JP3861283B2 - ガリウム含有廃水の処理方法 - Google Patents
ガリウム含有廃水の処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3861283B2 JP3861283B2 JP2001333433A JP2001333433A JP3861283B2 JP 3861283 B2 JP3861283 B2 JP 3861283B2 JP 2001333433 A JP2001333433 A JP 2001333433A JP 2001333433 A JP2001333433 A JP 2001333433A JP 3861283 B2 JP3861283 B2 JP 3861283B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gallium
- adsorption
- agent
- desorbed
- detachment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Water Treatment By Sorption (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガリウム含有廃水の処理装置及び処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、化合物半導体のウエハー製造工場、デバイス製造工場等から排出されるガリウム含有廃水を処理して、希少かつ有価金属であるガリウムを効率的に回収することができるガリウム含有廃水の処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
III−V族化合物半導体は、周期表のアルミニウム、ガリウム、インジウム等のIII族の元素と、リン、ヒ素、アンチモン等のV族の元素を組み合わせたもので、GaAs、GaAsP、GaP、GaN、GaAlAs、InGaAs、InGaP、InP等が化合物半導体として知られている。これらの化合物半導体を用いると、レーザー発光や、シリコン基板より高速で動く電子を発生させることが可能となり、半導体レーザー、受光素子、マイクロ波半導体、高速デジタルIC等の製造が可能となる。しかし、これらの金属元素のうち、ガリウムはシリコンに比べて地球上にごくわずかしか存在せず、高価かつ希少な金属であり、原料の入手過程や、結晶精製過程のコストを考えると、シリコンに比べて割高である。
従って、ウエハー製造メーカーやデバイス製造メーカーでは、ガリウムを回収することが行われている。ガリウムは、ウエハー製造メーカーであれば、インゴットからウエハーを切り出すスライシング工程や、ウエハー表面の研磨を行うラッピング工程、ポリッシング工程から研削屑として排出されたり、あるいは、ウエハーの硝酸、塩酸、硫酸、リン酸等の酸又はアンモニア水等のアルカリによる洗浄に際して、洗浄後の濃厚排液や、水洗後の希薄排液中にイオン状で含有されて排出される。また、デバイス製造メーカーにおいても、スライシング工程やウエハー上のチップを切り出すダイシング工程から研削屑として排出されたり、あるいは、ウエハー製造メーカーと同様に、酸・アルカリ洗浄液の濃厚排液、希薄排液中にイオン状で含有されて排出される。
従来、ガリウムの回収手段として、研削屑の場合は膜分離手段で回収したり、イオン状の場合はキレート樹脂により吸着し、脱離液を通水してガリウムを回収することが行われている。しかしながら、イオン状のガリウムを回収する場合、吸着時のpHが低いために、濃厚な薬液を用いて再生する必要が生じ、また濃縮設備への流量が大きいために、濃縮設備の大型化が避けられず、コストが嵩む結果となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、化合物半導体のウエハー製造工場、デバイス製造工場等から排出されるガリウム含有廃水を処理して、希少かつ有価金属であるガリウムを低コストにて高濃度で効率的に回収することができるガリウム含有廃水の処理装置及び処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ガリウム含有廃水中のガリウムを吸着するとともに、吸着されたガリウムを吸着手段から脱離剤により脱離して得られる脱離液のうち、ガリウム濃度の高い脱離液を濃縮し、ガリウム濃度の低い脱離液を脱離剤として、あるいは、脱離剤の濃度調整に再利用することにより、ガリウム含有廃水からガリウムを余すことなく、低コストで効率よくかつ高濃度で回収し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)pH1〜2 . 