JP3861030B2 - ウェーハ電位の測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はウェーハ電位の測定方法及び装置並びにこれを有するプラズマ処理装置に関し、特にプラズマ処理装置により処理するウェーハ上への成膜等の処理の再現性を保証する際に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来技術に係るプラズマCVD装置の構成図である。同図に示すように、基部1上にはアルミニウム製で円筒状の真空容器であるチャンバ2が設けられており、このチャンバ2の内部が成膜室3となっている。成膜室3の上部には電磁波透過窓である円板状の天井板4が設けられ、成膜室3の内部にはウェーハ6の支持台であるサセプタ5が配設してある。このサセプタ5は、ウェーハ6を載置するための円盤状の部材で、Al2 3 やAlNなどのセラミック材料からなり、支持軸8に支持されている。また、このサセプタ5の内部には、ウェーハ6を所定の温度に保持するための加熱手段であるヒータ6aとともに冷却手段として冷媒を流通させるための冷媒通路6bを埋設してある。さらに、サセプタ5の内部には、ウェーハ6を静電的に吸着保持する静電チャックの静電チャック用電極7も埋設してある。この静電チャック用電極7には、ローパスフィルタ12を介して直流電源13の出力電圧である所定の直流電圧が印加され、このことにより発生するウェーハ6と静電チャック用電極7との間の電位差に基づくクーロン力によりウェーハ6をサセプタ5の表面に吸着する。
【0003】
当該プラズマCVD装置にける前記静電チャック用電極7には、インピーダンスマッチングを行うための整合器10及びコンデンサ9を介してバイアス用高周波電源11が接続されている。すなわち、静電チャック用電極7はバイアス電極としても機能している。ここで、前記LPF12はバイアス用高周波電源11の交流分を遮断するフィルタとして機能する。
【0004】
このように、バイアス用高周波電源11から高周波電力を供給することにより、静電チャック用電極7を介してウェーハ6にバイアス電圧が印加される。いわゆるRFバイアスである。このようにRFバイアスを印加することにより発生する直流負電圧によりプラズマ中のイオンを加速し、プラズマ雰囲気に晒されているウェーハ6の表面をたたくことにより表面反応の促進、異方性エッチング、膜質向上等の種々の効果を得ることができる。
【0005】
基部1には排気口15が設けられ、この排気口15を介して図示しない真空排気系へ成膜室3内のガスを排気することにより成膜室3内を低圧環境とし、この低圧環境下の成膜室3内にノズル(図示せず。)を介して成膜を行うための各種のガスが供給される。例えば、ウェーハ6上に窒化珪素(SiN)の膜を形成する場合には、原料ガスとして例えばSiH4 を供給し、窒化ガスとして例えばNH3 又はN2 を供給する。
【0006】
天井板4の上面にはスパイラル状の給電アンテナ16が設置され、この給電アンテナ16にはインピーダンスマッチングを行うための整合器17を介してプラズマ発生用高周波電源18が接続されている。このプラズマ発生用高周波電源18から給電アンテナ16へ高周波電力を供給することにより、給電アンテナ16から天井板4を透過して成膜室3内に電磁波19を入射し、この電磁波19のエネルギー(高周波パワー)によって成膜室3内に供給する各種のガスをプラズマ状態にする。このプラズマを利用してウェーハ6上に所定の金属膜を成膜する等の処理を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記プラズマCVD装置において、プラズマを形成するためのガスの種類、その圧力、流量及び給電アンテナ16に供給するパワー(電力)等で規定されるプラズマ条件を一定とした場合に、当該プラズマCVD装置が所定の性能を発揮することを保証するには、所定のプラズマ条件下におけるウェーハ6の電位を測定する必要がある。当該プラズマ条件下でウェーハ6の電位が一定の電位になっている場合に成膜等、プラズマ処理の結果物の品質等が一定であること、すなわち再現性を保証し得るからである。
【0008】
ところが、プラズマ処理中のウェーハ6の電位を問題なく測定することは困難である。ウェーハ6に測定装置のプローブを接触させることができれば、簡単にその電位を測定することはできるが、プローブを接触させることによりウェーハ6が金属汚染され、製品としてのウェーハ6の特性を悪化させるからである。すなわち、プラズマ処理中のウェーハ6の電位を問題なく測定するには、非接触で測定する必要がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、ウェーハにプローブ等を接触させることなく非接触でその電位を測定し得るウェーハ電位の測定方法及び装置並びにこれを有するプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は次の知見を基礎とするものである。すなわち、静電チャックは、上述の如く、直流電源13の出力電圧である所定の直流電圧を静電チャック用電極7に印加することにより発生するウェーハ6との間の電位差に基づくクーロン力によりウェーハ6をサセプタ5の表面に吸着するものである。したがって、静電チャック用電極7による吸着力がゼロとなったこと、換言すればウェーハ6と静電チャック用電極7との間の電位がゼロとなったことを別途の手段により検出することができれば、このときの静電チャック用電極7の電位をもってウェーハ6の電位とすることができる。そして、前記吸着力がゼロとなったことはウェーハ6の温度を監視することにより検出し得る。吸着力が大きければその分大きな吸着力でウェーハ6がサセプタ5の表面に吸着されるので、このウェーハ6は冷媒通路6bを流通する冷媒によりその分良好に冷却されるからである。したがって、、吸着力がゼロとなった時点で最も高温になると考えられる。
