JP2005028329A - 逆浸透膜装置の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 逆浸透複合膜を用い、界面活性剤のような親水部を有する有機物を含む被処理液の処理を行う場合でも、透過流束の低下した逆浸透膜を、短時間で洗浄して、高い回復率で透過流束を回復させることができる逆浸透膜装置の洗浄方法を提案する。
【解決手段】 逆浸透膜モジュール1の一次側3に原水を供給し、二次側4から透過水を取出す逆浸透膜装置の洗浄方法において、モジュール1の一次側3に洗浄液槽7から、脱カルシウム処理したpH10〜14のアルカリ洗浄液を、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧で加圧供給し、アルカリ洗浄液の少なくとも一部を逆浸透膜2の一次から二次側に透過させ、アルカリ洗浄液の一部を逆浸透膜2の膜面に沿って流し、透過したアルカリ洗浄液および濃縮液の少なくとも一部を洗浄液槽7に循環して洗浄する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、逆浸透膜モジュールの一次側に原水を供給し、逆浸透膜モジュールの二次側から透過水を処理水として取出す逆浸透膜装置の洗浄方法に関し、さらに詳しくは、逆浸透膜として逆浸透複合膜を用いる場合に被処理液の処理によって汚染され、透過流束の低下した逆浸透膜を洗浄して汚染物質を除去する逆浸透膜装置の洗浄方法に関する。
逆浸透膜モジュールの一次側に原水を供給し、逆浸透膜モジュールの二次側から透過水を処理水として取出す逆浸透膜装置では、逆浸透膜の分子レベルの細孔を通して水を透過させ、ナトリウムその他のイオン、ならびに非イオン性物質の透過を阻止して溶質の分離を行っている。このような逆浸透膜装置では、処理の進行に伴って逆浸透膜が汚染されて透過流束が低下するので、膜モジュールの洗浄が必要になる。
逆浸透膜装置では、細孔より大きいイオンその他の物質を逆浸透膜の表面で阻止するため、多くの汚染物質は逆浸透膜の表面に付着するものと思われる。このような逆浸透膜の表面に付着する汚染物質は、逆浸透膜を洗浄液に浸漬するか、あるいは洗浄液を逆浸透膜の表面にそって平行流通水することにより洗浄除去されることが多い。細孔径付近の分子径の物質が細孔内に詰まった場合には、逆方向に洗浄液を流す逆洗により汚染物質は洗浄除去されることが多い。
このような洗浄に用いられる洗浄液としては通常水が用いられているが、水による洗浄では不充分な場合には、薬品を洗浄液として用いる洗浄が行われている。このような薬品を用いる洗浄液として、例えば特許文献1および特許文献2には、洗浄液としてアルカリを添加した被処理液またはアルカリ液を用いる洗浄方法が示されている。この方法ではアルカリを添加した被処理液またはアルカリ洗浄液を用い、透過膜を透過させて洗浄している。
しかし限外ろ過膜のように、逆浸透膜より大きい細孔を持つ透過膜の洗浄の場合は、洗浄液を膜分離と同方向に通して汚染物質を洗浄除去することは容易であるが、逆浸透膜の場合は細孔径は分子径に近いので、単に洗浄液を膜分離と同方向に通しても、汚染物質を洗浄除去することは困難である場合が多い。特に汚染物質が界面活性剤のように、ポリエチレンオキシドなどの鎖状の親水部を有する有機物の場合、親水性の鎖状の部分が逆浸透膜の細孔内に入り込んで、強い結合力で付着するものと推測され、単に逆浸透膜を通して洗浄液を流すだけでは、汚染物質を洗浄除去することは困難である。
逆浸透膜としては、従来より用いられている単層の膜は透水性や塩阻止性に問題があるため、これに代わるものとして、多孔質膜からなる基材の表面に半透膜が重合した逆浸透複合膜が用いられるようになってきているが、このような複合膜を用いる場合、基材の多孔質膜内に付着する汚染物質の洗浄除去は困難である。特に非イオン性界面活性剤のような鎖状の親水部を有する有機物は、親水性の鎖状の部分が逆浸透膜の細孔を通って基材の多孔質膜内に入り込み、強い結合力で付着するものと推測され、単に逆浸透膜を通してアルカリ洗浄液を流すだけでは、汚染物質を洗浄除去することは困難である。
