JP3529081B2 - コレステロールセンサおよびその製造方法 - Google Patents
コレステロールセンサおよびその製造方法Info
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Description
ロールおよびコレステロールエステルを迅速、高精度
に、かつ簡便に定量することができるコレステロールセ
ンサに関する。
液の希釈や撹拌などを行うことなく簡易に定量する方式
として、次のようなバイオセンサが提案されている(特
開平2−062952号公報)。このバイオセンサは、
絶縁性の基板上にスクリーン印刷等の方法で測定極、対
極および参照極からなる電極系を形成し、この電極系上
に、親水性高分子と酸化還元酵素および電子メディエー
ターを含む酵素反応層を形成したものである。この酵素
反応層には必要に応じて緩衝剤が加えられる。このよう
にして作製されたバイオセンサの酵素反応層上に、基質
を含む試料液を滴下すると、酵素反応層が溶解して、酵
素と基質が反応し、さらに電子メディエーターが還元さ
れる。酵素反応終了後、この還元された電子メディエー
ターを電気化学的に酸化し、このとき得られる酸化電流
値から試料液中の基質濃度を求めることができる。
を基質とする酵素を選択することで、様々な物質に対す
る測定が原理的には可能である。例えば、酸化還元酵素
にコレステロールオキシダーゼを用いれば、血清中のコ
レステロールを測定するバイオセンサを構成することが
できる。しかし、診断指針として用いられる血清コレス
テロール値は、コレステロールとコレステロールエステ
ルの濃度を合計したものである。コレステロールエステ
ルは、コレステロールオキシダーゼによる酸化反応の基
質になることができないので、診断指針としての血清コ
レステロール値を測定するためには、コレステロールエ
ステルをコレステロールに変化させる過程が必要であ
る。この過程を触媒する酵素として、コレステロールエ
ステラーゼが知られている。
ールエステルをコレステロールに変化させる過程を触媒
させるためにコレステロールエステラーゼを用いた場
合、反応の進行は非常に遅いという問題があった。本発
明は、上記問題を鑑み、コレステロールエステラーゼの
活性を向上させることにより、迅速な測定が可能となる
コレステロールセンサを提供することを目的とする。
ールセンサは、絶縁性の基板、前記基板上に設けられた
少なくとも測定極と対極を有する電極系、および前記電
極系上またはその近傍に形成された反応層からなり、前
記電極系が、銀とこれを被覆するカーボンとを含み、前
記反応層が、コレステロールオキシダーゼ、コレステロ
ールエステラーゼおよび界面活性剤を含むことを特徴と
する。本発明の好ましいコレステロールセンサは、前記
基板に組み合わされて、基板との間に、電極系に試料液
を供給する試料液供給路を形成するカバー部材を備えて
いる。
のが好ましい。すなわち、コレステロールオキシダーゼ
およびコレステロールエステラーゼを含む層と、この層
を被覆する界面活性剤を含む層とから反応層が構成され
る。この構成においては、コレステロールオキシダーゼ
およびコレステロールエステラーゼを含む層は、界面活
性剤を含まないのがより好ましい。
サは、前記電極系が銀およびこれを被覆するカーボンか
ら構成される。この構成においては、電極系は、その表
面が親水性高分子で被覆されているのが好ましい。本発
明のコレステロールセンサを作製する方法は、電気絶縁
性の基板上に形成された銀とこれを被覆するカーボンか
らなる電極系上に、親水性高分子層を形成する工程、前
記親水性高分子層上に少なくともコレステロールオキシ
ダーゼおよびコレステロールエステラーゼを含有し、か
つ界面活性剤を含まない溶液を滴下し乾燥して酵素類を
含む層を形成する工程、および前記酵素類を含む層上に
前記酵素類を含む層を溶解しない溶媒に界面活性剤を溶
解させた溶液を滴下し乾燥して界面活性剤を含有する層
を形成する工程を含む。
ステロールセンサは、反応層にコレステロールオキシダ
ーゼ、コレステロールエステラーゼとともに、界面活性
剤を含ませた構成をとる。この反応層に試料を供給する
