JP3860559B2 - 帯域通過フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、帯域通過フィルタに係り、特に、通信機器に用いられる帯域通過フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
帯域通過フィルタは、信号の干渉を防ぎ、周波数を有効に利用するための重要なコンポーネントである。通信分野においては、特にフィルタの性能が重要であり、フィルタの性能が重要な資源である周波数の有効利用を決めるといっても過言ではない。すなわち、アンテナで送受信される電波は、受信フィルタ又は、送信フィルタによって帯域外の信号は、カットされ、隣接の信号との干渉を大幅に低減することができる。帯域外の信号を最も効果的にカットするためには、信号毎に明確に分離できるフィルタが望ましいが、特に高い周波数帯においては、非常に狭帯域で、かつ隣接信号をカットするため超シャープカットのフィルタになり、このような超狭帯域超シープカットフィルタの実現は、非常に困難であるとされている。
【0003】
通常、RF段の帯域通過フィルタは、多数個の共振器を用いて構成される。多数個の共振器で構成される帯域通過フィルタでは、共振器間の結合をそれぞれどのような値にするかによって、どのようなフィルタ特性を実現するかが決定される。そして、共振器が正確に結合されているかどうかで設計した特性を実現できるかどうかが定まる。特に、共振器間の結合が非常に弱い狭帯域のフィルタでは、共振器間の結合が重要とされている。
【0004】
従来、マイクロストリップライン、ストリップライン等に代表されるような平面回路を用いたフィルタが知られている。例えば、非特許文献1には、共振器間の結合のパスが1本に定められているチェビシェフフィルタが開示されている。このようなフィルタにおいて狭帯域化は、結合は、共振器間の距離を空間的に離すことによって実現されている。また、非特許文献2には、挿入損失を抑えてシャープカットフィルタを構成することができる擬似楕円関数型が開示されている。この型のフィルタでは、信号のパスが1本のチェビシェフフィルタ等のフィルタに飛びこし結合を導入して、ショートカットのパスを導入することにより実現される。更に、共振器間の強い飛びこし結合として単なる空間的な結合だけではなく、非特許文献3に開示されるような共振器と短い区間によって結合させた伝送線路を介して結合するフィルタが開発され、比較的帯域の広いシャープカットの高品質フィルタが実現されるとしている。しかしながら、超狭帯域と超シャープカットの両立は難しいとされている。
【0005】
【非特許文献1】
IEEE Microwave Theory and Techniques Symposium Digest (1998年) 第379頁
【0006】
【非特許文献2】
IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques、第44巻(1996年)、第2099頁
【0007】
【非特許文献3】
IEEE Microwave Theory and Techniques Symposium Digest (2000年) 第661頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように超狭帯域超シャープカットのフィルタの実現は、従来のフィルタでは、非常に困難であるとされている。以下に、その理由を従来技術の問題点として説明する。
【0009】
超シャープカットのフィルタを実現するに際して問題となることが2点ある。例えば、非特許文献1に開示されるような、ギャップによる共振器相互間の結合を用い、さらに結合のパスが1本のフィルタとなる構造を採用しているチェビシェフフィルタ等においては、共振器間の距離を離すと全ての結合が弱い結合になるが、特性を劣化させる隣接以外の結合が十分小さくはならない。従って、結合を共振器間の距離で調整すると、特性が大きく乱されてしまう問題がある。また、共振器間を大きく離す必要があることから、非常にフィルタ自体が大きくなり、基板等のサイズが限られる等の問題で設計上の制約が課され、段数が取れずにシャープカットにできない問題がある。
【0010】
もう一つの重要な問題点は、低挿入損の超狭帯域シャープカットフィルタを構成するに際して顕在化する。通常のチェビシェフ型フィルタでは、シャープカットにするために段数を増やすことになるが、狭帯域の場合には、損失面で非常に不利になり挿入損失が大幅に増えてしまう。
【0011】
