JP3862137B2 - ターボ形水力機械 - Google Patents

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    • Y10S415/00Rotary kinetic fluid motors or pumps
    • Y10S415/914Device to control boundary layer

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はターボ機械に係わり、特に、その形式や流体に関わらず、羽根入口の再循環流による羽根旋回及び羽根旋回の失速を抑制することにより、内部に流れる流体(特に、真水や海水等を含む水)内に発生する流動不安定性を防止することの可能なターボ形水力機械に関する。
【0002】
更に詳細には、本発明になるターボ形水力機械は、特に、非容積型の羽根車を有しており、その取り扱い流体が液体(真水や海水等を含む水)であるポンプ、あるいは、ポンプ水車に関している。すなわち、本発明によれば、羽根入口における再循環流の正流における予旋回や羽根旋回失速を抑制して流体内に発生する流動不安定性を防止することが可能で、かつ、振動・騒音増大を伴う羽根車におけるキャビテーションの発生を低減することが可能であり、特に、都市の排水ポンプ、火力或いは原子力発電所などで使用される循環水ポンプ等に適用される斜流ポンプに好適である。
【0003】
【従来の技術】
図13は、図14に示す斜流ポンプを含む従来技術になるターボ機械の典型的な揚程−流量特性であって、横軸は流量を表わすパラメータ、縦軸は揚程を表わすパラメータである。即ち、低流量域では流量が増加するにつれて揚程は低下するが、流量がS領域にある間は流量が増加するにつれて揚程も増加する(右上がり特性)。そして、流量が右上がり特性領域以上に増加すると流量が増加するにつれて揚程は低下する。そして、右上がり特性領域の流量でターボ機械を運転した場合には、流体のかたまりが管路内で自励振動するサージングが発生する。
【0004】
なお、上記した従来技術のターボ機械における揚程−流量特性の右上がり特性は、ターボ機械を流れる流体の流量が低くなったときにインペラ入口外縁で再循環流が発生するが、このとき羽根に入る流体の流路が狭められ、流体に旋回が生じるために発生する(図14参照)。
【0005】
かかる従来技術のターボ機械における右上がり特性を改善するために、例えば、平成10年(1998年)11月1日〜11月6日に開催された日米科学協力事業セミナーにおいて発表された「A New Passive Device to Suppress Several Instabilities in Turbomachines by Use of J-Groove」(ターボ機械協会、平成10年11月1日発行)に示されるように、斜流ポンプのケーシング内面に複数本のポンプ軸方向(流体圧力の勾配方向)の溝を設置することが、本願の発明者である黒川淳一氏らにより既に提案されており、既に知られている。
【0006】
なお、上記に関連する先願としては、例えば、特願平11−117500号「ターボ機械」、特願平11−201302号「ターボ機械」、特願2000−45099号「ターボ機械及びそれを利用したポンプ機場」、特願2000−81734号「ターボ機械」等が、やはり、本願の発明者等によって既に提案され、出願されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術になるターボ機械では、ターボ機械における右上がり特性を改善するためにケーシング内面にポンプ軸方向(流体圧力の勾配方向)の溝を設置する方策が採られているが、しかしながら、他方、本発明者等によれば、かかるケーシング内面に形成される溝を設置する方策では、ケーシング内に発生するキャビテーションにより、次の様な問題が起こる場合があることが認識された。
【0008】
すなわち、この問題となるキャビテーションとは、例えば、ポンプ内を流れる液体の圧力が飽和蒸気圧近くまで低下した際、液体中に気化によって多数の気泡が発生する現象であり、この発生した気泡はポンプ内部を流動し、また、ポンプ内部の圧力回復に伴い気泡が崩壊する。そして、かかるキャビテーションの発生は、羽根車やケーシング壁面に損傷を与えると共に、ポンプに振動・騒音の増加、性能の低下といった弊害を生じることがある。
【0009】
また、図15は、キャビテーションの影響による振動・騒音の代表例として振動加速度の実験結果を示しており、この図において、横軸は無次元化した流量を、縦軸は無次元化した振動加速度を示している。特に、図の黒丸はケーシングに溝を形成しないポンプのNPSHが高い状態を、白丸はケーシングに溝を形成しないポンプのNPSHが低い状態を、黒三角はケーシング内面に圧力勾配方向の溝を形成しNPSHが高い状態を、そして、白三角はケーシング内面に圧力勾配方向の溝を形成しNPSHが低い状態の流量−振動加速度を示す。なお、ここで、 NPSHとは有効吸込ヘッドを意味し、羽根車の基準面上の液体が持つ全圧が、その液体のその温度における飽和蒸気圧よりいくら高いかを表すものである。つまり、このNPSHが低くなればなる程、飽和蒸気圧に近づき、キャビテーションが発生しやすい状態になる。
【0010】
