温度TOUTと、リモートコントローラ60で設定された設定温度TSPと、フローセンサFL1,FL2からの検出流量Q1,Q2の情報が用いられる。以下、この制御の理論的根拠について説明する。
【0030】
ミキシングされた後の湯の熱量と、ミキシング前の湯と水の熱量の和が等しいことから、次式が成立する。
TMIX・QTOTAL=TIN・QBP+TOUT’・QEX ・・・(1)
ここでTMIX,QTOTALは、接続点P4でミキシングされた後に給湯管13を流れる湯の温度および流量であり、TIN,QBPは、接続点P4でミキシングされる前のバイパス管16からの水の温度と流量である。また、TOUT’およびQEXは、給湯管13において接続点P2からP4に向かう湯(接続点P4でミキシングされる前の湯)の温度と流量である。
【0031】
流量制御弁GM2の制御対象は、上記流量QBPであり、流量制御弁GM1の制御対象は上記流量QEXである。そして、これら流量制御弁GM1,GM2の開度制御は、流量比R=QBP/QEX(水と湯の混合比)を目標値に一致させるように行われる。上記(1)式にQTOTAL=QBP+QEXを代入して上記流量比で表すと、次式のようになる。
R=QBP/QEX=(TOUT’−TMIX)/(TMIX−TIN) ・・・(2)
出湯温度TMIXを設定温度T SP と一致させるためには、上記(2)式にTMIX=T SP を代入すればよい。これにより、次式から目標流量比Riを得ることができる。
Ri=(TOUT’−TSP)/(TSP−TIN) ・・・(3)
【0032】
ミキシング制御時の流量制御弁GM1,GM2の開度制御に際しては、上記温度情報TSP,TIN,TOUTを(3)式に代入することにより、極めて短い周期で目標流量比Riを求める。ここで、設定温度TSPはリモートコントローラ60から得られ、入水温度TINは温度センサTHINで検出される。なお、TOUT’は、検出入水温度TINと、検出出口温度TOUTと、受熱管11からの湯とバイパス管15からの水との混合比(XEX:XBP)から、次式により求められる。
TOUT’=(XEX×TOUT+XBP×TIN)/(XEX+XBP) ・・・(4)
【0033】
なお、接続点P2,P4間の給湯管13に温度センサを設け、この温度センサから直接上記温度T OUT ’を求めてもよい。また、バイパス管15が省かれた給湯配管系の場合には、上記(3)式において、上記の演算されたTOUT’の代わりに、検出出口温度TOUTを用いて目標流量比Riを演算する。
【0034】
実際の流量比Rrは、上記(2)式の左辺から得られる。すなわち、上記流量QEXは、フローセンサFL1での検出流量Q1と一致するはずである。また、バイパスQBPは、2つのフローセンサFL1,FL2の検出流量の差(Q2−Q1)と一致するはずである。したがって、実際の流量比Rrは、次の式から演算される。
Rr=(Q2−Q1)/Q1 ・・・(5)
【0035】
そして、制御ユニット50は、フローセンサFL1,FL2の検出流量Q1,Q2から(5)式に基づいて演算された実際の流量比Rrを、温度情報TSP,TIN,TOUTから(3),(4)式に基づいて演算された目標の流量比Riに一致させるように、流量制御弁GM1,GM2の開度を制御する。
例えば、実際の流量比Rrが目標の流量比Riより小さい場合には、バイパス側の流量QBP=(Q2−Q1)を増やすべく流量制御弁GM2の開度を大きくし、熱交換部2からの流量QEX=Q1を減少させるべく流量制御弁GM1の開度を小さくする。これとは逆に、実際の流量比Rrが目標の流量比Riより大きい場合には、バイパス側の流量を減少させるべく流量制御弁GM2の開度を小さくし、熱交換部2からの流量を増やすべく流量制御弁GM1の開度を大きくする。
【0036】
上述したように、流量制御弁GM1,GM2の開度は、通常1:1の対応関係にあり、例えば流量制御弁GM2の開度を上記流量比Rr,Riの比較の上で決定すると、流量制御弁GM1の開度は自ずと決定される。例を上げると、流量制御弁GM1,GM2の開度の合計を100%にするように制御する。すなわち流量制御弁GM2を30%とした時には流量制御弁GM1の開度を70%とし、流量制御弁GM2の開度を30%とした時には流量制御弁GM1の開度を70%とする。
【0037】
上記のような給湯初期のミキシング制御により、出口温度TOUT,設定温度TSP,入水温度TINに基づいて、湯と水の混合を適切に行い、受熱管11の滞留湯に起因した出湯温度のオーバーシュートや、バイパス側の水を過剰に混合することに起因したアンダーシュートを抑制して、出湯温度を設定温度にすることができる。
また、このミキシング制御に際しては、バイパス側の流量制御弁GM2の開度制御のみならず、これと平行して熱交換部2側の流量制御弁GM1を逆方向に開度制御することにより、湯と水の混合比を迅速に適切な比にすることができ、より一層確実にオーバーシュートやアンダーシュートを抑制できる。