挿入損失を低減させる為には、非特許文献2に開示されるような挿入損失を抑えてシャープカットフィルタを構成することができる擬似楕円関数型を構成することが必要となる。この型のフィルタでは、信号のパスが1本のチェビシェフフィルタ等のフィルタに飛びこし結合を導入して、ショートカットのパスを導入することにより実現される。したがって、狭帯域フィルタを実現しようとすると、もともと弱い結合でつながれている共振器に弱い飛びこし結合を導入するために、取るべき結合以外の部分にも寄生的な結合が生じてしまい、これが特性を大きく乱し、狭帯域でシャープカットの擬似楕円関数型フィルタを実現できない問題が生ずる。
【0012】
一方、共振器間の強い飛びこし結合として単なる空間的な結合だけではなく、非特許文献3に開示されるような共振器と短い区間によって結合させた伝送線路を介して結合するフィルタが開発されている。このフィルタによれば、比較的帯域の広いシャープカットの高品質フィルタが実現される。しかしながら、このフィルタにおいても、隣接する共振器間の結合は、共振器間の空間的結合を用いており、弱い結合を取ることが困難で超狭帯域フィルタの実現は難しいとされている。さらに、この線路による飛びこし結合に関しても、大きな問題がある。これは、結合のための線路を付加することにより、もとの共振器の共振周波数がずれてしまうという問題である。超狭帯域フィルタでは、もともと帯域が非常に狭いために材料パラメータの空間分布等にも非常に敏感であり、これにこのような共振周波数のずれが加わると致命的である。例えば、共振器間を結合させた場合に、各々の共振器の中心周波数がこの非常に狭い想定した帯域の外に出てしまうと、帯域通過フィルタ実現は非常に困難となる。
【0013】
このように、平面回路を用いた超狭帯域、シャープカットフィルタは、従来技術のみでは実現困難であるとされている。
【0014】
この発明は、上述した事情に鑑みなされたものであって、共振器間の弱い結合を安定にとることにより、狭帯域かつシャープカットの帯域通過フィルタを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、
基板と、
基板上に形成されている入出力部と、
この入出力部間に設けられ、伝送される信号の通過帯域を定めている複数の共振器と、
前記伝送される信号の中心周波数における波長の略(1+2m)/4倍(m:自然数)の線路長を有し、前記共振器にギャップを介して対向され、当該共振器に結合される結合部を備え、この結合部が実質的に1/4波長の長さを有する前記共振器相互間を結合する伝送線路と、
を具備することを特徴とする帯域通過フィルタが提供される。ここで、この明細書では、波長とは誘電体基板を用いて形成された伝送線路における波長とし、中心波長とは中心周波数に相当する波長とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態に係る帯域通過フィルタを説明する。
【0017】
以下の説明において、実施形態に係る帯域通過フィルタは、狭帯域或いは超狭帯域の信号を通過させる機能を有するものとして説明する。ここで、狭帯域及び超狭帯域は、通過する信号波長の帯域幅Δに対する通過する信号の中心周波数f0の比である比帯域Δ/f0で表すことができ、この明細書では、狭帯域は、比帯域で2%以下であり、超狭帯域は、比帯域で0.5%以下であるとする。
【0018】
図1は、この発明の実施形態に係る超伝導フィルタの基本的な断面構造を概略的に示す断面図である。
【0019】
この図1に示される分布定数型共振器は、超伝導マイクロストリップ線路共振器であって、基板2の上面にその共振器のパターン4及び共振器のパターン4の両側に励振線8−1、8−2が設けられて平面回路として形成され、この基板2の下面には、薄膜、例えば、Y系銅酸化物超伝導膜6が形成されている。この基板2は、例えば、その直径が約50mm、その厚さが0.43mmで、その比誘電率が例えば、約10のMgOで作られている。また、このマイクロストリップ線路の超伝導膜6は、例えば、厚さ約500nmのY系銅酸化物高温超伝導薄膜を用い、ストリップ導体の線路幅は、約0.4mmであり、この超伝導薄膜6は、レーザー蒸着法、スパッタ法あるいは共蒸着法などにより形成することができる。共振器のパターン4は、励振線8−1、8−2間の領域に配置されている。この共振器のパターン4及び励振線8−1、8−2等も同様に薄膜、例えば、Y系銅酸化物超伝導膜のYBCO薄膜で形成されている。基板2の下面薄膜6は、接地されている。
【0020】
ここでは、マイクロストリップ線路が所定の形状に形成されている共振器を例にして説明するが、ストリップ線路が所定の形状に形成されている共振器についても同様に適用されても良いことは明らかである。また、例えば一対の基板間に共振器のパターン4が形成されているようなストリップ線路が知られているが、ストリップ線路にあっても下記に述べるように共振器のパターン構造を採用することができる。
