JP7306971B2 - ポンプ - Google Patents

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本発明は、ポンプに関する。
従来、ポンプケーシングの下端部に、外側ラッパ部と、その内側の内側ラッパ部と、さらにその内側の軸心ラッパ部とを設け、軸心ラッパ部の外面に渦流防止リブを形成したポンプが公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来のポンプでは、水中渦及び空気吸込渦の発生を抑制することはできるものの、構造が複雑化し、大型化することは避けられない。
特許第5345123号公報
本発明は、簡単な構造で、大型化することなく、水中渦及び空気吸込渦の発生を抑制することができるポンプを提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、中空筒状で、下端側にベルマウス接続されるポンプケーシングと、前記ポンプケーシングを貫通し、一端側に前記ポンプケーシング内に配置される羽根車を有する主軸と、を備え、前記ベルマウスは、前記ポンプケーシングに接続される外側ベルマウス部と、前記外側ベルマウス部の内側に配置され、一部が前記外側ベルマウス部の下端から突出する内側ベルマウス部と、前記外側ベルマウス部と前記内側ベルマウス部との間を連結し、内部空間を複数の流路に分割する整流板と、を少なくとも備え、前記内側ベルマウス部は、前記ベルマウスの軸心に直交する方向から視認可能な領域に開口部を有し、前記開口部は、前記内側ベルマウス部の軸心が下端部で屈曲することにより、前記ポンプケーシングの軸心に直交する方向から視認可能とする下端開口部で構成されている、ポンプを提供する。
この構成によれば、外側ベルマウス部と内側ベルマウス部を少なくとも備えた多重構造であり、外側ベルマウス部と内側ベルマウス部を連結する整流板によって旋回流を規制されることにより水中渦の発生を効果的に防止できる。また、外側ベルマウス部の一端から突出する部分に形成された内側ベルマウス部の開口部から水を吸い込むことができる。開口部を水位が高くなる位置に向かって開口させることにより、ベルマウスの周囲の水位が不均一となることを防止し、空気吸込渦の発生を抑制することができる。内側ベルマウス部に開口部を形成するだけでよいので、構成を簡略化でき、大型化することもない。
前記構成のポンプは、前記ベルマウスを吸水槽内の流体中に配置した状態で、前記吸水槽内での流動方向上流側から下流側に向かって前記開口部を視認可能に配置するのが好ましい。
この構成によれば、流動方向上流側に向かって開口部を開口させることにより、吸水槽内で最も水位が高くなると予測される上流領域での流体の吸込量を増大させることができる。また、吸水槽内で最も水位が低くなると予測される下流領域での流体の吸込量を減少させることができる。このため、ベルマウスの下流領域での水位の低下を抑えて空気吸込渦の発生を防止しつつ、上流領域での吸込量を増大させて、全体としての吸水量を確保することが可能となる。
前記ベルマウスと前記羽根車の間に、前記内側ベルマウス部の中心孔を流動する流体と、前記外側ベルマウス部と前記内側ベルマウス部の間の空間を流動する流体とを混合させる混合空間を有するのが好ましい。
この構成によれば、内側ベルマウス部の中心孔での流れと、両ベルマウス部の間の空間での流れとを混合することで、流動状態を均一なものとすることができる。これにより、キャビテーションの発生を抑制してポンプ性能を高めることが可能となる。
前記主軸は、水平方向に延びるように配置されていてもよい。
前記ベルマウスは、外側ベルマウス部と内側ベルマウス部とからなる二重構造であってもよい。
本発明によれば、簡単な構成で、大型化することもなく、水中渦及び空気吸込渦の発生を抑制することができる。