5又はpH9 . 5〜12のガリウム含有廃水をガリウム吸着手段に通水して該廃水中のガリウムを吸着し、吸着されたガリウムを吸着手段から脱離剤により脱離し、吸着手段から流出する脱離液を濃縮してガリウムを回収するガリウム含有廃水の処理方法において、脱離したガリウムを含んだ脱離液の一部をガリウム脱離手段へ返送し、ガリウム吸着手段を超純水により押し出し洗浄及び逆洗し、洗浄及び逆洗の廃水を脱離剤を調整する際の希釈液として再利用するため返送することを特徴とするガリウム含有廃水の処理方法、
(2)ガリウム脱離手段が、ガリウム吸着手段に供給される脱離剤を貯留する脱離剤貯槽と、脱離剤をガリウム吸着手段へ送液する脱離剤ポンプとを有する第1項記載のガリウム含有廃水の処理方法、
(3)ガリウム吸着塔から流出するガリウムを含んだ脱離液の一部をガリウム脱離手段へ返送するに際して、ガリウム吸着塔から流出するガリウムを含んだ脱離液を脱離剤貯槽に返送する第1項記載のガリウム含有廃水の処理方法、及び、
(4)pH1〜2 . 5又はpH9 . 5〜12のガリウム含有廃水をガリウム吸着手段に通水して該廃水中のガリウムを吸着し、吸着されたガリウムを吸着手段から脱離剤により脱離し、吸着手段から流出する脱離液を濃縮してガリウムを回収するガリウム含有廃水の処理方法において、脱離したガリウムを含んだ脱離液の一部をガリウム脱離手段へ返送し、前記ガリウムの吸着をpH3以下で吸着したときは、脱離剤のpHを、吸着時の通水pHよりも低pHとし、前記ガリウムの吸着をpH9以上で吸着したときは、脱離剤のpHを、吸着時の通水pHよりも高pHとすることを特徴とするガリウム含有廃水の処理方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(5)脱離液の最初の2〜15容量%分と最後の18〜35容量%分を脱離剤の調製に再利用し、中間の50〜80容量%分の脱離液を濃縮する第4項記載のガリウム含有廃水の処理方法、及び、
(6)ガリウム吸着手段からガリウムを脱離剤により脱離したのち、ガリウム吸着手段を超純水により押し出し洗浄及び逆洗する第4項記載のガリウム含有廃水の処理方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のガリウム含有廃水の処理装置の一態様の系統図である。本態様の装置には、pH調整手段、固液分離手段、処理水槽、ガリウム吸着手段、ガリウム脱離手段、ガリウム濃縮手段及びヒ素除去手段に加えて、脱離したガリウムを含有する脱離液の一部を、ガリウム脱離手段に返送する脱離液返送手段が備えられている。
本発明装置においては、固液分離手段の前段又は後段に、酸又はアルカリを添加するpH調整手段を設けることが好ましい。pH調整手段としては、例えば、ガリウム含有廃水を原水槽に導入して酸又はアルカリを添加し、所定のpHに調整するためのpH調整計、pH調整剤添加手段等を挙げることができる。ガリウムは、pH3以下又はpH9以上でGa(III)イオンとなって水に溶解するので、処理するガリウム含有廃水のpH等を考慮して、調整するpHの値を選ぶことができる。pH調整に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等を挙げることができる。pH調整に用いるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。図1に示す態様においては、pH調整手段が固液分離手段の前段に設けられているが、pH調整手段は、固液分離手段の後段に設けることもできる。
【0006】
本発明装置においては、ガリウム含有廃水中の懸濁固形物を除去する固液分離手段を設けることが好ましいが、懸濁固形物を含まない場合は省略しても良い。固液分離手段としては、例えば、膜分離装置、ろ過装置等を挙げることができる。固液分離手段を設けてガリウム含有廃水中の懸濁固形物を除去することにより、後段に設けるガリウム吸着手段に与える悪影響を防止することができる。膜分離装置に用いる膜としては、例えば、有機膜、セラミック膜等を挙げることができ、セラミック膜を好適に用いることができる。セラミック膜としては、例えば、酸化アルミナを焼結したモノリス型のセラミック膜や、窒化珪素を焼結し、球状のα型結晶をなくし、主として柱形のβ型結晶からなる単層ハニカム構造のセラミック膜等を挙げることができる。これらの中で、主として柱形のβ型窒化珪素結晶からなる単層ハニカム構造のセラミック膜を特に好適に用いることができる。この構造の膜は、モノリス型の従来のセラミック膜に比べ、気孔率が大きく取れることも相まって、低流速でも高フラックスが得られる。セラミック膜としては、孔径が0.002〜0.5μmの限外ろ過膜又は精密ろ過膜級の膜を使用し、0.01〜0.5Mpaの圧力で、循環槽へ濃縮水を循環するクロスフローによる回分式又は半回分式あるいは全量ろ過で膜分離することが好ましい。