上記図15に示すように、ケーシングに溝を形成しないポンプでは、その黒丸と白丸は、NPSHが高い黒丸とNPSHが低い白丸とを比較しても、φ=0.6〜1.0の間で、白丸が最大で1.3倍程度その振動が大きくなっているが、特に問題にはならない。しかしながら、ケーシング内面に圧力勾配方向(軸方向)の溝を形成した場合の特性を示す黒三角と白三角では、図からも明らかなように、 NPSHが高い黒三角とNPSHが低い白三角とを比較すると、ポンプのNPSHが低い白三角では、φ=0.6〜1.0の間で、振動が最大で2.1倍程度となり、ポンプの振動・騒音が異常に増大することが見受けられる場合がある。
【0011】
この原因は、ポンプ内部のキャビテーションの発生状態の観察、及び、キャビテーションが発生していない場合におけるポンプ内部での流れの乱流解析に基づき、以下のように説明される。
【0012】
すなわち、ポンプの小形化を狙った小外径の羽根車では、羽根の負荷が大きく、そのため、羽根の負圧面と圧力面の圧力差が大となり、NPSHが低い場合には、羽根車羽根122とケーシング2との隙間3には、図16及び図17に示すように、キャビテーション4が発生する。なお、図16は、溝124が設置されたケーシング内面を模式的に展開した図を示しており、また、図17は羽根車羽根のポンプ軸に直交する横断面による断面図である。この隙間3に発生したキャビテーション4は、羽根122の負圧面側に発達し、また、キャビテーションの後端は上記溝124に達する。
【0013】
一方、図18に示すように、その溝124内では、羽根車から上流側へ向かう流体の流れ51と、上流から羽根車へ入ろうとする流体の流れ52とが対向し、上記溝124内には流れが淀む領域が発生する。さらに、かかる領域にキャビテーション4が到達すると、このキャビテーションは流れ去らずに溝内に滞留し、そこで崩壊する。そして、このキャビテーションの崩壊により、ポンプには大きな騒音や振動がもたらされる。
【0014】
本発明は、上記に詳述したように、右上がり特性の揚程−流量特性を解消するためにケーシング内面に形成される溝を設置することにより発生する場合があるキャビテーションという課題に鑑みてなされたものであって、かかる本発明の目的は、本発明者等によって認識されかつ解析された上記のキャビテーション現象による問題点を解消し、もって、右上がり特性のない揚程−流量特性を有し、且つ、キャビテーションに伴う振動及び騒音の増大を抑制したターボ機械を得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、まず、内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝を、前記ケーシング内面の周方向において80〜150本設け、且つ、前記ケーシング内面の全周における溝の溝幅の合計が、前記ケーシング内面の周長の30〜50%となるように設定したターボ形水力機械が提供されている。かかるターボ形水力機械の構成によれば、羽根先端の隙間で発生して溝に入り込むキャビテーションの終端部における不安定な流体の流れを、上記した多数の溝によりガイドして安定化し、もって、キャビテーションの崩壊に伴う振動・騒音を緩和させることが出来る。
【0016】
また、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、該溝の前記羽根存在域内における断面積を、前記羽根存在域外における該溝の断面積より大と設定したターボ形水力機械が提供されている。かかる構成によれば、やはり、羽根先端の隙間に生じるキャビテーションによる振動・騒音を低減することが出来る。
【0017】
さらに、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝の前記ケーシング内面の周方向における配置を不等間隔としたターボ形水力機械が提供されている。すなわち、上述の構成によれば、上記した溝をケーシングの内周方向に一様に等間隔で配列するのではなく、これらを不等間隔とする。これによれば、回転する羽根車の羽根と静止している溝の流路との間に生じる一種の干渉により生ずる圧力変動を不規則なものとし、もって、周期的に溝にキャビテーションが滞留することを抑制することが可能となり、キャビテーションによる振動・騒音を低減することが出来る。
【0018】
また、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内面(内周面)に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記複数の溝の一部を、その断面形状を前記ケーシングの軸方向に一様な形状となし、他方、前記複数の溝の他の一部を、その断面形状を前記羽根存在域で異なる形状となし、且つ、前記一部の溝と前記他の一部の溝を交互に配設したターボ形水力機械が提供されている。また、本発明によれば、上記したターボ形水力機械において、前記他の一部の溝の前記羽根存在域での断面積を、前記一部の溝の断面積より大きく設定している。より具体的には、例えば、一部の溝の形状は軸方向に一様な形状とし、他の一部の溝の形状は羽根存在域内ではその溝幅が上記溝幅より小で、且つ、その深さも大とし、これらを交互にあるいは一つ置きに配設し、もって、溝部における流体の流れを一様とせずにむしろ異ならせる。すなわち、キャビテーション形状を異ならせ、もって、崩壊時の振動・騒音を緩和させるものである。
【0019】