【0011】
そこで、図4に示すプラズマCVD装置において、直流電源13の出力電圧を変化させ、ウェーハ6の温度との関係を測定した。その結果を図1に示す。同図に示すように、予想通り、このときの温度特性は上に凸の曲線となり、600°C程度が最高温度であり、そのときの出力電圧が−250(V)であることが判明した。この−250(V)がウェーハ6の電位である。なお、このときのプラズマ発生用高周波電源18の出力電力は3.5(kW)、バイアス用高周波電源11の出力電力は1.2(kW)である。
【0012】
かかる知見に基づく本発明の構成は次の点を特徴とする。
【0013】
1) プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置したウェーハを直流電源の出力電圧の印加による静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出すること。
【0014】
2) プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置したウェーハを静電チャックの静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記静電チャックの直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出すること。
【0015】
3) プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置されたウェーハの近傍のイオンをRFバイアスの印加により加速するとともに、このRFバイアスに直流電源の出力電圧を重畳し、この直流電源の出力電圧の印加により基台に載置されたウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出すること。
【0016】
4) 温度制御された基台に載置したウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引する直流の出力電圧を印加するとともに前記出力電圧を変化させることができるように構成した可変直流電源と、
前記ウェーハの温度を検出する温度検出手段と、
プラズマ処理条件下において、前記温度検出手段によりウェーハの温度を計測しつつ前記可変直流電源の出力電圧を変化させて、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記可変直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出する制御手段とを有すること。
【0017】
5) 上記4)に記載するウェーハ電位の測定装置において、 可変直流電源は、静電チャックの直流電源の出力電圧を変化させることができるように構成したものであること。
【0018】
6) 温度制御された基台に載置されたウェーハの近傍のイオンを加速するためのRFバイアス電源と、
基台に載置したウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引する直流の出力電圧を、前記RFバイアス電源の出力に重畳して印加するとともに、前記直流の出力電圧を変化させることができるように構成した可変直流電源と、
前記ウェーハの温度を検出する温度検出手段と、
プラズマ処理条件下において、前記温度検出手段によりウェーハの温度を計測しつつ前記可変直流電源の出力電圧を変化させて、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記可変直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出する制御手段とを有すること。
【0019】
7) 上記4)乃至6)に記載する何れか一つのウェーハ電位の測定装置における温度検出手段は、非接触でウェーハの温度を検出する赤外線温度計等の非接触式温度検出手段であること。
【0020】
8) チャンバ内に配設する基台にウェーハを載置するとともに、前記チャンバ内のプラズマを利用して前記ウェーハに所定の処理を行うプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置において、
上記4)乃至7)に記載する何れか一つのウェーハ電位の測定装置を備えたこと。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
図2は本発明の実施の形態に係るウェーハ電位の測定装置を組み込んだプラズマCVD装置を示す構成図である。同図に示すプラズマCVD装置は、前記ウェーハ電位の測定装置を組み込んだ点を除き図4に示すプラズマCVD装置と本質的に異なるところはない。そこで、図2中、図4と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