と、試料液中のコレステロールエステルは、反応層中の
界面活性剤により活性化されたコレステロールエステラ
ーゼの触媒作用によりコレステロールになる。このよう
にコレステロールエステルから生成されたコレステロー
ルと、試料液中に含まれていたコレステロールは、とも
にコレステロールオキシダーゼによって酸化される。そ
して、この酸化反応により移動した電子によって電子メ
ディエーターが還元される。この還元された電子メディ
エーターを元の酸化体に酸化する電流値が、コレステロ
ールエステルおよびコレステロールの濃度に対応する。
に電位を印加するとき、コレステロールセンサの電極が
酸化還元反応を起こすと、得られる酸化電流値が誤差を
含む場合がある。そこで、電極系を白金などの電気化学
的に安定な金属を用いて形成することが好ましいが、こ
のような金属は高価である。そのため、使い捨て型のセ
ンサでは、銀ペーストなどを用いて銀電極を形成したの
ち、これをカーボンペーストで被覆して電極系を形成す
る。ところが、カーボンペーストから形成されたカーボ
ン層は、カーボン粒子とバインダによって構成されるた
め、界面活性剤を含む溶液がカーボン粒子間を浸透する
場合がある。よって、試料液を反応層に添加して、界面
活性剤を含む反応層が溶解したとき、その溶液がカーボ
ン粒子間に浸潤して銀電極に接触する状態になる。この
状態で測定極に電圧を印加すると、銀電極が酸化反応を
起こして電流を生じ、測定電流値に正の誤差を与える。
系を親水性高分子の層で被覆する方法や、界面活性剤を
含有する層を電極系から離して形成する方法がある。親
水性高分子で電極系を被覆する方法は、その濃度などに
よってはかなり有効な方法であるが、完全には界面活性
剤の浸透を抑制することができないので、界面活性剤を
含む層を電極系から離して形成する方法がより好適であ
る。特に、酵素反応や電極反応の効率の良さを考慮する
と、界面活性剤を含む層を、コレステロールオキシダー
ゼおよびコレステロールエステラーゼを含む層を被覆す
るように形成し、酵素類が含まれる層中には界面活性剤
が含まれないのがよい。このような構成の反応層を形成
するには、酵素類を含む層を溶解しないような溶媒に界
面活性剤を溶解させ、この溶液を酵素類を含む層上に滴
下し乾燥して界面活性剤を含む層を形成することが好ま
しい。
ダーゼには、ノカルジア由来の酵素などがあり、コレス
テロールエステラーゼには、シュードモナス類由来と哺
乳類膵臓由来の酵素などがある。さらに、親水性高分子
としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコールおよび水溶性セルロー
ス誘導体などがあり、特にエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ゼラチン、ポリアクリル酸およ
びその塩、デンプンおよびその誘導体、無水マレイン酸
およびその塩、ポリアクリルアミド、メタクリレート樹
脂およびポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど
を用いることができる。
ン化カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサル
フェートおよびフェロセンなどが使用できる。この電子
メディエーターは、電極部分をスパッタリング等などで
白金で形成した場合などでは、試料液中の溶存酸素を電
子メディエーターとして利用することができるので、必
ずしも必要ではない。この場合は、基質溶液中の酸素が
酵素反応によって還元されて過酸化水素を生成するの
で、この生成した過酸化水素を、前記白金電極で検出し
て、コレステロール濃度を定量できる。また、界面活性
剤としては、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、
ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、コール
酸ナトリウム、ドデシル−β−マルトシド、シュークロ
ースモノラウレート、デオキシコール酸ナトリウム、タ