さらに、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内周面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝の羽根非存在域における羽根前縁近傍部分に、前記溝の底面から前記ケーシングの肉厚を貫通する孔を穿孔し、且つ、前記ケーシングの外周面にリング状の部屋を設け、当該リング状の部屋を前記ケーシング内の前記貫通孔より上流の位置へ導通させたターボ形水力機械が提供されている。すなわち、かかる構成によれば、溝部をケーシング外周のリング状の部屋と連通することにより、キャビテーションの滞留を抑制し、キャビテーションの発生を抑制せんとするものである。
【0020】
さらに、本発明によれば、搬送される流体内に、少なくとも、その内部に羽根車を収納したケーシングと吸込み口とを埋没し、当該ケーシングの内周面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝の羽根非存在域における羽根前縁近傍部分に、前記溝の底面から前記ケーシングの肉厚を貫通する孔を穿孔したターボ形水力機械が提供される。かかる構成によれば、溝部を例えばポンプが水没される水槽と連通することにより、キャビテーションの滞留を抑制し、キャビテーションの発生を抑制せんとするものである。
【0021】
さらに、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内周面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記羽根存在域部における前記溝の長さを、前記羽根車の羽根は、当該羽根の如何なる周方向位置にもかかわらず、前記ケーシング内面上で少なくとも1本以上の前記溝と交差するように設定したターボ形水力機械が提供されている。かかる構成によれば、羽根が如何なる位置であっても、常に、各溝は少なくとも1枚以上の羽根と交わることから、当該溝の羽根車側の終端での圧力と吸込み側の始端での圧力との差を大とすることが出来る。これにより、溝を通る流体の流れが増大し、キャビテーションが溝に滞留することを抑制し、かつ、キャビテーションによる振動・騒音の増大を抑制することが可能となる。
【0022】
さらに、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内周面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、当該溝を前記流体圧力の勾配方向に二層構造とし、かつ、前記羽根車からの逆流は前記ケーシング内面に対して深い側に形成された層の流路を通り、他方、前記羽根車に向かう正流は前記ケーシング内面に対して浅い側に形成された層の流路を通るようにしたターボ形水力機械が提供されている。すなわち、正流と逆流とが溝内で衝突することがないように溝を構成し、もって、溝内にキャビテーションが滞留することを抑制せんとするものである。
【0023】
加えて、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内周面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記羽根車の羽根の先端における圧力面とその厚み方向の外周面とのなす稜に、当該羽根の厚さの1/4〜1/2の半径を有する丸みを形成したターボ形水力機械が提供されている。すなわち、羽根の圧力面側の先端エッジに羽根厚さの1/4〜1/2の半径を持つ丸みを設け、羽根先端エッジからキャビテーションが発生を抑制せんとするものである。
【0024】
そして、本発明によれば、内部に羽根車を収納したケーシングの内周面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記羽根車の羽根の先端の周方向に、当該羽根の負圧面側に羽根厚さの1/4〜1の幅で突出したフィンを形成したターボ形水力機械が提供されている。すなわち、羽根の負圧面側先端部に羽根厚さの1/4〜1の幅を持つフィンを設置し、羽根先端隙間における漏れ流れを抑制し牽いてはキャビテーションの発生を抑制するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
まず、図19は、一般的な斜流ポンプの拡大断面図であって、図14に示した斜流ポンプの一点鎖線で囲まれた部分を拡大した図である。即ち、本発明に係る羽根入口の逆流による旋回を抑制したターボ機械にあっては、ケーシング2の内面の羽根122の中程の位置a(溝の下流側終端位置)から低流量時に再循環流が発生する位置b(溝の上流側終端位置)にかけて、流体圧力勾配方向(ケーシングの軸方向)に浅い溝124が形成される。すると、羽根により圧力の上昇した流体(すなわち、真水や海水等を含む水等の液体)が溝124内を、溝の下流側終端位置aから溝の上流側終端位置bに向かって逆流し、低流量時に発生する再循環流の発生場所に噴出し、もって、再循環流による旋回および羽根旋回失速の発生を防止する。
【0026】
次に、図1には、本発明の第1の実施形態になるターボ機械であるターボ形水力機械が示されている。そして、本発明によれば、特に、図1(b)に示すように、ケーシング2の内面に形成された複数の溝の溝幅は、ケーシング内に回転可能に収納される羽根車の上記羽根122の厚さ程度に設定され、かつ、その溝の本数nは次式で表される。
n=π×D/(Wg+Pg) (数1)
ここで、D:ケーシングの内径、Wg:溝幅、Pg:溝の間隔である。
【0027】
