JP2000031252A - 静電チャックを備えた半導体製造装置および静電チャックからのウエハ離脱方法 - Google Patents

静電チャックを備えた半導体製造装置および静電チャックからのウエハ離脱方法

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JP2000031252A
JP2000031252A JP19301198A JP19301198A JP2000031252A JP 2000031252 A JP2000031252 A JP 2000031252A JP 19301198 A JP19301198 A JP 19301198A JP 19301198 A JP19301198 A JP 19301198A JP 2000031252 A JP2000031252 A JP 2000031252A
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wafer
electrostatic chuck
thickness
back surface
oxide film
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JP19301198A
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English (en)
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Taketoshi Ikeda
剛敏 池田
Takashi Tsukasaki
尚 塚崎
Yuusuke Dobashi
祐亮 土橋
Minoru Hanazaki
稔 花崎
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電チャックからのウエハの離脱が、ウエハ
裏面酸化膜がどのような厚さであっても、スムーズにで
きるようにして、ウエハの位置ずれやウエハの破壊など
が生じるのを防ぐ。 【解決手段】 ウエハの処理前にウエハ裏面酸化膜の厚
さを検知し、その厚さに応じた一連の電圧シーケンス
(離脱シーケンス)を印加する。この印加により、ウエ
ハの離脱がスムーズに行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ウエハプロセス
でウエハを吸着して保持する静電チャックを備えた半導
体製造装置、および静電チャックに吸着したウエハの離
脱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置やCVD装置などの半導
体製造装置においては、半導体装置の集積度を高めるた
めに、プラズマを用いた処理が行われている。それらの
装置で使用するシリコンなどの半導体ウエハ(以下ウエ
ハと称す)がプラズマから受けるエネルギによって加熱
されるのを所望の温度に冷却、もしくはより高温に加熱
し、かつ温度の均一性を保ちつつ、固定・保持する方法
として、従来使用されてきたメカニカルクランプに代わ
って、静電チャックが使用されている。メカニカルクラ
ンプは、ステージ上に搭載されたウエハの外周をクラン
プリングやつめで機械的に押さえつける方法である。一
方、静電チャックは、導体金属の電極板に所望の厚さの
所望の誘電体を付けたもので、それらの上にウエハを置
き、ウエハと電極板との間に、電圧を印加することによ
り、静電力が発生し、ウエハをステージに吸着・保持・
固定することができるものである。この静電チャックの
誘電体膜として、各種セラミックや高分子膜などが用い
られている。静電チャックは全面吸着が可能なので、特
に大口径ウエハの保持方法として使用される。また、メ
カニカルクランプのように、ウエハ処理面と物理的接触
をする部分がないので、チャンバ内の低発塵化が図れ
る。
【0003】しかしながら、静電チャックの種類によっ
ては、ウエハを吸着するために印加している電圧を解除
しても、吸着力が直ちに減少・消滅せずに、ウエハのス
テージからの離脱を防げる場合がある。このように、印
加している電圧を解除しても残る吸着力を残留吸着力と
いい、この残留吸着力が大きいと、離脱時のウエハの位
置ずれや、チャンバから確実に搬出できないなど様々な
不具合が生じることがあり、半導体製造装置の処理能力
を低下させる原因の一つとなる場合があった。
【0004】また、静電チャックに印加している電圧を
解除して、すぐ残留吸着力が減少する場合においても、
吸着するウエハの裏面に、例えばシリコン酸化膜などが
付着していたり、その厚さが異なると、残留吸着力が大
きくなり、上記のような不具合を起こしていた。さら
に、ウエハ処理終了後、ウエハを静電チャックから離脱
させる際、逆バイアス等の残留吸着力を減少させる手段
を講じても、残留吸着力をウエハが離脱できるレベルま
で減少させることができない場合があり、そのとき部分
的に吸着したままウエハを離脱させようとして、ウエハ
の位置ずれ等の不具合を起こす場合があった。
【0005】以上のような不具合を解消するために、以
下のような方法が提案されている。例えば特開平7−2
83297号公報に記載のような静電吸着方法では、ウ
エハを処理室まで搬送する途中でウエハ裏面にシリコン
酸化膜が有るか無いか、ある場合には酸化膜のシート抵
抗を測定することによって酸化膜の厚さを求める。そし
て、酸化膜が付着している場合には酸化膜が付着してい
ない場合よりも小さな電圧を印加することによって過大
な吸着力を発生させるのを防ぎ、そうすることによって
発生する残留吸着力の大きさを押さえようとする方法で
ある。また、ウエハの状態をモニターする方法として、
