JPH09288079A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JPH09288079A
JPH09288079A JP8098730A JP9873096A JPH09288079A JP H09288079 A JPH09288079 A JP H09288079A JP 8098730 A JP8098730 A JP 8098730A JP 9873096 A JP9873096 A JP 9873096A JP H09288079 A JPH09288079 A JP H09288079A
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lipid
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biosensor
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俊彦 吉岡
Makoto Ikeda
信 池田
Shiro Nankai
史朗 南海
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(57)【要約】 【課題】 保存特性に優れ、基質濃度を高精度に測定で
きるバイオセンサを提供することを目的とする。 【解決手段】 絶縁性の基板、前記絶縁性の基板上に形
成された作用極と対極を有する電極系、および前記基板
上に形成された反応層を具備し、前記反応層が少なくと
も酵素と電子受容体からなり、前記電子受容体が脂質を
含むバイオセンサ。前記電子受容体は、脂質を分散した
溶液にレドックス化合物を添加するか、あるいはレドッ
クス化合物の水溶液に脂質を添加して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中の特定成分
について、迅速かつ高精度な定量を簡便に実施するため
のバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】バイオセンサのうち試料液の希釈や攪拌
などを行うことなく簡便に定量する方法としては、例え
ば以下の技術が知られている(特開平3−202764
号公報)。このバイオセンサは、絶縁性の基板上にスク
リーン印刷等の方法で電極系を形成し、上記電極系上に
親水性高分子と酸化還元酵素と電子受容体を含む反応層
を形成したものである。試料液を酵素反応層上へ滴下す
ると反応層が溶解し、試料液中の基質との間で酵素反応
が進行し、電子受容体が還元される。酵素反応終了後、
この還元された電子受容体を電気化学的に酸化し、この
とき得られる酸化電流値から試料液中の基質濃度を求め
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
のバイオセンサでは、酵素と電子受容体が混合された状
態で反応層中に存在するために、湿度管理などの保存状
態が良くない場合には、保存特性が低下する場合があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁性の基
板、前記絶縁性の基板上に形成された作用極と対極を有
する電極系、および、少なくとも酵素と電子受容体から
なり、前記基板上に形成された反応層を具備するバイオ
センサにおいて、電子受容体としてレドックス化合物と
脂質との複合体を用いることを特徴とする。
【0005】脂質と複合化されたレドックス化合物は、
脂質で修飾されることによって凝集し難くなり、適当に
分散された状態を保つことができる。それゆえバイオセ
ンサの電子受容体として用いた場合には、このレドック
ス化合物を無駄なく有効に活用させることができる。ま
た、脂質で修飾されることによって、レドックス化合物
は有機溶剤に可溶化される。バイオセンサの反応層を形
成する際に、水溶性の酵素を含む層を溶解することな
く、脂質で修飾されたレドックス化合物からなる電子受
容体を含む層を形成することができるため、酵素を前記
電子受容体と分離した状態でバイオセンサを作製するこ
とができる。その結果、保存特性および応答性に優れた
バイオセンサを得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】前記の脂質を含む電子受容体は、
脂質を分散した溶液にレドックス化合物を添加するか、
あるいはレドックス化合物の水溶液に脂質を添加するこ
とによって得ることができる。脂質としては、N−(α
−トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グ
ルタミン酸クロライド、レドックス化合物としては、フ
ェリシアン化カリウムをそれぞれ用いたものが好まし
い。前記の反応層は、前記酵素を含む第1の層を前記基
板側に形成し、この第1の層上に前記電子受容体を含む
第2の層を積層し、これらの二層を主体として構成する
ことが好ましい。
【0007】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 《実施例1》脂質であるN−(α−トリメチルアンモニ
オアセチル)ジドデシル−D−グルタミン酸クロライド
400mgに脱イオン水100ccを加え、脂質分散液
を調整した。次に、レドックス化合物として、フェリシ
アン化カリウムを前記脂質分散液に添加し、軽く攪拌
後、静置したところ、黄色透明の上澄み液と沈殿に分離
した。上記操作は室温で行ってもよいが、氷浴中で冷却
しながら実施すると、より短時間で沈殿が得られた。一
方、あらかじめフェリシアン化カリウム水溶液を調整
し、さらに、上記脂質分子を添加して分散させることに
よっても、同様の沈殿が得られた。
【0008】上澄み液を除去し、残った固体を脱イオン
水で洗浄した後、凍結乾燥によって黄白色の粉末を得
た。上記脂質とレドックス化合物との複合体としての前
記粉末は非水溶性で、ベンゼン等の有機溶媒には可溶で
あった。上記黄白色の粉末のベンゼン溶液にグラッシー
カーボン電極を浸漬し、その後風乾させた。これを作用
極とし、白金線を対極、参照極には銀/塩化銀電極を用
いて、リン酸緩衝液中にてサイクリックボルタンメトリ
ーによる評価を行ったところ、酸化還元応答が認められ
た。この酸化還元応答は、フェリシアンイオン/フェロ
シアンイオンレドックス対によるものと考えられ、脂質
で修飾されたフェリシアン化カリウムはレドックス活性
を有することが分かった。
【0009】《実施例2》実施例1と同様にして、フェ