本発明装置においては、固液分離手段とガリウム吸着手段の間に、固液分離手段の処理水を貯留する処理水槽を設けることが好ましい。処理水槽を設けることにより、固液分離手段の処理水を一時貯留して、固液分離手段とガリウム吸着手段の処理量の変動を緩衝することができる。
【0007】
本発明装置は、ガリウム含有廃水中のガリウムを吸着するガリウム吸着手段を有する。ガリウム吸着手段としては、例えば、キレート樹脂等のガリウム吸着樹脂を充填したガリウム吸着塔等を挙げることができる。キレート樹脂としては、例えば、イミノ二酢酸型、リン酸型、アミノメチルリン酸型、ポリアミン型、アミノカルボン酸型樹脂等を挙げることができる。これらの中で、リン酸型樹脂は、ガリウムの吸着量が大きく、ガリウムに対する選択性に優れているので、特に好適に用いることができる。ガリウム吸着塔に通水するガリウム含有廃水は、pH1〜2.5又はpH9.5〜12に調整し、空間速度10h-1以下で通水することが好ましく、0.5〜5h-1で通水することがより好ましい。
本発明装置は、ガリウム吸着手段に吸着されたガリウムを、吸着手段から脱離剤により脱離するガリウム脱離手段を有する。本発明装置のガリウム脱離手段に特に制限はないが、ガリウム吸着手段に供給される脱離剤を貯留する脱離剤貯槽と、脱離剤をガリウム吸着手段に送液する脱離剤供給ポンプとを有する手段であることが好ましい。ガリウムは両性であり、酸、アルカリのいずれの薬液にも溶解するので、ガリウム吸着手段に吸着されたガリウムは、塩酸、硫酸、硝酸等の酸又は水酸化ナトリウム等のアルカリを脱離剤として脱離することができる。これらの中で、塩酸又は硫酸は、脱離率が高いので特に好適に用いることができる。塩酸を脱離剤として用いるとき、その濃度は1〜6モル/Lであることが好ましく、2〜3モル/Lであることがより好ましい。硫酸を脱離剤として用いるとき、その濃度は0.5〜3モル/Lであることが好ましく、1.5〜2モル/Lであることがより好ましい。水酸化ナトリウム水溶液を脱離剤として用いるとき、その濃度は1〜6モル/Lであることが好ましく、2〜3モル/Lであることがより好ましい。脱離剤のpHは、pH3以下で吸着させたときは、吸着時の通水pHよりも低pHとし、pH9以上で吸着させたときは、吸着時の通水pHより高pHとする。
【0008】
本発明のガリウム含有廃水の処理方法においては、ガリウム吸着手段によりガリウム含有廃水中のガリウムを吸着し、吸着されたガリウムを吸着手段から脱離剤により脱離し、吸着手段から流出する脱離液を濃縮してガリウムを回収するガリウム含有廃水の処理方法において、吸着手段から流出する脱離液の最初の0〜20容量%分、より好ましくは2〜15容量%分と、最後の15〜40容量%分、より好ましくは18〜35容量%分を脱離剤として、あるいは、脱離剤の濃度調整に再利用し、中間の40〜85容量%分、より好ましくは50〜80容量%分の脱離液を濃縮する。
本発明方法においては、ガリウム脱離手段において、ガリウム吸着樹脂の3容量倍(BV)程度の脱離剤を通液することが好ましい。図2は、ガリウム脱離液量と脱離液中のガリウム濃度の関係を示すグラフの一例である。ガリウム吸着樹脂の3BVの脱離剤を通液すると、脱離液の最初の2〜20容量%分と、脱離液の最後の15〜40容量%分はガリウム濃度が低く、中間の40〜83容量%分はガリウム濃度が高い。脱離液中のガリウムの濃度は、蓄積されたデータに基づき、通液した脱離剤の量や、接触時間等に基づいて判断することができる。
本発明装置及び本発明方法によれば、ガリウム濃度の低い最初と最後の脱離液を除き、中間のガリウム濃度の高い脱離液のみを濃縮することにより、濃縮すべき総液量を減らし、効率的にガリウムの濃縮を行うことができる。また、ガリウム濃度の低い最初と最後の脱離液であっても、濃厚な脱離剤が含まれている場合は、この脱離液を脱離剤として、薄い場合は脱離剤の濃度調整に再利用することにより、塩酸等の脱離剤を再利用し、脱離液に含まれるガリウムを余すことなく回収することができる。ガリウム濃度の低い最初の脱離液は比較的少量なので、運転操作の便宜上、脱離剤の調製に再利用せず、濃縮することもできる。