しかも、検出出湯温度TMIXによらず、流量制御弁GM1,GM2の開度変更に即座に応答する2つのフローセンサFL1,FL2の検出流量Q1,Q2に基づいて、流量制御弁GM1,GM2を制御するので、迅速かつ適切な開度制御を行うことができ、より一層確実に出湯温度のオーバーシュートやアンダーシュートを抑制できる。
【0038】
フローセンサFL1は熱交換部2を通る流量を検出するのでガス燃焼制御(供給ガス量制御)の情報として用いることができ、しかも、給水管12側に配置されているので、受熱管11の高温の滞留水に触れずに済み、経年劣化に伴う特性変化の可能性を小さくすることができる。
フローセンサFL2は、接続点P5より下流側に配置されているので、湯張りが実行されているか否かにかかわらず、給湯配管系10からの出湯を検出することができる。また、出湯量を検出するフローセンサFL2は、湯に触れるので上記フローセンサFL1に比べれば特性変化の可能性が高くなるが、この湯の温度は混合された後の湯であり比較的低いので、大きな特性変化を免れることができる。
【0039】
上記給湯初期のミキシング制御は、追焚停止状態でも行われる。この場合には、上記検出入水温度と設定温度とフローセンサFL1,FL2の検出流量Q1,Q2に基づいて、バーナ1の燃焼が制御される。
上記燃焼は、フローセンサFL1の検出流量Q1が第1閾値(例えば2.5リットル/分)を越えた時に開始され、第2閾値(例えば2.0リットル/分)を下回った時に、停止される。この閾値は、バーナ1での最小燃焼熱量に基づいて決定される。第1,第2閾値を用いてヒステリシス制御をするのは、燃焼開始と停止との間のハンチングを防止するためである。本実施形態では、このハンチングをより一層少なくするために、フローセンサFL1の検出流量Q1が第2閾値より若干大きい所定流量(例えば第1閾値と第2閾値の間の流量2.1リットル/分)に達したら、それ以上は、流量制御弁GM1の開度の絞りを中止し、検出流量Q1をこの所定流量に維持して第2閾値より下回らないようにする。これにより、燃焼停止を免れ上記ハンチングを防止できる。この際、バイパス側の流量制御弁GM2の開度は流量制御弁GM1の開度に対応させて一定に維持してもよいし、単独で変動させてもよい。
【0040】
なお、上記流量制御弁GM1の絞り制限は、追焚と平行してミキシング制御している場合にも行われる。この場合、フローセンサFL1での検出流量Q1が上記第2閾値に達するのを防止し、これにより給湯のための燃焼制御を継続することができ、出湯温度を設定温度になるように制御することができる。絞り制限がないと、フローセンサFL1での検出流量Q1が上記第2閾値を下回った時に、給湯のための燃焼制御が停止し、出湯温度の制御ができなくなるのである。
また、1缶2水路型給湯装置の場合、絞り制限がないと、フローセンサFL1での検出流量Q1が上記第2閾値を下回った時でも、追焚のための燃焼制御は継続しているので、追焚側の熱を給湯側が吸熱し、給湯の出湯温度の制御ができなくなるのである。
【0041】
ちなみに、流量制御弁GM1の開度を増大させる方向へ制御している際に、この流量制御弁GM1に設けた全開位置センサ(図示しない)で全開位置を検出した時には、モータへの電流供給を停止してそのロックを防止する。同様に、流量制御弁GM2の開度を減少させる方向へ制御している際に、この流量制御弁GM2に設けた全閉位置センサにより全閉位置を検出した時にもモータが停止され、開度を増大させる方向へ制御している時に、全開位置センサにより全開位置を検出した時にも、モータが停止される。
なお、流量制御弁GM1は、全閉位置でも漏れが生じることがある。この漏れが上記所定流量より多い場合を想定して、流量制御弁GM1の閉じ方向への制御は、上記フローセンサFL1の検出流量が上記所定流量に達した時、および全閉位置センサによる全閉位置検出がなされた時に、停止できるようにしてもよい。
【0042】
上記ミキシング制御は、給湯開始から所定時間経過後に終了し、それから前述した通常の給湯制御に移行して、流量制御弁GM2を全閉にし、流量制御弁GM1を器具の最大燃焼能力(最大号数)の範囲で全開にし、総流量制御(制御モード2)に移行する。なお、この移行を、出湯温度の安定確認により行ってもよい。
上記ミキシング制御中に、給湯栓14が閉じられ、流水を検知しなくなった時には、制御モード1に返り、流量制御弁GM1,GM2を半開状態にする。
【0043】
給湯配管系10に装備されるフローセンサFL1,FL2の特性の経年変化について、前に簡単に説明したが、ここでより詳しく説明することにする。フローセンサFL1,FL2は、管路内に配置した回転車と、この回転車の回転に伴ってパルスを出力するホールICとを有している。この回転車の摺動抵抗等の変化により、単位時間当たりの出力パスル数と流量との関係が変化する。すなわち、流量を横軸に出力パスル数を縦軸にとった時に、両者の関係を表す線はほぼリニアな状態を維持するものの、その傾きが変化してしまうのである。特に、フローセンサFL2は、湯に晒されるため、経年使用により特性が変化する可能性があることは、前述したとおりである。