ウロデオキシコール酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
p−t−オクチルフェニルエーテル、N,N−ビス(3
−D−グルコンアミドプロピル)コールアミドおよび
N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)デオ
キシコールアミドなどが挙げられる。
テロールエステラーゼの触媒活性を向上させるために
は、コレステロールエステラーゼがシュードモナス由来
であり、界面活性剤が、n−オクチル−β−D−チオグ
ルコシド、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテ
ル、コール酸ナトリウム、ドデシル−β−マルトシド、
シュークロースモノラウレート、ポリオキシエチレンp
−t−オクチルフェニルエーテルおよびN,N−ビス
(3−Dグルコンアミドプロピル)コールアミドから選
ばれた少なくとも1種の組み合わせであるのが適してい
る。また、コレステロールエステラーゼが、ウシまたは
ブタなどの哺乳類膵臓由来であり、界面活性剤が、コー
ル酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロ
デオキシコール酸ナトリウム、N,N−ビス(3−D−
グルコンアミドプロピル)コールアミド、N,N−ビス
(3−D−グルコンアミドプロピル)デオキシコールア
ミド、ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル
およびシュークロースモノラウレートから選ばれた少な
くとも1種である組み合わせでも同様の効果が得られ
る。
サの反応層の表面には、試料溶液の反応層への導入を容
易にする脂質を含む層を有することが好ましい。しか
し、この脂質を含む層は、本発明における酵素反応に必
須ではない。この脂質としては、レシチン、ホスファチ
ジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン等のリン
脂質で、両親媒性脂質が好ましい。酸化電流の測定方法
としては、測定極と対極のみの二電極方式と、参照極を
加えた三電極方式があり、三電極方式の方がより正確な
測定が可能である。反応層の配置に関しては種々の変形
が可能である。すなわち反応層を電極系上またはカバー
部材の試料供給路に露出する面に設けるか、電極系上と
カバー部材上の両方に分割して設けるなどである。
い構成例を図面を参照して詳細に説明する。図1は、反
応層を除いたコレステロールセンサの分解斜視図であ
る。1は、ポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性
基板を示す。この基板1上に、スクリーン印刷により銀
ペーストを印刷してリード2と3を形成してある。そし
て、基板1上に、樹脂バインダーを含む導電性カーボン
ペーストを印刷することにより、測定極4と対極5を含
む電極系を、また絶縁性ペーストを印刷することにより
絶縁層6をそれぞれ形成している。測定極4はリード2
に、また対極5はリード3にそれぞれ接続されている。
絶縁層6は、測定極4および対極5の露出部分の面積を
一定とし、かつリードを部分的に覆っている。上記の電
極系上に、後述のようにして反応層を形成した絶縁性基
板1と、空気孔16を備えたカバー14およびスぺーサ
ー13を、図1中に一点鎖線で示すような位置関係をも
って接着することによりコレステロールセンサが作製さ
れる。
板1とカバー14との間において、スぺーサー13のス
リット15の部分に試料液供給路を構成する空間部が形
成され、その開口部となるスリット15の先端部18
に、試料液を接触させるだけの簡易操作で、試料液は容
易に試料液供給路を通じて反応層部分へ導入される。試
料液の供給量は、カバーとスぺーサーによって生じる空
間容積に依存するため、あらかじめ定量する必要はな
い。さらに、測定中の試料液の蒸発を最小限に抑えるこ
とができ、精度の高い測定が可能となる。ここで、カバ
ーおよびスぺーサーに透明な高分子材料を用いると、反