図2に示すように、ウェーハ電位の測定装置は、温度検出センサ21、温度検出部22、可変直流電源23、電圧計24、ウェーハ電位検出部25及び表示器26からなる。温度検出センサ21はサセプタ5を貫通する光ファイバで好適に形成することができる。すなわち、この光ファイバの先端部をサセプタ5を貫通させてウェーハ6の裏面に臨ませ、非接触でウェーハ6の裏面の状態を表す光信号を得、これを外部に導くように構成すれば良い。光ファバで導出した光信号は赤外線温度計等で形成する温度検出部22でウェーハ6の温度を表す電気信号である温度信号に変換する。電圧計24は可変直流電源23の出力電圧を検出してこの出力電圧を表す電圧信号を送出する。ウェーハ電位検出部25は温度信号と電圧信号とを対応付けて処理し、実質的に図1に対応する温度特性のグラフを作成することによりウェーハ6の最高温度に対応する可変直流電源23の出力電圧の値を検出し、このこの電圧値を、ウェーハ電位を表すウェーハ電位信号として表示器26に送出する。表示部26はウェーハ電位信号に基づきウェーハ電位を表示する。ここで、可変直流電源23の出力電圧は、測定作業員が手動により適宜変化させることもできるが、予め定められた手順により自動的に変化させることもできる。この際、最初の測定で最高温度近傍の領域を検出し、次に当該領域内で出力電圧を細かく変化させることにより正確に最高温度に対応する出力電圧、すなわちウェーハ電位を検出することができる。
【0024】
かかる本実施の形態によれば、ウェーハ6の温度を媒介としてウェーハ6に非接触でその電位を検出することができる。すなわち、静電チャック用電極7によるウェーハ6に対する吸着力がゼロになったこと、換言すれば静電チャック用電極7とウェーハ6との電位が同電位になったことを、ウェーハ6の最高温度を利用して検出することができる。さらに詳言すると、本形態の場合、バイアス用高周波電源11によるバイアス電圧も静電チャック用電極7に印加されるので、ウェーハ電位は図3に示すように正弦的に変化する。ただ、可変直流電源23の出力電圧は当該正弦波の振動中心とアース電位(ゼロ電位)との間の電圧VDCとして与えられる。したがって、ウェーハ6の最高温度に対応する電圧VDCを検出してこれをウェーハ電位とすることができる。
【0025】
このように、ウェーハ6の電位が検出されると成膜室3内におけるイオンの量(電流量)が分かる。ウェーハ6の電位が測定できれば、この電位に基づく電圧と電流との積が給電アンテナ16に供給した電力であるところ、この供給電力は既知であるからである。ここで、イオン量は、プラズマを形成するガスの流量、圧力、種類等をパラメータとするプラズマ条件で変化する。ちなみに、従来、最適なプラズマ条件は試行錯誤により探していた。
【0026】
これに対し、本形態によれば、イオン量を媒介とした合理的なプラズマ条件の設定を行うことも容易になる。また、バイアス用高周波電源11によるバイアス電圧の値の管理も経験に負うところが大きかったが、本形態によってウェーハ電位を媒介することによりバイアス電圧の値の管理も合理的、且つ容易に行うことができる。
【0027】
上記実施の形態におけるウェーハ電位の測定装置はプラズマCVD装置に付属する静電チャックの直流電源を利用して可変直流電源23を構成したが、プラズマCVD装置の中には、静電チャックを装備しないものも存在する。このように静電チャックを装備していない場合でも、温度検出センサ21、温度検出部22、可変直流電源23、電圧計24、ウェーハ電位検出部25及び表示器26を追加することで、容易にウェーハ6の電位を検出することができる。また、上記実施の形態の如く温度検出センサ21乃至表示器26を全て具備する必要は、勿論ない。要は、ウェーハ6の温度を測定する温度検出手段、ウェーハ6をサセプタに静電的に吸着する手段及びこれに直流電圧を印加する可変直流電源を有するもので、ウェーハ6の最高温度に対応する直流電源の出力電圧を検出し得る構成となっていれば良い。したがって、上記実施の形態に示すプラズマCVD装置において、ウェーハ6にバイアス電圧を印加する必要がない場合には、コンデンサ及び整合器10を含めバイアス用高周波電源11を省略することができる。ウェーハ6にバイアスをかけない場合には、ウェーハ6の最高温度に対応する直流電源の電圧がそのままウェーハ電位となる。
【0028】
また、ウェーハ6にバイアス電圧を印加する場合、すなわちコンデンサ及び整合器10を含むバイアス用高周波電源11を有する場合でも、静電チャック用の直流電源を省略することができる。この場合には、静電チャック用電極7に印加するバイアス電圧がチャッキング用の電圧としても機能する。したがって、この場合には、バイアス用高周波電源11を可変電圧電源(通常可変電圧電源として構成されている。)としておき、バイアス電圧を変化させてウェーハ6の最高温度に対応するバイアス電圧値を検出すれば良い。すなわち、このときのバイアス電圧の絶対値がウェーハ電位となる。
【0029】
さらに、図1は本発明の実施の形態に係るウェーハ電位の測定装置を有するプラズマCVD装置であるが、これもプラズマCVD装置に限る必要はない。一般に、静電的にチャッキングを行う装置において、ウェーハ6の電位を非接触で検出する場合に適用し得る。
【0030】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、〔請求項1〕に記載する発明は、プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置したウェーハを直流電源の出力電圧の印加による静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出するので、
ウェーハの温度を媒介としてウェーハに非接触でその電位を検出することができる。すなわち、ウェーハに対する静電的な吸着力がゼロになったこと、換言すれば基台側とウェーハとの間の電位が同電位になったことを、ウェーハの最高温度を利用して検出することができる。
このように、ウェーハの電位が検出されると同一プラズマ条件の下での各装置のウェーハ電位に基づき当該各装置の性能の評価、保証を容易に行うことができる。例えば、各装置におけるウェーハ電位特性のバラツキがなく、同一電位となっていることをもってその製品の品質、再現性を保証することができる。
