JP3860962B2 - 反射シートの貼着方法及び反射性を有する積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の車線分離、側縁標示等を目的として設置される柱状の標識体に貼着される反射シートの貼着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
柱状標識体については周囲の一部分乃至は全面に、外面に再帰反射性を有し裏面に粘接着性を有する反射シートを貼着して再帰反射性を具備させることにより夜間での視認性を向上させることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし反射シートを柱状標識体の周囲に貼着した場合、反射シート自体に再帰反射層及び粘接着層を積層することから、ある程度大きな厚みを有するようになるのは避けられない。反射シートを貼着する際には柱状標識体の周囲を一周させて更に重なり合う部分を設けて始点の剥離を防止するのが通常の貼着方法であるが、反射シート自体にある程度の厚みがあることから終点には段差が生じ、その段差が外力の影響を受けやすく、特に対策を施さない場合は終点部分からの反射シートの剥離が起こりやすい。
【0004】
そこで本発明は簡潔かつ容易な方法で、反射シートの貼着後の剥離を防止できる貼着方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、柱状部及び台座部から構成される柱状標識体の柱状部の周囲に反射シートを貼着し、反射シートの端部を透光性を有する保護フィルムにて被覆する反射シートの貼着方法であって、該保護フィルムの端部を反射シートより突出させ、該保護フィルムの突出部分を前記柱状体の表面に直接貼着することを特徴とする反射シートの貼着方法である。
【0006】
比較的厚みの大きい反射シートを貼着することで生じる段差を、反射シートより厚みの小さい保護フィルムにより被覆することで反射シートの剥離を防止し、併せて生じる段差の高さを減少させて外力の影響を少なくし貼着後の剥離の恐れを小さくできる。
【0007】
保護フィルムは柱状標識体に反射シートを貼着した後に反射シートの端部に貼着してもよいが、予め反射シートの外面に保護フィルムを貼着し積層体するのが好ましい。すなわち、本発明に係わる反射性を有する積層体は、柱状部及び台座部から構成される柱状標識体の柱状部の周囲に貼着され、外面が再帰反射性を有し、裏面に粘接着層が設けられている反射シートの外面に、透光性を有する保護フィルムを貼着すると共に保護フィルムの端部を反射シートより突出させ、該保護フィルムの突出部分が前記柱状体の表面に直接貼着されるようになされたことを特徴とするものである。積層体にしておくことで、柱状標識体への粘着材シートの貼着を1回のみとすることができ省力化に繋がる。また反射シートの外面に保護フィルムを貼着する際に、曲面上ではなく平面上での貼着が可能であり、貼着の際に発生する不具合を防止することができる。
【0008】
保護フィルムの外面には、擦傷、摩耗等を防ぐために適宜機能を付加したコート層を設けておくのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に基づき具体的に説明する。
図1は柱状標識体に反射シート及び保護フィルムを貼着した全体の状態を示すものである。柱状標識体3は柱状部31及び台座部32から構成され、柱状部31は軟質合成樹脂により形成されて可撓性を有している。柱状部31の上方寄りの3ヶ所に積層体1が貼着されている。主に柱状標識体3が設置される箇所は道路上であり、車両による踏みつけ等による摩耗や擦傷、剥離、排気ガス中の煤塵等による汚染といった悪条件に曝される。これらの要因により柱状標識体に貼着された反射シートの再帰反射性は低下し、車両の運転者等からの視認性がし辛くなるが、柱状部31に貼着された反射シート11上に保護フィルム12を貼着することで反射シート11外面への直接の悪影響を防止し視認性の低下を軽減できる。また保護フィルム12は透光性を有していることで再帰反射性を妨げるものではなく、更には反射シートの全面を被覆しており反射シートが重複する部分はもとより、反射シートの上下方向に生じる段差も被覆して反射シートの剥離を防いでいる。
【0010】
図2は柱状標識体への貼着前の積層体の断面を示すものである。反射シートの外面には端部を被覆するように保護フィルム12が貼着され、反射シート及び保護フィルムは離型紙3上に配置され積層された状態で剥離可能となされている。この積層体を貼着することで反射シート及び保護フィルムが柱状標識体の柱状部に貼着することが可能となり、反射シートの貼着した後に保護フィルムのみを貼着する場合やシュリンクフィルムを熱収縮させる場合と較べ省力化が図られ、更に貼着する場合は貼り付けが難しい曲面に貼ることがなくなり貼り皺等の不具合が生じる恐れも小さくできる。また積層体1は反射シート11や保護フィルム12の単体より厚み、重量とも大きくなることで、貼着の際の折れ曲がりや風による粘着材同士の接触といった不具合も起こる恐れを小さくできる。
【0011】
図3は反射シート及び保護フィルムを貼着した部分の断面を示すものである。柱状部の外面に粘着層を介して反射シートが貼着され、更にその外面に粘着層を介して保護フィルムが貼着されている。保護フィルムの基材となる樹脂の材質としては、透光性を有するもので、ウレタン系、アクリル系、フッ素系、塩化ビニル系、PET等を用いるのが好適である。また保護フィルムの外面には適宜機能コート層を設けてもよく擦傷等を防止するシリコンハードコート層、親水化による自浄性を有し、活性化により汚染物質を分解する光触媒含有層等を設けてもよい。
【0012】
図4は反射シートに保護フィルムを貼着したものとしていないものを比較した断面を示すものである。反射シートの厚みは再帰反射性を具備させることや粘着層を設けること、可撓性を持つ基材を用いる必要があること等の理由により0.2〜0.4mm程度となる。対して保護フィルムは透光性を有しある程度の強度である樹脂からなる基材及び粘着層により形成されることから、50〜100μmの厚みとすることができる。保護フィルムを貼着したa)は段差の高さは保護フィルムの厚みであるAで済むが、保護フィルムを貼着しないb)では段差の高さは反射シートの厚みであるBとなり、a)の場合と較べ段差が大きくなり端部にかかる外力が大きくなり、剥離しやすくなる。
【0013】
【発明の効果】
柱状標識体に反射シートを貼着する前に、予め反射シートの外面に保護フィルムを貼着し積層体としておくことで、柱状標識体への粘着材シートの貼着を1回のみとすることができ、大きく工程の省力化に繋がる。また反射シートの外面に保護フィルムを貼着する際には、曲面上ではなく平面上での貼着が可能であり、貼着の際に発生する不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層体を貼着した柱状標識体の全体を示すものである。
【図2】本発明に係わる形成された積層体の断面を示すものである。
【図3】柱状部の積層体を貼着した部分の断面を示すものである。
【図4】反射シートに保護フィルムを貼着したものとしていないものを比較した断面を示すものである。
【符号の説明】
1 積層体
11 反射シート
111粘着層
12 保護フィルム
121粘着層
2 柱状標識体
21 柱状部
22 台座部
3 離型紙
Claims (2)
- 柱状部及び台座部から構成される柱状標識体の柱状部の周囲に反射シートを貼着し、反射シートの端部を透光性を有する保護フィルムにて被覆する反射シートの貼着方法であって、該保護フィルムの端部を反射シートより突出させ、該保護フィルムの突出部分を前記柱状体の表面に直接貼着することを特徴とする反射シートの貼着方法。
- 柱状部及び台座部から構成される柱状標識体の柱状部の周囲に貼着され、外面が再帰反射性を有し、裏面に粘接着層が設けられている反射シートの外面に、透光性を有する保護フィルムを貼着すると共に保護フィルムの端部を反射シートより突出させ、該保護フィルムの突出部分が前記柱状体の表面に直接貼着されるようになされたことを特徴とする反射性を有する積層体。
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