【0021】
図2は、この発明の実施の形態に係るフィルタの基本的な構成を説明するための第1の共振器パターンを示す平面図である。図1において、第1の共振器パターン4を構成している共振器21及び22は、半波長共振器であり、共振周波数は、5GHzに定められている。即ち、これらの共振器21又は22が単独で存在する場合には、励振する信号周波数を0Hzから上げていくと、共振周波数である5GHzで初めて共振する。この共振周波数に相当する波長は共振器の長さの2倍になっている。そして、この共振器21及び22は、3/4波長の長さを有する伝送線路23を介して結合されている。共振器21及び22は、基板2上に形成された伝送線路23に所定長xだけギャップ24及び25を介して対向され、伝送路23に沿って基板2上を同一方向に向けて延出されている。従って、伝送線路23と共振器21及び伝送線路23と共振器22は、夫々ギャップ24及び25を介して結合され、結果的に共振器21、22は、ギャップ24,25と伝送線路23によって結合されている。
【0022】
このような共振器パターンにおいては、ギャップ24及び25を介して結合されている共振器21、22と結合用伝送線路23との結合部分の所定長xが重要であり、この所定長xが実質的に1/4波長に設定される。図3には、図2に示される共振器21、22及び伝送線路23で構成される共振器パターン4を備えたフィルタの共振特性が示されている。この図3に示されるフィルタの共振特性においては、中心周波数付近に2つの共振点があり、その周波数の平均値は、5.00GHzと共振器単独の値に一致し、各々の共振器の共振周波数は、この結合によってずれていないことが分かる。共振器の結合の値としても10-4以下が実現可能である。従って、図2に示す共振器パターンを有するフィルタでは、狭帯域の周波数特性を実現することができる。
【0023】
図4は、共振器21、22における結合部分の所定長xと周波数ずれとの関係を示している。この図4から明らかなように、実質的に1/4波長に相当する結合部分の所定長xが0.22〜0.28波長の範囲、より厳密には、0.24〜0.27波長の範囲にあれば、その範囲内で共振周波数のずれが最小となることが分かる。これは共振器部分において、1/4波長で開放から短絡、又は、短絡から開放となり、結合用線路が結合していても、そのギャップ24、25を介しての結合が弱いために節と腹の位置が単独の共振器の場合とほとんど変わらないためであり、結合部分の所定長xが実質的に1/4波長に設定されると周波数のずれがほとんど生じないようにできる。
【0024】
図5は、この発明の他の実施の形態に係るフィルタの基本的な構成を説明するための第2の共振器パターンを示す平面図である。
【0025】
図1に示すフィルタ構造において、厚さ約0.43mm、比誘電率約10のMgO基板2上に超伝導マイクロストリップ線路が形成される。ここで、マイクロストリップ線路の超伝導体は、厚さ約500nmのY系銅酸化物高温超伝導薄膜を用い、ストリップ導体の線路幅は、約0.4mmに形成している。超伝導薄膜は、レーザー蒸着法、スパッタ法あるいは共蒸着法などにより形成される。
【0026】
図5に示すように第2の共振器パターン4を構成する共振器27、28は、1波長共振器であり、共振周波数は5GHzに定められている。共振器27及び28は、基板2上に形成された伝送線路29に所定長xだけギャップ26及び30を介して対向され、伝送路29に沿って基板2上を同一方向に向けて延出されている。従って、伝送線路29と共振器27及び伝送線路29と共振器28は、夫々ギャップ26及び30を介して結合され、結果的に、この共振器27、28は、5/4波長の長さを有する伝送線路29を介して共振器27,28が結合されている。
【0027】
このような共振器パターンにおいては、ギャップ26、30を介して結合されている共振器27、28と結合用伝送線路29の結合部分26、30との所定長xが1/4波長に設定されている。図6には、図5に示される共振器27、28及び伝送線路29で構成される共振器パターン4を備えたフィルタの共振特性が示されている。この図5に示されるフィルタの共振特性においては、中心周波数付近に2個の共振点があり、その周波数の平均値は、5.0GHzと共振器単独の値に一致し、各々の共振器の共振周波数はこの結合によってずれていないことが分かる。従って、図5に示す共振器パターンを有するフィルタでは、狭帯域の周波数特性を実現することができる。
【0028】
図7は、共振器の結合部分の長さxと周波数ずれの関係を示している。この図7から明らかなように、実質的に1/4波長に相当する結合部分の所定長xが0.22〜0.28波長の範囲、より厳密には、0.24〜0.27波長の範囲であれば、その範囲内では、周波数ずれが最小となることが分かる。これは、共振器部分において、1/4波長で開放から短絡、又は、短絡から開放となり、節と腹の位置が単独の共振器の場合と変わらないためである。
【0029】
尚、この結合位置であるが、図8に示すように、共振器27、28を実質1/4波長単位で区切った位置であれば、図5の場合と同様に結合を取ることが可能である。即ち、伝送線路29の結合部分29a、29b以外が共振器27、28から離れるようにコ字形に屈曲され、コ字形部に結合部が付加された形状の伝送線路部29に形成され、その結合部分29a、29bが実質1/4波長の所定長xを有し、しかも、共振器27、28の領域が実質1/4波長の所定長xで区分され、その区分された領域に所定長xを有する結合部分29a、29bが対応する共振器に最も近接して対向されていれば、共振器27,28のいずれの箇所で結合部分29a、29bが対向されても良い。このように伝送線路29が屈曲される場合には、伝送路29が直線状に形成されている場合に比して結合のずれを小さくすることができる。
【0030】
また、図9に示したように共振器の反対側からも結合をとることも可能である。即ち、伝送線路29で区分される領域の一方の側に1つの共振器27が配置され、他方の側に他の共振器28が配置されていても良い。
【0031】
更に、共振器27、28は、1波長共振器に限らず、1波長よりも長い(n+2)/2(n:自然数)波長共振器であっても、伝送線路29によって同様に共振器27,28の結合を取ることが可能である。
【0032】
また、この発明の実施例に係るフィルタでは、半波長より長い共振器及び半波長よりも長い結合用伝送線路を用いている。このような構造を有するフィルタにおいては、原理的に通過帯域よりも低周波領域において、これらが共振し、遮断特性が劣化される場合がある。しかしながら、この特性劣化には、広帯域の帯域通過フィルタや低域または、広域通過フィルタ等を前後に設置することによって回避することができる。
【0033】
以下、図10〜図17を参照してこの発明のフィルタの様々な実施例を説明する。
【0034】
(実施例1)
図10は、この発明の実施例1に係るフィルタの1パターンを説明する平面図である。
【0035】
図1を参照して説明したと同様に、厚さ約0.43mm、比誘電率約10のMgO基板2上に超伝導マイクロストリップ線路が形成されている。ここで、マイクロストリップ線路の超電導体は、厚さ約500nmのY系銅酸化物高温超伝導薄膜を用い、ストリップ導体の線路幅は、約0.4mmである。超伝導薄膜4は、レーザー蒸着法、スパッタ法あるいは共蒸着法などにより作製される。
【0036】
図10に示すフィルタは、励振線で作られた入出力線路31、43間に6段の共振器32、34、36、38、40、42を備えるチェビシェフ型フィルタであり、そのそれぞれの開口側が同一方向に向けられている6つの半波長ヘアピン型共振器32、34、36、38、40、42が一列に配置され、ヘアピン型共振器32、34、36、38、40、42間には、互いに隣接する共振器を結合するために3/4波長の長さを有する略コ字形の結合用線路33、35、37、39、41が配置されている。図10に示される配置から明らかなように、このフィルタは、意図的に飛びこし結合を入れることのないチェビシェフ型に構成され、隣接する半波長共振器間は全て結合線路を用いて弱い結合が実現されている。ここで、共振器の共振周波数は、フィルタの中心周波数である5GHzに、帯域幅は、10MHzに設定されている。また、この共振周波数に相当する波長は、各共振器の長さの2倍になっている。そして、全ての結合用線路と共振器との結合部分の長さxは実質1/4波長である0.23波長に選定されている。
【0037】
図11には、図10に示される配置のフィルタで得られた特性を示している。図11から明らかなように、比帯域が0.20%と非常に小さいにもかかわらず、小さな結合が安定に取れるため、帯域内も乱れも非常に小さく、きれいな特性が得られることが判明している。従って、図10に示されるような構造のフィルタによれば、超狭帯域のフィルタを実現することができる。
【0038】
(実施例2)
図12は、この発明の他の実施例に係るフィルタの1パターンを説明する平面図である。図12に示すフィルタは、励振線で作られた入出力線路50,58間に4段の共振器51、53、55、57を備えるチェビシェフフィルタであり、共振器としては、1波長の直線型共振器51、53、55、57を用いている。そのため、共振周波数に相当する波長は、共振器の長さと一致している。そして、隣接する共振器51、53、55、57は、それぞれ図8に示されるような形状に屈曲された線路52、54、56を介して結合されている。伝送線路52、54、56は、夫々7/4波長の長さを有し、そして結合部の長さxは、全て実質的に1/4波長に定められ、この結合部が対応する共振器に最も近接して配置されている。このように、共振器の長さを1波長としているために、共振器に結合する2個の結合線路のエッジを離すことができ、直線型の共振器を用いても図13に示すように良好な狭帯域特性を得ることができることが判明している。