ところで、本実施例では、発明者等の種々の実験や知見に基づき、上記ケーシング2の内面に形成された複数の溝の本数を、従来の一般的な溝数よりも数倍多く設定することにより、羽根先端の隙間で発生して溝に入り込むキャビテーションの終端部における不安定な流体の流れをガイドして安定化し、もって、キャビテーションの崩壊に伴う振動・騒音を緩和させるものである。より具体的に説明すると、まず、溝幅Wgは、羽根のシュラウド側の先端肉厚t、あるいは、それ以下の値に設定される。例えば、ケーシングの内径D=250mmで、溝の本数nは、従来技術の実施例における28本に対して、その約4倍である100本に設定されている。なお、発明者等による実験によれば、上記ケーシング2の内面に形成された複数の溝の本数は、80本〜150本程度の範囲内で設けることにより、所望の効果が得られることが確認されている。
【0028】
また、その溝幅は、上記溝の本数に反比例して、従来の実施例での12mmよりも狭くし、例えば3mmに設定し、かつ、これに伴い、溝と溝との間の間隔Pgは、上記の(数1)から求まることとなり、4.8mmである。この場合、羽根の厚さは5mm程度である。また、全周の溝幅の合計がケーシング内面周長の30〜50%になることが望ましいことが、やはり、発明者等による実験により確認されている。
【0029】
なお、このように構成された流路においては、例えば、低い値のNPSHにおいて、羽根車の羽根の先端における約0.3mm〜0.5mmの隙間にキャビテーションが発生すると、図20に示すように、発生したキャビテーション4の幅Wcは、溝の幅Wgと同じ程度あるいはそれ以上となる。
【0030】
ところで、一般に、上記キャビテーションによる気泡が崩壊する場合、その崩壊領域に案内板やフィン等が設置されると、流体の流れにおける不安定性が低減され、これにより、キャビテーションの崩壊の強さも同時に低減することが、実験的にも知られている。従って、溝に進入したキャビテーション気泡の流れは、溝124という固定壁によりその運動が拘束を受け、気泡の流れの自由な運動が制限される。その結果、キャビテーション気泡を含む流れは、これら多数の溝の側壁による案内効果によって溝方向に導かれて整流され、もって、安定な流れとなる。その結果、キャビテーションの激しい崩壊に起因する振動や騒音が軽減されることになる。
【0031】
このように、キャビテーションによる振動・騒音を軽減させるには、キャビテーション気泡(又は、その大きさ)に対して、その近傍に案内板やフィン等の固定壁が必要でり、特に、上記したような溝の場合には、当該溝の溝幅Wgがキャビテーションの幅と同等であるか、あるいは、それ以下である必要がある。また、溝と溝の間隔Pgも、上記した溝幅Wgと同程度であることが望ましい。従って、本実施例では、羽根の先端隙間に生ずるキャビテーションの幅Wcが、溝幅Wgと同程度になるよう設定されている。
【0032】
なお、上記の溝によるポンプ揚程曲線の安定性改善の機構は、従来技術と同じである。しかしながら、上述したように、本発明になるターボ形水力機械では、上記ケーシング2の内面に形成された複数の溝の本数を、上述したように、80本〜150本程度の範囲内で設けることにより、溝幅Wgは従来技術のものより狭く、且つ本数が大である。そのため、かかる多数の溝を通る流れと主流との相互作用は、溝幅が広く本数も小なる従来技術に比べて、その逆流の整流効果が増大し、かつ、溝から流出される逆流と羽根車内へ入ろうとする正流との接触・混合面積も増大するため、当該溝による機能はより確実なものとなり、揚程曲線の安定化はより顕著に現れることとなる。なお、上記の溝は、その本数を150本より大幅に増大させても、その効果は顕著に表れず、むしろ、その加工において困難となることから好ましくない。
【0033】
次に、図2には、本発明の第2の実施例になるターボ形水力機械において、その特徴部となる内面側に溝が形成されたケーシング2の一部を、その拡大断面図により示す。本実施例では、羽根存在域付近の下流部における溝124の深さを、上流部の溝の深さよりも大と設定した構成となっている。このような構成においては、図に二点鎖線で示す羽根122の圧力面から負圧面側へ向かって漏れる流体の流れにより生じ、かつ、上記溝内を羽根車から上流に向かって逆流する流れの流量は、溝124の下流部の深さが深いため、上流から羽根車へ流れ込もうとする正流の流れよりも大となる。なお、上記溝124の幅は一定であり、その本数は、従来と同様に約20本〜30本程度の範囲で適宜選択されており、本例では、例えば28本としている。
【0034】
従って、上記図18に示したような、正流52と逆流51との衝突による流体の流れにおける淀み域は無くなり、溝124内では逆流51が支配的となる。そうすれば、羽根122とケーシング2との隙間に発生したキャビテーション気泡は、上記溝124に入っても上流部へ流されて滞留することは無く、溝内の圧力も徐々に高くなり、キャビテーション気泡の崩壊も徐々に進行することから、その急激な崩壊は生じない。その結果、隙間でキャビテーション4が発生し、かつ、そのキャビテーションが溝内に進入しても、当該キャビテーションによる振動・騒音は低減されることになる。
【0035】
続いて、図3により、本発明の第3の実施例になるターボ形水力機械における溝が形成されたケーシング2の一部が、その拡大断面図により示されている。この図からも明らかなように、本実施例でも、羽根存在域付近(下流部)の溝の深さを上流側の溝深さより大とし、且つ、その溝深さは、下流部から上流部に向かうに従って連続的に浅くなるように形成している。なお、上記溝124の幅は一定であり、その本数も、本例では上記と同様に28本としている。