本実施形態に係る横軸ポンプの概略断面図である。 図1のベルマウスと、吸水槽とを示す概略断面図である。 図2の内側ベルマウス部を流動方向上流側から見た側面図である。 図2に示すベルマウスの整流板を省略した底面図である。 図2に示すベルマウスの軸心Cに向かう流速分布を示す図である。 他の実施形態に係る横軸ポンプの概略断面図である。 図6のベルマウスの整流板を省略した底面図である。 他の実施形態に係る内側ベルマウス部の正面図である。 他の実施形態に係る内側ベルマウス部の側面図である。 他の実施形態に係る内側ベルマウス部の側面図である。 他の実施形態に係るベルマウスと吸水槽の底面図である。 他の実施形態に係る縦軸ポンプの概略断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る横軸斜流ポンプ(以下、横軸ポンプ1という。)を示す。横軸ポンプ1は、ポンプケーシング2と、一端側に羽根車3を有する主軸4とを備える。
ポンプケーシング2は、互いに連結された吸込ケーシング5及び吐出ケーシング6で構成されている。
吸込ケーシング5は、鉛直下方に向かって開口する第1開口部5aから湾曲して延び、水平方向に向かって第2開口部5bを開口させている(図1に、湾曲して延びる軸心を1点鎖線Aで示す。)。第1開口部5aには、後述するベルマウス27が接続されている。吸込ケーシング5の内部空間のうち、第1開口部5aの近傍の領域が混合空間7である。混合空間7は、後述する第1流路31と第2流路33を流れる流体を混合し、一様な流れとして吐出ケーシング6へと流動させる。
吸込ケーシング5には、その内外を連通する筒部8が形成されている。吸込ケーシング5の内部空間側には、筒部8の基端に隣接して保護機構9(保護機構9の詳細については、例えば、特許第5345123号参照)が設けられている。吸込ケーシング5の外部には、筒部8の先端に隣接して、軸封装置である無注水メカニカルシール(以下単に、メカニカルシール10と記載する。)が設けられている。また吸込ケーシング5の外面から支持部11が突出している。支持部11にはラジアル軸受12及びスラスト軸受13が取り付けられている。メカニカルシール10、ラジアル軸受12及びスラスト軸受13によって主軸4の他端側が回転可能に支持されている。さらに、吸込ケーシング5には覗き孔14が設けられている。
メカニカルシール10には液面検出スイッチ15a付きのグリスタンク15から潤滑用のグリスが供給される。グリスには、生分解性の高い植物性潤滑油を使用するのが好ましい。なお、「生分解性」とは、有機物の構成元素である炭素、水素が微生物によりそれぞれ二酸化炭素、水まで分解され、最終的に無機化される難易性の程度を意味する。
吐出ケーシング6は水平方向に延び(図1に、水平方向に延びる軸心を1点鎖線Bで示す。)、一端側の開口部6aが吸込ケーシング5の第2開口部5bに接続されている。
吐出ケーシング6内には、軸受ケーシング16が配置されている。軸受ケーシング16は、ガイドベーン17によって吐出ケーシング6に連結されている。軸受ケーシング16内には軸受装置18が設けられている。軸受ケーシング16と羽根車3との間には隙間があり、この隙間により軸受ケーシング16の内外が連通している。なお、軸受ケーシング16の外側には羽根車3によって加圧された流体が流動する。
軸受装置18は、軸受ケーシング16内に配置された軸受箱19を備える。軸受箱19内には軸受室20が形成されている。軸受室20内には、主軸4を回転可能に支持する水中軸受21が収容されている。主軸4が軸受室20に進入する部分は、メカニカルシール10によって軸封されている。軸受装置18は、入口ポート18aと出口ポート18bを備える。入口ポート18aには供給管22の一端が接続されている。出口ポート18bには戻り管25の一端が接続されている。
供給管22は入口ポート18aから軸受ケーシング16及びポンプケーシング2を貫通して外部に延びている。外部に延びる供給管22の他端は、ジョイント23を介して外部に配置したグリスタンク24と戻り管25に接続されている。戻り管25の一端は、出口ポート19bから軸受ケーシング16及びポンプケーシング2を貫通して外部へ延びている。戻り管25の他端は、ジョイント23を介してグリスタンク24(潤滑油タンク)と供給管22に接続されている。
吐出ケーシング6の上方側には吸引ポート6bが設けられ、下方側にはドレーンポート6cが設けられている。吸引ポート6bには、横軸ポンプ1の運転開始時に呼水(満水)のための真空吸引を行う真空ポンプ26が接続されている。
