JP3862228B2 - 印刷機シリンダを支持するローラ軸受配置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも３つの重合配置される軸受リングを備えた印刷機シリンダの支持のためのローラ軸受配置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
西独国特許第３６４３２９５号公開明細書は、従来周知なローラ軸受配置を例示し、説明している。独国特許第４１２６５４５号明細書は印刷機のシリンダジャーナル用のリングローラ軸受を例示し、説明している。
【０００３】
西独国特許第３６４３２９５号公開明細書から、この種の軸受配置は周知である。そこでは、軸受リング間に配置されたローラ体列を備えた３リング軸受が開示され、内外の軸受のためのレースウエイを支える中間リングは２つのリングから形成される。両方のリングは軸方向で相互に支持される。３リング軸受は分離軸受として組み立てられ、２列シリンダローラ軸受および２列傾斜シリンダローラ軸受を有する。同様に、３リング軸受は２つの２列円錐ローラ軸受を有する固定軸受として構成できる。
【０００４】
独国特許第４１２６５４５号明細書から、印刷機シリンダのジャーナル用の３リングローラ軸受は周知である。この３リング軸受は、内軸受および外軸受のためのレースウエイが構成される偏心中間リングを有する。内軸受は、シリンダローラと軸方向に並んで円錐軸受または交差ローラ軸受に一体化される３列シリンダローラ軸受として構成される。外軸受は２列シリンダローラ軸受として構成され、さらに同様に球列を有する。
【０００５】
【特許文献１】
西独国特許第３６４３２９５号公開明細書
【特許文献２】
独国特許第４１２６５４５号明細書
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内軸受の孔および内軸受に取り付けられるジャーナルは、それぞれ、軸受負荷を調整できるため、円錐に構成されるために、円錐ジャーナルの製造は比較的費用がかかると云う課題が存在した。
本発明は、わずかな費用で組立ができ、軸受間隙および負荷の調整ができる印刷機シリンダ用の軸受を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載された印刷機シリンダを支持するためのローラ軸受配置は、外装面に円筒形レースウエイ（１０）を有する第１軸受リング（１）と、内装面に円錐形レースウエイ（１１）有する第２軸受リング（２）と、該第２軸受リング（２）の外周に嵌合され、偏心リングである第３軸受リング（３）と、内装面に円筒形のレースウエイ（２０）を有する第４軸受リング（４）と、前記第１軸受リング（１）と第２軸受リング（２）との間に配置され、円錐形状に凸曲面を重ねた外周面を有する第１ローラ体（６）と、第３軸受リング（３）と第４軸受リング（４）との間に配置されるローラ体（８）とを有する印刷機シリンダを支持するローラ軸受配置において、前記第１ローラ体（６）は、軸方向停止面（１２）を備える停止要素（１３）の端面が接触し、この軸方向停止面（１２）は軸方向へ移動できるとともに前記第４軸受リング（４）は、ばねリング（２２）によって軸線方向の移動が制限されていることを特徴とする。
【０００８】
本発明によるローラ軸受配置は、簡単に組立ができ、間隙調整は非常に少ない費用で済むという長所を持つ。
【０００９】
また、請求項２に記載の発明において、前記凸曲面は対数曲線の輪郭に従うことを特徴とする。これは、ローラ体の作動特性を改善する長所を持つ。
【００１０】
また、請求項３に記載の発明において、前記停止要素（１３）は、第１軸受リング（１）に対して同心に構成される内ねじ（１５）に係合する外ねじ（１４）を有することを特徴とする。
【００１４】
また、請求項４、５に記載の発明において、前記内ねじが一方の軸受リングに構成されると都合がよい。上記の構成部材により、第１ローラ体の軸方向の位置は所望の間隙を生じるように調整できる。その際、間隙調整は非常に簡単に実施され、他方、非常に正確に行うことができる長所を持つ。
【００１６】
また、請求項６に記載の発明において、前記ローラ軸受配置では、少なくとも１セットの円筒形に構成されるローラ体を設けることができる。
【００１７】
また、請求項７に記載の発明において、少なくとも２セットのローラ体を軸方向に並べて配置することができる。これは、同時に高い負荷容量でのシリンダの高精度な支持を実現できる長所を持つ。
【００１８】
【実施例】
本発明を図面で示す実施例に基づいて次に説明する。
【００１９】
図１は、２列のローラ体が重合配置される本発明による軸受配置の実施例を示す。このローラ配置は、内から外へ連続する第１軸受リング１と、第２軸受リング２と、第３軸受リング３と、第４軸受リング４とを有する。第１軸受リング１は印刷機シリンダのジャーナルを収容できる円筒孔５を有する。第１軸受リング１と第２軸受リング２との間で第１ローラ体６が配置される環状空間が構成される。ローラ体はケージ７で案内される。さらに、第３軸受リング３と第４軸受リング４との間で２列のローラ体８が配置される環状空間が構成される。ローラ体８はケージ９で案内される。
【００２０】
第１軸受リング１は内リングとして構成され、その外装面に、第１ローラ体６が転がる円筒形レースウエイ１０を有する。第２軸受リング２は外リングとして構成され、その内装面に円錐形レースウエイ１１を有する。もちろん、円錐角度は非常に小さく、円錐形状は図面で決して推測できない。第１ローラ体６は円錐形状に構成され、その際、円錐角度はレースウエイ１０、１１に適合される。第１ローラ体６の円錐形状は、特に、対数曲線の輪郭に従うわずかな凸曲面に重ねられる。それにより、作動特性が改善される。第１ローラ体６は大きい端面を備え、軸方向停止要素１３に構成される軸方向の停止面１２で軸方向に接触する。軸方向停止要素１３はリングとして構成され、第３軸受リング３内の内ねじ１５に係合する外ねじ１４を有する。軸方向停止要素１３の旋回により、軸方向停止面１２は軸方向へ移動できる。半径方向に対して鋭角に延びるねじ孔１７内に配置されるセットスクリュー１６により、軸方向停止要素１３は旋回に対して固定される。
【００２１】
第３軸受リング３は内リングとして役立ち、その内方外装面は第２軸受リング２の外方外装面に直接に当接する。使用状況に応じて、第３軸受リング３は第２軸受リング２と一体的に構成することもできる。第３軸受リング３は外方外装面で円筒形に構成されるレースウエイ１８を有する。潤滑剤により軸受配置の提供を簡単にするため、第３軸受リング３は潤滑剤の分配のための通路１９を有する。さらに、第３軸受リング３は偏心リングとして構成され、すなわち、第３軸受リング３の壁厚さは周辺に沿って変化し、第３軸受リング３の、それぞれの円筒形に構成される内外の外装面の中央軸線は符合しない。このようにして、第３軸受リング３の旋回により、印刷機シリンダのジャーナルを横に運動することができる。
【００２２】
第４軸受リング４は外リングとして構成され、その内方外装面に、同様に円筒形に構成されるローラ体８が転がる円筒形に構成されるレースウエイ２０を有する。第４軸受リング４の外方外装面は、同様に円筒形に構成され、ハウジング内への押し込みに適し、ハウジングはローラ軸受配置を収容し、固定する。第３軸受リング３と第４軸受リング４との間で、シール２１が配置され、潤滑剤漏れ、ごみ屑の入り込みを防止する。さらに、第４軸受リング４の両側には、ばねリング２２が配置され、ばねリングは、それぞれ、第３軸受リング３の半径方向溝内に係合し、軸方向の移動に対して第４軸受リング４を固定する。
【００２３】
図１に示される軸受配置の機能態様の特別な本質的観点は、第１軸受リング１、第２軸受リング２および第１ローラ体６の説明した構成により、第１軸受リング１、それで、全体の軸受配置、それで、軸受配置が押し込められるハウジングに関する第１軸受リングに収容されるジャーナルの軸方向の移動ができることにある。この移動にも拘わらず、この軸受部分内での間隙の調整ができることにある。このため、軸方向停止面１２を介して第１ローラ体６が軸方向へ移動され、第１ローラ体６および第２軸受リング２のレースウエイ１１の円錐構成のため間隙の減少または増加に至る結果、軸方向停止要素１３だけが旋回されねばならない。この間隙調整は第１軸受リング１、第２軸受リング２、第１ローラ体６により構成されるローラ軸受の多列構成の場合も対応した仕方ででき、この調整は、例えば、十分に高い負荷容量の達成に対しても必要なものとすることができる。
【００２４】