例えば特開平6−163674号公報に記載の試料保持
装置のモニタ方法がある。これは、静電チャック内に複
数個の距離センサを用いる方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−283297号公報記載のような方法では、以下の
ような不具合を生じることになる。ウエハ裏面酸化膜の
厚さによって、吸着させる印加電圧を小さくし、従って
発生する吸着力は小さくなり、それに伴って残留吸着力
も小さくなるが、後述するとおり、裏面に酸化膜が付着
しているウエハにおいては、たとえ電圧印加時の吸着力
を小さくしても、残留吸着力が十分小さくなるわけでは
ない。また、特開平6−163674号公報記載のよう
なウエハモニタ方法は、ウエハが完全に全面吸着してい
るか否かをモニタする方法であって、ウエハが静電チャ
ックから完全に離脱できたかどうかを判断することはで
きない、などの問題があった。
【0007】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、ウエハ裏面の酸化膜がど
のような膜厚であっても、ウエハをスムーズに離脱させ
ることができ、残留吸着力が大きいことによってウエハ
の位置ずれやウエハの破壊などが生じるのを防止し、生
産性の減少を大幅に低減することができる半導体装置お
よびウエハ離脱方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る静電チャ
ックからのウエハ離脱方法は、ウエハに施す所定の処理
の開始前にウエハの裏面の酸化膜の厚さを検知し、その
検知した厚さに応じて、処理後に静電チャックに一連の
電圧シーケンスを印加してウエハを離脱させるものであ
る。請求項2に係る静電チャックからのウエハ離脱方法
は、請求項1記載のものにおいて、ウエハの裏面の酸化
膜の厚さの検知を、ウエハに所定の処理を行う処理室へ
ウエハを搬入する前に行うものである。請求項3に係る
静電チャックからのウエハ離脱方法は、請求項1または
請求項2記載のものにおいて、ウエハの裏面の酸化膜の
厚さの検知を、ウエハに所定の処理を行う処理室へウエ
ハを搬送する搬送装置上で行うものである。
【0009】請求項4に係る静電チャックを備えた半導
体製造装置は、ウエハに所定の処理を行う処理室へウエ
ハを搬送する搬送装置のウエハ搭載部に設けられウエハ
の裏面に当接する複数の接触子と、これらの接触子間の
インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、
このインピーダンス測定手段で測定したインピーダンス
からウエハの裏面の酸化膜の厚さを計算する計算手段
と、この計算手段で計算した厚さに応じて静電チャック
に一連の電圧シーケンスを印加する電圧印加手段とを有
するものである。
【0010】請求項5に係る静電チャックを備えた半導
体製造装置は、ウエハの裏面の酸化膜の厚さを非接触か
つ光学的に測定する厚さ測定手段と、この厚さ測定手段
で測定した厚さに応じて静電チャックに一連の電圧シー
ケンスを印加する電圧印加手段とを有するものである。
請求項6に係る静電チャックを備えた半導体製造装置
は、請求項5記載のものにおいて、厚さ測定手段による
ウエハの裏面の酸化膜の厚さの測定は、ウエハの裏面に
単色光を照射し、ウエハの裏面の酸化膜での干渉による
反射光の強度を測定することによって行うようにしたも
のである。請求項7に係る静電チャックを備えた半導体
製造装置は、請求項6記載のものにおいて、単色光の光
路を静電チャックの内部に設けたものである。
【0011】請求項8に係る静電チャックを備えた半導
体製造装置は、請求項4または請求項5記載のものにお
いて、静電チャックはウエハをその処理面を下向きにし
て吸着する構造とし、静電チャックからウエハまでの垂
直方向の距離を測定する非接触式の距離センサを設け、
この距離センサの測定結果により、ウエハ吸着工程時に
ウエハが静電チャックに吸着されたかどうかを判断する
とともに、ウエハ離脱工程での一連の電圧シーケンスで
ウエハが静電チャックから離脱したかどうかを判断し、
離脱が不完全なときは一連の電圧シーケンスの印加と離
脱の判断を、所定回数を限度に自動的に繰り返すように
したものである。請求項9に係る静電チャックを備えた
半導体製造装置は、請求項4または請求項5記載のもの
において、静電チャックはウエハをその処理面を下向き
にして吸着する構造とし、静電チャックから離脱したウ
エハを受け取る搬送装置のウエハ搭載部に緩衝機構を設
けたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1における静電チャックステージの断面図で
ある。図において1は処理されるシリコンなど、半導体
のウエハで、通常ウエハ1の裏面はシリコン酸化膜(以
下、ウエハ裏面酸化膜と呼ぶ)でおおわれている。静電
チャック2は、それぞれ円板状およびリング状の導体か
らなる内電極4と外電極5とで構成され、それぞれ電極
表面は誘電体膜3で覆われている。静電チャック2は、
ウエハ1を静電吸着する機能とウエハを加工処理するた
めの放電電極の役割を兼ねている。また、2つの電極
4,5の間には間隙を設けている。これらの電極4,5
は処理時のウエハ温度を調節するために流す冷媒のため
の流路である冷媒流路9が設けられ、取付けねじ7でセ
ラミックベース16に取り付けられており、内電極4側
の中央にはHeガス導入口11があり、ウエハ裏面にH
eガスを導入することができる。また、このHeガス導
入口11の内部には、非接触かつ光学的にウエハ裏面酸
化膜6の厚さを測定するための光学式膜厚計と、ウエハ