また逆浸透膜の場合、アルカリ洗浄液を逆浸透膜に接触させるとスケールが発生し、またアルカリの大部分は濃縮液側に残留してpHが高くなり、透過液側のpHが低くなるので、洗浄効率も低下する。特に逆浸透複合膜にはこの傾向が顕著であり、非イオン性界面活性剤のような鎖状の親水部を有する有機物が汚染物質として付着している場合は、短時間で透過流束を回復させることは困難であり、また透過流束の回復率も100%には至らず、逆に透過流束が低下する場合がある。
特開昭50−75177号公報 特開平11−128919号公報
本発明の課題は、逆浸透複合膜を用い、界面活性剤のような親水部を有する有機物を含む被処理液の処理を行う場合でも、透過流束の低下した逆浸透膜を、短時間で洗浄して、高い回復率で透過流束を回復させることができる逆浸透膜装置の洗浄方法を提案することである。
本発明は次の逆浸透膜装置の洗浄方法である。
(1) 逆浸透膜モジュールの一次側に原水を供給し、逆浸透膜モジュールの二次側から透過水を処理水として取出す逆浸透膜装置の洗浄方法において、
逆浸透膜モジュールの一次側に、脱カルシウム処理したpH10〜14のアルカリ洗浄液を、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧で加圧供給し、アルカリ洗浄液の少なくとも一部を逆浸透膜の一次から二次側に透過させて、汚染物質を洗浄除去することを特徴とする逆浸透膜装置の洗浄方法。
(2) アルカリ洗浄液の一部を逆浸透膜の膜面に沿って流す上記(1)記載の方法。
(3) 逆浸透膜の二次側に透過したアルカリ洗浄液の少なくとも一部を、逆浸透膜の一次側に循環して洗浄する上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 逆浸透膜の一次側で濃縮した濃縮液の少なくとも一部を、逆浸透膜の一次側に循環して洗浄する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 逆浸透膜が多孔質膜からなる基材の表面に半透膜が重合した逆浸透複合膜である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
本発明において洗浄の対象となる逆浸透膜は、透過流束、選択透過率、その他の性能の低下した逆浸透膜である。特に汚染物質として界面活性剤のような親水部(特に鎖状の親水部)を有する有機物を含む被処理液の処理によって性能の低下した逆浸透膜である場合に効率よく洗浄可能であり、また逆浸透膜として多孔質膜からなる基材の表面に半透膜が重合した逆浸透複合膜を用いて処理して性能が低下した場合にも効率よく洗浄可能である。
ここで逆浸透膜とは、特定の物質、成分等を浸透圧に抗して選択的に透過させる半透膜である。逆浸透膜の材質としては特に制限されないが、例えば複素環ポリマー系、水溶性ポリマー架橋系、重合性モノマー系の逆浸透膜があげられるが、特にポリアミド系逆浸透膜が適している。特に多孔質膜からなる基材の表面に半透膜が重合した逆浸透複合膜、例えばポリスルホン系多孔質膜からなる基材上にポリアミド系逆浸透膜が積層された複合膜が対象として適している。また洗浄の対象となるモジュールには特に制限はなく、例えば管状モジュール、平面モジュール、スパイラルモジュール、中空糸モジュールなどを挙げることができる。