主軸4は、ポンプケーシング2を貫通し、軸心Bに沿って水平方向に延びている。主軸4の一端側に設けた羽根車3は吐出ケーシング6内に配置されている。主軸4の一端は、吐出ケーシング6内であって羽根車3よりも吐出側に位置している。一方、主軸4の他端は吸込ケーシング5を貫通して外部に突出している。主軸4の他端には、軸継手4aを介して原動機等の動力源(図示せず)から回転力が付与される。
ベルマウス27は、図2に示すように、外側ベルマウス部28と内側ベルマウス部29からなる2重構造で、両者は複数の整流板30によって連結されている。
外側ベルマウス部28は中空筒状で、上端開口部から下端開口部に向かうに従って徐々に径方向外側に広がっている。外側ベルマウス部28の上端開口部は吸込ケーシング5の第1開口部5aに接続されている。
内側ベルマウス部29は中空筒状で、同一径寸法で鉛直方向に延びる同径部29aと、下端開口部に向かうに従って徐々に径方向外側に大きくなる拡径部29bとで構成されている。内側ベルマウス部29の中心孔が流体を吸い込む第1流路31を構成する。同径部29aの下方側及び拡径部29bは外側ベルマウス部28の下端から突出している。すなわち、内側ベルマウス部29の同径部29aの下方側及び拡径部29bはベルマウス27の軸心(図2に、鉛直方向に延びる軸心を1点鎖線Cで示す。)に直交する方向から視認可能となっている。
内側ベルマウス部29の拡径部29bには開口部の一例である切欠部32が形成されている。切欠部32は、上方の始点から下方の終点に向かって平面で切除されたような構成となっている。ここでは、始点Sは、同径部29aと拡径部29bの境界である円周上の1点(図2中、最も左側の点S)である。また終点は、ベルマウス27の中心を通る平面と内側ベルマウス部29の下端開口部との交差位置(図2中、ベルマウス27を左右に2等分する点E)である。図2中、左側から内側ベルマウス部29を見たとき、切欠部32は、図3に示すように、上方側中心の始点Sから徐々に両側の終点Eへと円弧状に広がるように開口する。つまり、流動方向上流側から見たとき、第1流路31へとつながる部分が開口することになる。また、図4の底面図(整流板30は省略)に示すように、内側ベルマウス部29の上流側の縁部の位置を、2点鎖線で示す位置から実線で示す位置へと変更することができる。つまり、切欠部32によって形成された開口縁が軸心Cを通る平面へと近づくことになる。これにより、流体をスムーズに内側ベルマウス部29の第1流路31へと導くことが可能となる。
整流板30は、外側ベルマウス部28と内側ベルマウス部29を連結する。ここでは、整流板30は4枚で構成され、外側ベルマウス部28と内側ベルマウス部29の間に形成される空間を4等分する。4等分された空間が流体を吸い込む第2流路33を構成する。各整流板30は、上端の円弧部から徐々に下方側に向かうに従って徐々に湾曲し、下端の円弧部に至っている。また各整流板30は螺旋状、すなわちベルマウス27の下端開口部から上端開口部に向かって徐々に周方向の一方に傾斜するように形成されている。
前記構成の横軸ポンプ1は、例えば、図2に示す吸水槽34内に配置され、吸水槽34に流れ込んだ流体を他の場所へと移送するために使用される。吸水槽34は平面視矩形状で、その一端(図2中、左)側から矢印方向に向かって流体が流入する。横軸ポンプ1は、他端壁の近傍で、内側ベルマウス部29に形成した切欠部32が流体の流動方向上流側に向かうように配置される。
吸水槽34内では、一端側から流入した流体が、他端側に配置した横軸ポンプ1のベルマウス27に衝突し、両側に広がってベルマウス27の下流領域へと流動する。ベルマウス27と吸水槽34の両側壁との隙間は狭く、下流領域への流量が制限される。つまり、ベルマウス27の上流領域で流体が滞留して水位が上昇しやすくなる。一方、下流領域には流体が十分には流入せず、水位は低下する傾向にある。
前述のように、外側ベルマウス部28の下端から突出した内側ベルマウス部29の下方部分に切欠部32が形成されている。このため、横軸ポンプ1を駆動して羽根車3を回転させることにより吸水槽34内に流入した流体を吸水すると、吸水槽34の一端側から流入した流体のうち、幅方向中央部分を流動する流体は主に、切欠部32を介して内側ベルマウス部29の中心孔すなわち第1流路31へと吸い込まれる。また、吸水槽34の幅方向両側部分を流動する流体は主に、内側ベルマウス部29と外側ベルマウス部28の間に形成される第2流路33へと吸い込まれる。