裏面までの距離を測定するためのレーザ距離計の両機能
を兼ね備えた光学センサ10が、光路の一部をなすファ
イバ43とともに挿入されている。また、内電極4と外
電極5の間の空隙に直接Heを導入する間隙部ガス導入
口12が設けられている。8は外電極5の外周端に設け
られた石英カバーである。
【0013】22は搬送装置としての搬送アームで、ウ
エハ1を静電チャック2の直下まで搬送する。搬送アー
ム22には、ウエハ搭載部としてウエハ1を表面の極一
部で受けるウエハ受けつめ14が4ヶ所設けられ、それ
ぞれウエハ1に衝撃を与えないように緩働機構としての
ばね15を介して、搬送アーム22に取り付けられてい
る。図2は、ウエハの処理面を下向きに処理するため
に、図1の静電チャック2を取り付けた半導体製造装置
の全体を示す断面図で、この図において、20はウエハ
処理をするためのウエハ処理装室、50はウエハハンド
リング室、80はロードロック室である。
【0014】また、図3に図1の静電チャック2を取り
付けた半導体製造装置の処理室20の断面図を示す。処
理室20は、ここではウエハにエッチング処理を施すた
めのエッチングチャンバであるとする。23は処理室2
0とウエハハンドリング室50を仕切るゲートシャッタ
Aである。24はウエハをエッチング処理するためのガ
スを導入する処理ガス導入口、25は処理ガス導入口2
4に設けられたバルブA、27は処理室20内の真空度
を測る真空計A、28は処理室20内を真空排気するた
めの真空ポンプA、29は圧力調整弁である。30は静
電チャック2とウエハ裏面との間隙にHeガスを導入す
るためのHeガス導入管で、図1に示したHeガス導入
口11、間隙部ガス導入口12を通じてHeガスを送
る。31はそのガスの圧力調整バルブ、32はアース電
極、33,34は電圧印加手段としての静電チャック用
電源AおよびBである。35は静電チャック用電源A3
3で内電極4と外電極5の両方に電圧を供給する回路に
切り替えるための切替スイッチ、36はプラズマを発生
させるための高周波電源、37は高周波電源36の電力
を効率よくプラズマへ供給するためのマッチングボック
ス、38は静電チャック用電源A33に高周波電力が侵
入するのを防ぐためのローパスフィルタである。
【0015】図3のエッチング装置を用いたウエハ処理
(アルミ配線エッチング)を例に、図1に示した静電チ
ャック2のシーケンスの例を図4に示す。以下、図1,
図3,図4を参照しながら動作について説明する。ゲー
トシャッタA23を開いて、搬送アーム22に乗せたウ
エハ1を処理室20の上部に下向きに取り付けられた静
電チャック2の直下まで搬送し、搬送アーム22を上げ
てウエハ1を静電チャック2に軽く押し当てる。ウエハ
1は裏面が図において上側、処理面が下側である。切替
スイッチ35が35a側に接続されている状態で、内電
極4に−400V、外電極5に+400Vを印加し、ウ
エハ1を吸着させる。処理室20内でプラズマが発生し
ていないときは、ウエハ1に電圧を印加する経路がない
ので、ウエハ1を静電チャック2に吸着させるために、
内電極4と外電極5の間に電位差が生じるように電圧を
印加し、2電極型静電チャックとして使用する。ウエハ
1が静電チャック2に吸着されて後述のプラズマが発生
するまでの間に、ウエハ1の裏面に付着しているウエハ
裏面酸化膜6の厚さを光学センサ10により測定する。
【0016】搬送アーム22を元の高さに戻した後、処
理室20の外に移動させ、ゲートシャッターA23を閉
め、圧力調整弁29を開け、真空ポンプA28で処理室
20内を10-3Pa程度の圧力まで排気する。しかる後
に処理ガス導入口24からエッチング処理用ガスとし
て、塩素と三塩化ホウ素の混合ガスを合計100cc/
分の割合で導入し、圧力調整弁29を用いて処理室20
内を10Pa程度のガス圧力に維持する。Heガス圧力
調整バルブ31を開き、ウエハ裏面と静電チャック2の
表面との間隙にHeガスを、Heガス導入口11および
間隙部ガス導入口12より導入し、Heガス圧力調整バ
ルブ31でその圧力を約1kPaに調整する。切替スイ
ッチ35を35b側に接続し、静電チャック用電源A3
3で静電チャック2の内電極4と外電極5に同時に、ウ
エハ裏面酸化膜6の厚さに適した電圧、例えばウエハ裏
面酸化膜厚が5000オングストロームのとき、−40
0Vの電圧を供給し、ついで高周波電源36によりマッ
チングボックス37を介してウエハ1を吸着している静
電チャック2に500Wの高周波電力を供給して静電チ
ャック2とアース電極32との間にプラズマを発生させ
ることができ、ウエハは静電チャック2に吸着する。処
理室20内にプラズマを発生させると、ウエハ1へ電圧
を供給する経路が形成されるので、内電極4と外電極5
に同じ電圧を印加し、単極型静電チャックとして使用す
る。
【0017】あらかじめウエハ裏面と静電チャック表面
との間隙には、プラズマからの入熱による過度のウエハ
1の温度上昇を防ぐために、ウエハ1と静電チャック2
間の熱伝達を促進させる目的でHeガス導入管30から
Heガス導入口11、間隙部ガス導入口12を通して1
kPaの圧力のHeガスが導入されているので、ウエハ
1の温度を一定に保つことができる。プラズマ中に生成
されたイオンやラジカルによって、ウエハ1の表面はエ
ッチングされる。所定の時間が経過し、処理が終了する
と、静電チャック2に印加している高周波電圧を解除し
プラズマを消滅させ、バルブ25を閉めてエッチング処
理ガスの導入を止め、処理室20内に残留したガスを圧
力調整弁29を開けてチャンバ外に排気し、Heガス圧
力調整バルブ31を閉めて、ウエハ裏面に導入している
Heガスの供給を止める。ウエハ1を落とさないため