【0036】
上記の溝124による作用・効果は、上述した第2の実施例におけると同様であるが、本実施例では、上記の作用・効果に加え、さらに、図からも明らかなように、上記溝124の上流部には段部がないことから、当該溝の加工がより容易となる。
【0037】
さらに、図4には、本発明の第4の実施例になるになるターボ形水力機械における溝が形成されたケーシング2の一部が、その拡大断面図により示されている。すなわち、この実施例では、羽根122の存在域付近において、子午面の流路がシュラウド側の出口に向かってその径を大きくしてなるテーパ部分にのみ溝124を設置したものである。換言すれば、上記図2あるいは図3において、上流部の平行あるいは縮小流路の溝長さを短くした構成である。作用・効果は第3の実施例と同じであるが、溝の加工がより容易となる特長がある。なお、ここでも、上記溝124の本数は、上記と同様に28本としている。
【0038】
また、図5には、本発明の第5の実施例になるになるターボ形水力機械における溝が形成されたケーシング2の内周面の一部、すなわち、溝124が設置されたケーシングの内面が展開されて、模式的に平面により示されている。この実施例では、図からも明らかなように、羽根122の存在域における溝の幅5を羽根が存在しない上流部の溝の幅6よりも大とし、その間を連続的に溝幅が変化するようにテーパー状としている。なお、溝124の深さは一定であり、そのため、その断面積は、羽根存在域での溝124の断面積は、羽根の存在しない上流域での溝124の断面積よりも大となっている。また、ここでも、上記溝124の本数は、上記と同様に28本である。なお、その作用・効果は、上記図3に示した第3の実施例におけると同様である。また、本実施例では、上記ケーシング2の内周面に形成された溝124を流れる流量を大きく出来るので、揚程曲線を安定化する作用は、上記の他の実施例より一層大である。
【0039】
さらに、図6には、本発明の第6の実施例になるになるターボ形水力機械を示す。この例でも、上記図5と同じように、溝124を設置したケーシング内面を模式的に展開した状態が示されている。そして、この実施例では、図からも明らかなように、上記溝124の断面形状は、羽根の存在しない上流域では一定であり、一方、これに隣接する羽根存在域(下流域)での溝125の溝幅Wgは狭くなっている。なお、これらの溝124及び125の深さは一定である。また、ここでも、上記溝124の本数は、上記と同様に28本である。
【0040】
このように、溝幅Wgを、羽根存在域(下流域)で狭くすることによれば、上記図1に示した第1の実施例におけると同様に、発生するキャビテーションの崩壊の強さを低減する効果がある。しかしながら、かかる狭い幅の溝125のみだけを設けた場合、かかる溝が本来果たすべき揚程曲線を安定化するだけの逆流が得られなくなってしまう。そこで、この溝幅Wgが狭い溝125と溝幅Wgが広い溝124とを交互に配設し、これにより、逆流量をも確保しながら揚程曲線の安定化を図ろうとするものである。
【0041】
また、上記ケーシング内周面の羽根存在域(下流域)において、上記のような2種類の形状の溝(即ち、溝幅Wgが広い溝124と溝幅Wgが狭い溝125)が交互に存在すると、その一方で、キャビテーションの発生挙動における非定常性が増すことともなり、安定で強力なキャビテーションは発生し難くなる。加えて、例えキャビテーションが発生しても、発生したキャビテーションは弱いものとなってしまう。従って、キャビテーション気泡崩壊により発生する振動・騒音の強さも軽減される。
【0042】
続いて、図7には、本発明の第7の実施例になるターボ形水力機械を示す。なお、図7(a)は、その内周面に溝を設置したケーシングを模式的に展開して示した図であり、一方、図7(b)は、上記の溝を設置したケーシングの構造を示す断面図である。
【0043】
これらの図からも明らかなように、この実施例は、上記図2の実施例2で示したような構造、すなわち、羽根存在域(下流部)における溝の深さを大とするものにおいて、さらに、その下流部での溝の幅を狭くした深溝126を延長して設けたものである。ここでも、上記溝124の本数は、上記従来技術と同様に28本に設定されている。
【0044】
このような構成によれば、上記の溝126には、羽根車内の出口に近い圧力の高い流体(水)を流すことが可能となることから、深溝126内には確実に逆流を発生させることが可能となり、これにより、羽根122の入口付近の溝に滞留したキャビテーション気泡を、溝126の上流部に確実に流出させることができる。すなわち、このことは、子午面長さの方向における(即ち、図のj−j断面における)深溝126の長さが大であることから、羽根車の羽根122の周方向の如何なる位置に存在しても、常に、この深溝126は何れかの羽根122と交差するように設計することが可能となる。そして、このことによれば、深溝126や溝124を流れる逆流をより確実なものとすることが出来、その結果、先の第2の実施例と同様に、あるいは、より確実で強力な方法で、その作用・効果を発揮し、すなわち、キャビテーション崩壊に基づく振動・騒音をより確実かつ大幅に低減することを意味する。
【0045】