逆浸透膜の性能低下の原因となる汚染物質としては、特に制限はない。界面活性剤のような親水部を有する有機物、特に非イオン性界面活性剤のような鎖状の親水部を有する有機物を汚染物質として含む被処理液の処理によって性能の低下した逆浸透膜は、上記親水部が逆浸透膜の内部に、複合膜の場合は多孔質膜にも強い結合力で付着しやすいが、このような汚染物質も洗浄除去の対象として適している。このような界面活性剤としては、分子量400以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコールを構成成分とするノニオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明において洗浄の対象となる逆浸透膜装置は、逆浸透膜モジュールの一次側に原水を供給し、逆浸透膜モジュールの二次側から透過水を処理水として取出す逆浸透膜装置である。このような逆浸透膜装置において、逆浸透膜の性能低下の原因となる処理は、液体の濃縮、脱塩、純水製造等の水処理、あるいはプロセス処理、その他の処理など、逆浸透膜による膜分離処理のすべてが含まれる。上記の界面活性剤を含む被処理液について、このような処理を行うと、界面活性剤の付着により、透過流束、選択透過率、その他の性能の低下が起こる。
上記の逆浸透膜の透過流束が低下する原因として、膜表面への汚染物質の付着と、膜の緻密層内部への汚染物質の付着があることが推測された。逆浸透膜の緻密層内部に付着した汚染物質は、膜をアルカリ性の液体に浸漬したり、膜面にアルカリ性の液体を平行流通水するだけでは、十分に除くことが困難である。これは、限外濾過膜の場合は洗浄液が拡散するのに十分な細孔を有しているのに対して、逆浸透膜の場合は洗浄液の緻密層内への拡散と汚染物質の緻密層外への拡散に時間がかかるためであると考えられる。
本発明では、逆浸透膜モジュールの一次側に原水を供給し、逆浸透膜モジュールの二次側から透過水を処理水として取出す逆浸透膜装置の性能低下に際して洗浄を行う際、逆浸透膜モジュールの一次側に、脱カルシウム処理したpH10〜14、好ましくはpH10〜12のアルカリ洗浄液を、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧、好ましくは洗浄直前の膜分離運転における操作圧と同程度の操作圧で加圧供給し、アルカリ洗浄液の少なくとも一部を逆浸透膜の一次から二次側に透過させて洗浄を行う。
アルカリ洗浄液は脱カルシウム処理したものであることが、スケールの発生を防ぐために重要であり、特に2価以上のカチオンを除去したアルカリ洗浄液が好ましい。脱カルシウム処理を施さないアルカリ洗浄液を透過させると、逆浸透膜の表面および内部にスケールが発生し、特に表面ではアルカリが濃縮されるためスケールの発生が加速され、逆に逆浸透膜の透過流束(フラックス)は低下する。このため脱カルシウム処理し、pH10〜14となるようにアルカリを含むアルカリ洗浄液を使用することにより、スケールの発生を防ぎ、高い洗浄効率で洗浄を行うことができる。
このような脱カルシウム処理したアルカリ洗浄液は、逆浸透膜処理水、イオン交換処理水、電気再生式脱塩装置処理水などの2価以上のカチオンを除去した脱カルシウム水に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの1価の強塩基を添加して作成されるが、2価以上のカチオンが少ない、あるいは2価以上のカチオンを含むアルカリ洗浄液であっても、2価以上のカチオンを除去する処理を施したものを用いることができる。また、被処理液中にスケール発生成分として2価以上のカチオンが含まれる場合は、洗浄に先立って被処理液を洗い流したり、あらかじめ被処理液から除去しておくなどの操作や処理が必要となる。
脱カルシウム処理したアルカリ洗浄液には、さらに洗浄力を高め、スケールの発生を防止し、pHを安定させるなど、副次的な効果を発現させるために、酸化剤、還元剤、界面活性剤、酵素、キレート剤、緩衝剤、その他の相乗的、補助的、あるいは副次的な効果を発現させるための補助剤を含むことができる。このような補助剤には、2価のカチオンが含まれないものが用いられる。