【0044】
上記フローセンサFL2の特性変化による悪影響について、説明する。フローセンサFL2が実際より少ない流量として検出する場合には、ミキシングにおいて、前述した(5)式により得られた混合比Rrが実際の混合比より小さくなる。そのため、流量制御弁GM2の開度を目標混合比Riを得るための開度より小さい開度にし、流量制御弁GM1の開度を目標混合比Riを得るための開度より大きくしようとする。その結果、出湯温度は、設定温度より高くなってしまう。
これとは逆に、フローセンサFL2が実際より多い流量として検出する場合には、演算された混合比Rrが実際の混合比より大きくなる。そのため、流量制御弁GM2の開度を目標混合比Riを得るための開度より大きな開度にし、流量制御弁GM1の開度を目標混合比Riを得るための開度より小さくしようとする。その結果、出湯温度は、設定温度より低くなってしまう。
【0045】
そこで、本実施形態では、フローセンサFL2の検出流量を、バイパス側の流量制御弁GM2が閉じ、注湯弁31が閉じた状態で、フローセンサFL1の検出流量と比較し、補正するようにしている。この状態では、フローセンサFL1,FL2の検出流量Q1,Q2は一致するはずであるが、一致しない時には、補正定数を求め、この補正定数に基づいて上記フローセンサFL2の検出流量を補正する。
【0046】
次に、補正定数を得るルーチンについて図3を参照しながら、詳述する。このルーチンは、給湯の最中に比較的短い間隔で周期的に実行されるものである。このルーチンの説明から明らかなように、補正定数は、給湯の度に1回だけ演算され、以後、この演算された補正定数を用いてミキシング制御を行う。なお、新しい補正定数を演算するまでは、前回演算した補正定数を用いてミキシング制御を行う。
【0047】
まず、完了フラグがセットされているか否かを判断する(ステップ101)。肯定判断した時には、このルーチンを終了する。この完了フラグは、後述する補正定数演算を終了した時にセットされるものである。したがって、補正定数演算は、給湯毎に1回だけ行われることになる。
ステップ101で否定判断した時には、注湯弁31が閉じた状態か否かを判断する(ステップ102)。ここで否定判断した時、すなわち湯張り中であると判断した時には、このルーチンを終了する。ここで肯定判断した時には、バイパス側の流量制御弁GM2が全閉状態か否かを判断する(ステップ103)。ここで否定判断した時には、このルーチンを終了する。このようにして、注湯弁31の閉じと流量制御弁GM2の閉じの状態を、補正定数演算の条件とすることができる。
【0048】
上記ステップ103で肯定判断した時には、給湯燃焼中か否かを判断する(ステップ104)。すなわち、まだ点火動作中で燃焼を確認できない時には否定判断してこのルーチンを終了する。給湯栓14が開いて給湯を開始した直後は、検出流量が不安定であり、フローセンサFL1,FL2の検出流量にタイムラグの影響がでるため、この状態での補正定数演算を避ける必要があるからである。
上記ステップ104で肯定判断した時には、検出流量Q1,Q2が閾流量Q0以上か否かを判断する(ステップ105)。いずれか一方でも閾流量Q0を下回った時には、このルーチンを終了する。流量が小さい場合には検出流量Q1,Q2が不安定になり、補正定数を正確に演算できないからである。
【0049】
上記ステップ105で肯定判断した時には、流量比Rx=Q2/Q1を求め(ステップ106)、この流量比Rxを積算し(ステップ107)、カウンタをインクリメントして(ステップ108)、ステップ109に進む。ここでカウンタの計数値が255を越えているか否かを判断し、否定判断した時には、このルーチンを終了する。これにより、上記流量比Rxの演算およびその積算が、周期的に256回繰り返される。
【0050】
上記流量比Rxの演算およびその積算が256回実行された後、ステップ109で肯定判断されると、完了フラグをセットし(ステップ110)、上記積算値を256で割ることにより、平均流量比RAVを求め(ステップ111)、ステップ112に進む。ここで平均流量比RAVが0.5より小さい場合には、フローセンサFL1が明らかに故障しているとして、リモートコントローラ60の表示部にエラー表示をして(ステップ113)、このルーチンを終了する。なお、このエラーの際には、給湯燃焼を禁じるようにしてもよい。
【0051】