さらに、ウェーハの電位が分かるとイオンの量(電流量)が分かる。ウェーハの電位が測定できれば、この電位に基づく電圧と電流との積が供給した電力であるところ、この供給電力は既知であるからである。ここで、イオン量は、プラズマを形成するガスの流量、圧力、種類等をパラメータとするプラズマ条件で変化するが、イオン量を媒介とした合理的なプラズマ条件の設定を行うことも容易になる。ちなみに、従来、最適なプラズマ条件は試行錯誤により探していた。
【0031】
〔請求項2〕に記載する発明は、プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置したウェーハを静電チャックの静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記静電チャックの直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出するので、
〔請求項1〕に記載する発明と同様の作用・効果に加え、既存の設備である静電チャックを利用することにより、その分低廉なコストで前記作用・効果を得ることができる。
【0032】
〔請求項3〕に記載する発明は、プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置されたウェーハの近傍のイオンをRFバイアスの印加により加速するとともに、このRFバイアスに直流電源の出力電圧を重畳し、この直流電源の出力電圧の印加により基台に載置されたウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出するので、
〔請求項1〕に記載する発明と同様の作用・効果に加え、ウェーハ電位を媒介することによりバイアス電圧値の管理も合理的、且つ容易に行うことができる。ちなみに、従来、RFバイアス電圧によるバイアス電圧値の管理は経験に負うところが大きかった。
【0033】
〔請求項4〕に記載する発明は、温度制御された基台に載置したウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引する直流の出力電圧を印加するとともに前記出力電圧を変化させることができるように構成した可変直流電源と、前記ウェーハの温度を検出する温度検出手段と、プラズマ処理条件下において、前記温度検出手段によりウェーハの温度を計測しつつ前記可変直流電源の出力電圧を変化させて、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記可変直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出する制御手段とを有するので、
ウェーハの温度を媒介としてウェーハに非接触でその電位を検出することができる。
このように、ウェーハの電位が検出されると同一プラズマ条件の下での各装置のウェーハ電位に基づき当該各装置の性能の評価、保証を容易に行うことができる。例えば、各装置におけるウェーハ電位特性のバラツキがなく、同一電位となっていることをもってその製品の品質、再現性を保証することができる。
さらに、ウェーハの電位が分かるとイオンの量(電流量)が分かる。ウェーハの電位が測定できれば、この電位に基づく電圧と電流との積が供給した電力であるところ、この供給電力は既知であるからである。ここで、イオン量は、プラズマを形成するガスの流量、圧力、種類等をパラメータとするプラズマ条件で変化するが、イオン量を媒介とした合理的なプラズマ条件の設定を行うことも容易になる。
【0034】
〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項4〕に記載するウェーハ電位の測定装置において、可変直流電源は、静電チャックの直流電源の出力電圧を変化させることができるように構成したものであるので、
〔請求項4〕に記載する発明と同様の作用・効果に加え、既存の設備である静電チャックを利用することにより、その分低廉なコストで前記作用・効果を得ることができる。
【0035】
〔請求項6〕に記載する発明は、温度制御された基台に載置されたウェーハの近傍のイオンを加速するためのRFバイアス電源と、基台に載置したウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引する直流の出力を、前記RFバイアス電源の出力電圧に重畳して印加するとともに、前記直流の出力電圧を変化させることができるように構成した可変直流電源と、前記ウェーハの温度を検出する温度検出手段と、プラズマ処理条件下において、前記温度検出手段によりウェーハの温度を計測しつつ前記可変直流電源の出力電圧を変化させて、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記可変直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出する制御手段とを有するので、
〔請求項5〕に記載する発明と同様の作用・効果に加え、ウェーハ電位を媒介することによりバイアス電圧値の管理も合理的、且つ容易に行うことができる。ちなみに、従来、RFバイアス電圧によるバイアス電圧値の管理は経験に負うところが大きかった。
【0036】
〔請求項7〕に記載する発明は、〔請求項4〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つのウェーハ電位の測定装置における温度検出手段は、非接触でウェーハの温度を検出する赤外線温度計等の非接触式温度検出手段であるので、
〔請求項1〕に記載する発明と同様の作用・効果に加え、ウェーハの温度の測定を金属汚染等の問題を生起することなく最も良好に行うことができる。
【0037】
