JP3861938B2 - プリンタの制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙送り手段と印字ヘッドを左右に移動させる手段とを有するプリンタの制御方法に関し、特に機種ごとに異なる最小紙送り量を有するプリンタの紙送り制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタに印字させる時には、各機種毎に最小ピッチ量が異なるので、アプリケーションソフトウェアを開発するときにはプリンタ各機種毎の最小ピッチ単位でプログラミングを行わなければならない煩雑さが挙げられた。
【0003】
紙送り機構に関しては、1行あたりの紙送り量を最小ピッチ×nに設定する制御方法があるが、プリンタの機種毎により実際の紙送り量が異なるため、アプリケーションソフトを数機種のプリンタに用いる場合、それぞれのプリンタの仕様に合わせ込むためアプリケーションソフトを再度変更しなければならない。即ち、1行のピッチを同一にする場合には、nの値をプリンタ毎に設定しなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、プリンタを用いたシステムの開発に関して、開発期間短縮、開発コスト節減、開発要員削減の方向に向かうとき、それぞれの用途、即ち使用するプリンタの機種に応じてアプリケーションソフトを再度開発し直すのは、大きなロスといえる。
【0005】
本発明は、かかる欠点に鑑みてなされたものであり、アプリケーションソフトウェアを再度開発しなおす手間を省くため、プリンタのコントロールボード上の制御プログラムにおいて、この部分を調整する制御方法を組み入れる。つまり、プリンタの各機種毎に異なる最小ピッチ量をアプリケーションソフトで統一化するための換算方法を制御プログラム内に組み入れる。以下、この換算方法で得られる統一化されたピッチを、便宜上基本計算ピッチと呼ぶこととする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリンタの制御方法は、固有最小ピッチが互いに異なる第1のプリンタと第2のプリンタの紙搬送方向の改行量を同一にするプリンタの制御方法であって、前記第1のプリンタが、紙搬送方向の送りピッチに関する第1の数値を引数として含む基本計算ピッチ設定コマンドをホストコンピュータから受信し、前記第2のプリンタが、前記第1の数値と同一の数値を引数として含む基本計算ピッチ設定コマンドをホストコンピュータから受信し、前記第1のプリンタは、前記第1の数値の逆数と第1のプリンタの紙搬送方向の固有最小ピッチの逆数とを乗算して当該紙搬送方向の第1の変換係数を決定し、前記第2のプリンタは、前記第1の数値の逆数と第2のプリンタの紙搬送方向の固有最小ピッチの逆数とを乗算して当該紙搬送方向の第2の変換係数を決定し、前記第1のプリンタは、改行量に関する第2の数値を引数として含む改行量設定コマンドをホストコンピュータから受信し、前記第2のプリンタは、前記第2の数値と同一の数値を引数として含む改行量設定コマンドをホストコンピュータから受信し、前記第1のプリンタは、前記第2の数値と前記第1の変換係数とを乗算して得られた数値に基づいて紙送り量を制御し、
前記第2のプリンタは、前記第2の数値と前記第2の変換係数とを乗算して得られた数値に基づいて紙送り量を制御することを特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明の構成によれば、今まで各機種毎に異なっていたプリンタの最小ピッチ量が制御プログラム内において換算される。これにより、ユーザが数機種のプリンタに適用するアプリケーションソフトウェアを開発する場合、一つのアプリケーションソフトをもとに最低限のソフト変更を行うだけで対応できる。今まではコマンドによる紙送り量の設定や印字位置の指定などをプリンタに固有の最小ピッチ単位で行っていたが、本発明によればプリンタの機構部への依存を最小限にとどめて、コマンドによる紙送り量の設定などを例えばインチ単位で設定できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のプリンタの一実施例で、プリンタの主要な構成をなす印字ヘッドと、紙送り機構を示す概略図である。10は紙送り駆動源となるステッピングモータ。11は印字ヘッドであり、当該印字ヘッドを搭載するキャリッジが、ステッピングモータ15及びこれに接続されたベルト16によって順次左右に移動されるのに同期して駆動され、所望の文字や記号を印字するものである。一実施例として分かりやすくするために、図では印字ヘッド11が矢印A方向へ移動するときに印字する状態を示している。12はプラテンであり普通は硬質材料を用いる。13は印字紙である。14は紙送りローラであり、印字ヘッド11により所望の一行分の印字が終了すると、紙送り用ステッピングモータ10が駆動されることにより紙送りローラ14が回転し印字紙13が矢印B方向へ1ライン分導出される。18は印字ヘッド11のホームポジション検出手段であり、アンプ内蔵フォトセンサが用いられている。印字ヘッド11のホームポジションを検出し、キャリッジの移動が正常であるかどうかの判定に用いられる。