応層の状態や試料液の導入状況を外部から容易に観察す
ることができる。
ね合わせたカバー部材の斜視図であり、図1とは上下逆
に配置してある。このカバー部材と基板を組み合わせ
て、試料液供給路を構成する空間部が形成される。17
は、この試料液供給路を構成する空間部に露出する面の
カバー側を示す。
レステロールセンサの構成を示す。第1のコレステロー
ルセンサは、前記電極系上に親水性高分子層7を形成
し、その上に酵素類を溶解した溶液を滴下し、乾燥させ
ることにより酵素類を含む層8を形成している。酵素類
を含む層8中には、コレステロールオキシダーゼとコレ
ステロールエステラーゼ等の酵素類と界面活性剤および
必要に応じて電子メディエーターが含有される。そし
て、試料液の反応層への導入を円滑にするため、酵素類
を含む層8上に脂質を含む溶液を滴下乾燥して脂質を含
む層9を形成している。
いて、攪拌等をおこなわなければ、親水性高分子の層7
と酵素類を含む層8は完全な混合状態になることはな
い。その結果、電極系表面は親水性高分子のみによって
被覆された状態となり、酵素類や界面活性剤、および電
子メディエーターなどが電極系表面に接触しない。よっ
て、電極系表面へのタンパク質の吸着や、電子メディエ
ーターのような酸化能を有する物質の化学的作用による
電極系の特性変化が起こり難くなり、高精度なセンサ応
答を有するセンサを得ることができる。
のコレステロールセンサの酵素類を含む層で構成された
反応層8がコレステロールオキシダーゼとコレステロー
ルエステラーゼ等の酵素類と必要に応じて加えた電子メ
ディエーターを含む層8aと、層8aを被覆する界面活
性剤を含む層9aで構成されている。酵素類を含む層8
a上に、界面活性剤を含む溶液を滴下乾燥して界面活性
剤を含む層を形成する際、攪拌を伴わなければ二層は混
合状態にはならない。二層が混じり合うのを完全になく
すには、界面活性剤の溶液の溶媒に2−プロパノールな
どのような酵素類を含む層を溶解しないものを用いるの
がよい。このように、酵素類を含む層と界面活性剤を含
む層を区分することによって、界面活性剤が電極系に及
ぼす影響を抑制することができる。従って、この構成に
よれば、より多量の界面活性剤を添加することが可能に
なる。
した時に、コレステロールエステラーゼと界面活性剤が
均一に混合されることが困難になるため、上記の第1の
コレステロールセンサよりも、若干応答性は低下する。
しかし、界面活性剤にコール酸ナトリウムのような試料
溶液の導入を円滑にする機能を有するものを用いると、
脂質を含む層で酵素類を含む層を被覆するという工程を
省略でき都合がよい。
ルセンサの構成を示す。図3と同様にして、絶縁性基板
1にリード2と3、測定極4、対極5、絶縁層6、親水
性高分子層7を形成してある。そして、前記親水性高分
子層7上に、コレステロールオキシダーゼを含む溶液を
滴下乾燥してコレステロールオキシダーゼを含む層10
を形成し、さらにコレステロールエステラーゼおよび界
面活性剤を含む溶液を滴下乾燥し、コレステロールエス
テラーゼおよび界面活性剤を含む層11を形成してい
る。そして、これらを図3と同様にして脂質を含む層9
で覆っている。このように、酵素類を含む層をコレステ
ロールオキシダーゼを含む層10と、コレステロールエ
ステラーゼおよび界面活性剤を含む層11の二層に分け
て形成すると、コレステロールエステラーゼの近傍に界
面活性剤がより高密度に存在してコレステロールエステ
ラーゼの触媒活性がより向上するので、試料が反応層に
到達した時、迅速にコレステロールエステルがコレステ
ロールになるという効果が得られる。
ルセンサの構成を示す。図3と同様にして、絶縁性基板
1にリード2と3、測定極4、対極5、絶縁層6、電極
系上に接して親水性高分子層7を形成し、さらに試料液
供給路を構成する空間部に露出する面のカバー側17に
接して親水性高分子層12を形成する。この親水性高分
子層12に接して、コレステロールオキシダーゼを含む
層10、コレステロールエステラーゼおよび界面活性剤
を含む層11を図4と同様にして形成する。
17に反応層を設けると、電極表面をポリカーボネート
多孔体膜や高分子ゲル等などフィルターで被覆する構成
をとることができる。そして、そのようなフィルターに
よって血球等が電極へ干渉するのを効果的に防ぐことが
できる。また、界面活性剤を含む層が電極系と空間を隔
てて設けることができるので、界面活性剤が電極系へ及
ぼす影響を抑制することができる。さらに、カバー側の
面に接して親水性高分子層を形成すると、その上に形成
する反応層の剥離を抑制する働きがある。また、電極系
上に接して形成した親水性高分子層は、酵素などが電極
へ吸着することを抑制することができ、測定時の振動に
よる影響を避ける効果がある。
ルセンサの構成を示す。図3と同様にして、絶縁性基板
1にリード2と3、測定極4、対極5、絶縁層6、電極
系上に接して親水性高分子層7を形成し、さらに試料液
供給路を構成する空間部に露出する面のカバー側17に
接して親水性高分子層12をそれぞれ形成している。さ
らに、この親水性高分子層7および12に接して、それ
ぞれコレステロールオキシダーゼを含む層10、コレス
テロールエステラーゼおよび界面活性剤を含む層11を
図4と同様にして形成している。また、電極系上に形成
された反応層を図3と同様にして脂質を含む層9で覆っ
ている。このように、電極系に接した位置とこの電極系
とは空間を隔てた位置に、それぞれ反応層を形成するこ
とにより、試薬の担持量を増加させることができ、反応
をより速くすることができる。
本発明をより詳細に説明する。 《参考例1》 本参考例では、図3の構成のコレステロールセンサを以
下のようにして作製した。まず、基板1上の電極系上
に、親水性高分子カルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩(以下CMCと略す)の水溶液(濃度0.5wt
%)を5μl滴下して、50℃の温風乾燥器中で10分
間乾燥させ、CMC層7を形成した。つづいて、ノカル
ジア由来の酵素コレステロールオキシダーゼ(以下、コ
レステロールオキシダーゼをChODと略す)、シュー
ドモナス由来のコレステロールエステラーゼ(以下、コ
レステロールエステラーゼをChEと略す)、電子メデ
ィエーターであるフェリシアン化カリウム、および界面
活性剤であるn−オクチル−β−D−チオグルコシドを
水に溶解させた。得られた水溶液をCMC層7の上に滴
下し、50℃で15分間乾燥させることにより、酵素類
を含む層8を形成した。さらに、酵素類を含む層8上
に、これを覆うようにホスファチジルコリンのトルエン
溶液(濃度0.5wt%)を5μl滴下し乾燥させて、
脂質を含む層9を形成した。
ー13を図1中、一点鎖線で示すような位置関係をもっ
て接着し、コレステロールセンサを作製した。このコレ
ステロールセンサに、コレステロールおよびコレステロ
ールエステルの一種であるリノール酸コレステロールを
含むコレステロール標準液3μlを試料供給路の開口部
18より供給した。そして、9分後に対極を基準にして
測定極にアノード方向へ+0.5Vのパルス電圧を印加
し、5秒後に測定極と対極との間に流れる電流値を測定
した。こうして、コレステロールセンサのコレステロー
ル標準溶液に対する応答を測定した。
下のようにして作製した。参考例1と同様にして、電極
系上にCMC層7を形成し、このCMC層上にノカルジ
ア由来のChOD、ウシ膵臓由来のChE、およびフェ
リシアン化カリウムの混合水溶液を滴下し、50℃の温
風乾燥器中で15分間乾燥させて酵素類を含む層8aを
形成した。この酵素類を含む層8a上に、これを覆うよ
うにコール酸ナトリウムの2−プロパノール溶液(濃度
0.5wt%)を滴下し、乾燥させて界面活性剤を含む
層9aを形成した。こうして参考例1と同様にしてコレ
ステロールセンサを作製し、そのコレステロール標準溶
液に対する応答を測定した。その結果を図7に示す。
下のようにして作製した。参考例1と同様にして、電極
系上にCMC層7を形成し、このCMC層上にノカルジ
ア由来のChOD、シュードモナス由来のChE、およ
びフェリシアン化カリウムの混合水溶液を滴下し、50
℃の温風乾燥器中で15分間乾燥させて酵素類を含む層