ステップ112で否定判断した時には、平均流量比RAVが0.9を下回っているか否か判断し(ステップ114)、ここで否定判断した時には平均流量比RAVが1.2を上回っているか否か判断し(ステップ115)、ここで否定判断した時、すなわち平均流量比RAVが0.9〜1.2の範囲に入っていると判断した時には、この平均流量比RAVを補正定数Mとする(ステップ116)。また、ステップ114で肯定判断した時、すなわち上記所定範囲0.9〜1.2を下回っていると判断した時には、その下限値0.9を、補正定数Mとする(ステップ117)。ステップ115で肯定判断した時、すなわち上記所定範囲0.9〜1.2を上回っていると判断した時には、その上限値1.2を、補正定数Mとする(ステップ118)。
【0052】
上述したように所定範囲0.9〜1.2を越えた場合には、この平均流量比RAVの信頼性が低いと判断する。この平均流量比RAVをそのまま補正定数として用いて後述の補正を実行すると、この補正に起因して出湯温度が著しくオーバーシュートしたりアンダーシュートする不測の事態が生じる可能性があるので、その限界値「0.9」,「1.2」を補正定数Mとしたのである。なお、上限を下限より緩やかとしたのは、流量制御弁GM2の閉じ状態での漏れの可能性を考慮したからである。
なお、給湯終了時点または給湯開始時点で、カウンタをクリアし、フラグをリセットする。
【0053】
上記補正定数Mを用いて、フローセンサFL2の検出流量Q2を補正する。補正検出流量はQ2/Mで表すことができる。この補正検出流量Q2/Mを前述の(5)式のQ2に置き換えることにより、正確な実際の流量比Rrを演算することができる。これにより、フローセンサFL2の特性変化があっても、フローセンサFL1,FL2の検出流量に基づいて正確な流量制御弁GM1,GM2の開度制御を行うことができ、出湯温度のオーバーシュート,アンダーシュートを防止することができる。
【0054】
なお、(5)式は次のように書き換えることができる。
Rr=(Q2/Q1)ー1 ・・・(6)
したがって、この流量比(Q2/Q1)を演算した後、この流量比を補正定数Mで割った値から1を差し引くことにより、実際の流量比Rrを求めることもできる。この場合には、流量比(Q2/Q1)を補正することになる。
なお、本実施形態では、上述したように直接または間接的に流量比(Q2/Q1)を補正するため、フローセンサFL1,FL2の両方に特性変化があった時や、フローセンサFL1に特性変化があった時、または製品出荷時から両者に特性上の相違があった時にも、補正が有効に働く。
【0055】
上記補正定数のためのルーチンにおいて、平均流量比RAVが所定範囲0.9〜1.2を大きく上回っていた時、例えば1.5を越えた時にも、エラー表示をしてもよい。
また、給湯制御が、流量制御弁GM2を一定開度又はバイパス通路に水ガバナを設けて一定流量(上限制限)にした状態で行われる場合には、この状態で上記補正定数を演算してもよい。ただし、この場合、バイパス側を流れる水の割合を考慮する必要がある。すなわち、フローセンサFL2の検出流量はフローセンサFL1の検出流量より一定割合だけ多くなる状態を正常とする。
【0056】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用することができる。例えば、フローセンサFL1の方が特性変化が大きい環境に置かれる場合には、このフローセンサFL1の検出流量を補正してもよい。
給湯初期において、上記受熱管11のUベンド部の温度センサTHzの検出温度に基づいて、ミキシング制御をするか否かを選択してもよい。すなわち、ユーザーに苦痛とならない温度である場合には、ミキシング制御を行わず、ユーザーに苦痛となる温度である場合にのみ、ミキシング制御を行う。
図1の流量制御弁GM1は省略してもよい。また、この流量制御弁GM1を接続点P1,P3間の給水管12に設けてもよいし、接続点P3の上流側の給水管12に設けてもよい。流量制御弁はギアモータ駆動式でないタイプのものを用いてもよい。
フローセンサFL1を接続点P2,P4間の給湯管13に設けてもよい。また、フローセンサFL2を接続点P3より上流側の給水管12に設けてもよい。これら2つのフローセンサFL1,FL2の検出流量から、バイパス流量を求めることができ、また、検出流量,検出流量比の補正も可能である。
フローセンサをバイパス管16に設けてバイパス管16の流量を直接検出してもよい。この場合、給水管(接続点P3の上流,下流のどちらでもよい)と、給湯管(接続点P4の上流,下流のどちらでもよい)の少なくとも一方に、もうひとつのフローセンサを設け、給湯初期に、これらフローセンサの検出流量に基づいて流量制御弁GM1,GM2の開度を制御する。