【0039】
図10及び図12に示される実施例に係るフィルタでは、共振器32、34、36、38、40、42、51、53、55、57は、直線型或いはヘアピン型が採用されているが、これらに限ることなく、オープンループ型など、種々の形状の共振器を用いることができる。
【0040】
尚、図12に示される実施例では、マイクロストリップラインで回路を構成したが、ストリップ線路で回路を構成することも可能である。また、より狭帯域のフィルタの実現時には、結合線路間、共振器間又は共振器と結合線路間に金属の隔壁を設けることも可能である。
【0041】
(実施例3)
図14は、この発明の更に他の実施例に係るフィルタの1パターンを説明する平面図である。
【0042】
図14に示すフィルタでは、厚さ約0.43mm、比誘電率約10のMgO基板(図示略)上に超伝導マイクロストリップ線路を形成している。ここで、マイクロストリップ線路の超電導体は、厚さ約500nmのY系銅酸化物高温超伝導薄膜を用い、ストリップ導体の線路幅は約0.4mmである。超伝導薄膜は、レーザー蒸着法、スパッタ法あるいは共蒸着法などにより作製される。
【0043】
図14に示されるフィルタは、励振線で作られた入出力線路60,68間に設けた4つの直線型共振器61,63,65,67で構成される4段フィルタである。図14に示されるフィルタでは、共振器として1波長の共振器を用い、隣接する共振器61,63,65,67は、実質的に1/4波長の長さxを有する結合部分を介して7/4波長の長さを有する伝送線路62,64,66によって結合されている。また、共振器61、67は、伝送線路69によって飛びこし結合されている。ここで、共振器61、67を基準に、隣接結合用の伝送線路62,66が一方の領域に配置され、反対側の他方の領域に17/4波長を有する伝送線路69が配置されている。他方の領域で伝送線路69の実質的に1/4波長の長さを有する結合部分が共振器61、67に対向されている。このフィルタの設計には、伝達関数の零点を±1.5jに有する基準化低域通過フィルタを用いている。ここに、jは虚数単位である。
【0044】
図15は、図14に示される配置のフィルタで得られた、中心周波数付近のみを測定した特性を示している。図14から明らかなように図14に示す構造のフィルタによれば、ノッチが入ってシャープカットされた狭帯域の周波数特性が得られることが判明している。
【0045】
図14に示されるフィルタでは、共振器は直線型であるが、オープンループ型など、種々の共振器を用いることも可能である。
【0046】
尚、図14に示されるフィルタでは、マイクロストリップラインで回路を構成したが、ストリップ線路で回路を構成することも可能である。
【0047】
(実施例4)
図16は、この発明の更に他の実施例に係るフィルタの1パターンを説明する平面図である。図16に示されるフィルタでは、厚さ約0.43mm、比誘電率約10のMgO基板2上に超伝導マイクロストリップ線路が形成されている。ここで、マイクロストリップ線路の超電導体は、厚さ約500nmのY系銅酸化物高温超伝導薄膜を用い、ストリップ導体の線路幅は約0.4mmである。超伝導薄膜は、レーザー蒸着法、スパッタ法あるいは共蒸着法などにより作製される。
【0048】
図16に示されるフィルタでは、励振線で作られた入出力線路70、84間に6つの直線型共振器71、73、75、79、81、83で構成される6段フィルタが配置されている。ここでは、共振器71、73、75、79、81、83として1波長の共振器が用いられ、隣接結合には、実質的に1/4波長の長さを有する結合部分を介して7/4波長の長さを有する伝送線路72、74、76、80、82が用いられ、飛びこし結合にも、共振器71、73、75、79、81、83の隣接結合用の線路72、74、80、82とは反対側に配置された実質的に1/4波長の長さを有する結合部分を介して引き出した7/4波長の長さを有する伝送線路77、78が用いられる。設計には、伝達関数の零点を±1.25j、±2jに有する基準化低域通過フィルタを用いている。ここに、jは虚数単位である。
【0049】
図17は、図16に示される配置のフィルタで得られた特性を示している。図17から明らかなように、図16に示される構造を有するフィルタによれば、ノッチ4個入ってシャープカット化した狭帯域の特性が得られることが判明している。