8aを形成した。この酵素類を含む層8a上に、これを
覆うようにn−オクチル−β−D−チオグルコシドの水
溶液を滴下し、乾燥させて界面活性剤を含む層9aを形
成した。こうして参考例1と同様にしてコレステロール
センサを作製し、そのコレステロール標準溶液に対する
応答を測定した。その結果を図7に示す。
下のようにして作製した。まず、基板1の電極系上に、
参考例1と同様にしてCMC層7を形成し、このCMC
層上にノカルジア由来のChODとフェリシアン化カリ
ウムの混合水溶液を滴下し、乾燥させてChODとフェ
リシアン化カリウムを含む層10を形成した。つづい
て、シュードモナス由来のChEとn−オクチル−β−
D−チオグルコシドの混合水溶液を滴下し、50℃で1
5分間乾燥させてChEとn−オクチル−β−D−チオ
グルコシドを含む層11を形成した。さらに、この層1
1上にレシチンのトルエン溶液(濃度0.5wt%)を
滴下し乾燥させて、脂質を含む層9を形成した。こうし
て参考例1と同様にしてコレステロールセンサを作製
し、そのコレステロール標準溶液に対する応答性を測定
した。
下のようにして作製した。基板1の電極系上に、参考例
1と同様にしてCMC層7を形成した。試料液供給路を
構成する空間部に露出する面のカバー側17にもCMC
の水溶液(濃度0.5wt%)を5μl滴下して、乾燥
させCMC層12を形成した。このCMC層12上に、
ノカルジア由来のChODとフェリシアン化カリウムの
混合水溶液を滴下し、乾燥させてChODとフェリシア
ン化カリウムを含む層10を形成した。つづいて、シュ
ードモナス由来のChEとn−オクチル−β−D−チオ
グルコシドの混合水溶液を滴下し、50℃で15分間乾
燥させてChEとn−オクチル−β−D−チオグルコシ
ドを含む層11を形成した。こうして参考例1と同様に
してコレステロールセンサを作製し、そのコレステロー
ル標準溶液に対する応答性を測定した。
層12上にノカルジア由来のChOD、フェリシアン化
カリウム、シュードモナス由来のChEおよびn−オク
チル−β−D−チオグルコシドの混合水溶液を滴下し、
乾燥させて酵素類を含む層を形成した。こうして参考例
1と同様にしてコレステロールセンサを作製し、そのコ
レステロール標準溶液に対する応答性を測定した。
作製した。基板1の電極系上に、参考例2と同様にして
CMC層7、層10および層11を形成した。さらに、
参考例3と同様にして、試料液供給路を構成する空間部
に露出する面のカバー側17に、CMC層12、層10
および層11を形成した。こうして参考例1と同様にし
てコレステロールセンサを作製し、そのコレステロール
標準溶液に対する応答性を測定した。
テロール標準溶液に対する応答は、コレステロールとコ
レステロールエステルのモル濃度の総和、すなわち総コ
レステロール濃度に対して、良好な直線性を示した。ま
た、図7に示すように、界面活性剤の溶媒に酵素類を含
む層を溶解しない2−プロパノールを用いた実施例1の
方が、酵素類を含む層を溶解する水を用いた実施例2よ
りも、コレステロール標準液中のコレステロール濃度が
0mg/dlのときの応答電流値を0mVに近づけるこ
とができた。これは、酵素類を含む層と界面活性剤を含
む層を完全に区分することにより、界面活性剤の電極へ
の影響をより有効に抑制することができたためである。
を発現するために界面活性剤を必要とする酵素をコレス
テロールセンサ中で有効に機能させることができ、より
短い時間で測定ができるコレステロールセンサが得られ
る。
サの反応層を除いた分解斜視図である。
を重ね合わせたカバー部材で、図1とは上下逆に配置し
た斜視図である。
る。
要部の縦断面図である。
要部の縦断面図である。
要部の縦断面図である。
サのコレステロール標準試料液に対する応答特性図であ
る。
剤を含む層 8a ChOD、ChE、電子メディエーターを含む層 9 脂質を含む層 9a 界面活性剤を含む層 10 ChODと電子メディエーターを含む層 11 ChEと界面活性剤を含む層 12 CMC層 13 スペーサー 14 カバー 15 カバーのスリット 16 空気孔 17 試料液供給路を構成する空間部に露出する面のカ