このような脱カルシウム処理したアルカリ洗浄液を、逆浸透膜モジュールの一次側に、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧で加圧供給することは、アルカリ洗浄液の少なくとも一部、すなわち洗浄直前の操作圧の4分の1以上の操作圧によって透過する透過液量に相当するアルカリ洗浄液を逆浸透膜の一次から二次側に透過させて洗浄することを意味している。逆浸透膜をアルカリ洗浄液と接触させると、逆浸透膜と汚染物質、例えば親水部を有する有機物との結合力が低くなると考えられるが、単なる接触だけでは汚染物質は分離しない。そこでアルカリ洗浄液の少なくとも一部を透過させることにより、結合力が低くなった汚染物質が透過液によって洗い流され、汚染物質が洗浄除去される。アルカリ洗浄液の洗浄を行っている際の透過流束は、汚染前の透過流束の20%以上であることが望ましい。
このとき逆浸透膜の表面では、アルカリが濃縮されてpHが高くなるので、洗浄液の一部を逆浸透膜の膜面に沿って流すことにより、アルカリの濃縮を防ぎ、洗浄効果を高くすることができる。
逆浸透膜の二次側に透過したアルカリ洗浄液は系外に排出することもできるが、その少なくとも一部、好ましくは全部を逆浸透膜の一次側に循環して洗浄するのが好ましい。また逆浸透膜の一次側で濃縮した濃縮液も系外に排出することができるが、その少なくとも一部、好ましくは全部を逆浸透膜の一次側に循環して洗浄するのが好ましい。これらの循環により少ない洗浄液で効率よく洗浄を行うことができる。一次側に循環して透過したアルカリ洗浄液は、逆浸透膜によりアルカリの透過が阻止されるためpHが低下し、また濃縮液はpHが高くなるが、これらを一次側に循環することによりアルカリ洗浄液のpHはほぼ一定に保たれ、洗浄効率も高く維持される。アルカリ洗浄液は2価以上のカチオンが除去されているので、これらを一次側に循環してもスケール化のおそれはない。
洗浄時間は、汚染物質の種類、汚染の程度などによって異なるが、一般的にはは1〜24時間、好ましくは3時間から10時間程度である。
上記のアルカリ洗浄液による洗浄の前後または中間に、純水洗浄、酸洗浄、非加圧洗浄などのその他の洗浄を組み合わせて洗浄を行うことができる。
上記のアルカリ洗浄液による洗浄を行うことにより、スケールの発生を防止して、短時間で汚染物質を除去でき、透過流束等の性能を回復させることができる。この場合、元の透過流束に対して50%程度までの透過流束の低下であれば、1〜4時間の洗浄で90%以上の透過流束に回復する。また、透過流束が40%以下と、汚染度が激しく、浸漬や通水だけでは回復しない場合でも、20時間程度、あるいはそれより短い時間で90%以上の透過流束に回復する。
本発明によれば、逆浸透膜モジュールの一次側に、脱カルシウム処理したpH10〜14のアルカリ洗浄液を、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧で加圧供給し、アルカリ洗浄液の少なくとも一部を逆浸透膜の一次から二次側に透過させて、汚染物質を洗浄除去することにより、逆浸透複合膜を用い、界面活性剤のような親水部を有する有機物を含む被処理液の処理を行う場合でも、透過流束の低下した逆浸透膜を、短時間で洗浄して、高い回復率で透過流束を回復させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態の逆浸透膜装置の洗浄方法を示すフロー図である。図1において、1はモジュールで、逆浸透膜2により一次側の濃縮液室3と二次側の透過液室4に区画されている。5は原水槽、6は処理水槽、7は洗浄液槽である。Pは高圧ポンプ、V1〜V13は弁、L1〜L13はラインである。
