JP3024394B2 - バイオセンサおよびそれを用いた測定方法 - Google Patents
バイオセンサおよびそれを用いた測定方法Info
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Description
いて、迅速かつ高精度な定量を簡便に実施することので
きるバイオセンサおよびそれを用いた基質濃度の測定方
法に関する。
釈や撹拌などを行なう事なく簡易に定量しうる方式とし
て、以下のようなバイオセンサが提案されている(特開
平2−310457号公報)。
成した電極系上に親水性高分子と酵素および電子受容体
からなる酵素反応層を形成し、さらに妨害物質除去用の
電極部を付加したものである。
ースセンサを例にして説明する。グルコースを含む試料
液を上記バイオセンサへ供給すると、妨害物質除去用の
電極部で試料液中に存在する還元性の物質は電解酸化さ
れる。この後に酵素反応層が溶解し、酵素反応層中の酸
化還元酵素であるグルコースオキシダーゼによってグル
コースは酸化される。この時、酵素反応層中の電子受容
体が還元される。試料液中の還元性の物質は予め妨害物
質除去用の電極部で除去されるために、電子受容体を還
元させるなどの妨害を避けることができる。
で、電極系を構成する測定極と対極間に適当な一定電圧
を印加すると、電子受容体の還元体が酸化される。この
酸化電流値を測定することにより、試料液中のグルコー
ス濃度を定量することができる。
害物質除去用の電極を有するバイオセンサを用いて、還
元性の物質を多量に含有する試料液中の特定基質を定量
する場合には、以下のような課題を有していた。
は、前記還元性の物質が妨害物質除去用の電極部におい
て全て電解酸化される前に試料液が酵素反応層に到達
し、電子受容体を還元させるかあるいは電極で直接酸化
されるなどして、センサ応答に影響を与え、測定精度が
低下するといった問題があった。
の基板上に反応層と、主電極系と副電極系とを設け、さ
らに前記主電極系と副電極系の間に親水性高分子層を設
けたバイオセンサを構成する。
れる還元性の物質濃度を定量し、正確な基質濃度を定量
する測定方法を用いる。
物質を含む試料液をバイオセンサに供給すると、副電極
系において試料液中の還元性の物質を定量することがで
きる。一方、主電極系においては、試料液に溶解した反
応層中の酵素と測定対象となる基質との間で酵素反応が
進行し、電子受容体が還元される。前記電子受容体は、
同時に試料液中の還元性の物質によっても還元される。
従って、主電極系上における電子受容体の還元体の生成
量は、測定対象となる基質濃度と還元性の物質との和に
依存する。
と副電極系との間に形成された親水性高分子層が試料液
を含み膨潤し、拡散などによる主電極系と副電極系間の
物質移動を最小限に抑制する効果が得られる。反応層を
構成する酵素が副電極系上に存在すると、副電極系上で
測定対象基質が酵素と反応し、還元性の物質を正確に定
量することが困難となる。したがって、前記親水性高分
子層によって副電極系上に反応層中の酵素が移動するこ
とを最大限防御することができ、その結果高精度なセン
サ応答を得ることが可能となる。
グルコースセンサについて説明する。
して作製したグルコースセンサの分解斜視図、図2は同
グルコースセンサのうち反応層を除いた分解斜視図、図
3は同グルコースセンサのベース平面図である。
性の基板1に、スクリーン印刷により銀ペ−ストを印刷
し、リ−ド2、3、4、5を形成した。つぎに樹脂バイ
ンダーを含む導電性カーボンペーストを印刷して主電極
系の測定極6と副電極系(測定極8、対極9)を形成し
た。測定極6はリード2と、測定極8はリード4と、対
極9はリード5とそれぞれ接触している。
0を形成した。絶縁層10は、測定極6の外周部を覆っ
ており、これによって測定極6の露出部分の面積を一定
に保っている。さらに、絶縁層6は、リード2、3、
4、5を部分的に覆っている。副電極系(測定極8、対
極9)は絶縁層10によって完全には覆われていない。
ボンペーストをリード3と接触するように印刷して主電
極系の対極7を形成した。以上により図3に示すベース
11を作製した。
コースオキシダーゼ(EC1.1.3.4;以下GOD
と略す)および電子受容体としてフェリシアン化カリウ
ムを親水性高分子としてカルボキシメチルセルロ−ス
(以下CMCと略す)の0.5wt%水溶液に溶解させた
混合水溶液を滴下し、乾燥させて反応層31を形成し
た。
受容体の混合溶液を一度に滴下、乾燥させることによっ
て製造工程を簡略化させることができる。
板1上の主電極系と副電極系の間に滴下、乾燥させてC
MCからなる親水性高分子層32を形成した。
バー22およびスペーサー21を図2中、一点鎖線で示
すような位置関係をもって接着した。カバーおよびスペ
ーサーに高分子などの透明な材料を用いると、反応層の
状態や試料液の導入状況を外部から極めて容易に確認す