バー側の面 18 試料液供給路の開口部
Claims (7)
- 【請求項1】 絶縁性の基板、前記基板上に設けられた
少なくとも測定極と対極を有する電極系、および前記電
極系上またはその近傍に形成された反応層からなり、前
記電極系が、銀とこれを被覆するカーボンとを含み、前
記反応層が、コレステロールオキシダーゼ、コレステロ
ールエステラーゼおよび界面活性剤を含み、 前記反応層が、コレステロールオキシダーゼおよびコレ
ステロールエステラーゼを含みかつ界面活性剤を含まな
い層と、この層を被覆している界面活性剤を含む層から
なることを特徴とするコレステロールセンサ。 - 【請求項2】 絶縁性の基板、前記基板上に設けられた
少なくとも測定極と対極を有する電極系、および前記電
極系上またはその近傍に形成された反応層、前記基板に
組み合わされて基板との間に前記電極系に試料液を供給
する試料液供給路を形成するカバー部材を備え、前記電
極系が、銀とこれを被覆するカーボンとを含み、前記反
応層が、コレステロールオキシダーゼ、コレステロール
エステラーゼおよび界面活性剤を含み、前記カバー部材
の試料液供給路に露出する面および前記電極系上に親水
性高分子層を設け、前記反応層が前記カバー部材上の親
水性高分子層上に形成されていることを特徴とするコレ
ステロールセンサ。 - 【請求項3】 前記基板に組み合わされて基板との間に
前記電極系に試料液を供給する試料液供給路を形成する
カバー部材を備え、前記カバー部材の試料液供給路に露
出する面および前記電極系上に親水性高分子層を設け、
前記反応層が前記両者の親水性高分子層上に分割して形
成されている請求項1記載のコレステロールセンサ。 - 【請求項4】 コレステロールエステラーゼが、シュー
ドモナス類由来であり、界面活性剤が、n−オクチル−
β−D−チオグルコシド、ポリエチレングリコールモノ
ドデシルエーテル、コール酸ナトリウム、ドデシル−β
−マルトシド、シュークロースモノラウレート、ポリオ
キシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル、およ
びN,N−ビス−3−Dグルコンアミドプロピルコール
アミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である請
求項1〜3のいずれかに記載のコレステロールセンサ。 - 【請求項5】 コレステロールエステラーゼが、ほ乳類
膵臓由来であり、界面活性剤が、コール酸ナトリウム、
デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸
ナトリウム、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプ
ロピル)コールアミド、N,N−ビス(3−D−グルコ
ンアミドプロピル)デオキシコールアミド、ポリオキシ
エチレンp−t−オクチルフェニルエーテル、ポリエチ
レングリコールモノドデシルエーテルおよびシュークロ
ースモノラウレートからなる群より選ばれた少なくとも
1種である請求項1〜4のいずれかに記載のコレステロ
ールセンサ。 - 【請求項6】 前記反応層が、電子メディエーターを含
む請求項1〜5のいずれかに記載のコレステロールセン
サ。 - 【請求項7】 電気絶縁性の基板上に、銀ペーストを印
刷し、これを被覆するようにカーボンペーストを印刷し
て電極系を設ける工程、前記電極系上に親水性高分子を
含む溶液を滴下し乾燥して親水性高分子層を形成する工
程、前記親水性高分子層上に少なくともコレステロール
オキシダーゼおよびコレステロールエステラーゼを含有
し、かつ界面活性剤を含まない溶液を滴下し乾燥して酵
素類を含む層を形成する工程、および前記酵素類を含む
層上に界面活性剤を含有する層を形成する工程を有し、
前記界面活性剤を含有する層を形成する工程が、前記酵
素類を含む層を溶解しない溶媒に界面活性剤を溶解させ
た溶液を滴下し乾燥する工程を含むことを特徴とするコ
レステロールセンサの製造方法。
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