図1の逆浸透膜装置で逆浸透膜分離を行うには、弁V1〜V4を開き(他は閉)、高圧ポンプPを駆動し、原水槽5からラインL1を通して原水をモジュール1の濃縮液室3に供給し、加圧下に逆浸透膜2を通して水を選択的に透過させ、透過液を透過液室4からラインL2を通して処理水として流出させる。濃縮液は濃縮液室3からラインL3を通して排出する。このような逆浸透膜分離を継続すると、逆浸透膜2に汚染物質が付着し、透過流束、選択透過率等の性能が低下するので、逆浸透膜の洗浄を行う。
逆浸透膜の洗浄は、一定期間毎に或いは透過流速等の性能が所定の範囲からはずれた際に、洗浄液をモジュール1の濃縮液室3に供給して逆浸透膜2の洗浄を行い、逆浸透膜の性能を回復する。この場合、まず弁V5〜V7を開き(弁V1は閉)、ラインL4〜L6を通して処理水槽6、洗浄液槽7にそれぞれ処理水を導入する。ここで洗浄液槽7にはアルカリを注入してpH10〜14の好ましくはpH10〜12アルカリ洗浄液を調製する。
アルカリ洗浄液で洗浄する場合は、弁V8、V2、V5、V7、V11、V12を開き(他は閉)、高圧ポンプPを駆動し、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧、好ましくは洗浄直前の膜分離運転におけると同程度の操作圧で加圧供給し、洗浄液槽7からラインL7、L1を通してアルカリ洗浄液をモジュール1の一次側の濃縮液室3に供給してアルカリ洗浄液を濃縮液室3に充満させ、アルカリ洗浄液の一部を加圧下に逆浸透膜2を透過させて洗浄を行う。透過するアルカリ洗浄液は膜の内部に付着した汚染物を洗浄除去する。アルカリ洗浄液の一部は逆浸透膜2の膜面に沿って流れ、膜面に付着した汚染物を洗浄除去する。このとき透過液は二次側の透過液室4からラインL4、L6を通して洗浄液槽7に循環する。また濃縮液室3からラインL11、L12を通して洗浄液槽7に循環して透過液と混合して洗浄を行う。
アルカリ洗浄液による洗浄の前または後に水(処理水)で洗浄する場合は、弁V9、V2、V5、V6、V12、V13を開き、高圧ポンプPを駆動し、処理水槽6からラインL8、L1を通して、処理水をモジュール1の濃縮液室3に供給し、アルカリ洗浄液の場合と同様に洗浄することができる。
上記のアルカリ洗浄液による洗浄を行うことにより、スケールの発生を防止して、短時間で汚染物質を除去でき、透過流束等の性能を回復させることができる。すなわち逆浸透膜モジュール1の一次側に、脱カルシウム処理したpH10〜14のアルカリ洗浄液を、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧で加圧供給し、アルカリ洗浄液の少なくとも一部を逆浸透膜2の一次から二次側に透過させて、汚染物質を洗浄除去することにより、逆浸透複合膜を用い、界面活性剤のような親水部を有する有機物を含む被処理液の処理を行う場合でも、透過流束の低下した逆浸透膜を、短時間で洗浄して、高い回復率で透過流束を回復させることができる。
図1では洗浄用の水として処理水を用いているが、系外から純水、軟水等を供給してもよい。また洗浄液の加圧供給に膜分離用の高圧ポンプPを用いているが、洗浄専用のポンプを用いてもよい。処理水槽6、洗浄液槽7は別の槽ではなく、単一の槽を共用してもよい。
逆浸透膜として日東電工(株)製逆浸透膜NTR−759HR(多孔質膜からなる基材の表面に半透膜が重合した逆浸透複合膜)を用い、ポリエチレンオキシドなどの鎖状の親水部を有する非イオン性界面活性剤を含む金属加工工場の排水処理水を供給水(COD25mg/L以下)として、1.2MPaの操作圧力で膜分離を行った。汚染前の透過流束は1m3/(m2・d)前後である。所定時間膜分離を行って透過流束が低下した膜に対して、イオン交換により脱カルシウムした純水を用い、pH12に調整した水酸化ナトリウム水溶液を用いて1.2MPa、あるいは0.3MPaで加圧洗浄を行い、さらには非加圧洗浄(0MPa)も試みた。