なお、以上において上記図2〜図7により示した、本発明になる第2〜第7の実施例では、ケーシング内周面の羽根存在域(下流域)において形成される溝124の本数は、従来と同様に28本程度であるが、しかしながら、本発明によればこれに限定されることなく、すなわち、上記図1に示した実施例と同様に、この溝124の本数を従来の数倍程度、例えば、約4倍である100本程度(80本〜150本の範囲)に設定することも可能であり、これによれば、キャビテーションの発生がより効果的に防止され、あるいは、抑制されることとなる。
【0046】
さらに、図8は、本発明の第8の実施例になるターボ形水力機械であり、図8(a)に示すように、ベルマウスと羽根車部とが吸込水槽200内に設置される、いわゆる、立形ポンプにおいて適用されたものを示している。この立形ポンプでは、図8(b)に示すように、そのケーシング2の内周面に設置された軸方向(流体の圧力勾配方向)のそれぞれの溝124において、キャビテーション気泡が滞留する羽根122の前縁位置付近の位置にケーシング2の肉厚を貫通する孔127を穿孔し、これにより、溝底面を介して当該溝124と吸込水槽200内の水とが導通するように構成している。なお、この孔の直径は、孔の断面積の合計が軸方向に垂直な方向の羽根車の入口断面積の1%以下となるように設定する。また、ここでも、上記溝124の本数は、上記従来技術と同様に28本に設定されている。
【0047】
このような構成によれば、上記ケーシング2の溝124内の水圧と上記水槽200内の水の圧力は、溝底面においてケーシング肉厚を貫通して形成された孔127により、殆ど同じ圧力に保たれる。従って、上記溝124内にキャビテーションが滞留する程その水圧が低い場合には、ポンプ外部の吸込水槽200側の水の水圧の方が高く、このことから、ポンプ内を流れる水は上記水槽200から溝124へ向かって流れ、上記溝124内の圧力を高める作用を達成する。そのため、羽根122の先端の隙間ではキャビテーションは発達せず、たとえ発生しても、小さなキャビテーション気泡となり、その崩壊に伴って発生する振動・騒音も小さなものとなる。すなわち、本実施例の構成によれば、羽根の先端の隙間におけるキャビテーションの発生が抑制されると共に、キャビテーションに伴って発生する振動・騒音は低減され、もって、本来、溝が有する効果である揚程曲線の安定化が、キャビテーションによる振動・騒音を伴うことなく、静粛になされることとなる。
【0048】
図9は、さらに、本発明の第9の実施例になるターボ形水力機械を示している。本実施例も、上記した第8の実施例と同様に、ベルマウスと羽根車部とが吸込水槽内に設置される、いわゆる、立形ポンプに適用したものである。この立形ポンプでも、図に示すように、そのケーシング2の内周面上に軸方向(流体圧力の勾配方向)に形成した溝124おいて、キャビテーション気泡が滞留するの羽根122の前縁付近の位置に、ケーシングの肉厚を貫通する第1の孔128を穿孔すると共に、さらに、前記第1の孔128より上流位置に第2の孔129を穿孔するものである。なお、この第2の孔129が形成される位置としては、ケーシングの軸方向(流体圧力の勾配方向)において、特に、ポンプ吸込み側の流路の断面積が最小となるスロート部のケーシング2の壁面が好ましい。また、ケーシング2の外側には、ケーシング2の外周をリング状に覆うカバー130が設けられ、これにより、このカバー130とケーシング2との間にはリング状の部屋131が形成される。そして、図からも明らかなように、この部屋131は、第1の孔128と第2の孔129とを介してケーシング2内周の異なる位置に導通されるように構成されている。また、ここでも、上記溝124の本数は、上記従来技術と同様に28本程度に設定されている。
【0049】
このような構成においては、羽根車の羽根122の先端の隙間にキャビテーションが生ずると、溝124付近の圧力は飽和蒸気圧付近まで低下していることから、上記第1の孔128付近の圧力は、上記第2の孔129付近の静圧よりも低い状態となる。従って、ポンプにより汲み上げられる流体である水は、上記第2の孔129から第1の孔128へ向かって流れる(図に矢印で示す)。その結果、第1の孔128付近の静圧は飽和蒸気圧付近の圧力より高くなり、もって、キャビテーションの発達が抑制されることとなり、あるいは、キャビテーションが小さくなるから、その崩壊に伴う振動や騒音も小さくなる。
【0050】
さらに、図10には、本発明の第10の実施例になるターボ形水力機械、特に、その内周面上に複数の溝が設置されるケーシング2の一部の拡大断面が示されている。本実施例による溝は、図からも明らかなように、溝の長さ方向の中央部において薄肉の仕切り板134が設置されており、これにより、上記溝は、ポンプの軸心からの距離が大なる(深い側)第1の流路132と、そして、ポンプ軸心からの距離が小なる(浅い側)第2の流路133とから成る、二層構造の溝となっている。なお、上記仕切り板134は、溝の両端部には設けられておらず、そのため、この溝は、その両端では単一層の流路溝となっている。ここでも、上記溝の本数は、上記従来技術と同様に28本程度に設定されている。
【0051】
上述した第1の流路132と第2の流路133とから成る二層構造の溝を備えたケーシング2の構造によれば、ポンプの運転点が低流量域に入ると、シュラウド側の羽根2の前縁付近で逆流が生ずる。この逆流は、遠心力により径の大きな方へ移動し、すなわち、図の矢印で示すように、上記溝の第1の流路132を経て上流側に至る。一方、ポンプ吸込み口から流入した正流は、直径の小なる第2の流路133を流れる。このように、ケーシング2の内周面に形成された、第1の流路132と第2の流路133を備えた二層構造の溝によれば、正流と逆流とが上記仕切り壁134で分離されて流れると共に、一方、溝の出口端に至った正流はそこで上記逆流に導びかれて第1の流路132に流れ込み、もって、循環流を形成することとなる。このように、上記二層構造の溝内では、逆流と正流が衝突する事態は回避され、キャビテーションが停滞する領域が生じないことになる。その結果、キャビテーションの崩壊場所も分散され、また、崩壊に伴う振動・騒音も低減されることとなる。
