JP3862779B2 - バイオセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の特定成分について、迅速かつ高精度な定量を簡便に実施するためのバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
バイオセンサのうち試料液の希釈や攪拌などを行うことなく簡便に定量する方法としては、例えば以下の技術が知られている(特開平3−202764号公報)。
このバイオセンサは、絶縁性の基板上にスクリーン印刷等の方法で電極系を形成し、上記電極系上に親水性高分子と酸化還元酵素と電子受容体を含む反応層を形成したものである。試料液を酵素反応層上へ滴下すると反応層が溶解し、試料液中の基質との間で酵素反応が進行し、電子受容体が還元される。酵素反応終了後、この還元された電子受容体を電気化学的に酸化し、このとき得られる酸化電流値から試料液中の基質濃度を求めるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成のバイオセンサでは、酵素と電子受容体が混合された状態で反応層中に存在するために、湿度管理などの保存状態が良くない場合には、保存特性が低下する場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁性の基板、前記絶縁性の基板上に形成された作用極と対極を有する電極系、および、少なくとも酵素と電子受容体からなり、前記基板上に形成された反応層を具備するバイオセンサにおいて、電子受容体としてレドックス化合物と脂質との複合体を用い、前記複合体が有機溶媒に可溶であり、脂質がN−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グルタミン酸クロライドであり、レドックス化合物がフェリシアン化カリウムであることを特徴とする。
【0005】
脂質と複合化されたレドックス化合物は、脂質で修飾されることによって凝集し難くなり、適当に分散された状態を保つことができる。それゆえバイオセンサの電子受容体として用いた場合には、このレドックス化合物を無駄なく有効に活用させることができる。また、脂質で修飾されることによって、レドックス化合物は有機溶剤に可溶化される。バイオセンサの反応層を形成する際に、水溶性の酵素を含む層を溶解することなく、脂質で修飾されたレドックス化合物からなる電子受容体を含む層を形成することができるため、酵素を前記電子受容体と分離した状態でバイオセンサを作製することができる。その結果、保存特性および応答性に優れたバイオセンサを得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
前記の脂質を含む電子受容体は、脂質を分散した溶液にレドックス化合物を添加するか、あるいはレドックス化合物の水溶液に脂質を添加することによって得ることができる。
脂質としては、N−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グルタミン酸クロライド、レドックス化合物としては、フェリシアン化カリウムをそれぞれ用いたものが好ましい。
前記の反応層は、前記酵素を含む第1の層を前記基板側に形成し、この第1の層上に前記電子受容体を含む第2の層を積層し、これらの二層を主体として構成することが好ましい。
【0007】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
《実施例1》
脂質であるN−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グルタミン酸クロライド400mgに脱イオン水100ccを加え、脂質分散液を調整した。次に、レドックス化合物として、フェリシアン化カリウムを前記脂質分散液に添加し、軽く攪拌後、静置したところ、黄色透明の上澄み液と沈殿に分離した。上記操作は室温で行ってもよいが、氷浴中で冷却しながら実施すると、より短時間で沈殿が得られた。
一方、あらかじめフェリシアン化カリウム水溶液を調整し、さらに、上記脂質分子を添加して分散させることによっても、同様の沈殿が得られた。
【0008】
上澄み液を除去し、残った固体を脱イオン水で洗浄した後、凍結乾燥によって黄白色の粉末を得た。上記脂質とレドックス化合物との複合体としての前記粉末は非水溶性で、ベンゼン等の有機溶媒には可溶であった。
上記黄白色の粉末のベンゼン溶液にグラッシーカーボン電極を浸漬し、その後風乾させた。これを作用極とし、白金線を対極、参照極には銀/塩化銀電極を用いて、リン酸緩衝液中にてサイクリックボルタンメトリーによる評価を行ったところ、酸化還元応答が認められた。この酸化還元応答は、フェリシアンイオン/フェロシアンイオンレドックス対によるものと考えられ、脂質で修飾されたフェリシアン化カリウムはレドックス活性を有することが分かった。
【0009】
《実施例2》
実施例1と同様にして、フェリシアン化カリウムと脂質の複合体のベンゼン溶液にグラッシーカーボン電極を浸漬させた後風乾した。これを作用極とし、白金線を対極、参照極には銀/塩化銀電極を用いて電気化学セルを構成した。セル中には、グルコースオキシターゼ(以下GODと略す)を溶解させたリン酸緩衝液を満たし、アルゴンガスを十分吹き込むことにより溶存酸素を除いた。作用極に500mVを印加し続けながら、セル中にグルコース水溶液をマイクロシリンジで添加したところ、作用極と対極間の著しい電流増加が認められた。これは、脂質とフェリシアン化カリウムの複合体が電子受容体として機能したことによるものである。上記作用極は繰り返し使用が可能であった。
【0010】
《実施例3》
バイオセンサの一例として、グルコースセンサについて説明する。
図1は本実施例のグルコースセンサの反応層を除いた平面図、図2は同グルコースセンサの断面図である。
まず、このグルコースセンサの作製方法について説明する。ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性の基板1に、スクリーン印刷により銀ペーストを印刷してリード2、3を形成した。つぎに、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを印刷して作用極4を形成した。作用極4はリード2と接触している。
つぎに、絶縁性ペーストを印刷して絶縁層6を形成した。絶縁層6は、作用極4の外周部を覆っており、これによって作用極4の露出部分の面積を一定に保っている。さらに、絶縁層6は、リード2、3を部分的に覆っている。つぎに、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストをリード3と接触するように印刷して対極5を形成した。
【0011】
つぎに、前記電極系(作用極4、対極5)上に親水性高分子としてカルボキシメチルセルロース(以下CMCと略す)の0.5wt%水溶液を滴下し、乾燥させてCMC層を形成した。つづいて、前記CMC層上に酵素としてGOD水溶液を滴下し、乾燥させて第1の層7を形成した。この層7は、CMCとGODは部分的に混合された状態で薄膜状となっている。すなわち、CMC層上に前記水溶液を滴下すると、CMCは一度溶解し、その後の乾燥過程で酵素と混合された形で層7を形成する。しかし、攪拌などを伴わないため完全な混合状態とはならず、電極系表面はCMCのみによって被覆された状態となる。つぎに、実施例1と同様の手順によって得た黄白色の粉末(脂質とレドックス化合物との複合体)のベンゼン溶液を第1の層7上に滴下し、乾燥させて第2の層8を作製した。以上の手順にて電極系上に酵素を含む第1の層7と、電子受容体を含む第2の層8からなる反応層9を有するグルコースセンサを作製した。
このグルコースセンサに、試料液としてグルコース水溶液を第2の層8上へ滴下して、1分後に電極系の対極5に対して作用極4に+500mVの電圧を印加し、5秒後の電流値を測定したところ、グルコース濃度に比例した電流値が得られた。
【0012】
なお、上記実施例3において、酵素は試料液に溶解する方式について示したが、これに制限されることはなく、固定化によって試料液に不溶化させた場合にも同様の効果が得られる。さらに、実施例3では、作用極と対極のみの二極電極系について述べたが、参照極を加えた三電極方式にすれば、より正確な測定が可能である。
上記実施例においては、脂質として、N−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グルタミン酸クロライドを用いたが、この脂質に限定されることはなく、両親媒性の脂質を広く適用することが可能である。
さらに、酵素としてはグルコースオキシダーゼについて示したが、これに限定されることはなく、ピラノースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼなど幅広く用いることが可能である。
また、電極材料としてはカーボンについて示したが、これに限定されることはなく、白金や金、パラジウムなどを用いても本発明の効果には何ら影響を与えない。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、試料液の基質濃度を高精度に測定可能で、保存特性にも優れたなバイオセンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるグルコースセンサの反応層を除いた平面図である。
【図2】同グルコースセンサの縦断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性の基板
2、3 リード
4 作用極
5 対極
6 絶縁層
7 第1の層(酵素を含む層)
8 第2の層(電子受容体を含む層)
9 反応層

Claims (3)

  1. 絶縁性の基板、前記絶縁性の基板上に形成された作用極と対極を有する電極系、および前記基板上に形成された反応層を具備し、
    前記反応層が少なくとも酵素と電子受容体からなり、
    前記電子受容体が脂質とレドックス化合物との複合体であり、
    前記複合体が有機溶媒に可溶であり、
    前記脂質がN−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グルタミン酸クロライドであり、前記レドックス化合物がフェリシアン化カリウムであることを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記反応層が、前記酵素を含む第1の層と、前記電子受容体を含み第1の層上に積層された第2の層を主体として構成された請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 前記電子受容体が、脂質を分散した溶液にレドックス化合物を添加するか、あるいはレドックス化合物の水溶液に脂質を添加して得られたものである請求項1または2に記載のバイオセンサ。
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