リシアン化カリウムと脂質の複合体のベンゼン溶液にグ
ラッシーカーボン電極を浸漬させた後風乾した。これを
作用極とし、白金線を対極、参照極には銀/塩化銀電極
を用いて電気化学セルを構成した。セル中には、グルコ
ースオキシターゼ(以下GODと略す)を溶解させたリ
ン酸緩衝液を満たし、アルゴンガスを十分吹き込むこと
により溶存酸素を除いた。作用極に500mVを印加し
続けながら、セル中にグルコース水溶液をマイクロシリ
ンジで添加したところ、作用極と対極間の著しい電流増
加が認められた。これは、脂質とフェリシアン化カリウ
ムの複合体が電子受容体として機能したことによるもの
である。上記作用極は繰り返し使用が可能であった。
【0010】《実施例3》バイオセンサの一例として、
グルコースセンサについて説明する。図1は本実施例の
グルコースセンサの反応層を除いた平面図、図2は同グ
ルコースセンサの断面図である。まず、このグルコース
センサの作製方法について説明する。ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性の基板1に、スクリーン印刷
により銀ペーストを印刷してリード2、3を形成した。
つぎに、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペースト
を印刷して作用極4を形成した。作用極4はリード2と
接触している。つぎに、絶縁性ペーストを印刷して絶縁
層6を形成した。絶縁層6は、作用極4の外周部を覆っ
ており、これによって作用極4の露出部分の面積を一定
に保っている。さらに、絶縁層6は、リード2、3を部
分的に覆っている。つぎに、樹脂バインダーを含む導電
性カーボンペーストをリード3と接触するように印刷し
て対極5を形成した。
【0011】つぎに、前記電極系(作用極4、対極5)
上に親水性高分子としてカルボキシメチルセルロース
(以下CMCと略す)の0.5wt%水溶液を滴下し、
乾燥させてCMC層を形成した。つづいて、前記CMC
層上に酵素としてGOD水溶液を滴下し、乾燥させて第
1の層7を形成した。この層7は、CMCとGODは部
分的に混合された状態で薄膜状となっている。すなわ
ち、CMC層上に前記水溶液を滴下すると、CMCは一
度溶解し、その後の乾燥過程で酵素と混合された形で層
7を形成する。しかし、攪拌などを伴わないため完全な
混合状態とはならず、電極系表面はCMCのみによって
被覆された状態となる。つぎに、実施例1と同様の手順
によって得た黄白色の粉末(脂質とレドックス化合物と
の複合体)のベンゼン溶液を第1の層7上に滴下し、乾
燥させて第2の層8を作製した。以上の手順にて電極系
上に酵素を含む第1の層7と、電子受容体を含む第2の
層8からなる反応層9を有するグルコースセンサを作製
した。このグルコースセンサに、試料液としてグルコー
ス水溶液を第2の層8上へ滴下して、1分後に電極系の
対極5に対して作用極4に+500mVの電圧を印加
し、5秒後の電流値を測定したところ、グルコース濃度
に比例した電流値が得られた。
【0012】なお、上記実施例3において、酵素は試料
液に溶解する方式について示したが、これに制限される
ことはなく、固定化によって試料液に不溶化させた場合
にも同様の効果が得られる。さらに、実施例3では、作
用極と対極のみの二極電極系について述べたが、参照極
を加えた三電極方式にすれば、より正確な測定が可能で
ある。上記実施例においては、脂質として、N−(α−
トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グル
タミン酸クロライドを用いたが、この脂質に限定される
ことはなく、両親媒性の脂質を広く適用することが可能
である。さらに、酵素としてはグルコースオキシダーゼ
について示したが、これに限定されることはなく、ピラ
ノースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロー
ルオキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼなど幅
広く用いることが可能である。また、電極材料としては
カーボンについて示したが、これに限定されることはな
く、白金や金、パラジウムなどを用いても本発明の効果
には何ら影響を与えない。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によると、試料液の
基質濃度を高精度に測定可能で、保存特性にも優れたな
バイオセンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるグルコースセンサの
反応層を除いた平面図である。
【図2】同グルコースセンサの縦断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性の基板 2、3 リード 4 作用極 5 対極 6 絶縁層 7 第1の層(酵素を含む層) 8 第2の層(電子受容体を含む層) 9 反応層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の基板、前記絶縁性の基板上に形
    成された作用極と対極を有する電極系、および前記基板
    上に形成された反応層を具備し、前記反応層が少なくと
    も酵素と電子受容体からなり、前記電子受容体が脂質を
    含むことを特徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記反応層が、前記酵素を含む第1の層
    と、前記電子受容体を含み第1の層上に積層された第2
    の層を主体として構成された請求項1記載のバイオセン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記電子受容体が、脂質を分散した溶液
    にレドックス化合物を添加するか、あるいはレドックス
    化合物の水溶液に脂質を添加して得られたものである請
    求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 脂質がN−(α−トリメチルアンモニオ
    アセチル)ジドデシル−D−グルタミン酸クロライドで
    あり、レドックス化合物がフェリシアン化カリウムであ
    る請求項3に記載のバイオセンサ。
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