図２は、３列のローラ体が重合して配置される本発明による軸受配置の実施例を断面で示す。図２で図示する軸受配置の構成は、図１による軸受配置の一層の特徴に対応し、次に、特に、図１にはなく、または、変形した形状で図示される構造的特徴を詳細に説明する。半径方向の内部構造はローラ体８を含めて同じである。しかし、半径方向に続く第３軸受リング３に相違がある。この第３軸受リング３は第２軸受リング２に対して偏心リングとして構成される。他方、第３軸受リング３は中間リングとして構成され、すなわち、第３軸受リング３は、さらに、レースウエイ２０に対して、その内方外装面において、外方外装面でのレースウエイ２３を有する。このレースウエイ２３上で、ケージ２５により案内される２列の円筒形に構成されるローラ体２４が転がる。さらに、ローラ体２４は外リングとして構成される第５軸受リング２６上を転がり、このため、第５軸受リングは、その内方外装面にレースウエイ２７を有する。第５軸受リング２６は、ばねリング２８により軸方向で固定され、第４軸受リング４に対してシール２９により密封される。第５軸受リング２６の外方外装面は円筒形状の構成され、ハウジング孔への押し込みに適する。
【００２５】
機能態様および可能性のある変形に関して、図２で図示する実施例は、図１で実施されるものに当てはまる。
【００２６】
図示の実施例の変形では、第１軸受リング１、第２軸受リング２、第１ローラ体６から成る軸受は多列に構成され、すなわち、第１ローラ体６の２つ以上のセットを並列して配置できる。その際、軸受リング１または軸受リング２を軸方向で分離して実施することもできる。同様に、図示の２列軸受は適性に応じて一列軸受または２列軸受により置き換えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、２つの重合配置されるローラ体列を備えるローラ軸受配置の実施例を示す断面図である。
【図２】図２は、３つの重合配置されるローラ体列を備えるローラ軸受配置の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
１ 第１軸受リング
２ 第２軸受リング
３ 第３軸受リング
４ 第４軸受リング
５ 第１軸受リング１の孔
６ 第１ローラ体
７ ケージ
８ ローラ体
９ ケージ
１０ 第１軸受リング１のレースウエイ
１１ 第２軸受リング２のレースウエイ
１２ 軸方向停止面
１３ 軸方向停止要素
１４ 軸方向停止要素の外ねじ
１５ 第３軸受リング３の内ねじ
１６ セットスクリュー
１７ ねじ孔
１８ 第３軸受リング３のレースウエイ
１９ 潤滑通路
２０ 第４軸受リングのレースウエイ
２１ シール
２２ ばねリング
２３ 第４軸受リングの別のレースウエイ
２４ ローラ体
２５ ケージ
２６ 第５軸受リング
２７ 第５軸受リング２６のレースウエイ
２８ ばねリング
２９ シール

Claims (7)

1. 外装面に円筒形レースウエイ（１０）を有する第１軸受リング（１）と、
   内装面に円錐形レースウエイ（１１）有する第２軸受リング（２）と、
   該第２軸受リング（２）の外周に嵌合され、偏心リングである第３軸受リング（３）と、
   内装面に円筒形のレースウエイ（２０）を有する第４軸受リング（４）と、
   前記第１軸受リング（１）と第２軸受リング（２）との間に配置され、円錐形状に凸曲面を重ねた外周面を有する第１ローラ体（６）と、
   第３軸受リング（３）と第４軸受リング（４）との間に配置されるローラ体（８）とを有する印刷機シリンダを支持するローラ軸受配置において、
   前記第１ローラ体（６）は、軸方向停止面（１２）を備える停止要素（１３）の端面が接触し、この軸方向停止面（１２）は軸方向へ移動できる
   とともに前記第４軸受リング（４）は、ばねリング（２２）によって軸線方向の移動が制限されていることを特徴とするローラ軸受配置。
2. 前記凸曲面は対数曲線の輪郭に従うことを特徴とする請求項１に記載のローラ軸受配置。
3. 前記停止要素（１３）は、第１軸受リング（１）に対して同心に構成される内ねじ（１５）に係合する外ねじ（１４）を有することを特徴とする請求項１に記載のローラ軸受配置。
4. 前記内ねじ（１５）は軸受リングのいずれかに構成されることを特徴とする請求項３に記載のローラ軸受配置。
5. 前記内ねじ（１５）は第２軸受リング（２）に構成されることを特徴とする請求項４に記載のローラ軸受配置。
6. 少なくとも１セットの円筒形に構成されるローラ体（８）が設けられることを特徴とする前記請求項１〜５のいずれか１項に記載のローラ軸受配置。
7. 少なくとも２セットのローラ体が軸方向で並んで配置されることを特徴とする前記請求項１〜６のいずれか１項に記載のローラ軸受配置。

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