本発明は、1缶2水路型のみならず、給湯単能型の給湯装置にも適用できる。給湯直後の後沸きにより熱交換部に滞留した水が高温になるからである。また、湯張り機能をもたない給湯装置にも適用できる。1缶2水路型において、追焚配管系の代わりに暖房系や、循環給湯配管系を備えたものであってもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、給湯初期に受熱管の出口からの湯の温度情報に基づいて、バイパス弁を制御することにより、湯と水の混合を適切に行い、受熱管の滞留湯に起因した出湯温度のオーバーシュートや、バイパス側の水を過剰に混合することに起因したアンダーシュートを抑制して、適温の湯を供給することができる。しかも、バイパス弁の開度変更に即座に応答する2つのフローセンサの検出流量に基づいて、バイパス弁の開度を制御するので、迅速かつ適切な開度制御を行うことができ、より一層確実に出湯温度のオーバーシュートやアンダーシュートを抑制できる。また、給湯初期制御における湯水混合比を、受熱管の出口からの検出温度のみならず、給水管からの検出入水温度と設定温度を用いて決定するので、出湯温度を正確に設定温度に一致させることができる。
【0058】
請求項2の発明によれば、バイパス側の第1流量制御弁の開度制御のみならず、これと平行して第2の流量制御弁を逆方向に開度制御することにより、湯と水の混合比を迅速に適切な比にすることができ、より一層確実にオーバーシュートやアンダーシュートを抑制できる。
請求項3の発明によれば、第1,第2の2つのフローセンサを用いることにより、バイパス管の流量も求めることができる。
請求項4の発明によれば、第1のフローセンサは給水側にあるので高温の湯に晒されず、また第2のフローセンサも水と混合された後の湯に晒されるだけであるので、これらの故障の可能性を低減させることができる。また、第2のフローセンサは湯張りの有無に関係なく、給湯動作を確実に検出することができる。
請求項5の発明によれば、第1,第2のフローセンサの比較結果により、いずれか一方のフローセンサの検出流量または両フローセンサの検出流量の比を補正することができ、フローセンサの特性変化等の影響を受けずに、適切な湯水混合を行うことができる。
請求項6の発明によれば、第1,第2のフローセンサの検出流量の比を補正定数とすることにより、比較的簡単な演算で上記検出流量または検出流量比の補正を行うことができる。
請求項7の発明によれば、比較結果としての流量比が所定範囲を越えた時には、信頼性が低いとしてその限界値を補正定数として用いることにより、補正に起因して出湯温度の著しいオーバーシュートやアンダーシュートが生じる可能性を減じることができる。
請求項8の発明によれば、フローセンサの検出流量が所定流量に達した時に第2流量制御弁の開度の絞りを停止することにより、給湯燃焼制御の開始と停止との間のハンチングを防止することができる。
請求項9の発明によれば、給湯初期に、すでに流量制御弁が所定開度だけ開いているので、短時間で目標混合比に達することができ、これによっても出湯温度のオーバーシュートやアンダーシュートを確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる1缶2水路型の追焚機能付き給湯装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】同給湯装置で実行される4つの制御モードの関係を示す図である。
【図3】フローセンサの検出流量を補正するための補正定数を得るルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ガスバーナ(熱発生部)
2 熱交換部
10 給湯配管系
11 受熱管
12 給水管
13 給湯管
16 バイパス管
20 追焚配管系
21 受熱管
50 制御ユニット(制御手段)
GM1 第2流量制御弁
GM2 第1流量制御弁(バイパス流量制御弁)
FL1,FL2 フローセンサ
Claims (9)
- 熱発生部と、この熱発生部からの熱を受ける熱交換部と、給湯配管系と、制御手段とを備え、
上記給湯配管系が、上記熱交換部を通る受熱管と、この受熱管の入口端に接続された給水管と、受熱管の出口端に接続された給湯管と、これら給水管と給湯管の間に接続されるとともに受熱管と並列をなすバイパス管と、このバイパス管に設けられ上記制御手段で制御されるバイパス弁と、給水管からの水の温度を検出する入水温度センサと、上記バイパス管より上流側の給湯管に設けられて受熱管出口からの湯の温度を検出する出口温度センサとを有する給湯装置において、
上記バイパス弁として、開度を変えることによりバイパス管の流量を制御することができる流量制御弁が用いられ、
上記給湯配管系において、上記バイパス管と、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管または給湯管と、上記バイパス管の接続点より熱交換部から遠い給水管または給湯管の、3つの部位のうちの少なくとも2つの部位に、フローセンサが設置され、