ることが可能である。
サーによって出来る空間部の毛細管現象によって、試料
液はセンサ先端の試料供給孔23に接触させるだけの簡
易操作で容易に反応層部分および副電極系部分へ導入さ
れる。
ためには、カバーおよびスペーサーを接着する前に、レ
シチンの有機溶媒溶液を試料供給部(センサ先端部)か
ら反応層31にわたる部位に展開し、乾燥させることで
レシチン層を形成するとよい。
の基板1とカバー22とスペーサー21によって生じる
空間部が毛細管現象を発現し得ない程度の大きさとなる
場合においても、試料液の供給が可能となる。
試料液としてグルコースとアスコルビン酸の混合水溶液
3μlを試料供給孔23より供給し、10秒後に副電極
系の対極7を基準にして測定極8に+1Vを印加し、5
秒後の電流値を測定したところ、試料液中のアスコルビ
ン酸濃度に対応した値が得られた。
電極系の対極7を基準にして測定極6に+0.5Vを印
加し、5秒後の電流値Iを測定した。Iはフェリシアン
化カリウムがアスコルビン酸によって還元されて生成し
たフェロシアン化カリウムの酸化電流と、グルコースが
GODによって酸化された際に還元されて生成したフェ
ロシアン化カリウムの酸化電流の和である。
であるため、主電極系において得られた酸化電流値よ
り、試料液中のグルコース濃度を算出することができ
た。
親水性高分子層32および反応層31が溶解する。反応
層31中のGODおよびフェリシアン化カリウムは特に
主電極系上に固定化されたものではないため、反応層が
試料液に溶解すると試料液中に拡散する。一方、本発明
の親水性高分子層32は試料液に溶解すると膨潤し、主
電極系と副電極系の間の物質拡散を抑制する効果が得ら
れる。したがって、短時間では反応層構成物質が副電極
系上へ移動することを防ぐことができ、その結果試料液
中のグルコース濃度を精度よく定量することができた。
からなる絶縁性基板1上に、実施例1と同様にしてスク
リーン印刷により図3に示したベース11を形成した。
この主電極系(測定極6、対極7)上に実施例1と同様
にして、GODとフェリシアン化カリウムとCMCの混
合水溶液を滴下した。
にフェリシアン化カリウムとCMCの混合水溶液を滴下
し、さらに、主電極系と副電極系の間に親水性高分子と
してポリビニルピロリドン(以後、PVPと略す)の2
wt%水溶液を滴下、乾燥させて主電極系上に反応層を、
副電極系上にフェリシアン化カリウム−CMC層を、主
電極系と副電極系の間にPVPからなる親水性高分子層
をそれぞれ形成した。
びスペーサーと共に一体化してグルコースセンサを作製
した。
試料液としてグルコースとアスコルビン酸の混合水溶液
3μlを試料供給孔より供給すると、副電極系上のフェ
リシアン化カリウム−CMC層、PVPからなる親水性
高分子層、主電極系上の反応層が順次溶解した。
秒後に副電極系の対極を基準にして副電極系の作用極に
+0.5Vを印加し、5秒後の酸化電流値を測定し、I
0とした。
スコルビン酸によって還元され、フェロシアン化カリウ
ムが生成する。前記+0.5Vの印加によって得られる
酸化電流I0はこのフェロシアン化カリウムの酸化によ
るものである。従って、試料液中のアスコルビン酸濃度
に比例する。
電極系の対極を基準にして主電極系の作用極に+0.5
Vを印加し、5秒後の電流値I1を測定した。I1はアス
コルビン酸による還元で生成したフェロシアン化カリウ
ムの酸化電流と、グルコースがGODによって酸化され
た際の還元で生成したフェロシアン化カリウムの和の酸
化電流である。I0よりアスコルビン酸濃度を定量し、
その結果とI1より試料液中のグルコース濃度を算出す
ることができた。
1と同様に反応層中のGODが副電極系上に移動するの
を防御する効果を持つものである。
からなる絶縁性基板1上に、実施例1と同様にしてスク
リーン印刷により図3に示したベース11を形成した。
この主電極系(測定極6、対極7)上に、GODとCM
Cの混合水溶液を滴下した。さらに、主電極系と副電極
系の間に親水性高分子としてヒドロキシエチルセルロー
ス(以後、HECと略す)水溶液を滴下、乾燥させて主
電極系上に反応層を、主電極系と副電極系の間にHEC
からなる親水性高分子層をそれぞれ形成した。さらに実
施例1と同様にして、カバーおよびスペーサーと共に一
体化してグルコースセンサを作製した。
試料液としてグルコースとアスコルビン酸の混合水溶液
3μlを試料供給孔より供給すると、HECからなる親
水性高分子層および主電極系上の反応層が順次溶解し
た。
極を基準にして副電極系の作用極に+1Vを印加し、5
秒後の電流値を測定したところ、試料液中のアスコルビ
ン酸濃度に対応した値が得られた。
電極系の対極を基準にして主電極系の作用極に+1Vを
印加し、5秒後の電流値Iを測定した。試料液中のグル
コースはGODの作用で酸素と反応して過酸化水素を生
成する。生成した過酸化水素は、上記一定電圧の印加に