【0050】
図16に示すフィルタでは、共振器は直線型であるが、オープンループ型など、種々の共振器を用いることも可能である。
【0051】
なお、本実施形態は、マイクロストリップラインで回路を構成したが、ストリップ線路で回路を構成することも可能である。また、ここではMgO基板を用いたが、サファイア基板等でも可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、共振器間の弱い結合も安定して実現でき、超狭帯域でシャープカットの帯域通過フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る帯域通過フィルタの構造を概略的に示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態に係る帯域通過フィルタの基本的な構成を説明するための第1の共振器パターンを示す平面図である。
【図3】図2に示される共振器パターンを備えたフィルタの共振特性を示すグラフである。
【図4】図2に示される共振器パターンを備えたフィルタにおける結合部分の長さと周波数ずれの関係。
【図5】この発明の他の実施の形態に係る帯域通過フィルタの基本的な構成を説明するための第2の共振器パターンを示す平面図である。
【図6】図5に示される共振器パターンを備えたフィルタの共振特性を示すグラフである。
【図7】図5に示される共振器パターンを備えたフィルタにおける結合部分の長さと周波数ずれの関係。
【図8】この発明の更に他の実施の形態に係る帯域通過フィルタの基本的な構成を説明するための第3の共振器パターンを示す平面図である。
【図9】この発明のまた更に他の実施の形態に係る帯域通過フィルタの基本的な構成を説明するための第4の共振器パターンを示す平面図である。
【図10】この発明の実施例に係るチェビシェフ型帯域通過フィルタを示す平面図である。
【図11】図10に示すチェビシェフ型フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図12】この発明の他の実施例に係るチェビシェフ型帯域通過フィルタを示す平面図である。
【図13】図12に示すチェビシェフ型フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図14】この発明の他の実施例に係る擬似楕円関数型帯域通過フィルタを示す平面図である。
【図15】図14に示す擬似楕円関数型フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図16】この発明の他の実施例に係る擬似楕円関数型帯域通過フィルタを示す平面図である。
【図17】図16に示す擬似楕円関数型フィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【符号の説明】
2…基板、4…共振器パターン、6…導体膜、21、22、27、28、32、34、36、38、40、42、51、53、55、57、61、63、65、67、71、73、75、79、81、83…共振器、23、29、33、35、37、39、41、52、54、56、62、64、66、69、72、74、76、77、78、80、82…結合用伝送線路、24、25、26、30…ギャップ、31、50、60、70…入力線路、43、58、68、84…出力線路、

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成される入出力部と、
    前記入出力部間に設けられる複数の共振器と、
    通過帯域の中心周波数に対応する中心波長の(1+2m)/4倍(m:自然数)の線路長を有し、両端部でギャップを介した結合部により前記共振器間を結合する伝送線路とを備え、
    前記結合部が前記中心波長の1/4波長の長さを有することを特徴とする帯域通過フィルタ。
  2. 前記共振器は、前記中心波長のn/2倍(n:自然数)の長さを有することを特徴とする請求項1記載の帯域通過フィルタ。
  3. 前記共振器の少なくとも一つは、超電導体により形成されていることを特徴とする請求項1記載の帯域通過フィルタ。
  4. 前記伝送線路は、前記結合部以外の部分において前記共振器から離れるように屈曲され、前記共振器は、前記中心波長の1/4波長単位の領域に区分され、前記結合部は、任意の前記領域において、対応する前記共振器に最も近接して対向することを特徴とする請求項1記載の帯域通過フィルタ。
  5. 1つの前記共振器が、3つの前記伝送線路に結合されることを特徴とする請求項1記載の帯域通過フィルタ。
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