〔請求項8〕に記載する発明は、チャンバ内に配設する基台にウェーハを載置するとともに、前記チャンバ内のプラズマを利用して前記ウェーハに所定の処理を行うプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置において、〔請求項5〕乃至〔請求項9〕に記載する何れか一つのウェーハ電位の測定装置を備えたので、
〔請求項4〕乃至〔請求項7〕に記載する作用・効果を有するプラズマCVD装置とすることができ、その性能保証等を容易且つ客観的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4に示すプラズマCVD装置において、直流電源の出力電圧を変化させてこれに対するウェーハの温度を測定して得る温度特性を示す特性図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るウェーハ電位の測定装置を組み込んだプラズマCVD装置を示す構成図である。
【図3】図2に示す装置におけるウェーハ電位の特性を示すグラフである。
【図4】従来技術に係るプラズマCVD装置を示す構成図である。
【符号の説明】
6 ウェーハ
7 静電チャック用電極
11 バイアス用高周波電源
21 温度検出センサ
22 温度検出部
23 可変直流電源
24 電圧計
25 ウェーハ電位検出部
26 表示器

Claims (8)

  1. プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置したウェーハを直流電源の出力電圧の印加による静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出することを特徴とするウェーハ電位の測定方法。
  2. プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置したウェーハを静電チャックの静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記静電チャックの直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出することを特徴とするウェーハ電位の測定方法。
  3. プラズマ処理条件下において、温度制御された基台に載置されたウェーハの近傍のイオンをRFバイアスの印加により加速するとともに、このRFバイアス電圧に直流電源の出力電圧を重畳し、この直流電源の出力電圧の印加により基台に載置されたウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引するとともに、このウェーハの温度を計測しつつ前記直流電源の出力電圧を変化させ、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出することを特徴とするウェーハ電位の測定方法。
  4. 温度制御された基台に載置したウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引する直流の出力電圧を印加するとともに前記出力電圧を変化させることができるように構成した可変直流電源と、
    前記ウェーハの温度を検出する温度検出手段と、
    プラズマ処理条件下において、前記温度検出手段によりウェーハの温度を計測しつつ前記可変直流電源の出力電圧を変化させて、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記可変直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出する制御手段とを有することを特徴とするウェーハ電位の測定装置。
  5. 〔請求項4〕に記載するウェーハ電位の測定装置において、
    可変直流電源は、静電チャックの直流電源の出力電圧を変化させることができるように構成したものであることを特徴とするウェーハ電位の測定装置。
  6. 温度制御された基台に載置されたウェーハの近傍のイオンを加速するためのRFバイアス電源と、
    基台に載置したウェーハを静電的な吸引力で基台側に吸引する直流の出力電圧を、前記RFバイアス電源の出力に重畳して印加するとともに、前記直流の出力電圧を変化させることができるように構成した可変直流電源と、
    前記ウェーハの温度を検出する温度検出手段と、
    プラズマ処理条件下において、前記温度検出手段によりウェーハの温度を計測しつつ前記可変直流電源の出力電圧を変化させて、前記ウェーハの温度が最大になった時点を前記ウェーハに対する吸着力がゼロであると判断し、該時点での前記可変直流電源の出力電圧を前記ウェーハの電位として検出する制御手段とを有することを特徴とするウェーハ電位の測定装置。
  7. 〔請求項4〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか一つのウェーハ電位の測定装置における温度検出手段は、非接触でウェーハの温度を検出する赤外線温度計等の非接触式温度検出手段であることを特徴とするウェーハ電位の測定装置。
  8. チャンバ内に配設する基台にウェーハを載置するとともに、前記チャンバ内のプラズマを利用して前記ウェーハに所定の処理を行うプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置において、
    〔請求項4〕乃至〔請求項7〕に記載する何れか一つのウェーハ電位の測定装置を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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