そして、透過流束の回復の割合と脱塩率の変化を500ppmの塩化ナトリウム水溶液を1.2MPaで膜分離することで確認した。結果を図2(a)、(b)に示す。汚染度が低く、60%に透過流束が低下している場合は、2時間で90%、4時間では100%近い回復を示した。汚染度が高く、40%に透過流束が低下している場合でも、18時間で95%以上の回復が得られ、汚染度が同程度で、0.3MPa加圧洗浄や非加圧洗浄を行った場合と比較して、明らかに回復度の違いが見られた。また、いずれの場合においても、脱塩率の劣化は見られなかった。
逆浸透膜として日東電工(株)製逆浸透膜NTR−759HRを用い、ポリエチレンオキシドなどの鎖状の親水部を有する非イオン性界面活性剤を含む金属加工工場の排水処理水を供給水(COD25mg/L以下)として、1.2MPaの操作圧力で濾過を行った。所定時間濾過を行って透過流束が低下した膜に対して、イオン交換により脱カルシウムした純水を用い、pH12.0、pH10.2、あるいはpH9.2に調整した水酸化ナトリウム水溶液を用いて1.2、MPaで加圧洗浄を行った。所定時間洗浄を行った後の透過流束の回復率の変化を500ppmの塩化ナトリウム水溶液を1.2MPaで濾過することで確認した。結果を図3に示す。pH12.0で洗浄を行うと、回復に要する時間が短く、回復率も高いことが分かった。
逆浸透膜として日東電工(株)製逆浸透膜NTR−759HRに対して、イオン交換により脱カルシウムした純水を用いpH12に調整した水酸化ナトリウム水溶液(Ca:0ppm)、および脱カルシウムしない水道水を用いpH12に調整した水酸化ナトリウム水溶液(Ca:20ppm)を、1.2MPaで加圧通液を行った結果の透過流束の変化を図4に示す。脱カルシウムした水酸化ナトリウム水溶液は、脱カルシウムしない水酸化ナトリウム水溶液に比べて透過流束の低下が少ないことが分かる。
被処理液の処理によって汚染され、透過流束の低下した逆浸透膜を洗浄して汚染物質を除去する逆浸透膜装置を洗浄する方法に利用される。
実施形態の逆浸透膜装置の洗浄方法を示すフロー図である。 (a)、(b)は実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示すグラフである。 実施例3の結果の透過流束の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 モジュール
2 逆浸透膜
3 濃縮液室
4 透過液室
5 原水槽
6 処理水槽
7 洗浄液槽

Claims (5)

  1. 逆浸透膜モジュールの一次側に原水を供給し、逆浸透膜モジュールの二次側から透過水を処理水として取出す逆浸透膜装置の洗浄方法において、
    逆浸透膜モジュールの一次側に、脱カルシウム処理したpH10〜14のアルカリ洗浄液を、洗浄直前の膜分離運転における操作圧の4分の1以上の操作圧で加圧供給し、アルカリ洗浄液の少なくとも一部を逆浸透膜の一次から二次側に透過させて、汚染物質を洗浄除去することを特徴とする逆浸透膜装置の洗浄方法。
  2. アルカリ洗浄液の一部を逆浸透膜の膜面に沿って流す請求項1記載の方法。
  3. 逆浸透膜の二次側に透過したアルカリ洗浄液の少なくとも一部を、逆浸透膜の一次側に循環して洗浄する請求項1または2記載の方法。
  4. 逆浸透膜の一次側で濃縮した濃縮液の少なくとも一部を、逆浸透膜の一次側に循環して洗浄する請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 逆浸透膜が多孔質膜からなる基材の表面に半透膜が重合した逆浸透複合膜である請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
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