上記制御手段は、給湯初期のミキシング制御において、上記出口温度センサで検出された受熱管出口からの湯の温度と、上記入水温度センサで検出された給水管からの水の温度と、設定温度とに基づいて、上記受熱管からの湯と上記バイパス管からの水の目標流量比を決定し、この決定された目標流量比が得られるように、上記少なくとも2つのフローセンサからの検出流量に基づいてバイパス弁の開度を制御することを特徴とするバイパス弁付き給湯装置。 - 上記バイパス弁として提供される第1の流量制御弁の他に、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給湯管または給水管に第2の流量制御弁が設けられ、
上記制御手段は、上記給湯初期のミキシング制御において、第1の流量制御弁の開度を減少させる場合には第2の流量制御弁の開度を増大させ、第1の流量制御弁の開度を増大させる場合には第2の流量制御弁の開度を減少させることを特徴とする請求項1に記載のバイパス弁付き給湯装置。 - 上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管または給湯管に第1のフローセンサが設けられ、上記バイパス管の接続点より熱交換部から遠い給水管または給湯管に第2フローセンサが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のバイパス弁付き給湯装置。
- 上記給湯管には、上記バイパス管との接続点の下流側に風呂への湯張りを行うための注湯管が接続され、上記第1のフローセンサは、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管に設けられ、上記第2のフローセンサは、上記注湯管の接続点より下流側の給湯管に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のバイパス弁付き給湯装置。
- 上記制御手段は、上記バイパス弁を全閉にした状態での給湯制御実行中に、第1フローセンサの検出流量と第2フローセンサの検出流量とを比較し、その比較結果に基づいて、以後検出される第1,第2フローセンサのいずれか一方の検出流量または両者の検出流量の比を補正することを特徴とする請求項3または4に記載のバイパス弁付き給湯装置。
- 上記制御手段は、上記第1,第2のフローセンサの検出流量の比較結果として、両者の比を演算し、この比を補正定数として、以後検出される第1,第2フローセンサのいずれか一方の検出流量または両者の検出流量の比を補正することを特徴とする請求項5に記載のバイパス弁付き給湯装置。
- 上記制御手段は、上記第1,第2のフローセンサの検出流量の比較結果としての比が所定の範囲内にある時には、この比を補正定数とし、この比が所定の範囲の限界値を越える時には、この限界値を補正定数とすることを特徴とする請求項6に記載のバイパス弁付き給湯装置。
- 上記熱発生部としてガスバーナが用いられ、上記フローセンサの1つが、上記バイパス管の接続点より熱交換部に近い給水管または給湯管に設けられ、
上記制御手段は、上記ガスバーナの燃焼を、当該フローセンサの検出流量が第1閾値を越えた時に開始し、当該フローセンサの検出流量が第1閾値より小さい第2閾値を下回った時に停止し、
さらに上記制御手段は、給湯初期のミキシング制御において第1,第2流量制御弁の開度を制御している時に、当該フローセンサの検出流量が、上記第2閾値より大きい所定流量に達した時には、それ以上の第2流量制御弁の開度絞りを停止することを特徴とする請求項2に記載のバイパス弁付き給湯装置。 - 上記熱交換部を通る他の配管系が装備され、上記制御手段は、当該他の配管系を水が流れ上記給湯配管系を水が流れていない状態で、上記熱発生部から熱交換部に熱が付与されている時に、第1,第2流量制御弁をそれぞれ全開位置および全閉位置から離れた所定開度位置にして待機させ、給湯初期のミキシング制御時に、この所定開度位置から上記第1,第2流量制御弁の開度制御を実行することを特徴とする請求項2に記載のバイパス弁付き給湯装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12636397A JP3862809B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | バイパス弁付き給湯装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12636397A JP3862809B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | バイパス弁付き給湯装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10300209A JPH10300209A (ja) | 1998-11-13 |