【0009】
本例のプリンタでは、印字ヘッド11の搬送機構の主要構成部品はステッピングモータ15とこれに接続されたベルト16であり、水平方向の最小ピッチ量を決める要因となる。また、用紙搬送機構の主要構成部品はステッピングモータ10と減速歯車を介して係合された紙送りローラ14であり、垂直方向の最小ピッチ量を決める要因となる。
【0010】
ここで、図1に示したプリンタは一例でありこれに限るものではない。例えば、印字ヘッドの搬送と用紙の搬送が同じモータで駆動されるプリンタでもよい。
【0011】
図2は、本発明のプリンタの駆動方法の構成を示す説明図である。20はデータを入力するインターフェイス、21はCPU、22、23、24、31はI/Oポート、25はROM、26はRAM、29はプリンタ機構部、28、32はプリンタ機構部内のモータを駆動制御するモータドライバ、27は印字ヘッドを駆動制御するヘッドドライバ、30は紙送り用スイッチをそれぞれ示している。RAM26内には、印字データをそのまま格納する入力バッファと印字データをプリンタの印字ヘッド部のドットデータに変換して格納する印字バッファを有している。CPU21はROM25内に格納されたプログラムコードにしたがってプリンタ全体を統括制御する。ROM25内にはプログラムコードの他に文字フォントをデータ化したキャラクタジェネレータが格納されている。一般にプリンタはインターフェイス20から入力される文字列データから特定のコードを読みとってこれらの要求するコマンドを解釈し、これに応じた制御をしながら印字動作を行っている。モータドライバ28は図1に示したキャリッジ用ステッピングモータ15を駆動し、モータドライバ32は紙送り用ステッピングモータ10を駆動するためのものである。紙送りスイッチ30は一般的にはプリンタ完成品としてまとめたとき、プリンタ本体の表面に操作パネルの一部として配置されるのが普通であり、このスイッチの信号はI/O24を介してCPU21に入力される。
【0012】
本発明のプリンタの制御方法は、ROM25内に格納されているプログラムコードにおいて、プリンタメカニズムに依存して機種毎に異なる紙送り量を統一化するための基本計算ピッチの制御方法を持たせている。
【0013】
図3に、本発明によるプリンタの制御方法のフローチャートを示す。図3(a)は基本計算ピッチ設定方法のフローチャートであり、図3(b)は基本計算ピッチに関わる制御コマンドの処理方法のフローチャートである。
【0014】
尚、本発明に用いる異なる機種のプリンタは全て、外部ホストコンピュータからインターフェイス20を介して入力される同一のコマンド体系を用いて制御されるものとする。従って、当該コマンド体系に属する制御コマンドを用いることにより同一のデバイスドライバ又はアプリケーションソフトを用いることができる。上述の基本計算ピッチとは、プリンタメカニズムの最小ピッチの代わりに、ソフトウェアによる仮想的な最小ピッチを設定するものである。これを実行するコマンドを、
GS P n1 n2
と規定する。ここに、GSとPとは制御コードであり、n1、n2は変数でユーザが各プリンタの仕様に合わせて設定する。n1は横方向のピッチを換算する変数で、n2は縦方向のピッチを換算する変数である。
【0015】
CPU21が基本計算ピッチ設定コマンドを認識すると、図3(a)に示すフローチャートに従って基本計算ピッチを設定する。ステップ101では、変数n1、n2を変数N1、N2としてメモリに格納する。N1、N2は初期値として、プリンタに固有の最小ピッチが設定されている。例えば横方向の最小ピッチが1/150インチ、縦方向の最小ピッチが1/144インチであるプリンタにおいては、N1=150、N2=144に設定されている。ステップ102において、ユーザがN1=0、N2=0に設定していないかの判断を行う。そのように設定している場合は、設定値が0になることはありえないので、ステップ103にてN1及びN2は上記の初期値に再設定される。こうしてコマンドの変数n1、n2に応じて仮想的な最小ピッチN1、N2が設定される。また、基本計算ピッチの設定は上記コマンドの他に、プリンタの制御基板上に設けたDIPスイッチによる設定としてもよい。この場合プリンタは、例えば初期化時にDIPスイッチの状態を検出しこの結果に応じてN1,N2を設定するものである。
【0016】