に、切替スイッチ35を35a側に接続して、静電チャ
ック用電源A33から内電極4へ+400V、静電チャ
ック用電源B34から外電極へ−400Vを印加し、2
電極型静電チャックとして使用する。
【0018】処理室20内に圧力が10-3Pa程度に下
がって、ゲートシャッターA23を開け、搬送アーム2
2をウエハ1の直下に移動させた後、搬送アーム22を
上げてウエハ1に軽く押し当てる。その後、ウエハ裏面
に付着しているウエハ裏面酸化膜6の厚さに応じた離脱
のための電圧を静電チャック2に印加する。ウエハ1の
離脱のために静電チャック2に印加する一連の電圧シー
ケンスを離脱シーケンスと呼ぶことにする。例えば、ウ
エハ裏面酸化膜厚が約5000オングストロームのとき
の離脱シーケンスは、内電極4に+600V、外電極5
に−600Vの電圧を26秒間印加した後、それぞれの
電極に印加している電圧の極性を変え、内電極4に−6
00V、外電極5に+600Vの電圧を2秒間印加する
ことである(これについてはさらに後述する)。
【0019】離脱シーケンスを印加した後、搬送アーム
22を下げる。このとき、静電チャック2の内部に挿入
して設けられたレーザ距離計として働く光学センサ10
を用いて、ウエハ1が静電チャック2から完全に離脱で
きたか否かの判断を行う。ウエハ1が静電チャック2か
ら離脱していない場合には、もう一度搬送アーム22を
上げて離脱シーケンスを印加し、離脱している場合に
は、ウエハ1を搬送アーム22で処理室20の外に搬出
する。この離脱のやり直しは自動的に繰り返す。予め定
められた所定の回数(例えば2〜3回)までのやり直し
で離脱しない場合は、操作者に知らせるようになってい
る。
【0020】ここで、ウエハ裏面酸化膜6の膜厚を光学
センサ10で測定することについて説明する。光学セン
サ10は、前述のようにウエハ裏面までの距離を測定す
るレーザ距離計と、ウエハ裏面酸化膜6の厚さを測定す
るための光学式膜厚計の機能を兼ね備えている。図5は
この光学式膜厚計の動作を説明するための図である。以
下のような測定方法を用いた計測器を、ここでは光学干
渉式膜厚計と呼ぶことにする。図5の(a)において、
41はウエハ裏面酸化膜6を測定するために使用する単
色光の光源である発光部で、ここではレーザ光線を使用
しているが、ランプ光をフィルタや分光器等で分光した
単色光でも使用できることはいうまでもない。42は発
光部41から発振されるレーザ光線と、測定対象物から
反射して戻ってくるレーザ光線を分けるためのハーフミ
ラー、43はレーザ光線を目的の照射場所へ導くための
光路をなすファイバー、44は戻ってきたレーザ光線を
測定するための受光部である。
【0021】図5の(b)はファイバ43下端部分とウ
エハ裏面の部分を拡大したものである。L1〜L5は説明
のための光路を示す。また、ウエハ裏面の表面をB面、
ウエハ裏面酸化膜6とその下層(もしくは基板)との境
界面をA面とする。発光部41より発生したレーザ光線
はハーフミラー42、ファイバ43を通り、ウエハ裏面
に照射される(L1,L4)。ウエハ裏面に照射されたレ
ーザ光線の一部はA面で反射するが、一部はウエハ裏面
酸化膜を通り(L2)、B面で反射する(L3)。L3は
L4の反射光と干渉しL5となりファイバ43を逆にたど
ってハーフミラー42で反射され、受光部44に入る。
【0022】このとき、測定用のレーザ光の波長をλ、
ウエハ裏面酸化膜6の厚さをd、ウエハ裏面酸化膜6の
光学的屈折率(以下、屈折率と称する)をnとする。ま
た、受光部44に入るレーザ光の強さは、次の式で表さ
れる。 I=I0R ここで、Iは受光部44への反射光の強さ、I0はファ
イバ43からの入射光の強さ、Rは反射率であり、以下
の式で表される。 R=rA(1−rB2+rB+2√(rAB)(1−rB
cos(2πD/λ) D=2nd ここで、rAはA面での反射率、rBはB面での反射率で
ある。またDはB面で反射する光とA面で反射してくる
光との光路差である。以上のような考えから使用するレ
ーザ光の波長λを5.8μm〜6.0μmとすると、ウ
エハ裏面酸化膜6の屈折率nは1.30〜1.25とな
り、膜厚の測定可能な範囲は、おおよそ0〜10000
オングストロームとなる。このとき、反射率Rは波長λ
により図6のような形で変化する。
【0023】また、この光学センサ10を用いてファイ
バ43の先端からウエハ裏面までの距離を測定すること
ができる。発光部41から発生したレーザ光は、ハーフ
ミラー42、ファイバ43を通ってウエハ裏面酸化膜6
の表面(B面)で反射する。ここで、ウエハ裏面は完全
な鏡面ではなく多少粗さを持つので、ファイバ43の先
端から出たレーザ光は、B面で反射する際に散乱する。
このとき、ファイバ43の先端とウエハ裏面の距離の大
きさにより、受光部44に入ってくるレーザ光の強さが
変化する。この距離が小さくなると受光部44に入って
くるレーザ光は強くなり、距離が大きくなると弱くな
る。このレーザ光の強弱によって、後述するようなウエ
ハの離脱の判定をすることが可能である。このように、
光学センサ10を用いる場合、ウエハ1との距離が変化
すると受光部44へのレーザ光の強さが変化する。その
ため、ウエハ裏面酸化膜6の厚さを測定する場合、でき
るだけウエハ1を光学センサ10に近づけた状態、つま
り、ウエハ1を吸着した状態で測定するのが望ましい。
【0024】以上のように、静電チャック2のHeガス
導入口11に挿入した光学センサ10によって得られた
ウエハ裏面酸化膜6の膜厚は、静電チャック2に印加す
る最適な電圧のシーケンスを選択するのに使用される。
それは以下のように説明される。発明者は静電チャック
の特性を得るために、様々な条件下での吸着力や残留吸