JP3862809B2 true JP3862809B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=14933341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12636397A Expired - Fee Related JP3862809B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | バイパス弁付き給湯装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3862809B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102434972A (zh) * | 2011-06-16 | 2012-05-02 | 吴中敏 | 即热式太阳中继电热水器 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5242527B2 (ja) * | 2009-09-18 | 2013-07-24 | 矢崎エナジーシステム株式会社 | 流量センサ異常検出ユニット、削減熱量算出装置、及び、太陽熱給湯システム |
PT108844B (pt) | 2015-09-28 | 2023-03-03 | Bosch Termotecnologia Sa | Dispositivo de aquecimento e processo de operação de um dispositivo de aquecimento. |
CN113701361B (zh) * | 2021-09-06 | 2023-01-24 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种热水器的启动方法、装置及热水器 |
-
1997
- 1997-04-30 JP JP12636397A patent/JP3862809B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102434972A (zh) * | 2011-06-16 | 2012-05-02 | 吴中敏 | 即热式太阳中继电热水器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10300209A (ja) | 1998-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3862809B2 (ja) | バイパス弁付き給湯装置 | |
JP3646031B2 (ja) | 潜熱回収型給湯機の制御方法 | |
JP3859810B2 (ja) | 流量制御装置および給湯装置 | |
JP3792365B2 (ja) | バイパス路付き給湯装置 | |
JP3862810B2 (ja) | 給湯装置 | |
JPH11241860A (ja) | 複機能型給湯装置 | |
JPH11141979A (ja) | 一缶二水路式給湯装置 | |
JP3848746B2 (ja) | 追焚機能付き給湯装置 | |
JPH1163665A (ja) | バイパス路付き給湯装置 | |
JP2019143915A (ja) | 給湯装置 | |
JP3848732B2 (ja) | 複機能型給湯装置 | |
JP3862811B2 (ja) | 一缶二水路風呂給湯器 | |
JP2526472B2 (ja) | 給湯器 | |
JP3872864B2 (ja) | 給湯燃焼装置 | |
JPH0530167Y2 (ja) | ||
JP3748681B2 (ja) | 一缶二水路風呂給湯器 | |
JP2000161782A (ja) | 風呂給湯器 | |
JP3859811B2 (ja) | 給湯燃焼装置 | |
JPH02203153A (ja) | 連結式給湯器の運転制御方法 | |
JPH11211227A (ja) | 一缶二水路燃焼機器 | |
JP3922788B2 (ja) | 給湯方法および給湯装置 | |
JPH04222328A (ja) | 即時給湯装置 | |
JPH02259360A (ja) | 連結式給湯器の運転制御方法 | |
JP3211495B2 (ja) | 風呂給湯装置 | |
JPH085059A (ja) | 給湯器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060328 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060919 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060927 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |