JP2001201480A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JP2001201480A
JP2001201480A JP2000013026A JP2000013026A JP2001201480A JP 2001201480 A JP2001201480 A JP 2001201480A JP 2000013026 A JP2000013026 A JP 2000013026A JP 2000013026 A JP2000013026 A JP 2000013026A JP 2001201480 A JP2001201480 A JP 2001201480A
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biosensor
electrode
sample liquid
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Tomohiro Yamamoto
智浩 山本
Kiichi Watanabe
基一 渡邊
Makoto Ikeda
信 池田
Shiro Nankai
史朗 南海
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の試料液でも、反応試薬系が容易に溶解
し、迅速な測定が可能であり、応答値のばらつきが少な
いバイオセンサを提供する。 【解決手段】 絶縁性基板、前記基板上に設けられた電
極系、前記基板との間で前記電極系への試料液供給路を
形成するカバー部材、反応試薬系、および電子メディエ
ータおよび/または酸化還元酵素を含む試薬を担持する
担体を具備し、前記担体が前記試料液供給路内の前記カ
バー部材における前記電極系と対向する部分と、前記試
料供給路の先端の開口部との間に配置され、前記試料液
供給路において、前記電極系と前記カバー部材の天井に
相当する部分との距離が、前記電極系以外の部位での前
記基板と前記カバー部材の天井に相当する部分との距離
より短いことを特徴とするバイオセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中の測定対象
物について、迅速で高精度な定量を簡便に実施すること
ができるバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料中の特定成分について、試料
液の希釈や攪拌などを行うことなく簡易に定量する方式
として、次のようなバイオセンサが提案されている(特
開平2−062952号公報)。このバイオセンサは、
絶縁性の基板上にスクリーン印刷等の方法で測定極、対
極および参照極からなる電極系を形成し、この電極系上
に、親水性高分子と酸化還元酵素および電子メディエー
タを含む酵素反応層を形成したものである。この酵素反
応層には必要に応じて緩衝剤が加えられる。このように
して作製されたバイオセンサの酵素反応層上に、基質を
含む試料液を滴下すると、酵素反応層が溶解して酵素と
基質が反応し、これに伴い電子メディエータが還元され
る。酵素反応終了後、この還元された電子メディエータ
を電気化学的に酸化し、このとき得られる酸化電流値か
ら試料液中の基質濃度を求めることができる。
【0003】このようなバイオセンサは、測定対象物質
を基質とする酵素を選択することによって、様々な物質
に対する測定が原理的には可能である。例えば、酸化還
元酵素にグルコースオキシダーゼを用いれば、血液中の
グルコース濃度を測定するバイオセンサを構成すること
ができる。このセンサは、グルコースセンサとして、広
く実用化されている。また、コレステロールオキシダー
ゼを用いれば、血清中のコレステロールを測定するバイ
オセンサを構成することができる。通常、診断指針とし
て用いられる血清コレステロール値は、コレステロール
とコレステロールエステルの濃度を合計したものであ
る。コレステロールエステルは、コレステロールオキシ
ダーゼによる酸化反応の基質になることができない。そ
のため、診断指針としての血清コレステロール値を測定
するには、コレステロールエステルをコレステロールに
変化させる過程が必要である。この過程を触媒する酵素
として、コレステロールエステラーゼが知られている。
このコレステロールエステラーゼとコレステロールオキ
シダーゼを酵素反応層中に含むバイオセンサを用いるこ
とによって、血清中の総コレステロール濃度を測定する
ことができる。
【0004】上記のような構成のバイオセンサにおける
酵素反応層は、少なくとも酸化還元酵素を含む試薬の水
溶液を前記電極系上に滴下し、乾燥して、バイオセンサ
に担持させたものである。このようにして試薬を担持さ
せた場合、試薬の量が多くなると試料液を反応層に滴下
したとき反応層が迅速に溶解せず、その結果、測定に長
時間を要するという問題があった。特に、コレステロー
ルセンサの場合、酵素反応層中にコレステロールオキシ
ダーゼとコレステロールエステラーゼの計2種類の酵素
を含有させなければならないことから、試薬の担持量が
非常に多くなり、試料液滴下後の酵素反応層の溶解に非
常に長時間を要し、迅速な測定を行えなかった。そこ
で、次のようなバイオセンサが提案されている(特願平
10−139977号)。
【0005】このバイオセンサは、絶縁性の基板、前記
基板上に設けられた少なくとも測定極と対極を有する電
極系、前記基板に組み合わされて基板との間に前記電極
系に試料液を供給する試料液供給路を形成するカバー部
材、および少なくとも酸化還元酵素を含む試薬を担持す
る繊維からなる担体を具備し、前記担体が前記試料液供
給路内に配置されていることを特徴とする。また、絶縁
性の基板、前記基板上に設けられた少なくとも測定極と
対極を有する電極系、および少なくとも酸化還元酵素を
含む試薬を担持する繊維からなる担体を具備し、前記担
体が接着剤によって前記電極系の近傍に固定されている
ことを特徴とする。しかし、このバイオセンサでは、前
記担体が前記試料液供給路内に配置されているために、
試料液供給路の高さは、少なくとも前記担体の厚み以上
必要である。実際には、前記担体と前記電極が対向する
構成であり、前記担体表面と前記電極の接触を防ぐため
に、一定の空隙が必要であるので、試料液供給路の高さ
は更に大きなものになる。従って、前記担体を試料液供
給路内に配置する場合、試料液を試料液供給路内に満た
すためには、少なくとも前記担体の外形から算出される
体積に前記担体の空隙率を掛けた値と、前記担体表面と
前記電極系の空隙を合わせた量の試料液が必要である。
一方、試薬の溶解性を向上させるためには、前記担体の
空隙率は高ければ高い程好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような特徴か
ら、上記のバイオセンサでは、測定に必要な試料液の量
が、担体を必要としないバイオセンサと比較して多くな
る傾向があった。また、担体がスクリーン印刷により形
成された電極系の直上を覆う形態のため、試料液の浸入
により膨張した担体の表面が印刷電極表面に接触し、応
答電流値を低下させる減少が散見された。さらに、試料
液が完全に印刷電極を覆っているかどうかの判断が困難
であり、測定値に誤差を生じせしめる原因ともなってい
た。したがって、本発明は、上記問題点に鑑み、試薬の
溶解性を高めて、速な測定を可能にし、かつ試料液の低
減が可能なバイオセンサにおいて、必要な試料溶液の量
をさらに低減させることができ、かつ安定した応答性を
示す構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のバイオセンサ
は、絶縁性基板、前記基板上に設けられた少なくとも測
定極と対極とを有する電極系、前記基板に組み合わされ
て基板との間に前記電極系に試料液を供給するための試
料液供給路を形成するカバー部材、少なくとも電子メデ
ィエータと酸化還元試薬とを含む反応試薬系、および反
応試薬系のうち少なくとも電子メディエータまたは酸化
還元酵素を含む試薬を担持する、例えば繊維からなる担
体を具備するバイオセンサであって、前記担体が、前記
試料液供給路を形成するカバー部材において、前記電極
系と対向する部分と、前記試料液供給路の先端の開口部
との間に配置され、前記基板と前記カバー部材を組み合
わせて形成される前記試料液供給路において、前記電極
系と前記カバー部材の天井に相当する部分との距離が、
前記電極系以外の部位での前記基板と前記カバー部材の
天井に相当する部分との距離より短いことを特徴とす
る。前記担体は、繊維などの多孔質体であることが好ま
しい。前記担体が接着剤によって固定されているのが好
ましい。前記酸化還元酵素がコレステロールオキシダー
ゼであるのが好ましい。前記反応試薬系がコレステロー
ルエステル加水分解能を有する酵素を含むのが好まし
い。前記コレステロールエステル加水分解能を有する酵
素がコレステロールエステラーゼであるのが好ましい。
前記反応試薬系が界面活性剤を含むのが好ましい。前記
接着剤が界面活性剤であるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明によるバイ
オセンサは、絶縁性基板、前記基板上に設けられた少な
くとも測定極と対極を有する電極系、少なくとも電子メ
ディエータと酸化還元酵素を含む反応試薬系、前記基板
に組み合わされて基板との間に前記電極系に試料液を供
給する試料液供給路を形成するカバー部材、および反応
試薬系のうち、少なくとも電子メディエータおよび酸化
還元酵素のいずれかを含む試薬を担持する繊維等の多孔
質体により形成された担体からなり、前記担体が前記試
料液供給路内の、前記カバー部材における前記電極系と
対向する位置と、前記試料液供給路の先端の開口部との
間に位置する部分に配置されており、前記カバー部材の
試料液供給路内において、前記担体が担持される位置
が、周囲より陥没した構造を有する。
【0009】この構造により、試料液供給路内の、前記
カバー部材における前記電極系と対向する位置には前記
担体は存在しない。したがって、この部分での電極系表
面と、カバー裏面により形成される試料液供給路の天井
部分の距離は、電気化学的な反応性が損なわれない限
り、短くすることが可能である。また、担体を担持する
部分のみが周囲より陥没しているため、反応に必要充分
な試薬を担持し、かつ試料液添加時に充分な溶解性を付
与するに必要な体積を有する担体を装着することが可能
である。これにより、添加された試料液は、担体中に担
持された試薬を溶解した後に、容易に電極系表面に到達
する。
【0010】担体には、それ自体がバイオセンサ内で生
じる酵素反応および電気化学的反応に不活性であるもの
が好ましく、セルロース繊維、ガラス繊維または高分子
化合物からなる繊維をフリース状またはフェルト状に積
層したものを用いるのが好適である。用いる接着剤に
は、センサ作製時の環境において、担体にしみこまない
ような高粘性のもの、例えば木工用接着剤(例えば、セ
メダイン(株)製のセメダインc)を用いるのが好適で
ある。担体に担持される酸化還元酵素には、種々のもの
を用いることができる。例えば、グルコ−スオキシダ−
ゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等
が挙げられる。血清コレステロール値を測定する場合
は、コレステロールオキシダーゼとコレステロールエス
テル加水分解能を有する酵素を用いる。コレステロール
エステル加水分解能を有する酵素には、コレステロール
エステラーゼ、リポプロテインリパーゼ等が挙げられ
る。特に、コレステロールエステラーゼは、適当な界面
活性剤を用いることによって、迅速にコレステロールエ
ステルをコレステロールに変化させることができるので
都合がよい。
【0011】コレステロールエステル加水分解能を有す
る酵素を使用する場合、この酵素の活性を向上させる効
果を有する界面活性剤を担体全体、あるいは一部の担体
断片に担持される試薬中に含ませると、酵素反応に要す
る時間を短縮することができて好ましい。例えば、コレ
ステロールエステラーゼの活性を向上させる界面活性剤
には、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、ポリエ
チレングリコールモノドデシルエーテル、コール酸ナト
リウム、ドデシル−β−マルトシド、シュークロースモ
ノラウレート、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデ
オキシコール酸ナトリウム、N,N−ビス(3−D−グ
ルコンアミドプロピル)コールアミド、N,N−ビス
(3−D−グルコンアミドプロピル)デオキシコールア
ミド、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェニル
エーテルなどを任意に用いることができる。また、上記
の界面活性剤の中で、常温で高粘性の液体で酵素反応を
阻害しないものを担体を固定する接着剤に用いると、酵
素の活性を向上させるという効果の他に、試料液がセン
サ内へ導入されるのを容易にするという利点が得られ
る。このような界面活性剤には、ポリエチレングリコー
ルモノドデシルエーテル、ポリオキシエチレン−p−t
−オクチルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0012】バイオセンサの電極系を白金などの電気化
学的に安定な金属を用いて形成すると、得られる酸化電
流値が誤差を含むことがない。しかし、このような金属
は高価であるため、使い捨て型のセンサでは、銀ペース
トなどを用いて銀電極を形成したのち、これをカーボン
ペーストで被覆して電極系を形成している。ところが、
試料液中に界面活性剤が含有されると、界面活性剤の作
用により試料液がカーボン粒子間に浸潤する。その結
果、カーボン電極の活性が低下することがある。また、
試料液が銀電極に接触する状態になる。このため、この
状態で測定極に電圧を印加すると、銀電極が酸化反応を
起こして電流を生じ、測定電流値に正の誤差を与える場
合が生じる。このような現象を抑制するために、電極系
表面を親水性高分子で被覆する方法がある。この親水性
高分子は、試料液が導入されても粘調な層となって試料
液が電極に接触するのを抑制する。このような親水性高
分子には、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、ポリアクリ
ル酸およびその塩、デンプンおよびその誘導体、無水マ
レイン酸およびその塩、ポリアクリルアミド、メタクリ
レート樹脂、ポリ2−ヒドロキシエチルメラクリレート
などが挙げられる。
【0013】この、親水性高分子層を覆うように、レシ
チン等の両親媒性物質を有機溶媒に溶解した溶液を滴下
乾燥し、両親媒性物質層を設けることが好ましい。この
ような両親媒性物質層は、酵素反応、電極反応には不要
であるが、これを設けることにより、試料溶液の導入を
円滑に行うことができる。このような目的のために使用
できる両親媒性物質としては、レシチンをはじめとする
リン脂質等、両親媒性脂質が好ましい。また、バイオセ
ンサの電極系を銀およびカーボンで形成する場合は、担
体に担持される試薬中に、電子メディエータを含有させ
る。このような電子メデイエータには、フェリシアン化
カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサルフェ
ート、フェロセン誘導体(酸化型)など水溶性で、酵素−
電極間の電子移動を媒介しうる化合物を任意に使用でき
る。
【0014】上記した担体に担持される試薬のうちの1
種類または数種類の試薬を担持した担体断片を複数個作
成し、これらの試薬を含まず、これらの試薬以外の試薬
を含むを試薬断片と交互に組み合わせて担体を形成する
こともできる。酸化電流の測定方法としては、測定極と
対極のみの二電極系と、参照極を加えた三電極方式があ
り、三電極方式の方がより正確な測定が可能である。
【0015】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げて、本発明を詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例におけるバイ
オセンサの分解斜視図を示している。ポリエチレンテレ
フタレートからなる絶縁性基板1上に、スクリーン印刷
により銀ペーストを印刷してリード2、3および電極系
の下地を形成してある。そして、基板1上に、さらに、
樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを印刷す
ることにより測定極4と対極5を含む電極系を形成し、
また、絶縁性ペーストを印刷することにより絶縁層6を
それぞれ形成している。測定極4は、リード2に、また
対極5はリード3にそれぞれ接続されている。絶縁層6
は、測定極4および対極5の露出部分の面積を一定と
し、かつリードを部分的に覆っている。このようにして
電極系を形成した絶縁性基板1と、空気孔11を備えた
カバー部材(単に「カバー」ともいう。)9、スぺーサ
ー8および試薬を担持した担体13を、図1中、一点鎖
線で示すような位置関係をもって接着しバイオセンサを
作製する。
【0016】このような構成のバイオセンサでは、基板
1とカバー9との間において、スぺーサー8のスリット
12の部分に試料液供給路を構成する空間部が形成さ
れ、この空間部内に前記担体が配置される。カバー9の
試料液供給路の天井を形成する部分は、空気孔11に接
する側と、先端の試料供給口を形成する開口部10に接
する側の途中に設けられた段差(陥没部分)18によ
り、深さが不連続に異なった構造を有する。試料供給口
を形成する開口部10に接する側の方が深くなってい
る。カバー9はスペーサー8をはさんで電極系を形成し
た絶縁性基板1に接着されるが、その際、試料液供給路
の天井を形成する部分において、空気孔11に接する側
の天井部分に対向する位置に電極系が形成されている。
【0017】試料液供給路口となる開口部10に、試料
液を接触させるだけの簡易操作で、試料液は容易にセン
サ内部へ導入される。本実施例では、開口部10から空
気孔11の外周までの長さは4.5mm、スリット12
の幅は2.0mm、スリットの深さは試料液供給路を形
成する開口部10側が0.3mm、空気孔11側が0.
1mmである。開口部10からカバー9の試料液供給路
の天井を形成する部分の段差18までの長さは2mmで
ある。この場合、担体のサイズは、縦2.0mm、横は
スリットの幅と同じ2.0mm、乾燥時の厚みが約0.
2mmであることが好ましい。このサイズの担体を用い
ると、担体は、開口部10から段差18までの陥没部分
を埋めることになる。しかし、縦の長さは、開口部10
からカバー9の試料液供給路の天井を形成する部分の段
差18までの長さよりも長くても短くても良い。担体あ
るいは担体断片の寸法を規定するために前記の各寸法の
明記が不可欠であるので記載したが、各寸法は必ずしも
これに限定されるものではない。
【0018】図2は、スペーサー8とカバー9を重ね合
わせたカバー部材の斜視図であり、図1とは上下逆に配
置してある。このカバー部材と基板を組み合わせて、試
料液供給路を構成する空間部が形成される。図3は、本
発明の一実施例におけるバイオセンサの縦断面図であ
る。図1と同様にして、絶縁性基板1上に電極系を形成
し、この電極系上に、親水性高分子層7が形成され、更
にこれを覆うようにレシチン層17が形成されている。
そして、試料液供給路を構成する空間部に試薬を担持し
た担体断片からなる担体13が嵌合されて配置されてい
る。つぎに、図4は、本発明の他の実施例に係るバイオ
センサの縦断面図である。図3と同様に試薬を担持した
担体断片からなる担体13が試料液供給路を構成する空
間部に嵌合されて配置されている。担体は、カバー部材
と基板の両方に接触している。この形態では、図3で用
いられている接着剤14は必ずしも必要ではない。ま
た、図4では、担体の一部が試料液供給口外まで及んで
いるが、担体の一端が試料液供給口に合致していてもよ
いし、試料液供給口まで届いていなくてもよい。本発明
においては、担体の試料液供給口側の一端と試料液供給
口との位置関係についての制約はない。
【0019】《実施例1》まず、図1の基板1上の電極
系上に、親水性高分子であるカルボキシメチルセルロー
スのナトリウム塩(以下、「CMC」という。)の0.
5wt%水溶液を滴下し、50℃の温風乾燥器中で10
分間乾燥させ、CMC層7を形成した。続いて、CMC
層7を覆うようにして、レシチンの0.5%トルエン溶
液を3μl滴下、乾燥させ、レシチン層17を形成し
た。次に、カバー9の試料液供給路の天井を形成する部
分のうち、空気孔11に接する側から段差18までの陥
没部分にTritonX−100を5wt%溶解したエ
タノール溶液を1μl滴下、風乾させて接着剤14を形
成した。また、縦2.0mm、横2.0mm、厚さ0.
2mmのフェルト状のガラスフィルタを用意し、図1に
示すようにカバー部材のスリット12にはめ込んで固定
し、担体13とした。この担体13に、電子メディエー
タであるフェリシアン化カリウム、コレステロールオキ
シダーゼ(以下、「ChOD」という。)、コレステロ
ールエステラーゼ(以下、「ChE」という。)、およ
びChEの反応を活性化させる作用を有する界面活性剤
であるポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェニル
エーテル(以下、「TritonX−100」とい
う。)を水に溶解させた混合溶液を滴下2μl滴下し、
該ガラスフィルタに均一に浸透させた後、50℃の温風
乾燥器中で15分間乾燥させた。
【0020】この担体13には、1平方ミリメートルあ
たり0.33μmolのフェリシアン化カリウム、0.
22unitsのChOD、2.2unitsのCh
E、0.3mgのTritonX−100が担持されて
いる。そして、前記のカバー部材と基板1を図1中、一
点鎖線で示すような位置関係をもって接着し、バイオセ
ンサを作製した。こうして作製したバイオセンサに、試
料液1.5μlを試料液供給路の開口部10より供給し
た。試料液には、市販の標準血清を生理食塩水で希釈し
て、含有されるコレステロールの濃度を種々変化させた
ものを用いた。そして、3分後に対極を基準にして測定
極にアノード方向へ+0.5Vのパルス電圧を印加し、
更に5秒後に測定極と対極との間に流れる電流値を測定
した。その結果、血清中の総コレステロール濃度に依存
した応答値を示した。また、電極系部分に気泡が残留す
るような状態は殆ど見られなかった。
【0021】《実施例2》実施例1と同様の基板1上の
電極系上に、親水性高分子であるCMCの0.5wt%
水溶液を滴下し、50℃の温風乾燥器中で10分間乾燥
させ、CMC層7を形成した。続いて、CMC層7を覆
うようにして、電子メディエータであるフェリシアン化
カリウムを0.3M溶解した水溶液を2.5μl滴下、
50℃の温風乾燥器中で10分間乾燥させ、フェリシア
ン化カリウム層を形成した。更にこのフェリシアン化カ
リウム層を覆うように、レシチンの0.5%トルエン溶
液を3μl滴下、乾燥させ、レシチン層17を形成し
た。次に、実施例1と同様に、カバー9の試料液供給路
の天井を形成する部分のうち、空気孔11に接する側か
ら段差18までの陥没部分にTritonX−100を
5wt%溶解したエタノール溶液を1μl滴下、風乾さ
せて接着剤14を形成した。また、実施例1と同様にフ
ェルト状のガラスフィルタをカバー部材のスリット12
にはめ込んで固定し、担体13とした。この担体13
に、ChOD、ChE、およびChEの反応を活性化さ
せる作用を有する界面活性剤であるTritonX−1
00を水に溶解させた混合溶液を滴下2μl滴下し、該
ガラスフィルタに均一に浸透させた後、50℃の温風乾
燥器中で15分間乾燥させた。この担体13には、1平
方ミリメートルあたり0.22unitsのChOD、
2.2unitsのChE、0.3mgのTriton
X−100が担持されている。そして、実施例1同様、
前記のカバー部材と基板1を図1中、一点鎖線で示すよ
うな位置関係をもって接着し、バイオセンサを作製し
た。
【0022】こうして作製したバイオセンサに、試料液
1.5μlを試料液供給路の開口部10より供給した。
試料液には、市販の標準血清を生理食塩水で希釈して、
含有されるコレステロールの濃度を種々変化させたもの
を用いた。そして、3分後に対極を基準にして測定極に
アノード方向へ+0.5Vのパルス電圧を印加し、更に
5秒後に測定極と対極との間に流れる電流値を測定し
た。その結果、実施例1の場合と同様に、血清中の総コ
レステロール濃度に依存した応答値を示した。また、電
極系部分に気泡が残留するような状態は殆ど見られなか
った。
【0023】本発明によれば、実施例2の様に、電子メ
ディエータを電極系に担持し、ChOD、ChE、界面
活性剤を担体13に担持する構成も可能であり、また、
担体13に電子メディエータのみを担時し、電極系にC
hOD、ChE、界面活性剤を担持することも可能であ
る。この場合、界面活性剤をChOD、ChEを溶解し
た水溶液に混合し、これを電極系表面に滴下乾燥するの
が、酵素反応のためには望ましいが、電極系が、カーボ
ンペーストで形成された電極系の下層に、導電性向上の
ために銀ペーストの層を設けてあるような場合、界面活
性剤の影響でカーボンペースト層を試料液が透過し、下
層の銀ペースト層と反応し、基質依存性の応答が得られ
なくなる場合がある。したがって、このような電極系で
は、ChOD、ChEの混合層を形成したのち、界面活
性剤をエタノール等の有機溶剤に溶解させた溶液を滴
下、界面活性剤層を形成するのが望ましい。また、担体
に、電子メディエータとChE、界面活性剤を担持し、
電極系にChODを担持することも可能である。バイオ
センサのうち、特に、コレステロールセンサの場合に
は、ChEと界面活性剤はなるべく近い位置に、可能で
あるなら両者を混合して担持する形態が望ましい。
【0024】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、少量の
試料液でも、反応試薬系が容易に溶解し、迅速な測定が
可能であり、応答値のばらつきが少ないバイオセンサが
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるバイオセンサにおけ
る、電極系を有する絶縁性の基板と、基板カバーとスペ
ーサーを重ね合わせたカバー部材と、担体の位置関係を
示す斜視図である。
【図2】同バイオセンサのカバーとスペーサーを重ね合
わせたカバー部材で、図1とは、上下逆に配置した斜視
図である。
【図3】本発明の一実施例のバイオセンサにおける要部
の縦断面図である。
【図4】本発明の別の実施例のバイオセンサにおける要
部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性の基板 2、3 リード 4 測定極 5 対極 6 絶縁層 7 CMC層 8 スペーサー 9 カバー 10 試料液供給路の開口部 11 空気孔 12 スリット 13 担体 14 接着剤 16 試料液供給路を構成するカバーの面 17 レシチン層 18 段差
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/60 G01N 33/483 F G01N 27/447 33/92 B 33/483 27/30 353R 33/92 27/26 331Z (72)発明者 池田 信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 南海 史朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA13 BB29 DA69 FB01 FB05 HA09 HA14 4B033 NA02 NA23 NA26 NB02 NB12 NB25 NB63 NB65 NB68 NB69 NC04 ND05 ND12 ND16 NE02 4B063 QA01 QA18 QQ02 QQ76 QR03 QR12 QR50 QR85 QS13 QS28 QS39 QX05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板、前記基板上に設けられた少
    なくとも測定極と対極とを有する電極系、前記基板に組
    み合わされて基板との間に前記電極系に試料液を供給す
    るための試料液供給路を形成するカバー部材、少なくと
    も電子メディエータと酸化還元試薬とを含む反応試薬
    系、および反応試薬系のうち少なくとも電子メディエー
    タまたは酸化還元酵素を含む試薬を担持する担体を具備
    するバイオセンサであって、 前記担体が、前記試料液供給路を形成するカバー部材に
    おいて、前記電極系と対向する部分と、前記試料液供給
    路の先端の開口部との間に配置され、 前記基板と前記カバー部材を組み合わせて形成される前
    記試料液供給路において、前記電極系と前記カバー部材
    の天井に相当する部分との距離が、前記電極系以外の部
    位での前記基板と前記カバー部材の天井に相当する部分
    との距離より短いことを特徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記担体が多孔質体であることを特徴と
    する請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 前記担体が接着剤によって固定されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載のバイオセン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記酸化還元酵素がコレステロールオキ
    シダーゼであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 前記反応試薬系がコレステロールエステ
    ル加水分解能を有する酵素を含むことを特徴とする請求
    項4記載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 前記コレステロールエステル加水分解能
    を有する酵素がコレステロールエステラーゼであること
    を特徴とする請求項5記載のバイオセンサ。
  7. 【請求項7】 前記反応試薬系が界面活性剤を含むこと
    を特徴とする請求項5または6記載のバイオセンサ。
  8. 【請求項8】 前記接着剤が界面活性剤であることを特
    徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のバイオセン
    サ。
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