図5は、ベルマウス27の周囲に於ける流体の吸込速度の分布を示す。ベルマウス27の軸心Cに対して2点鎖線が速度分布を示している。切欠部32を形成した流動方向上流側で吸込速度が最も速く、切欠部32を形成しない場合に比べても吸込速度は速くなっている。一方、下流側では逆に吸込速度が遅く、切欠部32を形成しない場合に比べても吸込速度は遅くなっている。つまり、ベルマウス27の上流領域で流体が滞留しにくく、水位の上昇が抑えられる。一方、ベルマウス27の下流領域では、吸込速度が遅くなって水位の低下が抑えられる。
内側ベルマウス部29に切欠部32が形成されていない場合、ベルマウス27の下流領域での水位は臨界没水深さよりも低下してしまう。ここに、臨界没水深さとは、ポンプを駆動して吸水を行った場合、空気吸込渦が発生しない限界深さである。臨界没水深さよりも水位が低下することにより空気吸込渦が発生する。内側ベルマウス部29に切欠部32を形成することにより、流動方向の上流領域での吸込量を増やし、逆に下流領域での吸込量を抑制することができる。これにより、下流領域での水位の低下を抑えることができ、空気吸込渦の発生を抑制することが可能となる。また、下流領域で抑制された吸込量を、上流領域での吸込量で補って全体として十分な吸込量を得ることができる。
また第1流路31は内径寸法が小さいため、吸い込まれた流体が旋回流とはなりにくい。一方、第2流路では、流体の旋回流れが整流板30によって制限されている。このため、ベルマウス27に吸い込む流体が旋回流となりにくく、水中渦が発生しにくくなる。また、第1流路31と第2流路33での流体の流れは、吸込ケーシング5の混合空間7で混合されて一様なものとなる。このため、羽根車3の回転部分でキャビテーションが発生しにくくなる。
このように、前記実施形態に係るポンプによれば、次のような効果が得られる。
(1)ベルマウス27を二重構造とし、第2流路33での流体の旋回流れを整流板30によって制限しているので、水中渦の発生を抑制して、ポンプ内でのキャビテーションの発生を防止することができる。
(2)内側ベルマウス部29に切欠部32を形成し、吸水槽34の流体の流動方向に向かって開口させるだけでよいので、構成が簡単で安価に制作することができる。
(3)内側ベルマウス部29に形成した切欠部32により、流動方向上流領域での水位の上昇を抑え、下流領域での水位の低下を抑制することができる。これにより、空気吸込渦の発生を防止することが可能となる。
本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、以下の通り種々の変更が可能である。
前記実施形態では、開口部を内側ベルマウス部29に形成した切欠部32によって構成したが、内側ベルマウス部29自体を屈曲させた構成とすることもできる。
図6に示す例では、内側ベルマウス部29の下端部を、吸水槽34内の流体の流動方向上流側に向かって屈曲させている。なお、この構成以外は、図1に示すものと同様であるので、対応する部材に同一符号を付してその説明を省略する。
内側ベルマウス部29の屈曲部分では、流動方向上流側が徐々に径方向外側へと広がる湾曲状に形成されており、流動方向下流側に向かうに従って湾曲度合いが小さくなっている。下流側の壁面は内側ベルマウス部29の湾曲軸心Dにほぼ沿っている。そして、内側ベルマウス部29の下端開口部と水平面が所定角度θ(ここでは、約45度)を成している。これにより、内側ベルマウス部29の下端開口部は、流動方向上流側及び鉛直下方側に向かって開口する。つまり、内側ベルマウス部29の下端開口部が本発明の開口部として機能する。角度θを45度とすることで、流動方向上流側及び鉛直下方側に向かう開口面積が同じとなる。角度θを45度よりも大きくすることで、流動方向上流側に向かって開口する開口面積の割合を、鉛直下方側に比べて大きくすることができる。逆に、角度θを45度よりも小さくすることで、鉛直下方側に向かって開口する開口面積の割合を、流動方向上流側に比べて大きくすることができる。このように、鉛直下方側だけでなく、流動方向上流側にも開口するように内側ベルマウス部29の下端開口部を屈曲させることにより、流体を直接、内側ベルマウス部29の中心孔すなわち第1流路31へと吸い込むことができる。
図7はベルマウス27の底面図(整流板30は省略)を示す。ベルマウス27の軸心Cに対して、内側ベルマウス部29を屈曲させることにより得られた下端開口部の開口位置は径方向外側、すなわち流動方向上流側にずれている。したがって、下端開口部が流動方向上流側に向かって開口していることとも相まって、上流領域からの吸込量を増大させると共に、逆に下流領域からの吸込量を減少させることができる。ベルマウス27の軸心Cを中心とする周囲の流体の吸込速度は、図5と同様な分布状態となる。この結果、下流領域での水位の低下を抑えて空気吸込渦の発生を防止することができる。また、下流領域での吸込量の減少分を上流領域での吸込量の増大分で補って全体として吸込量を同等以上とすることが可能となる。
なお、図6に示す内側ベルマウス部29には、流動方向上流側に向かって開口する開口部を形成するようにしてもよい。開口部は、前記実施形態と同様な切欠部32で構成してもよいし、後述する穴35で構成してもよい。これによれば、内側ベルマウス部29の下端開口部をそれほど屈曲させることなく、流動方向上流側の吸込量を増やすことができる。
前記実施形態では、内側ベルマウス部29を流動方向上流側から見たときの開口面積については特に言及しなかったが、必要に応じて自由に調整することができる。すなわち、流動方向上流側の水位が高くなりやすい状況で使用される場合には、開口面積を大きくすればよいし、水位がそれほど高くならない状況で使用される場合には、逆に小さくすればよい。これにより、図5に示す速度分布を変化させ、水位が十分に高くなる領域であれば吸込速度を大きくし、それほど高くならない領域であれば小さくすることができる。
前記実施形態では、切欠部32は、下方に向かうに従って徐々に下流側に傾斜するように斜めに形成したが、これに限らず、鉛直下方に向かって形成してもよいし、ベルマウス27を2分する位置まで形成しなくても、その手前までとしてもよい。また切欠部32は、直線状に切除した構成としなくても、湾曲状に切除した構成であってもよい。図8は、図2と同じベルマウス27の正面図で、切欠部32を鉛直下方に向かって形成した例を示す。但し、切欠部32は、ベルマウス27を2分する2点鎖線で示す位置までの範囲で自由に形成することができる。切欠部32の形状を変更することにより、吸込速度の速度分布を調整することができる。すなわち、実線で示す位置から2点鎖線で示す位置に向かうに従って速度分布を上流側だけでなく両側にも広げることができる。
前記実施形態では、内側ベルマウス部29に形成した切欠部32によって開口部を構成するようにしたが、図9に示すように、周囲がつながった穴35で構成してもよい。形成する穴35は1つだけであってもよいし、図10に示すように、複数箇所に形成するようにしてもよい。穴35の数、サイズあるいは形成位置は自由に設定することができる。穴35の数を多くすることにより、開口面積の合計値は同じでも、流動抵抗を増大させて吸込速度を抑制することができる。
前記実施形態では、開口部を内側ベルマウス部29の拡径部29bに形成するようにしたが、ベルマウス27の軸心Cに直交する方向から視認可能な位置であれば、どの位置に形成するようにしてもよい。例えば、同径部29aに形成してもよいし、拡径部の一部に形成するようにしてもよい。
前記実施形態では、開口部を内側ベルマウス部29の1箇所にのみ形成するようにしたが、複数箇所に形成することも可能である。例えば、図11に示すように、2方向から流体が流入するタイプの吸水槽34であれば、各流体の流入方向に向かって開口するように開口部(ここでは、切欠部32)を形成するようにすればよい。但し、開口部を形成した位置とは反対側には開口部が形成されていない壁面が位置しているのが好ましい。このように、ベルマウス27の周囲で水位が高くなりやすい部位で流体を積極的に吸い込むことにより水位を安定させることができる。
前記実施形態では、ベルマウス27を外側ベルマウス部28と内側ベルマウス部29からなる二重構造としたが、これに限らず、三重構造以上とすることもできる。例えば、三重構造とする場合、外側ベルマウス部28と内側ベルマウス部29の間に、筒状の中間ベルマウス部を配置すればよい。この場合、内側ベルマウス部29の中心孔の周囲に、環状の通路が二重に形成されることになる。内側の環状通路を仕切る整流板30と外側の環状通路を仕切る整流板30とで形成する旋回流の旋回角度を相違させるようにしてもよい。例えば、径方向内側に形成される環状通路に比べて径方向外側に形成される環状通路の旋回角度を小さくすることにより、より旋回流が発生しやすい径方向外側での流れを規制して羽根車への流動状態を安定させることができる。
前記実施形態では、横軸ポンプ1について説明したが、縦軸ポンプ36であっても、ベルマウス27を多重構造とし、内側ベルマウス部29に開口部を形成するようにしてもよい。図12に縦軸ポンプの例を示す。この縦軸ポンプは、ポンプケーシングの一例である揚水管37内に、下端部に羽根車38を有する主軸39を配置した構成である。揚水管37は中空筒状で、その軸心が鉛直方向に沿って延びている。揚水管37の上端開口部には吐出エルボ40が接続されている。吐出エルボ40は側方に屈曲し、その先端が水平方向に開口している。揚水管37の下端開口部には羽根車収容部41、さらにその下方には前記実施形態と同様なベルマウス27が揚水管37と同一軸心上に接続されている。ベルマウス27は、外側ベルマウス部28及び内側ベルマウス部29で構成され、内側ベルマウス部29には流動方向上流側に向かって開口する切欠部32や穴35からなる開口部が形成されている。図12は、内側ベルマウス部29に切欠部32を形成した例を示す。縦軸ポンプ36であっても、前記横軸ポンプ1の場合と同様に、ベルマウス27を吸水槽34内の流体内に浸漬し、羽根車38を回転させれば、上流領域での水位の上昇を抑えつつ、下流領域での臨界没水深さ以下への水位の低下を防止することができる。
1…横軸ポンプ
2…ポンプケーシング
3…羽根車
4…主軸
5…吸込ケーシング
6…吐出ケーシング
7…混合空間
8…筒部
9…保護機構
10…メカニカルシール
11…支持部
12…ラジアル軸受
13…スラスト軸受
14…覗き孔
15…グリスタンク
16…軸受ケーシング
17…ガイドベーン
18…軸受装置
19…軸受箱
20…軸受室
21…水中軸受
22…供給管
23…ジョイント
24…グリスタンク
25…戻り管
26…真空ポンプ
27…ベルマウス
28…外側ベルマウス部
29…内側ベルマウス部
30…整流板
31…第1流路
32…切欠部
33…第2流路
34…吸水槽
35…穴
36…縦軸ポンプ
37…揚水管
38…羽根車
39…主軸
40…吐出エルボ
41…羽根車収容部

Claims (5)

  1. 中空筒状で、下端側にベルマウス接続されるポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシングを貫通し、一端側に前記ポンプケーシング内に配置される羽根車を有する主軸と、
    を備え、
    前記ベルマウスは、
    前記ポンプケーシングに接続される外側ベルマウス部と、
    前記外側ベルマウス部の内側に配置され、一部が前記外側ベルマウス部の下端から突出する内側ベルマウス部と、
    前記外側ベルマウス部と前記内側ベルマウス部との間を連結し、内部空間を複数の流路に分割する整流板と、
    を少なくとも備え、
    前記内側ベルマウス部は、前記ベルマウスの軸心に直交する方向から視認可能な領域に開口部を有し、
    前記開口部は、前記内側ベルマウス部の軸心が下端部で屈曲することにより、前記ポンプケーシングの軸心に直交する方向から視認可能とする下端開口部で構成されている、ポンプ。
  2. 前記ベルマウスを吸水槽内の流体中に配置した状態で、前記吸水槽内での流動方向上流側から下流側に向かって前記開口部を視認可能に配置されている、請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記ベルマウスと前記羽根車の間に、前記内側ベルマウス部の中心孔を流動する流体と、前記外側ベルマウス部と前記内側ベルマウス部の間の空間を流動する流体とを混合させる混合空間を有する、請求項1又は2に記載のポンプ。
  4. 前記主軸は、水平方向に延びるように配置されている、請求項1からのいずれか1項に記載のポンプ。
  5. 前記ベルマウスは、外側ベルマウス部と内側ベルマウス部とからなる二重構造である、請求項1からのいずれか1項に記載のポンプ。
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