上述のように、N1,N2が初期値の状態であればプリンタメカニズムは横方向ピッチが最小1/150インチで制御され、縦方向ピッチは最小1/144インチで制御されることになる。また、N2=240に設定すると、プリンタは横方向ピッチが最小1/150インチで、縦方向ピッチは最小1/240インチで制御されることになる。このような値はプリンタのメカニズムに固有の値であるので、異なるプリンタメカニズム間では、最小ピッチが異なってしまい、これを調整するためには紙送り量及びキャリッジ送り量に関する設定をプリンタメカニズム毎に変更しなければならない。
【0017】
このような場合、本発明のプリンタの制御方法を、例えばプリンタのイニシャライズ時に行うと、ピッチに関係する制御コマンドを実行するときには、最小ピッチを考えることなく、紙送り量あるいは印字文字の位置をインチ単位で考えればよい。具体的な計算方法を以下に示す。紙送りの最小ピッチが異なる2つのプリンタメカの一例をあげる。即ち、プリンタA及びプリンタBの最小ピッチをそれぞれ1/144インチ、1/240インチとする。この場合において、たとえば、改行量設定コマンド「ESC 3 n」による改行量を同一にすることが可能となる。ここで、「ESC」と「3」は制御コードで、「n」はユーザが指定する変数である。
【0018】
以下、説明の便宜上、縦方向、即ち改行量に関係する方向の送り量についてのみ説明する。プリンタA及びBは、それぞれのプリンタ機構の有する最小ピッチ(本例では紙送り用ステップモータの一ステップあたりの紙送り量とする)を知っており、この値と制御コマンドで指定された紙送り量とからステップモータの回転ステップ数を算出する。そして、改行コマンドに対応して当該ステップ数だけステップモータを駆動して、改行を行う。今、基本計算ピッチを初期値の状態にし、「ESC 3 (48)」とすると、プリンタA及びBの改行量はそれぞれ以下の通りである。
【0019】
プリンタA:48×(1/144)=1/3インチ
プリンタB:48×(1/240)=1/5インチ
次に図3(b)のフローチャートに基づいて、基本計算ピッチを変更した場合について説明する。先ず、基本計算ピッチコマンド「GS P (0) (720)」を受信すると、プリンタA及びBはこれに基づいて変換係数を計算する(ステップ201)。プリンタAの固有最小ピッチPaは1/144インチであるから、変換係数Kaを
Ka=1/(n2×Pa)=144/720=1/5
と設定する。また、プリンタBの固有最小ピッチは1/240インチであるから、変換係数Kbを
Kb=1/(n2×Pb)=240/720=1/3
と設定する。そしてその後、改行量設定コマンド「ESC 3 (144)」を実行する(ステップ202)。これにより改行量は以下のように設定される。
【0020】
プリンタA:n×Ka×Pa=144/(5×144)=1/5インチ
プリンタB:n×Kb×Pb=144/(3×240)=1/5インチ
従って、この場合のプリンタA及びBの改行量は共に1/5インチとなる。ここで、n×Ka、n×Kbはそれぞれ改行時のステップモータの駆動パルス数を表すことに注意しなければならない。このように、基本計算ピッチコマンドを用いてピッチ計算を行うので、プリンタメカニズムの相違は改行量設定コマンド「ESC 3 n」の実行結果には影響しない。
【0021】
また、基本計算ピッチ設定コマンドの変数n1、n2をN1、N2として格納するかわりに、変数n1、n2から直接変換係数Kを計算しこれをメモリに格納しておく方法でもよい。この場合プリンタは初期値としてK=1が設定されている。改行量設定コマンドを受信したときは、格納されている変換係数Kと変数nをもとに相対移動量を求めることができる。なお、計算による誤差を少なくするためには、先に示した図3の例のように変換係数を都度計算する方法が好ましい。
【0022】
上記のとおり、ステップ101、103で設定された基本計算ピッチに基づいて、ステップ201、202においてプリンタ制御コマンドを実行する。上記の制御コマンド体系のうち、改行量設定コマンドと同類のコマンド、即ち改行量の設定やキャリッジ送り量の設定にかかわるコマンドは以下の通りである。
【0023】
印字および紙送り
印字および逆方向紙送り
文字の右スペース量の設定
文字の位置指定
左マージンの設定
印字領域の設定
これらのコマンドは紙送り機構および印字文字の位置に関係するため、プリンタメカニズムの最小ピッチの違いにより、通常ならば各コマンドの変数をすべて合わせ込まなければならない。しかし、本発明のプリンタ制御方法を用いることにより、基本計算ピッチコマンドの変数を一度設定するだけでこれらのコマンドの変数を変えることなく制御することができる。即ち、プリンタメカニズムへの依存を基本計算ピッチコマンドの変数の設定という、最小限の処理にとどめて、以降はインチ単位で上記の送り量の設定をすることが可能である。
【0024】