【0009】
本発明方法においては、ガリウム脱離手段によるガリウム吸着手段からのガリウムの脱離が終了したとき、超純水によるガリウム吸着手段の押し出し洗浄及び逆洗を行うことが好ましい。押し出し洗浄及び逆洗を行うことにより、ガリウム吸着手段に残存する塩酸等の脱離剤を、超純水で置き換えることができる。押し出し洗浄及び逆洗の廃液は、脱離剤を調製する際の希釈液として再利用することができる。
図3は、本発明装置のガリウム吸着手段、脱離手段、濃縮手段及び脱離液返送手段の一態様の工程系統図である。ガリウム吸着塔1に吸着されたガリウムが、脱離剤貯槽2から脱離剤ポンプ3により送液される脱離剤により脱離され、脱離されたガリウムを含む脱離液がガリウム吸着塔から流出する。脱離液中のガリウム濃度が高いものは、脱離液は配管L1を経由して濃縮設備4に送られ、濃縮され回収される。脱離液中のガリウム濃度が低いものは、脱離液は配管L2を経由して脱離剤貯槽2へ返送される。脱離剤貯槽へ返送される脱離液は、配管L21を経由して直接脱離剤貯槽へ返送することができ、あるいは、配管L22を経由していったん希釈水貯槽5に貯留したのち、脱離剤貯槽へ返送することもできる。必要に応じて、脱離液返送配管にポンプを設けることができる。本発明装置及び本発明方法によれば、濃縮設備への脱離液の流入量が低減し、濃縮設備を小型化し、脱離剤の再利用により使用する脱離剤の量を減少し、ガリウム含有廃水の処理コストを低減することができる。
【0010】
本発明装置は、脱離したガリウムを含んだ脱離液を濃縮するガリウム濃縮手段を有する。ガリウム濃縮手段を設けてガリウム吸着手段の脱離液中に含まれるガリウムを濃縮、回収することにより、ガリウムを高濃度に含む回収液を得ることができる。ガリウム濃縮手段に特に制限はなく、例えば、キレート樹脂を充填した吸着手段、逆浸透膜、ナノフィルトレーション膜等を備えた膜分離手段、蒸発器等の濃縮手段等を挙げることができる。キレート樹脂を用いる場合は、ガリウム吸着手段とほぼ同様な処理を施し、キレート樹脂に通液することができる。逆浸透膜、ナノフィルトレーション膜等を用いる場合は、硫酸、塩酸等を用いる脱離液が低pHであることから、pH1前後に耐えられる耐酸性の膜を使用することが好ましい。なお、高pHの場合は、pH11前後に耐えられる耐アルカリ性の膜を使用することが好ましい。ガリウム濃縮手段においては、脱離したガリウムを含む脱離液を10倍以上に濃縮することが好ましい。
【0011】
ガリウム含有廃水が、ヒ化ガリウム(GaAs)の処理により発生したヒ素を含有する廃水である場合は、ガリウム吸着手段から排出されるガリウムが除去された処理水中のヒ素を除去することが好ましい。ヒ素除去手段としては、例えば、鉄塩による凝集沈殿手段、ヒ素吸着手段、又は、これらの組み合わせを挙げることができる。ヒ素吸着手段に用いる吸着剤としては、例えば、イオン交換樹脂、キレート樹脂、ヒ素選択性吸着樹脂等を挙げることができる。これらの中で、ジルコニウムを母体とするヒ素選択性吸着樹脂や、含水酸化セリウムの粉体を高分子化合物に担持させたヒ素選択性吸着樹脂等を好適に使用することができる。ヒ素選択性吸着樹脂を充填したヒ素吸着塔への通水は、pH5〜8、空間速度5〜10h-1で行うことが好ましい。また、天然セルロース繊維にキレート官能基を固定させた粉末状のキレート繊維も好適に用いることができる。
水中のヒ素は、亜ヒ酸(H3AsO3)又はヒ酸(H3AsO4)の形態で存在する。亜ヒ酸は水酸化物と共沈しにくいので、あらかじめ次亜塩素酸塩等の酸化剤を用いて酸化し、ヒ酸としておくことが好ましい。As(III)200mg/Lを含有する処理水は、pH5〜7において、190〜200mg/Lの有効塩素で酸化することができる。なお、酸化還元電位を400mV以上にすることが好ましく、処理水の残留塩素濃度を0.1mg/L程度にすることが好ましい。ヒ素除去手段を用いて処理することにより、処理水は、排出基準、環境基準を満足する。ヒ素除去手段から排出される処理水は、中和処理設備、水回収設備等を設け、さらに適切な処理を施すことが好ましい。なお、ヒ素吸着手段を用いる場合は、ガリウム吸着手段とヒ素吸着手段のいずれを前段に設けることもできる。
ガリウム含有廃水が、リン化ガリウム(GaP)の処理により発生したリンを含有する廃水である場合は、脱リン剤等を用いる脱リン手段を設けることが好ましい。
【0012】