着力を実験にて調べた。そうすることによって、ウエハ
裏面状態に対する静電チャックの特性が大きく変化する
ことが分かった。図7にウエハ裏面酸化膜に対する吸着
力の大きさを示す。ウエハ裏面酸化膜厚が大きくなると
吸着力は大きくなって、2500〜5000オングスト
ローム付近で極大となり、その後、徐々に小さくなって
いくことが分かる。ベアウエハの吸着力に比べて極大の
時の吸着力は約4倍となる。
【0025】過大な吸着力は過大な残留吸着力を発生さ
せるので、以上のようなことから、裏面に酸化膜が付着
したウエハを吸着させるときは、印加電圧をベアウエハ
の時より小さくする必要がある。このことは前述の特開
平7−283297号公報でも示されているが、発明者
の行った実験ではウエハ裏面酸化膜の厚さが極端に厚い
(10000オングストローム以上)場合、吸着力はそ
れほど大きくならず、ベアウエハの時の2倍程度以下で
あることが分かった。従って、ウエハ裏面酸化膜によっ
て印加電圧を制御する必要があるが、それは一定ではな
く、ウエハ裏面酸化膜の膜厚の大小に応じて最適な印加
電圧を設定する必要がある。ウエハ裏面酸化膜6の厚さ
に対する吸着電圧は以下の通りである。
【0026】
【表1】
【0027】また、図8にウエハ裏面酸化膜に対する相
対残留吸着力を示す。ここで、相対残留吸着力とは、吸
着力に対する残留吸着力の割合を示すものである。相対
残留吸着力が大きいということは、吸着力の大きさを同
じにしたとしても、残留吸着力が大きくなることを示し
ている。これを見ると、やはりウエハ裏面酸化膜厚によ
って大きく変化しており、膜厚が大きくなると相対残留
吸着力は大きくなって、約6000オングストローム付
近で最も大きくなり、さらに膜厚が増すと、徐々に減少
する。
【0028】従って、静電チャックにウエハを吸着させ
るときの電圧を制御し、ウエハ裏面酸化膜厚に関係なく
吸着力の大きさを同じ大きさにしても、ウエハ裏面酸化
膜の厚さによっては残留吸着力が大きくなり、ウエハ離
脱不完全のためにウエハ位置ずれ等の不具合を起こす可
能性がある。そのためウエハ裏面酸化膜厚によって離脱
シーケンスを変える必要があり、例えば、ウエハ裏面酸
化膜厚に応じて、逆バイアスの印加時間や逆バイアスの
大きさを変えたりする必要がある。ウエハ裏面酸化膜の
膜厚に合わせた離脱シーケンスは、例えば以下のような
ものである。
【0029】
【表2】
【0030】ここで、ウエハ裏面酸化膜があるときに、
それぞれ2つの欄を示しているが、これは2つの電圧を
順番にそれぞれの時間だけ印加することを示している。
例えば5000〜10000オングストロームの場合、
内電極に+600V、外電極に−600Vを26秒印加
したあと、極性を逆にして2秒印加する。
【0031】また、この実施の形態のようにウエハの処
理面を下向きにして処理する場合、リフトピンなどの強
制的にウエハを静電チャックから離脱させる方法を用い
なければ、ウエハを静電チャックから離脱させる力は、
ウエハの自重のみになる。この自重は直径20cmのウ
エハの場合で、約0.16gf/cm2と非常に小さ
く、少しでも残留吸着力があると、自重のみで離脱させ
るのは非常に難しい。先述のようなウエハ裏面酸化膜に
応じた離脱シーケンスを印加したとしても、この自重の
みの離脱の場合、数百枚に一枚くらいの割合で、ウエハ
搬出エラーが発生することがある。
【0032】このような場合、静電チャック2のHeガ
ス導入口11に挿入したレーザ距離計を兼ねる光学セン
サ10を用いてウエハ裏面を測定することによって、ウ
エハが離脱したかどうかを判断する。この説明を図9の
静電チャックとウエハの断面図を用いて行う。ここで、
ウエハ1が静電チャック2に吸着しているときの光学セ
ンサ10のファイバ43からウエハ1の裏面までの距離
をXとする(図9(a))。ウエハ1が完全に静電チャ
ック2から離脱することができたならば、光学センサ1
0のファイバ43からウエハ裏面までの距離Xは変化
し、XAとなる(図9(b))。もしウエハ1が残留吸
着力によって静電チャック2に吸着したままであれば、
搬送アーム22を下げても、距離Xは変わらない。(図
9(c))。すなわち、光学センサ10のファイバ43
からウエハ裏面の距離を測定することによってウエハ1
が静電チャック2から離脱したか否かを判断することが
できる。また、距離Xを測定しなくても、レーザ反射光
の強度変化より、ウエハ1の離脱判定をすることも可能
である。
【0033】ウエハ1が静電チャック2から離脱してい
ないと判断された場合には、一度下げた搬送アーム22
を再び上げ、ウエハ1に接触させた後に再度離脱シーケ
ンスを印加して、離脱したどうかを判断する。以上のよ
うな方法を自動的に行うことによって、ウエハ1が静電
チャック2から離脱しなかった場合でも、離脱シーケン
スをやり直してウエハ1を確実に離脱させることがで
き、ウエハを損失させることなく回収できる。
【0034】これらの離脱シーケンスは、ウエハ1のエ
ッチング処理終了後に搬送アーム22がウエハ1に接触
した後に印加する。このときウエハ1はウエハ裏面ガス
圧によって予圧されているので、ウエハ1が静電チャッ
ク2から離脱した瞬間、ウエハ1は搬送アーム22に激
しく衝突し、ウエハ1を破損させる原因の一つとなり、
また、ウエハ1が破損しないまでも、激しく搬送アーム
22に衝突することにより、発塵の原因となり得る。そ
こで、ウエハ1を乗せる搬送アーム22のウエハ受けつ
め14にばね15を取り付けて緩衝機構とすることによ
り、静電チャック2から離脱するときのウエハ1の与え
る衝撃を低減し、上記のような問題を解決し、安全性の
高いウエハ搬送を行うことができる。
【0035】実施の形態2.図10にこの発明の実施の
形態2におけるウエハハンドリング室の断面図を示す。
図において、50はウエハハンドリング室、52は搬送
アーム22を駆動させるためのウエハハンドリングロボ
ット、53はウエハハンドリング室50内の真空度を測
定するための真空計B、54はハンドリング室50内を
真空排気するための真空ポンプB、55は真空ポンプB
54を制御するためのバルブB、56はウエハハンドリ
ング室50とロードロック室80の間に設けられたゲー
トシャッターBである。真空ポンプB54は、ロードロ
ック室80の真空排気のための真空ポンプと兼用であ
る。
【0036】また、図10にはウエハ1の裏面酸化膜6
の厚さを測定するために、実施の形態1における光学セ
ンサ10による光学干渉式膜厚計とは原理の異なる光学
式膜厚計が取り付けられる。ここではこれを偏光解析式
膜厚計と呼ぶことにする。図において、61はレーザ等
を用いた単色光源、62はコリメータ、63は偏光子、
64は1/4波長板、65は検光子、66は検出器、67
はコンピュータである。上記、単色光源61、コリメー
タ62、偏光子63,1/4波長板64、検光子65、検
出器66、コンピュータ67により、偏光解析式膜厚計
60が構成される。また、68はレーザ式の距離センサ
であり、ウエハ裏面までの距離を測定する。実施の形態
1と同様の部分については説明を省略する。
【0037】この偏光解析式膜厚計60は、ウエハ裏面
酸化膜6はSiO2、またその下層の膜(基材であれば
Si、またはその他の物質)の既知の光学的物性値を用
いて、偏光解析法にてウエハ裏面酸化膜6の膜厚を求め
るものである。偏光解析法とは、特定波長の直線偏光を
測定対象となるウエハ表面に入射させた時の反射光の偏
光状態の変化で、薄膜(ここではウエハ裏面のシリコン
酸化膜)の光学定数や膜厚を評価する方法である。
【0038】以上のように構成された半導体製造装置の
ウエハハンドリング室50において、ロードロック室8
0から、ウエハ1は処理面を下向きにして搬入される。
ゲートシャッタB56を閉じて、ウエハ1を処理室20
に搬出するため、搬送アーム22は、ゲートシャッタA
23の前まで移動する。ここで、距離センサ68を使用
して、ウエハ1の位置測定を行いながら、搬送アーム2
2を上下に移動させて、偏光解析に用いる光線69が所
定の光路となるようウエハ1の高さを定める。光線の照
射位置は、ウエハ1の外縁近傍以外であれば特に問題な
いが、中心近傍(直径50mmくらい)とすることが望
ましい。
【0039】次に、単色光源61からの発生した光をコ
リメータ62で細いビーム光に整形し、偏光子63で直
線偏光の光線69に加工し、ウエハ裏面に入射させる。
この反射光はだ円偏光となり、1/4波長板64によって
直線偏光に直され、検光子65の方位角を読みとる、検
出器66の光の強さを測定することなどの操作により、
だ円偏光を測定することを通して、振幅反射率比Ψと位
相差Δが測定される。しかし、振幅反射率比Ψと位相差
Δから解析的に膜厚を求めることは、一般には困難であ
るので、チャートを用いた図式解法あるいは、コンピュ
ータを使用した逐次近似計算により解くことができる
が、ここでは説明を省略する。測定原理・解法の詳細に
ついては、例えば、応用物理学会編「応用物理ハンドブ
ック」20項〜22項などに説明されている。
【0040】以上のように、偏光解析式膜厚計60を使
用することによって、ウエハハンドリング室50内でウ
エハ裏面酸化膜6の厚さを測定することができる。ここ
で得られたウエハ裏面酸化膜6の厚さは、実施の形態1
で説明したのと同じようにして静電チャック2に印加す
る最適な印加電圧や離脱シーケンスを選択するのに使用
される。
【0041】また、この実施の形態2では、偏光解析式
膜厚計60を用いたが、もちろん実施の形態1で説明し
た光学干渉式膜厚計を使用することもできる。また、ウ
エハの処理面が上向きの半導体製造装置においては、こ
れらの光学式膜厚計をウエハハンドリング室50の下部
に取り付けることによって使用することも可能である。
搬送アーム22のウエハ1を受ける部分の形状を、例え
ばU字形にしておけば、その中央部分を通してウエハ裏
面に光を照射することができる。また、上記では真空室
であるウエハハンドリング室50中の搬送アーム22上
で膜厚を測定したが、大気中の他の搬送装置上で行うよ
うにしてもよい。
【0042】実施の形態3.図11はこの発明の実施の
形態3における半導体製造装置の全体を示す断面図で、
ウエハの処理面を上向きで処理する場合について示す。
すなわち、ウエハ1の処理面が、図において上側であ
り、したがってウエハ裏面は下側である。ウエハ1の処
理面を上向きに処理するため、静電チャック2はウエハ
処理室20Aの下の部分に上向きに取り付けられる。ま
た、ウエハハンドリング室50から搬入されてくるウエ
ハ1を受け取るために、静電チャック2を貫通してリフ
トピン18とそれを駆動させるシリンダ19が取り付け
られている。図12に実施の形態3におけるウエハハン
ドリング室50の断面図を示す。この図において、71
はウエハ受けつめ14に取り付けた複数の接触子であ
り、ウエハ裏面に当接する。この接触子71はウエハ裏
面酸化膜の膜厚を測定するための接触式膜厚計の一部で
ある。実施の形態1と同様の部分については説明を省略
する。
【0043】上記のように構成されたウエハハンドリン
グ室51は、以下のように動作する。ウエハ1は、ロー
ドロック室80よりウエハ1の処理面を上向きにして搬
送アーム22に乗って搬入される。ゲートシャッターB
56が閉まり、搬送アーム22はウエハ1を処理室20
に搬出するため、ゲートシャッターA23の前まで移動
させる。ゲートシャッターA23を開け、ウエハ1は処
理室20へ搬出される。ここで、ロードロック室80で
搬送アーム22にウエハ1を乗せて、処理室20へ搬出
させるまでの間に、接触子71がその一部を構成する接
触式膜厚計を用いて、ウエハ裏面酸化膜の膜厚を測定す
る。ここで得られた膜厚は、実施の形態1で説明したと
同じようにして最適な印加電圧や離脱シーケンスを選択
するのに用いられる。
【0044】ここで、接触式膜厚計について簡単に説明
する。接触式膜厚計の1つであるインピーダンス膜厚計
75がインピーダンス測定手段として用いられていて、
図13にその説明図を示す。図の(a)において、搬送
アーム22などの上に設置された、ウエハ1と直接接触
する最低で2個以上の接触子71と、検流器75A、電
源75Bが図のように接続されている。接触子71はウ
エハ裏面に当てられている。接触子71はウエハ裏面酸
化膜6と基材もしくは、酸化膜の下層を介して、もう一
方の側の接触子71と回路を形成する。その時の等価回
路図を図13(b)に示す。ここで、電源からv=v0
cosωtで表される電圧v(v0は電圧振幅、ωは角
速度、tは時間)の交流電圧を印加したとき、検流器7
5Aで測定される電流iは i=√{(1/R)2+(ωc)2}・v0cos(ωt
+δ) となり、この時の位相のずれδは tanδ=RωC となる。また、インピーダンスZは Z=1/√{(1/R)2+(ωC)2} となるので、この位相のずれδとインピーダンスZを測
定することによって、ウエハ裏面酸化膜6の抵抗成分R
および静電容量Cを求めることができ、予め測定してお
いたウエハ裏面酸化膜6の抵抗率ρおよび誘電率εか
ら、ウエハ裏面酸化膜6の厚さを測定することができ
る。
【0045】また、接触式膜厚計のもう1つの方法につ
いて説明する。図14にその接触式膜厚計を説明するた
めの図を示す。ここで、この方法の接触式膜厚計をブリ
ッジ型膜厚計と呼ぶことにする。接触子の間の抵抗と容
量をそれぞれR1、C1としそれを一つのインピーダンス
と考え、R2、R4、R3とC3をブリッジを成すように、
図14の(a)に示すように接続する。この等価回路図
を図14(b)に示す。これに v=v0cosωt の電圧を印加した場合、検流計に電流が流れないような
平衡状態が得られるとき、以下の式を満たす。 R4/R2=R3/R+C/C3 ω2CC3RR3=1 これらの2つの式よりRを求める。ウエハ裏面酸化膜の
抵抗率、誘電率を予め測定しおけば、この酸化膜の厚さ
を容易に求められる。
【0046】以上のようなウエハ裏面酸化膜6の膜厚を
測定するための手段として説明した各方法(光学干渉式
膜厚計、偏光解析式膜厚計、インピーダンス膜厚計、ブ
リッジ式膜厚計)を以上説明した以外の場所、例えばロ
ードロック室80、または大気側搬送ロボット(図示せ
ず)などに組み合わせ、ウエハ処理を行う前にウエハ裏
面酸化膜6の膜厚を知り、実施の形態1のように静電チ
ャック2に印加する最適な離脱シーケンスを選択するの
に利用できる。また、実施の形態1〜3ではエッチング
処理の場合を示したが、エッチング処理装置以外の半導
体製造装置においても、適用できることは言うまでもな
い。
【0047】
【発明の効果】請求項1〜3に係る静電チャックからの
ウエハ離脱方法は、ウエハ裏面の酸化膜の厚さを検知し
て、その厚さに応じて静電チャックに一連の電圧シーケ
ンスを印加することにより、ウエハ裏面の酸化膜がどの
ような膜圧であっても、ウエハを静電チャックからスム
ーズに離脱させることができる。また、請求項4〜7に
係る静電チャックを備えた半導体製造装置は、ウエハ裏
面の酸化膜の厚さを電気的または光学的に求める手段
と、その厚さに応じて静電チャックに一連の電圧シーケ
ンスを印加する電圧印加手段を備えているので、電圧印
加手段から静電チャックへの上記一連の電圧シーケンス
の印加により、ウエハを静電チャックからスムーズに離
脱させることができる。また、請求項8に係る静電チャ
ックを備えた半導体製造装置は、距離センサを設けてウ
エハの離脱が完全になされたかどうかを判断し、ウエハ
の離脱が不完全なときは、一連の電圧シーケンスの印加
を自動的に繰り返すので、ウエハの離脱がより確実にな
る。さらに、請求項9に係る静電チャックを備えた半導
体製造装置は、ウエハ搭載部に緩働機構を設けたので、
ウエハ離脱時の衝撃を和らげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における静電チャッ
クステージの断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における半導体製造
装置の断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における処理室の断
面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における静電チャッ
クのシーケンス図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における光学式膜厚
計の動作説明図である。
【図6】 図5の光学式膜厚計での測定における波長と
反射率の関係の概略を示すグラフである。
【図7】 ウエハ裏面酸化膜厚と吸着力の関係の実験結
果を示すグラフである。
【図8】 ウエハ裏面酸化膜厚と残留吸着力/吸着力の
関係の実験結果を示すグラフである。
【図9】 この発明の実施の形態1におけるウエハ離脱
の判断を示すための静電チャックとウエハの断面図であ
る。
【図10】 この発明の実施の形態2におけるウエハハ
ンドリング室の断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態3における半導体製
造装置の断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態3におけるウエハハ
ンドリング室の断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態3におけるインピー
ダンス膜厚計の説明図である。
【図14】 この発明の実施の形態3におけるブリッジ
型膜厚計の説明図である。
【符号の説明】
1 ウエハ、2 静電チャック、6 ウエハ裏面酸化
膜、10 光学センサ、14 ウエハ受けつめ、15
ばね、20 処理室、22 搬送アーム、33,34
静電チャック用電源A,B、43 ファイバ、60 偏
光解析式膜厚計、75 インピーダンス膜厚計、76
ブリッジ型膜厚計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土橋 祐亮 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 花崎 稔 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3C016 GA10 5F031 CC13 FF03 GG02 GG20 KK07 KK09 LL03 LL05 LL07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電チャックを用いてウエハを吸着して
    保持するウエハプロセスでの上記静電チャックからのウ
    エハ離脱方法において、上記ウエハに施す所定の処理の
    開始前に上記ウエハの裏面の酸化膜の厚さを検知し、そ
    の検知した厚さに応じて、上記処理後に上記静電チャッ
    クに一連の電圧シーケンスを印加して上記ウエハを離脱
    させることを特徴とする静電チャックからのウエハ離脱
    方法。
  2. 【請求項2】 ウエハの裏面の酸化膜の厚さの検知は、
    上記ウエハに所定の処理を行う処理室へ上記ウエハを搬
    入する前に行うことを特徴とする請求項1記載の静電チ
    ャックからのウエハ離脱方法。
  3. 【請求項3】 ウエハの裏面の酸化膜の厚さの検知は、
    上記ウエハに所定の処理を行う処理室へ上記ウエハを搬
    送する搬送装置上で行うことを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の静電チャックからのウエハ離脱方法。
  4. 【請求項4】 ウエハの処理時に上記ウエハを吸着して
    保持し、処理後に上記ウエハを離脱させる静電チャック
    を備えた半導体製造装置において、上記ウエハに所定の
    処理を行う処理室へウエハを搬送する搬送装置のウエハ
    搭載部に設けられ上記ウエハの裏面に当接する複数の接
    触子と、これらの接触子間のインピーダンスを測定する
    インピーダンス測定手段と、このインピーダンス測定手
    段で測定したインピーダンスから上記ウエハの裏面の酸
    化膜の厚さを計算する計算手段と、この計算手段で計算
    した厚さに応じて上記静電チャックに一連の電圧シーケ
    ンスを印加する電圧印加手段とを有することを特徴とす
    る静電チャックを備えた半導体製造装置。
  5. 【請求項5】 ウエハの処理時に上記ウエハを吸着して
    保持し、処理後に上記ウエハを離脱させる静電チャック
    を備えた半導体製造装置において、上記ウエハの裏面の
    酸化膜の厚さを非接触かつ光学的に測定する厚さ測定手
    段と、この厚さ測定手段で測定した厚さに応じて上記静
    電チャックに一連の電圧シーケンスを印加する電圧印加
    手段とを有することを特徴とする静電チャックを備えた
    半導体製造装置。
  6. 【請求項6】 厚さ測定手段によるウエハの裏面の酸化
    膜の厚さの測定は、上記ウエハの裏面に単色光を照射
    し、上記ウエハの裏面の酸化膜での干渉による反射光の
    強度を測定することによって行うようにしたことを特徴
    とする請求項5記載の静電チャックを備えた半導体製造
    装置。
  7. 【請求項7】 単色光の光路を静電チャックの内部に設
    けたことを特徴とする請求項6記載の静電チャックを備
    えた半導体製造装置。
  8. 【請求項8】 静電チャックはウエハをその処理面を下
    向きにして吸着する構造とし、上記静電チャックから上
    記ウエハまでの垂直方向の距離を測定する非接触式の距
    離センサを設け、この距離センサの測定結果により、ウ
    エハ吸着工程時に上記ウエハが上記静電チャックに吸着
    されたかどうかを判断するとともに、ウエハ離脱工程で
    の一連の電圧シーケンスで上記ウエハが上記静電チャッ
    クから離脱したかどうかを判断し、離脱が不完全なとき
    は一連の電圧シーケンスの印加と離脱の判断を、所定回
    数を限度に自動的に繰り返すようにしたことを特徴とす
    る請求項4または請求項5記載の静電チャックを備えた
    半導体製造装置。
  9. 【請求項9】 静電チャックはウエハをその処理面を下
    向きにして吸着する構造とし、上記静電チャックから離
    脱した上記ウエハを受け取る搬送装置のウエハ搭載部に
    緩衝機構を設けたことを特徴とする請求項4または請求
    項5記載の静電チャックを備えた半導体製造装置。
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