さらに、本発明のプリンタ制御方法である基本計算ピッチコマンドを実行しても、すでに設定されている各種プリンタの設定は変わらない。即ち、前記の印字および紙送り、印字および逆方向紙送り、文字の右スペース量の設定、改行量の設定、文字の位置指定、左マージンの設定、印字領域の設定などの設定は影響を受けない。他機種プリンタで開発したアプリケーションソフトを変更する場合、プリンタのイニシャライズ時に本発明の基本計算ピッチコマンドを実行するようにプログラムを変更すれば、その他のコマンドについては変更する必要がない。
【0025】
このような制御方法により、各機種毎に異なるプリンタメカニズムの最小ピッチ量をソフトウェア上で仮想的に統一化し、ユーザが通常のコマンドを用いてインチあるいは他の単位系の単位で、デバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアを開発できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明のプリンタによれば、各機種ごとに異なる最小ピッチ量の統一化を図るための換算機能を制御方法としてプリンタにもたせた。ユーザは特定のコマンドをプログラミングすることによりこれを簡単に実行することができる。また、数機種のプリンタをある一つのアプリケーションソフトウェアをもとにして開発する場合、本発明の制御方法をもちいて最小限のソフトウェア変更を行うだけで対応できる。通常の制御コマンドはこの場合影響を受けず、また、すでに設定されているプリンタの各種設定も影響を受けることはない。これによってユーザのアプリケーションソフトウェアにかかる負担が軽減され、よりユーザフレンドリーなプリンタを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いるプリンタの概略図。
【図2】 本発明のプリンタの駆動方法の構成を示す説明図。
【図3】 本発明のプリンタの制御方法のフローチャート。
【符号の説明】
10・・・紙送り用ステッピングモータ
11・・・印字ヘッド
12・・・印字プラテン
13・・・印字紙
14・・・紙送りローラ
15・・・キャリッジ用ステッピングモータ
16・・・キャリッジベルト
18・・・ホームポジション検出手段
29・・・プリンタ機構部
30・・・紙送りスイッチ(PF スイッチ)
Claims (1)
- 固有最小ピッチが互いに異なる第1のプリンタと第2のプリンタの紙搬送方向の改行量を同一にするプリンタの制御方法であって、
前記第1のプリンタが、紙搬送方向の送りピッチに関する第1の数値を引数として含む基本計算ピッチ設定コマンドをホストコンピュータから受信し、
前記第2のプリンタが、前記第1の数値と同一の数値を引数として含む基本計算ピッチ設定コマンドをホストコンピュータから受信し、
前記第1のプリンタは、前記第1の数値の逆数と第1のプリンタの紙搬送方向の固有最小ピッチの逆数とを乗算して当該紙搬送方向の第1の変換係数を決定し、
前記第2のプリンタは、前記第1の数値の逆数と第2のプリンタの紙搬送方向の固有最小ピッチの逆数とを乗算して当該紙搬送方向の第2の変換係数を決定し、
前記第1のプリンタは、改行量に関する第2の数値を引数として含む改行量設定コマンドをホストコンピュータから受信し、
前記第2のプリンタは、前記第2の数値と同一の数値を引数として含む改行量設定コマンドをホストコンピュータから受信し、
前記第1のプリンタは、前記第2の数値と前記第1の変換係数とを乗算して得られた数値に基づいて紙送り量を制御し、
前記第2のプリンタは、前記第2の数値と前記第2の変換係数とを乗算して得られた数値に基づいて紙送り量を制御することを特徴とするプリンタの制御方法。
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JP8-55213 | 1996-03-12 | ||
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Family Applications (1)
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JP05786797A Expired - Lifetime JP3861938B2 (ja) | 1996-03-12 | 1997-03-12 | プリンタの制御方法 |
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1997
- 1997-03-12 JP JP05786797A patent/JP3861938B2/ja not_active Expired - Lifetime
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