より酸化され、酸化電流が得られる。さらに、試料液中
のアスコルビン酸も上記一定電圧の印加により酸化さ
れ、酸化電流が得られる。従って、主電極系の電流値I
はグルコース濃度とアスコルビン酸濃度の両方に依存す
るため、主電極系の電流値Iと副電極系で得たアスコル
ビン酸濃度より、グルコース濃度を算出することができ
た。
移動すると正確な測定ができなくなるが、本発明のHE
Cからなる親水性高分子層が試料液により膨潤し、主電
極系と副電極系間の物質移動を抑制したために、GOD
の副電極系上への移動を阻止し、その結果グルコースの
定量を高精度に実施することが可能となる。
親水性高分子層32、フェリシアン化カリウム−CMC
層は電極系表面に接して形成する方法について述べた
が、必ずしもその必要はない。カバーおよびスペーサー
と一体化する場合には、カバーとスペーサーと絶縁性の
基板とによって電極系上部に空間部が形成される。前記
カバー、スペーサー、絶縁性の基板の前記空間部の壁面
に相当する部位であれば適当な場所に反応層、親水性高
分子層、フェリシアン化カリウム−CMC層を形成する
ことができる。センサに供給された試料液は前記空間部
を満たすため、上記効果を得ることができる。
示したが、本発明はスクロースセンサや、フルクトース
センサ、乳酸センサ、コレステロールセンサ、アルコー
ルセンサ、アミノ酸センサなど酵素の関与する反応系に
広く用いることができる。
キシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびヒ
ドロキシエチルセルロースを用いたが、これらに限定さ
れることはなく、ポリビニルアルコール、ゼラチンおよ
びその誘導体、アクリル酸およびその塩、メタアクリル
酸およびその塩、スターチおよびその誘導体、無水マレ
イン酸およびその塩、そして、セルロース誘導体、具体
的には、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルエチルセルロースを用いても
同様の効果が得られた。
示したフェリシアン化カリウム以外に、p−ベンゾキノ
ン、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フ
ェロセン誘導体なども使用できる。
ーゼ以外に、フルクトースデヒドロゲナーゼ、インベル
ターゼ、ムタロターゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロ
ールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、キサンチ
ンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等も用いること
ができる。
の二極電極系について述べたが、参照極を加えた三電極
方式にすれば、より正確な測定が可能である。
ると、センサ応答に妨害を与えるような還元性の物質が
含まれる試料液についても、妨害物除去の前処理をする
ことなく高精度な測定をすることができる。
質濃度の測定方法によると、センサ応答のばらつきを極
めて小さくすることができる。
ンサの分解斜視図
図
Claims (4)
- 【請求項1】絶縁性の基板と、前記絶縁性の基板上に形
成された主電極系および副電極系と、親水性高分子層
と、酵素を含む反応層とから構成され、前記反応層は前
記主電極系上に直接または間接的に形成され、前記親水
性高分子層が前記主電極系と副電極系との間に配置され
たことを特徴とするバイオセンサ。 - 【請求項2】反応層が電子受容体を含有することを特徴
とする請求項1記載のバイオセンサ。 - 【請求項3】副電極系上に電子受容体を含有することを
特徴とする請求項2記載のバイオセンサ。 - 【請求項4】請求項1記載のバイオセンサを用い、主電
極系および副電極系それぞれの電気出力の差に基づいて
基質濃度を定量することを特徴とする測定方法。
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JP4261184A JP3024394B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | バイオセンサおよびそれを用いた測定方法 |
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---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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- 1992-09-30 JP JP4261184A patent/JP3024394B2/ja not_active Expired - Lifetime
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