【0052】
添付の図11及び図12には、本発明になる第11の実施例と本発明になる第12の実施例とを示す。なお、上述した実施例は、主に、溝の本数やその形状に関するものであったが、これら図11及び図12に示す本実施例は、羽根車羽根先端形状に関するものである。
【0053】
まず、図11は、溝124が設置されたケーシング内面を模式的に展開した上記図16におけるg−g断面を示している。そして、本発明によれば、羽根車の羽根122の先端の圧力面側は、従来の羽根のように外周面に対して鋭利なエッジ(略直角)を形成するのではなく、羽根厚さの1/4〜1/2の半径Rを持つ丸み135を持つ形状に形成されている。このような丸み形状によれば、羽根122の先端の圧力面と外周面とで形成される鋭利な稜線がなくなる。従って、羽根122の先端の隙間において、上記圧力面側から負圧面側へ漏れる流体の流れは、上記羽根122の先端のエッジで剥離することはなくなる。その結果、羽根122の外周部では、上記した剥離現象により生じる流体の低圧部がなくなるため、流体内でのキャビテーションの発生が抑制され、あるいは、発生するキャビテーション気泡も小となるので、キャビテーションの崩壊に伴う振動・騒音も小となる。
【0054】
また、図12は、上記図11と同様に、上記図16におけるg−g断面を示している。そして、この本発明の第12の実施例では、羽根車の羽根122先端外周部の負圧面側に、羽根厚さの1/4〜1の幅を持つフィン136を、羽根122の全長(周)、あるいは、周方向における羽根前縁から羽根中央部にかけて設けている。このフィン136の断面形状は、図からも明らかなように、その外周部では羽根122の外周に対して延長面を形成し、他方、フィン136の厚さは、先端部から根元部まで均一、あるいは、その根元部で大きくかつその間は連続的に厚さが変化(減少)するようになっている。
【0055】
このようなフィン136を備えた羽根122の構造によれば、羽根122の外周部(面)と静止側のケーシング2との間に形成される隙間部の長さが、上記フィン136の長さだけ大きくなる。そして、この隙間を流れる流量は、形成される隙間の出口と入口の圧力差、あるいは、その平方根に比例し、他方、隙間の長さに反比例する。従って、かかる構造によれば、羽根122の先端の隙間を流れる流体の流速は低下し、当該隙間における静圧低下は小となる。このことから、隙間におけるキャビテーション気泡の発生は小となり、キャビテーション気泡崩壊に伴う振動・騒音は小となる。
【0056】
【発明の効果】
以上の詳細な説明からも明らかなように、本発明によれば、ケーシングの内周面に複数設置した溝により揚程曲線の右上がり特性を除去する構造のターボ形水力機械において、前記複数設置した溝に伴って生じる羽根の先端隙間から生ずるキャビテーションを溝内に滞留することを抑制し、あるいは、隙間でのキャビテーションの発生そのものを抑制し、もって、キャビテーション気泡の崩壊に伴うターボ形水力機械における振動・騒音を低減するという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシングの正面断面図とその一部拡大図である。
【図2】本発明の第2の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシングの子午面における一部拡大断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシングの子午面における一部拡大断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシングの子午面における一部拡大断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシング内面の溝の一部を拡大して展開した一部拡大展開図である。
【図6】本発明の第6の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシング内面の溝の一部を拡大して展開した一部拡大展開図である。
【図7】本発明の第7の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシングの子午面における一部拡大断面図とそのj−j断面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態になるターボ形水力機械を採用した立形ポンプの構成を示す、一部拡大断面を含む据付態状の図である。
【図9】本発明の第9の実施形態になるターボ形水力機械を採用した立形ポンプの構成を示すケーシングの子午面断面図である。
【図10】本発明の第10の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、ケーシングの子午面における一部拡大断面図である。
【図11】本発明の第11の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、図16におけるg−g線での断面図である。
【図12】本発明の第12の実施形態になるターボ形水力機械の構成を示す、図16におけるg−g線での断面図である。
【図13】従来技術におけるターボ機械の典型的な揚程−流量特性を示す線図である。
【図14】従来技術におけるターボ機械の典型である斜流ポンプの断面図である。
【図15】ターボ形水力機械であるケーシング内面に溝を有する斜流ポンプとケーシング内面に溝を形成しない斜流ポンプにおいて、NPSHが高い場合と低い場合の振動加速度−流量特性を比較して示す線図である。
【図16】本発明が適用されるターボ形水力機械である、ケーシング内面に溝を有する斜流ポンプにおけるキャビテーションの発生状態を示す、ケーシング内面の溝の一部を拡大展開して示す図である。
【図17】本発明が適用されるターボ形水力機械である、ケーシング内面に溝を有する斜流ポンプにおけるキャビテーション発生状態を示す、上記図16におけるf−f線断面図である。
【図18】本発明が適用されるターボ形水力機械のケーシング内面に設けた溝の中の流れを示す、ケーシング内面の溝の一部を拡大展開して示す図である。
【図19】本発明が適用されるターボ形水力機械の子午面断面形状の拡大図である。
【図20】本発明が適用されるターボ形水力機械である、ケーシング内面に溝を有する斜流ポンプにおけるキャビテーション発生状態を示す、ケーシング内面の溝の一部を拡大展開して示す図である。
【符号の説明】
2 ケーシング
3 ケーシングと羽根の隙間
4 キャビテーション
122 羽根車
124 軸方向の溝
Wg 溝の幅
Pg 溝の間隔

Claims (11)

  1. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝を、前記ケーシング内面の周方向において80〜150本設け、且つ、前記ケーシング内面の全周における溝の溝幅の合計が、前記ケーシング内面の周長の30〜50%となるように設定したことを特徴とするターボ形水力機械。
  2. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、該溝の前記羽根存在域内における断面積を、前記羽根存在域外における該溝の断面積より大と設定したことを特徴とするターボ形水力機械。
  3. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝の前記ケーシング内面の周方向における配置を不等間隔としたことを特徴とするターボ形水力機械。
  4. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記複数の溝の一部を、その断面形状を前記ケーシングの軸方向に一様な形状となし、他方、前記複数の溝の他の一部を、その断面形状を前記羽根存在域で異なる形状となし、且つ、前記一部の溝と前記他の一部の溝を交互に配設したことを特徴とするターボ形水力機械。
  5. 前記請求項4に記載したターボ形水力機械において、前記他の一部の溝の前記羽根存在域での断面積を、前記一部の溝の断面積よりも小さく設定したことを特徴とするターボ形水力機械。
  6. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝の羽根非存在域における羽根前縁近傍部分に、前記溝の底面から前記ケーシングの肉厚を貫通する孔を穿孔し、且つ、前記ケーシングの外周面にリング状の部屋を設け、当該リング状の部屋を前記ケーシング内の前記貫通孔より上流の位置へ導通させたことを特徴とするターボ形水力機械。
  7. 搬送される流体内に、少なくとも、その内部に羽根車を収納したケーシングと吸込み口とを埋没し、当該ケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記溝の羽根非存在域における羽根前縁近傍部分に、前記溝の底面から前記ケーシングの肉厚を貫通する孔を穿孔したことを特徴とするターボ形水力機械。
  8. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記羽根存在域部における前記溝の長さを、前記羽根車の羽根は、当該羽根の如何なる周方向位置にもかかわらず、前記ケーシング内面上で少なくとも1本以上の前記溝と交差するように設定したことを特徴とするターボ形水力機械。
  9. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、当該溝を前記流体圧力の勾配方向に二層構造とし、かつ、前記羽根車からの逆流は前記ケーシング内面に対して深い側に形成された層の流路を通り、他方、前記羽根車に向かう正流は前記ケーシング内面に対して浅い側に形成された層の流路を通るようにしたことを特徴とするターボ形水力機械。
  10. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記羽根車の羽根の先端における圧力面とその厚み方向の外周面とのなす稜に、当該羽根の厚さの1/4〜1/2の半径を有する丸みを形成したことを特徴とするターボ形水力機械。
  11. 内部に羽根車を収納したケーシングの内面に、羽根入口側と前記ケーシング内面の羽根存在域内を結ぶように、流体圧力の勾配方向に、複数の溝を具備してなるターボ形水力機械において、前記羽根車の羽根の先端の周方向に、当該羽根の負圧面側に羽根厚さの1/4〜1の幅で突出したフィンを形成したことを特徴とするターボ形水力機械。
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