【発明の効果】
本発明のガリウム含有廃水の処理装置によれば、ガリウム吸着手段でガリウムを吸着し、ガリウム脱離手段で得られる脱離液のうち、ガリウム濃度の高い脱離液をガリウム濃縮手段で濃縮し、ガリウム濃度の低い脱離液を脱離剤の調製に再利用するので、ガリウム含有廃水からガリウムを余すことなく、高濃度でかつ効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のガリウム含有廃水の処理装置の一態様の系統図である。
【図2】図2は、ガリウム脱離液量と脱離液中のガリウム濃度の関係を示すグラフの一例である。
【図3】図3は、本発明装置のガリウム吸着手段、脱離手段、濃縮手段及び脱離液返送手段の一態様の工程系統図である。
【符号の説明】
1 ガリウム吸着塔
2 脱離剤貯槽
3 脱離剤ポンプ
4 濃縮設備
5 希釈水貯槽
Claims (4)
- pH1〜2 . 5又はpH9 . 5〜12のガリウム含有廃水をガリウム吸着手段に通水して該廃水中のガリウムを吸着し、吸着されたガリウムを吸着手段から脱離剤により脱離し、吸着手段から流出する脱離液を濃縮してガリウムを回収するガリウム含有廃水の処理方法において、脱離したガリウムを含んだ脱離液の一部をガリウム脱離手段へ返送し、ガリウム吸着手段を超純水により押し出し洗浄及び逆洗し、洗浄及び逆洗の廃水を脱離剤を調整する際の希釈液として再利用するため返送することを特徴とするガリウム含有廃水の処理方法。
- ガリウム脱離手段が、ガリウム吸着手段に供給される脱離剤を貯留する脱離剤貯槽と、脱離剤をガリウム吸着手段へ送液する脱離剤ポンプとを有する請求項1記載のガリウム含有廃水の処理方法。
- ガリウム吸着塔から流出するガリウムを含んだ脱離液の一部をガリウム脱離手段へ返送するに際して、ガリウム吸着塔から流出するガリウムを含んだ脱離液を脱離剤貯槽に返送する請求項1記載のガリウム含有廃水の処理方法。
- pH1〜2 . 5又はpH9 . 5〜12のガリウム含有廃水をガリウム吸着手段に通水して該廃水中のガリウムを吸着し、吸着されたガリウムを吸着手段から脱離剤により脱離し、吸着手段から流出する脱離液を濃縮してガリウムを回収するガリウム含有廃水の処理方法において、脱離したガリウムを含んだ脱離液の一部をガリウム脱離手段へ返送し、前記ガリウムの吸着をpH3以下で吸着したときは、脱離剤のpHを、吸着時の通水pHよりも低pHとし、前記ガリウムの吸着をpH9以上で吸着したときは、脱離剤のpHを、吸着時の通水pHよりも高pHとすることを特徴とするガリウム含有廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001333433A JP3861283B2 (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | ガリウム含有廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001333433A JP3861283B2 (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | ガリウム含有廃水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003136053A JP2003136053A (ja) | 2003-05-13 |
JP3861283B2 true JP3861283B2 (ja) | 2006-12-20 |
Family
ID=19148689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001333433A Expired - Fee Related JP3861283B2 (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | ガリウム含有廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3861283B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7728471B2 (en) | 2005-11-10 | 2010-06-01 | Korea Delphi Automotive Systems Corporation | Method of manufacturing terminal assembly of alternator for vehicles and terminal assembly manufactured by the method |
CN113620367A (zh) * | 2021-08-17 | 2021-11-09 | 新乡赛普瑞特环保科技有限公司 | 一种回收废水中氨氯吡啶酸的系统及回收方法 |
-
2001
- 2001-10-30 JP JP2001333433A patent/JP3861283B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003136053A (ja) | 2003-05-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6203705B1 (en) | Process for treating waste water containing copper | |
US20140305857A1 (en) | Recycling method and device for recycling waste water containing slurry from a semi-conductor treatment process, in particular from a chemico-mechanical polishing process | |
JP2007130523A (ja) | 水処理システムにおける膜洗浄方法 | |
JP3861283B2 (ja) | ガリウム含有廃水の処理方法 | |
JP4900635B2 (ja) | ガリウム含有廃水の処理装置及びガリウム含有廃水の処理方法 | |
JP4161389B2 (ja) | 研磨排水の処理方法及び装置 | |
JP4973901B2 (ja) | ガリウム含有廃水の処理方法 | |
JP4973902B2 (ja) | ガリウム含有廃水の処理方法及び該方法に用いる装置 | |
JP4180019B2 (ja) | 逆浸透膜の洗浄方法およびこの方法を用いた廃水回収方法 | |
JP3024693B2 (ja) | 水処理用分離膜の洗浄方法 | |
JP2003001275A (ja) | ガリウム−ヒ素含有廃水の処理装置 | |
JP2000288935A (ja) | 非コロイド状研磨材の回収方法及び装置 | |
JP3937135B2 (ja) | ガリウム研磨廃水の処理装置 | |
JP3826497B2 (ja) | 純水製造方法 | |
JP3912086B2 (ja) | ヒ素含有廃水の処理装置 | |
JP2003164863A (ja) | ガリウム含有廃水の処理装置 | |
JP2003001268A (ja) | ガリウム含有廃水の処理装置 | |
JP2003154358A (ja) | ガリウム含有廃水の処理装置 | |
JP2003001271A (ja) | ガリウム含有廃水の処理装置 | |
JP2003154376A (ja) | ガリウム及びヒ素を含有する廃水の処理装置 | |
JP2003001254A (ja) | ガリウム微粒子含有廃水の処理装置 | |
JP2003001246A (ja) | ガリウム含有廃水の処理装置 | |
JP2005028329A (ja) | 逆浸透膜装置の洗浄方法 | |
JP2002083789A (ja) | 研磨材の回収装置 | |
JPH11138162A (ja) | 研磨排水処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040924 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060524 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060605 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060804 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060904 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060917 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3861283 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |